JP2000345063A - 水溶性ポリアゾ化合物、水性インク組成物及び着色体 - Google Patents

水溶性ポリアゾ化合物、水性インク組成物及び着色体

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JP2000345063A
JP2000345063A JP16121199A JP16121199A JP2000345063A JP 2000345063 A JP2000345063 A JP 2000345063A JP 16121199 A JP16121199 A JP 16121199A JP 16121199 A JP16121199 A JP 16121199A JP 2000345063 A JP2000345063 A JP 2000345063A
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salt
water
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polyazo
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Hiroaki Ono
博昭 大野
Isao Yamaguchi
山口  勲
Takashi Miyazawa
高志 宮沢
Yasuo Shirasaki
康夫 白崎
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B35/00Disazo and polyazo dyes of the type A<-D->B prepared by diazotising and coupling
    • C09B35/50Tetrazo dyes
    • C09B35/56Tetrazo dyes of the type

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】安全性に優れ、そして水溶性が高く、長期間保
存した場合でも安定であり、かつ印字された画像の濃度
が高く、しかも耐水性、耐光性に優れた黒色の記録液を
提供する事を目的とする。 【解決手段】下記一般式(1) 【化1】 (式中、D1及びD2は、それぞれ独立に、置換基を有し
ていても良い2,4−ジヒドロキシフェニル−1−アゾ
基を示す。)で表されるポリアゾ化合物またはその塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒色系の水溶性ポ
リアゾ化合物、その水性インク組成物および着色体に関
する。
【0002】
【従来の技術】各種カラー記録法の中で、その代表的方
法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法
はインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材料
(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うもので
ある。これは、記録ヘッドと被記録材料とが接触しない
為、音の発生がなく静かであり、また小型化、高速化、
カラー化が容易という特長の為、近年急速に普及しつつ
あり、今後とも大きな伸長が期待されている。従来、万
年筆、フェルトペン等のインク及びインクジェット記録
用インクとしては、水溶性染料を水性媒体中に溶解した
水性インクが使用されており、これらの水溶性インクに
おいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰ま
りを防止するべく一般に水溶性有機溶剤が添加されてい
る。これらの従来のインクにおいては、十分な濃度の画
像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じない
こと、被記録材上での乾燥性が良いこと、滲みが少ない
こと、保存安定性に優れること等が要求され、また形成
される画像は十分な耐光性及び耐水性等を有することが
要求されている。また、種々の色相のインクが種々の染
料から調整されているが、それらのうち黒色インクはモ
ノカラーおよびフルカラー画像の両方に使用され最も重
要なインクである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら黒色インク用の
染料としては今日までにC.I.Direct Black 154、C.I.Di
rect Black 166、C.I.Direct Black 22、C.I.Direct Bl
ack 19、Food Black 2等が検討または使用されてきた
が、それらは安全性または耐光性、耐水性、水溶性等に
問題があり、一方非常に多くの出願(例えば特開昭55-1
44067号、特開昭57-207660号、特開昭58-147470号、特
開昭59-93766号、特開昭62-190269号、特開昭63-22867
号、特開平1-197580号、特開平2-140270号、特開平3-16
7270号、特開平3-200852号、特開平4-359065号、特開昭
平6-192602号、特開平7-26160号、特開平8-283630号、
特開平9-124965号、特開平9-137093号、特開平10-19532
2号等)もなされているが、市場の要求を十分に満足す
るには至っていない。本発明は安全性に優れ、そして水
溶性が高く、長期間保存した場合でも安定であり、かつ
印字された画像の濃度が高く、しかも耐水性、耐光性に
優れた黒色の記録液(インク)用として好適な水溶性ポ
リアゾ化合物を提供する事を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に
至ったものである。即ち本発明は、(1)下記一般式
(1)
【0005】
【化4】
【0006】(式中、D1及びD2は、それぞれ独立に、
置換基を有していても良い2,4−ジヒドロキシフェニ
ル−1−アゾ基を示す。)で表されるポリアゾ化合物ま
たはその塩、(2)置換基を有していても良い2,4−
ジヒドロキシフェニル−1−アゾ基が一般式(2)
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R1は水素原子、水酸基、(C1
〜C4)アルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基ま
たはハロゲン原子である)で示される基であり、mは0
または1である。)で表される基である(1)に記載の
ポリアゾ化合物またはその塩、(3)塩がリチウム塩、
ナトリウム塩または一般式(3)
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R2ないしR5はそれぞれ独立に水
素原子、(C1〜C4)アルキル基、ヒドロキシ−(C
1〜C4)アルキル基またはヒドロキシエトキシ−(C
1〜C4)アルキル基である)で示されるアンモニウム
塩である(1)または(2)に記載のポリアゾ化合物ま
たはその塩、(4)D1がナフタレン核の7位に、D2
ナフタレン核の7′位に結合している(1)ないし
(3)のいずれか1項に記載のポリアゾ化合物またはそ
の塩、(5)R1が水素原子またはカルボキシル基であ
る(1)ないし(4)のいずれか1項に記載のポリアゾ
化合物またはその塩、(6)mが0であり、R1が水素
原子またはカルボキシル基である(1)ないし(5)の
いずれか1項に記載のポリアゾ化合物またはその塩、
(7)(1)ないし(6)のいずれか1項に記載のポリ
アゾ化合物またはその塩を含む事を特徴とする水性イン
ク組成物、(8)(1)ないし(6)のいずれか1項に
記載のポリアゾ化合物またはその塩で着色された着色
体、(9)着色がプリンタによりなされた(8)の着色
体、に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のポリアゾ化合物は上記一
般式(1)で表される。上記一般式(1)において、D
1及びD2は、それぞれ独立に、置換基を有していても良
い2,4−ジヒドロキシフェニル−1−アゾ基を示す。
置換基を有していても良い2,4−ジヒドロキシフェニ
ル−1−アゾ基は、例えば上記一般式(2)で表され
る。上記一般式(2)において、置換基であるR1とし
ては、例えば水素原子、水酸基、(C1〜C4)アルキ
ル基、カルボキシル基、スルホン酸基またはハロゲン原
子等があげられ、好ましくは水素原子、水酸基、カルボ
キシル基である。また、その置換位置は、5位が好まし
く、また置換基が水酸基の場合は5位または6位が好ま
しい。
【0012】(C1〜C4)アルキル基としては、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、第二ブチル基、第三
ブチル基等があげられる。
【0013】塩は、無機または有機陽イオンの塩であ
る。適当な無機塩は、特にアルカリ金属塩およびアルカ
リ土類金属塩である。好ましい無機塩としては、リチウ
ムまたはナトリウムの塩であり、適当な有機塩として
は、特に上記一般式(3)で示されるアンモニウム塩が
あげられる。
【0014】上記一般式(3)において、R2ないしR5
は、互いに関係なく、水素原子、(C1〜C4)アルキ
ル基、ヒドロキシ−(C1〜C4)アルキル基またはヒ
ドロキシエトキシ−(C1〜C4)アルキル基である。
【0015】(C1〜C4)アルキル基としては、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、第二ブチル基、第三
ブチル基等があげられる。ヒドロキシ−(C1〜C4)
アルキル基としては、例えばヒドロキシメチル基、ヒド
ロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒド
ロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒド
ロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基等があげられ
る。
【0016】ヒドロキシエトキシ−(C1〜C4)アル
キル基としては、例えばヒドロキシエトキシメチル基、
2−ヒドロキシエトキシエチル基、3−ヒドロキシエト
キシプロピル基、2−ヒドロキシエトキシプロピル基、
4−ヒドロキシエトキシブチル基、3−ヒドロキエトキ
シシブチル基、2−ヒドロキシエトキシブチル基等があ
げられる。
【0017】次に、一般式(3)におけるR2ないしR5
の代表例について具体的な組み合わせを表1に示す。
【0018】 表1 化合物No. R2 R3 R4 R5 3-1 H H H H 3ー2 H -C2H4OH -C2H4OH -C2H4OH 3-3 CH3 -C2H4OH -C2H4OH -C2H4OH 3-4 H -CH2CH(OH)CH3 -CH2CH(OH)CH3 -CH2CH(OH)CH3 3-5 CH3 -CH2CH(OH)CH3 -CH2CH(OH)CH3 -CH2CH(OH)CH3 3-6 H -C2H4OH H -C2H4OH 3-7 CH3 -C2H4OH H -C2H4OH 3-8 H -CH2CH(OH)CH3 H -CH2CH(OH)CH3 3-9 CH3 -CH2CH(OH)CH3 H -CH2CH(OH)CH3 3-10 CH3 -C2H4OH CH3 -C2H4OH 3-11 CH3 -CH2CH(OH)CH3 CH3 -CH2CH(OH)CH3
【0019】一般式(1)において、D1またはD2の置
換位置は、ナフタリン骨格の6、7または8位が好まし
く、7位が特に好ましい。−(SO3H)mは、好ましく
はナフタリン骨格の5または6位において置換されてい
る。そして−(SO3H)mは塩の形での使用もでき、好
ましい塩としてはそれぞれ独立にリチウム塩、ナトリウ
ム塩または一般式(3)においてR2ないしR5が互いに
関係なく水素原子、(C1〜C4)アルキル基またはヒ
ドロキシ−(C1〜C4)アルキル基であるアンモニウ
ム塩である。
【0020】一般式(1)で示される好ましいポリアゾ
化合物は、mが0であり、一般式(2)のR1が水素原
子またはカルボキシル基である。
【0021】次に一般式(1)で示される好ましいポリ
アゾ化合物の具体例としては、例えば以下のNo.1〜
18に示す構造の染料が挙げられ、所望の色調に応じて
これらの色素を他の構造の色素と併用することもでき
る。
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】一般式(1)で示される本発明のポリアゾ
化合物は、それ自体公知の方法により製造する事が出来
る。例えば一般式(4)
【0026】
【化10】
【0027】(式中、mは前記の意味を有する)で示さ
れる化合物を水性媒体中でテトラゾ化し、次いで一般式
(2)におけるアゾ基を水素原子とした化合物と反応さ
せることによって製造できる。このカップリング反応は
好ましくはpH4〜13、好ましくは6〜12において
実施される。
【0028】一般式(4)で示される化合物は、4、
4′−ジアミノジフェニルアミン−2−スルホン酸をテ
トラゾ化し、生成物を一般式(5)
【0029】
【化11】
【0030】(式中、mは前記の意味を有する)で示さ
れる化合物とカップリングさせることにより製造するこ
とができる。このカップリング反応は、好ましくはpH
7〜11、特に好ましくはpH8〜10において実施さ
れる。この一般式(4)で示される化合物は単離せず
に、その製造に引き続いて直接前記の別のテトラゾ化お
よびカップリングを実施することが好ましい。一般式
(5)で示される化合物としては、例えば2−アミノ−
8−ヒドロキシナフタリン−6−スルホン酸、2−アミ
ノ−8−ヒドロキシナフタリン−3,6−ジスルホン
酸、3−アミノ−8−ヒドロキシナフタリン−6−スル
ホン酸、1−アミノ−8−ヒドロキシナフタリン−4,
6−ジスルホン酸、1−アミノ−8−ヒドロキシナフタ
リン−3,6−ジスルホン酸等があげられ、そのうち2
−アミノ−8−ヒドロキシナフタリン−6−スルホン酸
が特に好ましい。
【0031】一般式(2)におけるアゾ基を水素原子と
した化合物としては、例えばレゾルシン、2,4−ジヒ
ドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシベンゼンスル
ホン酸、4−メチル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、
4−プロピル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4−ク
ロル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、フロログルシノ
ール、ピロガロール等があげられ、好ましくはレゾルシ
ン、フロログルシノール、2,4−ジヒドロキシ安息香
酸であり、レゾルシンが特に好ましい。
【0032】一般式(2)におけるアゾ基を水素原子と
した化合物および(5)で示される化合物は公知であ
り、市場で容易に入手可能である。カップリング反応
後、本発明による一般式(1)で示されるポリアゾ化合
物は、鉱酸の添加により遊離酸の形で単離する事がで
き、これから水または酸性化した水による洗浄により無
機塩を除去する事が出来る。次に、この様に得られる低
い塩含有率を有する酸型色素は、水性媒体中で水酸化物
および/または炭酸塩(例えば水酸化リチウム、炭酸リ
チウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸
カリウム)またはアミンにより中和することにより対応
する塩の溶液とすることが出来る。好ましいアミンとし
ては、例えばアンモニア、エタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル−N−
エタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノール
アミン、2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチルアミ
ン、ジ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチルアミ
ンおよびトリ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチ
ルアミン等があげられる。
【0033】一般式(1)で示されるポリアゾ化合物
は、天然及び合成繊維材料との混紡品の染色に著しく適
しており、特に皮革上に濃色を現出する点で優れてい
る。さらにこれら染料は、筆記用インクおよび記録用液
の製造に著しく適している。
【0034】一般式(1)で示される本発明のポリアゾ
化合物の反応液は、記録用インク組成物の製造に直接使
用する事が出来る。しかし、まずこれらを乾燥、例えば
スプレー乾燥させて単離し、または該ポリアゾ化合物を
結晶化して反応液から取り出し、次にこれらをインク組
成物にさらに加工することもできる。最終製品の記録用
インク組成物は、一般式(1)で示される本発明のポリ
アゾ化合物を0.1〜20重量%、より好ましくは1〜
10重量%、更に好ましくは2〜8重量%程度含有す
る。本発明のインク組成物には、さらに水溶性有機溶剤
0〜30重量%、インク調製剤0〜5重量%含有してい
ても良い。
【0035】本発明の水性インク組成物は、前記の一般
式(1)で示されるポリアゾ化合物を水または水性溶媒
(水溶性有機溶剤含有水)に溶解したものである。この
水性インク組成物をインクジェットプリンタ用のインク
として使用する場合、ポリアゾ化合物としては金属陽イ
オンの塩化物、硫酸塩等の無機物の含有量が少ないもの
を用いるのが好ましく、その含有量の目安は例えば1%
以下程度である。無機物の少ないポリアゾ化合物を製造
するには、例えば逆浸透膜による方法等の通常の方法
で、脱塩処理すればよい。
【0036】水溶性有機溶剤としては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタ
ノール等のC1〜C4アルカノール、N,N−ジメチル
ホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等の
カルボン酸アミド、ε−カプロラクタム、N−メチルピ
ロリジン−2−オン等のラクタム、1,3−ジメチルイ
ミダゾリジン−2−オンまたは1,3−ジメチルヘキサ
ヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類、アセトン、
メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペン
タン−4−オン等のケトンまたはケトアルコール、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、エチレ
ングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリ
コール、1,2−または1,4−ブチレングリコール、
1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等の(C2〜C6)アルキレン単
位を有するモノマー、オリゴマーまたはポリアルキレン
グリコールまたはチオグリコール、グリセリン、ヘキサ
ン−1.2.6−トリオール等のポリオール(トリオー
ル)、エチレングリコールモノメチルエーテルまたはエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル又はトリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエー
テル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエー
テル、γーブチロラクトンまたはジメチルスルホキシド
等があげられる。
【0037】水と混和可能で有利な有機溶媒としては、
N−メチルピロリジン−2−オン、C2〜C6アルキレ
ン単位を有するモノ、ジまたはトリアルキレングリコー
ル、特に、モノ、ジまたはトリエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド等が挙げ
られ、特に、N−メチルピロリジン−2−オン、ジエチ
レングリコール、ジメチルスルホキシドの使用が好まし
い。
【0038】本発明の水性インク組成物には、各種のイ
ンク調製剤を含有していても良い。インク調製剤として
は、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防
錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料
溶解剤、界面活性剤などがあげられる。防腐防黴剤とし
ては、例えば無水酢酸ソーダ、ソルビン酸ソーダ、2−
ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香
酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が
あげられる。pH調整剤としては、調合されるインクに
悪影響を及ぼさずに、インクのpHを8.0〜11.0
の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用する
ことができる。その例として、例えばジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あ
るいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムム
などのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。キレー
ト試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリ
ウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエ
チレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミ
ン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどが
あげられる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、
チオ硫酸ナトリウム、チオグルコール酸アンモニウム、
ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペン
タエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイ
トライトなどがあげられる。水溶性高分子化合物として
は、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリア
ミン、ポリイミン等があげられる。
【0039】本発明の着色体は前記の本発明の化合物で
着色されたものである。着色されるべきものとしては、
特に制限無く、例えば紙、繊維や布(セルロース、ナイ
ロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等があ
げられる。着色法としては、例えば浸染法、捺染法、ス
クリーン印刷等の印刷法、インクジェットプリンタによ
る方法等があげられるが、インクジェットプリンタによ
る方法が好ましい。
【0040】一般式(1)で示される1種以上の染料を
含有する記録用液は、印捺、複写、マーキング、筆記、
製図、スタンピング、または記録法、特にインクジェッ
ト印捺法における使用に著しく適する。この場合著しい
高濃度及び水、日光、および摩擦に対する良好な耐性を
有する高品質の黒色印捺物が得られる。比較可能なポリ
アゾ染料、例えばCI Direct Black 22、CI Direct Blac
k 32は良好な耐水性を示すが、水溶性が低く実用濃度の
水溶液とするには強アルカリ性としなければならないた
めに記録用色素としては使用が困難である。一方、本発
明による一般式(1)で示されるポリアゾ染料は優れた
耐水性を維持した上で、弱アルカリ性においても高い水
溶性を有することから保存安定性にも優れる。またポリ
アミン、ポリイミンを併用することにより耐水性を更に
向上させる事ができる。更にこれら染料は安全性の点で
も有利である。
【0041】本発明によるインクは貯蔵中沈澱の分離が
生ぜず、さらに本発明によるインクをインクジェット印
捺において使用する場合噴射器の閉塞が生じない。本発
明によるインクをインクジェット印捺機において比較的
長い時間一定の再循環下または断続的にインクジェット
印捺機を中間的遮断下で使用する場合、本発明によるイ
ンクの物理的性質の変化も生じない。
【0042】
【実施例】以下に本発明を更に実施例により具体的に説
明する。尚、本文中部及び%とあるのは、特別の記載の
ない限り重量基準である。
【0043】実施例1 水200ml中に4、4′−ジアミノジフェニルアミン
−2−スルホン酸27.9部および30%塩酸50部を
仕込、氷を添加して5℃以下としたのち40%亜硝酸ナ
トリウム水溶液35.2部を0〜5℃にて仕込みテトラ
ゾ化する。40%亜硝酸ナトリウム水溶液添加後、混合
物を0〜5℃において1時間撹拌し、次に過剰の亜硝酸
をスルファミン酸で除去する。次に、得られるビスジア
ゾニウム塩の溶液を2−アミノ−8−ヒドロキシナフタ
リン−6−スルホン酸47.8部、水300ml、48
%水酸化ナトリウム16.7部、炭酸ナトリウム46.
8部および氷150部の混合溶液中に10〜15℃で1
時間を要して添加し、更に同温度でpH9〜9.5にお
いて2時間撹拌してカップリングを完結させることによ
り下記式で示される中間化合物(6)を得る。
【0044】
【化12】
【0045】次いで上記中間物(6)を取り出すことな
く、この反応液に30%塩酸120部および氷150部
を添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液35.2部を
0〜10℃にて添加しジアゾ化を実施する。その後混合
物を0〜5℃において2時間撹拌後、過剰の亜硝酸をス
ルファミン酸で除去する。次いで得られるビスジアゾニ
ウム塩の懸濁液中にレゾルシン22部を添加し、同温度
で1時間撹拌後、約1時間を要して30%水酸化ナトリ
ウム水溶液にて反応液pHを11〜12に調整し、更に
同pHおよび10〜15℃で2時間撹拌しカップリング
反応を完了させる。そして得られる黒色のスラリー液を
30%塩酸にて中和後、濾過、乾燥して140gの染料
(化合物No.1)を得た。得られた染料を粉砕後、1
%塩酸2000ml中に懸濁し、1時間撹拌、濾過、乾
燥する事により脱塩された染料98.7gを得た。水中
でのこの染料の吸収スペクトルはλmax=593nm
である。
【0046】実施例2 実施例1と同様の条件にて製造された中間物(6)のビ
スジアゾニウム塩の懸濁液と2,4−ジヒドロキシ安息
香酸30.3gとを実施例1と同様の条件にてカップリ
ングさせることにより黒色の染料(化合物No.2)1
23gを得た。そして希塩酸にて脱塩することにより1
05g得られ、水中でのこの染料の吸収スペクトルはλ
max=608nmである。
【0047】実施例3 水200ml中に4、4′−ジアミノジフェニルアミン
−2−スルホン酸27.9部および30%塩酸50部を
仕込、氷を添加して5℃以下としたのち40%亜硝酸ナ
トリウム水溶液35.2部を0〜5℃にて仕込みテトラ
ゾ化する。40%亜硝酸ナトリウム水溶液添加後、混合
物を0〜5℃において1時間撹拌し、次に過剰の亜硝酸
をスルファミン酸で除去する。次に、得られるビスジア
ゾニウム塩の溶液を1−アミノ−8−ヒドロキシナフタ
リン−3,6−ジスルホン酸63.8部、水300m
l、48%水酸化ナトリウム16.7部、炭酸ナトリウ
ム46.8部および氷150部の混合溶液中に10〜1
5℃で1時間を要して添加し、更に同温度でpH9〜
9.5において2時間撹拌してカップリングを完結させ
ることにより中間化合物(7)を得る。
【0048】
【化13】
【0049】次いで上記中間物(7)を取り出すことな
く、この反応液に30%塩酸120部および氷150部
を添加し、40%亜硝酸ナトリウム水溶液37.9部を
0〜10℃にて添加しテトラゾ化を実施する。次に、過
剰の亜硝酸をスルファミン酸で除去後、得られるビスジ
アゾニウム塩の懸濁液中にレゾルシン22部を添加し、
同温度で1時間撹拌後、約1時間を要して30%水酸化
ナトリウム水溶液にて反応液pHを11〜12に調整
し、更に同pHおよび10〜15℃で2時間撹拌しカッ
プリング反応を完了させる。そして得られる黒色のスラ
リー液を30%塩酸にて中和後、濾過、乾燥して150
gの染料(化合物No.10)を得た。得られた染料を
粉砕後、2%塩酸2000ml中に懸濁し、1時間撹
拌、濾過、乾燥する事により脱塩された染料102gを
得た。水中でのこの染料の吸収スペクトルはλmax=
635nmである。
【0050】実施例4 (A)インクの作成 下記組成の液体を調製し、0.45μmのメンブランフ
ィルターで濾過する事によりインクジェット用水性イン
ク組成物を得た。 組成 実施例1で得られた化合物 3.0部 (脱塩処理されたものを使用) 水 67.0部 エチレングリコール 5.0部 グリセリン 5.0部 N−メチルピロリドン 7.0部 尿素 10.0部 IPA 3.0部
【0051】(B)インクジェットプリント インクジェットプリンター(商品名 ENCAD社NO
VAJET III )を用いて、普通紙(キャノンプリン
ターペーパーA4(TLB5A4S))、専用紙(Co
lor BJ PaperLC101(キャノン製))
の2種の紙にインクジェット記録を行った。ついで、記
録画像の耐光堅牢度試験、記録画像の耐水堅牢度試験、
演色性の試験を行った。
【0052】(C)記録画像の耐光堅牢度試験 カーボンアークフェードメーター(スガ試験機社製)を
用い、記録画像に20時間照射した。判定級はJIS
L−0841に規定されたブルースケールの等級に準じ
て決定した。 (D)記録画像の耐水堅牢度試験 試験片をビーカーに張った水にゆるやかな撹拌と共に2
分間浸し乾燥後、試験処理前との染料の脱落の程度を目
視により判定する。 ◎ 殆ど脱落せず。 ○ 約10%脱落する。 △ 約50%脱落する。 × 80%以上脱落する。 (E)演色性 演色性の存在による色相の変化を目視により判定する。 ○ 演色性による変化がない。 △ 演色性やや有り。 × 演色性有り。
【0053】比較例1、2、3 インクジェットプリントのブラックとして用いられてい
るか提案されている三つの型の染料を採り上げ、比較例
として試験した。 (1)比較例1 C.I.Direct Black 22を(A)
(B)に準じてインクを作成しプリントした。 (2)比較例2 Canon Black インク (BCI−21) (3)比較例3 EPSON Black インク (MJIC2C)評
価結果は表2に記載した。
【0054】 表2 溶解度 耐光堅牢度 耐水堅牢度 演色性 (g/l) 普通紙 専用紙 普通紙 専用紙 実施例1 70以上 4−5級 3級 ◎ ◎ ○ 実施例2 40以上 4−5級 3−4級 ◎ ◎ ○ 実施例3 70以上 4−5級 3級 ◎ ◎ ○ 比較例1 20以下 4−5級 1級 ○ ◎ ○ 比較例2 4−5級 1級 ○ ◎ × 比較例3 3級 3級 × ○ ×
【0055】表2より、本発明品の実施例1、2、3の
インク組成物は従来の黒色染料(比較例)と同等以上の
耐光堅牢度を示すと同時に耐水性、演色性にも優れてい
る。また、水に対する溶解性の高いことから記録液の保
存安定性、吐出安定性も優れていることがわかった。
【0056】
【発明の効果】本発明のポリアゾ化合物を含有する記録
用液は、インクジェット記録用、筆記用具用として用い
られ、安全性に優れ、また普通紙に記録した場合の記録
画像の印字濃度が高く、しかも耐光性、耐水性及び演色
性に優れているほか、記録液としての保存安定性も良好
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J039 BC03 BC29 BC32 BC41 BC54 BC65 BE12 CA03 EA19 EA35 EA38 EA42 EA44 GA24 GA26 GA28

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (式中、D1及びD2は、それぞれ独立に、置換基を有し
    ていても良い2,4−ジヒドロキシフェニル−1−アゾ
    基を示す。)で表されるポリアゾ化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】置換基を有していても良い2,4−ジヒド
    ロキシフェニル−1−アゾ基が一般式(2) 【化2】 (式中、R1は水素原子、水酸基、(C1〜C4)アル
    キル基、カルボキシル基、スルホン酸基またはハロゲン
    原子であり、mは0または1である。)で表される基で
    ある請求項1に記載のポリアゾ化合物またはその塩。
  3. 【請求項3】塩がリチウム塩、ナトリウム塩または一般
    式(3) 【化3】 (式中、R2ないしR5はそれぞれ独立に水素原子、(C
    1〜C4)アルキル基、ヒドロキシ−(C1〜C4)ア
    ルキル基またはヒドロキシエトキシ−(C1〜C4)ア
    ルキル基である)で示されるアンモニウム塩である請求
    項1または2に記載のポリアゾ化合物またはその塩。
  4. 【請求項4】D1がナフタレン核の7位に、D2がナフタ
    レン核の7′位に結合している請求項1ないし3のいず
    れか1項に記載のポリアゾ化合物またはその塩。
  5. 【請求項5】R1が水素原子またはカルボキシル基であ
    る請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリアゾ化
    合物またはその塩。
  6. 【請求項6】mが0であり、R1が水素原子またはカル
    ボキシル基である請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載のポリアゾ化合物又はその塩。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれか1項に記載の
    ポリアゾ化合物またはその塩を含む事を特徴とする水性
    インク組成物。
  8. 【請求項8】請求項1ないし6のいずれか1項に記載の
    ポリアゾ化合物またはその塩で着色された着色体。
  9. 【請求項9】着色がプリンタによりなされた請求項8に
    記載の着色体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005068416A (ja) * 2003-08-07 2005-03-17 Nippon Kayaku Co Ltd 水性黒色インク組成物及び着色体
JP4605638B2 (ja) * 2003-08-07 2011-01-05 日本化薬株式会社 水性黒色インク組成物及び着色体

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