JP2000341917A - モータ - Google Patents

モータ

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JP2000341917A
JP2000341917A JP11151012A JP15101299A JP2000341917A JP 2000341917 A JP2000341917 A JP 2000341917A JP 11151012 A JP11151012 A JP 11151012A JP 15101299 A JP15101299 A JP 15101299A JP 2000341917 A JP2000341917 A JP 2000341917A
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雅裕 塚本
Tadayuki Hatsuda
匡之 初田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】モータの出力を向上することである。 【解決手段】ステータ3の複数の突極3aにボビン8に
巻回された巻線コイル7をそれぞれ取り付ける。ロータ
2の複数の突極2aはステータ3の内側同軸上に回転自
在に配置される。ボビン8の両側壁には、磁束遮蔽部材
として非磁性導電膜9a,9bを形成しており、これに
より、ロータ2の回転に寄与する磁束を増大させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチド・リラ
クタンス・モータ(SRモータ)等のモータの改良技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のモータの一つとしてSRモータが
知られている。SRモータは、筒状のヨークに複数の内
向きに突出する突極を一体形成してなるステータ(固定
子)と、外向きに突出する複数の突極を有するロータ
(回転子)とを同軸上に配置し、ステータの突極に巻線
(コイル)を巻回して構成される。
【0003】ロータの突極とステータの突極の数は、相
互に倍数関係になっていない偶数個に設定される。例え
ば、ロータの突極の数が4に対してステータの突極の数
が6、ロータの突極の数が6に対してステータの突極の
数が8、ロータの突極の数が8に対してステータの突極
の数が12、という如くである。
【0004】ステータの一対の対向する巻線(場合によ
りさらに複数の巻線)に電流を流して、ステータの突極
からロータの突極へ向かう磁束を発生させ、ロータの突
極をステータの突極に引き付けることで、トルクを発生
させる。このとき、ステータとロータのある突極同士が
対向すると、他の突極同士にずれが生じており、逐次ず
れた突極を選んでその巻線に通電すればロータの突極が
連続的に引き付けられ、ロータを軸回りに回転させるこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、巻線に
通電することにより生じる磁束は、例えば、図3(b)
に示されるように、そのほとんどが磁気抵抗の少ないス
テータ3及びロータ2の突極内を通過するが、ステータ
3及びロータ2の軸方向の端面近傍においては、ステー
タ3の突極の該軸方向の端面から外側の空気中に出たの
ちロータ2の突極の該軸方向の端面から該ロータ2の突
極内に進入する磁束Bやロータ2の突極に向かわず、巻
線7の周囲を回ってしまう磁束Bが生じる。
【0006】したがって、ロータ及びステータの軸方向
の端面近傍においては、ロータを軸方向に引っ張る磁束
が発生し、ロータを回転させるのに有効なトルクを発生
させず、あるいは全くトルクに寄与しない磁束が生じ、
モータの出力を低下させるという問題があった。この現
象は、飽和磁束密度以上で使用するSRモータでは特に
顕著であり、とりわけ薄型のモータの場合には、回転ト
ルクの発生に寄与する磁束に対するこれに寄与しない磁
束の割合が大きくなるため、性能低下が著しい。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、モータの出力を向上するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るため、請求項1記載の本発明のモータは、内側に突出
する複数の突極を有するステータと、該ステータの突極
のそれぞれに巻回された巻線と、外側に突出する複数の
突極を有する前記ステータの内側に設けられたロータと
を備えたモータにおいて、前記ステータの突極及び前記
ロータの突極の少なくとも一方に、非磁性かつ導電性の
磁束遮蔽部材を設けたことを特徴とする。
【0009】請求項1記載の本発明のモータによると、
非磁性かつ導電性の磁束遮蔽部材を設けたので、該磁束
遮蔽部材に巻線に通電することにより生じる磁束の一部
が進入すると、該磁束遮蔽部材内に渦電流が生じ、この
渦電流は、該磁束の変化を妨げる向きに流れるので、こ
の磁束遮蔽部材を設ける位置を適宜に設定することによ
り、トルクの発生に有効に寄与しないような磁束を、本
来的に磁束が発生して欲しい位置に誘導することが可能
であり、ロータの突極を軸回り方向に引っ張る回転トル
クの発生に寄与させることができるようになる。
【0010】(2)請求項2記載のように、請求項1記
載のモータにおいて、前記磁束遮蔽部材は前記ステータ
の前記突極の前記巻線よりも前記ロータ側(該突極の先
端部又はその近傍)に設けることができる。
【0011】このようにすることにより、ステータの突
極の軸方向の端面から外側の空気中に出たのちロータの
突極の該軸方向の端面から該ロータの突極内に進入する
ような磁束の発生やロータの突極に向かわずに巻線の周
囲を回ってしまうような磁束の発生が当該磁束遮蔽部材
により抑制されるので、本来的な回転トルクの発生に寄
与する磁束を増加することができる。
【0012】(3)請求項3記載のように、請求項1又
は2記載のモータにおいて、前記磁束遮蔽部材を前記巻
線を巻回するボビンの壁面に一体的に設け、該ボビンを
前記ステータの前記突極に取り付けるようにでき、この
ようにすれば、ボビンをステータの突極に取り付けるこ
とにより、磁束遮蔽部材も同時に取り付けることができ
るので製造が容易化される。
【0013】(4)請求項4記載のように、請求項3記
載のモータにおいて、前記磁束遮蔽部材は前記ボビンの
壁面に蒸着又はめっき形成された非磁性導電膜から構成
することができ、かかる製膜方法は容易であるので、磁
束遮蔽部材を設けるための製造工数を削減することがで
きる。
【0014】(5)請求項5記載のように、請求項4記
載のモータにおいて、前記非磁性導電膜はアルミニウム
蒸着膜又は銅めっき膜とすることができ、このようにす
ることにより、低い抵抗で効果的に渦電流を発生させる
ことができる。
【0015】(6)請求項6記載のように、請求項1記
載のモータにおいて、前記磁束遮蔽部材は前記ロータの
軸方向の端面に一体的に取り付けられた非磁性導電板と
することができる。
【0016】磁束遮蔽部材として非磁性導電板をロータ
の端面に取り付けるようにしたので、例えば、ロータが
積層鋼板から構成される場合に、かかる非磁性導電板を
該積層鋼板の固定板(端板)としても機能させる、即ち
兼用することができ、構成を複雑化させることなく、本
来的な回転トルクの発生に寄与する磁束を増加させるこ
とができ高効率的である。
【0017】(7)請求項7記載のように、請求項6記
載のモータにおいて、前記非磁性導電板は前記ロータの
回転径とほぼ等しいかそれりも大きい径に設定された円
板状の部材とすることができる。
【0018】円板(非磁性導電板)の径をロータの回転
径とほぼ等しくすることにより、ロータの端面部分を遮
蔽することができ、トルクの発生に有効に寄与する磁束
を増やすことができるとともに、この場合には、ロータ
に非磁性導電板を一体的に取り付けた状態で、ステータ
に組み付けることができるので、製造作業が容易とな
る。
【0019】また、円板(非磁性導電板)の径をロータ
の回転径より大きくすることにより、ロータの端面部分
のみならず、ロータの突極とステータの突極の間の部
分、さらにはステータの突極の一部をも遮蔽することが
できるので、トルクの発生に有効に寄与する磁束をさら
に増加させることができる。
【0020】(8)請求項8記載のように、請求項6又
は7記載のモータにおいて、前記非磁性導電板としてア
ルミニウム板を採用することができ、こうすることで、
慣性モーメントや重量の増加を最小限に抑えつつ、低い
抵抗で効果的に渦電流を発生させることができる。
【0021】
【発明の効果】(1)請求項1記載の発明によれば、非
磁性かつ導電性の磁束遮蔽部材を設けたので、回転トル
クの発生に有効に寄与する磁束を増加することができ
る。従って、増大した磁束によりモータの出力トルクを
増大することができる。なお、モータの出力トルクを一
定とする場合には、モータを小型化することができる。
【0022】(2)請求項2記載の発明によれば、ステ
ータの突極の軸方向の端面から外側の空気中に出たのち
ロータの突極の該軸方向の端面から該ロータの突極内に
進入するような磁束の発生を抑制できることに加えて、
ロータの突極に向かわず、巻線の周囲を回ってしまうよ
うな磁束の発生をより確実に防止でき、回転トルクの発
生に有効に寄与する磁束を多くすることができる。
【0023】(3)請求項3記載の発明によれば、磁束
遮蔽部材を巻線を巻回するボビンの壁面に設けたので、
磁束遮蔽部材を別途取り付ける作業の必要がなくなり、
製造が容易化され、製造コストを低減することができ
る。
【0024】(4)請求項4記載の発明によれば、磁束
遮蔽部材をボビンの壁面に蒸着又はめっき形成された非
磁性導電膜としたので、別途板状体などを設ける場合と
比較して、磁束遮蔽部材を安定的に設けることができる
とともに、かかるボビンに対する膜の形成は比較的に容
易であるから、製造工数を低減することができる。
【0025】(5)請求項5記載の発明によれば、低い
抵抗で効果的に渦電流を発生させることができる。
【0026】(6)請求項6記載の発明によれば、磁束
遮蔽部材を板状体としてロータの端面に取り付けるよう
にしたので、例えば、ロータが積層鋼板から構成される
場合に、かかる磁束遮蔽部材を該積層鋼板の固定板(端
板)としても機能させる、即ち兼用することができるな
ど、構成を複雑化させることなく、回転トルクの発生に
有効に寄与する磁束を増加させることができる。
【0027】(7)請求項7記載の発明によれば、非磁
性導電板の径をロータの回転径とほぼ等しくすることに
より、トルクの発生に有効に寄与する磁束を増やすこと
ができることに加えて、ロータに磁束遮蔽部材を一体的
に取り付けた状態で、ステータに組み付けることができ
るので、製造作業が容易となる。
【0028】また、非磁性導電板の径をロータの回転径
より大きくすることにより、ロータの端面部分のみなら
ず、ロータの突極とステータの突極の間の部分、さらに
はステータの突極の一部をも遮蔽することができるの
で、トルクの発生に有効に寄与する磁束をさらに増加さ
せることができる。
【0029】(8)請求項8記載の発明によれば、慣性
モーメントや重量の増加を最小限に抑えつつ、低い抵抗
で効果的に渦電流を発生させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。
【0031】第1実施形態 図1は本発明に係るSRモータ(スイッチド・リラクタ
ンス・モータ)の第1実施形態の要部を示す平面図、図
2は図1の要部を拡大した斜視図、図3(a)は図1の
III−III線に沿う断面図である。この第1実施形態のS
Rモータ1は、ステータの突極の数を6、ロータの突極
の数を4とした三相のSRモータである。
【0032】SRモータ1は、回転子としてのロータ
2、固定子としてのステータ3及びこれらを収容する図
示しないモータハウジングなどを備えて構成される。
【0033】ロータ2は複数(この実施形態では4つ)
の突極2aを有するロータコア4の中心に形成された貫
通穴に出力軸(シャフト)5を挿入して一体的に固定し
て構成され、この出力軸5はモータハウジングにベアリ
ングを介して支持されている。ロータコア4は、この実
施形態では、プレス装置により打ち抜き加工された複数
の磁性鋼板4aを積層して一体化することにより構成さ
れている。
【0034】ステータ3はステータコア6及び複数の巻
線コイル7を備えて構成される。ステータコア6は略円
筒状のヨーク部の内側に半径方向に突出する複数(この
実施形態では6つ)の突極3aを一体的に設けて構成さ
れている。ステータコア6は、この実施形態では、プレ
ス装置により打ち抜き加工された複数の磁性鋼板6aを
積層して一体化することにより構成されている。ステー
タ3はモータハウジングの内側に固定される。
【0035】ロータ2はステータ3の突極3aとの間に
所定のギャップをもつように、同軸上に挿入配置されて
いる。ステータ3の突極3aには、それぞれボビン8に
巻回された巻線コイル7が装着されている。ボビン8は
その断面形状がコの字状で矩形環状に形成された部材で
あり、樹脂などの絶縁性の材料から形成されている。
【0036】そして、この実施形態のボビン8の一対の
側壁の外面にはそれぞれ非磁性導電膜(磁束遮蔽部材)
9a,9bが形成されている。この非磁性導電膜9a,
9bは、この実施形態ではアルミニウムを蒸着すること
により形成されている。但し、銅めっき、あるいはその
他の非磁性導電材料を蒸着、めっき、若しくは他の製膜
方法により形成するようにしてもよい。
【0037】ボビン8にはその両側壁の間の部分に巻線
コイル7が巻回され、その内側の矩形状の穴にステータ
3の突極3aが挿入又は嵌入されることにより、該突極
3aに固定される。
【0038】互いに対向する一対の巻線コイル7に電流
を流して、ステータ3の突極3aからロータ2の突極2
aへ向かう磁束を発生させ、その近傍に存在するロータ
2の突極2aを引き付けることで、トルクを発生させ
る。ステータ3とロータ2のある突極2a,3a同士が
対向すると、他の突極2a,3a同士にずれが生じてお
り、逐次ずれた突極を選んでその巻線コイル7に通電す
ることにより、ロータ2の突極2aが連続的に引き付け
られ、ロータ2を軸回りに回転させることができる。
【0039】巻線コイル7に通電すると、図2に示され
ているように、ステータ3の突極3aからロータ2の突
極2aに向かう磁束Bが発生し、その一部はボビン8の
側壁部分を通過する。ボビン8の側壁には非磁性導電膜
9a,9bが形成されているので、この非磁性導電膜9
a,9bを通過する磁束の変化に伴い、この膜9a,9
b内に渦電流Iが生じ、この渦電流Iは、該磁束の変化
を妨げる向きに流れるので、この非磁性導電膜9a,9
bの存在により、図3(a)に矢印で示されているよう
に、磁束Bの流れがステータ3の突極3aの端面から外
側(同図では上側)に大きく逸脱することが少なくな
り、ロータ2の突極2a側に誘導される。
【0040】これにより、回転トルクの発生に有効に寄
与する磁束を増加することができ、SRモータ1の出力
トルクを向上することができる。特に、磁束変化が激し
い高回転域においてトルクの増大が顕著となる。
【0041】ここで、比較のため、ボビン8に非磁性導
電膜9a,9bを形成しない場合を、図3(b)に示
す。この非磁性導電膜9a,9bがない場合には、ステ
ータ3及びロータ2の軸方向の端面近傍において、ステ
ータ3の突極3aの該端面から外側の空気中に出たのち
ロータ2の突極2aの該端面から進入する経路を進行す
るような磁束Bやステータ3の内部を通らずに巻線コイ
ル7の外側から後端に回ってしまうような磁束Bが発生
し、その分だけ、回転トルクの発生に寄与しない磁束が
生じていた。これに対し、この第1実施形態では、かか
る点が改善され、回転トルクの発生に寄与する磁束を増
加することができることが理解される。
【0042】上述した第1実施形態では、ボビン8の両
側壁の外面に非磁性導電膜9a,9bを形成している
が、効果はやや低下するものの、いずれか一方の側壁に
のみ非磁性導電膜を形成するようにしてもよい。また、
非磁性導電膜を直接的にボビン8の側壁に形成するので
はなく、非磁性かつ導電性の環状(ボビンの側壁に対応
する形状)の板状体をボビン8の側壁に接着などにより
固定するようにしても、同様の効果を得ることができ
る。
【0043】第2実施形態 図4は本発明に係るSRモータ(スイッチド・リラクタ
ンス・モータ)の第2実施形態の要部を示す平面図、図
5は図4の要部を拡大した斜視図、図6(a)は図4の
VI−VI線に沿う断面図である。上述した第1実施形態と
実質的に同一の構成部分については同一の番号を付し
て、その説明は省略することにする。
【0044】即ち、この第2実施形態では、ボビン8の
側壁に非磁性導電膜9a,9bは形成せずに、一対の非
磁性導電板10をロータコア4の両端面にそれぞれ一体
的に固定している。この非磁性導電板10は、これらの
図に示されているように、円板状であり、この第2実施
形態では、アルミニウム板から形成している。この非磁
性導電板10の径は、ステータ3の突極3aの先端部に
その一部が重複するように、ロータ2の回転径よりも大
きな値に設定している。
【0045】ロータコア4は上述の第1実施形態と同様
に複数の磁性鋼板4aを積層してなる積層鋼板から構成
されているが、非磁性導電板10はこれらの積層鋼板4
aの固定板(端板)としても機能させている。即ち、積
層鋼板4aを一対の非磁性導電板10で挟持した状態で
出力軸5に固定することにより、積層鋼板4aが一体性
を損なうこと、即ち、ばらけることを防止している。な
お、非磁性導電板10のステータ3の突極3aの端面
(出力軸に沿う方向の端面)に対向する部分と該端面と
の間のギャップは、出力軸5を支持するベアリングのス
ラスト方向の可動量と取付精度を考慮して、互いに接触
しない範囲でなるべく狭く設定すべきである。
【0046】なお、このSRモータ1の組み立てに際し
ては、非磁性導電板10はロータ2の回転径よりも大き
いので、積層鋼板4aを一対の非磁性導電板10で挟持
したのちに、ステータ3の内側に配置することができな
い場合があるが、この場合には、非磁性導電板10の一
方は取り外した状態で、ロータ2をステータ3の内側に
挿入配置したのちに他方を固定することになる。
【0047】巻線コイル7に通電すると、ステータ3の
突極3aからロータ2の突極2aに向かう磁束が発生す
るが、ロータ2には非磁性導電板10が取り付けられて
いるので、この非磁性導電板10を通過する磁束の変化
に伴い、図5に示されているように、この非磁性導電板
10内に渦電流Iが生じ、この渦電流Iは、該磁束の変
化を妨げる向きに流れるので、この非磁性導電板10の
存在により、図6(a)に矢印で示されているように、
磁束Bの流れがステータ3の突極3aの端面から外側
(同図では上側)に至ることがほとんどなく、ロータ2
の突極2a側に誘導される。
【0048】これにより、回転トルクの発生に有効に寄
与する磁束を増加することができ、SRモータ1の出力
トルクを向上することができる。特に、磁束変化が激し
い高回転域においてトルクの増大が顕著となる。
【0049】ここで、比較のため、ロータ2に非磁性導
電板10を取り付けない場合を、図6(b)に示す。こ
の非磁性導電板10がない場合には、ステータ3及びロ
ータ2の軸方向の端面近傍において、ステータ3の突極
3aの該端面から外側の空気中に出たのちロータ2の突
極2aの該端面から進入する経路を進行するような磁束
Bが発生し、その分だけ、回転トルクの発生に寄与しな
い磁束が生じていた。これに対し、この第2実施形態で
は、かかる磁束Bは非磁性導電板10によりロータ2の
突極2a側に戻されるので、回転トルクの発生に寄与す
る磁束を増加することができることが理解される。
【0050】上述した第2実施形態では、非磁性導電板
10をロータコア4の両端にそれぞれ取り付けている
が、効果はやや低下するものの、いずれか一方のみに非
磁性導電板10を取り付けるようにしてもよい。また、
非磁性導電板10の径は、ロータ2の回転径よりも大き
く設定して、その一部がステータ3の突極3aに重複す
るようにしているが、その一部がステータ3の突極3a
に至らない程度の径としてもよく、あるいはロータ2の
回転径とほぼ同じ径に設定してもよい。
【0051】非磁性導電板は円板に限られるものでもな
く、例えば、ロータコア4を構成する積層鋼板4aと同
じ形状の板状体とすることができる。加えて、この第2
実施形態では、非磁性導電板をロータ2に一体的に取り
付けているが、ロータ2に接触しないように、ステータ
3の突極3aの先端に取り付けてもよい。
【0052】また、上述の第2実施形態では、ボビン8
の側壁には非磁性導電膜9a,9bは形成していない
が、第2実施形態の構成において、第1実施形態と同様
にボビン8の側壁に非磁性導電膜9a,9bを形成すれ
ば、非磁性導電膜9a,9bと非磁性導電板10との相
互作用によって、回転トルクに有効に寄与する磁束をさ
らに増大することが可能である。
【0053】さらに、上述の第2実施形態においては、
ボビン8に巻線コイル7を巻回しているが、ステータ3
の突極3aにボビンを用いずに巻回した巻線コイルを装
着する、あるいは該突極3aに直接的にコイル線を巻回
して巻線コイルとする構成であっても同様に適用するこ
とができる。
【0054】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0055】例えば、上述した第1及び第2実施形態で
は、SRモータに本発明を適用したものについて説明し
ており、これは飽和磁束密度以上で使用するSRモータ
に適用することが特に好ましいためであり、勿論、他の
型式のモータであっても適用することができる。また、
ステータ及びロータの突極の数や相数も上述の第1及び
第2実施形態に限定されることはなく、他のものであっ
ても同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るSRモータの第1実施形態の要部
を示す平面図である。
【図2】図1の要部を拡大した斜視図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図(a)及びこれ
に対応する従来技術の構成を示す断面図(b)である。
【図4】本発明に係るSRモータの第2実施形態の要部
を示す平面図である。
【図5】図4の要部を拡大した斜視図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿う断面図(a)及びこれに
対応する従来技術の構成を示す断面図(b)である。
【符号の説明】 1…SRモータ 2…ロータ 2a…突極 3…ステータ 3a…突極 4…ロータコア 5…出力軸 6…ステータコア 7…巻線コイル 8…ボビン 9a,9b…非磁性導電膜 10…非磁性導電板 B…磁束 I…渦電流

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側に突出する複数の突極を有するステ
    ータと、該ステータの突極のそれぞれに巻回された巻線
    と、外側に突出する複数の突極を有する前記ステータの
    内側に設けられたロータとを備えたモータにおいて、 前記ステータの突極及び前記ロータの突極の少なくとも
    一方に、非磁性かつ導電性の磁束遮蔽部材を設けたこと
    を特徴とするモータ。
  2. 【請求項2】 前記磁束遮蔽部材は前記ステータの前記
    突極の前記巻線よりも前記ロータ側に設けたことを特徴
    とする請求項1記載のモータ。
  3. 【請求項3】 前記磁束遮蔽部材を前記巻線を巻回する
    ボビンの壁面に一体的に設け、該ボビンを前記ステータ
    の前記突極に取り付けることを特徴とする請求項1又は
    2記載のモータ。
  4. 【請求項4】 前記磁束遮蔽部材は前記ボビンの壁面に
    蒸着又はめっき形成された非磁性導電膜であることを特
    徴とする請求項3記載のモータ。
  5. 【請求項5】 前記非磁性導電膜はアルミニウム蒸着膜
    又は銅めっき膜であることを特徴とする請求項4記載の
    モータ。
  6. 【請求項6】 前記磁束遮蔽部材は前記ロータの軸方向
    の端面に一体的に取り付けられた非磁性導電板であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のモータ。
  7. 【請求項7】 前記非磁性導電板は前記ロータの回転径
    とほぼ等しいかそれりも大きい径に設定された円板状の
    部材であることを特徴とする請求項6記載のモータ。
  8. 【請求項8】 前記非磁性導電板はアルミニウム板であ
    ることを特徴とする請求項6又は7記載のモータ。
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