JP2000345549A - 空気溶存水を地中に浸透させることによる地盤の地震時液状化防止工法 - Google Patents

空気溶存水を地中に浸透させることによる地盤の地震時液状化防止工法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤沈下が生じない地震時液状化防止工法を
提供すること。 【解決手段】 粘着力が微弱な地盤中に超微細気泡を含
む空気溶存水を浸透させ続けることにより地盤中に微小
気泡混入範囲を造成し、また定常的に地下水流7がある
地盤中にも超微細気泡を含む空気溶存水を浸透させるこ
とにより微小気泡混入範囲の地盤の飽和度を地震時に液
状化が発生しない程度まで低下させて液状化を防止する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤の地震時液状
化防止工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地盤の液状化とは、地下水により飽和し
た粘着力が微弱であるかまたは、粘着力がないゆるい砂
質の地盤が地震により激しく揺すられた際に起きる特異
な現象である。砂をゆるく詰めた容器を激しく揺する
と、容器中の砂の粒子間空隙容積が縮小するために砂が
揺すり込まれて体積が減ることは、日常見られる現象で
ある。乾いたゆるい砂地盤が地震により激しく揺すられ
ると同様な現象が生じ、砂の空隙容積が縮小するために
地盤が沈下する。しかし、乾いたゆるい砂地盤が揺すら
れる場合には、多少の沈下が生じるほかに重大な被害を
及ぼすようなことは無い。
【0003】しかし、地下水により飽和した粘着力が微
弱であるかまたは粘着力がないゆるい砂質地盤が地震に
より激しく揺すられると、地盤内の空隙容積が縮小しよ
うとしても空隙容積には地下水が充満していて縮小し得
ず、空隙容積が縮小しようとする力によって空隙中の水
に異常に高い圧力の過剰間隙水圧が発生し、重力により
有効に作用していた粒子間の接触圧がほとんど零にな
り、土粒子が地下水中に浮遊しているような状態にな
る。地盤がこのような状態になることを液状化という。
液状化した地盤は流体の性質を帯び、外部から作用する
力に対する抵抗力を失い、地盤より比重が小さい軽い物
体は地中から浮き上がり、地盤より比重が大きい重い物
体は地盤中に沈み込む。液状化した地盤は、ほとんど平
坦に見える僅かに傾斜した傾斜面でも低い方へ徐々に流
動する。液状化した地盤そのものの流動圧は、構造物を
破壊するほど大きくない場合が多いが、流動する液状化
した地盤上の地下水面上の液状化していない固体地盤も
液状化した地盤とともに移動し、この移動する固体地盤
が構造物基礎に及ぼす膨大な圧力により構造物が倒壊す
ることがある。
【0004】前記の液状化を起こしやすい土の条件とし
ては、相対密度75%以下、均等係数10以下、
50%粒径D50が0.074〜2.0mm、上載荷
重2Kgf /cm2 以下などが挙げられていたが、阪神淡
路大震災では、D50が2.0mm以上の砂礫地盤にも
液状化が発生した。
【0005】また、前記従来の液状化の対策としては、
地盤を液状化しないように改良する。液状化が発生
しても構造物に致命的な被害を生じないように構造物を
設計する方法が考えられている。
【0006】前記の地盤の性質を改良することによる
液状化防止対策の中にも、A.密度の増大工法、B.固
結工法、C.置換工法(土質の改良)、D.飽和度の低
下工法等がある。
【0007】本発明は、地盤改良による液状化防止対策
のうち前記、D.飽和度の低下工法に属し、従来の飽和
度低下工法の欠点を改良するものである。
【0008】従来の飽和度低下工法には、ディープウェ
ル工法と排水トンネルによる地下水位低下工法が考えら
れたことがある。
【0009】ディープウェル工法は、ディープウェルに
より地下水を汲み上げて地下水位を低下させる工法であ
る。この工法では、地下水位の低下による地盤沈下の影
響が大きいので、都市地域では実施不可能であると考え
られる。
【0010】排水トンネル工法は、地中深部に設置した
多孔質トンネルに地下水を流入させ、前記トンネルから
地下水を汲み上げて地下水位を低下させる工法である。
この工法でも、ディープウェル工法と同様に、地下水位
の低下による地盤沈下の影響が大きいので、都市地域で
は実施不可能であると考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の液状化防止対策
としての飽和度(地下水位)低下工法では、地盤沈下が
生じ、構造物の沈下を考慮する必要があるなどの問題が
あった。本発明は前述の課題を解決したもので、地盤沈
下が生じることなく、空気溶存水を地中に浸透させるこ
とによる地盤の地震時液状化防止工法を提供することを
目的とする。ここで言う空気溶存水は、例えば図1に示
す曝気装置20aにより水道水20を噴霧状に空気中に
噴上処理して造成した空気を飽和状態もしくは過飽和状
態で溶存する水道水を言う。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載の空気溶存水を地中に浸透
させることによる地盤の地震時液状化防止工法において
は、粘着力が微弱な地盤中あるいは定常的に地下水流が
ある地盤中に超微細気泡を含む空気溶存水を浸透させ続
けることにより地盤中に微小気泡混入範囲を造成し、そ
の微小気泡混入範囲の地盤の地下水の飽和度を地震時に
液状化が発生しない程度まで低下させて液状化を防止す
ることを特徴とする。
【0013】また請求項2に記載の空気溶存水を地中に
浸透させることによる地盤の地震時液状化防止工法にお
いては、粘着力が微弱な地盤中に超微細気泡を含む空気
溶存水を浸透させ続けることにより地盤中に微小気泡混
入範囲を造成するため、定常的な地下水流の上流端に、
不透気性の被覆で上面を覆った盲溝中に多孔管を設け、
その多孔管に超微細気泡を含む空気溶存水を流入させ、
定常的な地下水流の下流端に設けた盲溝中の多孔管に、
地中を浸透した微小気泡を含む空気溶存水を集水し、そ
の集水した水を最寄りの下水管または雨水渠に流下させ
ることにより、ゼロメーター地域を囲む堤防または防潮
壁基礎地盤中の微小気泡混入範囲の地盤の地下水の飽和
度を地震時に液状化が発生しない程度まで低下させて液
状化を防止することを特徴とする。
【0014】また、請求項3の空気溶存水を地中に浸透
させることによる地盤の地震時液状化防止工法において
は、請求項1または2の発明において、ミクロンサイズ
の超微細気泡を空気溶存水中に発生させるために、セラ
ミック等のポーラスストーンのような超微細濾過層を備
えた超微細濾過装置を通じて圧縮空気を流入させること
により発生する超微細気泡が混入する水を、送水手段に
より、現存する定常的な地下水流の上流端に設けた上面
を不透気性の被覆で覆った盲溝中の多孔管中に流入させ
ることを特徴とする。
【0015】また、請求項4の空気溶存水を地中に浸透
させることによる地盤の地震時液状化防止工法において
は、請求項1、2、3の発明において、空気を溶存する
水道水を地中に浸透させる場合、貯水槽の底面の高さが
中等海水面にほぼ一致する高さの貯水槽に水道水を溜
め、前記貯水槽に貯水した水を前記定常的な地下水流の
上流端に設けた多孔管へ流入させる過程において、ポー
ラスストーンのような超微細濾過装置を通じて発生させ
た超微細気泡が混入する水道水を、上流端に設けた盲溝
中の多孔管を通じて地中に浸透流入させることにより、
地下水中に微小気泡を発生させることを特徴とする。
【0016】また、請求項5の空気溶存水を地中に浸透
させることによる地盤の地震時液状化防止工法において
は、請求項1、2、3、4の発明において、空気を溶存
する水道水を地中に浸透させる場合、水道水を貯水槽に
溜め、前記貯水槽に貯水した水に超微細濾過装置を通じ
て発生させた超微細気泡が混入する水を地下水流の上流
端に設けた盲溝中の多孔管を通じ地中に浸透させて、地
盤中に前記超微細気泡を核として発生する微小気泡混入
範囲の地下水の飽和度を地震時に地盤に液状化が発生し
ない程度まで低下させて液状化を防止することを特徴と
する。
【0017】また、請求項6の空気溶存水を地中に浸透
させることによる地盤の地震時液状化防止工法において
は、請求項2、3、4および5の発明において、空気を
溶存する水道水を地中に浸透させる場合、水道水を貯水
槽に溜め、前記貯水槽が満水になれば、盲溝中の多孔管
中に通水する貯水槽排水口の水栓が自動的に開き一定時
間、超微細濾過装置により発生させた超微細気泡を混入
する水道水を、地下水流の上流端に設けた盲溝中の多孔
管を通じ地中に浸透させて地盤中の微小気泡混入範囲の
地下水の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度まで
低下させて液状化を防止することを特徴とする。
【0018】また、請求項7の空気溶存水を地中に浸透
させることによる地盤の地震時液状化防止工法において
は、請求項2、3、4、5および6に記載の発明におい
て、多孔管17に放水機能を有する制御弁を備えた立管
の基端部を接続し、その放水機能を有する制御弁91に
より、多孔管17内の水圧を多孔管17周囲の地下水圧
より高くならないようにすることを特徴とする。
【0019】また、請求項8の空気溶存水を地中に浸透
させることによる地盤の地震時液状化防止工法において
は、請求項2、3、4、5、6および7に記載の発明に
おいて、多孔管に水を送水する時に、多孔管17内の水
圧を周囲の地下水圧に比べて過大になることを抑制する
ために、多孔管に接続する送水管に、給水量制御弁83
を備えた給水量制御装置を設けることを特徴とする。
【0020】本発明によると、粘着力が微弱な地盤中あ
るいは定常的な地下水流がある粘着力が微弱な地盤中
に、飽和または過飽和空気溶存水に超微細気泡を混入さ
せた水を浸透させることにより、地盤中に微小気泡混入
範囲を造成し、その微小気泡混入範囲内の地盤の地下水
の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度まで低下さ
せて液状化を防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に本発明を図示の実施の形態に
基づいて説明する。 〔本発明を適用する場所〕本発明を適用する場所は、定
常的に地下水流がある地盤で、これはゼロメーター地域
を囲う堤防とその基礎地盤、防潮護岸シートパイル壁の
基礎地盤または重力式護岸壁の基礎地盤であり、例えば
図1,図3の実施の形態に示すように、主としてゼロメ
ーター地域1(中等海水面より低い地域)周囲の堤防
2、防潮護岸壁3の基礎地盤4であって、河海側5から
堤防2または防潮護岸壁3内に向かう定常的地下水流7
がある場所である。ゼロメーター地域1内における堤防
2では、河海側5から堤内側6へ向けて地盤中を浸透水
8が定常的に流れている。そして、堤内側法尻9に浸透
水8をまとめて流下させポンプ場に導く排水渠10が設
けられていることを前提とする。また、堤防斜面11
は、不透水性被覆13等の法面防護工12(木曽三川で
は不透水性被覆13)により覆われていることが多い。
ゼロメーター地域1内堤防2が地震時に基礎地盤4また
は堤体14の液状化により破堤すれば、河水15が堤内
側6のゼロメーター地域1に奔入氾濫しゼロメーター地
域1に惨憺たる被害を及ぼすおそれがある。
【0022】本発明をゼロメーター地域1周囲の堤防2
に適用する場合を、図1に示す模式図に基づいて説明す
る。堤体14内の中段位置に貯水槽24が設置され、こ
の貯水槽24の設置レベルは、貯水槽24の底面の高さ
(ほぼ給水管55への排出口レベル)が中等海水面±
0.0mにほぼ一致する高さにされる。このようにする
と図2に示す給水制御弁83の作動により多孔管の内外
の水圧を均衡させるようにすることができる。また上流
端側の雑石積58外端の盲溝16内に、例えば細粗適宜
に混合した砕石からなるフィルタ材16aが充填され、
これに多孔管17を埋め込むように配設され、その多孔
管17内には、多孔管17の内径よりも小さな外径の送
気管27の出口が同心状に配置され、前記送気管27の
出口に、多孔管17の内径よりも小さな外径の超微細濾
過装置56の入口が接続されると共に、前記超微細濾過
装置56は前記送気管27に同心状に支持された状態で
配置され、前記超微細濾過装置56の他端側の出口は多
孔管17に開放されている。前記貯水槽24の下部排出
口と、盲溝16内に配置された多孔管17の中間部に開
口する入口とは、送水管55により接続され、コンプレ
ッサー等の圧縮空気供給装置57により供給される圧縮
空気28は、前記圧縮空気供給装置57および超微細濾
過装置56に接続された送気管27を介して、セラミッ
クス等の超微細濾過層56aを備えた超微細濾過装置5
6の入口に送気され、その超微細濾過装置56の出口は
前記多孔管17の中間部に開口する前記送水管55の出
口付近において多孔管17内に同心状に配設されてい
る。
【0023】前記圧縮空気送気管27によって送気され
た圧縮空気を、前記超微細濾過装置56に通過させるこ
とにより、図1(b)に示すように、ミクロンサイズの
超微細気泡eを発生させて、前記送水管55から送水さ
れてくる水と混合されて超微細気泡を含む空気溶存水が
生成され、その超微細気泡を含む空気溶存水が樹脂製の
多孔管17から下方に向けて放出され、その放出された
超微細気泡を含む空気溶存水が盲溝16内の細粗適宜に
混合した砕石からなるフィルタ材16aを介して雑石積
58または海底地盤59を通過して浸透経路26または
地下水流7と共に、超微細気泡を含む空気溶存水を堤体
14および砂質土等からなる基礎地盤4に流入浸透させ
続けると、空気溶存水から水圧低下にともない超微細気
泡を含む空気溶存水中の超微細気泡を核とする溶存空気
の溶出による微小気泡が形成され、遮断壁25間の堤体
14および基礎地盤4に微小気泡が成生されつづけるの
で、その部分の地下水の飽和度を低下させていき、した
がって、堤体14内および基礎地盤14の地下水の飽和
度を低下させることができる。前記のような貯水槽2
4,送水管55,圧縮空気供給装置57,多孔管17等
の設備は、例えば堤体2の長手方向に、50m〜100
m間隔で適宜設置するのが好ましい。超微細気泡eが下
流端の多孔管17aに到達するまで数十日以上空気溶存
水中に混入し続ければ浸透水中に十分な数量の微小気泡
が形勢されるので、その後引き続き超微細気泡eを生成
混入させる必要はない。通常一つの貯水槽24から一本
の多孔管17に給水するようになる。給水槽24の設置
間隔は、堤防の規模、本件発明を実施する設備以外の堤
防に付属する水門等の設備、堤体14および基礎地盤の
土質などにより、決められるようになるが、通常、堤体
14の長手方向には、50mないし100mの間隔をお
いて設置するようにするのが好ましい。貯水槽24は前
記実施形態の設置間隔により決まる多孔管17一本の長
さの中央付近に置き、一つの貯水槽24から一本の多孔
管17に給水するようにする。なお、送気管27および
その先端部に配設される超微細濾過装置56は多孔管1
7内に送水管55が取付く送水出口の付近に設けるよう
にするのがよい。
【0024】堤内側の遮断壁25の下部を通過した浸透
水は、前述のように下流側である堤内側の法尻9の堤内
側に隣接設置される盲溝16aに集水され多孔管17a
を通じて流下させ排水渠10から排出される。この実施
形態の場合には、貯水槽24に供給される水は水道水2
0を使用する形態を示している。このように水道水20
を使用する場合には、これを貯水槽24に溜めて間欠的
に送水管55に排出するようにして、多孔管17に適当
な圧力を有する水を供給する。
【0025】前述のように、図1(a),(b)に示す
ような設備により空気溶存水を堤体14内および砂質土
等からなる基礎地盤4内に流入浸透させ、地下水の飽和
度を地震時地盤の液状化が生じない程度まで低下させれ
ば、堤防2の機能を損じることなしに地震時における堤
防2およびその基礎地盤4の液状化を防ぐことができ、
そのため、堤体14および基礎地盤4の液状化に起因す
る破堤を未然に防止することができる。
【0026】次に図2の左側部分を参照しながら、多孔
管17内の水圧を多孔管17外の水圧より高くならない
ように制御するための水圧制御装置93を説明する。前
述のゼロメーター地域は臨海都市内の感潮河川および海
域に接しており、外部水面15aは干満により上下する
ので、多孔管17外の盲溝16内の地下水圧は昇降す
る。また一方において、多孔管17内の水圧も貯水槽2
4内の水位の上下に応じて昇降する。理想的には、多孔
管17内外の水圧が均衡し、多孔管17から流れ出す水
道水20から製造された空気溶存水の浸透流が河水15
等の外部水へ無駄に流出することなく、水道水20から
製造された空気溶存水の浸透流の全量が堤防14とその
基礎地盤中を堤内地6へ向いて流れるようにするのが好
ましい。このために、図2の左部分に示すように、立管
92の基端側入口を多孔管17に接続し、立管92の上
端部を河川15の上方に開放させ、多孔管17から立ち
上がる立管90内の水位が外部水面15aより高くなれ
ば開口して立管92内の水位が外部水面15aに等しく
なるまで立管92の中間部に設けた制御弁91の排出口
95から放水し、立管92内の水位が外部水面15aよ
り低い場合には、制御弁91を締めて外部水15bが立
管92内へ流入しないようにする制御弁91を備えた立
管92を設けて、多孔管17内の水圧を多孔管17周囲
の地下水圧より高くならないようにしてある。このよう
に制御弁91を備えた立管92を設けた場合には、多孔
管17内の水圧が多孔管17周囲の地下水圧より低い場
合には、多孔管17から盲溝16aへの水道水の流出は
停止し、外部水15bが盲溝16aを通じて多孔管17
へ逆流する。しかし、この逆流する外部水15bは盲溝
16を通ってくる間に盲溝中の砕石フィルタ材16aに
より濾過されている。外部水(河川15)が盲溝16を
通じて多孔管17へ逆流する間に盲溝16中の砕石フィ
ルタ材16aは外部水に含まれるシルトによって目詰ま
りが生じるが、多孔管17内の水圧が多孔管17周囲の
地下水圧より再び高くなれば、この目詰まりは多孔管1
7から流出する水道水20から製造された空気溶存水に
より洗浄される。
【0027】さらに図2の左側部分を参照しながら水圧
制御装置93の構造を詳細に説明する。多孔管17に接
続する立管92の基端側は水平に配置され、立管92の
基端側中間部に排出口95を有する制御弁91とこれに
間隔をおいて分岐管96の基端側入口が接続され、その
分岐管96の先端部は立管92の水平部分と並行に配置
され、その分岐管96の先端部出口には、横向きに伸縮
自在な密閉式アコーディオン型ベローズ97に基端側入
口が接続され、そのベローズ97は前記分岐管96に横
向きに固定された中空筒状の制御筒98内に間隙を介し
て同心状に配置され、前記制御筒98の上部には、盲溝
16を貫通して突出し河水内に上端出口が開放された外
部水圧導入用縦管99の基端側入口が接続されていると
共に制御筒98の下部には、左右方向に延長するように
ガイド用スリットが設けられ、弁開閉操作用アーム10
0はそのガイド用スリットにガイドされて回動される。
前記伸縮自在なベローズ97の先端部外側には、ブラケ
ット101の基端部が固定され、そのブラケット101
の先端部と制御弁91における弁開閉操作用アーム10
0の縦スリット付き先端部とは、その縦スリット内に配
置された横軸102により枢着されている。前記多孔管
17に接続する立管92と排出口95を有する制御弁9
1と分岐管96とベローズ97と外部水圧導入用縦管9
9と制御筒98等により水圧制御装置93が構成されて
いる。この水圧制御装置93は立管92内の水位が外部
水圧導入用縦管99内の水圧(河水15の水位15a)
より高いときには、前記ベローズ97が伸長して、制御
弁開閉操作用アーム100を開弁方向(時計方向)に回
動して、制御弁91により排出口95が開き排出口95
から放水し、また立管92内の水位が外部水圧導入用縦
管99内の水圧(河水15の水位15a)より低いとき
には、前記ベローズ97が短縮して、制御弁開閉操作用
アーム88を閉弁方向(反時計方向)に回動して、制御
弁91により排出口95を閉じるように構成されてい
る。なお、制御弁開閉操作用アーム100の回動を確実
にするために、フィルタ材16a内の水圧と制御装置内
水圧とが相互に干渉しないように適宜囲み壁(図示を省
略した)を設ける。
【0028】多孔管17内の水圧も貯水槽24内の水位
の上下に応じて昇降する。この多孔管17内の水圧上昇
量が過大になると制御弁91を備えた立管92を設ける
だけでは対応しきれなくなるので、多孔管17内の水圧
上昇量が過大になることを抑制するために、貯水槽24
から多孔管17に給水する送水管55が多孔管17に接
続する直前に次のような給水量を抑制する給水量抑制制
御装置90を設置する。この制御装置90は、送水管5
5から分岐する分岐管55aと外部水に接続する外部水
圧導入用縦管86とが取り付く制御筒85内に、送水管
55から分岐する分岐管55aに接続するアコーディオ
ン形ベローズ84が設けられ、給水圧が高すぎてアコー
ディオン形ベローズ84が伸びると、同ベローズ頂点
(先端部)にヒンジ接合する弁開閉操作用アーム88が
回動して給水制御弁83を絞り、給水を減少する。給水
が減少され給水圧が低下するとベローズ84が縮まり給
水制御弁83を開けて給水を増加する。
【0029】次に図2の右側部分を参照しながら、さら
に送水管55側に設けられた給水量抑制制御装置90の
構造について詳細に説明する。盲溝16内において水平
に配設された送水管55の中間部に給水制御弁83が設
けられると共に、前記給水制御弁83の上流側におい
て、送水管55から分岐する分岐管55aの基端側入口
が接続され、その分岐管55aの先端部は送水管55の
水平部分と並行に配置され、その分岐管55aの先端部
出口には、横向きに伸縮自在な密閉式アコーディオン型
ベローズ84の基端側入口が接続され、そのベローズ8
4は前記分岐管55aに横向きに固定された中空筒状の
制御筒85内に間隙を介して同心状に配置され、前記制
御筒85の上部には、盲溝16を貫通して外部河水内に
上端出口が開放された外部水圧導入用縦管86の基端側
入口が接続されていると共に制御筒85の下部には、左
右方向に延長するようにガイド用スリットが設けられ、
給水制御弁開閉操作用アーム88はそのガイド用スリッ
トにガイドされて回動される。前記伸縮自在なベローズ
84の先端部外側には、ブラケット87の基端部が固定
され、そのブラケット87の先端部と給水制御弁83に
おける給水制御弁開閉操作用アーム88の縦スリット付
き先端部とは、その縦スリット内に配置された横軸89
により枢着されている。前記給水制御弁83と分岐管5
5aとベローズ84と制御筒85と外部水圧導入用縦管
86等により給水量制御装置90が構成されている。こ
の給水量制御装置90は給水管(送水管)55内の給水
圧(送水圧)が外部水圧導入用縦管86内の水圧より高
いときには、前記ベローズ84が伸長して、給水制御弁
開閉操作用アーム88を閉弁方向(反時計方向)に回動
して、給水制御弁83を絞り、また給水管(送水管)5
5内の給水圧(送水圧)が外部水圧導入用縦管86内の
水圧より低いときには、前記ベローズ84が短縮して、
給水制御弁開閉操作用アーム88を開弁方向(時計方
向)に回動して、給水制御弁83を開くように構成され
ている。なお、給水制御弁開閉操作用アーム88の回動
を確実にするために、フィルタ材16a内の水圧と制御
装置内水圧とが相互に干渉しないように適宜囲み壁(図
示を省略した)を設ける。
【0030】〔水道水の出方〕外部水位15aは潮汐に
より一日に通常2回上下する。多孔管17周囲の盲溝1
6内の地下水圧は、潮汐変化より数秒遅れて増減する。
水槽24内の水位は、最高位から最低位にへ減るまで数
日かかる。多孔管17内の水圧は、潮位が低下過程にあ
る間には制御弁91が開弁し排出口95から放水するの
で、多孔管周囲の盲溝16内地下水圧より数秒早く低下
するために、盲溝16内地下水が多孔管17内へ流入す
る。潮位上昇過程では、制御弁91が絞られて多孔管1
7内の水圧は多孔管周囲の盲溝16内地下水圧より数秒
早く上昇するので、多孔管17内の水が盲溝16中へ流
出する。しかし多孔管17内水圧は常に外部水圧を過剰
に越えない程度を保ちながら増減する。
【0031】〔地中に浸透させる水の事前処理〕次に本
発明の液状化防止工法において使用する超微細気泡を含
む空気溶存水を製造するための事前処理について説明す
る。セラミックス等の超微細濾過装置中に圧縮空気を通
過させて発生させたミクロンサイズの超微細気泡を水と
一緒に上流端の盲溝16内の樹脂製の多孔管17に注入
し続ければ、超微細気泡が上方へ浮力により浮き上がろ
うとする力より基礎地盤4内の下流方向への浸透水流に
よる動水圧の方が格段に大きいので超微細気泡は上方へ
は浮き上がらず下流方向へ横移動するので、堤体14表
面に気密な被覆を必要としない。この方法による時は、
毎日1千m3以上の水道水を必要とすることが多い。し
たがって、工業用水道水が容易に得られる場所では料金
が安い工業用水道水を曝気処理して常時適量づつ供給す
る設備を設けるのが望ましい。
【0032】〔地中に浸透させた水の事後処理〕図1に
示す下流端側の排水管10aの途中において、図11お
よび図12に示すように、下流側(堤内側)多孔管17
aに排水管10bにより接続し上方へ直立する溢流立管
103をマンホール104内に設け、溢流立管103よ
り溢流した排水は排水管10aにより最寄りの下水渠ま
たは雨水渠10へ排水する。上流側多孔管17より空気
溶存水を地盤中へ浸透させ始めた時から地盤土の透水試
験結果に基づく透水理論計算により下流側多孔管17a
に空気溶存水の前端が到達したと考えられる期間が経過
した時の前後毎週一回ていどの割合で溢流立管103内
の水の資料を採取し、微小気泡の発生を目測するかまた
は理学試験法により溶存空気濃度を測定する。このよう
にして微小気泡の存在または溶存空気濃度が飽和度以上
に達したことを観測することにより空気溶存水の前端が
下流側多孔管17aに到達したことを確認する。空気溶
存水の前端が下流側多孔管17aに到達した後は、空気
溶存水の浸透経路全長にわたり地震時地盤液状化防止効
果を十分に発揮できる数量の微小気泡が発生しているの
で、微小気泡発生を促進するために放出した超微細気泡
発生用の圧縮空気発生装置の運転を停止し、圧縮空気発
生装置の長期間に及ぶ運転を継続するのに要する維持管
理費および運転用動力費の節約を図ることができる。空
気溶存水が浸透する地盤中に酸化第二鉄等溶存空気中の
酸素を化学反応により奪い去る成分がある場合には、酸
素欠乏空気を溶存する水が下流側多孔管17aに到達し
溢流立管103内の水中より酸素欠乏空気がマンホール
104内に発生し酸素欠乏事故の原因になるおそれがあ
る。酸素欠乏空気が発生するか否かを予知することが不
可能な場合には、酸素濃度計105をマンホール104
内に取り付け、酸素濃度計105が酸素欠乏空気を検知
したときには酸素濃度計105と電気的に連動する換気
扇106が自動的に作動して酸素濃度が平常値に回復す
るまでマンホール104内を換気することにより、酸素
欠乏事故発生を未然に防止する設備を用意する。ただ
し、空気溶存水の浸透経路の地盤中に酸化第二鉄等溶存
空気中の酸素を化学反応により奪い去る成分が無いこと
が事前に確認されている場合には、酸素濃度計105お
よび換気扇106は不要である。都市域内を流下する河
水は濁度が高く、河川に面する堤体および河底地盤は浸
透水中のシルト分により目詰まりし透水係数が低下して
いる。例えば、目詰まりしていない砂の透水係数k=5
×10-2cm/secの場合、目詰まりした砂の透水係
数k´はk´=5×10-3cm/secていどに低下し
ていると考えられる。落差h=2m,浸透距離l=70
mの場合、浸透速度v=kh/l=0.005×2/70=
1.4286×10-4cm/sec=0.1234m/dayである
ので、浸透水流の前端が下流端の多孔管17aに到達す
るに要する時間は、l÷v=70÷0.1234=567day=
1年6か月19日という長時日を要する計算になる。透
水理論計算による空気溶存浸透水流の前端が下流端の多
孔管17aに到達するに要する時間はこのように長いう
えに、浸透係数の設定誤差もあるので所要日数には数日
ないし数週間の誤差がある。故に、計算上の期間終了
後、溢流立管103内の水の試料を採取しその溶存空気
濃度を測定することにを毎週1回ていどの割合で行うわ
けである。
【0033】地中に浸透させる水にゴミやシルト分を含
む河水ではなく、水道水20を用いる装置として、例え
ば図5に示すように、水洗便器に水を流し込む仕掛けに
似た装置を内蔵した貯水槽24に水道水20を溜め、貯
水槽24に水道水20が所要量貯水されたならば排水弁
40が自動的に開き、貯水槽24内の水を盲溝16内の
多孔管17を通じて地盤中に浸透させることができる。
貯水槽24内の水が排出されて多孔管17を通じて地盤
中に浸透し、貯水槽24がほぼ空になると、排水弁40
が自動的に閉じ、常時適当量ずつ水道水20が貯水槽2
4内に注水し続けているので、貯水槽24内の水面が所
定のレベルになると排水弁40が自動的に開き同様な操
作を繰り返すようになる。貯水槽24の大きさは水道水
20が地中を浸透する速度にもよるが、水道水20は間
欠的に数日間流れては、数日間止まる仕掛けとする。こ
のような本発明の装置は、セラミックス、強化プラステ
ィックス等耐久性が優れた材料により構成し、数十年ま
たは百数十年間ほとんど整備しないでも作動するような
簡単で、耐久的な構造であるので、ほとんどメンテナン
スを必要としない。ただし、本発明の工法を適用する堤
防、防潮壁等は、公共資産であるので、関係河川を管理
する公共団体の管理下に置かれ、圧縮空気供給装置57
等の維持管理などに最小限の管理業務が行われることが
予想される。
【0034】次に前記の水道水20を間欠的に排水の為
の開弁・閉弁動作をする装置を装備した貯水槽24の一
形態について、その詳細構造および作用について図5,
図6〜図9を参照しながら説明する。貯水槽24におけ
る縦壁24aの上部内側に、水道管39の一端側の横管
部分およびこれに接続する給水縦管39aが配設され、
前記給水縦管39aの下部が下方に向かって開口してい
る。
【0035】また前記貯水槽内24の底板24bには排
水口48を備えた排水縦管48aが設けられ、その排水
縦管48aの中間部に、溢水排出管48cの下部出口4
8dが接続され、前記溢水排出管48cの上端開口部4
8bは貯水槽24内において排水縦管48aおよびフロ
ート49の上昇した位置におけるレベルよりも高レベル
にかつ給水縦管39aの下端出口よりも若干低レベルに
設定されている。前記排水縦管48aの上端開口部(弁
座)には、支持ア−ム47aを有するフロ−トバルブ4
7の本体が係合され、そのフロ−トバブル47における
前記支持ア−ム47aの基端部は、前記排水縦管48a
の下部に横軸47bにより枢着されて、前記フロ−トバ
ルブ47は前記横軸47bを中心として、開弁方向およ
び閉弁方向に回動自在に構成されている。前記フロ−ト
バルブ47の上端部に鎖50等の連結条体の一端部が接
続され、その連結条体50の他端部はフロ−ト49の下
部に連結されている。前記フロ−トバブル47の内部に
は、空気溜まり47cが設けられており、前記フロート
バルブ47が前記前記排水縦管48aの上端開口部(弁
座)に着座しているときには、水圧がフロ−トバブル4
7の浮力よりも大きくなっているので、前記フロートバ
ルブ47は閉弁状態に作用している。しかし、前記フロ
ート49が水面51より下に没水する前のレベルにおけ
る前記フロート49の浮力は、高レベル位置の場合の水
面51におけるフロートバルブ47に作用する水圧より
も大きく設定されている。
【0036】次に図5に示す前記貯水槽24に水道水2
0が少量づつ給水される場合の貯水および排水動作につ
いて説明する。図6の状態は、水道管39から水道水2
0が貯水槽24内に注水している状態を示したものであ
って、水面51が上昇中である。水面51の上昇ととも
にフロート49も上昇する。なお、排水弁40は閉じて
いる。図7は、フロート49が水面51とともに上昇す
ると、貯水槽24が水道水20によって満水になると同
時に、フロート49とフロートバルブ47を接続してい
る鎖50がフロート49によって引っ張られてフロート
バルブ47が上昇し、排水弁40が開かれ貯水槽24内
の水道水20が排水口48を通して流下する。フロート
バルブ47は、その内部が空気溜まりになっており、水
の浮力作用によって貯水槽24内の水道水20中に浮き
排水口48が開いた状態を保っている。
【0037】図8の状態は、貯水槽24内の水道水20
が排水され始めて、フロート49が水面51とともに下
降し始め、また、水道水20の給水量よりも排水弁40
からの排水量が大きいので、フロート49が下降し始め
た状態である。図9に示される状態は、貯水槽24内の
水面51が下降し、フロートバルブ47に水の浮力が作
用しなくなり、フロートバルブ47が下降し、排水弁4
0が閉じた状態を示している。そして水道管39を通し
て水道水20が貯水槽24内に貯えられる。なお、図9
にはフロート49は図示しないがフロートバルブ40の
左に倒れこんでいる。この装置を用いることにより、人
力、電力を用いることなく、水道水を間欠的に地中に浸
透させることができる。
【0038】東京の下町や濃尾平野などのゼロメーター
地域1内の河川堤防2、防潮堤、防潮護岸壁3の基礎地
盤4中には、水位が高い河海側5から地面が低い堤内側
6に向けて定常的な浸透水8が流入している。定常的な
地下水流7が存在する地盤中に特願平09−19520
4号により出願中の地震時液状化防止工法により圧縮空
気を吹き込む方法によって一時的に空気混入範囲を造成
しても、空気混入範囲内の微小気泡内の空気が地下水流
中に徐々に溶解し去ることにより飽和度は徐々に上昇
し、最終的には地震時における地盤液状化防止の効果を
失う。
【0039】最近の研究によると都市部を貫流する河川
の水には溶解度が飽和に近い空気を溶存し、堤防2内を
浸透していく間に気泡が発生し、その気泡が堤内側6の
遮水壁25に沿う上昇浸透水流31によるボイリングを
助成激化している。このボイリングにより、堤体14か
ら多量の土砂が排出されるため堤体14内に空洞が生
じ、堤体14の劣化を招く原因になる。
【0040】図1(a)に模式的に示すように、堤防2
の下流側の堤内側法尻9に流下してきた気泡を含む浸透
水流を適当な粒度分布のフィルタ材を詰めた盲溝16a
に集水し、盲溝16a中に敷設した多孔管17aを通じ
て下水道または雨水渠などの排水渠10に排水すれば、
上昇浸透流31を減勢させるので、これに起因するボイ
リングによる堤体14の劣化を防ぐことが出来る。堤防
2の堤内側6付近に適当な下水道または雨水渠などの排
水渠10がないかまたはそれら排水渠10が十分に深く
ない場合には、堤体14の堤内側6に排水用の十分に深
い排水渠10を別に設置する必要がある。
【0041】図1に示すように、曝気処理して空気を飽
和または過飽和状態で溶存する水道水20を貯水槽24
に溜めて間欠的に地中に浸透させれば、水道水20中に
は、十分な溶存空気があるので、流入端から流出端に至
る間に水圧が低下する過程において、水道水20中の溶
存空気が溶出して気泡を形成するものと考えられる。し
かしこのように水道水20中に飽和または過飽和状態の
溶存空気がある場合でも、浸透経路26上に気泡発生の
核となるような微粒子がないと気泡は形成されない。図
1に示す圧縮空気送気管27の吹き出し端では圧縮空気
28がセラミックス等の超微細フィルタ材を通じて超微
細気泡となって吹き出され、この超微細気泡が気泡形成
の核となる。浸透経路26上に溶出した空気は、微小気
泡の形で地下水中に分布し、空気溶存水が絶えず補給さ
れるので、浸透水中を空気が占める容積と浸透水容積と
の比すなわち飽和度は低下することがあっても、向上す
ることはない。そして、地盤土の粒度分布、N値等にも
よるが飽和度が85%以下に半永久的に保たれれば、地
盤の地震時液状化を防止できるものと考えられる。
【0042】以上に述べたような堤防2の地震時液状化
防止法と同様な方法により、図3に示すように、空気を
飽和または過飽和状態で溶存する水道水20を防潮護岸
壁3の基礎地盤4中に浸透させることにより、地盤中の
地下水の飽和度を低位に保ち、防潮護岸壁3の基礎地盤
4の地震による液状化を防止できるものと考えられる。
ゼロメーター地域1周囲の防潮護岸壁3の場合の問題
は、堤内側6に壁面に沿って上昇浸透水流31が生じる
と、その上昇浸透水流31によりボイリングが起きて河
海側地盤32から土砂が排出され防潮護岸壁3の基礎地
盤4を劣化させるおそれがある。
【0043】このボイリングによる基礎地盤4の劣化を
防ぐには、堤防2の場合の堤内端遮水壁25に対して設
置したものと同様な適当な粒度分布のフィルタ材16a
を盲溝16中に詰め、そのフィルタ材16aを詰めた盲
溝16中に浸透水流を集水し、図3に示すように盲溝1
6中に敷設した多孔管17aを通じて下水道または雨水
渠などの排水渠10に排水すれば、ボイリングによる基
礎地盤4の劣化を防ぐことができると考えられる。
【0044】図3に示すような防潮護岸壁3の場合に
も、図1に示したように、河水15ではなく水道水20
を地中に間欠的に浸透させる方法がよい。図3に示す方
法でも、地中に浸透させる水には、圧縮空気をセラミッ
クス等の超微細フィルタ中を通過させて発生させた超微
細気泡を混入させておく必要があることは、図1に示し
た工法の場合と同様である。
【0045】図4に示すような重力式護岸壁33の最大
の欠点は、地震時に基礎捨石34を支持する置換砂35
が液状化しやすいことにある。このような型式の護岸壁
に対する液状化防止法は、まず図4に模式的に示すよう
に、弁の切替えによって、圧縮空気供給源に接続されて
おり、かつ流体(空気)の送気または排気の切替え可能
な送排気管36を重力式護岸壁33下の置換砂35中に
配置して、置換砂35中に微小気泡からなる空気混入範
囲を造成すると同時に、ケーソン37の背面地盤38に
も前記送排気管36と同様な装置を使用して空気を吹き
込み、地盤土の粒度分布、N値等にもよるが地下水の飽
和度が85%以下の空気混入範囲を造成しておき、河海
側5の送排気管36(複数の弁の切り替えにより空気吹
き込み管にも排気管または集気管にもなる管)から空気
を飽和または過飽和状態で溶存する水道水20を定常的
または間欠的に流入させる方法が考えられる。前記の空
気混入範囲を造成した後に、空気を溶存する水道水を置
換砂35中に浸透させる理由は、予め微小気泡を置換砂
35中に形成させておいても、空気を十分に溶存してい
ない水が外部水域から置換砂35中に浸透流通すると気
泡中の空気が浸透流中に溶け去り飽和度が上昇して地震
時地盤液状化防止効果を失うためである。また、空気を
飽和または過飽和状態で溶存する水道水を地中に流入さ
せる送排気管36は、図4における河水15側の最左端
にある外部水(河水15)中を立ち上がる多数の送排気
管36からなる送排気管列を通じて自然流入させる。こ
の場合の空気を溶存する水を自然流入させるために、河
水15側の最左端にある送排気管36内の水面は、送排
気管36内と外部水との間を図2に示す制御弁91が付
いた管により連結し、送排気管36内の水位が外部水の
水面15aより上昇しないようにする。図4に示すよう
な重力式岸壁がゼロメーター地域の周囲にある場合に
は、外部水から岸壁基礎地盤を通じる自然的な地下水流
があるので、空気を十分に溶存する水を自然流入させる
と自然的な地下水流と同じような空気を溶存する水の浸
透流が生じるので、予備的に行う圧縮空気を地中に吹き
込む場合と異なり強制的な送水を行う必要がない。
【0046】図4に示す方法では、すでに水道水流通経
路上には十分な数量の微小気泡が生成されているので、
地中に浸透させる水には圧縮空気をセラミックス等の超
微細フィルタ中を通過させて発生させた超微細気泡を混
入させておく必要はない。図4に示す送気側の送気管3
6と排気側の排気管36としては、それぞれ別体の管と
して構成してもよいが、図4に示す送排気管36として
使用できると共に送排水管としても使用できる一実施形
態を図10に示す例に基づいて説明する。図10に示す
具体例では、送気弁60を有し送気装置に接続する送気
管61と、排気弁62を有し排気装置に接続する排気管
63とを合流させてなる送排気管36を、空気吹き込み
管64兼用集気管65としている。また、送排気管36
の先端部は前記送排気管36内に送水弁66を有し高圧
水送水装置に接続する送水管67を導いて両管で内外2
重管とし、送水管67を地盤掘進用の刃部68と噴射水
環形ノズル69機構を有する第1管体70に接続し、さ
らに、送排気管36を前記第1管体70に非連通的に連
設してあり、かつ送排気用ストレーナ71を有する第2
管体72にネジ結合部73で接続した構成としている。
【0047】また、前記管体70には、前記噴射水環形
ノズル69とは別に噴射水環形ノズル69から地中に噴
出した水を取り込む集水孔74が設けられている。前記
噴射水環形ノズル69は、環状に噴射水を噴射すべく第
1管体70の内側に間隙を有して保持されたほぼ円錐形
のブロック75で構成され、かつ、前記第1管体70の
上端部には、集水孔74からの水圧で開口するリングバ
ルブ76が設けられている。リングバルブ76は、その
自重または引下げバネ(図示省略)により環形溝に嵌合
閉鎖しているが、集水孔74からの水圧で作動開口し、
集水孔74から進入した水を上方に排出する。図10に
示す装置により空気溶存水を使用する場合には、前記空
気吹き込み管64兼用送排気管65を送水用に使用し、
送排気用ストレーナ71を送水用に使用するようにすれ
ばよい。
【0048】以上、図1、図3および図4に示したよう
な装置は、水道水を使用する形態であるので、河川15
の水を使用する場合に比べて、シルト分を除去するため
のフィルタ材にシルト分が溜まって目詰まりしたならば
洗浄して目詰まりを除く等の維持管理をする必要がない
ので、維持管理が非常に簡便になる。
【0049】なお、本発明を実施する場合、図1(a)
に示すように、曝気装置20a内に水道水20が有する
水圧または水道水水圧が低い場合には、ポンプ等により
水圧を高めて、曝気装置20a内において噴霧状に噴上
処理して造成した空気を飽和状態もしくは過飽和状態で
溶存する水道水20にして、この水道水20を水道管
(または供給管)39により貯水槽24に供給するよう
にする。
【0050】前記各実施形態を実施する場合、前述した
ように、通常一つの貯水槽24から一本の多孔管17に
給水するようになるが、これらの設置間隔は、堤防等の
規模、本件発明を実施する設備以外の堤防等に付属する
水門等の設備、堤体14および基礎地盤の土質などによ
り、決められるようになるが、通常、堤体14の長手方
向には50mないし100mの間隔をおいて設置するよ
うにするのが好ましい。
【0051】前述のような水道水20に代えて、地中に
浸透させる水には十分に空気を溶存する河水15も利用
できるが、河水15は一般にシルト分やゴミを含んでい
て、図1に示す盲溝16内のフィルタ材の間隙に目詰ま
りを起こし、地中に浸透させる水の円滑な流通を妨げる
おそれがあるので、河川の利用は好ましくない。
【0052】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、粘着力が微弱
な地盤中に、単に超微細気泡を含む空気溶存水を浸透さ
せ続けるという単純な手段により、地盤中に微小気泡混
入範囲を造成することができ、また定常的に地下水流が
ある地盤中にも、単に超微細気泡を含む空気溶存水を浸
透させる等の単純な手段により、微小気泡混入範囲の地
盤の地下水の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度
まで低下させて、液状化を防止するので、地下水位を低
下させることにより飽和度低下を図る場合に起きる地盤
沈下の不具合を解消でき、しかも、地盤の液状化が原因
で、当該地盤に設置の基礎により支持される構造物が、
移動、傾斜または倒壊しないという優れた効果を有す
る。また本発明の液状化防止工法の場合は、超微細気泡
を含む空気溶存水のみを浸透させるだけであるので、施
工および維持管理が容易であり、しかも地盤沈下を誘発
する恐れがないので、都市地域内においても実施するこ
ともできるなどの効果がある。
【0053】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、上流側の盲溝の上面を不透気性の被覆
で覆うと共に、下流端の盲溝中の多孔管に地中を浸透し
た微小気泡を含む空気溶存水を集水し最寄りの下水管ま
たは雨水渠に流下させるので、上流側の超微細気泡を含
む空気溶存水の流入を確実に行うことができ、しかも残
存する微小気泡を含む空気溶存水を下流側において確実
に集水回収して下水管または雨水渠に流下させるので、
下流側端遮断壁に沿うボイリングによる堤体14または
基礎地盤4の劣化を防ぐことができる。
【0054】請求項3の発明によれば、容易に超微細濾
過層を備えた超微細濾過装置によりミクロンサイズの超
微細気泡を空気溶存水中に混入させて、上流端に設けた
盲溝中の多孔管中に流入させることができる。
【0055】請求項4の発明によれば、空気を溶存する
水道水を地中に浸透させる場合、貯水槽の底面の高さが
中等海水面にほぼ一致する高さの貯水槽に水道水を溜
め、前記貯水槽に貯水した水を送水して、ポーラススト
ーンのような微細濾過装置を通じて発生させた超微細気
泡が混入する水道水にし、その超微細気泡が混入する水
道水を、上流端に設けた盲溝中の多孔管中に流入させる
ようにし、外部水の水圧より、多孔管中の水圧が著しく
高くならず比較的低い水圧で送水することができ、その
ため多孔管の内外の水圧を比較的小型の装置を使用して
容易に均衡させることができる。
【0056】請求項5および請求項6の発明によれば、
貯水槽に溜めた水道水に超微細濾過装置により生成した
超微細気泡を混入させて、これを上流端側の多孔管を通
じて、地中に浸透させることができ、したがって、比較
的容易に、地盤中の微小気泡混入範囲の地下水の飽和度
を地震時に液状化が発生しない程度まで低下させて液状
化を防止することができる。
【0057】請求項7の発明によれば、多孔管17に放
水機能を有する制御弁を備えた立管の基端部を接続し、
その放水機能を有する制御弁により、多孔管17内の水
圧を多孔管17周囲の地下水圧より高くならないように
するので、空気溶存水を多孔管17から外部水中に放散
させるこなく、空気溶存水を多孔管17から地中に向け
て効率よく浸透させることができる。
【0058】請求項8の発明によれば、多孔管に水を送
水する時に、多孔管17内の水圧を周囲の地下水圧に比
べて過大になることを抑制するために、多孔管に接続す
る送水管に、給水量制御弁を備えた給水量制御装置を設
けたので、空気溶存水を多孔管17から外部水中に放散
させるこなく、空気溶存水を多孔管17から地中に向け
て効率よく浸透させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の液状化防止工法を適用するゼ
ロメーター地域周囲の堤防断面図である。(b)は
(a)における超微細濾過装置付近を拡大して示す縦断
側面図である。
【図2】本発明により、多孔管に接続するように設けら
れた給水量制御装置および多孔管内の水圧を制御するた
めの水圧制御装置を示す説明図である。
【図3】ゼロメーター地域周囲の防潮護岸壁の基礎地盤
液状化防止方法を示す断面説明図である。
【図4】ゼロメーター地域周囲の重力式護岸壁の基礎地
盤液状化防止方法を示す断面説明図である。
【図5】排水弁の自動開閉装置を備えた貯水槽を示す説
明図である。
【図6】貯水槽内に貯水している状態を示す説明図であ
る。
【図7】排水弁が開いて、貯水槽から排水を開始してい
る状態を示す説明図である。
【図8】排水弁が浮力により開いた状態を保って、貯水
槽から排水している途中の状態を示す説明図である。
【図9】排水弁が浮力を失って、自重により閉じると共
に、水道栓から給水している状態を示す説明図である。
【図10】圧縮空気を地盤中へ吹き込み処理するため、
あるいは超微細気泡が混入した空気溶存水を地中に流入
浸透させるための、送排水管構造の断面説明図である。
【図11】空気溶存水の前端が下流側多孔管に到達した
ことを観測するための溢流立管を備えた排水設備を示す
縦断側面図である。
【図12】図11のI−I線断面図である。
【符号の説明】
1 ゼロメーター地域 2 堤防 3 防潮護岸壁 4 基礎地盤 5 河海側 6 堤内側 7 地下水流 8 浸透水 9 堤内側法尻 10 排水渠 10a 排水管 10b 排水管 11 堤防斜面 12 法面防護工 13 不透水性被膜 14 堤体 15 河水 16 盲溝 16a フィルタ材 17 多孔管 17a 下流側(堤内側)多孔管 20 水道水 20a 水道水曝気装置 24 貯水槽 25 遮水壁 26 浸透経路 27 圧縮空気送気管 28 圧縮空気 31 上昇浸透水流 32 河海側地盤 33 重力式護岸壁 34 基礎捨石 35 置換砂 36 送排気管 37 ケーソン 38 背面地盤 39 水道管 40 排水弁 47 フロートバルブ 48 排水口 49 フロート 50 鎖 51 水面 55 送水管または給水管 55a 分岐管 56 超微細濾過装置 56a 超微細濾過層 57 圧縮空気供給装置 58 雑石積 59 水底地盤 60 送気弁 61 送気管 62 排気弁 63 排気管 64 送水弁 65 集気管 66 空気吹き込み管 67 送水管 68 刃部 69 噴射水環形ノズル 70 第1管体 72 第2管体 73 結合部 74 集水孔 75 円錐形のブロック 76 リングバルブ 77 膨張性シール 78 継ぎ手 79 継ぎ手 80 ネジ結合部 81 支持腕 83 給水制御弁 84 ベローズ 85 制御筒 86 外部水圧導入用縦管 87 ブラケット 88 弁開閉操作用アーム 89 横軸 90 給水量制御装置 91 制御弁 92 立管 93 水圧制御装置 95 排出口 96 分岐管 97 ベローズ 98 制御筒 99 外部水圧導入用縦管 100 制御弁開閉操作用アーム 101 ブラケット 102 横軸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着力が微弱な地盤中あるいは定常的に
    地下水流がある地盤中に超微細気泡を含む空気溶存水を
    浸透させ続けることにより、地盤中に微小気泡混入範囲
    を造成し、その微小気泡混入範囲の地盤の地下水の飽和
    度を地震時に液状化が発生しない程度まで低下させて液
    状化を防止することを特徴とする空気溶存水を地中に浸
    透させることによる地盤の地震時液状化防止工法。
  2. 【請求項2】 粘着力が微弱な地盤中に超微細気泡を含
    む空気溶存水を浸透させ続けることにより地盤中に微小
    気泡混入範囲を造成するため、定常的な地下水流の上流
    端に、不透気性の被覆で上面を覆った盲溝中に多孔管を
    設け、その多孔管に超微細気泡を含む空気溶存水を流入
    させ、定常的な地下水流の下流端に設けた盲溝中の多孔
    管に、地中を浸透した微小気泡を含む空気溶存水を集水
    し、その集水した水を最寄りの下水管または雨水渠に流
    下させることにより、ゼロメーター地域を囲む堤防また
    は防潮壁基礎地盤中の微小気泡混入範囲の地盤の地下水
    の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度まで低下さ
    せて液状化を防止することを特徴とする空気溶存水を地
    中に浸透させることによる地盤の地震時液状化防止工
    法。
  3. 【請求項3】 ミクロンサイズの超微細気泡を空気溶存
    水中に混入させるために、セラミックス等のポーラスス
    トーンのような超微細濾過層を備えた超微細濾過装置を
    通じて圧縮空気を流入させることにより発生する超微細
    気泡が混入する水道水を、送水手段により、現存する定
    常的な地下水流の上流端に設けた上面を不透気性の被覆
    で覆った盲溝中の多孔管中に流入させることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の空気溶存水を地中に浸透さ
    せることによる地盤の地震時液状化防止工法。
  4. 【請求項4】 空気を溶存する水道水を地中に浸透させ
    る場合、貯水槽の底面の高さが中等海水面にほぼ一致す
    る高さの貯水槽に水道水を溜め、前記貯水槽に貯水した
    水道水を前記定常的な地下水流の上流端に設けた多孔管
    へ流入させる過程において、超微細濾過装置を通じて発
    生させた超微細気泡を混入させた水道水にし、その超微
    細気泡が混入する水道水を、上流端に設けた盲溝中の多
    孔管を通じて地中に浸透流入させることにより、地下水
    中に微小気泡を発生させることを特徴とする請求項1、
    2または3のいずれかに記載の空気溶存水を地中に浸透
    させることによる地盤の地震時液状化防止工法。
  5. 【請求項5】 空気を溶存する水道水を地中に浸透させ
    る場合、水道水を貯水槽に溜め、前記貯水槽に貯水した
    水を超微細濾過装置を通じて、超微細気泡が混入した水
    を生成させ、その水を上流端に設けた盲溝中の多孔管を
    通じ地中に浸透させて、地盤中の微小気泡混入範囲の地
    下水の飽和度を地震時に液状化が発生しない程度まで低
    下させて液状化を防止することを特徴とする請求項1、
    2、3および4のいずれかに記載の空気溶存水を地中に
    浸透させることによる地盤の地震時液状化防止工法。
  6. 【請求項6】 空気を溶存する水道水を地中に浸透させ
    る場合、水道水を貯水槽に溜め、前記貯水槽が満水にな
    れば、盲溝中の多孔管中に流入する水の排水栓が自動的
    に開き一定時間、超微細濾過装置により発生させた超微
    細気泡を混入する水道水を、地下水流の上流端に設けた
    盲溝中の多孔管を通じ地中に浸透させて地盤中の微小気
    泡混入範囲の地下水の飽和度を地震時に液状化が発生し
    ない程度まで低下させて液状化を防止することを特徴と
    する請求項1、2、3、4および5のいずれかに記載の
    空気溶存水を地中に浸透させることによる地盤の地震時
    液状化防止工法。
  7. 【請求項7】 多孔管17に放水機能を有する制御弁を
    備えた立管の基端部を接続し、その放水機能を有する制
    御弁により、多孔管17内の水圧を多孔管17周囲の地
    下水圧より高くならないようにすることを特徴とする請
    求項2、3、4、5および6のいずれかに記載の空気溶
    存水を地中に浸透させることによる地盤の地震時液状化
    防止工法。
  8. 【請求項8】 多孔管に水を送水する時に、多孔管17
    内の水圧を周囲の地下水圧に比べて過大になることを抑
    制するために、多孔管に接続する給水管に、給水量制御
    弁を備えた給水量制御装置を設けることを特徴とする請
    求項2、3、4、5、6および7のいずれかに記載の空
    気溶存水を地中に浸透させることによる地盤の地震時液
    状化防止工法。
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