JP2000342265A - オリゴヌクレオチド類の精製方法 - Google Patents

オリゴヌクレオチド類の精製方法

Info

Publication number
JP2000342265A
JP2000342265A JP11154974A JP15497499A JP2000342265A JP 2000342265 A JP2000342265 A JP 2000342265A JP 11154974 A JP11154974 A JP 11154974A JP 15497499 A JP15497499 A JP 15497499A JP 2000342265 A JP2000342265 A JP 2000342265A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oligonucleotides
column
acid
dna
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11154974A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihiko Hirose
邦彦 廣瀬
Masao Yoshida
▲祇▼生 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP11154974A priority Critical patent/JP2000342265A/ja
Publication of JP2000342265A publication Critical patent/JP2000342265A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体クロマトグラフィーによるオリゴヌクレ
オチド類の精製方法において、その工程を簡略化すると
ともにその工程日数を短縮する。 【解決手段】 (a)耐酸性及び耐アルカリ性の充填材を
有する液体クロマトグラフィーカラムに疎水性保護基で
保護されたオリゴヌクレオチド類を注入し、(b)カラム
に昇華性の塩からなるバッファと水溶性有機溶媒との混
合展開溶媒などを注入して保護基で保護されていない成
分を溶出し、(c)カラムに酸を注入してオリゴヌクレオ
チド類の疎水性保護基を脱保護し、(d)カラムに前記混
合展開溶媒を注入し、脱保護されたオリゴヌクレオチド
類を溶出させ、(e) 減圧加熱等によりオリゴヌクレオチ
ド類から溶媒及び塩を除去する方法。充填材はポリスチ
レン系樹脂製、酸は酢酸、バッファはアンモニアでpH8
〜10とした0.05〜0.5Nの炭酸水素アンモニウム水溶液が
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体クロマトグラ
フィーを用いてオリゴヌクレオチド類の疎水性保護基を
脱保護するとともに該オリゴヌクレオチド類を精製する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】DNAの合成は、昨今の自動合成機の普及
により簡単に行えるようになった。かかる合成機で一般
に用いられている合成法は、固相シアノエチルホスホア
ミダイト法であり、図1に示されるような合成サイクル
で表わされる。すなわち、まず、5′位の水酸基がジメ
トキシトリチル(DMTr)基で保護されたヌクレオシド
を、その3′位水酸基を介して、CPG(コントロールポ
アグラス)等の不溶性の担体にエステル結合させる(図
1[I])。そして、このヌクレオシドユニットの5′位
の水酸基を脱保護し(図1[II])、次に、触媒存在下、
次のヌクレオチドユニットのアミダイト体(図1[II
I])を縮合させる。このアミダイト体は、ヌクレオシド
の5′位の水酸基がDMTr基で保護され、3′位の水酸基
に3価のリンを備え、当該3価のリンには保護基として
β−シアノエチル基が結合し、脱離基としてジアルキル
アミノ基が結合している。かくして生成したジヌクレオ
チド(図1[IV])の3価のリンは、ヨウ素で5価に酸化
される(図1[V])。また、未反応の5′位の水酸基
は、アセチル化によりキャッピングすることで、以後の
伸長反応から排除される。そして、このサイクルを繰り
返すことにより、所望のDNAが合成される。
【0003】合成されたDNAは、濃アンモニア水により
担体から切り出されてバイアルに捕集され、これを60
℃で4〜5時間処理して、ヌクレオシドの塩基のアミノ
基の保護基とリンの保護基(β−シアノエチル基)とが
脱離される。その後、この粗オリゴDNAは、必要な純度
に精製される。逆相液体クロマトグラフィー(逆相HPL
C)法で精製する場合は、粗オリゴDNAは、その5′一末
端の保護基であるDMTr基がついている状態(Tr/ON体)
あるいは脱保護された状態(Tr/OFF体)で精製に供され
る。しかし脱保護されない状態で精製する場合には、目
的物であるTr/ON体のクロマトグラフィーにおける性質
が不純物であるTr/OFF体のそれとは大きく異なることを
利用しているので、目的物を容易に分離することができ
るという利点がある。なお、この合成方法は、前記酸化
工程を硫化工程に置き換えることにより、アンチセンス
核酸医薬に用いられるホスホロチオエート型オリゴDNA
(オリゴデオキシヌクレオチドホスホロチオエート)の
合成にも同様に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】逆相HPLC法は、か
かる粗オリゴDNAを高純度に精製する場合に、常法とし
て用いられており、従来、図2に示されるような手順に
従って実施されていた。従来のHPLC法では、シリカ
系の充填材が充填されたカラムを用いており、使用可能
なpHの範囲は4.0〜7.5に制限される。したがって、ま
ず、上記のようにして脱保護されたTr/ON体の粗オリゴD
NAの濃アンモニア水溶液(図2PS1)を、減圧乾燥によ
ってアンモニア除去して乾固させ(図2PS2)、0.1Nの酢
酸トリエチルアンモニウムバッファ(pH7.2)で再溶
解する(図2PS3)。そして、カラムに注入し、グラディ
エントモード法によって溶出させ、目的のTr/ON体のピ
ークを分取する(図2PS4)。その後、1N塩酸でTr/ON体
を脱保護(脱DMTr基)し(図2PS5)、1N炭酸ナトリウ
ムで中和して乾燥後(図2PS6)、純水に再溶解させる
(図2PS7)。そして、透析により、脱離したDMTr基や上
記中和反応生成物を除去して目的のTr/OFF体を精製し
(図2PS8)、真空凍結乾燥し(図2PS9)、精製品を得る。
【0005】しかし、かかる従来の方法では、図2の工
程PS2、PS3、PS6、PS7及びPS9に示されるように、再
三にわたり乾燥と再溶解を繰り返す必要があることか
ら、精製に数日を要していた。
【0006】本発明は、液体クロマトグラフィーによる
オリゴヌクレオチド類の精製方法において、その工程を
簡略化するとともにその工程日数を短縮することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、下記(a)乃至(e)の工程を備えることを特徴とする
オリゴヌクレオチド類の精製方法によって達成される。
【0008】(a)耐酸性及び耐アルカリ性の充填材が充
填された液体クロマトグラフィーカラムを用い、疎水性
保護基で保護されたオリゴヌクレオチド類及び同保護基
で保護されていないオリゴヌクレオチド類の混合物を前
記カラムに充填し、(b)前記カラムに昇華性の塩からな
るバッファと水溶性有機溶媒との混合展開溶媒などを適
当な濃度勾配で注入して前記疎水性保護基で保護されて
いないオリゴヌクレオチド類を溶出させ、(c)前記カラ
ムに酸を注入して、該カラム内の前記オリゴヌクレオチ
ド類の疎水性保護基を脱保護し、(d)前記カラムに昇華
性の塩からなるバッファと水溶性有機溶媒との混合展開
溶媒を適当な濃度勾配で注入して前記脱保護されたオリ
ゴヌクレオチド類を溶出させ、(e)溶出された前記オリ
ゴヌクレオチド類から溶媒及び塩を除去する。
【0009】本発明は、液体クロマトグラフィーのカラ
ムとして、耐酸性及び耐アルカリ性の充填材が充填され
たものを使用するため、疎水性保護基で保護されたオリ
ゴヌクレオチドをカラムに注入(インジェクション)し
て吸着させた状態で、カラムに酸を注入して脱保護する
ことができ、しかも、溶出に使用する展開溶媒として昇
華性の塩を含有するバッファを使用することができる。
かくしてカラムから溶出されたオリゴヌクレオチド類か
ら、溶媒及び塩を減圧加熱により一段階の操作で除去し
精製でき、従来の最終精製工程として必要とされていた
透析脱塩操作を省略できる。また、精製しようとする粗
オリゴヌクレオチドをアルカリ性水溶液のまま直接カラ
ムに注入して吸着させることができる。例えば、粗オリ
ゴヌクレオチドは、DNA自動合成機の担体から切り出
されたアンモニア水溶液の状態のまま、または、これを
適当に稀釈したアルカリ水溶液のまま、カラムに注入す
ることができる。その結果、従来のHPLC精製に必要
とされていた乾燥と再溶解の工程を削減することが可能
となり、精製工程に要する数日を大幅に短縮することが
できる。
【0010】本発明の精製方法は、疎水性保護基で保護
されたオリゴヌクレオチドであれば、いかなる種類のも
のにも適用できる。本発明において、オリゴヌクレオチ
ド類は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチ
ド等のヌクレオチドを構成単位とし、各ヌクレオチド間
が糖の3′位と5′位炭素のリン酸ジエステル結合で結
ばれたものであり、天然及び合成のDNA及びRNAの他、こ
れらのリン酸部又はヌクレオシド部が修飾されている修
飾体をも包含する概念である。リン酸部が修飾されたオ
リゴヌクレオチド類としては、例えば、オリゴデオキシ
ヌクレオチドホスホロチオエート(ホスホロチオエート
型オリゴDNA)が挙げられる。合成オリゴヌクレオチド
類は、公知のアミダイト法及びリン酸トリエステル法等
に基づく方法によって得られたものを包含する。疎水性
保護基としては、代表的には、オリゴヌクレオチド類の
5′末端の水酸基を保護するジメトキシトリチル(DMT
r)基が挙げられるが、これに限定されるものではな
い。
【0011】本発明において、液体クロマトグラフィー
カラムで用いる耐酸性及び耐アルカリ性の充填材として
は、代表的には、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体
等のポリスチレン系樹脂製の逆相充填材が使用できる。
ポリスチレン系逆相充填材は、pH1乃至14で使用で
きるだけでなく、充填材内部にも展開溶媒が流れるた
め、いわゆるパーフュージョンクロマトグラフィーを構
成し、カラム内の流速も高速にすることができ、好都合
である。また、工程(c)の脱保護に用いる酸についても
特に制限はなく、一般には、酢酸、トリフロオロ酢酸、
塩酸などが用いられ、好ましくは酢酸が用いられる。ま
た、工程(b)及び(d)の展開溶媒に使用される昇華性の塩
からなるバッファとしては、例えば、アンモニアなどで
pH7.7以上、好ましくはpH8〜10に調整された0.05〜0.5
Nの炭酸水素アンモニウム水溶液を用いることができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図3及び図4を参照しつ
つ、DNA自動合成機で合成された粗オリゴDNAの精製に本
発明を応用した例について説明する。
【0013】まず、図1のサイクルに従ってDNA自動合
成機でオリゴDNAを合成した後、これを濃アンモニア水
で担体から切り出し、さらに加熱してヌクレオシドの塩
基部のアミノ基及びリン酸部を保護している保護基を脱
離させて、粗オリゴDNAの濃アンモニア水溶液として回
収する(図3工程P1)。この粗オリゴDNA溶液には、目
的DNAのTr/ON体の他に、Tr/OFF体DNA(目的外)、脱保護
された前記塩基部及びリン酸部の保護基が含まれている
(図4工程P1)。
【0014】この粗オリゴDNA溶液を、バッファで稀釈
し(図3工程P2)、そのまま、ポリスチレン製のパーフ
ュージョンクロマトグラフィーカラムに注入する(図3
工程A)。この時、目的DNAのTr/ON体と脱保護された疎
水性の保護基はカラムに吸着するが、Tr/OFF体DNAと脱
保護された親水性の保護基はカラムから溶出され、目的
DNAのTr/ON体とTr/OFF体DNAとが分離される(図4工程
A)。この時使用する展開溶液としては、例えば、0.
1N炭酸水素アンモニウム(pH9.0)/11%アセ
トニトリルが挙げられる。
【0015】そして、カラムに例えば6〜16vol.%の酢
酸を注入すると(図3工程B1)、カラムに吸着した目的
DNAのTr/ON体からDMTr基が脱離される(図4工程B1)。
そして、この脱保護に用いた酸を0.1N炭酸水素アン
モニウム(pH9.0)などで洗浄し(図3工程B2及び
図4工程B2)、その後、アンモニアでpH8〜10に調整さ
れた0.05〜0.5Nの炭酸水素アンモニウム水溶液とアセト
ニトリルやメタノール等の水溶性有機溶媒との混合展開
溶媒をカラムに適当な濃度勾配で注入することにより、
目的DNAのTr/OFF体を分離して溶出させることができる
(図3工程C及び図4工程C)。
【0016】得られた目的DNAのTr/OFF体は、有機溶媒
と炭酸水素アンモニウムのアンモニア溶液の混合物であ
るため、減圧加熱により脱塩及び乾燥を一挙に行い、最
終製品を得ることができる(図3工程D参照)。この減
圧加熱は、例えば、0.3mmHg以下の減圧下、45乃至5
5℃の温度で一昼夜行うことが望ましい。
【0017】なお、目的DNAのTr/OFF体を溶出させた
後、カラムを洗浄して次の精製に供することができる
(図4工程F)。この洗浄は、有機溶媒を用いて行って
も良いが、本発明では純水を用いて行うこともでき、こ
の場合、カラムの劣化を防止できるので好都合である。
【0018】
【実施例】以下、実施例を参照しつつ、本発明について
更に詳細に説明する。
【0019】参考例1(オリゴDNAの合成) オリゴDNAはDNA自動合成機(Expedite Model8909:日本
パーセプティブ社製)を用い、図1の方法に従い、1.0
μmolスケールでTr/ON体として合成した。担体からの切
出条件は、常法に従い、30%濃アンモニア水1.0mlで行
った。脱保護条件は、常法に従い、切出後の濃アンモニ
ア水溶液のまま耐圧バイアルにて、50℃で1晩行い、こ
れをサンプルとした。
【0020】なお、合成した各種オリゴDNAは表1に示す
とおりである。
【0021】
【表1】
【0022】表1の各DNAサンプルの特徴について説明
する。サンプルNo.1は、塩基組成が平均的で、脱Tr化反
応が最も進み難いTを5′末端に備え、自己相補(オリゴ
DNAの分子間又は分子内で二重鎖を形成する)でない塩
基配列であり、標準的な配列と考えられる。サンプルN
o.2〜15は、塩基組成の偏りがあるか、または、比較的
長鎖長の塩基配列である。なお、表1に示すサンプルの
配列表を後記する。
【0023】実施例1(逆相HPLC精製) 参考例1で得た表1のオリゴDNAサンプルを、HPLC装置
(日本ウォーターズ社製)で精製した。カラムとして、
ポリスチレン系逆相充填材が充填されたもの(商品名:
OligoR3、パーセプチィブ・バイオシステムズ社製)を
用い、バッファとしてアンモニアでpH9.0に調整された
0.1N-炭酸水素アンモニウムバッファを用い、各種制御
パラメータは下記のとおり設定した:
【0024】1.サンプルインジェクション量:参考例
1で得たサンプルを8000μlに希釈して1480μlインジェ
クション(表3の#2)。この量は、0.2μmolスケール
での合成DNA量に相当する. 2.酢酸濃度とインジェクション量:12.0vol.%;1480
μl(表3の#3)。反応時間:流量0.01ml/min(ポンプ
停止)、ディレイ時間0.0min:反応時間=4.4min. 3.反応温度(カラムオーブン温度):40℃ 4.サンプルセットとグラディエントパラメータ表:サ
ンプルセットは表3、グラディエントパラメータ表は、
表4、5、6及び7に示した. 5.フラクションコレクタパラメータ表:フラクション
コレクタパラメータ表は、表2に示した。ピークの高さ
が1.5ABS程度あり、余裕があるので、Lebelを20%にし
た。
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】HPLC精製の結果は、表8乃至表10に示し
た。なお、表8乃至表10中、オーバーフローTr/ON体
は、サンプルセット#2で目的外オリゴDNAのTr/off体を
溶出させるときに、同時に溶出してしまう目的オリゴDN
AのTr/ON体を意味する。
【0032】
【表8】
【0033】
【表9】
【0034】
【表10】
【0035】表8は各種鎖長のオリゴDNAの精製結果を
対比して示したものであるが、鎖長40mer以下では、
きわめて良好な純度で精製されることが示された。ま
た、鎖長60以上では純度が落ちるものの、PCRグレー
ドの製品としては十分な純度(60%以上)が確保され
ることが示された。なお、表8のサンプルNo.5は、DNA
合成時の平均縮合率が96.5%と低かったため、収率が低
下している。
【0036】表9は、各種G比率のオリゴDNAの精製結果
を対比して示したものであるが、何れの場合もきわめて
良好な純度と収量で精製されることが示された。なお、
表9のサンプルNo.17は、G比率が極端に高いためピーク
が二峰性を示したため、純度値を示すことができなかっ
た。
【0037】表10は、各種A、C、T比率のオリゴDNAの
精製結果を対比して示したものであるが、A比率につい
ては、85%の場合に若干脱Tr化率が低下するとして
も、何れの場合も良好な純度と収量で精製されることが
示された。また、C比率については、85%の場合に純
度、収量及び脱Tr化率が低下し、G比率については、8
5%の場合に純度が低下することが示されたが、何れの
場合も、PCRグレードの製品としては十分な純度が確保
されることが示された。なお、A及びC比率が85%以上
の場合の脱Tr化率低下は、塩基の塩基性が影響している
ものと推定される。しかし、上記の問題のあるケース
は、DNA組成として非常に極端な場合である。
【0038】また、表8乃至表10から、どのような組
成及び鎖長のオリゴDNAでも、サンプルセット#2でのTr
/ON体のオーバーフローは見られず、また脱Tr化後のサ
ンプルセット#4でのオーバーフローも問題ないレベル
であった。
【0039】以上から、本発明の精製方法は、合成オリ
ゴヌクレオチド、特に、各塩基の比率が60%以下であ
り、または、鎖長が40mer以下である通常のオリゴヌ
クレオチドに対して、きわめて有効であることが示され
た。
【0040】実施例2(炭酸水素アンモニウムバッファ
の昇華脱塩) 実施例1で展開溶媒として用いた0.1N-pH9.0-炭酸水素
アンモニウム(AMHCA)バッファの昇華脱塩効果につい
て検討した。
【0041】実施例1のサンプルNo.1の分取液の半分
をエッペンドルフチューブに入れ、このチューブを遠心
減圧加熱乾燥機(内圧<0.3mmHg>)にセットして、5
0℃でオーバーナイト(15時間)減圧乾燥した。その
後、このチューブに1000μlの純水を加えてよく攪
拌し、DNA溶液の昇華脱塩サンプルとした。
【0042】また、上記サンプルNo.1の分取液の残り
を、常法により2時間透析して、常法によりオーバーナ
イト減圧乾燥し、DNA溶液の従来法脱塩サンプルとし
た。
【0043】両サンプルを元素分析にかけた。その結果
を、表11に示す。
【0044】
【表11】
【0045】表11から、本発明の昇華脱塩法は、従来
の透析法と同等又はそれ以上の脱塩効果が得られること
がわかる。特に、NHについては、DNAのリン酸に対す
るカウンターイオン分しか残留していないものと考えら
れる。また、Ni、Zn、Pb等の重金属の残留については、
本発明の方が従来の透析法よりも残留量が少ないことが
示された。
【0046】
【発明の効果】以上詳述のとおり、本発明によれば、DM
Tr基などの疎水性保護基で保護されたオリゴヌクレオチ
ドをHPLCで精製する際、アンモニア水で担体から切り出
されたオリゴヌクレオチドのアンモニア水溶液を、その
まま、カラムに注入することができ、しかも、上記疎水
性保護基の脱保護をカラムに酸を注入することによりカ
ラム上で行うことができ、引き続き、展開溶媒を用いて
目的のオリゴヌクレオチドを分離精製することができ
る。さらには、オリゴヌクレオチドの溶出に使用する展
開溶媒として昇華性の塩からなるバッファと水溶性有機
溶媒との混合溶媒を用いたことから、脱塩の操作を減圧
加熱で一挙に行うことができる。本発明の精製方法は、
その途中に乾燥及び再溶解の工程が介在しないため、従
来の精製工程よりも大幅に工程が簡略化され、精製に要
する日数も大幅に短縮される。
【0047】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> TOAGOSEI CO., LTD. <120> METHOD FOR PURIFICATION OF OLIGONUCLEOTIDES <130> IDP-264 <160> 15 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 1 tacgacgcag gtgttactac 20 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 2 tgcgacgcag gtgtgagtac 20 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 3 tgcgacggag gtgtgagggc 20 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 4 tgcggcggag gtgggagggg 20 <210> 5 <211> 40 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 5 tacgacgcag gtgttactac tacgacgcag gtgttactac 40 <210> 6 <211> 60 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 6 tacgacgcag gtgttactac tacgacgcag gtgttactac tacgacgcag gtgttactac 60 <210> 7 <211> 80 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 7 tacgacgcag gtgttactac tacgacgcag gtgttactac tacgacgcag gtgttactac 60 tacgacgcag gtgttactac 80 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 8 tacgacaaag gtataaaaac 20 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 9 taaaaaaaaa gaaaaaaaac 20 <210> 10 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 10 tccgacgcac gtctcacccc 20 <210> 11 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 11 tcccccgccc cccccacccc 20 <210> 12 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 12 tgcgacggag gtgtgagggc 20 <210> 13 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 13 tggggcgggg gggggagggg 20 <210> 14 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 14 ttcgacttat gtgttatttc 20 <210> 15 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Experimental <400> 15 tttttctttt gttttatttt 20
【図面の簡単な説明】
【図1】オリゴヌクレオチドの合成反応サイクルを示す
模式図である。
【図2】従来のオリゴヌクレオチドの精製工程を示すフ
ローチャートである。
【図3】本発明のオリゴヌクレオチドの精製工程を示す
フローチャートである。
【図4】図3に対応する精製工程説明図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)乃至(e)の工程を備えることを特
    徴とするオリゴヌクレオチド類の精製方法: (a)耐酸性及び耐アルカリ性の充填材が充填された液体
    クロマトグラフィーカラムを用い、疎水性保護基で保護
    されたオリゴヌクレオチド類及び同保護基で保護されて
    いないオリゴヌクレオチド類の混合物を前記カラムに充
    填し、 (b)前記カラムに昇華性の塩からなるバッファと水溶性
    有機溶媒との混合展開溶媒などを適当な濃度勾配で注入
    して前記疎水性保護基で保護されていないオリゴヌクレ
    オチド類を溶出させ、 (c)前記カラムに酸を注入して、該カラム内の前記オリ
    ゴヌクレオチド類の疎水性保護基を脱保護し、 (d)前記カラムに昇華性の塩からなるバッファと水溶性
    有機溶媒との混合展開溶媒を適当な濃度勾配で注入して
    前記脱保護されたオリゴヌクレオチド類を溶出させ、 (e)溶出された前記オリゴヌクレオチド類から溶媒及び
    塩を除去する。
  2. 【請求項2】 前記充填材はポリスチレン系樹脂製であ
    ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(c)において、酸として、6〜16
    vol.%の酢酸を用いることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(d)において、昇華性の塩から
    なるバッファとして、アンモニアでpH8〜10に調整され
    た0.05〜0.5Nの炭酸水素アンモニウム水溶液を用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の方
    法。
JP11154974A 1999-06-02 1999-06-02 オリゴヌクレオチド類の精製方法 Pending JP2000342265A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11154974A JP2000342265A (ja) 1999-06-02 1999-06-02 オリゴヌクレオチド類の精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11154974A JP2000342265A (ja) 1999-06-02 1999-06-02 オリゴヌクレオチド類の精製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000342265A true JP2000342265A (ja) 2000-12-12

Family

ID=15595960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11154974A Pending JP2000342265A (ja) 1999-06-02 1999-06-02 オリゴヌクレオチド類の精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000342265A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008139216A (ja) * 2006-12-04 2008-06-19 Kitasato Gakuen クロマトグラフィー用展開溶媒、クロマトグラフィー法、及びクロマトグラム、並びに検出方法
JP2020158399A (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 東レエンジニアリング株式会社 N merのオリゴヌクレオチドの製造方法
CN111841080A (zh) * 2020-07-07 2020-10-30 江苏大学 利用超声波改善枸杞多糖层析脱色中酸碱洗脱效果的方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008139216A (ja) * 2006-12-04 2008-06-19 Kitasato Gakuen クロマトグラフィー用展開溶媒、クロマトグラフィー法、及びクロマトグラム、並びに検出方法
JP2020158399A (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 東レエンジニアリング株式会社 N merのオリゴヌクレオチドの製造方法
CN111841080A (zh) * 2020-07-07 2020-10-30 江苏大学 利用超声波改善枸杞多糖层析脱色中酸碱洗脱效果的方法
CN111841080B (zh) * 2020-07-07 2022-03-25 江苏大学 利用超声波改善枸杞多糖层析脱色中酸碱洗脱效果的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20030176690A1 (en) Apparatus for preparing polynucleotides on a solid support
AU2007333147B2 (en) Oligonucleotides containing high concentrations of guanine monomers
IL185570A (en) Cyclic acid and analogues of nucleotide nucleotides and oligonucleotides
CN113150041B (zh) 一种硫代寡核苷酸的制备方法
CN111655297A (zh) 一种siRNA缀合物及其制备方法和用途
JP2021073204A (ja) グアニンリッチオリゴヌクレオチド
JP2005520547A (ja) オリゴヌクレオチド及びその類似体のための精製方法
EP1401852B1 (en) Methods for preparing oligonucleotides having chiral phosphorothioate linkages
KR20210086603A (ko) 올리고뉴클레오타이드의 정제 공정
AU2002322075A1 (en) Methods for preparing oligonucleotides having chiral phosphorothioate linkages
WO1996016073A2 (en) Codon amidites and method of using them to produce oligonucleotides and mutagenesis libraries
JP2002525288A (ja) 2重末端選択を用いるオリゴマーの精製
WO2006033730A2 (en) Novel polynucleotide synthesis labeling chemistry
JP2000342265A (ja) オリゴヌクレオチド類の精製方法
EP1399457B1 (en) Processes of purifying oligonucleotides
KR20200035267A (ko) 이메텔스타트를 제조하기 위한 향상된 공정
EP4294818A1 (en) Process for the de-tritylation of oligonucleotides
CN112876534B (zh) 肝靶向化合物及缀合物
EP0866072B1 (en) Processes for purifying synthetic oligonucleotides
US20080287670A1 (en) Systems and methods for the purification of synthetic trityl-on oligonucleotides
US20020103365A1 (en) Process for the synthesis of nucleic acids on a solid support and compounds which are useful in particular as solid supports in the said process
JP2024112974A (ja) 改変された酸化プロトコルを使用してオリゴヌクレオチドを調製するための方法
WO2023067038A1 (en) Process for oligonucleotide purification
KR20220009437A (ko) 올리고뉴클레오타이드의 탈보호 방법
AU2002325599B2 (en) Oligonucleotide analogues