JP2000334055A - 避難経路の安全評価方法及び避難経路の安全評価プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

避難経路の安全評価方法及び避難経路の安全評価プログラムを記録した記録媒体

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JP2000334055A
JP2000334055A JP11146184A JP14618499A JP2000334055A JP 2000334055 A JP2000334055 A JP 2000334055A JP 11146184 A JP11146184 A JP 11146184A JP 14618499 A JP14618499 A JP 14618499A JP 2000334055 A JP2000334055 A JP 2000334055A
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真一 亀山
Toshiyuki Ishige
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Hideki Morimoto
秀樹 森本
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Takuo Yamaguchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エスカレータを防火区画することにより構築
される設計段階等における避難経路が火災発生時に車椅
子利用者を含む避難者を安全に避難させ得るかを容易に
評価する。 【解決手段】 煙層下端高さ算出手段18で算出した煙
層下端高さが予め設定された許容煙層下端高さ以上かを
第1の判定手段20で判定し、入射輻射熱流束算出手段
24で算出した入射輻射熱流束の総量が許容値以下かを
第3の判定手段26で判定し、さらに、温度算出手段2
8で算出した内面温度上昇値が避難者に火傷を与える温
度かを第4の判定手段30で判定する。第1、第3、第
4の判定手段による判定結果、及び第2の判定手段22
での煙及び火炎の遮断性能の可否判定結果を基に、エス
カレータの避難経路の他に階段室で構成される避難経路
が1つ以上あるの情報を加味して、エスカレータ避難経
路の安全性を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、建築物に設置され
たエスカレータを避難経路として防火区画し、火災発生
時に、この避難経路を使用して避難者が避難する場合の
避難経路の安全性を評価する方法及び避難経路の安全評
価プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火災などの災害発生時に備え、建築物に
は防火区画可能な避難経路を設けることが義務付けられ
ている。そして、複数階床を有する店舗やスーパーマー
ケット、あるいは百貨店などの建築物では、多くの場
合、階段室を防火区画可能に構成し、この階段室を避難
経路とするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように建築物の階段室のみを避難経路とした場合には、
高年齢者や歩行の困難な身体障害者などのように車椅子
を利用する者にとっては簡単にかつ迅速に避難すること
ができない。一方、複数階床を有する店舗やスーパーマ
ーケット、あるいは百貨店などの建築物においては、そ
の高さ方向の輸送手段としてエレベータの他にエスカレ
ータが設けられている。
【0004】そこで、このエスカレータを火災発生時の
避難経路として利用することが考えられる。しかし、現
在のエスカレータは避難経路として使用できるように構
築されておらず、しかも、火災発生時はエスカレータを
積極的に停止させて使用できないようにしているのが現
状である。また、エスカレータを火災発生時の避難経路
として使用できるように、建築基準法を基にした行政指
導などの規定に基づいて、階床間を含むエスカレータの
周囲を耐火仕切壁、防火戸及び防火シャッタなどにより
防火区画し、避難経路を構成することが本出願人らによ
って、既に提案されている(特願平10−270667
号)。しかしながら、このような避難経路の安全性を評
価する指標は全く存在しないため、実際に建築物のエス
カレータを防火区画して避難経路を構築した場合に、こ
の避難経路の防火区画が避難者、特に車椅子を使用する
者にとって安全に避難し得るなものかどうか評価するこ
とができない現状である。したがって、これら防火区画
の安全性を設計段階等で容易に評価できるようにするこ
とが望まれている。
【0005】本発明は上記のような事情に鑑みなされた
もので、本発明の目的は、上記のような要求に応えるた
め、エスカレータを防火区画することにより構築される
設計段階等における避難経路が火災発生時に車椅子利用
者を含む避難者を安全に避難させ得るかを容易に評価で
きる避難経路の安全評価方法及び避難経路の安全評価プ
ログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、建築物の階床間を結ぶエスカレータの周囲
を階床間を含めて防火仕切壁、防火シャッタ及び防火戸
で防火区画することにより避難経路を構成し、前記避難
経路内には避難者が一時的に待避する一時待避場所を設
け、前記避難経路を利用できる階床の避難者が前記一時
待避場所へ避難する時の安全性を評価する方法であっ
て、前記避難経路の安全性の評価に必要な各種のパラメ
ータ情報を取り込む入力ステップと、前記取り込まれた
パラメータ情報を基に前記階床の避難者が避難開始点か
ら前記一時待避場所に達するまでの時間中に火災の煙流
動により予測される煙層下端から床面までの高さを算出
する煙層下端高さ算出ステップと、前記算出された煙層
下端高さが予め設定された許容煙層下端高さ以上か否か
を判定する第1の判定ステップと、前記取り込まれたパ
ラメータ情報を基に前記避難経路に使用される前記防火
仕切壁、防火シャッタ及び防火戸の材質・構造から得ら
れる煙及び火炎の遮断性能可否を判定する第2の判定ス
テップと、前記避難経路内での一時待避中及び前記エス
カレータを使用した避難中に避難者が前記防火仕切壁、
防火シャッタ及び防火戸を通して受ける入射輻射熱流束
の総量を算出する入射輻射熱流束算出ステップと、前記
算出した入射輻射熱流束の総量が許容値以下か否かを判
定する第3の判定ステップと、前記避難経路内の避難者
が接触する可能性のある防火仕切壁、防火シャッタ及び
防火戸の想定される火災加熱による内面温度上昇値を算
出する温度算出ステップと、前記算出した内面温度上昇
値が前記避難者に火傷を与える温度か否かを判定する第
4の判定ステップと、前記第1、第2、第3及び第4の
判定ステップによる判定結果をチェックして避難経路の
安全性を評価する評価ステップとを備えることを特徴と
する。
【0007】本発明はまた、前記煙層下端高さは、前記
避難開始点から一時待避場所に至るまでに要する時間と
想定される火災の発生場所・火煙の拡散面積・発熱量及
び階床の天井高さのパラメータ情報を基に算出されるこ
とを特徴とする。本発明はまた、前記内面温度上昇値
は、想定される火災の発生場所・発熱量と防火仕切壁、
防火シャッタ及び防火戸の有する熱伝導率のパラメータ
情報を基に算出されることを特徴とする。本発明はま
た、前記入力手段で取り込まれるパラメータ情報は、避
難経路の他に前記避難者が避難を開始する階床に、火災
による煙拡散に影響されることなく避難できる別の避難
経路が1つ以上あるか否かの情報を含み、この避難経路
情報を加味して前記評価ステップが避難経路の安全性を
評価することを特徴とする。本発明はまた、前記避難経
路のエスカレータを使用して避難する車椅子利用者数を
算定する算定ステップを備え、前記車椅子利用者数は、
前記建築物が備える車椅子利用駐車台数に、車椅子利用
者が利用する避難対象階の床面積を車椅子利用者が利用
できる対象階の全床面積で除した値を乗算し、さらに、
この乗算した値を2倍することにより求められ、前記求
められた車椅子利用者数が前記評価ステップで安全と評
価された避難経路に適するかをチェックして再評価する
再評価ステップを備えることを特徴とする。本発明はま
た、前記一時待避場所は車椅子待避場所を含むことを特
徴とする。
【0008】また、本発明は、建築物の階床間を結ぶエ
スカレータの周囲を階床間を含めて防火仕切壁、防火シ
ャッタ及び防火戸で防火区画することにより避難経路を
構成し、前記避難経路内には避難者が一時的に待避する
一時待避場所を設け、前記避難経路を利用できる階床の
避難者が前記一時待避場所へ避難する時の安全性を評価
する安全評価プログラムを記録した記録媒体であって、
前記避難経路の安全性の評価に必要な各種のパラメータ
情報を取り込む入力手段と、前記取り込まれたパラメー
タ情報を基に前記階床の避難者が避難開始点から前記一
時待避場所に達するまでの時間中に火災の煙流動により
予測される煙層下端から床面までの高さを算出する煙層
下端高さ算出ステップと、前記算出された煙層下端高さ
が予め設定された許容煙層下端高さ以上か否かを判定す
る第1の判定ステップと、前記取り込まれたパラメータ
情報を基に前記避難経路に使用される前記防火仕切壁、
防火シャッタ及び防火戸の材質・構造から得られる煙及
び火炎の遮断性能可否を判定する第2の判定ステップ
と、前記避難経路内での一時待避中及び前記エスカレー
タを使用した避難中に避難者が前記防火仕切壁、防火シ
ャッタ及び防火戸を通して受ける入射輻射熱流束の総量
を算出する入射輻射熱流束算出ステップと、前記算出し
た入射輻射熱流束の総量が許容値以下か否かを判定する
第3の判定ステップと、前記避難経路内の避難者が接触
する可能性のある防火仕切壁、防火シャッタ及び防火戸
の想定される火災加熱による内面温度上昇値を算出する
温度算出ステップと、前記算出した内面温度上昇値が前
記避難者に火傷を与える温度か否かを判定する第4の判
定ステップと、前記第1、第2、第3及び第4の判定ス
テップによる判定結果をチェックして避難経路の安全性
を評価する評価ステップとをコンピュータに実行するた
めの避難経路の安全評価プログラムを記録したことを特
徴する。
【0009】本発明はまた、前記入力手段で取り込まれ
るパラメータ情報は、避難経路の他に前記避難者が避難
を開始する階床に、火災による煙拡散に影響されること
なく避難できる別の避難経路が1つ以上あるか否かの情
報を含み、この避難経路情報を加味して前記評価ステッ
プが避難経路の安全性を評価することを特徴とする。本
発明はまた、前記避難経路のエスカレータを使用して避
難する車椅子利用者数を算定する算定ステップを備え、
前記車椅子利用者数は、前記建築物が備える車椅子利用
駐車台数に、車椅子利用者が利用する避難対象階の床面
積を車椅子利用者が利用できる対象階の全床面積で除し
た値を乗算し、さらに、この乗算した値を2倍すること
により求められ、前記求められた車椅子利用者数が前記
評価ステップで安全と評価された避難経路に適するかを
チェックして再評価する再評価ステップを備えることを
特徴とする。本発明はまた、前記一時待避場所は車椅子
待避場所を含むことを特徴とする。
【0010】本発明の避難経路の安全評価方法及び本発
明の記録媒体に記録した避難経路の安全評価プログラム
では、煙層下端高さ算出ステップで算出した煙層下端高
さが予め設定された許容煙層下端高さ以上かを第1の判
定ステップで判定し、入射輻射熱流束算出ステップで算
出した入射輻射熱流束の総量が許容値以下かを第3の判
定ステップで判定し、温度算出ステップで算出した内面
温度上昇値が避難者に火傷を与える温度かを第4の判定
ステップで判定する。そして、この第1、第3、第4の
判定ステップによる判定結果、及び第2の判定ステップ
での煙及び火炎の遮断性能の可否判定結果を基に、避難
経路の他に階段室で構成される避難経路が1つ以上ある
との情報を加味して、避難経路の安全性を評価する。よ
って、本発明によれば、エスカレータを防火区画するこ
とにより構築される設計段階等における避難経路が火災
発生時に車椅子利用者を含む避難者を安全に避難させ得
るかを容易に評価することができる。また、本発明によ
れば、車椅子利用者数算定ステップにより、避難経路の
エスカレータを使用して避難する時の車椅子利用者数を
算定し、この算定した車椅子利用者数が、評価ステップ
で安全と評価された避難経路に適する値かを再評価する
ことにより、車椅子利用者数から設計段階または使用中
の避難経路が車椅子利用者を避難させるのに適合するも
のかを容易に評価することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明による避難経
路の安全評価方法の機能ブロック図、図2は本発明によ
る避難経路の安全評価システムを構成するパーソナルコ
ンピュータを示す構成図、図3は本発明による避難経路
の安全評価方法の動作を説明するためのフローチャー
ト、図4は本発明の評価方法を適用する建築物の避難経
路及び階床の説明用平面図、図5は本発明の実施の形態
におけるエスカレータを含む避難経路の詳細を示す平面
図、図6はエスカレータを含む避難経路を立体的に示す
説明図である。以下では、これらの図を参照して本発明
による避難経路の安全評価方法の実施の形態について説
明し、同時に本発明による避難経路の安全評価プログラ
ムを記録した記録媒体の実施の形態について説明する。
【0012】まず、本発明の評価方法が適用される建築
物の構成について、図4ないし図6を用いて説明する。
図4ないし図6において、建築物の1階の階床42と2
階の階床44間には、上り用のエスカレータ46と下り
用のエスカレータ48が傾斜方向を互いに逆にして差し
渡し状態に並設されている。この各エスカレータ46及
び48は、1階の階床42及び2階の階床44の各床面
に一致させた乗降口46A及び乗降口48Aをそれぞれ
備えている。そして、このエスカレータ46、48およ
びその乗降口46A、48Aを含む領域は、エスカレー
タ用防火仕切壁50と防火戸52と防煙・防火シャッタ
54により防火区画可能な避難経路56を構築できる構
成になっている。
【0013】上記エスカレータ用防火仕切壁50は、エ
スカレータ利用者が周囲を見渡しうるように透明な耐火
ガラス板などからなり、この透明防火仕切壁50は、図
5及び図6に示すように、階床間に配置されたエスカレ
ータ46、48の左右両側と対応する箇所において、1
階の階床42の床422と天井424間、及び2階の階
床44の床442と天井444間に差し渡し状態にして
それぞれ鉛直に設けられ、さらに、これら透明防火仕切
壁50は、エスカレータ乗降口46A及び48Aと対向
する乗場42A、44Aの所定領域を左右方向から防火
区画できるようにエスカレータの長手方向に延在する構
造になっている。また、上記防煙・防火シャッタ54
は、乗場42A、44Aに臨む左右の透明防火仕切壁5
0の両端間を接続するように設けられており、通常時は
天井側に上げられて、乗場42A、44Aへの乗客の出
入りが可能に開放され、火災発生時には下ろされて左右
の透明防火仕切壁50の両端間が連結され、防火状態に
閉鎖できるように構成されている。
【0014】また、各階床、例えば2階の階床44は、
図4に示すように、避難経路26を中心にして、エスカ
レータ用防火仕切壁50と、このエスカレータ用防火仕
切壁50から放射方向に延在する階床用防火壁58によ
り複数に防火区画され、この防火区画によって、避難経
路56を取り囲むように複数の防火区画領域60が形成
される。この階床用防火壁58は防火シャッタで構成さ
れるもので、通常時は上げられて、階床の天井部に収納
され、火災発生時は下げられて、複数の防火区画領域6
0に区画されるようになっている。また、防火区画領域
60と階段室62との境界は防火壁64で防火区画さ
れ、そして、防火壁64には防火区画領域60への出入
りを可能にする防火戸66が開閉可能に設けられてお
り、この防火戸66を火災発生時に閉めることにより階
段を含めた階段室62を避難経路68として構成するよ
うになっている。
【0015】上記各防火区画領域60が接するエスカレ
ータ用防火仕切壁50の箇所で、エスカレータ46及び
48の乗降口46A及び乗降口48Aの近傍箇所には、
図5に示すように、避難経路56との連絡口52Aがそ
れぞれ形成されており、この各連絡口52Aには、図5
及び図6に示すように、各階床毎に各防火区画領域60
から避難経路56内に出入りできる開閉可能な防火戸5
2がそれぞれ設けられている。この防火戸52は、エス
カレータ利用者が周囲を見渡しうるように透明な耐火ガ
ラス板などから構成されている。また、上記乗場42
A、44Aには、車椅子使用者が一時待避する待避場所
70が設けられている。また、上記エスカレータ46、
48は、車椅子使用者が車椅子ごと乗り込みうるステッ
プを備えている。このステップには、例えば特公平2−
14278号などに示す公知の構造のものが使用され
る。
【0016】本実施の形態における建築物の避難経路安
全評価システムは、具体的には図2に示したパーソナル
コンピュータ2から構成されている。このパーソナルコ
ンピュータ2は、CPU4、キーボードやマウス等の入
力部5、RAM等の内部記憶装置6、ハードディスク装
置等からなる外部記憶装置8及びCRT等の表示装置1
0、プリンタ12などを備える。また、後に詳しく説明
する図1に示した各部の機能は、パーソナルコンピュー
タ2の内部記憶装置6に外部記憶装置8から本発明の避
難経路安全評価処理に必要な所定のプログラムデータを
ロードし、このプログラムデータに基づいてCPU4を
動作することにより実現される。また、外部記憶装置8
は、本発明の実施の形態に使用される避難経路安全評価
処理に必要な所定のプログラムデータを記録したフロッ
ピディスク等の記録媒体8Aを備えている。
【0017】次に、図1に示す避難経路安全評価システ
ムの構成について説明すると、本実施の形態における避
難経路安全評価システムは、入力手段16、煙層下端高
さ算出手段18、第1の判定手段20、第2の判定手段
22、入射輻射熱流束算出手段24、第3の判定手段2
6、温度算出手段28、第4の判定手段30、評価手段
32、車椅子利用者数算定手段34、再評価手段36を
含んで構成されている。
【0018】入力手段16は、図2に示したキーボード
やマウス等の入力部5を含んで構成され、この入力部4
を操作することにより、避難経路56の安全性評価に必
要な各種パラメータ情報を取り込むものであり、このパ
ラメータ情報には、防火仕切壁、防火シャッタ及び防火
戸の材質・構造から得られる煙及び火炎の遮断性能結果
情報や煙層下端高さ算出、入射輻射熱流束算出、温度算
出に必要な階床内での想定される火災の発生場所・火煙
の拡散面積・発熱量及び階床の天井高さ情報・防火仕切
壁、防火シャッタ及び防火戸の有する熱伝導率・避難経
路の他に前記避難者が避難を開始する階床に、火災によ
る煙拡散に影響されることなく避難できる別の避難経路
が1つ以上あるか否かの情報などがある。煙層下端高さ
算出手段18は、例えば図4に示すように、防火区画領
域60内にいる避難者が避難開始点Aから一時待避場所
70に達するまでの時間中に、例えば防火区画領域60
の箇所Bに発生した火災源の煙流動により避難経路56
の周辺箇所で予測される煙層下端から床面までの高さS
を算出する。第1の判定手段20は、煙層下端高さ算出
手段18で算出された煙層下端高さSが予め設定された
許容煙層下端高さ以上か否かを判定する。
【0019】第2の判定手段22は、入力手段16で取
り込まれたパラメータ情報を基に前記避難経路に使用さ
れる前記防火仕切壁、防火シャッタ及び防火戸の材質・
構造から得られる煙及び火炎の遮断性能可否を判定す
る。入射輻射熱流束算出手段24は、避難経路56内で
の一時待避中及び前記エスカレータを使用した避難中に
避難者が防火仕切壁50、防火シャッタ54及び防火戸
52を通して受ける入射輻射熱流束の総量を算出する。
第3の判定手段26は、入射輻射熱流束算出手段24で
算出した入射輻射熱流束の総量が許容値以下か否かを判
定する。温度算出手段28は、避難経路56内の避難者
が接触する可能性のある防火仕切壁50、防火シャッタ
54及び防火戸52の想定される火災加熱による内面温
度上昇値を算出する。第4の判定手段30は、温度算出
手段28で算出した内面温度上昇値が避難者に火傷を与
える温度か否かを判定する。評価手段32は、第1、第
2、第3及び第4の判定手段20、22、26、30の
判定結果をチェックし、かつ避難経路56の他に避難者
が避難を開始する階床に、火災による煙拡散に影響され
ることなく避難できる別の避難経路、すなわち、階段室
62で構成される避難経路68が1つ以上あるか否かの
情報を加味して避難経路56の安全性を評価する。
【0020】車椅子利用者数算定手段34は、避難経路
56のエスカレータ46、48を使用して避難する時の
車椅子利用者数を算定するもので、この車椅子利用者数
は、前記建築物が備える車椅子利用駐車台数に、車椅子
利用者が利用する避難対象階の床面積を車椅子利用者が
利用できる対象階の全床面積で除した値を乗算し、さら
に、この乗算した値を2倍することにより求められる。
そして、再評価手段36は、車椅子利用者数算定手段3
4で求められた車椅子利用者数と避難経路56の他に階
段室62で構成される避難経路68が1つ以上あるか否
かの情報を基にして、求められた車椅子利用者数が、評
価手段32で安全と評価された避難経路56に適する値
かを再評価する。
【0021】次に、上記のように構成された避難経路の
安全性を評価する場合の動作について、図3に示すフロ
ーチャートを参照して説明する。まず、キーボードを構
成する入力手段16を操作することにより、避難経路5
6の安全性を評価するのに必要は各種パラメータ情報、
例えば防火仕切壁58、防火シャッタ54及び防火戸5
2の材質・構造から得られる煙及び火炎の遮断性能結果
情報や煙層下端高さ算出、入射輻射熱流束算出、温度算
出に必要な階床内での想定される火災の発生場所・火煙
の拡散面積・発熱量及び階床の天井高さH・防火仕切
壁、防火シャッタ及び防火戸の有する熱伝導率などが入
力され(ステップS1)、これらの各種のパラメータ情
報は内部記憶装置6の所定のエリアに格納される。
【0022】避難経路56の安全性を評価するのに必要
な各種パラメータ情報が取り込まれた状態で、評価処理
がスタートすると、煙層下端高さ算出手段18は、図4
に示すように、避難者が避難開始点Aから一時待避場所
70に移動するまでの間に要する移動時間情報、火災の
発生場所、火煙の拡散面積、発熱量及び階床の天井高さ
Hの情報を基づいて、上記移動時間中に、防火区画領域
60の箇所Bに発生した火災源からの煙流動による避難
経路56の周辺箇所で予測される煙層下端高さS(図6
参照)を算出する(ステップS2)。図6において、破
線を施した部分72が煙層を示しており、この煙層72
の下端から床面までの高さが煙層下端高さSとなる。こ
の煙層下端高さSは時間の経過と共に降下する。
【0023】図7は、図5に示す火災出火源B点におけ
る経過時間(秒)と煙層下端高さ(m)との煙流動予測
による関係を表わしたグラフである。図5において、避
難者、特に車椅子利用者が避難開始点Aから一時待避場
所70に避難するのに要する時間が100秒とすると、
図7から明らかなように、この時間100秒内での煙層
下端高さSは約2.40mとなる。また、煙流動予測に
よる煙層下端高さSが許容煙層下端高さ1.9mまで降
下する時間を739秒となる。したがって、煙層下端高
さ算出手段18では、経過時間から図7に示す煙流動予
測による煙層下端高さSを求めることができる。
【0024】次に、第1の判定手段20では、煙層下端
高さ算出手段18で算出された煙層下端高さSが所定値
以上であるか否かを判定する。すなわち、次式(1)を
満足するかを判定する(ステップS3)。 S>1.6+H/10・・・・・・・・・・・・・・(1) この(1)式において、Hは避難空間、すなわち避難す
る階床の平均天井高さであり、この式(1)の右辺は、
火災発生時に車椅子利用者を含む避難者が火災源からの
煙流動による煙層の下を安全に移動し得る最大許容煙層
下端高さを表わしており、この値は実験的に求められた
ものである。例えば平均天井高さH=3.0mとする
と、1.6+3.0/10=1.9mが最大許容煙層下
端高さである。したがって、第1の判定手段20では、
この最大許容煙層下端高さになるまでに避難者、特に車
椅子利用者が避難開始点Aから一時待避場所70に避難
できるかを判定することになり、その判定情報は評価手
段32に送出される。
【0025】第2の判定手段22では、入力手段16で
取り込まれたパラメータ情報を基づいて、設計段階の避
難経路56に使用される防火仕切壁50、防火シャッタ
54及び防火戸52の材質及び断熱構造のものであるか
否かを、例えば「YES」、「NO」でコード化してお
くことにより、防火仕切壁50、防火シャッタ54及び
防火戸52が煙及び火炎の遮断性能のもので設計されて
いるか否かの可否を判定し(ステップS4)、その判定
情報は評価手段32に送出される。
【0026】入射輻射熱流束算出手段24では、避難経
路56内での一時待避中及びエスカレータを使用した避
難中に避難者が防火仕切壁50、防火シャッタ54及び
防火戸52を通して受ける入射輻射熱流束の総量Wを次
式(2)により算出する。
【0027】
【数1】
【0028】上記の式(2)において、入射輻射熱流束
の総量は、一時待避中の時間とエスカレータを使用した
避難中の時間との和に相当する受熱時間の間に避難者が
防火仕切壁50、防火シャッタ54及び防火戸52を通
して受ける入射輻射熱流束の積分値から得られるもので
ある。そして、式(2)におけるIは代理変数を示し、
この代理変数Iは、避難者への入射輻射熱流束r(kW
/m2)がr>0.5の時、r−0.5となり、また、
r≦0.5の時、0となるものである。そして、TE
避難者の受熱時間を表わしている。第2の判定手段26
は、入射輻射熱流束算出手段24で算出した入射輻射熱
流束の総量が許容値以下であるか否かを次式(3)から
判定する。
【0029】
【数2】
【0030】上記の式(3)において、左辺は避難者が
避難中に受ける入射輻射熱流束の総量を表し、この入射
輻射熱流束の総量が右辺の数値2.5×102より小さ
いかを判定する(ステップS5)。この数値2.5×1
2は、避難者に対して許される入射輻射熱流束の許容
値を表している。次に、温度算出手段28では、避難経
路56内の避難者が接触する可能性のある防火仕切壁5
0、防火シャッタ54及び防火戸52の想定される煙及
び災の加熱による内面温度上昇値ΔTを算出する(ステ
ップS6)。この内面温度上昇値ΔTは、入力手段16
により取り込まれた火災の発生場所・発熱量・防火仕切
壁50、防火シャッタ54及び防火戸52の有する熱伝
導率・煙層下端高さSを基にして算出される。
【0031】第4の判定手段30では、温度算出手段2
8で算出した内面温度上昇値ΔTが避難者に火傷を与え
る温度50K以下かを、ΔT<50Kの式から判定する
(ステップS6)。この判定結果は評価手段32に送出
される。評価手段32では、第1、第2、第3及び第4
の判定手段20、22、26、30の各判定結果をチェ
ックし、かつ階段室62で構成される避難経路68が1
つ以上あるか否かの情報を加味して避難経路56の安全
性を評価する(ステップS7)。すなわち、第1、第
2、第3及び第4の判定手段20、22、26、30の
各判定結果が1つでも否定判され、かつ避難経路56の
他に別の避難経路、すなわち避難経路68が1つもない
との判定があれば、設計された、または使用中の避難経
路56の安全性に問題があり、不適合と評価する。ま
た、各判定結果の全てが肯定判定された場合は、設計さ
れた、または使用中の避難経路56の安全性に問題がな
く、安全基準に適合するものと評価する。また、これら
の評価結果及び判定結果は表示装置10に表示され、必
要に応じてプリンタ12によりプリントアウトされる
(ステップS8)。
【0032】次に、車椅子使用者数の算定方法について
説明する。建築物の車椅子使用者数の算定は、高齢者・
身体障害者等の利用を考慮した建築設計基準の誘導的基
準に従って建築物内または敷地内に構築される車椅子使
用者の駐車台数を基に自動車1台につき1人の車椅子使
用者が来館すると想定して算定する。そして、一時待避
場所が必要な階床における車椅子使用者数の算定は、車
椅子利用者が利用できる対象階の全床面積における避難
対象階の床面積から算定する。また、予想外の車椅子使
用者数になることを考慮した安全率として2倍にする。
この安全率をかけた人数の車椅子利用者数がエスカレー
タと階段で半数ずつ避難すると想定して、避難経路56
のエスカレータ乗場に一時待避場所70を設ける。
【0033】上記のような条件を基にして、車椅子利用
者数算定手段34では、避難経路56のエスカレータ4
6、48を使用して避難する時の車椅子利用者数を次の
ように算定する。すなわち、車椅子利用者数は、建築物
が備える車椅子利用駐車台数に、車椅子利用者が利用す
る避難対象階の床面積を車椅子利用者が利用できる対象
階の全床面積で除した値を乗算し、さらに、この乗算し
た値を2倍することにより求められる。すなわち、車椅
子利用者数=車椅子利用駐車台数×(避難対象階の床面
積/利用できる対象階の全床面積)×2から求められる
(ステップS9)。例えば、2階床の店舗において計画
された車椅子利用駐車台数が800台の場合、誘導的基
準による設置台数は200台以上なので、全体駐車台数
の1%に2台を加えた車椅子利用駐車台数は、800台
×1%+2台=10台となる。また、2倍の安全率をみ
て、全館で20人の車椅子利用者がいると想定する。ま
た、1階の売場面積を9120m2、2階の売場面積を
9607m2と想定すると、2階の車椅子利用者数は、
車椅子利用者数=20人×(9607m2/9120
2)×2=11人となる。
【0034】したがって、再評価手段36では、評価手
段32で安全と評価された避難経路56を利用して避難
するのに適するか値を再評価する(ステップS10)。
この時、車椅子利用者数算定手段34で求められた車椅
子利用者数と避難経路56の他に階段室62で構成され
る避難経路68が1つ以上あるか否かの情報を加味し
て、求められた車椅子利用者数が避難経路56を利用し
て避難し得るものであるかも再評価される。すなわち、
求めた車椅子利用者数がエスカレータを含む避難経路5
6を使用して避難し得る人数を越えた場合は、避難経路
56で安全に避難し得る車椅子利用者数を上記求めた車
椅子利用者数から差し引いた人数の車椅子利用者を階段
室62で構成される避難経路68で割り当てる形態で評
価する。
【0035】上記のような本実施の形態よれば、煙層下
端高さ算出手段18で算出した煙層下端高さSが予め設
定された許容煙層下端高さ以上かを第1の判定手段20
で判定し、そして、入射輻射熱流束算出手段24で算出
した入射輻射熱流束の総量が許容値以下かを第3の判定
手段26で判定し、さらに、温度算出手段28で算出し
た内面温度上昇値が避難者に火傷を与える温度かを第4
の判定手段30で判定し、この第1、第2、第4の判定
手段による判定結果、及び第2の判定手段22での煙及
び火炎の遮断性能の可否判定結果を基に、避難経路56
の他に階段室62で構成される避難経路68が1つ以上
あるの情報を加味して、避難経路56の安全性を評価す
る様に構成したので、エスカレータを防火区画すること
により構築される設計段階等における避難経路が火災発
生時に車椅子利用者を含む避難者を安全に避難させ得る
かを容易に評価することができる。
【0036】また、本実施の形態よれば、車椅子利用者
数算定手段34により、避難経路56のエスカレータ4
6、48を使用して避難する時の車椅子利用者数を算定
し、この算定した車椅子利用者数が、評価手段32で安
全と評価された避難経路56に適する値かを再評価する
ようにしたので、車椅子利用者数から設計段階または使
用中の避難経路56が車椅子利用者を避難させるのに適
合するものかを容易に評価することができる。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明の避難経路の安全評
価方法及び本発明の記録媒体に記録した避難経路の安全
評価プログラムにおいては、煙層下端高さ算出ステップ
で算出した煙層下端高さが予め設定された許容煙層下端
高さ以上かを第1の判定ステップで判定し、入射輻射熱
流束算出ステップで算出した入射輻射熱流束の総量が許
容値以下かを第3の判定ステップで判定し、温度算出ス
テップで算出した内面温度上昇値が避難者に火傷を与え
る温度かを第4の判定ステップで判定する。そして、こ
の第1、第3、第4の判定ステップによる判定結果、及
び第2の判定ステップでの煙及び火炎の遮断性能の可否
判定結果を基に、避難経路の他に階段室で構成される避
難経路が1つ以上あるの情報を加味して、避難経路の安
全性を評価する。したがって、本発明によれば、エスカ
レータを防火区画することにより構築される設計段階等
における避難経路が火災発生時に車椅子利用者を含む避
難者を安全に避難させ得るかを容易に評価することがで
きる。また、本発明によれば、車椅子利用者数算定ステ
ップにより、避難経路のエスカレータを使用して避難す
る時の車椅子利用者数を算定し、この算定した車椅子利
用者数が、評価ステップで安全と評価された避難経路に
適する値かを再評価することにより、車椅子利用者数か
ら設計段階または使用中の避難経路が車椅子利用者を避
難させるのに適合するものかを容易に評価することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による避難経路の安全評価方法の機能ブ
ロック図である。
【図2】本発明による避難経路の安全評価システムを構
成するパーソナルコンピュータを示す構成図である。
【図3】本発明による避難経路の安全評価方法の動作を
説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の評価方法を適用する建築物の避難経路
及び階床の説明用平面図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるエスカレータを含
む避難経路の詳細を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるエスカレータを含
む避難経路を立体的に示す説明図である。
【図7】本発明における経過時間(秒)と煙層下端高さ
(m)との煙流動予測による関係を表わしたグラフであ
る。
【符号の説明】
2 パーソナルコンピュータ 4 CPU 5 入力部 6 内部記憶装置 8 外部記憶装置 8A 記憶媒体 16 入力手段 18 煙層下端高さ算出手段 20 第1の判定手段 22 第2の判定手段 24 入射輻射熱流束算出手段 26 第3の判定手段 28 温度算出手段 30 第4の判定手段 32 評価手段 34 車椅子利用者数算定手段 35 再評価手段 46、48 エスカレータ 50 防火仕切壁 52 防火戸 54 防煙・防火シャッタ 56 避難経路 68 避難経路 70 一時待避場所 72 煙層
フロントページの続き (72)発明者 久保田 勝明 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内 (72)発明者 高橋 一郎 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内 (72)発明者 亀山 真一 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内 (72)発明者 石毛 敏幸 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内 (72)発明者 森本 秀樹 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内 (72)発明者 山内 幸雄 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 大谷 茂 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 山口 拓郎 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 森川 康生 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 岩田 明夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2E184 AA08 DD15 HH02 HH14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の階床間を結ぶエスカレータの周
    囲を階床間を含めて防火仕切壁、防火シャッタ及び防火
    戸で防火区画することにより避難経路を構成し、前記避
    難経路内には避難者が一時的に待避する一時待避場所を
    設け、前記避難経路を利用できる階床の避難者が前記一
    時待避場所へ避難する時の安全性を評価する方法であっ
    て、 前記避難経路の安全性の評価に必要な各種のパラメータ
    情報を取り込む入力ステップと、 前記取り込まれたパラメータ情報を基に前記階床の避難
    者が避難開始点から前記一時待避場所に達するまでの時
    間中に火災の煙流動により予測される煙層下端から床面
    までの高さを算出する煙層下端高さ算出ステップと、 前記算出された煙層下端高さが予め設定された許容煙層
    下端高さ以上か否かを判定する第1の判定ステップと、 前記取り込まれたパラメータ情報を基に前記避難経路に
    使用される前記防火仕切壁、防火シャッタ及び防火戸の
    材質・構造から得られる煙及び火炎の遮断性能可否を判
    定する第2の判定ステップと、 前記避難経路内での一時待避中及び前記エスカレータを
    使用した避難中に避難者が前記防火仕切壁、防火シャッ
    タ及び防火戸を通して受ける入射輻射熱流束の総量を算
    出する入射輻射熱流束算出ステップと、 前記算出した入射輻射熱流束の総量が許容値以下か否か
    を判定する第3の判定ステップと、 前記避難経路内の避難者が接触する可能性のある防火仕
    切壁、防火シャッタ及び防火戸の想定される火災加熱に
    よる内面温度上昇値を算出する温度算出ステップと、 前記算出した内面温度上昇値が前記避難者に火傷を与え
    る温度か否かを判定する第4の判定ステップと、 前記第1、第2、第3及び第4の判定ステップによる判
    定結果をチェックして避難経路の安全性を評価する評価
    ステップと、 を備えることを特徴とする避難経路の安全評価方法。
  2. 【請求項2】 前記煙層下端高さは、前記避難開始点か
    ら一時待避場所に至るまでに要する時間と想定される火
    災の発生場所・火煙の拡散面積・発熱量及び階床の天井
    高さのパラメータ情報を基に算出されることを特徴とす
    る請求項1記載の避難経路の安全評価方法。
  3. 【請求項3】 前記内面温度上昇値は、想定される火災
    の発生場所・発熱量と防火仕切壁、防火シャッタ及び防
    火戸の有する熱伝導率のパラメータ情報を基に算出され
    ることを特徴とする請求項1記載の避難経路の安全評価
    方法。
  4. 【請求項4】 前記入力手段で取り込まれるパラメータ
    情報は、避難経路の他に前記避難者が避難を開始する階
    床に、火災による煙拡散に影響されることなく避難でき
    る別の避難経路が1つ以上あるか否かの情報を含み、こ
    の避難経路情報を加味して前記評価ステップが避難経路
    の安全性を評価することを特徴とする請求項1記載の避
    難経路の安全評価方法。
  5. 【請求項5】 前記避難経路のエスカレータを使用して
    避難する車椅子利用者数を算定する算定ステップを備
    え、前記車椅子利用者数は、前記建築物が備える車椅子
    利用駐車台数に、車椅子利用者が利用する避難対象階の
    床面積を車椅子利用者が利用できる対象階の全床面積で
    除した値を乗算し、さらに、この乗算した値を2倍する
    ことにより求められ、前記求められた車椅子利用者数が
    前記評価ステップで安全と評価された避難経路に適する
    かをチェックして再評価する再評価ステップを備えるこ
    とを特徴とする請求項1記載の避難経路の安全評価方
    法。
  6. 【請求項6】 前記一時待避場所は車椅子待避場所を含
    むことを特徴とする請求項1記載の避難経路の安全評価
    方法。
  7. 【請求項7】 建築物の階床間を結ぶエスカレータの周
    囲を階床間を含めて防火仕切壁、防火シャッタ及び防火
    戸で防火区画することにより避難経路を構成し、前記避
    難経路内には避難者が一時的に待避する一時待避場所を
    設け、前記避難経路を利用できる階床の避難者が前記一
    時待避場所へ避難する時の安全性を評価する安全評価プ
    ログラムを記録した記録媒体であって、 前記避難経路の安全性の評価に必要な各種のパラメータ
    情報を取り込む入力ステップと、 前記取り込まれたパラメータ情報を基に前記階床の避難
    者が避難開始点から前記一時待避場所に達するまでの時
    間中に火災の煙流動により予測される煙層下端から床面
    までの高さを算出する煙層下端高さ算出ステップと、 前記算出された煙層下端高さが予め設定された許容煙層
    下端高さ以上か否かを判定する第1の判定ステップと、 前記取り込まれたパラメータ情報を基に前記避難経路に
    使用される前記防火仕切壁、防火シャッタ及び防火戸の
    材質・構造から得られる煙及び火炎の遮断性能可否を判
    定する第2の判定ステップと、 前記避難経路内での一時待避中及び前記エスカレータを
    使用した避難中に避難者が前記防火仕切壁、防火シャッ
    タ及び防火戸を通して受ける入射輻射熱流束の総量を算
    出する入射輻射熱流束算出ステップと、 前記算出した入射輻射熱流束の総量が許容値以下か否か
    を判定する第3の判定ステップと、 前記避難経路内の避難者が接触する可能性のある防火仕
    切壁、防火シャッタ及び防火戸の想定される火災加熱に
    よる内面温度上昇値を算出する温度算出ステップと、 前記算出した内面温度上昇値が前記避難者に火傷を与え
    る温度か否かを判定する第4の判定ステップと、 前記第1、第2、第3及び第4の判定ステップによる判
    定結果をチェックして避難経路の安全性を評価する評価
    ステップと、 をコンピュータに実行するための避難経路の安全評価プ
    ログラムを記録した記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記入力手段で取り込まれるパラメータ
    情報は、避難経路の他に前記避難者が避難を開始する階
    床に、火災による煙拡散に影響されることなく避難でき
    る別の避難経路が1つ以上あるか否かの情報を含み、こ
    の避難経路情報を加味して前記評価ステップが避難経路
    の安全性を評価することを特徴とする請求項7記載の避
    難経路の安全評価プログラムを記録した記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記避難経路のエスカレータを使用して
    避難する車椅子利用者数を算定する算定ステップを備
    え、前記車椅子利用者数は、前記建築物が備える車椅子
    利用駐車台数に、車椅子利用者が利用する避難対象階の
    床面積を車椅子利用者が利用できる対象階の全床面積で
    除した値を乗算し、さらに、この乗算した値を2倍する
    ことにより求められ、前記求められた車椅子利用者数が
    前記評価ステップで安全と評価された避難経路に適する
    かをチェックして再評価する再評価ステップを備えるこ
    とを特徴とする請求項7記載の避難経路の安全評価プロ
    グラムを記録した記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記一時待避場所は車椅子待避場所を
    含むことを特徴とする請求項7記載の避難経路の安全評
    価プログラムを記録した記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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