JP2000323798A - 半導体発光装置および半導体レ−ザ - Google Patents

半導体発光装置および半導体レ−ザ

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JP2000323798A
JP2000323798A JP11127378A JP12737899A JP2000323798A JP 2000323798 A JP2000323798 A JP 2000323798A JP 11127378 A JP11127378 A JP 11127378A JP 12737899 A JP12737899 A JP 12737899A JP 2000323798 A JP2000323798 A JP 2000323798A
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semiconductor
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Hideyoshi Horie
秀善 堀江
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い温度範囲および広い出力範囲にわたって
波長が安定している半導体発光装置を提供すること。 【解決手段】 GaAs基板上に構成元素としてIn、
GaおよびAsを含む活性層構造を有する半導体レー
ザ、および該半導体レーザの光の出射方向に外部共振器
を有する半導体発光装置であって、前記活性層構造が光
ガイドまたはバリアとして機能する層および活性層を有
しており、かつ前記活性層構造の少なくとも一部がn型
の不純物を含むことを特徴とする半導体発光装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光装置お
よび該半導体発光装置を構成する半導体レーザに関する
ものである。本発明は、光ファイバー増幅器用励起光源
等のように発振波長が安定していることが求められる場
合に好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】近年における光情報処理技術、光通信技
術の進展には目ざましいものがある。例えば、光ファイ
バーネットワークによる双方向通信などはその代表例で
ある。たとえば、双方向通信を、高速に、しかも画像情
報の様な情報量の大きい伝送において実現するには大容
量の光ファイバー伝送路とともに、その伝送方式に対す
る柔軟性を持つ信号増幅用のアンプが不可欠である。こ
の代表例として、Er 3+等の希土類をドープした光ファ
イバー増幅器(EDFA)の研究が各方面で盛んに行な
われている。そして、EDFAのコンポーネントとして
不可欠な要素である、優れた励起光源用の半導体レーザ
の開発が待たれている。
【0003】EDFA応用に供することのできる励起光
源の発振波長は、原理的に800nm、980nm、1
480nmの3種類存在する。このうち増幅器の特性か
ら見れば980nmでの励起が、利得やノイズ特性等を
考慮すると最も望ましいことが知られている。このよう
な980nm帯の発振波長を有するレーザは、おもにG
aAs基板上にInGaASを活性層として用いること
で実現されており、高出力でありながら長寿命であると
いう相反する要求を満たす必要がある。さらにこの近傍
の波長、例えば890〜1150nmにおいてはSHG
光源等の要求もあり、その他種々の応用面においても優
れた特性を有するレーザの開発が待たれている。さら
に、情報処理分野では高密度記録を目的として半導体レ
ーザの短波長化が進んでいる。特に最近の青色レーザの
進展は目覚しく、AlOx等の基板上に成長されたGa
N系材料では、その信頼性も上昇しており、さらなる研
究が続いている。
【0004】たとえばGaAs基板上の980nm帯の
レーザに求められる特性としては、前記のような高出力
特性や高信頼性の他に、発振波長の安定性もある。波長
安定性が重要視されるのは石英ファイバー中にドープさ
れたEr3+の980nm近傍の吸収帯が他の1480n
m帯等に比較して、狭いため、この帯域から外れた光が
増幅器のゲインに寄与しなくなることを避けるためであ
る。ところが、半導体レーザは一般に光出力によって、
また環境温度によってその発振波長が変化するため、発
振波長の安定化を外部共振器によって実現しようとする
試みが各種成されている。
【0005】この中には、石英ファイバー中の領域の一
部に屈折率の異なる部分を作り込み、反射する波長に対
して波長選択性を持たせたグレーティングとして機能さ
せるファイバーグレーティング等をレーザと結合させる
方法がある。この場合の半導体レーザとしては、外部共
振器との安定した結合が実現できる点が重要となる。し
かし、例えば980nm近傍のレーザは従来からGaA
s基板上にInGaAs活性層を形成した構造により実
現されているが、GaAs基板が活性層から放出される
光に対して透明であるために、外部共振器との安定な結
合、すなわち波長安定性が確保できないという問題があ
った(Journal of quantum electronics, vol.33 No.1
0,pp1801-1809 Octrber,1997)。
【0006】すなわち、活性層から、特にその下側に放
出された自然放出光は基板に吸収されることなく基板中
に導波される。このため、基板由来の導波モードが存在
するようになる。特にその高次モードは、基板上に作り
込んだレーザ構造中を導波される通常のモードと結合す
るようになる。基板は一般に100〜150μm程度の
厚みを有するが、この結果、発振スペクトルの構造中に
2〜3nm程度の波長間隔で、強度変調されるようにな
る。すなわち、980nmのレーザでは本来単一波長で
発振することが望まれるのにも拘わらず、2〜3nm間
隔でいくつかの発振波長が競合するという問題が生じて
しまう。さらに、このような基板が発振波長に対して透
明な従来のレーザでは、周囲の温度が変化した際、また
出力を変動させた際に、モードホッピングを起こす。こ
のため、例えばファイバーグレーティングと結合させて
いる場合でも、980nmレーザの場合に見られるよう
に、ある特定の狭い温度範囲、また限られた出力範囲を
超えると、ファイバー出力で見た際に単一波長発振が実
現できないという問題があった。すなわち、従来の半導
体レーザでは、その利得領域の温度、光出力によるシフ
トの問題、980nm帯のレーザに見られる様な発振波
長に対して基板が透明なことによるモード競合の問題等
によって、たとえグレーティングファイバーの様な外部
共振器と半導体レーザを組み合わせて動作させた際で
も、系全体として単一波長動作する温度、または光出力
領域はさほど広くなくという問題があった。このため、
これらの問題を解決したより実用性が高い半導体発光装
置が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術の問題点を解決することを課題とした。具体的には、
本発明は、優れた外部共振器との結合を実現できる半導
体レーザを提供し、さらに該半導体レーザを用いて、波
長が広い温度範囲と広い出力範囲で安定している半導体
発光装置を提供することを解決すべき課題とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を進めた結果、半導体レーザの
活性層構造の少なくとも一部にn型の不純物を含ませる
ことによって、半導体レーザの利得特性を効果的に広帯
域化することができることを検証し、本発明に到達し
た。すなわち本発明は、GaAs基板上に構成元素とし
てIn、GaおよびAsを含む活性層構造を有する半導
体レーザ、および該半導体レーザの光の出射方向に外部
共振器を有する半導体発光装置であって、前記活性層構
造が光ガイドまたはバリアとして機能する層および活性
層を有しており、かつ前記活性層構造の少なくとも一部
がn型の不純物を含むことを特徴とする半導体発光装置
を提供するものである。
【0009】本発明の半導体レーザの好ましい態様とし
て、前記活性層が量子井戸活性層である態様;前記n型
不純物が量子井戸活性層に含まれている態様;前記n型
不純物が光ガイドとして機能する層に含まれている態
様;前記光ガイドとして機能する層におけるn型不純物
の濃度が活性層に近づくにつれ減少している態様;前記
n型不純物がバリアとして機能する層に含まれている態
様;前記光ガイドまたはバリアとして機能する層が、活
性層との接面において前記n型不純物を含まない態様;
前記活性層構造が、光ガイド層、歪量子井戸活性層、光
ガイド層をこの順に有する態様;前記活性層構造が、光
ガイド層、歪量子井戸活性層とバリア層からなる1以上
の構造部分、歪量子井戸活性層、光ガイド層をこの順に
有する態様;前記半導体レーザの発振波長に対して前記
基板が透明である態様を挙げることができる。
【0010】また、本発明の半導体レーザの別の好まし
い態様として、前記外部共振器がファイバーグレーティ
ングである態様;前記ファイバーグレーティングのレー
ザ側への光の反射率がレーザの発振波長において2〜1
5%であり、かつ、その反射帯域が中心波長に対して
0.1〜5.0nmである態様;単一波長のみで発振す
る態様;前記半導体レーザの前端面の反射率が10%以
下に制御され、また後端面の反射率が80%以上に制御
されている態様;発振波長が900〜1015nmであ
る態様;前記半導体レーザが基本横モードで発振する態
様;前記光ガイド層とバリア層がAlxGa1-xAs(x
=1〜0)からなる態様;n型の不純物濃度が各層内で
一様に1x1017〜1x1019である態様;n型の不純
物濃度が各層内で変化しており、濃度が高い部分が1x
1017〜1x1019である態様;n型の不純物がSi、
S,Se,Sn,GeおよびTeからなる群から選択さ
れる1以上である態様を挙げることができる。
【0011】また本発明は、GaAs基板上に構成元素
としてIn、GaおよびAsを含む活性層構造を有して
おり、前記活性層構造が光ガイドまたはバリアとして機
能する層および活性層を有しており、かつ前記活性層構
造の少なくとも一部がn型の不純物を含むことを特徴と
する半導体レーザであって、該半導体レーザの光の出射
方向に外部共振器を組み合わせることによって半導体発
光装置を製造するための半導体レーザも提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の半導体発
光装置および半導体レーザについて詳細に説明する。本
発明の半導体発光装置は、GaAs基板上に構成元素と
してIn、GaおよびAsを含む活性層構造を有する半
導体レーザ、および該半導体レーザの光の出射方向に外
部共振器から少なくとも構成される。本発明の特徴は、
その半導体レーザの活性層構造が光ガイドまたはバリア
として機能する層および活性層を有しており、かつ活性
層構造の少なくとも一部がn型の不純物を含む点にあ
る。本発明の半導体レーザは、このような条件を満たす
ものであれば特にその構造の詳細や製造方法は制限され
ない。
【0013】以下において、本発明の半導体レーザの好
ましい構成例およびその製造法について具体的に説明す
る。本発明の半導体レーザの構成としては、例えば屈折
率導波構造を有し、第2導電型クラッド層が二層に分か
れ、第2導電型第2クラッド層と電流ブロック層とで電
流注入領域を形成し、さらに電極との接触抵抗を下げる
ためのコンタクト層を有する。これに関して、例えば特
開平8−130344号公報を参考にすることができ
る。この種のレーザは光通信に用いられる光ファイバー
増幅器用の光源等に用いられ、層構成や使用材料等を適
宜選択することによってさらに様々な用途へ応用するこ
ともできる。
【0014】図1は、本発明の半導体レーザにおけるエ
ピタキシャル構造の一例としてグルーブ型の半導体レー
ザの構成を示した概略断面図である。基板(1)として
は、所望の発振波長、格子整合性、意図的に活性層等に
導入される歪、ガイド層等に用いられる活性層の歪み補
償等の点から、GaAsの単結晶基板が使用される。G
aAsは、V族としてAs、P等を含むIII−V族半
導体レーザに対する格子整合性の観点から望ましい。な
お、本明細書において元素の<族>の記述はアラビア数
字で記載されているものはIUPACの記述にしたが
い、ローマ数字で記載されているものは旧来の表現方法
にしたがっている。
【0015】基板はいわゆるジャスト基板だけではな
く、エピタキシャル成長の際の結晶性を向上させる観点
から、いわゆるオフ基板(miss oriented substrate)
の使用も可能である。オフ基板は、ステップフローモー
ドでの良好な結晶成長を促進する効果を有しており、広
く使用されている。オフ基板は0.5〜2度程度の傾斜
を持つものが広く用いられるが、活性層構造(量子井戸
構造を含む)を構成する材料系によっては傾斜を10度
前後にすることもある。基板には、MBEあるいはMO
CVD等の結晶成長技術を利用して半導体レーザを製造
するために、あらかじめ化学エッチングや熱処理等を施
しておいてもよい。
【0016】バッファ層(2)は、基板バルク結晶の不
完全性を緩和し、結晶軸を同一にしたエピタキシャル薄
膜の形成を容易にするために設けることが好ましい。バ
ッファ層(2)は、基板(1)と同一の化合物で構成す
るのが好ましく、基板がGaAsであるので通常はGa
Asが使用される。しかし、超格子層をバッファ層に使
用することも広く行われており、同一の化合物で形成さ
れない場合もある。一方、誘電体基板を用いた場合には
必ずしも基板と同一の物質ではなく、その所望の発光波
長、デバイス全体の構造から、適宜、基板と異なった材
料が選ばれる場合もある。
【0017】第1導電型クラッド層(4)は一般的には
活性層構造(5)の平均的屈折率より小さな屈折率を有
する材料で構成され、所望の発振波長を実現するために
準備される基板(1)、バッファ層(2)、活性層構造
(5)等により適宜材料が規定される。例えば基板
(1)としてGaAsが使用され、バッファ層(2)に
もGaAsが使用されているときには、第1導電型クラ
ッド層(4)としてAlGaAs系材料、InGaAs
系材料、AlGaInP系材料、InGaP系材料等が
用いられる。また場合によっては、クラッド層全体また
はその一部に、反射ミラーを内在させることもできる。
本明細書において「反射ミラー」とは、活性層からの光
を反射する機能を有する領域を指し、ここでいう「反
射」とは、光を少なくとも0.05%以上、好ましくは
1%以上、より好ましくは5%以上、さらにより好まし
くは20%以上、特に好ましくは30%以上反射するこ
とを意味する。反射ミラーは、光を活性層側に反射する
ことによって、発振波長に対して透明であり、その部分
での導波が不必要に本来の発振スペクトラムに対して強
度変調等の悪影響を与える基板等への光の進入を低減す
る。反射ミラーはこのような機能を有するものであれ
ば、その構造や材料は特に制限されない。
【0018】活性層構造(5)は、本発明の特有の効果
をもたらす特徴的な構成を有する。すなわち、活性層構
造(5)の少なくとも一部にはn型の不純物が含まれて
いる。これによって、本発明の効果、すなわち、広い温
度範囲、さらには広い光出力領域で安定に外部共振器と
結合し、その結果、単一縦モード発振の領域が拡大され
る。このような本発明の効果がもたらされるのは、半導
体レーザの利得特性が従来の半導体レーザに比べて広帯
域化するためである。
【0019】いかなる理論にも拘泥するものではない
が、理論的には、Japanese Journal of Applied physic
s Vol. 29, No. 1, Jan., 1990, pp81-87に示されてい
るとおり、多重量子井戸構造のバリア層にp型またはn
型の不純物を導入することによって、そのバンド構造が
変化する。この結果、活性層が透明となる注入電子密度
が変化し、また微分利得も変化させることができるもの
と考えられる。特にn型の不純物を導入した際には伝導
帯の電子の状態密度が小さいために多数キャリアである
電子がさまざまなエネルギーをとるようになり、その結
果、半導体レーザそのものの利得特性が広帯域するもの
と考えられる。
【0020】本発明の半導体レーザの活性層構造は、少
なくとも光ガイドまたはバリアとして機能する層と活性
層を有していて、活性層構造の一部にn型の不純物を含
むものである限り、その詳細は特に制限されない。した
がって、光ガイド層、バリア層、活性層の数と順序はそ
れぞれの層の機能を発揮しうるように任意に組み合わせ
ることが可能であり、また、n型の不純物を含有させる
部分についても任意に選択することが可能である。
【0021】また、活性層は量子井戸活性層であっても
構わない。本明細書において、「活性層」という場合は
このような量子井戸活性層を含む。また、レーザの特性
改善のために歪量子井戸構造をとっていてもよい。さら
に活性層全体としては歪みが打ち消される様に、光ガイ
ド層の材料等を量子井戸層の有する歪みと逆の歪みを持
つ様に選択してもよい。光ガイド層の材料としてはAl
GaAs系材料、InGaAs系材料、InGaP系、
AlGaInP系材料、AlInGaAs系材料、In
GaAsP系材料、GaAsP系材料等、活性層にあわ
せて選択することができる。また、光ガイド層は前記材
料を組み合わせた超格子とすることも可能である。さら
に、量子井戸と光ガイド層の間に意図的にバンドギャッ
プの大きな材料を挿入して、温度特性の改善を行うこと
も可能である。
【0022】活性層構造の具体例として、光ガイド層、
活性層からなるもの;光ガイド層、活性層、光ガイド層
からなるもの;光ガイド層、活性層、バリア層、活性層
からなるもの;光ガイド層、活性層、バリア層、活性
層、光ガイド層からなるものなどを例示することができ
る。多層構造のものは一般化すれば、光ガイド層、活性
層とバリア層からなる1以上の繰り返し構造部分、活性
層からなるもの;ないし、光ガイド層、活性層とバリア
層からなる1以上の繰り返し構造部分、活性層、光ガイ
ド層からなるものと表現することが可能である。
【0023】n型の不純物は、光ガイド層、バリア層、
活性層のいずれに含まれていてもよい。1層のみならず
2層以上に含まれていても構わない。具体的には、光ガ
イド層に含まれているもの;バリア層に含まれているも
の;活性層に含まれているもの;光ガイド層、活性層、
光ガイド層からなる活性層構造においてn型不純物が2
層の光ガイド層に含まれているもの;光ガイド層、活性
層、バリア層、活性層、光ガイド層からなる活性層構造
においてn型の不純物が光ガイド層とバリア層の少なく
とも1層に含まれているもの;光ガイド層、活性層、バ
リア層、活性層、光ガイド層からなる活性層構造におい
てn型の不純物が光ガイド層とバリア層の少なくとも1
層に含まれているもの;光ガイド層、活性層、バリア
層、活性層、バリア層、活性層、光ガイド層からなる活
性層構造においてn型の不純物が2層の光ガイド層と2
番目の活性層に含まれているものを例示することができ
る。
【0024】n型の不純物は特定の層の全体にわたって
均一に存在していてもよいし、一部のみに存在していて
もよい。また、層内の不純物濃度は一様でなくても構わ
ない。特に、光ガイド層にn型の不純物が含まれている
場合は、活性層に近づくにつれて濃度が低くなるように
することができる。また、光ガイド層やバリア層では、
活性層に接する面には不純物が存在せず、中央部にのみ
不純物が存在するようにしてもよい。
【0025】本発明の効果は、活性層構造(5)の材料
等の如何によらず認められる。材料選択の観点からは、
活性層構造(5)はInを含む系であるのが好ましい。
最も好ましいのはInGaAsを含む系またはInGa
Nを含む系である。これは、一般に使用している基板、
すなわちInGaAsの場合にはGaAs基板が、また
InGaNの場合にはAl23が、それぞれの発振波長
に対して透明であるからである。
【0026】第2導電型第1クラッド層(6)および第
2導電型第2クラッド層(7)は、第1導電型クラッド
層(4)と同様に一般的には活性層構造(5)の平均的
屈折率より小さな屈折率を有する材料で構成され、基板
(1)、バッファ層(2)、活性層構造(5)等により
適宜材料が規定される。例えば基板(1)としてGaA
sが使用され、バッファ層(2)にもGaAsが使用さ
れているときには、AlGaAs系材料、InGaAs
系材料、InGaP系、AlGaInP系材料、AlI
nGaAs系材料、InGaAsP系材料、GaAsP
系材料等が用いられる。これらの層の全体または一部
を、後述のコンタクト層への光の染み出しを低減させる
目的で反射ミラー層とすることもできる。
【0027】電流ブロック層(8)は、文字通り電流を
ブロックして実質的に流さないようにすることが要求さ
れるので、その導電型は第1導電型クラッド層(4)と
同一かあるいはアンドープとすることが好ましい。ま
た、例えばAlGaAs系で電流ブロック層(8)を形
成する場合であれば、AlyGa1-yAs(0<y≦1)
からなる第2導電型第2クラッド層(7)より屈折率が
小さいことが好ましい。すなわち、電流ブロック層
(8)がAlzGa1-zAs(0≦z≦1)であれば、混
晶比としてはz>yになることが好ましい。また、yと
zの関係において、本発明は、おもに半導体レーザ、特
にレーザ構造自体よる導波が基本モードのみであるもの
に好適に利用されるが、この観点では、電流ブロック層
(8)と第2導電型第2クラッド層(7)の屈折率差に
よって主に規定される横方向の有効屈折率差は10-3
オーダであることが望ましい。
【0028】第2導電型第2クラッド層(7)の屈折率
は、通常、活性層構造(5)の屈折率以下である。ま
た、第2導電型第2クラッド層(7)は通常第1導電型
クラッド層(4)および第2導電型第1クラッド層
(6)と同一の屈折率とされる。またこれらの層の一部
または全部を反射ミラー層とする際にはそれぞれの層の
平均屈折率は同一になるようにするのが望ましい。第2
導電型第2クラッド層(7)の上には、後述のコンタク
ト層(11)への光の染み出しを抑制する目的で、反射
ミラー層を設けることもできる。
【0029】第2導電型第2クラッド層(7)の上に
は、電極(12)との接触抵抗率を下げるため等の目的
で、コンタクト層(11)を設けるのが好ましい。コン
タクト層(11)は、通常、GaAs材料にて構成され
る。この層は、通常電極との接触抵抗率を低くするため
にキャリア濃度を他の層より高くする。
【0030】半導体レーザを構成する各層の厚さは、そ
れぞれの層の機能を効果的に奏する範囲内で適宜選択さ
れる。通常、バッファ層(2)の厚さは0.1〜3μ
m、第1導電型クラッド層(4)の厚さは0.5〜5μ
m、活性層構造(5)の厚さは量子井戸構造の場合1層
当たり0.0005〜0.02μm、第2導電型第1ク
ラッド層(6)の厚さは0.05〜0.3μm、第2導
電型第2クラッド層(7)の厚さは0.5〜5μm、電
流ブロック層(8)の厚さは0.3〜2μm、キャップ
層(9)の厚さは0.005〜0.5μm、コンタクト
層(11)の厚さは1〜10μmの範囲から選択され
る。
【0031】図1に示す半導体レーザは、さらに電極
(12)および(13)を形成することにより作製され
る。エピタキシャル層側電極(12)は、p型の場合、
コンタクト層(11)表面に例えばTi/Pt/Auを
順次に蒸着した後、合金化処理することによって形成さ
れる。一方、基板側電極(13)は基板(1)の表面に
形成され、n型電極の場合、例えばAuGe/Ni/A
uを基板表面に順に蒸着した後、合金化処理することに
よって形成される。
【0032】製造した半導体ウエハーには、光の出射面
である端面を形成する。端面は共振器を構成する鏡とな
る。好ましくは、劈開により端面を形成する。劈開は広
く用いられる方法であり、劈開によって形成される端面
は使用する基板の方位によって異なる。例えば、好適に
利用されるnominally(100)と結晶学的に等価な面
をもつ基板を使用して端面発光型レーザ等の素子を形成
する際には、(110)もしくはこれと結晶学的に等価
な面が共振器を形成する面となる。一方、オフ基板を使
用するときには、傾斜させた方向と共振器方向の関係に
よっては端面が共振器方向と90度にならない場合もあ
る。例えば(100)基板から、(1−10)方向に向
けて角度を2度傾けた基板を使用した場合には端面も2
度傾くことになる。
【0033】本発明では、露出した半導体端面上に、誘
電体、または誘電体および半導体の組合せからなるコー
ティング層(15)および(16)を形成するのが好ま
しい(図3)。コーティング層は、主に半導体レーザか
らの光の取り出し効率を上げる目的と、端面の保護する
という2つの目的のために形成する。また、後述の外部
共振器との結合を高めるために、発振波長に対して低反
射率(反射率10%以下)のコーティング層を前端面に
施し、発振波長に対して高反射率(例えば80%以上)
のコーティング層を後端面に施す非対称コーティングを
行うのが望ましい。これはさらなる波長安定化のために
使用される外部共振器から戻ってくる光を積極的にレー
ザ内部に取り込み、波長の安定化を促進する点で非常に
重要である。特にこの目的のためには前端面の反射率は
5%、より望ましくは2.5%以下であることが好まし
い。
【0034】コーティング層(15)および(16)に
は、さまざまな材料を用いることができる。例えば、A
lOx、TiOx、SiOx、SiN、SiおよびZn
Sからなる群から選ばれる1種または2種以上の組合せ
を用いることが好ましい。低反射率のコーティング層と
してはAlOx、TiOx、SiOx等が、また高反射
率のコーティング層としてはAlOx/Siの多層膜、
TiOx/SiOxの多層膜等が用いられる。それぞれ
の膜厚を調節することによって、所望の反射率を実現す
ることができる。しかし、一般に低反射率のコーティン
グ層とするAlOx、TiOx、SiOx等の膜厚は、
その波長λでの屈折率の実数部分をnとしてλ/4n近
傍になるように調整するのが一般的である。また、高反
射多層膜の場合も、膜を構成する各材料がλ/4n近傍
になるように調整するのが一般的である。
【0035】本発明の半導体レーザに対して波長安定化
をはかるためにレーザ外部に波長選択性のある鏡を準備
し、外部共振器と本発明のレーザを結合させることが望
ましい。特にファイバーグレーティングを用いて外部共
振器を形成させること望ましい。ファイバーグレーティ
ングはその目的に応じて中心波長、反射あるいは透過帯
域、ファイバーグレーティングが有するレーザ側への光
の反射率等を適宜選択可能である。特に前記ファイバー
グレーティングのレーザ側への光の反射率がレーザの発
振波長において2〜15%、好ましくは5〜10%であ
り、かつ、その反射帯域が中心波長に対して0.1〜
5.0nm、好ましくは0.5〜1.5nmであること
が望ましい。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、濃度、厚さ、操
作手順等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更
することができる。したがって、本発明の範囲は以下の
実施例に示す具体例に制限されるものではない。
【0037】(実施例1)図1および図2のグルーブ型
の半導体レーザを以下の手順にしたがって製造した。キ
ャリア濃度1×1018cm-3のn型GaAs基板(1)
の(100)面上に、MBE法にて、バッファ層(2)
として厚さ1μmでキャリア濃度1×1018cm-3のn
型GaAs層;第1導電型クラッド層(4)として厚さ
1.5μmでキャリア濃度1×1018cm-3のn型Al
0.35Ga0.65As層;次いで、厚さ35nmのキャリア
濃度1×1018cm-3のn型のGaAs光ガイド層上
に、厚さ6nmのアンドープIn0.16Ga0.84As歪量
子井戸層、さらにその上に厚さ35nmのキャリア濃度
1×1018cm-3のn型GaAs光ガイド層を有する歪
単一量子井戸活性層(5);第2導電型第1クラッド層
(6)として厚さ0.1μmでキャリア濃度1×1018
cm-3のp型Al0.35Ga0.65As層;電流ブロック層
(8)として厚さ0.5μmでキャリア濃度5×1017
cm-3のn型Al0. 39Ga0.61As層;キャップ層
(9)として厚さ10nmでキャリア濃度1×1018
-3のn型GaAs層を順次積層した。ここでn型の不
純物としてはSiをp型の不純物としてはBeを用い
た。
【0038】最上層の電流注入領域部分を除く部分に窒
化シリコンのマスクを設けた。このとき、窒化シリコン
マスクの開口部の幅は1.5μmとした。ついで硫酸
(98重量%)、過酸化水素(30重量%水溶液)およ
び水を体積比で1:1:5で混合した混合液を用いて、
25℃でキャップ層と電流ブロック層のエッチングを2
7秒間、第2導電型第1クラッド層に到達するまで行っ
た。次いでHF(49%)とNH4F(40%)を1:
6で混合した混合液に2分30秒浸漬して窒化シリコン
層を除去した。
【0039】その後、MOCVD法にて第2導電型第2
クラッド層(7)として、キャリア濃度1×1018cm
-3のp型Al0.35Ga0.65As層を埋め込み部分(電流
注入領域部分)の厚さが1.5μmになるように成長さ
せた。さらに、電極との良好な接触を保つためのコンタ
クト層(11)として、キャリア濃度1×1019cm -3
のp型GaAs層を厚さ5μmになるように成長させ
た。ここでのp型不純物はZnを用いた。電流注入領域
の幅W(第2導電型第1クラッド層との界面における第
2導電型第2クラッド層の幅)は2.2μmであった。
【0040】電流ブロック層(8)と第2導電型第2ク
ラッド層(7)の屈折率の差、およびWの幅は、導波モ
ードが基本モードのみになるように設計し、クラッド
層、電流ブロック層等のAl混晶比を決定した。また、
さらに、基板側電極(13)であるn型電極としてAu
GeNi/Auを、またエピタキシャル層側電極(1
2)であるp型電極としてTi/Pt/Auを蒸着させ
400℃で合金化を5分間行って半導体ウエハーを完成
させた。
【0041】続いて、大気中で、共振器長700μmの
レーザバーの状態に劈開して(110)面を露出させ
た。次いで、AlOx膜を発振波長980nmにおいて
前端面の反射率が2.5%になるように真空中で165
nm製膜し、コーティング層(15)を形成した。さら
に後端面側の処理を行うために、一度レーザバーを真空
層から取り出した。後端面側には、厚さ170nmのA
lOx層/厚さ60nmのアモルファスSi層/厚さ1
70nmのAlOx層/厚さ60nmのアモルファスS
i層の4層からなるコーティング層(16)を形成し、
反射率92%の後端面を作製した。作製された半導体レ
ーザの電流光出力特性は図4に示すとおりであった。
【0042】さらにレーザ前端面に981nmでの反射
率が6.5%、反射帯域が1nmのグレーティングファ
イバーを図5に示すようにレンズを介して配置して半導
体レーザモジュールを作製した。半導体レーザの環境温
度、および半導体レーザからの光出力を変化させて外部
共振器との結合の状態をスペクトラム安定性の観点から
観測した。この半導体レーザモジュールのファイバー出
力の電流光出力特性を図6に示す。発振スペクトルは図
7に示すとおりであり、単一波長発振を実現できること
が確認された。さらに、温度範囲0〜70℃、ファイバ
ー出力10〜200mWの範囲内で、中心波長981n
m±0.2nm、サイドモード抑圧比10dbを安定的
に実現する範囲を確認した結果を図8に示す。図8から
明らかなように、温度範囲0〜60℃、ファイバー出力
10〜180mWの範囲にわたって波長が安定している
ことが確認された。
【0043】(実施例2)実施例1と同様に作成した半
導体レーザの前端面に、978nmでの反射率が3.5
%、反射帯域が0.7nmのグレーティングファイバー
をレンズを介して配置して半導体レーザモジュールを作
製した。半導体レーザの環境温度、および半導体レーザ
からの光出力を変化させて外部共振器との結合の状態を
スペクトラム安定性の観点から観測した。その結果、実
施例1と同様に、温度範囲0〜60℃、ファイバー出力
10〜160mWの範囲で中心波長978nm±0.2
nm、サイドモード抑圧比10dbを安定的に実現する
ことが確認された。
【0044】(実施例3)実施例1と同様に作成した半
導体レーザの前端面に、978nmでの反射率が12
%、反射帯域が1.5nmのグレーティングファイバー
を図9のようなバタフライ型のパッケージを用いて、先
球レンズを介してレーザと結合させ半導体レーザモジュ
ールを作製した。半導体レーザの環境温度、および半導
体レーザからの光出力を変化させて外部共振器との結合
の状態をスペクトラム安定性の観点から観測した。その
結果、実施例1と同様に、温度範囲0〜60℃、ファイ
バー出力10〜180mWの範囲で中心波長978nm
±0.2nm、サイドモード抑圧比10dbを安定的に
実現することが確認された。
【0045】(実施例4)活性層の構造として、厚さ3
0nmのGaAs光ガイド層(この光ガイド層の中心2
8nmにSiを2x1018cm-3ドーピングし、両端1
nmずつはアンドープ)、厚さ6nmのアンドープIn
0.16Ga0.84As歪量子井戸層、厚さ10nmのバリア
層(このバリア層の中心8nmにSiを1x1018cm
-3ドーピングし、両端1nmずつはアンドープ)、厚さ
6nmのアンドープIn0.16Ga0. 84As、厚さ30n
mのGaAs光ガイド層(この光ガイド層の中心28n
mにSiを2x1018cm-3ドーピングし、両端1nm
ずつはアンドープ)を持つ歪二重量子井戸活性層(5)
とした以外は実施例1と同様にして半導体レーザを作製
し、さらに実施例1と同様にレーザモジュールを作製し
た。半導体レーザの環境温度、および半導体レーザから
の光出力を変化させて外部共振器との結合の状態をスペ
クトラム安定性の観点から観測した。その結果、実施例
1と同様に、温度範囲0〜60℃、ファイバー出力10
〜180mWの範囲で中心波長981nm±0.2n
m、サイドモード抑圧比10dbを安定的に実現するこ
とが確認された。
【0046】(実施例5)活性層の構造として、厚さ2
5nmのGaAs光ガイド層(この光ガイド層の中心2
3nmにSiを2x1018cm-3ドーピングし、両端1
nmずつはアンドープ)、厚さ6nmのアンドープIn
0.16Ga0.84As歪量子井戸層、厚さ8nmのアンドー
プバリア層、厚さ6nmのn型(Siを1x1017cm
-3ドープ)In0.16Ga0.84As歪量子井戸層、厚さ8
nmのアンドープバリア層、厚さ6nmのアンドープI
0.16Ga0.84As歪量子井戸層、厚さ25nmのGa
As光ガイド層(この光ガイド層の中心23nmにSi
を2x1018cm-3ドーピングし、両端1nmずつはア
ンドープ)を持つ歪三重量子井戸活性層(5)とした以
外は実施例1と同様にして半導体レーザを作製し、さら
に実施例1と同様にレーザモジュールを作製した。半導
体レーザの環境温度、および半導体レーザからの光出力
を変化させて外部共振器との結合の状態をスペクトラム
安定性の観点から観測した。その結果、実施例1と同様
に、温度範囲0〜55℃、ファイバー出力10〜160
mWの範囲で中心波長981nm±0.2nm、サイド
モード抑圧比10dbを安定的に実現することが確認さ
れた。
【0047】(実施例6)厚さ30nmのGaAs光ガ
イド層(この光ガイド層において活性層に向かって、S
iを3x1018cm-3から5x1017cm-3に減少させ
ながらドーピング)、厚さ6nmのアンドープIn0.16
Ga0.84As歪量子井戸層、厚さ10nmのバリア層
(このバリア層の中心8nmにSiを5x1017cm-3
ドーピングし、両端1nmずつはアンドープ)、厚さ6
nmのアンドープIn0.16Ga0.84As、厚さ30nm
のGaAs光ガイド層(この光ガイド層において活性層
から離れるにしたがって、Siを5x1017cm-3から
3x1018cm-3に増加させながらドーピング)を持つ
歪二重量子井戸活性層(5)とした以外は実施例1と同
様にして半導体レーザを作製し、さらに実施例1と同様
にレーザモジュールを作製した。半導体レーザの環境温
度、および半導体レーザからの光出力を変化させて外部
共振器との結合の状態をスペクトラム安定性の観点から
観測した。その結果、実施例1と同様に、温度範囲0〜
60℃、ファイバー出力10〜180mWの範囲で中心
波長981nm±0.2nm、サイドモード抑圧比10
dbを安定的に実現することが確認された。
【0048】(比較例)活性層構造を、厚さ35nmの
アンドープGaAs光ガイド層上に、厚さ6nmのアン
ドープIn0.16Ga0.84As歪量子井戸層、さらにその
上に厚さ35nmのアンドープGaAs光ガイド層を有
する歪単一量子井戸活性層(5)とした以外は、実施例
1と同様にして半導体レーザを調製した。作製された半
導体レーザの電流光出力特性は図4に示すとおりであっ
た。 さらに実施例1と同様に半導体レーザモジュール
を作製した。製造した半導体レーザモジュールの発振ス
ペクトルは図10に示すとおりであり、単一波長発振を
実現することはできなかった。さらに、温度範囲0〜6
0℃、ファイバー出力10〜200mWの範囲内で、中
心波長981nm±0.2nm、サイドモード抑圧比1
0dbを安定的に実現する範囲を確認した結果を図8に
示した。図8から明らかなように、本発明の実施例1に
比べると波長の安定性が劣ることが確認された。
【0049】
【発明の効果】本発明の半導体レーザは、外部共振器と
の優れた結合を実現することができる。このため、該半
導体レーザを用いた本発明の半導体発光装置は、波長が
広い温度範囲および広い出力範囲にわたって安定してい
る。したがって、本発明の半導体発光装置は、多大な工
業的利益を提供するものでありその応用範囲は極めて多
岐にわたる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体レーザの一態様を示す断面図
である。
【図2】 実施例1の半導体レーザの活性層構造を示す
断面図である。
【図3】 本発明の半導体レーザの一態様を示す斜視図
である。
【図4】 実施例1および比較例の半導体レーザの電流
と光出力の関係図である。
【図5】 本発明の半導体発光装置の一態様を示す概略
図である。
【図6】 実施例1の半導体レーザモジュールの電流と
ファイバー出力の関係図である。
【図7】 実施例1の半導体レーザモジュールの発振ス
ペクトルである。
【図8】 実施例1および比較例の半導体レーザモジュ
ールのサイドモード抑圧比10dB以上の領域を示す図
である。
【図9】 実施例3の半導体レーザモジュールの概略図
である。
【図10】 比較例の半導体レーザモジュールの発振ス
ペクトルである。
【符号の説明】
1: 基板 2: バッファ層 4: 第1導電型クラッド層 5: 活性層構造 6: 第2導電型第1クラッド層 7: 第2導電型第2クラッド層 8: 電流ブロック層 9: キャップ層 11: コンタクト層 12: エピタキシャル層側電極 13: 基板側電極 15: コーティング層 16: コーティング層 18: SiドープGaAs 19: In0.16Ga0.84As歪量子井戸層 21: 半導体レーザ 22: レンズ 23: レンズ 24: 光ファイバー 25: ファイバーグレーティング 31: LDチップ 32: 先球ファイバー 33: バタフライ型パッケージ 34: ファイバーグレーティング

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAs基板上に構成元素としてIn、
    GaおよびAsを含む活性層構造を有する半導体レー
    ザ、および該半導体レーザの光の出射方向に外部共振器
    を有する半導体発光装置であって、 前記活性層構造が光ガイドまたはバリアとして機能する
    層および活性層を有しており、かつ前記活性層構造の少
    なくとも一部がn型の不純物を含むことを特徴とする半
    導体発光装置。
  2. 【請求項2】 前記活性層が量子井戸活性層である請求
    項1に記載の半導体発光装置。
  3. 【請求項3】 前記n型不純物が量子井戸活性層に含ま
    れていることを特徴とする請求項2に記載の半導体発光
    装置。
  4. 【請求項4】 前記n型不純物が光ガイドとして機能す
    る層に含まれていることを特徴とする請求項1〜3に記
    載の半導体発光装置。
  5. 【請求項5】 前記光ガイドとして機能する層における
    n型不純物の濃度が活性層に近づくにつれ減少している
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体発光装置。
  6. 【請求項6】 前記n型不純物がバリアとして機能する
    層に含まれていることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の半導体発光装置。
  7. 【請求項7】 前記光ガイドまたはバリアとして機能す
    る層が、活性層との接面において前記n型不純物を含ま
    ないことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の
    半導体発光装置。
  8. 【請求項8】 前記活性層構造が、光ガイド層、歪量子
    井戸活性層、光ガイド層をこの順に有することを特徴と
    する請求項1〜7のいずれかに記載の半導体発光装置。
  9. 【請求項9】 前記活性層構造が、光ガイド層、歪量子
    井戸活性層とバリア層からなる1以上の構造部分、歪量
    子井戸活性層、光ガイド層をこの順に有することを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載の半導体発光装
    置。
  10. 【請求項10】 前記半導体レーザの発振波長に対して
    前記基板が透明であることを特徴とする請求項1〜9の
    いずれかに記載の半導体発光装置。
  11. 【請求項11】 GaAs基板上に構成元素としてI
    n、GaおよびAsを含む活性層構造を有しており、前
    記活性層構造が光ガイドまたはバリアとして機能する層
    および活性層を有しており、かつ前記活性層構造の少な
    くとも一部がn型の不純物を含むことを特徴とする半導
    体レーザであって、該半導体レーザの光の出射方向に外
    部共振器を組み合わせることによって半導体発光装置を
    製造するための半導体レーザ。
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