JP2000334910A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JP2000334910A
JP2000334910A JP11147633A JP14763399A JP2000334910A JP 2000334910 A JP2000334910 A JP 2000334910A JP 11147633 A JP11147633 A JP 11147633A JP 14763399 A JP14763399 A JP 14763399A JP 2000334910 A JP2000334910 A JP 2000334910A
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gear
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JP11147633A
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Toyoo Okamoto
豊雄 岡本
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写画像同士の位置ずれが発生するのを防止
して画像品質を向上させることが可能な構成を備えた印
刷装置を提供する。 【解決手段】 色分解された色毎の画像を形成する版ド
ラム装置からの各色の画像を転写体に重畳転写する構成
を備えた印刷装置において、版ドラムは、色分解された
色毎の画像を形成するために転写体の移動方向に沿って
複数配置され、上記転写体への転写順序において先行し
て印刷開始される版ドラムに対して後続する版ドラムの
印刷開始位置を、先行する版ドラム側での印刷開始位置
に対してその回転方向と逆方向で114度以上遅角させ
て設定されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷装置全般、特
にオフセット印刷機や孔版印刷機などの印刷機分野で利
用される印刷装置、さらに詳しくは、フルカラー印刷が
可能な印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一枚の原稿から大量の画像形成が
行える装置として印刷装置があり、印刷装置にはオフセ
ット印刷や孔版印刷などの方式がある。一般に印刷装置
では、版を被印刷物に対して機械的に押し付け、この圧
力により版面上の色材を被印刷物面に付着転移させる機
構が用いられている。なお、孔版印刷では、上記機械的
圧力を利用してインキを被印刷物面に向け押し出すよう
になっている。
【0003】ところで、印刷装置にはフルカラーを含め
たカラー印刷を行える印刷装置がある。カラー印刷装置
では、色毎の版を倦装した複数の版胴とこれら各版胴上
の版にインキを供給して得られる色画像を転写胴にそれ
ぞれ重畳転写した画像を記録材に一括転写してカラー画
像を得る工程が実行される(例えば、特公平3−719
83号公報)。上記版胴の構成としては、版胴に内蔵し
た版を版胴表面に繰り出すための繰り出しローラと版胴
表面に倦装されている版を巻き取る巻取ローラとを設
け、倦装された版に対してレーザ光線を用いた書き込み
処理によって製版し、印刷終了後には今まで版胴表面に
倦装されていた版を巻き取るようにした構成を備え、各
版胴で得られる色のインキ像を転写胴に重畳転写する場
合がある。
【0004】一方、印刷用版材としては、基材上に撥水
層を備えさせ、サーマルヘッドなどの加熱手段を用いて
画像の書き込みを行うことでその書き込み内容に応じて
親水部と撥水部とが形成され親水部にインキを付着させ
るようにした構成のものが提案されている(例えば、本
出願人の先願に係る特開平3−178478号公報や特
開平8−276668号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】カラー印刷などの多色
印刷を行う場合には、色分解された色の画像を重畳する
ことになるが、各画像を転写する際には、画像同士での
転写開始位置が整合していることが画像の色ずれを防止
するために重要となる。
【0006】しかし、印刷装置には、各種の機械部品が
使用されており、特に駆動に用いられる部品としては歯
車やベルトなどが用いられることが多い。このため、こ
れら部品に生じている機械的な誤差によって正確な転写
位置を整合させることができない場合がある。従来、こ
のような不具合を回避するために、例えば、版胴上に倦
装される版に対する書き込み開始位置を各版胴同士で適
合させるために、版が倦装されている版胴の回転位置を
検知するセンサを設けて版に対する書き込み開始位置を
割り出すようにした構成などが検討されているが、各版
胴を対象としたセンサ同士での取り付け位置の誤差やセ
ンサの応答性能のばらつきなどにより、各版胴毎での正
確な書き込み開始位置を割り出すことに限界があるのが
現状である。
【0007】本発明の目的は、上記従来の印刷装置に関
する問題、特に、転写画像同士の位置ずれが発生するの
を防止して画像品質を向上させることが可能な構成を備
えた印刷装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
感熱性撥水性印刷用版を用いた印刷装置であって、該印
刷用版が巻き付けられた版ドラムからなり該版ドラム内
に版を収納する版ドラム装置と、前記版ドラム内に収納
される感熱性撥水性印刷用版と、その版に印刷するデー
タを前記版ドラム上で上記感熱性撥水性印刷用版に対し
て書き込む書き込み装置と、前記版ドラム上の版に印刷
インキを供給する現像装置と、前記版ドラム上の版に供
給されたインキを転写され受容する転写体を有する転写
装置と、前記転写体に転写されたインキを印刷用紙に転
写する転写ローラ装置と、該転写ローラ装置に印刷用紙
を供給する印刷用紙供給装置と、印刷終了後に前記転写
体をクリーニングするクリーニング装置などを基本構成
として備えている印刷装置において、上記版ドラムは、
色分解された色毎の画像を形成するために上記転写体の
移動方向に沿って複数配置され、上記転写体への転写順
序において先行して印刷開始される版ドラムに対して後
続する版ドラムの印刷開始位置を、先行する版ドラム側
での印刷開始位置に対してその回転方向と逆方向で11
4度以上遅角させて設定されていることを特徴としてい
る。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の印
刷装置において、上記複数の版ドラムは、各版ドラムと
一体的に設けられている版ドラム側歯車によって駆動さ
れ、上記各版ドラムの版ドラム側歯車は、駆動源によっ
て駆動される駆動歯車の周面に対して放射状に配置され
た構成を備えていることを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の印刷装置において、上記版ドラムと上記版ドラム
側歯車とは、周方向で互いに相対的に移動可能に設けら
れ、上記駆動歯車に噛み合っている上記版ドラム側歯車
の噛み合い位置に対して上記版ドラムの回転開始位置を
調整可能であることを特徴としている。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
うちの一つに記載の印刷装置において、上記版ドラム
は、上記版ドラム側歯車が上記駆動歯車の歯の厚み以上
に移動できるように、回転軸に対して軸方向に移動可能
に設けられていることを特徴としている。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1記載の印
刷装置において、上記転写体への転写順序において先行
して印刷開始される版ドラムに対して後続する版ドラム
に設けられている書き込み装置は、書き込み開始位置に
相当する書き込み開始時期を調整可能であることを特徴
としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態を
示す印刷装置の概略構成図であり、感熱性撥水性印刷用
版を利用したフルカラー対応の印刷装置の一例を示すも
のである。上記感熱性撥水性印刷用版は、例えば、本出
願人の先願に係る特開平3−178478号公報により
開示されているように、ポリエチレン・テレフタレート
(PET)からなる基材上に含フッ素アクリレート材料
からなる撥水層を備え、サーマルヘッドなどによる加熱
書き込みが行われると、書き込み内容に応じて親水部と
撥水部とが形成され、親水部にインキを付着させること
ができるようになっている。
【0014】図1において印刷装置には、感熱性撥水性
印刷用版が巻き付けられその版の未使用部と使用済部と
を内部に収納する版ドラム1−0と、その版ドラム内に
収納されロール状に巻かれている感熱性撥水性印刷用版
1−1,1−2からなる複数の版ドラム装置1と、版に
印刷するデータを各版ドラム1−0上で書き込む書き込
み装置22と、各版ドラム1−0上の版に印刷インキを
供給する現像装置23と、各版ドラム上の版に印刷され
たインキが転写され一時的に受容する転写ベルト24−
1を持つ転写装置(転写ベルト装置)24と、転写ベル
ト24−1に転写されたインキを印刷用紙Sに転写する
転写ローラ25aを有する転写ローラ装置25と、転写
ローラ装置25に印刷用紙Sを供給する印刷用紙供給装
置27と、印刷用紙Sに転写された印刷インキを定着す
る定着装置29と、定着後の印刷用紙Sを排出する排紙
装置30と、排出された印刷用紙Sを受ける排紙受け装
置31と、印刷終了後に転写ベルト24−1をクリーニ
ングするクリーニング装置26などを基本構成として備
えている。また、この構成例では、転写ベルト装置24
を印刷装置本体の中央に一つ配置し、複数の版ドラム装
置1を転写ベルト装置24の転写ベルト24−1にそれ
ぞれ対応配置し、各版ドラム1−0に対し現像装置23
をそれぞれ配置し、書き込み装置22は各版ドラムの略
上部近傍にそれぞれ配置し、印刷装置本体の下部には印
刷用紙Sの搬送ルートを形成し、該搬送ルートに、印刷
用紙供給装置27、転写ローラ装置25、搬送装置2
8、定着装置29、排紙装置30、排紙受け装置31な
どを順次配置している。
【0015】図1に示す構成では、転写ベルト24−1
を縦長に配置した転写ベルト装置24を構成し、その転
写ベルト装置24を印刷装置のほぼ中央に配置し、複数
の版ドラム装置1を転写ベルト装置24の転写ベルト2
4−1にそれぞれ左右および上下において対応配置して
いる。これにより、転写ベルト装置24に対する各版ド
ラム装置1からの距離は等距離の関係に設定されている
ことになる。このような版ドラム装置1と転写ベルト装
置24との関係により、従来用いられていたブランケッ
トドラムと比べて小型・コンパクト化、省スペース化が
達成できる。また、従来のブランケットドラムを用いた
構成と違って、転写ベルト装置24に対して重畳転写す
ることができるので、個別にドラム部材を設けないです
む分、転写に要する構造を小型化できる。
【0016】図1に示した印刷装置では、さらに小型化
とコスト低減のために、印刷用版の未使用部1−1と使
用済部1−2を版ドラム1−0の中に収納している。こ
のため版を版ドラムの外部から供給するタイプの印刷装
置、例えば孔版印刷機や水無し枚葉印刷機などのように
版の収納スペースや版の供給装置や排版装置などが不要
となるなど、本構成は遥かに小型化やコスト低減化に有
利である。また転写ベルト装置24と版と版ドラム装置
1を有する装置全体でのさらなる小型化とコスト低減化
を図り、性能上も有利になるように、版と版ドラムを備
えた版ドラム装置1を転写ベルト24−1の左右に対称
に配置し、左右共通の構成となし、全体をバランスよく
合理的に配置している。
【0017】また、図1の構成では、印刷用紙Sのスム
ーズな搬送のため、なるべく印刷用紙のジャムなどを低
減するためと、転写ベルトの有効な性能手段としての曲
率分離性能を有効に利用して、大がかりな分離装置を排
除するためと、また印刷用紙の搬送路を用紙供給から転
写、定着、排紙までをほぼ直線的に構成するようにする
ために、印刷装置本体の下部に印刷用紙Sの搬送ルート
を形成し、該搬送ルートに、印刷用紙供給装置27、転
写ローラ装置25、搬送装置28、定着装置29、排紙
装置30、排紙受け装置31などを順次配置している。
【0018】以上のように、図1に示す構成の印刷装置
では、版ドラム装置1、書き込み装置22、並びに現像
装置23等は、転写ベルト24−1に対して左右対称に
配置し且つ構成の共通化を図り、装置の小型・コンパク
ト化、低コスト化を図ると共に、印刷用紙の搬送のため
に、印刷装置本体の下部に印刷用紙Sの搬送ルートを形
成し、用紙供給から転写、定着、排紙までをほぼ直線的
に構成したので、印刷用紙の搬送のためにも安定した性
能を確保できる。
【0019】次に図1に示す印刷装置の各部の構成につ
いて述べる。まず、フルカラー印刷の各色に対応する各
版ドラム装置1の版ドラム1A内には、未使用の感熱性
撥水性印刷用版がロール状に巻かれて軸に支持されてい
る版ロール1−1と、使用済みの版を巻き取った版ロー
ル1−2が収納されており、後述する版供給機構により
未使用側の版ロール1−1から送り出された版は、版ド
ラム1−0のスリット状の開口から外部に出て版ドラム
1−0の外周に巻き付けられた後、版ドラム1−0のス
リット状の開口から版ドラム内に戻り、巻き取り側の版
ロール1−2に巻き取られる構成となっている。従って
版供給は、版ドラム装置1の版供給機構により自動で版
ドラム表面に供給され、印刷終了後は使用済み部分の版
が自動で版ドラム内に巻き取られて、次の新しい版が版
ドラム表面に供給されるようになっている(なお、版ド
ラム装置の構成や版供給機構の詳細ついては後述す
る)。
【0020】この版ドラム装置1は図1から明らかなよ
うに、フルカラーの基本色(プロセス色)の分だけ、例
えばイエロー、マゼンタ、シアンの各色のインキに対応
する分だけ用意されており、さらに文字や墨入れなどの
ための黒インキのためにもう一つの版ドラム装置があ
り、全部で4色の版ドラム装置、並びに後述の現像装置
を具備している。
【0021】各版ドラム装置1に対応してそれぞれ設け
られた書き込み装置22は、版ドラム1−0の上に上下
昇降できるように構成されたサーマルヘッド(感熱書き
込み装置)であり、版ドラム1−0に巻き付けられた印
刷用版に印刷用のデータを書き込む時に下降し版ドラム
に接触してデータを書き込み、その後上昇して待機して
いる装置である。
【0022】ここで、感熱性撥水性印刷用版は撥水性を
有する材料からなり、加熱されたところの撥水性が材料
の特性から失われ、撥水性の逆、すなわち親水性に変わ
る性質を有しており、サーマルヘッドからなる感熱書き
込み装置22により簡易に書き込みを行うことができ
る。
【0023】各版ドラム装置1に対してそれぞれ設けら
れた現像装置23は、版ドラム1−0上で書き込み装置
22により印刷データを書き込まれた版に対して各色
(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)の印刷インキを供
給する装置である。この現像装置23は、現像ローラ2
3aと、インキ補充用のインキマガジン23eと、イン
キマガジン23eから供給されたインキを現像ローラ2
3aとの間に溜めるためのインキ溜23dと、インキ溜
23dのインキを適性の厚みに規制して現像ローラ23
aに供給する現像ブレード23cと、現像ローラ23a
上で回転揺動し現像ブレード通過後のインキ層をより均
一にならすならし揺動ローラ23bなどから構成されて
いる。そして適正な量のインキが現像ローラ23aに供
給されると、現像装置23の現像ローラ23aは版ドラ
ム1−0に押しつけられ、版の前記に説明した印刷デー
タを書き込んだ部分にインキが付着転移する。このよう
に現像装置23から版の印刷データに該当するところに
インキが転移することにより、版ドラム1−0上には印
刷インキの画像ができるわけである。
【0024】転写ベルト装置24は、各版ドラム1−0
上の版に現像されたインキが転写され一時的に受容する
転写ベルト24−1を持つ装置である。当然、転写ベル
ト24−1の表面性などは印刷インキの転移性が良い材
料からなる。転写ベルト装置24の転写ベルト24−1
は、駆動ローラや従動ローラなどの複数のローラにより
支持されているが、転写ベルト24−1内の各版ドラム
1−0に対応した位置には、転写ベルト24−1を版ド
ラム1−0に向け加圧する加圧ローラであるプラテンロ
ーラ24−2が配置してある。また図示していないが、
これらプラテンローラは、選択的に使用される版ドラム
1−0に対応して選択加圧できる構造となっている。
【0025】転写ベルト装置24の下部に対向して設置
された転写ローラ装置25は、転写ベルト24−1上の
印刷インキを印刷用紙Sに加圧転写する転写ローラ25
aと、この転写ローラ25aを転写ベルト24−1に対
して接離する接離機構25b(転写ローラ支持アーム、
カム、スプリングなどで構成され、カムでアームを揺動
させてローラを接離させる機構)から構成されている。
そして、転写ベルト24−1上の印刷インキが丁度真下
にくるときに合わせて印刷用紙供給装置27およびレジ
ストローラ27aにより印刷用紙Sが供給され、そのと
きのタイミングに合わせて印刷用紙Sを転写ベルト24
−1に加圧し、かつ、印刷用紙Sを搬送し、転写ベルト
24−1上の印刷インキを印刷用紙Sに転写させる。
【0026】クリーニング装置26は、転写ベルト24
−1上の印刷インキが印刷用紙Sに転写され印刷が完了
した際に転写ベルト24−1を清掃する役目を持ち、次
の印刷に備えてクリーニングローラ(あるいはクリーニ
ングブラシ)やクリーニングブレードなどにより転写ベ
ルト24−1上から前の印刷時に残った残留インキを除
去してクリーニングする。
【0027】印刷用紙供給装置27は、印刷用紙Sの収
納部や給紙ローラなどからなり、印刷のタイミングに合
わせて印刷用紙Sを転写部に向けて一枚ずつ給紙する。
【0028】また、搬送装置28は、図1に示す実施例
では搬送ベルトが用いられ、印刷インキが転写された転
写ベルト24−1から分離された印刷用紙Sを次工程の
定着装置29まで搬送する。定着装置29は印刷用紙S
上の生乾き状態のインキを紙に強固に定着する装置であ
り、定着ローラ29aと、該定着ローラ29aに圧接す
る加圧ローラ29bとからなり、印刷インキの定着で
は、定着ローラ29aは、印刷インキの溶剤を吸収する
耐油性のゴム(例えばシリコンゴーム、フッ素ゴム等)
から構成されるローラである。また、定着ローラの内部
に定着を促進するための熱源(電気ヒータ、ハロゲンラ
ンプ等)を設けると、より良好な定着となる。
【0029】上記定着後の印刷用紙Sは、一対のローラ
等からなる排紙装置30により機外に排出され、排出さ
れた印刷用紙Sは、印刷装置本体側部に設置されている
排紙受け装置31のトレイ上に排紙される。
【0030】以上、本発明の印刷装置の構成例について
説明したが、本発明の印刷装置は、フルカラー印刷が可
能な印刷装置でフルカラーに必要な各色のプロセスイン
キを印刷する4つの同じ様な印刷部を持つ印刷装置であ
る。その各印刷部で印刷用版を収容する印刷用版ドラム
装置1は、感熱性撥水性印刷用版を版ドラム1−0の内
部に収容し、必要なときに新品に自動的に交換して使用
済部を巻き取り、新規な版への交換を版ドラム部で行う
ことができるようになっている。
【0031】一般の印刷機における版ドラムでは、従来
はPS版を印刷胴に手動で巻き付けて位置合わせを行う
など、全てを人手で行っていた。また、印刷終了後の版
の交換取り付けもまた大変な作業であり、印刷の作業効
率を著しく非効率にしていた点である。その点、本発明
では上記のように版の交換を各版ドラム装置で自動的に
行う構成としているので、作業効率や手間等を格段に改
善できるものである。次に本発明に係る版ドラム装置1
の具体的な構成例について図1〜7を参照して詳細に説
明する。なお、図2は図1に示す印刷装置に具備される
版ドラム装置の構成を分解して示す斜視図である。また
図3は図2のaの部分を拡大して示す斜視図、図4は図
3の版ドラム部分をさらに拡大して示す斜視図、図5は
図2のbの部分を拡大して示す斜視図、図6は図2のc
の部分を拡大して示す斜視図、図7は図6のdの部分を
拡大して示す斜視図である。
【0032】図2の左側が印刷装置の前側とすると、版
ドラム1−0は、印刷装置の前側に位置する版ドラム前
フランジ3−1と、後ろ側に位置する後フランジ3−2
と、これらのフランジの間に配置され印刷胴を形成する
版胴2とから基本的に構成されている。図2には図示し
ていないが、版胴2の内部には図1に示したように版ロ
ール1−1,1−2が収納され、版胴2には、未使用
(新品)側の版ロール1−1の版を版胴2の印刷面にな
る表面外部に繰り出して供給し、また印刷後の使用済の
版を再度版胴内部に巻き取るための版の出入りができる
スリット部2−1が中央に設けられている。また、前記
スリット部2−1の入口と出口部には、版の出入りが滑
らかに行われ、版の繰り出しと巻き取りが円滑に行われ
るようにガイドローラ(R1,R2)4,5が設けてあ
る。
【0033】繰り出し側の版ロール1−1は印刷面がロ
ールの内側になるように巻かれてあり、版の取り扱い上
で印刷に寄与する面が汚れたり傷ついたりするのを防ぐ
ように巻かれている。そのため繰り出し側の版ロール1
−1では、版ロールの内側に巻かれた面が版胴上で外側
になるように繰り出して版胴2の表面に巻き付けるよう
にセットされて駆動され、スリット部2−1から繰り出
された版は版胴の表面に巻き付けられる。そして版は版
胴を約一周して再びスリット部2−1で版胴の内部に引
き込まれて巻き芯に巻き取られる。その際、版の使用済
部の巻き取り側では、版の印刷に使われインキが付着し
た面を内側に巻き込むようにセットされて駆動される。
このようにすることにより、版を前部使い終わり、使用
済の版ロール1−2を版ドラムから取り出したときに手
などを汚す心配がない。尚、後述するが、版胴2の内部
には版ロール1−1,1−2を軸支する軸がそれぞれ設
けられ、且つ版ドラム装置1にはその軸を駆動する駆動
装置が設けられている。
【0034】新品の版ロールを版ドラム1−0にセット
する際は、版ロールを版ドラムの版胴2内に挿入し軸支
させ、版胴に版を巻き付けた後、版の端を巻き取り側の
軸芯に巻き込んで固定するが、この作業は人の手によっ
て行われる。その際は、新品の版ロール1−1は版ドラ
ムの前フランジ3−1の窓部3−3から挿入し、版胴2
の内部にある版胴挿入ガイド板2−3に沿って版ロール
を版胴の奥まで挿入する。そして版ロールの芯の後端部
は版ドラム内に版を軸支する軸の先端のカップリング9
−3に係合軸支される。また、巻き取り側では、前回使
い終わった版ロールの芯が利用され、この芯が版胴内に
挿入されて、芯の後端部が版ドラム内に版を軸支する軸
の先端のカップリング10−3に係合軸支される。
【0035】版を版ドラム内に挿入軸支して版の版胴2
への巻き付け等のセットを行った後、版ロールの前側の
前フランジ3−1の窓部には図示しない蓋が取り付けら
れるが、その蓋には版ロールの前側を軸支する軸が付随
しており、これにより版ロールは版ドラム内で回転可能
に軸支されることになる。版が版胴2に巻き付けられセ
ットが完了した後、印刷が開始されると、版胴表面に向
けて図1に示す書き込み装置22が下降して版の表面に
接触し、印刷に必要な印刷データを書き込む。その後、
前述のように現像装置23からインキが供給されて版に
付着し、次に版上に付着したインキを転写ベルト4−1
に転写することになる。そして、一連の印刷が終了した
後、版は新品の版面を図1の未使用側の版ロール1−1
から繰り出し、使用済の版を巻き取り側の芯に巻き取る
必要がある。次にその繰り出しと巻き取りの機構につい
て述べる。
【0036】版ロール1−1を軸支しているのは軸9−
1であり、この軸9−1の版胴内部には版ロールの芯と
の係合カップリング9−3が固定されている。また、そ
の軸9−1の、版胴後フランジ3−2の後部側には歯車
(A)9−2が固定されている。この歯車9−2には歯
車11−1が噛み合う。歯車11−1は特に版胴2の中
心回転軸8を軸として回転できるようになっていて、太
陽歯車(T1)として働く。太陽歯車11−1には2つ
の歯車が形成されていて一方の歯車は歯車9−2と噛み
合い他方の歯車は歯車12と噛み合っている。歯車12
は印刷装置本体側に属し、軸12−1に固定されて該軸
12−1を介してモータ等の適当な図示していない本体
側の駆動装置につながっている。図5〜7に駆動機構の
部分を詳細に示すが、歯車12は駆動時には時計方向に
回転し、太陽歯車11−1は反時計方向に回転され、そ
のため歯車9−2は時計方向に回転する。歯車9−2の
軸9−1に直結している版ロール1−1はそのため時計
方向に回転し、版ロール1−1は版を繰り出すように回
転する。
【0037】一方、太陽歯車11−1には、巻き取り側
の版ロール1−2に駆動を伝える歯車列(B)も係合さ
れている。すなわち太陽歯車列11−1には、まず歯車
11−2のアイドラー歯車が噛み合う。このアイドラー
歯車11−2にはさらに歯車11−3が噛み合う。この
歯車11−3の軸11−7上に摩擦板11−4があり、
その摩擦板11−4の背後に歯車11−5がある。さら
に歯車11−5の背後にはバネ11−6とナット11−
8があり、軸11−7の後端に切ってあるネジに螺合さ
れたナット11−8がバネ11−6を歯車11−5に押
し付けるようにセットしてある。すなわち、ナット11
−8を適当に締め込むとバネ11−6の押圧力が増し、
歯車11−5が摩擦板11−4を押し、摩擦板11−4
は歯車11−3に押し付けられる構成となっており、い
わゆるトルクリミッタ装置が歯車11−3、摩擦板11
−4、歯車11−5、バネ11−6、ナット11−8な
どでできている。このトルクリミッタ装置の働きによ
り、歯車11−3の駆動力はトルクを制御されて歯車1
1−5に伝えられる。
【0038】また、歯車11−5にはさらに歯車(C)
10−2が噛み合い、歯車(C)10−2は軸10−1
に固定され、この軸10−1は繰り出し側の軸9−1と
同様に、版胴2の後フランジ3−2を内部に貫き、その
先端には前述のカップリング10−3が固定されてい
て、巻き取り側の版ロール1−2の軸芯に係合する。
【0039】ところで、駆動時には前記太陽歯車11−
1は反時計方向に回転していたのでアイドラー歯車11
−2は時計方向に回転され、歯車11−3と歯車11−
5は再び反時計方向に回転し、最終の歯車10−2は時
計方向に回転する。図1からも判るように、巻き取り側
の版ロール1−2はそのため時計方向に回転する。これ
は前記のように、巻き取り側の版ロール1−2が版の印
刷面を内側に巻く必要があるからである。
【0040】一方、上述のトルクリミッタ装置は、版ロ
ール1−1は新品時は巻き径が大きく、巻き取り側は芯
の径であり、次第に巻き取るにつれて繰り出し側版ロー
ル1−1の径は小さくなり、巻き取り側の版ロール1−
2は径が大きくなっていく。そのため、版ロール1−1
が新品時は、巻き取り側版ロール1−2の駆動はかなり
繰り出し側版ロール1−1の繰り出し速度より早く巻き
取らないと版胴2の上でだぶついてしまい、版胴表面に
版が密着して巻き取れなくなる。そのため巻き取り軸1
0−1は繰り出し軸9−1よりかなり早く回転してい
る。そのため、その速度差を吸収する必要が駆動歯車列
のどこかに必要となるので、トルクリミッタ装置が挿入
されている訳である。
【0041】また、トルクリミッタ装置のトルク値は版
の張力と版の版胴への巻き付け力を調節する必要があ
り、適度なテンションが必要となる。そのためトルク値
を調節する機構が必要である。このトルク値を調節する
機構は、前述したバネ11−6とその押圧力を加減する
ナット11−8の構成で可能である。
【0042】一方、版胴に巻き付けた版は、印刷時に緩
んでは印刷ができなくなるので、印刷時には決して緩ま
ないようにする工夫が必要である。そのため、特に巻き
取り側の歯車駆動列のどこかに一方向にしか回転できな
い軸受け部材(一方向クラッチ)を挿入してある。その
ため印刷時の緩みが防がれている。また、版の入口部に
設けたガイドローラ(R2)5の軸にも同様にガイドロ
ーラ5が一方向にしか回転できないように制限する一方
向クラッチを設けるとさらに効果的である。
【0043】ところで版を巻き取る際に駆動装置は巻き
取る版の量を知ることができない。版ロールは前述した
ように最初と最後では版ロール径が次第に変化するの
で、版ロールの回転量で版の搬送量を制御することはで
きない。そのため本発明の版ドラム装置ではそれを制御
できる装置として、装置本体側で版の搬送量を知ること
ができる駆動歯車列を持っている。具体的には、スリッ
ト部2−1の入口側のガイドロール(R2)5の軸を版
胴2の後部に長く出しその後端に歯車13を取り付け、
その歯車13に噛み合うアイドラ歯車13−1を介して
第2の太陽歯車(T2)13−2に係合し、その太陽歯
車13−2に装置本体側にある歯車13−3を係合し
て、その歯車13−3に固定されている軸13−5を介
して装置本体側で版の搬送量を知ることができるように
構成している。図示していないが、本体側の軸13−5
には適当なパルスジェネレータ円板(ロータリーエンコ
ーダ)があり、その円板のパルスを光センサーが検知し
ていて回転量を知ることができる。光センサーからのパ
ルス量は適当な電気回路で容易に回転量に変換できるの
で、版の搬送量を的確に知ることができる。
【0044】以上、版の挿入及びセットと駆動装置、搬
送の制御に関する版ドラム装置の説明をしたが、前述し
たように、印刷時には書き込み装置22が印刷データを
書き込むために版ドラム表面に下降して版にデータを書
き込み、データの書込後は現像装置23が版にインキを
付着させる。この書き込みや現像の際に、書き込み装置
22や現像装置23は、版胴2のスリット部2−1を飛
び越える必要がある。
【0045】書き込み装置22や現像装置23には、そ
れぞれ版胴2の後フランジ3−2の上を転がり、各装置
を支えているコロフォロアー(図示せず)があるが、前
記の問題の版胴2のスリット部2−1では、後フランジ
3−2の丁度スリット部2−1に一致する位置の部分に
カム7が取り付けてあり、前記コロフォロアーがこのカ
ム7の上を転がりスリット部2−1をジャンプして乗り
越えることができるように工夫してある。このため書き
込み装置22や現像装置23は、版胴2のスリット部2
−1に脱落することなく滑らかにスリット部をジャンプ
して行くことができる。また、版胴2の廻りには下巻き
2−2であるゴムが巻き付けてある。この下巻き2−2
は、版ドラム装置1の周辺装置である書き込み装置2
2、現像装置23、転写ベルト装置24が版ドラム1−
0の版胴2に加圧接触し必要な圧力やニップを安定的に
得るためと、また書き込み装置22や現像装置23が版
胴2のスリット部2−1をジャンプした後、再び版胴2
に接触加圧する際のショックを和らげるための働きと、
また版ドラム1−0と転写ベルト24との周長を整える
ために版胴2の直径を微調整するための働きをする。ま
たゴムである下巻き2−2は書き込み装置22のサーマ
ルヘッドとの接触時や現像装置23の現像ローラ23a
との接触時のニップを広げる働きもする。適当な幅のニ
ップは版胴2の軸と現像ローラの軸などの誤差を吸収す
る働きもする。
【0046】版ドラム装置1の印刷時の版ドラム1−0
そのものの駆動は、版胴2の後部の後フランジ3−2に
固定されて一体化されている版ドラム側歯車6が固定さ
れていて、その歯車6はハスバ歯車でできている。この
歯車6の歯筋の方向は版ドラムが駆動側に推力を受ける
傾きに切ってあり、当然この歯車6と後で説明するが、
これに噛み合う駆動歯車(図8において符号60で示す
歯車)もハスバ歯車でありその歯筋方向は逆方向に切っ
てある。それにより駆動時に版胴は駆動歯車により一定
方向の推力を受けて版胴の振動などの印刷時のガタが吸
収され、安定した版胴の回転が得られ、高品質の印刷を
行うことができる。また前記の駆動歯車の推力だけでは
不足する虞もあるので、さらに本発明では版胴手前側の
前フランジ3−1の前にバネ3−4を挿入し、バネ3−
4により版胴2を後方に押し付け版胴のガタを取るよう
にしてある。尚、前フランジ3−1には前記のバネ3−
4の圧力を受けるバネ受け部を設けてある。
【0047】版ドラム側歯車6とこれが噛み合う関係に
ある駆動歯車とは、図8に示す関係とされている。図8
において、各版ドラム装置1に設けられている版ドラム
側歯車6は、転写ベルト24の配置位置に対応して各版
ドラム装置1が対称位置となる各版ドラム装置1の左右
中央および上下中央位置に配置された駆動歯車60に対
して放射状の位置で噛み合うように配置されている。図
9は、歯車同士の関係のみを抽出して示した図であり、
各版ドラム側歯車6は、駆動歯車60に対して左右およ
び上下方向で対称位置において噛み合うようになってい
る。このような構成により、各版ドラム装置1を駆動す
るための駆動歯車60は、各版ドラム装置1毎に設ける
必要がなく、必要最小限の部品点数で済ませることがで
きる。これにより、版ドラム装置1に対する駆動源から
の駆動経路に存在する部品が少ないことにより、歯車の
偏心などによる回転変動を少なくすることができ、しか
も、歯車同士の噛み合い騒音や振動を低減することがで
き、振動発生による色ずれやジッターの発生を低減する
ことができるようになる。
【0048】一方、歯車の数を少なくした場合において
も歯車を用いることによる機械的な精度誤差により版ド
ラム装置1同士での回転ずれが発生し、これが原因して
転写ベルト装置24に転写された画像の色ずれが起こる
ことがある。そこで、本実施例では、転写ベルト装置2
4に対する版ドラム装置1の転写順序において、先行し
て印刷開始される版ドラム装置1に対して後続する版ド
ラム装置1での印刷開始位置を先行する版ドラム装置1
での印刷開始位置よりも逆回転方向で114度以上遅角
するようにしている。この理由は次の通りである。転写
ベルト装置24に対して転写される画像は、各版ドラム
装置1が転写ベルト装置24の転写ベルト24−1の展
張方向に沿って異なる位置に配置されている版ドラム装
置1から順次転写される。このため、転写ベルト装置2
4に転写された画像が次段の版ドラム装置1に対面する
には転写ベルト24−1の移動時間が必要となる。従っ
て、次段の版ドラム装置1での印刷開始時期を上記移動
時間に合わせたタイミングで設定することにより、移動
してくる画像と次段の版ドラム装置1での転写画像とを
整合させることができる。いま、各版ドラム装置1と転
写ベルト24−1との転写位置(版ドラム装置1の版ド
ラム1−0と転写ベルト24−1との接触位置)間の距
離をLとし、版ドラム1−0の直径をDとした場合、先
行して印刷開始された版ドラム1−0の印刷開始位置に
対して次段の版ドラム1−0での印刷開始位置を遅らせ
る角度(θ)は、 θ=360°・L/π・D で表せる。
【0049】特に、版ドラム1−0同士が限度まで近づ
いて配置されている場合には、L=Dという関係となる
ので、上記式に代入すると、θ=114(°)であるの
で、これ以上の角度に遅角する。
【0050】一方、版ドラム1−0は、版ドラム側歯車
6に対して周方向での位置を調整できるようになってい
る。すなわち、図10は、版ドラム1−0と版ドラム側
歯車6との配置構成を示す図であり、同図において、版
ドラム1−0の軸方向において版ドラム側歯車6が位置
する側の端部に配置されている後フランジ(図2におい
て符号3−2で示す部材に相当しているが、図10では
便宜上、符号61で示す)には、回転中心軸8に挿嵌さ
れるボス部61Aが形成されている。後フランジ61の
外周縁は版ドラム1−0の外周面に装着されて中心位置
が整合されている。
【0051】版ドラム側歯車6には、中心にフランジ6
1のボス部61Aに挿嵌されるボス部6Aが形成されて
おり、ボス部6Aがネジ6Bによってフランジ61と一
体化されるようになっている。従って、版ドラム1−0
は、ネジ6Bを緩めることで版ドラム側歯車6と周方向
で相対的に移動することができ、版ドラム側歯車6と駆
動歯車60との噛み合い位置に対して当初の位置からず
らされることができる。このような版ドラム1−0のず
らしは、版ドラム1−0に対する書き込み装置22によ
る書き込み開始位置をずらす結果となり、上述した遅角
位置に版ドラム1−0を配置調整することができる。つ
まり、上述した遅角位置に版ドラム1−0を位置調整し
ようとした場合、噛み合い関係にある歯車同士の歯の整
数関係によって上述した遅角位置を設定することが困難
な場合があるので、本実施例では、このような事態にお
いても版ドラム1−0でのおおよその遅角位置を位置調
整した後で、さらに版ドラム1−0を版ドラム側歯車6
に対して周方向で位置調整することにより、上述した遅
角位置に対して正確に版ドラム1−0を位置決めするこ
とができる。
【0052】一方、版ドラム1−0の遅角位置を設定す
るためには、次の構成とすることも可能である。すなわ
ち、図2において、版ドラム前フランジ3−1にはバネ
3−4が挿入されており、版胴2を後方に押しつけてガ
タをなくしているが、このバネ3−4による押圧付勢を
利用してその付勢に抗して版ドラム1−0をバネ3−4
を圧縮する方向に移動させるようになっている。図2に
おいて後フランジ3−2と一体化されている版ドラム側
駆動車6は、版ドラム1−0の軸方向での移動に連動す
ることができ、その移動量として、駆動歯車60の歯厚
以上の移動量とされている。
【0053】このような構成によれば、版ドラム側歯車
6と駆動歯車60との噛み合い位置をずらすことがで
き、版ドラム1−0を遅角位置に位置決めすることがで
きる。
【0054】さらに、版ドラム装置1での遅角位置、つ
まり、印刷開始位置の調整は上述した版ドラム装置1側
での回転位置を調整することに限らない。すなわち、印
刷開始位置に影響するものとしては上記歯車群を有する
駆動系だけでなく、書き込みに用いられる書き込み装置
22(図1参照)の書き込み開始位置がある。そこで、
本実施例では、次段の版ドラム装置1での書き込み開始
時期が上述した遅角位置に相当するタイミングでずらさ
れるようになっている。従って、次段の版ドラム装置1
での書き込み開始位置は、版ドラム1−0の回転開始位
置から上述した遅角位置に相当する角度だけ版ドラム1
−0が移動した時点に相当する位置とされ、書き込みが
開始される。
【0055】以上のような実施例によれば、転写ベルト
装置24への転写開始時期が後続の版ドラム装置1にお
いて転写ベルト装置24の転写ベルト24−1が移動す
る時間に相当するタイミングに設定されているので、各
版ドラム装置1において転写ベルト24−1に転写され
た画像同士の位置を整合させることができる。これによ
り、色ずれの発生がない重畳転写が行えることになる。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、各版ドラ
ムの配置位置が転写体に対して異なっていても、転写体
への転写順序において先行して印刷開始される版ドラム
に対して後続する版ドラムの印刷開始位置を先行する版
ドラムでの印刷開始位置に対して回転方向と逆方向に1
14度以上遅角させているので、先行する版ドラムから
転写体に転写された画像が後続の版ドラムから転写体に
転写される画像と転写位置を一致させることができ、画
像の色ずれを防止することが可能となる。
【0057】請求項2記載の発明によれば、版ドラム側
歯車が駆動歯車の周面に対して放射状に配置されて噛み
合っているので、駆動歯車を単一で構成するだけです
む、しかも、版ドラムに対する駆動系での歯車の数を少
なくできることで歯車間での振動の発生を抑制すること
ができ、これにより、色ずれやジッターの発生を防止す
ることが可能となる。
【0058】請求項3および4記載の発明によれば、駆
動歯車と版ドラム側歯車との噛み合い位置の調整により
あるいはこれら両歯車の噛み合い位置に対する版ドラム
の位置を調整することで版ドラムでの印刷開始位置を各
版ドラム同士で整合させることができ、各版ドラムから
転写される画像の色ずれをなくすことが可能となる。
【0059】請求項5記載の発明によれば、各版ドラム
での書き込み開始位置を調整することにより、各版ドラ
ムに形成される画像の色ずれをなくすように調整するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す印刷装置の概略構成
図である。
【図2】図1に示した印刷装置に具備される版ドラム装
置の構成を分解して示す斜視図である。
【図3】図2中、符号aで示す部分を拡大して示した版
ドラムの要部斜視図である。
【図4】図3に示した版ドラム部分をさらに拡大して示
す斜視図である。
【図5】図2中、符号bで示す部分を拡大して示した版
ドラム装置の駆動部の斜視図である。
【図6】図2において符号cで示す部分を拡大して示し
た版ドラム装置の駆動部の要部斜視図である。
【図7】図6において符号dで示す部分を拡大して示し
た版ドラム装置の駆動部の要部斜視図である。
【図8】図2に示した版ドラム装置の駆動部に用いられ
る歯車同士の噛み合い状態を説明するための模式図であ
る。
【図9】図8に示した歯車同士の噛み合い状態を示す斜
視図である。
【図10】図2に示した版ドラム装置の版ドラムと駆動
歯車との設置構造を示す部分的な断面図である。
【符号の説明】
1 版ドラム装置 1−0 版ドラム 2 版胴 3−1 前フランジ 3−2、61 後フランジ 3−4 バネ 6 版ドラム側歯車 6A ボス部 6B ネジ 22 書き込み装置 23 現像装置 24 転写ベルト装置(転写装置) 24−1 転写ベルト(転写体) 26 転写ベルトのクリーニング装置 27 印刷用紙供給装置 28 搬送装置 29 定着装置 30 排紙装置 31 排紙受け装置 60 駆動源に連動する駆動歯車 61A ボス部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感熱性撥水性印刷用版を用いた印刷装置で
    あって、 上記印刷用版が巻き付けられた版ドラムからなり該版ド
    ラム内に版を収納する版ドラム装置と、前記版ドラム内
    に収納される感熱性撥水性印刷用版と、その版に印刷す
    るデータを前記版ドラム上で上記感熱性撥水性印刷用版
    に対して書き込む書き込み装置と、前記版ドラム上の版
    に印刷インキを供給する現像装置と、前記版ドラム上の
    版に供給されたインキを転写され受容する転写体を有す
    る転写装置と、前記転写体に転写されたインキを印刷用
    紙に転写する転写ローラ装置と、該転写ローラ装置に印
    刷用紙を供給する印刷用紙供給装置と、印刷終了後に前
    記転写体をクリーニングするクリーニング装置などを基
    本構成として備えている印刷装置において、 上記版ドラムは、色分解された色毎の画像を形成するた
    めに上記転写体の移動方向に沿って複数配置され、 上記転写体への転写順序において先行して印刷開始され
    る版ドラムに対して後続する版ドラムの印刷開始位置
    を、先行する版ドラム側での印刷開始位置に対してその
    回転方向と逆方向で114度以上遅角させて設定されて
    いることを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の印刷装置において、 上記複数の版ドラムは、各版ドラムと一体的に設けられ
    ている版ドラム側歯車によって駆動され、 上記版ドラム側歯車は、駆動源によって駆動される駆動
    歯車の周面に対して放射状に配置された構成を備えてい
    ることを特徴とする印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の印刷装置におい
    て、 上記版ドラムと上記版ドラム側歯車とは、周方向で互い
    に相対的に移動可能に設けられ、上記駆動歯車に噛み合
    っている上記版ドラム側歯車の噛み合い位置に対して上
    記版ドラムの回転開始位置を調整可能であることを特徴
    とする印刷装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のうちの一つに記載の印刷
    装置において、 上記版ドラムは、上記版ドラム側歯車が上記駆動歯車の
    歯の厚み以上に移動できるように、回転軸に対して軸方
    向に移動可能に設けられていることを特徴とする印刷装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の印刷装置において、 上記転写体への転写順序において先行して印刷開始され
    る版ドラムに対して後続する版ドラムに設けられている
    書き込み装置は、書き込み開始位置に相当する書き込み
    開始時期を調整可能であることを特徴とする印刷装置。
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