JP2000333915A - 電子血圧計 - Google Patents

電子血圧計

Info

Publication number
JP2000333915A
JP2000333915A JP11147931A JP14793199A JP2000333915A JP 2000333915 A JP2000333915 A JP 2000333915A JP 11147931 A JP11147931 A JP 11147931A JP 14793199 A JP14793199 A JP 14793199A JP 2000333915 A JP2000333915 A JP 2000333915A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
blood pressure
output
value
waveform
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11147931A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4081921B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Watanabe
義明 渡邊
Yasuyuki Kanazawa
靖之 金澤
Makoto Shibuya
誠 澁谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP14793199A priority Critical patent/JP4081921B2/ja
Publication of JP2000333915A publication Critical patent/JP2000333915A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4081921B2 publication Critical patent/JP4081921B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定時間の短縮を図ることによりカフの圧迫
による不快感を軽減しかつ気軽に計測できる電子血圧計
を提供する。 【解決手段】 カフ1の圧力と人体の血圧値との大小関
係により変化する脈波波形の変化を利用し、カフ1の圧
力の変化と比例関係にある、振幅で正規化した脈波波形
のある高さ以上となる時間を求めその変化から血圧値を
決定する。これにより、減圧速度を早くしても精度よく
血圧値を決定する事が可能で、従ってカフ1の圧迫時間
を短くし負担が少なく気軽に測定できる電子血圧計を提
供できるという効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体の血圧を測定
する血圧計に関するものであり、特に自動で非観血的に
測定する電子血圧計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の電子血圧計は、腕や手首
にカフを巻き付けカフに最高血圧以上の圧力を加えて血
流を一時的に阻害した後に、徐々にカフの圧力を下げそ
の過程で脈音が発生する時点と消失する時点の圧力から
最高血圧値と最低血圧値を決定するコロトコフ音法や、
同じくカフ圧の減圧過程における心拍に同期して発生す
るカフの微小な圧力変動の振幅の変化を用いて血圧値を
決定するオシロメトリック法を用いて人体の血圧を決定
するものが多かった。
【0003】オシロメトリック法について図面を用いて
説明する。図6(a)にカフの圧力変化、図6(b)に(a)の
圧力変化からDC成分をカットして心臓の活動に伴なって
発生する脈波に変換し、さらに、心臓の活動の一拍毎の
振幅を算出した波形をそれぞれ示す。図6(a)に示すよ
うに、まずカフを最高血圧(SBP)以上に加圧し、そこか
ら徐々に減圧していくと、図のように心臓の活動に起因
する微小な圧力変化が現れるが、この微少な圧力変化の
DC成分をカットして得られる脈波の振幅はカフ圧によ
って図6(b)のように変化する。カフの圧力を最高血圧
以上の圧力から徐々に減圧していくと脈波の振幅は初め
は増加していくが、これがある時点でピークを迎えた後
は一転してカフの圧力の減少と共に振幅も減少してい
く。このカフの圧力と脈波の振幅の関係は人体の血圧値
と強い相関があることが分かっており、統計的な調査の
結果から、図6(b)のように、振幅が最大の時点より高
いカフ圧において最大振幅に対してある割合の高さRhに
なる時点のカフの圧力値から最高血圧(SBP)を、さら
に、最大振幅より低いカフ圧において最大振幅に対して
ある割合の高さRlになる時点のカフの圧力値から最低血
圧(DBP)を決定している。なお、最高血圧や最低血圧を
決定する際の最大振幅に対する割合は統計的に決定さ
れ、最高血圧では40%〜70%、最低血圧は50%〜80%が用い
られる事が多い。
【0004】さらに、これらの方法の測定精度向上を図
るため、例えば、特開平3−151933号公報に記載
されている電子血圧計では、上記のオシロメトリック法
による血圧決定法に加え、カフ内の微小な圧力変化から
得られる脈波の波形を用い、脈波の平坦部分を抽出して
減圧測定において平坦部分が消失する点あるいは加圧測
定において平坦部分が出現する点を最低血圧と決定して
いる。この最低血圧の決定は、カフ圧が最高血圧よりも
大きい場合は、血管が圧平されており(押し潰されてお
り)、その区間は血管容積に変化がなく、心臓拡張期で
脈波に変化のない部分(平坦部分)が生じ、また、カフ
圧が最高血圧と最低血圧との間にある場合は、区間的に
カフ圧より血管内圧が低いところがあり、そこでは血管
が圧平されて脈波が平坦になり、更に、カフ圧が低くな
り、最低血圧以下になると、血管はいずれの区間におい
ても全く圧平されず、脈波の平坦部分は消失するという
カフ圧の変化に伴ない発生する脈波の変化を用いて行っ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電子血圧計では、カフの減圧過程において脈音や圧
力変動の振幅の変化、平坦部分の消失あるいは出現時点
を用いているが、これらの変化はカフ圧の変化とは比例
関係にはなく、従って、より正確な測定を行うためには
減圧速度を下げてより多くのカフ圧に対し脈音や脈波を
採取する必要があり、そのため、測定精度を維持したま
ま測定にかかる時間を短縮する事が困難であるという課
題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、人体の四肢に装着され内部の圧力変化によっ
て装着部位の血液流動を阻害する加圧手段と、前記加圧
手段に圧力を加える圧力発生手段と、前記加圧手段の圧
力を徐々に減圧する微速排気弁と、前記加圧手段の圧力
を検出する圧力検出手段と、前記加圧手段の近傍もしく
は加圧手段より末梢側において心臓の活動によって生ず
る脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段の出力
波形から特徴となるパラメータを算出して出力する特徴
値算出手段と、前記特徴値算出手段の出力と前記圧力検
出手段の出力とにより前記人体の血圧値を決定する血圧
値決定手段とからなり、前記特徴値算出手段は前記脈波
検出手段の出力を心拍の一拍毎の波形に分割する波形分
割手段と、前記波形分割手段により分割された波形の振
幅を算出する振幅算出手段と、前記波形分割手段により
分割された波形を前記振幅算出手段の出力で正規化して
出力する波形正規化手段と、前記波形正規化手段の出力
波形があらかじめ決められた値以上となる時間を算出す
る時間測定手段とを持ち、前記血圧値決定手段では前記
特徴値算出手段の時間測定手段の出力と圧力検出手段の
出力とから前記人体の血圧値を決定するものである。
【0007】上記発明によれば、時間測定手段の出力
が、カフ圧が最高血圧と最低血圧の間にある時はカフ圧
とほぼ比例関係にあり最高血圧以上あるいは最低血圧以
下でははほとんど変化しないことを用いて、時間測定手
段の出力の変化の開始点と終了点を求めて血圧値を算出
するので、血圧値の算出に必要とするカフ圧と時間のデ
ータ数を削減する事ができ、短い測定時間で正確な血圧
を測定できる電子血圧計を提供できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1にかかる電子血
圧計は、人体の四肢に装着されて内部の圧力変化によっ
て装着部位の血液流動を阻害する加圧手段と、前記加圧
手段に圧力を加える圧力発生手段と、前記加圧手段の圧
力を徐々に減圧する微速排気弁と、前記加圧手段の圧力
を検出する圧力検出手段と、前記加圧手段の近傍もしく
は加圧手段より末梢側において心臓の活動によって生ず
る脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段の出力
波形から特徴となるパラメータを算出して出力する特徴
値算出手段と、前記特徴値算出手段の出力と前記圧力検
出手段の出力とにより前記人体の血圧値を決定する血圧
値決定手段とからなり、前記特徴値算出手段は前記脈波
検出手段の出力を心拍の一拍毎の波形に分割する波形分
割手段と、前記波形分割手段により分割された波形の振
幅を算出する振幅算出手段と、前記波形分割手段により
分割された波形を前記振幅算出手段の出力で正規化して
出力する波形正規化手段と、前記波形正規化手段の出力
波形があらかじめ決められた値以上となる時間を算出す
る時間測定手段とを持ち、前記血圧値決定手段では前記
特徴値算出手段の時間測定手段の出力と圧力検出手段の
出力とを用いて前記人体の血圧値を決定する。
【0009】そして、時間測定手段の出力が、カフ圧が
最高血圧と最低血圧の間にある時はカフ圧とほぼ比例関
係にあり最高血圧以上あるいは最低血圧以下でははほと
んど変化しないことを用いて、時間測定手段の出力の変
化の開始点と終了点を求めて血圧値を算出するので、血
圧値の算出に必要とするカフ圧と時間のデータ数を削減
する事ができ、短い測定時間で正確な血圧を測定でき
る。
【0010】本発明の請求項2にかかる電子血圧計は特
徴値算出手段は時間測定手段を複数持ち、波形正規化手
段の出力波形がそれぞれ異なる値以上となる時間を測定
して出力し、血圧値決定手段はこれら複数の時間測定手
段の出力から人体の血圧値を決定する。
【0011】そして、採取された脈波から複数の時間測
定手段の複数の出力を用いて人体の血圧を決定するの
で、さらに短い測定時間で正確な血圧測定を実現でき
る。
【0012】本発明の請求項3にかかる電子血圧計は、
特徴値算出手段が、波形分割手段の出力波形の最小値か
ら最大値までにかかる時間を測定する増加時間測定手段
とを持ち、血圧値決定手段は特徴値算出手段の時間測定
手段の出力と増加時間測定手段の出力と圧力検出手段の
出力とから前記人体の血圧値を決定する。
【0013】そして、時間測定手段に加え、加圧手段の
圧力の変化に伴って変化する波形分割手段の出力波形の
最小値から最大値までにかかる時間を測定する増加時間
測定手段の出力を用いて人体の血圧を決定するので、さ
らに短い測定時間で正確な血圧測定を実現できる。
【0014】本発明の請求項4にかかる電子血圧計は、
振幅算出手段は、波形分割手段の出力波形の最小値或い
は最大値とその前後の値の少なくとも3点以上から決定
される近似曲線を求めその最小値或いは最大値から両者
の差を算出して出力する。
【0015】そして、波形分割手段の分割した波形を正
規化するために用いる振幅を算出する際に様々な誤差の
影響を排除できるので、時間測定手段の測定精度を向上
させることができ、従って、さらに短い測定時間で正確
な血圧測定を実現できる。
【0016】本発明の請求項5にかかる電子血圧計は、
振幅算出手段の出力と圧力検出手段の出力とから人体の
血圧値を算出する第2の血圧値算出手段を持つ。
【0017】そして、時間測定手段の他にオシロメトリ
ック式血圧測定法の原理を用いた血圧値の測定も行い、
両者の測定結果から血圧値を決定するので、ばらつきの
少ない血圧測定ができる。
【0018】本発明の請求項6にかかる電子血圧計は、
血圧値決定手段は、時間測定手段の出力から求めた血圧
値と振幅測定手段の出力から求めた血圧値との差があら
かじめ決められた値より大きい場合に血圧値とともにそ
の旨を人体に報知する。
【0019】そして、時間測定手段の他にオシロメトリ
ック式血圧測定法の原理を用いた血圧値の測定も行い、
測定時に異常な振動が外部から加えられたりした場合に
これらの2つの測定値が大きく異なる事を用いて、両者
の測定結果の間にあらかじめ決められた値より大きな差
がある場合にはその旨を報知するので、測定値の精度に
問題がある場合にそれを知らせる事ができる血圧計を提
供できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0021】(実施例1)図1は本発明の実施例1にお
ける電子血圧計のブロック図、図2は波形正規化手段の
出力と時間測定手段の測定する時間を示す波形図であ
る。なお、本実施例の血圧計は人体の上腕部をカフを用
いて加圧する上腕式電子血圧計の例を示す。図1におい
て、1は人体の上腕を加圧する圧力印加手段であるカ
フ、2はカフ1に圧力を供給する加圧手段である加圧ポ
ンプ、3はカフ2の圧力を徐々に減圧する微速排気弁、
4は測定終了時や異常時に急速に開放しカフ圧を大気圧
に戻す急速排気弁、5はカフ1内の圧力検出手段である
圧力センサ、6は圧力センサ5の出力信号からDC成分を
カットし心臓の活動に同期した微小な圧力変化を示す脈
波を抽出して出力する脈波検出手段、7は脈波検出手段
6が検出した脈波から血圧値算出に用いる特徴値を算出
する特徴値算出手段、8は圧力センサ5の出力と特徴値
算出手段7の出力とから人体の血圧値を決定する血圧値
決定手段であり、また、これらの制御を司る制御手段9
と測定の開始を指示するスタートボタン10、測定結果
を表示するLCDからなる表示手段11である。これら
のうちカフ1、加圧ポンプ2、微速排気弁3および急速
排気弁4はゴム管12により空気圧がもれないように接
続されている。さらに、特徴値検出手段7は脈波検出手
段6の出力を心拍の1周期毎の波形に分割する波形分割
手段13と、波形分割手段13の出力信号の振幅を算出
する振幅算出手段14と、波形分割手段13の出力信号
を振幅算出手段14が算出した振幅を用いて正規化して
出力する波形正規化手段15と、波形正規化手段15の
出力波形があらかじめ決められた値以上となる時間を算
出する時間測定手段16とからなり、時間測定手段16
の出力信号が血圧値決定手段8に出力される。
【0022】次に動作、作用について説明する。血圧を
測定する人体がカフ1を上腕の周囲に巻きつけスタート
ボタン10を押すと、制御手段9が加圧ポンプ2を動作
させ、発生した圧力がゴム管12を通じてカフ1に供給
されてカフ1が巻き付けられた人体の上腕部を加圧す
る。この時、制御手段9は圧力センサ5の出力をモニタ
ーし、カフ1の圧力が人体の最高血圧値より高くなるよ
うにあらかじめ決められた加圧目標値を越えた場合に加
圧ポンプ2の動作を停止して加圧を止め、微速排気弁3
によりカフ1の圧力を徐々に減圧していく減圧動作に移
行する。この時、圧力センサ5の出力には心臓の活動に
よる血管の振動がカフ1に伝達されるため微小な圧力変
化が現れ、脈波検出手段6が圧力センサ5の信号からDC
成分を除去し脈動成分のみを取り出して脈波を抽出し特
徴値算出手段7に出力している。特徴値算出手段7で
は、まず波形分割手段13が脈波検出手段6の検出した
脈波を心臓の1拍毎の波形に分割し、振幅算出手段14
が波形分割手段13により心臓の1拍毎の波形に分割さ
れた各波形の振幅を算出し、波形正規化手段15が波形
分割手段13の出力波形を振幅算出手段14の算出した
振幅で除して正規化し、時間測定手段16に出力してい
る。時間測定手段16では、以下に示すようなカフ1の
圧力と血圧値との大小関係により変化する波形正規化手
段15の出力波形の変化を捉え、血圧値決定手段8に出
力している。すなわち、カフ1の圧力が最高血圧以上の
時は、カフ1の巻かれた上腕の血管は最高血圧より高い
圧力で押さえられて完全に押しつぶされてしまうため血
液が流れず、カフ1の圧力の微小な変動である脈波も図
2(a)に示すような血管の心臓側から受ける圧力波のみ
による鋭角的な波形を示す。次に、カフ1の圧力が最高
血圧以下になると、カフ1の圧力が血圧より低い時間だ
け血管に血液が流れ、この時の血液の体積分カフ1が圧
迫されるため図2(b)に示すように血管に血液が流れる
時間すなわち血圧よりカフ1の圧力が低い時間の長さに
応じて脈波の最大値付近の波形が広がった波形となって
いく。このような波形の変化はカフ1の圧力が低下し、
カフ1直下の血管に血液が流れる時間の延長にしたがっ
て広がってゆくが、カフ1の圧力が最低血圧以下になる
と常に血管に血液が流れるため図2(c)に示すように波
形の最大値から直線的になだらかに減少する波形とな
り、カフ1の圧力が変化しても波形はほとんど変化しな
くなる。本実施例では、時間測定手段16がこのような
波形の変化を振り幅の60%の高さ以上となる時間Tを測
定して出力している。図3(a)に時間測定手段16の出力
とカフ圧の関係図を示す。最高血圧(SBP)以上ではほぼ
一定でわずかにカフ1の圧力の低下に伴って小さくなる
傾向があるが、SBP以下になるとカフ1の圧力の低下と
共に急激に時間が長くなり最低血圧(図中DBP)以下にな
ると時間の増加は止まりカフ1の圧力が低下してもほと
んど変化がない。本実施例では、このような時間測定手
段16の出力を、カフ1の圧力が高く時間測定手段16
の出力の変動が少ないグループA、カフ1の圧力の変化
に伴って時間測定手段16の出力値が長くなるように変
化しているグループB、カフ1の圧力が低く時間測定手
段16の出力の変動が少ないグループCの3つに分類し、
それぞれについてカフ1の圧力と時間測定手段16の出
力との回帰直線を求め、Aの直線とBの直線の交点となる
カフ1の圧力を最高血圧、Bの直線とCの直線の交点とな
るカフ1の圧力を最低血圧として表示器11に出力して
いる。
【0023】図3(a)では従来の血圧計のようにゆっく
りと減圧してカフ1の圧力の最大値から人体の最低血圧
以下となるまで16点のカフ1の圧力と時間測定手段16
の出力とで最高血圧と最低血圧を決定した例を示した
が、図3(b)ではカフの減圧速度を図3(a)の倍に設定し、
データを半数の8点とした場合を示している。図のよう
にA,B,Cの3本の直線はほとんど変化せず、従って、算出
される最高血圧と最低血圧もほとんど変化しない。すな
わち、従来の血圧計のように減圧速度を上げても精度の
低下が少なく、測定精度を低下させることなく測定時間
の短縮を実現する事が可能である。
【0024】血圧値決定手段8では、上記に示す方法を
用いて人体の最高血圧と最低血圧を決定して制御手段9
に出力し、制御手段9は血圧値を表示手段11に表示さ
せると共に、急速排気弁4を開放しカフ1の圧力を大気
圧まで急速に低下させ、測定終了を人体に知らせてい
る。
【0025】上記のように、本実施例の電子血圧計は、
カフ1の圧力と血圧値との大小関係に応じて変化する脈
波波形の特徴を時間測定手段16で抽出し、圧力センサ
5の出力と、時間測定手段16の出力とから人体の血圧
値を決定するので、測定精度を低下させることなく測定
時間の短縮を実現することができる。
【0026】なお、本実施例では、時間測定手段16が
波形正規化手段15の出力波形における振幅の60%を
越える時間を計測して出力しているが、30%〜80%
の高さの範囲なら同様な処理が可能である。ただし、振
り幅の40%〜70%が精度の面でより望ましい。
【0027】また、本実施例では時間測定手段を一つ設
けているが、複数の時間測定手段を設けそれぞれ異なる
高さ以上となる時間を測定し、これらの複数の測定結果
を用いて血圧の決定をしてもよい。この場合、測定精度
を更に上げる事が可能となり、結果として測定時間を更
に短縮する事も可能となる。
【0028】また、本実施例では振幅算出手段が波形分
割手段により分割された各波形の振り幅を算出する際、
単純に最小値と最大値の差を取るのではなく、最大値或
いは最小値とその前後0.025秒間の計0.05秒間の波形デ
ータを用い、これらの波形データから2次の多項式によ
る近似曲線を求め、その極大値或いは極小値の差から振
幅を求めている。これによりノイズの影響を受けずに正
確な振幅を算出でき、時間測定手段の測定時間の精度も
向上させる事ができる。なお、ここでは近似式作成に用
いるデータを最大値或いは最小値を中心とする0.05秒間
の波形データを用い2次の多項式近似曲線を求めている
が、時間幅やデータ数は少なくとも最大値又は最小値を
含みその前後の点を含んでおれば算出は可能で、近似式
の形式も他に適当なものがあれば適宜選択して用いれば
よく、これらを限定する事を発明の趣旨とするものでは
ない。
【0029】また、本実施例では人体の上腕にカフを巻
きつけて血圧を測定する上腕式血圧計に適用した例を示
しているが、手首や指、又は上肢に限らず太股や足首な
ど下肢で血圧を測定する血圧計でも同じ効果が得られ
る。
【0030】また、本実施例ではカフ1の圧力の微小な
圧力変動から脈波を採取しているが、血液による光の吸
収を利用した光電脈波や皮膚表面の振動を振動センサで
採取する圧脈波を採取して血圧を算出してもよい。
【0031】また、本実施例では、時間測定手段16の
出力と圧力測定手段5の出力を3グループに分けそれぞ
れの近似直線を求めることによって血圧値を決定してい
るが、グループ分けをせずすべての点から近似曲線を求
めてその変極点等の曲線の式から算術的に求められる値
から血圧値を決定する構成でもよい。
【0032】さらに、本実施例では時間計測手段16の
出力と圧力センサ5の出力のみで人体の血圧値を決定し
ているが、振幅算出手段14の出力する脈波の振幅の変
化を用いてオシロメトリック法による血圧値算出も合わ
せて行い、両者の結果を併記したり、両者の平均を持っ
て血圧値として決定してもよく、これにより、ばらつき
をおさえることができる。さらに、両者の血圧値が大き
く異なっていた場合は、脈波波形の採取時に人体に体動
が発生した場合などの大きなノイズ等が混入した場合と
考えられるので、それを報知したり再度測定し直すよう
に促すような表示をしてもよい。
【0033】また、表示器11は装置に直接取り付けら
れる必要はなく、制御手段9が有線又は無線通信により
他の機器に血圧値を送信し、そちらで表示させた記憶さ
れた過去の血圧値と共に表示してその推移を確認できる
ようにするなどしてもよい。
【0034】また、微速排気弁3は排気速度が加圧ポン
プによる加圧速度より十分遅い場合は、制御手段9によ
る制御を受けずカフ1に圧力が加えられている時は常に
一定の速度で空気を排気する構成でもよい。
【0035】(実施例2)図4は本発明の実施例2の電
子血圧計のブロック図、図5は波形正規化手段の出力と
時間測定手段および増加時間測定手段の測定する時間を
示す波形図である。
【0036】本実施例2において、実施例1と異なる点
は時間計測手段16の他に増加時間計測手段17を持
ち、血圧値決定手段8では時間計測手段16の出力と増
加時間測定手段17の出力と圧力センサ5の出力とから人
体の血圧値を算出する点にある。
【0037】なお、実施例1と同一符号のものは同一構
造を有し、説明は省略する。
【0038】次に動作、作用を説明する。図5は波形正
規化手段の出力で図5(a)はカフ1の圧力が最高血圧以
上でカフ1直下にある血管が押しつぶされて血液が全く
流れない状態、図5(b)はカフ1の圧力が最高血圧から
最低血圧の間にあり、カフ1の圧力が血圧より低い時に
限りカフ1直下にある血管に血液が流れる状態、図5
(c)はカフ1の圧力が最低血圧以下でカフ直下にある血
管に常に血液が流れている状態である。これを見ると図
2と同様、カフ1の圧力が徐々に低下して血管に血液が
流れる時間が多くなると共に振幅の60%以上となる時
間は増加しているが、Tupで示される波形の最小値から
最大値に至るまでに経過する時間もわずかながら増加す
る傾向にある。この増加もTと同様にカフ1の圧力とは
比較的比例関係に近く、この値を時間測定手段16の出
力の値に加えて用いる事によってさらに血圧値の測定精
度を向上させる事が出来る。本実施例では増加時間測定
手段17によりTupの値を測定して血圧値決定手段8に
出力し、血圧値決定手段8では増加時間算出手段17の
出力と時間測定手段16の出力との二乗和を算出して血
圧値決定に用いている。この算出結果を用いて血圧値を
決定するための血圧値決定手段8における処理は実施例1
とほとんど同様であるが、上記処理により出力値からノ
イズの影響を減ずる事ができ、さらに精度のよい血圧値
決定や測定時間の短縮を図る事が可能となる。
【0039】上記に示すように本発明の電子血圧計は、
精度の低下を起こす事なく従来よりも短時間で測定でき
るので、カフの加圧による圧迫感を減じる事ができ、手
軽に計測できる電子血圧計を提供できる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
係る電子血圧計は、時間測定手段が測定する時間が、カ
フ圧が最高血圧と最低血圧の間にある時はカフ圧とほぼ
比例関係にあり最高血圧以上あるいは最低血圧以下では
はほとんど変化しないことを用いて、時間の変化の開始
点と終了点を求めて血圧値を算出するので、血圧値の算
出に必要とするカフ圧と時間のデータ数を削減する事が
でき、短い測定時間で正確な血圧を測定できるという効
果がある。
【0041】また、請求項2に係る電子血圧計は、採取
された脈波から複数の時間測定手段が測定した複数の時
間を用いて人体の血圧を決定するので、さらに短い測定
時間で正確な血圧測定を実現できるという効果がある。
【0042】また、請求項3に係る電子血圧計は、時間
測定手段に加え、加圧手段の圧力の変化に伴って変化す
る波形分割手段の出力波形の最小値から最大値までにか
かる時間を測定する増加時間測定手段の出力を用い、両
者の演算結果から人体の血圧を決定するので、さらに短
い測定時間で正確な血圧測定を実現できる。という効果
がある。
【0043】また、請求項4に係る電子血圧計は、波形
分割手段の分割した波形を正規化するために用いる振幅
を算出する際に様々な誤差の影響を排除できるので、時
間測定手段の測定精度を向上させることができ、従っ
て、さらに短い測定時間で正確な血圧測定を実現できる
という効果がある。
【0044】また、請求項5に係る電子血圧計は、時間
測定手段の他にオシロメトリック式血圧測定法の原理を
用いた血圧値の測定も行い、両者の測定結果から血圧値
を算出するので、ばらつきの少ない血圧測定ができると
いう効果がある。
【0045】また、請求項6に係る電子血圧計は、時間
測定手段の他にオシロメトリック式血圧測定法の原理を
用いた血圧値の測定も行い、測定時に異常な振動が外部
から加えられる場合にこれらの2つの測定値が大きく異
なる事を用いて、両者の測定結果の間にあらかじめ決め
られた値より大きな差がある場合にはその旨を報知する
ので、測定値の精度に問題がある場合にそれを知らせる
事ができる血圧計を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における電子血圧計のブロッ
ク図
【図2】(a)同電子血圧計の波形正規化手段のカフの
圧力が最高血圧以上の場合の出力波形図 (b)同電子血圧計の波形正規化手段のカフの圧力が最
高血圧以下かつ最低血圧以上の場合の出力波形図 (c)同電子血圧計の波形正規化手段のカフの圧力が最
低血圧以下の場合の出力波形図
【図3】同電子血圧計の圧力センサの値に対する時間測
定手段の出力図
【図4】本発明の実施例2における電子血圧計のブロッ
ク図
【図5】(a)同電子血圧計の波形正規化手段のカフの
圧力が最高血圧以上の場合の出力波形図 (b)同電子血圧計の波形正規化手段のカフの圧力が最
高血圧以下かつ最低血圧以上の場合の出力波形図 (c)同電子血圧計の波形正規化手段のカフの圧力が最
低血圧以下の場合の出力波形図
【図6】(a)従来の電子血圧計のオシロメトリック法
による血圧値決定法の説明図 (b)従来の電子血圧計のオシロメトリック法による血
圧値決定法の説明図
【符号の説明】
1 カフ(圧力印加手段) 2 加圧ポンプ(加圧手段) 3 微速排気弁 5 圧力センサ(圧力検出手段) 6 脈波検出手段 7 特徴値算出手段 8 血圧値決定手段 13 波形分割手段 14 振幅算出手段 15 波形正規化手段 16 時間測定手段 17 増加時間測定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澁谷 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4C017 AA02 AA08 AA09 AB01 AC03 AD01 BC12 BD05 CC01 DE05 FF02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人体の四肢に装着され内部の圧力変化によ
    って装着部位の血液流動を阻害する加圧手段と、前記加
    圧手段に圧力を加える圧力発生手段と、前記加圧手段の
    圧力を徐々に減圧する微速排気弁と、前記加圧手段の圧
    力を検出する圧力検出手段と、前記加圧手段の近傍もし
    くは加圧手段より末梢側において心臓の活動によって生
    ずる脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段の出
    力波形から特徴となるパラメータを算出して出力する特
    徴値算出手段と、前記特徴値算出手段の出力と前記圧力
    検出手段の出力とにより前記人体の血圧値を決定する血
    圧値決定手段とからなり、前記特徴値算出手段は前記脈
    波検出手段の出力を心拍の一拍毎の波形に分割する波形
    分割手段と、前記波形分割手段により分割された波形の
    振幅を算出する振幅算出手段と、前記波形分割手段によ
    り分割された波形を前記振幅算出手段の出力で正規化し
    て出力する波形正規化手段と、前記波形正規化手段の出
    力波形があらかじめ決められた値以上となる時間を算出
    する時間測定手段とを持ち、前記血圧値決定手段では前
    記特徴値算出手段の時間測定手段の出力と圧力検出手段
    の出力とから前記人体の血圧値を決定する電子血圧計。
  2. 【請求項2】特徴値算出手段は時間測定手段を複数持
    ち、波形正規化手段の出力波形がそれぞれ異なる値以上
    となる時間を測定して出力し、血圧値決定手段はこれら
    複数の時間測定手段の出力と圧力検出手段の出力とから
    人体の血圧値を決定する請求項1記載の電子血圧計
  3. 【請求項3】特徴値算出手段は、波形分割手段の出力波
    形の最小値から最大値までにかかる時間を測定する増加
    時間測定手段を持ち、血圧値決定手段は特徴値算出手段
    の時間測定手段の出力と増加時間測定手段の出力と圧力
    検出手段の出力とから前記人体の血圧値を決定する請求
    項1または2に記載の電子血圧計。
  4. 【請求項4】振幅算出手段は、波形分割手段の出力波形
    の最小値或いは最大値とその前後の値の少なくとも3点
    以上から決定される近似曲線を求めその最小値或いは最
    大値から両者の差を算出して出力する請求項1乃至3の
    いずれか1項に記載の電子血圧計。
  5. 【請求項5】血圧値決定手段は、振幅算出手段の出力と
    圧力検出手段の出力とから人体の血圧値を算出する第2
    の血圧値算出手段を持つ請求項1乃至4のいずれか1項
    記載の電子血圧計。
  6. 【請求項6】血圧値決定手段は、時間測定手段の出力か
    ら求めた血圧値と振幅測定手段の出力から求めた血圧値
    との差があらかじめ決められた値より大きい場合にその
    旨を人体に報知する請求項5記載の電子血圧計。
JP14793199A 1999-05-27 1999-05-27 電子血圧計 Expired - Fee Related JP4081921B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14793199A JP4081921B2 (ja) 1999-05-27 1999-05-27 電子血圧計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14793199A JP4081921B2 (ja) 1999-05-27 1999-05-27 電子血圧計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000333915A true JP2000333915A (ja) 2000-12-05
JP4081921B2 JP4081921B2 (ja) 2008-04-30

Family

ID=15441318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14793199A Expired - Fee Related JP4081921B2 (ja) 1999-05-27 1999-05-27 電子血圧計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4081921B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP4081921B2 (ja) 2008-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5151690B2 (ja) 血圧情報測定装置および指標取得方法
JP3587837B2 (ja) 動脈硬化度評価装置
JP5591404B2 (ja) 非侵襲的血圧測定装置及びその測定方法
US5368039A (en) Method and apparatus for determining blood pressure
US20180177411A1 (en) Blood pressure measurement instrument, and korotkoff's sound recognition method and device
JP2938234B2 (ja) 指カフキャリブレーション装置を備えた血圧モニタ装置
WO2000049943A1 (fr) Dispositif de mesure de la pression arterielle et dispositif de detection des ondes d'impulsion
JP2002272688A (ja) 下肢上肢血圧指数測定装置
JPH07136136A (ja) 連続血圧モニタ装置
CN110840429A (zh) 基于柯氏音的血压测量方法及血压测量和心血管系统评估系统
JP2006311951A (ja) 血圧測定装置
JP4668421B2 (ja) 被験者の心臓血管活動の連続的解析方法および装置
US7097621B2 (en) Filter for use with pulse-wave sensor and pulse wave analyzing apparatus
US20200288984A1 (en) Sphygmomanometer, blood pressure measurement method, and blood pressure measurement program
JP3818853B2 (ja) 電子血圧計
JPH10137204A (ja) 非観血式血圧計
JPH08332173A (ja) 非観血式血圧計による血圧測定方法
JP7281777B2 (ja) 血圧測定システム及びそれを利用した血圧測定方法
JP2000333915A (ja) 電子血圧計
JPH1066681A (ja) 血圧監視装置
KR20100128067A (ko) 혈압 추정 방법 및 장치
JP2008049011A (ja) コロトコフ音測定装置
JP4398553B2 (ja) 電子血圧計
JPH0226531A (ja) 非観血血圧計における安定計測方法
JP2002102184A (ja) 自動血圧計の計測表示方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060309

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20060412

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees