JP2000325060A - 噴霧用殺菌剤 - Google Patents

噴霧用殺菌剤

Info

Publication number
JP2000325060A
JP2000325060A JP11142104A JP14210499A JP2000325060A JP 2000325060 A JP2000325060 A JP 2000325060A JP 11142104 A JP11142104 A JP 11142104A JP 14210499 A JP14210499 A JP 14210499A JP 2000325060 A JP2000325060 A JP 2000325060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spraying
emulsifier
microbicidal
fatty acid
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11142104A
Other languages
English (en)
Inventor
Daiyu Kawakami
大雄 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawakami Ltd
Original Assignee
Kawakami Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawakami Ltd filed Critical Kawakami Ltd
Priority to JP11142104A priority Critical patent/JP2000325060A/ja
Publication of JP2000325060A publication Critical patent/JP2000325060A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌性のグレープフルーツ種子抽出物を有効
成分として含有する食品用の噴霧用殺菌剤が、低濃度の
有効成分量で確実に殺菌性を発揮できるようにすること
である。 【解決手段】 シトラス パラデシィ(Citrus Paradis
i)の種子から水またはアルコールを抽出溶媒として抽出
された比重1.2(20℃)の液を原液とし、これを希
釈して有効成分量を含有し、グリセリン脂肪酸エステル
などの乳化剤および乳酸やクエン酸ナトリウムなどのp
H調整剤を必須成分としてpH6以下、好ましくはpH
3.0〜5.0に調整された噴霧用殺菌剤とする。pH
6以下の酸性域で、殺菌成分と乳化剤との相乗効果が発
揮されて殺菌性が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、食中毒菌などを
殺菌するために食品や調理器具に噴霧して用いる噴霧用
殺菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】植物由来の天然保存料または殺菌剤の有
効成分として、シトラス パラデシィ(Citrus Paradis
i)の種子から水またはアルコールを抽出溶媒として抽出
された成分(液体)が知られている。
【0003】この殺菌有効成分は、わが国ではグレープ
フルーツと呼ばれる果物(柑橘類)の種子を破砕し、加
熱蒸留法、加水分解法、溶媒抽出法、圧搾法によって抽
出されたものである。そして、このような制菌性の抽出
液を水で300倍に希釈し、さらにこれを30〜300
0倍に希釈したものは、食品加工場や厨房などで制菌性
のあるスプレーとして使用できることが、特開平6−4
0834号公報に記載されている。
【0004】また、特公平7−8197号公報には、豚
肉、牛肉、鶏肉などの食肉に噴霧して使用できる天然保
存料として、シトラス パラデシィ(Citrus Paradisi)
の種子の粉砕部から抽出した液をグリセリンと1:1に
混合し、この混合液を300〜1000倍に希釈して使
用することが記載されている。
【0005】また、特開平5−56773号公報には、
柑橘類の種子から水やアルコールで抽出された物とグリ
セリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステルのような乳化剤を混合し、これを食品に塗布、浸
漬、噴霧して用いる殺菌剤が記載されている。
【0006】このように殺菌成分を含むグレープフルー
ツ種子抽出物(原液)は、グリセリンと1:1で混合し
た状態でpH2.5〜3程度の酸性を示すものであり、
高粘性粒体である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の食品用殺菌剤は、噴霧可能である低粘度の液体となる
ように希釈すると、pH7前後の中性になり、即効性を
要求される噴霧用殺菌剤としての機能が充分に発揮され
ていないという問題点がある。
【0008】また、グレープフルーツ種子抽出物が低粘
性の流体になるまで希釈するには、乳化剤(分散剤)を
配合する場合が多いが、pH7前後の中性域で有効成分
が低濃度になると多種の菌(特にサルモネラ属の菌類)
に対して確実な殺菌効果が得られなかった。
【0009】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、殺菌性のグレープフルーツ種子抽出物を
有効成分として含有する食品用の噴霧用殺菌剤が、低濃
度の有効成分量で確実に殺菌性を発揮できるようにする
ことを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、シトラス パラデシィ(Citr
us Paradisi)の種子から水またはアルコールを抽出溶媒
として抽出された液を有効成分として含有し、乳化剤お
よびpH調整剤を必須成分としてpH6以下に調整した
噴霧用殺菌剤としたのである。
【0011】上記の噴霧用殺菌剤において、比重1.2
(20℃)の種子抽出液の含有量が0.01〜10重量
%であることが好ましい。
【0012】上記したように構成されたこの発明の噴霧
用殺菌剤は、空中に噴霧された際に霧状に微細な液滴と
なって飛散可能であるように希釈されており、低粘性の
液状物であるが、pH6以下に調整されていることによ
り、シトラス パラデシィの種子由来の殺菌成分が効率
良く作用し、種々の食中毒性菌類に対して確実に殺菌性
を発揮できるようになる。
【0013】また、上記の噴霧用殺菌剤において、乳化
剤がグリセリン脂肪酸エステルである場合には、その配
合割合を0.05〜0.4重量%とすることにより、p
H6以下の条件でシトラス パラデシィの種子由来の殺
菌成分が、多種類の食中毒菌に対して顕著な殺菌性を示
す。このことから、pH6以下の酸性域でこのような乳
化剤との相乗効果が発揮されて殺菌性が高まっていると
考えられる。
【0014】また、上記の噴霧用殺菌剤において、乳化
剤とシトラス パラデシィの種子由来の殺菌成分とが、
相乗的に作用するpH域として、より好ましい条件はp
H3.0〜5.0である。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明に用いるシトラス パラ
デシィ(Citrus Paradisi)の種子から得られた殺菌性の
液は、この種の柑橘類の種子を破砕し、加熱蒸留法、加
水分解法、溶媒抽出法、圧搾法によって抽出されたもの
である。このような液体は、特開平6−40834号公
報などに記載されているように周知なものであり、その
成分は脂質、糖質、蛋白質、水分からなり、人体に有害
な砒素、鉛、カドミウムなどの成分は全く含まれていな
いことが確認されたものである。因みに、シトラス パ
ラデシィ(Citrus Paradisi)は、我が国では、通称、グ
レープフルーツと称され、米国や英国ではポメロ(Pome
lo)と称される食用柑橘類である。
【0016】このようなシトラス パラデシィの種子由
来の殺菌性の液が、例えばグリセリンとの1:1(重量
比)混合液として得られた場合の物性を示せば、以下の
通りである。 粘度:134(cSt) pH:2.5〜3 比重(25℃):1.110。
【0017】この発明に用いる乳化剤としては、食品衛
生上の観点から使用可能な乳化剤(分散剤と呼ばれるも
のを含む。)を使用可能であり、わが国の食品衛生法で
認められている食品用乳化剤として、グリセリン脂肪酸
エステル類(脂肪酸モノグリセリド類など)、ソルビタ
ン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、その他
の非イオン界面活性剤などが挙げられる。
【0018】上記したグリセリン脂肪酸エステル類は、
植物油脂から調製できるものであり、例えばパーム油や
ヤシ油などの植物油脂から脂肪酸または油脂を取り出
し、この脂肪酸にグリセリンを作用させるか、または油
脂とグリセリンを反応させる方法により生成した(モノ
・ジ・トリ)グリセリドの混合物を分子蒸留法によって
蒸留して得られる含有量90%以上のものを使用でき
る。
【0019】上記したソルビタン脂肪酸エステル類とし
ては、ソルビタンモノオレイン酸エステル、ソルビタン
モノラウリン酸エステルなどが挙げられる。
【0020】また、上記したショ糖脂肪酸エステルの脂
肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸などが挙げ
られる。
【0021】この発明に用いるpH調整剤の具体例とし
ては、後述の実施例で示すように、乳酸と、クエン酸ナ
トリウムを併用した緩衝液を使用して好ましい結果を得
ているが、一般にリン酸、酢酸などの弱酸と、その塩の
混合溶液であって、pHを6以下の酸性側に水素イオン
濃度を維持する作用がある周知の緩衝液であれば、上記
具体例以外のものでも採用することができる。
【0022】pH調整剤となる弱酸と、その塩の具体例
としては、酢酸と酢酸ナトリウム、クエン酸とリン酸水
素二ナトリウムなどが挙げられる。
【0023】以上のような材料を配合して調製されたこ
の発明の食品殺菌用の噴霧用殺菌剤の組成としては、以
下の例が挙げられる。 グリセリン脂肪酸エステル 0.20 重量% グレープフルーツ種子抽出物 0.10 重量% クエン酸三ナトリウム 0.10 重量% 乳酸 0.05 重量% アルコール 0.90 重量% 蒸留水 98.65 重量%
【0024】
【実施例と比較例】〔実施例1〜4、比較例1〕シトラ
ス パラデシィ(Citrus Paradisi)の種子を粉砕しエチ
ルアルコールで抽出された比重1.2(20℃)の種子
抽出液を0.063重量%と、乳化剤としてパーム油か
ら得られたグリセリン脂肪酸エステル0.25重量%
と、乳酸0.08重量%をベースとしてクエン酸三ナト
リウムの添加量を調節して調製されたpH調整剤(緩衝
液)を含有し、残部を蒸留水とした混合液を調製した。
【0025】得られた混合液は、pH3.0のものを実
施例1、pH4.0のものを実施例2、pH5.0のも
のを実施例3、pH6.0のものを実施例4とし、pH
7.0のものを比較例1とし、K−S変法によりそれぞ
れ殺菌効果を判定し、結果を表1に示した。
【0026】因みに、上記のK−S変法は、有機物質の
共存下における消毒薬の殺菌効果判定法として知られて
いるkelsey-Sykes法(The pharmaceutical journal、19
74年11月30日発行、第528 〜530 頁) の藤本変法(「防
菌防黴」、技報堂出版、第683 〜684 頁)を準拠し、さ
らに作用温度20℃、前培養:TSB培地、標準硬水3
42ppm、汚染区として滅菌乾燥酵母(2.0%)を
使用し、反応槽として恒温水槽を使用する試験条件を採
用し、食中毒菌濃度は全て105 オーダーに調整した。
なお、表中の○印は、殺菌効果のある場合を示し、×印
は殺菌効果がない場合を示している。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果からも明らかなように、実施例
および比較例の噴霧用殺菌剤は、サルモネラ菌以外の主
要な食中毒菌に対して、pH7.0において殺菌効果が
確認されたが、サルモネラ菌に対しては、確実に殺菌で
きなかった。
【0029】これに対して、pHが6以下に調整された
実施例1〜4の噴霧用殺菌剤は、グレープフルーツ種子
抽出液が0.063重量%という比較例1と同じ濃度の
ものでありながら、サルモネラ菌を含む全ての食中毒菌
に対して充分な殺菌効果を示した。
【0030】なお、表1には、主な食中毒菌類の結果を
示したが、表1中のサルモネラ属11株を除いて、腸管
病原性菌株:15株、シゲラ(Shigella)属:8株、バチ
ルスセレウス(Bacillus cereus):1株、スタフィロコ
ッカス オレウス(Staphylococcus aureus):2株、ビ
ブリオ(Vibrio)属:5株、アエロモナス(Aeromonas)
属:2株、プレシオモナス(Plesiomonas) 属:1株、ク
ロストリディウム(Clostoridium)属:5株についての
結果は、全ての実施例の噴霧用殺菌剤について殺菌効果
があるとの結果が得られた。
【0031】次に、参考例として、pH調整剤を配合せ
ずにpH7の状態にある噴霧用殺菌剤について、さらに
グレープフルーツ(C.パラテシィ)種子抽出液の濃度
を変えて乳化剤を配合しない場合、または乳化剤(モノ
グリセリン脂肪酸エステル)を配合した場合について、
それぞれ前記同様の抗菌効果判定試験を行ない、これら
の結果を表2に示した。
【0032】表2中には殺菌効果が確認された成分の最
小濃度を記号で示したが、その濃度は以下の通りであ
る。
【0033】A:0.004重量%、B:0.008重
量%、C:0.063重量%、D:0.125重量%、
E:0.25重量%、F:0.5重量%、×:0.5重
量%を越える(効果なし)。
【0034】
【表2】
【0035】表2の結果からも明らかなように、pH7
の中性域の状態ではC.パラテシィ種子抽出液の濃度お
よび乳化剤(モノグリセリン脂肪酸エステル)の濃度が
いずれも0.5重量%という高い濃度であっても、両成
分の相乗効果はなく、主要な食中毒菌に対して確実な殺
菌効果が得られないことがわかる。
【0036】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、シト
ラス パラデシィ(Citrus Paradisi)の種子から水また
はアルコールを抽出溶媒として抽出された液を有効成分
として含有し、乳化剤およびpH調整剤を必須成分とし
てpH6以下、好ましくはpH3.0〜5.0に調整し
た噴霧用殺菌剤としたので、殺菌性のグレープフルーツ
種子抽出物を有効成分として含有する食品用の噴霧用殺
菌剤が、低濃度の有効成分量で確実に殺菌性を発揮でき
るという利点がある。
【0037】また、乳化剤がグリセリン脂肪酸エステル
である場合には、その配合割合を0.05〜0.4重量
%とすることにより、乳化剤と殺菌成分とが相乗的に作
用してより確実な殺菌性が発揮される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シトラス パラデシィ(Citrus Paradis
    i)の種子から水またはアルコールを抽出溶媒として抽出
    された液を有効成分として含有し、乳化剤およびpH調
    整剤を必須成分としてpH6以下に調整されてなる噴霧
    用殺菌剤。
  2. 【請求項2】 比重1.2(20℃)の種子抽出液の含
    有量が0.01〜10重量%である請求項1記載の噴霧
    用殺菌剤。
  3. 【請求項3】 乳化剤がグリセリン脂肪酸エステルであ
    り、その配合割合が0.05〜0.4重量%である請求
    項1または2に記載の噴霧用殺菌剤。
  4. 【請求項4】 調整されたpH値が、3.0〜5.0で
    ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の噴霧用殺菌
    剤。
JP11142104A 1999-05-21 1999-05-21 噴霧用殺菌剤 Pending JP2000325060A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11142104A JP2000325060A (ja) 1999-05-21 1999-05-21 噴霧用殺菌剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11142104A JP2000325060A (ja) 1999-05-21 1999-05-21 噴霧用殺菌剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000325060A true JP2000325060A (ja) 2000-11-28

Family

ID=15307532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11142104A Pending JP2000325060A (ja) 1999-05-21 1999-05-21 噴霧用殺菌剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000325060A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012161310A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Kajita Atsumi 食中毒を減少させるための溶液及びシステム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012161310A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Kajita Atsumi 食中毒を減少させるための溶液及びシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1406494B1 (en) Bactericidal composition comprising polylysin and plant natural oils
US8318231B2 (en) Oxidation method and compositions therefor
US11717533B2 (en) Zinc composition and their use in anti-microbial applications
CN101233852B (zh) 脂肪酸组合物
KR20060095756A (ko) 항균 조성물 및 방법
EP2047749A2 (en) Compositions of natural origin for treating physiopathies and diseases caused by postharvest fruit and vegetable pathogens and their method of application
CN110236070A (zh) 一种纯精油抗菌乳液、制备方法及其应用
EP0783245A1 (en) Disinfectant compositions
WO2019143882A1 (en) No rinse, single step cleaner disinfectant
KR101976709B1 (ko) 사과산, 구연산 및 피트산을 함유하는 항균제 조성물
SAHARI et al. Application of Zataria multiflora Boiss. and Satureja hortensis L. essential oils as two natural antioxidants in mayonnaise formulated with linseed oil
US20050020678A1 (en) Environmentally safe fungicides
EP2723170A1 (en) Glycerol compositions and solutions
US8932655B2 (en) Antiseptic teat dip microemulsion
JP2000325060A (ja) 噴霧用殺菌剤
EP1114585A2 (en) Sterilization composition and method of using the same
JP2782377B2 (ja) 卵の鮮度保存方法
WO2022034606A1 (en) Cleaning composition and use thereof
CA2695343C (en) Combinations of polyene fungicide with cationic surfactants
CN107801716A (zh) 一种低泡脂肪酸消毒剂
WO2000069279A1 (en) Compositions for the preserving treatment of feeds
RU2802066C1 (ru) Моющее средство
CN115449441B (zh) 一种固态绿色果蔬洗涤产品制备工艺及其应用
JP2005247779A (ja) ティートリーを含有するエタノール組成物
US20140170237A1 (en) Antimicrobial compositions containing mixtures of fatty and hydroxyl carboxylic acids