JP2000328273A - 変動条件下で電気化学的防食を行う方法 - Google Patents

変動条件下で電気化学的防食を行う方法

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JP2000328273A
JP2000328273A JP11205602A JP20560299A JP2000328273A JP 2000328273 A JP2000328273 A JP 2000328273A JP 11205602 A JP11205602 A JP 11205602A JP 20560299 A JP20560299 A JP 20560299A JP 2000328273 A JP2000328273 A JP 2000328273A
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ラウリア ティモ
Martti Pulliainen
プリアイネン マルティ
Ari Paunonen
パウノネン アリ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変動する腐食条件に防食操作が自動的に遅延
なく適用される方法を与える。 【解決手段】 少なくとも一つの検出装置14を、防食
されている対象11中に存在する電解質15と接触させ
て配置し、前記検出装置を前記防食されている対象から
電気的に絶縁し、前記電解質の電気化学的性質又は腐食
反応速度に影響を与える前記電解質の性質を、前記電解
質が腐食に関して有意な変化を起こすのにかかる時間よ
りも短い時間間隔で前記検出装置14により測定し、前
記検出装置14の測定結果を、測定及びデータ処理装置
17へ送り、前記測定結果に基づいて新しい最適電位B
を決定し、次いで防食のため電源12から供給される電
流又は電圧を、前記新たな最適電位Bが達成されるよう
に変化させる、ことを特徴とする防食方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変動する条件下で
電気化学的防食(prevention of corrosion,腐食防
止)を与える方法に関する。
【0002】本方法は、カソード防食装置とアノード防
食装置の両方を与えるのに用いることができる。
【0003】
【従来の技術】電気化学的防食とは、防食される金属表
面の電気化学的表面電位を、その表面に電流を流すこと
により有利な方向に変化、即ち、分極させる方法を指
す。電流は、防食される対象に電池的に接続された一層
卑である電極、即ち、犠牲電極から流すか、又は別法と
して、別の電極を通って供給された外部直流電源から流
すことができる。
【0004】電気化学的表面電位は、防食すべき表面に
近く、その表面から電池的に絶縁されて配置された照合
電極(reference electrode,参照電極)により測定す
る。多くの種類の照合電極が知られており、それらの有
用性は主たる電解質の化学的及び物理的な性質に依存す
る。有用な照合電極の特性は、作動条件で比較的一定に
留まっている特定の電位にある。
【0005】電気化学的防食に関し有利な分極方向は、
最高に緻密な酸化物層の電位範囲、又は別法として、防
食される金属の非腐食範囲、即ち、金属原子が熱力学的
に安定で、従って腐食しない電位範囲内で求めることが
できる。
【0006】例えば、土壌又は海水中の炭素鋼の防食の
ような最も一般的に知られている状態で、防食電位は周
知であり、一定である。相対的に安定な腐食条件では、
酸化物層の分極曲線、定電位重量損失試験、又は抵抗測
定のような既知の腐食試験法を用いて最適防食電位を決
定することができる。
【0007】犠牲アノードを用いることにより、それら
アノードの数及び位置を変えることによってのみ防食対
象の電位が、影響を受けるようにすることができる。外
部電源により達成される定電位防食装置では、対象の電
位を測定し、電源から供給させる電流を自動的に変化す
ることにより、予め選択した目的電位に出来るだけ近く
維持するように探求されている。
【0008】定電位防食法は周知であり、種々のその適
用法が、例えば米国特許第4,528,460号及び第
4,713,158号明細書に記載されている。米国特
許第4,713,158号による防食方法では、電位は
予め定められた範囲内で変動させることができる。
【0009】条件が時間の関数として明確に変化する方
法では、定電位法を適用すると危険を伴う。例えば、p
H、攻撃的イオンの割合、又は温度のような腐食反応に
影響を与える或る化学的又は物理的変数がかなり変化す
るならば、全工程期間に亙って最適防食電位が存在しな
い状態がもたらされることがある。
【0010】更に、防食が絶対的電位値に基づかず、例
えば、実現された分極に基づくような環境では、定電位
法は可能な最良の仕方で機能させることができない。
【0011】特に保護性酸化物層の形成に基づく腐食抵
抗を有する金属に関連して、防食電位は環境因子により
大きく影響を受ける。更に、腐食抵抗の限界に到達した
金属の防食電位の最適範囲は一般に非常に小さく、従っ
て、誤差の余裕は殆どない。
【0012】最近の定電位防食装置では、全て防食電位
を自由に決定することができるが、オペレータは変化を
決定し、それを達成するのに活性部分を利用することが
常に必要となる。それらの変化が速いと、防食の制御に
は余りにも多くの作動時間がかかり、従って殆ど不可能
になる。もし変化が不規則でたまにしか起きないなら
ば、それらを検出できない危険は増大する。更に、工場
及びプラントを操作する人が、必要な測定を遂行し、変
化の必要性についての必要な結論を引き出す充分な技術
を持ち合わせているとは限らない。
【0013】制御するのが困難か又は慣用的定電位防食
によっては制御できない条件は、化学工場の殆ど全ての
バッチ法に含まれている。バッチ法では、それら条件の
変化は時間に依存するか、又は別法としてその変化は、
温度又は化学的物質の供給開始のような或る工程の量に
よって引き起こされる。連続的方法では、問題を起こす
不連続性には、例えば、製造されつつある生成物の種類
の変動が含まれる。その場合の変化は、原料の供給源の
変動によって引き起こされる。絶対的電位値の代わり
に、電位に起きる変動の大きさが一般に防食のための基
準として用いられているような、補強鋼のカソード防食
を制御することも定電位法では困難である。
【0014】腐食試験法が激しい腐食の発生を監視する
ことができる可能性を与え、最適防食電位を短時間で決
定することができることは確かである。しかし、それら
試験は、定電位防食の決定に関連した瞬間的仕事で、工
程から採取された試料について実験室で行われている仕
事であるのが典型的である。その工程環境中で直接行わ
れている型の監視方法である連続的腐食試験は、一般的
でないことは明らかであり、今までの所それに対する必
要性さえ存在していなかった。なぜなら、安定な環境で
は、限定された試料採取速度でその環境についての見解
を得るのに充分だからである。しかし、リアルタイムで
腐食反応に影響を与える多くの工程変量を測定すること
は既に可能である。
【0015】換言すれば、現在の技術状態に関連して、
遥かに進歩した定電位防食装置は安定した条件では非常
に良く作動するが、変化する条件下ではそれら変化に自
動的に適合する方法及び装置は存在していないことに注
意しなければならない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、変動
する腐食条件に防食操作が自動的に遅滞なく適用される
方法を与えることである。本発明の更に特別な目的は、
工程変量の測定データと、その方法自身によって生じた
腐食測定データの両方を利用することができ、どの与え
られた時間でもその時に起きている条件に対し最適防食
電位を達成するようなやり方で外部電源から与えられた
電流又は電圧供給を防食へ変化することができる方法を
与えることである。本発明の一層広い目的は、その工程
から測定され、腐食に基づいて処理されたデータを、工
程の腐食の激しさが減少するように直接又は間接的にそ
の工程を制御するため利用することができようにするこ
とである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、(a) 少
なくとも一つの検出装置を、防食されている対象中に存
在する電解質と接触させて配置し、前記検出装置を前記
防食されている対象から電気的に絶縁し、(b) 前記電解
質の電気化学的性質又は腐食反応の速度に影響を与える
前記電解質の性質を、前記電解質が腐食に関して有意な
変化を起こすのにかかる時間よりも短い時間間隔で前記
検出装置により測定し、(c) 前記検出装置の測定結果
を、測定及びデータ処理の装置へ送り、前記測定結果に
基づいて新しい最適電位を決定し、次いで(d) 防食のた
め電源から供給される電流又は電圧を、前記新たな最適
電位が達成されるように変化させる、ことを特徴とする
方法により達成される。
【0018】本発明による方法では、発明者は、腐食反
応速度に影響を与える量を測定する一般に知られた電気
化学的方法及び他の方法を、外部電源により達成される
腐食防止のための最適電位を決定するために、操作中、
最適電位を連続的に再決定し、それによって変動する腐
食条件に自動的に適合させることが可能になるようなや
り方で適用することができることを見出した。その場合
には、電位変動(potentiodynamic)防食と言うことが
できる。連続する処理が、それらの腐食条件が変化しな
いまま繰り返される場合には、前に行なった測定による
データを、新しい最適電位を決定するのに用いてもよ
い。
【0019】本発明による方法では、腐食条件が変化す
る場合、防食制御装置(corrosionprevention control
system)が防食のための最適電位を再決定し、変化させ
る。最適電位は、例えば、分極曲線の形状、線状分極抵
抗、又はCER(接触電気抵抗、Contact Electric Res
istance)のような電気化学的腐食検査方法により決定
するのが好ましい。補強鋼の防食では、最適電位を再決
定するのに、復極(depolarization,減極,消極)試験
を用いるのが好ましく、その場合鋼に生じた分極は、或
る与えられた時間防食電流を切り、復極を測定し、その
復極から電場により生ずる電圧降下(IR低下)及び電
解質の比抵抗を除くことにより測定される。本発明によ
る最適電位の決定は、上述の方法に限定されるものでは
なく、全ての電気化学的腐食速度の測定を本発明の目的
のため利用することができる。腐食条件が、例えば、p
H、温度、又は或る電解質成分の濃度のような明確に測
定できる与えられた工程変量(単数又は複数)と明確な
相間関係を有する場合、その工程変量の測定を、最適電
位の変化を制御するのに用いることができる。従って、
本発明に従った操作中、防食のための最適電位の自動的
変化は、その操作中、必ずしも電気化学的腐食測定を必
要とするものではない。
【0020】操作中、最適電位を決定する目的で、少な
くとも一つの検出器、好ましくは幾つかの検出器を、防
食すべき対象に取付け、それら検出器が、防食されてい
る対象中に存在する電解質と接触しているようにする。
防食されている対象からそれら検出器を電気的に絶縁
し、それらが電解質の化学的及び物理的状態に耐えられ
るように設計する。測定電気装置及びデータ処理装置
は、検出装置と接続して配置し、或は幾つかの検出装置
を用いた場合には中心に配置し、一つのデータ処理装置
が幾つかの検出装置を作動させるようにすることができ
る。
【0021】最適電位の決定は、選択可能な予め設定さ
れた与えられた時間間隔で行われるか、又は既知のやり
方で腐食条件に影響を及ぼす与えられた工程変量が変化
した時に、その決定を開始することができる。連続する
処理が、それらの腐食条件が変化しないまま繰り返され
る場合には、前に決定した最適電位を用いてもよい。前
記最適電位値は、工程中、又は実験室で周期的腐食試験
により決定してもよい。
【0022】本発明による方法は、外部電源により達成
される全ての防食装置を制御するのに適しており、防食
すべき対象の環境の腐食条件がかなり変化する場合、最
も有利である。
【0023】本発明を、図面に示した本発明の有利な態
様を参照して詳細に記述するが、本発明は、それら態様
に排他的に限定されるものではない。
【0024】
【発明の実施の形態】図1から、変化する工程条件によ
りどのように分極曲線が変化するかが分かる。時間0の
点では、pH及びCl- 含有量は図1に示すレベルにあ
る。時間t1の点では、Cl- 含有量が低下し、時間t
2 の点ではpHが低下し、時間t3 の点ではCl- 含有
量が上昇し、時間t4 の点では、Cl- 含有量が再び低
下する。時間t2 の点から始まってpHは一定のままで
ある。
【0025】時間0〜t1 では、最適電位Bの値は、図
1の左側に示したレベルにあることが図1から分かる。
それに相当したやり方で、分極曲線の点Aは、最大腐食
速度を有する点、即ち電流Icorrは最大値にある。電位
が分極曲線上の点Cを超えると金属は孔食を受け易くな
る。図1から、どのように分極曲線が変化するかが分か
り、最適電位はB、最大腐食速度を表す点A、孔食開始
を表す点Cは、工程条件pH、Cl- が変化すると共に
変化する。図1から、例えば、時間間隔t2 〜t3 で有
用な最適電位が、条件が変化した場合、時間間隔t3
4 で孔食を起こすことも分かる。
【0026】図2に、本発明による測定装置が全体的に
参照番号10で示されている。測定装置10は、直流電
源12、電流供給電極13、測定検出器14、及び測定
及びデータ処理の装置17を有する。防食すべき対象
は、この態様では処理液体15の入った容器であるが、
参照番号11で示されている。図2に示した態様では、
測定装置10は、更に測定検出器16を有し、それは、
例えば、pH、温度T、濃度C等のいかなる工程変量
(単数又は複数)を測定してもよい。このように、測定
装置16は、処理液体15の化学的及び物理的性質を測
定する。
【0027】本発明による方法では、検出装置14は、
防食される対象11中に存在する電解質15と接触させ
て配置し、検出装置14が処理装置から電気的に絶縁さ
れているようにする。検出装置14は、電解質の電気化
学的性質又は腐食反応速度に影響を与えるその性質を、
腐食に関して電解質がかなり変化するのにかかる時間よ
りも短い時間間隔で測定する働きをする。検出器14
は、防食対象11の電気化学的電位も測定する。検出装
置14の測定結果を、測定及びデータ処理装置17へ送
り、それら測定結果に基づいて新しい最適電位Bを決定
する。測定及びデータ処理装置17は、電源12に制御
信号を送り、その電源から供給される電流又は電圧を変
化し、新しい最適電位Bが達成されるようにする。更
に、もし必要ならば、測定検出器16の測定結果を、測
定及びデータ処理装置17へ送る。
【0028】本発明は、電気化学的防食のための目的電
位を、腐食条件が変化した場合、又は防食のための判定
基準の実現がそのように必要になった場合、自動的に変
化できるようにしている。本発明による方法は、カソー
ド防食装置とアノード防食装置の両方を与えるのに用い
ることができる。本発明は、工程中に測定され、腐食に
基づいて処理されたデータを、その工程の腐食の激しさ
が減少するようにその工程を制御するのに直接又は間接
的に利用することができるようにもしている。
【0029】図2に示した態様は、カソード防食を例示
している。もし図2に示した態様の+端子及び−端子を
互いに交換すれば、問題の防食はアノード防食になる。
【0030】上で本発明の一つの有利な態様だけを記述
してきたが、当業者には特許請求の範囲で述べた発明の
概念内で数多くの修正を行えることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】工程変量の量がpH及びCl- 含有量である場
合の、条件の変化に対する分極曲線の例を示すグラフで
ある。
【図2】本発明による方法で用いられる測定装置の有利
な態様の概略的図面である。
【符号の説明】
10 測定装置 11 容器 12 電源 14 検出装置 15 電解質 16 測定検出器 17 測定及びデータ処理の装置 A 最大腐食速度 B 最適電位 C 孔食開始点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アリ パウノネン フィンランド国,ミッケリ,コトカンカツ 5 Fターム(参考) 4K060 AA03 CA04 CA12 CA15 EB01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変動する条件下で電気化学的防食を行う
    方法において、 (a) 少なくとも一つの検出装置14を、防食されている
    対象11中に存在する電解質15と接触させて配置し、
    前記検出装置を前記防食されている対象から電気的に絶
    縁し、 (b) 前記電解質の電気化学的性質又は腐食反応速度に影
    響を及ぼす前記電解質の性質を、前記電解質が腐食に関
    して有意な変化を起こすのにかかる時間よりも短い時間
    間隔で前記検出装置14により測定し、 (c) 前記検出装置14の測定結果を、測定及びデータ処
    理の装置17へ送り、前記測定結果に基づいて新しい最
    適電位Bを決定し、次いで (d) 防食のため電源12から供給される電流又は電圧
    を、前記新たな最適電位Bが達成されるように変化させ
    る、ことを特徴とする、上記防食方法。
  2. 【請求項2】 同じ長さの周期で繰り返される工程にお
    いて、その工程のシーケンスの長さを測定し、次いで前
    記シーケンスに従って最適電位Bを新たに決定する時間
    を定める、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 等しくない長さの周期で繰り返される工
    程において、変化に影響を及ぼす工程変量を決定し、次
    いで前記工程変量の変化により最適電位Bの新たな決定
    を始動する、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 新たな最適電位Bは、前に行なった測定
    から保存されたデータを用いて決定する、請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 最適電位Bは分極曲線により決定する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 最適電位Bは線形分極抵抗により決定す
    る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 最適電位Bは、接触電気抵抗体の酸化物
    層のオーム抵抗により決定する、請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 最適電位Bは、腐食速度の電気化学的測
    定により決定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 最適電位Bは、補強鋼を防食するための
    基準の遂行状態を測定する方法により決定する、請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 少なくともpH、温度T、濃度Cから
    選択した少なくとも一つの工程変数の測定を用いて、最
    適電位Bの変化を制御する、請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 工程から測定され且つ腐食に基づいて
    処理されたデータを、その工程を制御するために直接又
    は間接的に用いる、請求項1〜10のいずれか1項に記
    載の方法。
JP11205602A 1999-05-17 1999-07-21 変動条件下で電気化学的防食を行う方法 Pending JP2000328273A (ja)

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CA (1) CA2372920A1 (ja)
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