JP2000328918A - 直接筒内噴射式2サイクルエンジンおよびオイルポンプ取付方法 - Google Patents

直接筒内噴射式2サイクルエンジンおよびオイルポンプ取付方法

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JP2000328918A
JP2000328918A JP13504699A JP13504699A JP2000328918A JP 2000328918 A JP2000328918 A JP 2000328918A JP 13504699 A JP13504699 A JP 13504699A JP 13504699 A JP13504699 A JP 13504699A JP 2000328918 A JP2000328918 A JP 2000328918A
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cylinder
lubricating oil
air
crankshaft
reed valve
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JP13504699A
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Kazutoshi Takashima
和俊 高島
Takao Nagai
隆雄 永井
Noriyoshi Hiraoka
徳由 平岡
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Yamaha Marine Co Ltd
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Sanshin Kogyo KK
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
    • F02B75/18Multi-cylinder engines
    • F02B75/22Multi-cylinder engines with cylinders in V, fan, or star arrangement

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 潤滑油が極力適切な状態でシリンダに供
給される直接筒内噴射式2サイクルエンジンおよびオイ
ルポンプ取付方法を提供する。 【解決手段】 クランクシャフト(10)の後方に、各
気筒を形成するシリンダ(11)が左右方向にV字状に
なるように振り分けて配置されている。クランクシャフ
トの前方に、リードバルブ(40)が配置され、クラン
ク室(36)の前方を覆うクランクケース(21)に
は、空気導入部(31)が形成されている。空気導入部
に、リードバルブからの空気を導く空気流路(32)が
形成されており、空気導入部の空気流路の側壁(31
a,31b)には、潤滑油吐出口(54)がリードバル
ブより下流側に形成されており、左側のシリンダに潤滑
油を供給する潤滑油吐出口は、空気流路の右側壁に、一
方、右側のシリンダに潤滑油を供給する潤滑油吐出口
は、空気流路の左側壁に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船外機などに搭載
されている直接筒内噴射式2サイクルエンジンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンでは、サイレンサ
ー、スロットルボディおよびリードバルブなどを介して
空気がクランク室内に導入され、このクランク室内の空
気が気筒すなわちシリンダ内に供給されている。そし
て、従来の2サイクルエンジンでは、ガソリンなどの燃
料および潤滑油は、混合された状態で、リードバルブの
上流側において供給されている。この燃料が混合されて
いる潤滑油は、潤滑油単独の場合よりも、粘性が低下し
ており、潤滑油は飛散して潤滑部分に分配され易い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、未燃
焼燃料すなわち炭化水素(HC)の排出量を逓減するた
めに、燃料を直接シリンダ内に噴射することが考えられ
ている。この様に、燃料を直接シリンダ内に噴射する
と、潤滑油は単独で、リードバルブの上流側において供
給されることになり、粘性が大きくなる。その結果、潤
滑油が飛散し難くなって、潤滑部分に円滑に分配され難
くなる。また、潤滑油がリードバルブを通過する際に、
互いに結合して肥大化することがあり、潤滑油の飛散に
バラツキが生じる。
【0004】そこで、図6に図示する直接筒内噴射式2
サイクルエンジンが検討されている。図6は検討されて
いる直接筒内噴射式2サイクルエンジンの平断面図であ
る。なお、図6において、後述する図2に対応する構成
要素には同一符号を付してある。また、左右のシリンダ
11は連通している如く図示されているが、上下に位置
がズレているとともに、その間には略水平な隔壁が設け
られ、遮断されている。この図6の直接筒内噴射式2サ
イクルエンジン9では、潤滑油吐出口としての吐出パイ
プ54はリードバルブ40の下流側に設けられ、潤滑油
が飛散し易くなっている。
【0005】ところで、この吐出パイプ54から吐出さ
れた潤滑油は、クランクシャフト10の回転に伴う空気
流にのって、矢印Cや矢印Dで図示する様に時計方向に
回転しながら、各シリンダ11に供給されており、シリ
ンダ11への経路の途中において、クランクシャフト1
0やクランク室36などに付着する。そして、吐出パイ
プ54はオイルポンプ52側すなわち左側(すなわち左
舷側)に配置されており、左側のシリンダ11への経路
が、右側のシリンダ11への経路よりも長くなってお
り、経路途中においてクランクシャフト10やクランク
室36などに付着した分だけ、シリンダ11への供給量
が減少し、左側のシリンダ11への潤滑油の供給が不足
したり、また、左右の各シリンダ11への潤滑油供給量
がアンバランスとなる。
【0006】また、オイルポンプ52はクランクシャフ
ト10に連動して駆動されているが、オイルポンプ52
と吐出パイプ54とを接続する配管としての供給用ホー
ス56には、取付当初には、潤滑油が充填されていな
い。そのため、エンジン9の最初の稼働時すなわち慣ら
し運転時には、潤滑油が吐出パイプ54から吐出されな
い状態で、数十秒間稼働することになり、エンジンの潤
滑性能が低下する。
【0007】本発明は、以上のような課題を解決するた
めのもので、潤滑油が極力適切な状態でシリンダに供給
される直接筒内噴射式2サイクルエンジンおよびオイル
ポンプ取付方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の直接筒内噴射式
2サイクルエンジン(9)は、燃料が各気筒内に直接噴
射されているとともに、サイレンサー(34)、スロッ
トルボディ(33)およびリードバルブ(40)を介し
て空気がクランク室(36)内に導入されている。そし
て、クランクシャフト(10)は、軸線が略上下方向に
配置され、このクランクシャフトの後方に、各気筒を形
成するシリンダ(11)が左右方向にV字状になるよう
に振り分けて配置されている。一方、クランクシャフト
の前方に、リードバルブが配置され、前記クランク室の
前方を覆うクランクケース(21)には、空気導入部
(31)が形成されている。この空気導入部に、リード
バルブからの空気を導く空気流路(32)が形成されて
おり、この空気導入部の空気流路の側壁(31a,31
b)には、潤滑油吐出口(54)がリードバルブより下
流側に形成されており、左側のシリンダに潤滑油を供給
する前記潤滑油吐出口は、空気流路の右側壁に、一方、
右側のシリンダに潤滑油を供給する前記潤滑油吐出口
は、空気流路の左側壁に配置されている。
【0009】また、本発明のオイルポンプ取付方法は、
潤滑油を吐出して、この潤滑油をクランク室内に供給す
る潤滑油吐出口と、この潤滑油吐出口と配管(56)で
接続されているとともに、クランクシャフトの回転によ
り駆動されるオイルポンプ(52)とを備え、かつ、燃
料が各気筒内に直接噴射されている直接筒内噴射式2サ
イクルエンジンに採用されている。そして、オイルポン
プの取付の際には、前記オイルポンプを前記潤滑油吐出
口と配管で接続し、ついで、クランクシャフト以外の手
段でオイルポンプを回転駆動して配管内に潤滑油を充填
した後に、このオイルポンプをクランクシャフトに連動
させている。
【0010】さらに、本発明の請求項3記載の直接筒内
噴射式2サイクルエンジンは、燃料が各気筒内に直接噴
射されているとともに、サイレンサー、スロットルボデ
ィおよびリードバルブを介して空気がクランク室内に導
入されている。そして、クランク室を覆うクランクケー
スには、空気導入部が形成され、この空気導入部に、リ
ードバルブからの空気を導く空気流路が形成されてい
る。この空気導入部の空気流路の側壁には、潤滑油吐出
口がリードバルブより下流側に形成されており、この潤
滑油吐出口が形成されている空気流路の側壁が、シリン
ダからクランクシャフトの回転方向とは反対側に回って
近い側の側壁である。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明における直接筒内噴
射式2サイクルエンジンの実施の一形態を図1ないし図
4を用いて説明する。図1は本発明における直接筒内噴
射式2サイクルエンジンを搭載している船外機の側面図
である。図2は直接筒内噴射式2サイクルエンジンの平
断面図である。図3はシリンダヘッドを外した状態での
2サイクルエンジンの要部左側面図である。図4はシリ
ンダヘッドを外した状態での2サイクルエンジンの要部
右側面図である。なお、この明細書においては、クラン
クシャフトに対してシリンダ配置側を後側とし、また、
右舷側を右側(図2においては左側)としている。さら
に、図2において、図6と同様に、左右のシリンダ11
は連通している如く図示されているが、上下に位置がズ
レているとともに、その間には略水平な隔壁が設けら
れ、遮断されている。そして、図3において、リンク1
01は後端部のみが図示されている。
【0012】図1において、船外機は、上側から順番に
アッパーカウリング1、ロワーカウリング2、アッパー
ケーシング3およびロワーケーシング4からなるハウジ
ングで覆われている。そして、船外機を小型船舶に装着
するための取り付けブラケット6は、小型船舶のトラン
サム7などに取り付けられて固定されている。この取り
付けブラケット6の後部に、ピボット軸などを介して船
外機本体が回動自在に取り付けられている。アッパーカ
ウリング1およびロワーカウリング2からなるカウリン
グ1,2の内部には、直接筒内噴射式V型6気筒の2サ
イクルエンジン9が配置されている。このエンジン9の
クランクシャフト10の回転は、ドライブシャフト、傘
歯車やプロペラシャフトなどを介して、ロワーケーシン
グ4の後端部に回転自在に設けられているプロペラ12
に伝達されている。
【0013】図2において、エンジン9のクランクシャ
フト10はその軸が略垂直に設けられており、クランク
シャフト10の後方には、左右一対のシリンダ11が左
右方向にV字状になるように振り分けて配置されてい
る。この左右一対のシリンダ11が上下方向に3段設け
られて、シリンダ11は計6気筒配置されている。ま
た、クランクシャフト10には、6個のピストン13が
各々コンロッド14を介して連結されており、このピス
トン13が各シリンダ11の内部に摺動可能に配置され
ている。また、エンジン9のケース17は、前述の6個
のシリンダ11を形成するシリンダブロック20と、シ
リンダブロック20のクランクシャフト10側を覆うク
ランクケース21と、シリンダブロック20の燃焼室1
1a側を覆って閉塞する左右一対のシリンダヘッド22
とからなっている。
【0014】このシリンダヘッド22には、ソレノイド
開閉式のインジェクタ23および点火プラグ24が設け
られている。そして、燃料ポンプが、燃料タンクからガ
ソリンなどの燃料を吸引して加圧し、燃料レール25な
どを介してインジェクタ23に供給している。また、各
シリンダ11には、3個の掃気口26および1個の排気
口27が設けられ、ピストン13が下死点位置(すなわ
ちクランクシャフト10に近い側の死点)から上死点位
置に移動した際には、掃気口26、次いで排気口27の
順番で閉じるように構成されている。逆に、ピストン1
3が上死点位置から下死点位置に移動した際には、排気
口27、次いで掃気口26の順番で開く。
【0015】クランクケース21の前部には、空気導入
部31が前方に膨出して形成され、この空気導入部31
の前側に、スロットルボディ33が接続され、さらにス
ロットルボディ33の前側にサイレンサー34が接続さ
れている。スロットルボディ33には、スロットル弁3
3aが設けられ、このスロットル弁33aの弁軸33b
は、図示しないスロットルワイヤーなどを介してスロッ
トルレバー(図示しない)に連結されて連動している。
そして、スロットルレバーを操作して、スロットル弁3
3aの開度を変更することにより、スロットルボディ3
3を流れる空気の流量が調整されている。
【0016】シリンダブロック20とクランクケース2
1とで覆われているクランク室36は、隔壁で上下に気
筒数の個数すなわち6個に仕切られて、6個のクランク
小室37が形成されている。同様に、空気導入部31も
隔壁で上下に気筒数の個数に仕切られて、6個の空気流
路32が形成され、この空気流路32は、同じ気筒に対
応するクランク小室37とは互いに連通し、他の気筒に
対応するクランク小室37とは遮断されている。そし
て、空気流路32には、各々逆流防止用のリードバルブ
40が設けられている。また、各クランク小室37は、
対応するシリンダ11の掃気口26に、掃気通路38に
より連通している。そして、左側のシリンダ11の各排
気口27は左集合排気通路41に合流し、一方、右側の
シリンダ11の各排気口27は右集合排気通路42に合
流している。シリンダ11内の燃焼ガスは、排気口27
から、左集合排気通路41および右集合排気通路42を
通って、マフラーなどを介してプロペラ12のボス等か
ら船外機外に排出されている。
【0017】また、潤滑油タンク51には、クランクシ
ャフト10の回転により連動して駆動されるメカポンプ
などのオイルポンプ52が吸込用配管50で接続されて
おり、このポンプ52には、気筒の個数である6個の出
口53が形成されている。そして、右側に配置されてい
るシリンダ11に連通している空気流路32においては
左側壁31aの上部に、一方、左側に配置されているシ
リンダ11に連通している空気流路32においては右側
壁31bの上部に、潤滑油吐出口としての吐出パイプ5
4が外側から内側に約10mm突出して設けられてい
る。この吐出パイプ54の先端はリードバルブ40の真
後ろまで延びている。また、吐出パイプ54の外側の端
部は、ポンプ52の出口53に供給用配管としての供給
用ホース56で接続されている。そして、ポンプ52が
稼働すると、潤滑油タンク51の潤滑油は、供給用ホー
ス56を介して、吐出パイプ54から空気流路32内に
吐出されている。なお、図2において、空気導入部31
(空気流路32)の左側壁31aおよび右側壁31bの
両側壁に、吐出パイプ54が分かり易いように図示され
ているが、実際は、各空気流路32においては、左側壁
31aまたは右側壁31bの何れか一方に、設けられて
いる。
【0018】このオイルポンプ52には、吐出流量を変
更するポンプレバー96が設けられている。このポンプ
レバー96の一端部は、連動機構であるリンク101を
介して、スロットルボディ33の弁軸33bの出力レバ
ー33cに連結されており、ポンプレバー96はスロッ
トルボディ33の弁軸33bの回動に連動して回動して
いる。そして、図示しないスロットルレバーを操作する
と、スロットルボディ33の弁軸33bが回動して、ス
ロットル弁33aの開度が変更される(たとえば、大き
くなる)とともに、スロットルボディ33の出力レバー
33cおよびリンク101などを介して、ポンプレバー
96が回動する。そして、ポンプレバー96の回動が大
きくなるにつれて(すなわち、スロットル弁33aの開
度が大きくなるにつれて)、オイルポンプ52のオイル
吐出量が増大する。
【0019】さらに、各シリンダ11の下側の掃気通路
38には、図3および図4に図示する様に、ドレン流入
口61が形成されている。一方、6個のドレン戻り口6
3は、上側から奇数番目の空気流路32においては、空
気導入部31の右側壁31bに形成され、また、上側か
ら偶数番目の空気流路32においては、空気導入部31
の左側壁31aに形成されている。そして、各ドレン戻
り口63は、他のシリンダ11に対応するドレン流入口
61に、図示しない逆流防止弁を介して戻り用ホース6
4で接続されている。
【0020】そして、オイルポンプ52を取り付ける際
には、まず初めに、オイルポンプ52を吸込用配管50
で潤滑油タンク51と、また、供給用ホース56で吐出
パイプ54と接続し、ついで、オイルポンプ52を手で
駆動して、吸込用配管50および供給用ホース56に潤
滑油を充填し、その後、オイルポンプ52をクランクシ
ャフト10と連動する様に取り付けている。したがっ
て、エンジン9の慣らし運転初期から、潤滑油は吐出パ
イプ54から吐出され、クランク室36やシリンダ11
を速やかに潤滑することができる。
【0021】この様に構成されているエンジン9が稼働
すると、サイレンサー34からカウリング1,2内の空
気が吸い込まれ、スロットルボディ33で空気の流量が
調整された後に、リードバルブ40を通って、空気導入
部31の空気流路32に流入する。この空気流路32に
おいて、吐出パイプ54から潤滑油が吐出され、空気の
流れにのってクランク室36のクランク小室37に流入
している。そして、クランク室36内すなわちクランク
小室37内の空気は、掃気通路38を通って、シリンダ
11の燃焼室11aに流入している。この燃焼室11a
には、インジェクタ23から適宜燃料が吐出され、点火
プラグ24により点火されて燃焼している。この燃焼ガ
スすなわち排気ガスは、左集合排気通路41および右集
合排気通路42を通って、前述のように、船外機の外に
排気されている。
【0022】図2に図示するように、クランクシャフト
10は平面図示で時計方向に回転しており、クランク室
36内の空気は、このクランクシャフト10の回転によ
り、クランクシャフト10の回転と同じ方向すなわち時
計方向に回転している。そして、吐出パイプ54から吐
出された潤滑油は、この空気の流れにのって遠くまで飛
散することができる。この飛散した潤滑油は、コンロッ
ド14の連結部分である小端ベアリングや大端ベアリン
グ、また、シリンダ11におけるピストン13の摺動面
などの潤滑対象部品を潤滑することができるとともに、
ピストン13の裏面(すなわち、クランクシャフト10
側の面)などを冷却することができる。
【0023】また、吐出パイプ54の先端は、リードバ
ルブ40に近接しているとともに、リードバルブ40の
真後ろに位置しており、吐出パイプ54から吐出された
潤滑油は、パタパタと作動するリードバルブ40の開閉
動作により分散されている。
【0024】また、各気筒の下側の掃気通路38には、
潤滑油などのドレンが溜まることがある。この掃気通路
38には、ドレン流入口61が設けられており、このド
レン流入口61は戻り用ホース64を介して他の気筒の
ドレン戻り口63に接続されている。したがって、ドレ
ン流入口61の気圧が、他の気筒の空気流路32の気圧
よりも高くなった際に、ドレン流入口61付近に溜まっ
たドレンは、戻り用ホース64を通って、他の気筒のド
レン戻り口63に流入している。この様にして、ドレン
がシリンダ11の燃焼室11aに流入して燃焼すること
を減少させている。なお、ドレン戻り口63からドレン
流入口61に逆流することは、図示しない逆流防止弁で
阻止されている。
【0025】さらに、右側のシリンダ11に連通してい
る空気流路32においては、空気流路32の左側壁31
aに、一方、左側のシリンダ11に連通している空気流
路32においては、空気流路32の右側壁31bに、吐
出パイプ54が設けられており、吐出パイプ54からシ
リンダ11までの潤滑油が流れる経路は、矢印Aや矢印
Bで図示する様に、略同じ距離となる。したがって、各
シリンダ11に供給される潤滑油の量が略同量となっ
て、バランス良く供給される。
【0026】つぎに、直接筒内噴射式2サイクルエンジ
ンの変形例を図5を用いて説明する。この直接筒内噴射
式2サイクルエンジンは、L型エンジン9であり、複数
のシリンダ11が上下方向に互いに重なって配置されて
いる。また、オイルポンプ52は、右側に配置されてい
る。そして、吐出パイプ54は、空気導入部31の空気
流路32の右側壁31bに形成されている。すなわち、
シリンダ11からクランクシャフト10の回転方向とは
反対側に回って近い側の側壁31bに、吐出パイプ54
は取り付けられている。したがって、吐出パイプ54か
ら吐出された潤滑油は、矢印の様に流れ、左側壁31a
に配置された場合に比して経路が短くなる。その結果、
潤滑油をシリンダ11内に比較的多量に供給することが
できる。なお、他の構成は、前述の実施の形態と略同じ
であり、説明を省略する。
【0027】以上、本発明の実施の形態を詳述したが、
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、
特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、
種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を
下記に例示する。 (1)実施の形態においては、エンジン9はV型6気筒
であるが、その気筒数や形式などは適宜変更可能であ
る。 (2)部材の左右の配置関係は、反転させることも可能
である。 (3)実施の形態においては、潤滑油吐出口は、吐出パ
イプ54で構成されているが、必ずしもパイプ状である
必要はなく、空気導入部31の側壁31a,31bに直
接形成することも可能である。ただし、潤滑油吐出口を
パイプ状として、空気導入部31の側壁31a,31b
から空気流路32の内部に突出させると、吐出された潤
滑油が側壁31a,31bに沿って流れることを極力防
止することができる。その結果、潤滑油は効率よく飛散
することができる。また、潤滑油の吐出は、霧状や直線
状の噴射また滴下など適宜選択可能である。さらに、潤
滑油を間欠的または、連続的に吐出することができる。
【0028】(4)実施の形態においては、オイルポン
プ52の取付時に、オイルポンプ52は手で駆動されて
いるが、クランクシャフト10以外の駆動源で駆動する
ことも可能である。 (5)実施の形態においては、空気導入部31はクラン
クケース21と一体に鋳造されているが、空気導入部3
1をクランクケース21とは別体に成形し、その後で溶
接やボルト締めなどで一体に構成することも可能であ
る。 (6)実施の形態においては、潤滑油吐出口としての吐
出パイプ54は、側壁31a,31bの上部に設けられ
ているが、側壁31a,31bにおける配置位置は適宜
変更可能である。たとえば、側壁31a,31bの下部
であることも可能である。ただし、潤滑油は重力で落下
するので、側壁31a,31bの上部であることが好ま
しい。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、燃料が各気筒内に直接
噴射されているので、未燃焼燃料すなわち炭化水素(H
C)の排出量を極力減少させることができる。そして、
潤滑油吐出口は、クランクケースの空気導入部の側壁に
形成されているとともに、リードバルブより下流側に位
置している。したがって、潤滑油吐出口から吐出された
潤滑油は、リードバルブを通過することがなく、リード
バルブによる肥大化を防止することができる。その結
果、潤滑油は偏在しないで広く飛散し、隅々まで供給さ
れることができる。しかも、潤滑油がサイレンサー側に
逆流することは、リードバルブで阻止されており、カウ
リング内に放出されることを防止することができる。し
たがって、比較的少ない潤滑油で、効率よくエンジンを
潤滑することができる。さらに、左側のシリンダに潤滑
油を供給する前記潤滑油吐出口は、空気流路の右側壁
に、一方、右側のシリンダに潤滑油を供給する前記潤滑
油吐出口は、空気流路の左側壁に配置されているので、
シリンダが左側に設けられている場合と、右側に設けら
れている場合とで、潤滑油吐出口からシリンダまでの潤
滑油が流れる経路の距離が略等しくなり、左右のシリン
ダに、潤滑油をバランス良く供給することができる。
【0030】また、オイルポンプの取付の際には、前記
オイルポンプを前記潤滑油吐出口と配管で接続し、つい
で、クランクシャフト以外の手段でオイルポンプを回転
駆動して配管内に潤滑油を充填した後に、このオイルポ
ンプをクランクシャフトに連動させているので、エンジ
ンの慣らし運転の初期においても、潤滑油を速やかに供
給することができる。
【0031】さらに、本発明の請求項3記載の直接筒内
噴射式2サイクルエンジンでは、潤滑油吐出口が形成さ
れている空気流路の側壁が、シリンダからクランクシャ
フトの回転方向とは反対側に回って近い側の側壁である
ので、反対側の側壁に配置した場合に比して、潤滑油の
流れる経路が短くなり、シリンダ内に比較的多量の潤滑
油を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明における直接筒内噴射式2サイク
ルエンジンを搭載している船外機の側面図である。
【図2】図2は直接筒内噴射式2サイクルエンジンの平
断面図である。
【図3】図3はシリンダヘッドを外した状態での2サイ
クルエンジンの要部左側面図である。
【図4】図4はシリンダヘッドを外した状態での2サイ
クルエンジンの要部右側面図である。
【図5】図5は直接筒内噴射式2サイクルエンジンの変
形例の平断面図である。
【図6】図6は検討されている直接筒内噴射式2サイク
ルエンジンの平断面図である。
【符号の説明】
9 エンジン 10 クランクシャフト 11 シリンダ 21 クランクケース 31 空気導入部 31a 空気導入部(空気流路)の左側壁 31b 空気導入部(空気流路)の右側壁 32 空気流路 33 スロットルボディ 34 サイレンサー 36 クランク室 40 リードバルブ 52 オイルポンプ 54 吐出パイプ(潤滑油吐出口) 56 供給用ホース(配管)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平岡 徳由 静岡県浜松市新橋町1400番地 三信工業株 式会社内 Fターム(参考) 3G013 AA03 AA09 AA12 AB01 BA02 BA04 BB04 BB08 BB16 BB32 BC02 BC03 BC04 BD02 BD12 CA01 CA06 EA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料が各気筒内に直接噴射されていると
    ともに、サイレンサー、スロットルボディおよびリード
    バルブを介して空気がクランク室内に導入されている直
    接筒内噴射式2サイクルエンジンにおいて、 クランクシャフトは、軸線が略上下方向に配置され、 このクランクシャフトの後方に、各気筒を形成するシリ
    ンダが左右方向にV字状になるように振り分けて配置さ
    れ、 一方、クランクシャフトの前方に、リードバルブが配置
    され、 前記クランク室の前方を覆うクランクケースには、空気
    導入部が形成され、 この空気導入部に、リードバルブからの空気を導く空気
    流路が形成されており、 この空気導入部の空気流路の側壁には、潤滑油吐出口が
    リードバルブより下流側に形成されており、 左側のシリンダに潤滑油を供給する前記潤滑油吐出口
    は、空気流路の右側壁に、一方、右側のシリンダに潤滑
    油を供給する前記潤滑油吐出口は、空気流路の左側壁に
    配置されていることを特徴とする直接筒内噴射式2サイ
    クルエンジン。
  2. 【請求項2】 潤滑油を吐出して、この潤滑油をクラン
    ク室内に供給する潤滑油吐出口と、 この潤滑油吐出口と配管で接続されているとともに、ク
    ランクシャフトの回転により駆動されるオイルポンプと
    を備え、かつ、燃料が各気筒内に直接噴射されている直
    接筒内噴射式2サイクルエンジンにおけるオイルポンプ
    取付方法において、 前記オイルポンプを前記潤滑油吐出口と配管で接続し、
    ついで、クランクシャフト以外の手段でオイルポンプを
    回転駆動して配管内に潤滑油を充填した後に、このオイ
    ルポンプをクランクシャフトに連動させていることを特
    徴とする直接筒内噴射式2サイクルエンジンにおけるオ
    イルポンプ取付方法。
  3. 【請求項3】 燃料が各気筒内に直接噴射されていると
    ともに、サイレンサー、スロットルボディおよびリード
    バルブを介して空気がクランク室内に導入されている直
    接筒内噴射式2サイクルエンジンにおいて、 前記クランク室を覆うクランクケースには、空気導入部
    が形成され、 この空気導入部に、リードバルブからの空気を導く空気
    流路が形成されており、 この空気導入部の空気流路の側壁には、潤滑油吐出口が
    リードバルブより下流側に形成されており、 この潤滑油吐出口が形成されている空気流路の側壁が、
    シリンダからクランクシャフトの回転方向とは反対側に
    回って近い側の側壁であることを特徴とする直接筒内噴
    射式2サイクルエンジン。
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