JP2000340183A - 白熱ランプ - Google Patents
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- Circuit Arrangement For Electric Light Sources In General (AREA)
Abstract
点灯及び短寿命化を防止し、使用寿命の長い白熱ランプ
を提供すること。 【解決手段】 バルブ11内にコイル状のフィラメント
20が収容され、該フィラメント20がサポータ30、
30’により当該コイル21の軸を垂直向きにして保持
された白熱ランプ10において、前記コイル21は、前
記フィラメント20の下方におけるコイルピッチに比較
して、上方におけるコイルピッチの方が狭いことを特徴
とする。若しくは、フィラメント20が、円錐又は円錐
台形のコイル21であって該コイル21径の小さい一端
を上にしてバルブ11内に配設されていることを特徴と
する。
Description
なかでもフィラメントのコイル軸を垂直向きにして点灯
される白熱ランプに関する。
プにおいては、例えば、筒状のガラス製のバルブの内部
に、コイル状のフィラメントが、該フィラメントの両端
において内部リード線を兼ねたサポータに接続されて、
該バルブの管軸とコイル軸とが一致するようにして保持
されて、配設されている。このような白熱ランプは、垂
直点灯して使用されることにより、点灯時間とともに、
フィラメントのコイルが垂下して、当該コイルが下向き
に伸びて、変形してしまう。
ンプにおいては、フィラメントのコイル軸が垂直向きで
あるため、当該フィラメントにコイル自重と等しい大き
さの荷重がかかるようになる。そして、この自重により
生ずる荷重は、フィラメントの下端から上方に向かうに
伴って漸次増大し、フィラメント上端において最大にな
る。このため、フィラメント下端では、当該フィラメン
トにかかる荷重が小さいので、コイルの垂下を生じ難く
て変形しにくいが、上端に向かうにしたがって荷重が大
きくなるためコイルの垂下を顕著に生じ、コイルの伸び
もこれに伴って大きくなる。
ラメントは、その上端及び下端がサポータに接続されて
固定されているため、フィラメント長、及び、コイルの
巻数が変化することは無く、よって、フィラメント上方
においてコイルの垂下が生じると、それより下方に位置
されるコイルのピッチが漸次狭くなり、最終的に上下に
隣在するコイル同士が接触してしまう。このようになる
と、フィラメントの短絡や溶断といった事態を招来し、
ランプの不点灯に至るためランプ寿命が短くなるといっ
た不具合を生じるようになる。特に、フィラメントの温
度が例えば2600℃以上になるような高温で使用さ
れ、オン・オフを短時間で繰り返してパルス点灯される
白熱ランプの場合、コイルの垂下が顕著で、ランプ寿命
が極めて短かいという問題があった。
端、下端のみならず、フィラメントの長手方向にわたっ
てサポータを取り付け、コイル同士の接触を防止するこ
とも可能である。しかしながら、かかる方法によると、
フィラメント部分の構造が複雑になって、生産性が極め
て悪くなってしまう。又、更には、白熱ランプを熱源と
して利用する場合、特に、その白熱ランプのフィラメン
トが、該フィラメント長とコイルの径とが同程度である
場合、ランプの熱効率を低下させてしまうので、サポー
タはできる限り少ない方が好ましい。
イルの垂下に伴うランプの不点灯及び短寿命化を防止
し、使用寿命の長い白熱ランプを提供することにある。
の発明は、バルブ内にコイル状のフィラメントが収容さ
れ、該フィラメントがサポータにより当該コイルの軸を
垂直向きにして保持された白熱ランプにおいて、前記コ
イルは、前記フィラメントの下方におけるコイルピッチ
に比較し、上方におけるコイルピッチの方が狭いことを
特徴とする。
内にコイル状のフィラメントが収容され、該フィラメン
トがサポータにより当該コイルの軸を垂直向きにして保
持された白熱ランプにおいて、前記コイルは円錐又は円
錐台形であり、コイル径の小さい一端を上にして配設さ
れていることを特徴とする。
述したようにコイルの垂下を顕著に生じ、コイルが伸び
て垂れ下がると、フィラメントの下側において、コイル
のピッチが狭くなり、やがて、コイルの接触に至る。そ
こで、請求項1に記載の発明では、フィラメント長やコ
イルの巻数を変えず、フィラメント下方側のコイルに比
較して上方側のコイルの方を密に巻回し、あらかじめコ
イルの変形を見込んで、フィラメント上方のコイルピッ
チを、下方側に比較して狭くし、フィラメントの下方側
のピッチを広く巻回しておく。かかる構成により、コイ
ルが垂下して、下方側のコイルピッチが狭くなっても、
コイル同士が接触に至るまで相当の時間を要すため、コ
イルの接触を回避することが可能となり、フィラメント
の短絡、溶断を防止することができるようになる。そし
て、その結果、ランプの不点灯を防止でき、ランプの長
寿命化を図ることができるようになる。
ル軸方向の荷重に対し、当該コイルにかかるせん断応力
が小さくなり、よって、コイルにかかけられた荷重に対
する耐性、つまり耐垂下性が増大する。したがって、請
求項2に記載の発明によれば、フィラメントの下端から
上端に向かって、荷重が増大するに伴ってコイル径を徐
々に小さくすることで、コイルの耐垂下性が増大され、
コイルの垂下を効果的に抑制できるようになる。そし
て、フィラメント上方においても、コイルの垂下による
変形を生じ難くなるので、フィラメントの下方において
コイルピッチが狭くなることを防止できて、コイル同士
の接触を回避することが可能となる。その結果、フィラ
メントの短絡、溶断を防止でき、ランプの不点灯を防止
できて、ランプの長寿命化を図ることができるようにな
る。
実施の形態の白熱ランプである。この白熱ランプ10は、
例えば、ガラス製のバルブ11内部に二重コイルからなる
フィラメント20が配設され、ハロゲン物質を含む不活性
ガスが封入され、当該バルブ11の一端において封止部12
が形成された、いわゆる一端封止型のハロゲンランプで
ある。この白熱ランプ10は、バルブ11の管軸を略垂直向
きに設置し、例えば同図のように前記封止部12を上にし
て垂直点灯される。フィラメント20の上端、及び、下端
に接合されたサポータ30,30'は、封止部12に埋設された
モリブデン箔31,31'に接続され、更にモリブデン箔31,3
1'は、当該バルブ11の外方に突出してなる外部リード棒
32,32'に接続されている。かかるサポータ30,30'は、フ
ィラメント20を保持するとともに、当該フィラメント20
への給電機構を兼ね備えており、内部リードの役割をも
果たしている。
えば、素線を二重に巻回したコイル21であって、先ず、
素線径φ0.22のタングステン線を、径0.98mm
で等ピッチに巻回することにより一次コイルを作製し、
次いで、この一次コイルを、コイルの巻回軸の方向でピ
ッチを変位しながら、コイル径R=4.8mmで二重に
巻回したものである。このコイル21は、例えば、巻数で
いうと6〜7ターン使用される。
図を図2に示す。なお、ここでは簡単のために一重コイ
ルの図面を用いて説明する。フィラメント20は、上方と
下方においてコイル21のピッチが異なって巻回されてお
り、下方におけるピッチに比較して、上方におけるピッ
チの方が、より狭くなっている。一例をあげると、コイ
ル21の巻回始点(0)から当該(0)点より一巻回した
点(1)までのピッチp1は0.98mm、同様にその
下のピッチp2は1.16mm、更にその下のピッチp3
は1.34mm・・と、コイル21が巻回される毎にピッ
チが広くなっている。
が生じると、フィラメント20の上端では、点灯時間に伴
ってコイル21が伸びてピッチが広くなり、それより下方
に向かうにしたがって、ピッチが徐々に狭められるが、
かかる第一の実施の形態によれば、そのようなコイル21
の変形に対応して、ピッチが下方に向かって漸次広くな
っているので、フィラメント20の長手方向にわたり、上
下に隣在するコイル21同士の接触を回避でき、フィラメ
ント20の短絡、溶断を防止することが可能となる。その
結果、ランプの不点灯を防止でき、ランプ寿命を長くす
ることができるようになる。
の形態を説明する。図3は第二の実施の形態を示し、請
求項2の発明にかかる白熱ランプの要部を示す図で、同
図(a)は当該フィラメント20を上から見た正面図、同
図(b)はフィラメント20を横から見た正面図である。
フィラメント20は、タングステン線をコイル軸方向に径
を順次変化させながら巻回して作製した、外観が円錐
(若しくは、円錐台ともいう)形のコイル21である。
が一定のコイル21で、図中フィラメント20の下方の点
(4)におけるコイルの半径r(mm)は、例えばr4
=2.33で、これより一周巻回される毎に半径が小さ
くなり、具体的には、r3=2.18、r2=2.02・
・・のように、漸次コイル21の径が減少し、上端22にお
いては、例えばr0=1.70になる。
21の上端22と下端23に一対のサポータが取り付けられ、
コイル21の円錐形状の頂部24を上に、更にコイル軸を略
垂直向きにして、コイル径の小さい一端、つまり上端22
を上に、コイル径の大きい他端、つまり下端23を下にな
るように、バルブ内部に配設される。なお、この第二の
実施の形態にかかる白熱ランプについては、その全体構
造についての説明を省略したが、フィラメント20を除
く、白熱ランプに関するその他の構成、例えば、バル
ブ、封入ガス、或いはサポータ等の構成については、先
に説明した第一の実施の形態と同様である。
で、上方側のコイルの径が、下方側に比較して小さい
と、フィラメントの上方においてコイルの垂下を好適に
抑制できる。すなわち、コイルの各部にかかる荷重に対
応して、耐垂下性を大きくすることができるので、コイ
ルの垂下に伴うコイルの変形を生じ難く、フィラメント
の下方でもコイルピッチは狭くなり難いものとなる。フ
ィラメントのコイル同士の接触を回避できるようになる
ので、このフィラメントの接触に伴う短絡、溶断を防止
できることが可能となる。その結果、ランプの不点灯を
防止して、ランプの長寿命化を図ることができるように
なる。
ントの外観が、円錐(若しくは円錐台)形であれば足り
るので、フィラメントのコイル軸方向で、コイル径が一
定の割合で変位していなくても良い。又、フィラメント
を上から見たとき、図3(a)のようにコイル間に間隙
が形成されているものに限定されず、例えば、この間隙
が形成されなくても良いので、コイルの素線が重なって
見えるものでも良い。
プの点灯使用時のフィラメント上方側のコイルの径が小
さければ良く、種々変更が可能である。例えば、コイル
軸方向でコイルピッチ(図3(b)においてp1〜p4)
が変位していても良く、請求項1に記載の発明と組み合
わせることも可能である。すなわち、図3(b)のよう
な外観が円錐状のコイルであり、コイルピッチ(p1〜
p4)がフィラメントの上方から下方に向かって広くな
っているものでも良い。
合わせた構成にすると、ランプの長寿命化に対し、一層
の向上が期待できる。このような構成にすると、フィラ
メントの上方におけるコイル径を、下方側に比較して小
さくすることで、コイルの荷重に対する耐垂下性を増大
させる、という効果に加え、ランプの長期使用に伴って
コイルの垂下が生じ、未使用のランプに比較して下方側
のコイルピッチが狭くなったとしても、あらかじめその
部分のコイルのピッチを広くしておくことで、コイルの
接触を長期間回避することが可能で、フィラメントの短
絡等の不具合を防止できて、ランプの不点灯を防止でき
るようになる。その結果、ランプの長寿命化に対し、絶
大な効果が得られるようになる。
形態は、いずれの場合も、適宜変更が可能であり、数値
等に関しては上記したものに限定されないことはもちろ
ん、その他の構成についても変更が可能で、例えば、フ
ィラメントのコイルは、一重コイル、二重コイルのいず
れの場合でも、本発明を実施することができる。
て、次式を適用することにより、コイルピッチの変位を
簡単に決定することができる。 ・Pn=a(2πn)m-1 (但し、aは任意の定数、1<m≦3) 以下、この実施例について説明する。図4は、コイルの
巻回始点(0)から、コイル上をn周した任意の点
(N)における、該始点(0)からの径方向の変位θ
と、ピッチPnとの関係を示す図である。なお、点
(N)におけるピッチPnとは、該点(N−1)と点
(N)との間のピッチを表している。コイル上を1ピッ
チ移動すると、径方向ではコイル上を一周して2π変位
することになるので、点(N)における、始点(0)か
らの径方向の変位は、一般にθn=2πnと表記でき
る。ここで、コイル上の任意点を座標で表してみる。ま
ず、コイル半径(r)の描く円上の点をX,Yとして、
コイル軸をZ軸として長手方向の位置をZとすると、 X=rcosθ、Y=rsinθ、Z=kθm と各々表すことができる。(なお、k及びmは任意の定
数である。)
ことができ、点(N)における径方向の変位θnはnを
用いて書け、点(N−1)と点(N)との間のピッチP
nをコイルの巻数nを用いて次式で表すことができる。 ・Pn=a(2πn)m-1(a及びmは任意の定数) この式において、m=1とするとPn=a(定数)とな
り、かかる場合は、コイルピッチが一定であることを表
している。続いて、mの値が1を超えると、コイルの上
端から下端に向かってピッチが増大するので、請求項1
に記載の発明は、1<mの範囲で好適に利用することが
できる。例えば、m=2とすると、ピッチはPn=2π
anになるのでコイルの巻数nの一次関数で表され、ピ
ッチがコイルの上端から下端に向かって、ピッチが同じ
幅ずつ広くなる。また、m=3とすると、ピッチは巻数
に対して二次関数的に増大していく。
般に使用される白熱ランプのスペックを外れてしまうた
め、上式を適用できなくなる。本発明者らは、従来のラ
ンプのスペックを満足し、且つ、上式を適用できるmの
値について解析を行ったところ、m=3としたときは、
定数aを小さく設定することで十分実施可能であると判
明した。よって、mが3以下の場合において実施可能と
理解される。
minに対し、pmin<pm ax≦3×pminの範囲が最適であ
ることも見出している。
狭められる割合が、概して、コイル下端において大き
く、それより上方に向かって小さくなるような場合は、
上式を満足しながら、コイルピッチを漸次変位させるこ
とで、そのコイルの変形量に則したピッチを簡単に求め
ることができる。その結果、フィラメント全長にわたっ
てコイル同士の接触を回避することができ、長寿命のラ
ンプとすることが可能となる。
内にコイルからなるフィラメントが収容され、該フィラ
メントの軸が垂直方向に位置されて点灯される白熱ラン
プにおいて、長期使用によりコイルの垂下や伸び等の変
形が生じても、簡単な構成でコイル同士が接触すること
を回避することができ、フィラメントの短絡や溶断を防
止できて、長寿命の白熱ランプを提供することができ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 バルブ内にコイル状のフィラメントが収
容され、当該フィラメントがサポータにより該コイルの
軸を垂直向きにして保持された白熱ランプにおいて、前
記コイルは、前記フィラメントの下方におけるコイルピ
ッチに比較し、上方におけるコイルピッチの方が狭いこ
とを特徴とする白熱ランプ。 - 【請求項2】 バルブ内にコイル状のフィラメントが収
容され、該フィラメントがサポータにより当該コイルの
軸を垂直向きにして保持された白熱ランプにおいて、前
記コイルは円錐又は円錐台形であり、コイル径の小さい
一端を上にして配設されていることを特徴とする白熱ラ
ンプ。
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