JP2000329722A - 炭酸ガス検知装置及び炭酸ガス検知方法 - Google Patents

炭酸ガス検知装置及び炭酸ガス検知方法

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JP2000329722A
JP2000329722A JP11135302A JP13530299A JP2000329722A JP 2000329722 A JP2000329722 A JP 2000329722A JP 11135302 A JP11135302 A JP 11135302A JP 13530299 A JP13530299 A JP 13530299A JP 2000329722 A JP2000329722 A JP 2000329722A
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carbon dioxide
temperature
concentration
resistance value
detecting
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English (en)
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Shogo Matsubara
正吾 松原
Shinji Morimoto
信司 森本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサの動作温度の低温化と感度向上を図る
とともに、検知素子の抵抗値が経時変化した場合でも高
精度に補正できる炭酸ガス検知装置及び炭酸ガス検知方
法を提供することを目的とする。 【解決手段】 検知素子2と、検知素子2を制御する加
熱手段4と、検知素子2の抵抗値を検出する測定手段5
と、抵抗値からガス濃度を求める濃度演算手段6と、加
熱手段4への温度切り替えタイミング及び測定手段5へ
の抵抗値検出タイミングを制御するタイミング制御手段
7とを備え、測定手段5は検知素子2のインピーダンス
を検出し、濃度演算手段6は炭酸ガス濃度を算出して出
力し、タイミング制御手段7は検知素子2の温度を判断
して加熱手段4に制御温度の切り替えタイミングの信号
を、測定手段5に検知タイミングの信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば室内空
調、環境衛生、生鮮品保存、植物栽培、生体呼吸モニタ
用、防災用、工業用などの分野で使用する各種のガスに
ついて、ガス濃度を計測し制御する場合に使用する炭酸
ガス濃度検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭酸ガスセンサのひとつとして、セラミ
ック素子に電極を形成したコンデンサ構造を有するイン
ピーダンス変化型のセンサがある。この炭酸ガスセンサ
の構成物質は炭酸ガスと可逆的な化学反応を起こし、セ
ラミック素子のインピーダンスは炭酸ガス濃度に比例し
て変化する。
【0003】例えば、特開平9−15179号公報に
は、セラミック素子と、このセラミック素子の表面もし
くは内部に一対以上の電極と、これらの電極に信号の出
し入れが可能なリード線とを備え、セラミック素子がア
ルカリ土類金属、遷移金属、ランタノイド元素から選ば
れる1種以上の酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩1種
以上からなる組成物の構成を有する炭酸ガスセンサが開
示されている。この公報に記載の炭酸ガスセンサは、十
分なガス感度を得るために500℃以上の温度にセラミ
ック素子を加熱するが、高温での動作は実用上いくつか
の問題がある。ひとつにはヒータの消費電力が大きいこ
と、もうひとつには素子の経時変化が大きいことであ
る。
【0004】これらの問題に対して、特開平4−228
61号公報は検知素子の温度を制御して省電力とセンサ
の経時変化対策を可能とした炭酸ガス検知装置が開示さ
れている。その構成を図11に示す。
【0005】図11の従来の炭酸ガス濃度検知装置のブ
ロック図において、1は炭酸ガスセンサ、2はセラミッ
クを利用した検知素子、3はヒータ、4は加熱手段、5
は測定手段、6は濃度演算手段であり、炭酸ガスセンサ
1は検知素子2とそれを動作温度に加熱するヒータ3と
で構成されている。ヒータ3は加熱手段4に接続され、
加熱手段4によって検知素子2の温度を間欠的にオン−
オフ制御するように電力が供給される。そして、測定手
段5は所定の温度に加熱された検知素子2のインピーダ
ンスを検出し、その検出値を受けて濃度演算手段6は炭
酸ガス濃度を算出して出力する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】省エネルギ及び熱疲労
の点からセンサ温度は可能な限り低いことが望ましい
が、図11に示した従来の炭酸ガスセンサ1は検知素子
2と炭酸ガスとの熱平衡反応を利用しているので、検知
素子2のインピーダンスを測定する検知温度を下げると
ガス感度が低下してしまう。
【0007】また、検知素子2の経時変化は既知濃度に
おける抵抗値R0が時間変化する問題である。従来の技
術では、抵抗値比R/R0と炭酸ガス濃度の相関を用い
るため、炭酸ガス濃度を精度良く検知するためには、頻
繁に経時変化分を補正しなければならず、作業コストや
精度の点で改善すべき点が残る。
【0008】更に、検知素子2の経時変化の主な原因
は、検知素子2を構成するセラミックの粒子の界面にお
けるOH基の脱離である。このOH基の脱離防止の対策
として動作温度を下げる方法が考えられるが、検知素子
2の感度低下の問題が新たに発生し、感度と経時変化量
を考慮したSN比は改善されない。すなわち、従来の技
術においては、互いにトレードオフの関係にある検知素
子2の検知温度の低温化と感度向上を同時に達成するこ
とは困難であった。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するものであ
り、炭酸ガスセンサの検知素子の検知温度の低温化と感
度向上を同時に達成できるとともに検知素子の抵抗値が
経時変化した場合でも、高精度に補正できる炭酸ガス検
知装置及び炭酸ガス検知方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の炭酸ガス検知装
置は、検知素子と、前記検知素子を任意の温度に制御す
る加熱手段と、前記検知素子の抵抗値を検出する測定手
段と、前記測定手段で検出した抵抗値を受けてガス濃度
を求める濃度演算手段と、前記加熱手段への温度切り替
えタイミング及び前記測定手段への抵抗値検出タイミン
グを制御するタイミング制御手段とを有することを特徴
とする。
【0011】このような構成によれば、炭酸ガス検知用
のセンサとして機能する検知素子の検知温度の低温化と
感度向上を同時に達成できる炭酸ガス検知装置を提供す
ることができる。
【0012】また、前記測定手段は、複数の周波数で測
定する周波数切り替え手段を有する構成とすることもで
き、この場合では検知素子の抵抗値が経時変化しても、
高精度に補正できる炭酸ガス検知装置を提供することが
できる。
【0013】本発明の炭酸ガス検知方法は、上記の炭酸
ガス検知装置を使用するものであって、前記検知素子の
温度を、前記検知素子の抵抗値が炭酸ガスの濃度によっ
て可逆的に変化する温度THと炭酸ガスを非可逆的に吸
着する温度TLとに交互に前記加熱手段によって設定
し、温度THにおける抵抗値RHを前記測定手段で検出
し、予め定められた抵抗値RHとガス濃度の相関を用い
て前記濃度演算手段によりガス濃度を判定することを特
徴とする。
【0014】また、前記検知素子の温度を、前記検知素
子の抵抗値が炭酸ガスの濃度によって可逆的に変化する
温度THと炭酸ガスを非可逆的に吸着する温度TLとに
交互に前記加熱手段によって設定し、温度TLにおける
抵抗値RLを前記測定手段で検出し、予め定められた抵
抗値RLとガス濃度の相関を用いて前記濃度演算手段に
よりガス濃度を判定するようにしてもよい。
【0015】このような炭酸ガス検知方法では、炭酸ガ
スセンサの検知素子の検知温度の低温化と感度向上を同
時に達成できる炭酸ガス検知方法を提供することができ
る。
【0016】さらに、前記検知素子の温度を、前記検知
素子の抵抗値が炭酸ガスの濃度によって可逆的に変化す
る温度THと炭酸ガスを非可逆的に吸着する温度TLと
に交互に前記加熱手段によって設定し、温度THにおけ
る抵抗値RHと温度TLにおける抵抗値RLを前記測定
手段で検出し、予め定められた抵抗値RHと抵抗値RL
とガス濃度の相関を用いて前記濃度演算手段によりガス
濃度を判定する検知方法としてもよく、この場合では、
検知素子の抵抗値が経時変化しても、高精度に補正でき
る。
【0017】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、検知素
子と、前記検知素子を任意の温度に制御する加熱手段
と、前記検知素子の抵抗値を検出する測定手段と、前記
測定手段で検出した抵抗値を受けてガス濃度を求める濃
度演算手段と、前記加熱手段への温度切り替えタイミン
グ及び前記測定手段への抵抗値検出タイミングを制御す
るタイミング制御手段とを有することを特徴とする炭酸
ガス検知装置であり、ヒータ消費電力を低減するととも
に、温度駆動により炭酸ガスの吸着脱離を促進させて炭
酸ガスに対するセンサ感度を大きくするという作用を有
する。
【0018】請求項2に記載の発明は、前記測定手段
は、複数の周波数で測定する周波数切り替え手段を有す
ることを特徴とする請求項1記載の炭酸ガス検知装置で
あり、センサ感度の周波数依存性を利用して経時変化の
補正を精度良く行うという作用を有する。
【0019】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2記載の炭酸ガス検知装置を用いた炭酸ガス検知方法で
あって、前記検知素子の温度を、前記検知素子の抵抗値
が炭酸ガスの濃度によって可逆的に変化する温度THと
炭酸ガスを非可逆的に吸着する温度TLとに交互に前記
加熱手段によって設定し、温度THにおける抵抗値RH
を前記測定手段で検出し、予め定められた抵抗値RHと
ガス濃度の相関を用いて前記濃度演算手段によりガス濃
度を判定することを特徴とする炭酸ガス検知方法であ
り、ヒータ消費電力を低減するとともに、温度駆動によ
り炭酸ガスの吸着脱離を促進させて炭酸ガスに対するセ
ンサ感度を大きくするという作用を有する。
【0020】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2記載の炭酸ガス検知装置を用いた炭酸ガス検知方法で
あって、前記検知素子の温度を、前記検知素子の抵抗値
が炭酸ガスの濃度によって可逆的に変化する温度THと
炭酸ガスを非可逆的に吸着する温度TLとに交互に前記
加熱手段によって設定し、温度TLにおける抵抗値RL
を前記測定手段で検出し、予め定められた抵抗値RLと
ガス濃度の相関を用いて前記濃度演算手段によりガス濃
度を判定することを特徴とする炭酸ガス検知方法であ
り、温度駆動により炭酸ガスの吸着脱離を促進させて炭
酸ガスに対するセンサ感度を大きくするという作用を有
する。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項1または
2記載の炭酸ガス検知装置を用いた炭酸ガス検知方法で
あって、前記検知素子の温度を、前記検知素子の抵抗値
が炭酸ガスの濃度によって可逆的に変化する温度THと
炭酸ガスを非可逆的に吸着する温度TLとに交互に前記
加熱手段によって設定し、温度THにおける抵抗値RH
と温度TLにおける抵抗値RLを前記測定手段で検出
し、予め定められた抵抗値RHと抵抗値RLとガス濃度
の相関を用いて前記濃度演算手段によりガス濃度を判定
することを特徴とする炭酸ガス検知方法であり、センサ
感度の温度依存性を利用して経時変化の補正を精度良く
行うという作用を有する。
【0022】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図10に基づいて説明する。
【0023】図1は本発明の一実施の形態における炭酸
ガス濃度検知装置のブロック図である。
【0024】図1においては、1は炭酸ガスセンサ、2
は検知素子、3はヒータ、4は加熱手段、5は測定手
段、6は濃度演算手段、7はタイミング制御手段であ
り、図11に示した従来の技術とはタイミング制御手段
7を備えている点が相違する。すなわち、図11の従来
の技術と同様に、炭酸ガスセンサ1は検知素子2とそれ
を動作温度に加熱するヒータ3とで構成され、ヒータ3
は加熱手段4に接続され、この加熱手段4によって検知
素子2の温度を任意に制御するように電力が供給され
る。測定手段5は検知素子2のインピーダンスを検出
し、その検出値を受けて濃度演算手段6は炭酸ガス濃度
を算出して出力する。
【0025】タイミング制御手段7は検知素子2の温度
を判断して加熱手段4に制御温度の切り替えタイミング
の信号を出力するとともに、測定手段5に検知タイミン
グの信号を出力する。検知素子2は、例えば特開平9−
15179号公報に開示されているように、セラミック
素子とこのセラミック素子の表面もしくは内部に一対以
上の電極と、これらの電極に信号の出し入れが可能なリ
ード線とを有する炭酸ガス検知素子である。そして、検
知素子2のセラミックは、アルカリ土類金属、遷移金
属、ランタノイド元素から選ばれる1種以上の酸化物、
アルカリ土類金属の炭酸塩の1種以上とからなる組成物
の構成を有する。
【0026】次に、本発明の一実施の形態における炭酸
ガス検知装置の動作方法について説明する。
【0027】加熱手段4はタイミング制御手段7からの
信号を受けて、図2(a)は図1の実施の形態のセンサ
温度制御におけるセンサ温度と経過時間の関係を示す線
図に示すように、検知素子2の温度が温度THと温度T
Lと交互に得られるよう、ヒータ3に電力を供給する。
ここで、温度THは検知素子2の抵抗値が炭酸ガスの濃
度によって可逆的に変化する温度、温度TLは検知素子
2が炭酸ガスを非可逆的に吸着する温度であり、温度T
Hは450℃以上かつ600℃以下、温度TLは200
℃以上かつ400℃以下であることが望ましい。このと
き、検知素子2の抵抗値は、図2(b)は図1の実施の
形態のセンサ温度制御における検知素子の抵抗値と経過
時間の関係を示す線図のように、センサ温度よりも大き
な時定数で変化し、タイミング制御手段からの信号を受
けて測定手段5は検知素子2の温度THにおける抵抗値
RH1,RH2,・・・RHn、及び、温度TLにおける
抵抗値RL1,RL2,・・・,RLnを検出する。タイ
ミング制御手段7が検知素子2の温度を判定する方法と
しては、温度センサを用いて検知素子2の温度を接触あ
るいは非接触で測定してもよく、予め測定したセンサ温
度とヒータ電力との関係から時間によってセンサ温度を
推定してもよい。
【0028】図3(a)は図1の実施の形態における炭
酸ガス濃度と検知素子抵抗の関係を示す図であって、炭
酸ガス濃度と経過時間の関係を示す線図に示すように、
例えば雰囲気の炭酸ガス濃度を基準の350ppmから
2000ppmへ切り替えたときには、検知素子2の抵
抗値は図3(b)の図1の実施の形態における炭酸ガス
濃度と検知素子抵抗の関係を示す図であって、検知素子
の抵抗値の経時変化を示す線図のように変化する。抵抗
値RHn及びRLnと既知の炭酸ガス濃度における抵抗
値RH0及びRL0との比RHn/RH0及びRLn/R
0と、炭酸ガス濃度との相関を用いて、濃度演算手段
6により炭酸ガス濃度を算出して出力する。
【0029】RH/RH0及びRL/RL0と炭酸ガス濃
度との相関はそれぞれ、図4のaとbで示す特性とな
る。また、図4においてc及びdで示す特性は、従来の
ように検知素子2の温度をTH及びTL一定に制御した
場合のRH/RH0及びRL/RL0と炭酸ガス濃度の相
関である。ここでは、350ppm濃度における抵抗値
を基準にしてRH0,RL0とした。
【0030】図4の図1の実施の形態における炭酸ガス
濃度と検知素子抵抗の関係を示す線図から明らかなよう
に、感度の大きさはb>>a>c>>dであり、本発明
によれば、従来の技術に比べて低い動作温度でより大き
なガス感度を得ることができる。すなわち、本発明は、
検知素子2を低温にしたときの炭酸ガス吸着量が雰囲気
の炭酸ガス濃度に大きく依存することを利用したもので
あり、新規な炭酸ガス検知装置及び炭酸ガス検知方法を
提供することができる。
【0031】また、本発明によれば、抵抗値RHとRL
との比RH/RLを濃度演算のパラメータとすることに
より、検知素子2の抵抗値の経時変化を高精度に補正で
きる。検知素子2の抵抗値は温度とCO2濃度と経時変
化量に比例し、近似的に、(数1)
【0032】
【数1】
【0033】と表すことができる。ここで、kは定数、
R(T)は温度依存性の項、R(CO 2)は炭酸ガス濃
度依存性の項で温度の関数、R(t)は経時変化分の項
である。いま、RH/RLの比を考えると、同一の検知
素子2の場合ではR(t)は共通であり、THとTLの
温度は一定なので、(数2)
【0034】
【数2】
【0035】となる。ここで、k’=k・R(TH)/
R(TL)は一定である。RH(CO 2)/RL(C
2)の濃度依存性の項は、第5図に示すように、RH
(CO2)<<RL(CO2)であるので、RH/RLを
濃度演算のパラメータとすることができる。
【0036】図5の図1の実施の形態における検知素子
抵抗の経時変化を表す図は350ppm炭酸ガス雰囲気
におけるRH、RL、及びRH/RLの経時変化を示
す。RH及びRLは経時的に変化するが、その変化率は
ほぼ一定であるのでRH/RLもほぼ一定となる。従っ
て、本発明によれば、炭酸ガス検知装置を一定の濃度雰
囲気においた場合、濃度演算手段6からの炭酸ガス濃度
出力値の経時変化量を、従来の炭酸ガス検知装置に比べ
て極めて小さくすることができる。
【0037】図6は本発明の別の実施の形態における炭
酸ガス検知装置のブロック図である。
【0038】この例は図1で示した構成において、測定
手段5に周波数切り替え手段8を加えた点だけが相違
し、その他は同じである。
【0039】本実施の形態における炭酸ガス検知装置の
動作方法が先の実施の形態と異なるのは、抵抗値RHあ
るいはRLを検知する場合、少なくとも2つの異なる周
波数の測定信号を用い、一方を100kHz以下の低周
波数、もう一方は100kHz以上10MHz以下の高
周波数とすることである。例として、温度TLにおける
検知素子2の抵抗値の周波数依存性を示した図7を用い
て説明する。
【0040】図7の図6の実施の形態における検知素子
の周波数依存性と経時変化を表す図において、RLlは
低周波数で検知したときの検知素子抵抗、RLhは高周
波数で検知したときの検知素子抵抗である。検知素子抵
抗が経時変化しても周波数依存性は変わらない。すなわ
ち、図7の抵抗−周波数の特性曲線は平行移動するだけ
なので、RLl/RLhの比をパラメータとすることに
より検知素子2の抵抗値の経時変化を高精度に補正でき
る。
【0041】上記の炭酸ガス感度の周波数依存性を利用
した経時変化補正方法は特開平9−141925号公報
に開示されている。しかし、本発明における炭酸ガス感
度の周波数依存性は従来のセンサ温度一定における周波
数依存性よりも大きく、炭酸ガス感度を大きくできる相
乗効果がある。例えば、炭酸ガス濃度を350ppmか
ら2000ppmに変えたときの感度S、すなわち、抵
抗値の変化率R2000ppm/R350ppmは図8
に示す周波数依存性を有する。図8の図6の実施の形態
における炭酸ガス感度の周波数特性を表す図においては
10MHzにおける感度を基準として規格化されてお
り、a及びbで示す特性はそれぞれ本発明におけるセン
サ温度TH、TLでの感度、cで示す特性は従来のよう
にセンサ温度を一定に制御する方法による温度THでの
感度である。図8に示すように、本発明における炭酸ガ
ス感度の周波数依存性は従来による周波数依存性よりも
大きく、炭酸ガス感度を大きくできる。
【0042】図9の図6の実施の形態における検知素子
抵抗の経時変化を表す図は検知素子抵抗RLl,RLh
及びその比RLh/RLlの経時変化を示す。検知素子
抵抗RLh,RLlは経時的に変化するが、その変化率
はほぼ一定であるのでRLh/RLlもほぼ一定とな
る。従って、本発明によれば、炭酸ガス検知装置を一定
の濃度雰囲気においた場合、濃度演算手段6からの炭酸
ガス濃度出力値の経時変化量を、従来の炭酸ガス検知装
置に比べて極めて小さくすることができる。
【0043】また、RH/RLをパラメータに濃度演算
する場合に、測定手段5に含まれる周波数切り替え手段
8によって測定用信号を切り替え、検知素子抵抗RHを
検出するときは100kHz以上10MHz以下の測定
信号を用い、検知素子抵抗RLを検出するときは100
kHz以下の測定信号を用いる。すなわち、図7におけ
るRLh/RLlをパラメータにすることにより、RH
/RLの炭酸ガス感度を大きくすることができる。
【0044】図10は図6の実施の形態における炭酸ガ
ス濃度と検知素子抵抗の関係を示す図であり、aで示す
特性はRHを1MHzで検出しRLを1kHzで検出し
た場合、bで示す特性はRH/RLを同じ1kHzで検
出した場合の結果である。図5に示した検知素子2の抵
抗値比と炭酸ガス濃度の関係の特性図と比較すれば明ら
かなように、本実施の形態によれば炭酸ガス感度を大き
くできる。
【0045】
【発明の効果】本発明の炭酸ガス検知装置及びこれを使
用する炭酸ガス検知方法では、センサの動作温度の低温
化と感度向上を同時に達成できるとともに、検知素子の
抵抗値が経時変化した場合でも、高精度に補正できる。
更に、環境の温度や湿度が変化してセンサの出力がシフ
トした場合でも高精度に補正できる。このように、経時
変化を補正することができるので、炭酸ガス濃度の検知
精度が大幅に向上する。また、動作温度を低くするとと
もに感度を大きくできるので、ヒータ電力の省電力化と
信号のSN比向上にも大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における炭酸ガス濃度検
知装置のブロック図
【図2】(a)図1の実施の形態のセンサ温度制御にお
けるセンサ温度と経過時間の関係を示す線図 (b)図1の実施の形態のセンサ温度制御における検知
素子の抵抗値と経過時間の関係を示す線図
【図3】(a)図1の実施の形態における炭酸ガス濃度
と検知素子抵抗の関係を示す図であって、炭酸ガス濃度
と経過時間の関係を示す線図 (b)図1の実施の形態における炭酸ガス濃度と検知素
子抵抗の関係を示す図であって、検知素子の抵抗値の経
時変化を示す線図
【図4】図1の実施の形態における炭酸ガス濃度と検知
素子抵抗の関係を示す線図
【図5】図1の実施の形態における検知素子抵抗の経時
変化を表す図
【図6】本発明の別の実施の形態における炭酸ガス濃度
検知装置のブロック図
【図7】図6の実施の形態における検知素子の周波数依
存性と経時変化を表す図
【図8】図6の実施の形態における炭酸ガス感度の周波
数特性を表す図
【図9】図6の実施の形態における検知素子抵抗の経時
変化を表す図
【図10】図6の実施の形態における炭酸ガス濃度と検
知素子抵抗の関係を示す図
【図11】従来の炭酸ガス濃度検知装置のブロック図
【符号の説明】
1 炭酸ガスセンサ 2 検知素子 3 ヒータ 4 加熱手段 5 測定手段 6 濃度演算手段 7 タイミング制御手段 8 周波数切り替え手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G046 AA12 DA05 DB07 DB08 DC04 DC14 DC18 2G060 AA01 AB09 AE19 AF07 BA01 BB02 HA03 HB05 HB07 HB08 HC01 HC08 HC10 KA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検知素子と、前記検知素子を任意の温度に
    制御する加熱手段と、前記検知素子の抵抗値を検出する
    測定手段と、前記測定手段で検出した抵抗値を受けてガ
    ス濃度を求める濃度演算手段と、前記加熱手段への温度
    切り替えタイミング及び前記測定手段への抵抗値検出タ
    イミングを制御するタイミング制御手段とを有すること
    を特徴とする炭酸ガス検知装置。
  2. 【請求項2】前記測定手段は、複数の周波数で測定する
    周波数切り替え手段を有することを特徴とする請求項1
    記載の炭酸ガス検知装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の炭酸ガス検知装置
    を用いた炭酸ガス検知方法であって、前記検知素子の温
    度を、前記検知素子の抵抗値が炭酸ガスの濃度によって
    可逆的に変化する温度THと炭酸ガスを非可逆的に吸着
    する温度TLとに交互に前記加熱手段によって設定し、
    温度THにおける抵抗値RHを前記測定手段で検出し、
    予め定められた抵抗値RHとガス濃度の相関を用いて前
    記濃度演算手段によりガス濃度を判定することを特徴と
    する炭酸ガス検知方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の炭酸ガス検知装置
    を用いた炭酸ガス検知方法であって、前記検知素子の温
    度を、前記検知素子の抵抗値が炭酸ガスの濃度によって
    可逆的に変化する温度THと炭酸ガスを非可逆的に吸着
    する温度TLとに交互に前記加熱手段によって設定し、
    温度TLにおける抵抗値RLを前記測定手段で検出し、
    予め定められた抵抗値RLとガス濃度の相関を用いて前
    記濃度演算手段によりガス濃度を判定することを特徴と
    する炭酸ガス検知方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の炭酸ガス検知装置
    を用いた炭酸ガス検知方法であって、前記検知素子の温
    度を、前記検知素子の抵抗値が炭酸ガスの濃度によって
    可逆的に変化する温度THと炭酸ガスを非可逆的に吸着
    する温度TLとに交互に前記加熱手段によって設定し、
    温度THにおける抵抗値RHと温度TLにおける抵抗値
    RLを前記測定手段で検出し、予め定められた抵抗値R
    Hと抵抗値RLとガス濃度の相関を用いて前記濃度演算
    手段によりガス濃度を判定することを特徴とする炭酸ガ
    ス検知方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008304124A (ja) * 2007-06-07 2008-12-18 Toshiba Corp 二酸化炭素濃度測定用センサーシステム
JP2012083294A (ja) * 2010-10-14 2012-04-26 Shizuokaken Koritsu Daigaku Hojin Co2環境計測システム
CN105674514A (zh) * 2016-04-06 2016-06-15 珠海格力电器股份有限公司 空调器的控制方法和装置
CN113008943A (zh) * 2019-12-20 2021-06-22 财团法人工业技术研究院 气体感测装置及气体浓度感测方法

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