JP2000321108A - 流量センサ - Google Patents
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- JP2000321108A JP2000321108A JP11132555A JP13255599A JP2000321108A JP 2000321108 A JP2000321108 A JP 2000321108A JP 11132555 A JP11132555 A JP 11132555A JP 13255599 A JP13255599 A JP 13255599A JP 2000321108 A JP2000321108 A JP 2000321108A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱式流量センサにおいて、その測定素子のダ
イヤフラム膜が熱変形して反ったり、外圧によりたわん
だ場合にもヒーターの抵抗温度特性に起因する抵抗変化
を精度良く取り出すことを可能とする。 【解決手段】 流体の流量を電気信号として取出す流量
センサにおいて、測定素子1aは、ダイヤフラム膜2に
おいて流体の流量に応じて抵抗値が変化する発熱ヒータ
部分3を二層構造に形成し、各層においてヒータ回路3
aとヒータ回路3bをそれぞれ形成する。そのとき、各
ヒータ回路3a、3bはダイヤフラム膜2の厚さ方向の
中心に対して上下に対称な位置に形成され、直列接続さ
れる。直列接続されたヒータ回路3a、3b対は、発熱
ヒータ部分3の抵抗変化を電気信号として取出すための
ブリッジ回路7aの一辺を構成する。
イヤフラム膜が熱変形して反ったり、外圧によりたわん
だ場合にもヒーターの抵抗温度特性に起因する抵抗変化
を精度良く取り出すことを可能とする。 【解決手段】 流体の流量を電気信号として取出す流量
センサにおいて、測定素子1aは、ダイヤフラム膜2に
おいて流体の流量に応じて抵抗値が変化する発熱ヒータ
部分3を二層構造に形成し、各層においてヒータ回路3
aとヒータ回路3bをそれぞれ形成する。そのとき、各
ヒータ回路3a、3bはダイヤフラム膜2の厚さ方向の
中心に対して上下に対称な位置に形成され、直列接続さ
れる。直列接続されたヒータ回路3a、3b対は、発熱
ヒータ部分3の抵抗変化を電気信号として取出すための
ブリッジ回路7aの一辺を構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱式流量センサの
測定素子及び熱式流量センサに関し、特に、内燃機関の
吸入空気量を測定するのに用いる熱式流量センサの測定
素子及び熱式流量センサの構造に関する。
測定素子及び熱式流量センサに関し、特に、内燃機関の
吸入空気量を測定するのに用いる熱式流量センサの測定
素子及び熱式流量センサの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】熱式流量センサは、一般的に、自動車な
どの内燃機関の電子制御燃料噴射装置に設けられ、吸入
空気量を直接検知できることから主流となってきてい
る。この中で、特に半導体微細プロセス技術により形成
された熱式流量センサは、コストが低減でき、かつ低電
力で駆動可能であるので注目されてきた。このような半
導体微細プロセス技術を用いた熱式流量センサとして
は、たとえば、特開平10−197309号公報に開示
されているものがある。
どの内燃機関の電子制御燃料噴射装置に設けられ、吸入
空気量を直接検知できることから主流となってきてい
る。この中で、特に半導体微細プロセス技術により形成
された熱式流量センサは、コストが低減でき、かつ低電
力で駆動可能であるので注目されてきた。このような半
導体微細プロセス技術を用いた熱式流量センサとして
は、たとえば、特開平10−197309号公報に開示
されているものがある。
【0003】図9の(a)は、従来の熱式流量センサを
構成する測定素子の構成を示す図である。図において、
熱式流量センサの測定素子1'は絶縁層で構成されたダ
イヤフラム膜2と、発熱抵抗層からなるヒータ回路3'
と、温度検出用回路4とを備える。
構成する測定素子の構成を示す図である。図において、
熱式流量センサの測定素子1'は絶縁層で構成されたダ
イヤフラム膜2と、発熱抵抗層からなるヒータ回路3'
と、温度検出用回路4とを備える。
【0004】熱式流量センサの製造方法としては、ま
ず、シリコン基板上にSiNなどの薄い下層絶縁層を形
成する。続いて、下層絶縁層上に、スパッタ法あるいは
CVD法などにより導体層を成膜し、さらに、この導体
層においてエッチング等によりパターン形成を行い、発
熱抵抗層のヒータ回路3のパターンや温度検出用回路4
のパターンを形成する。この上に上層絶縁層を成膜して
サンドイッチ構造を形成する。図9の(b)は、サンド
イッチ構造に形成されたダイヤフラム膜2の断面を示し
た図である。この図に示すように上下の絶縁層2に挟ま
れてヒータ回路3が形成される。その後、測定素子1'
として構成される部分において、シリコン基板の裏面か
ら異方性エッチングによりシリコン部を除去することに
より矩形状に空洞5を形成する。このとき基板上部に形
成した絶縁層の膜は除去されずに残り、ダイヤフラム膜
2が形成される。
ず、シリコン基板上にSiNなどの薄い下層絶縁層を形
成する。続いて、下層絶縁層上に、スパッタ法あるいは
CVD法などにより導体層を成膜し、さらに、この導体
層においてエッチング等によりパターン形成を行い、発
熱抵抗層のヒータ回路3のパターンや温度検出用回路4
のパターンを形成する。この上に上層絶縁層を成膜して
サンドイッチ構造を形成する。図9の(b)は、サンド
イッチ構造に形成されたダイヤフラム膜2の断面を示し
た図である。この図に示すように上下の絶縁層2に挟ま
れてヒータ回路3が形成される。その後、測定素子1'
として構成される部分において、シリコン基板の裏面か
ら異方性エッチングによりシリコン部を除去することに
より矩形状に空洞5を形成する。このとき基板上部に形
成した絶縁層の膜は除去されずに残り、ダイヤフラム膜
2が形成される。
【0005】その後、測定素子1'における導体層末端
の端子6を、外部ヒータ制御回路に接続し、測定素子
1'をマウンタに搭載することにより熱式流量センサを
製造する。
の端子6を、外部ヒータ制御回路に接続し、測定素子
1'をマウンタに搭載することにより熱式流量センサを
製造する。
【0006】このように製造される熱式流量センサの動
作原理は次のようである。熱式流量センサは、測定素子
1'上のヒータ回路3'側が、流量を測定すべき流体が流
れるように所定の位置に配置されている。また、このと
き、測定素子1'のヒータ回路3'は端子A、Bを介し
て、図9の(c)に示すように、ヒータ回路3を一抵抗
としたブリッジ回路7を形成するように外部の所定の回
路と接続されており、ブリッジ回路7において、端子
A、Xに対して電源8から入力電圧が印加され、端子
B、Yから出力電圧が取出されるようになっている。ま
た、温度検出パターン4を端子6を介して所定の外部回
路に接続され、流体の温度が電気信号として取り出され
る。この信号は流量検出信号の温度補正に使用される。
作原理は次のようである。熱式流量センサは、測定素子
1'上のヒータ回路3'側が、流量を測定すべき流体が流
れるように所定の位置に配置されている。また、このと
き、測定素子1'のヒータ回路3'は端子A、Bを介し
て、図9の(c)に示すように、ヒータ回路3を一抵抗
としたブリッジ回路7を形成するように外部の所定の回
路と接続されており、ブリッジ回路7において、端子
A、Xに対して電源8から入力電圧が印加され、端子
B、Yから出力電圧が取出されるようになっている。ま
た、温度検出パターン4を端子6を介して所定の外部回
路に接続され、流体の温度が電気信号として取り出され
る。この信号は流量検出信号の温度補正に使用される。
【0007】このように、外部回路と接続された測定素
子1'において、所定のヒータ制御回路により端子A、
Bを介してヒータ回路3'に電流を流すと、ヒータ回路
3'が発熱する。この状態で流体がヒータ回路3'を横切
ると、ヒータ回路3'から熱を奪い、ヒータ回路3'自身
の温度が変化する。この温度変化にともない、導体の抵
抗温度特性によりヒータ回路3'の抵抗が変化する。こ
の抵抗変化を、電圧検出器9においてブリッジ回路7'
の一辺の抵抗値の変化として、入力電圧に対する出力電
圧により感知することにより流体の流量を間接的に検知
することができる。
子1'において、所定のヒータ制御回路により端子A、
Bを介してヒータ回路3'に電流を流すと、ヒータ回路
3'が発熱する。この状態で流体がヒータ回路3'を横切
ると、ヒータ回路3'から熱を奪い、ヒータ回路3'自身
の温度が変化する。この温度変化にともない、導体の抵
抗温度特性によりヒータ回路3'の抵抗が変化する。こ
の抵抗変化を、電圧検出器9においてブリッジ回路7'
の一辺の抵抗値の変化として、入力電圧に対する出力電
圧により感知することにより流体の流量を間接的に検知
することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
熱式流量センサの測定素子1'では、導体(ヒータ回路
3'のパターン)の抵抗温度特性により変化する微小な
抵抗値の変化量を測定に利用するため、ダイヤフラム膜
2の熱変形に伴うヒータ回路3'のパターンの断面積変
化などに起因する機械的抵抗変化の誤差が生じやすかっ
た。
熱式流量センサの測定素子1'では、導体(ヒータ回路
3'のパターン)の抵抗温度特性により変化する微小な
抵抗値の変化量を測定に利用するため、ダイヤフラム膜
2の熱変形に伴うヒータ回路3'のパターンの断面積変
化などに起因する機械的抵抗変化の誤差が生じやすかっ
た。
【0009】また、流体の圧力によりダイヤフラム膜2
がたわむと、上記と同様の原理によりヒータ回路3'の
導体に抵抗変化を生じ、その影響が誤差となって抵抗温
度特性に影響するおそれがあった。
がたわむと、上記と同様の原理によりヒータ回路3'の
導体に抵抗変化を生じ、その影響が誤差となって抵抗温
度特性に影響するおそれがあった。
【0010】本発明は、上記のような問題点を解決し、
ダイヤフラム膜が熱変形して反ったり、流体の圧力によ
り、たわんだ状態でも、ヒータ回路の抵抗温度特性に起
因する抵抗変化を精度良く取り出すことのできる流量セ
ンサを提供することを目的とする。
ダイヤフラム膜が熱変形して反ったり、流体の圧力によ
り、たわんだ状態でも、ヒータ回路の抵抗温度特性に起
因する抵抗変化を精度良く取り出すことのできる流量セ
ンサを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る流量センサは以下の構成を有する。本
発明に係る第1の流量センサは、流体により冷却される
ことにより抵抗値が変化する発熱部を設けたダイヤフラ
ム膜を有した測定素子を備え、測定素子の発熱部の抵抗
値変化を電気信号として取出して流体の流量を測定する
流量センサである。測定素子において、ダイヤフラム膜
の発熱部を偶数の層構造とし、偶数の層を前記ダイヤフ
ラム膜の厚さ方向の中心に対して上下に対称な位置にそ
れぞれ設ける。各層において、少なくとも1つの発熱抵
抗回路を形成し、さらに、発熱抵抗回路はダイヤフラム
膜上にある部分に関して、対称位置にある層の発熱抵抗
回路と等位置に同形状で形成されている。対称関係にあ
る上下層の間で等位置にある発熱抵抗回路どうしが直列
接続されて抵抗対を形成し、抵抗対は電気信号を取出す
ために構成されるブリッジ回路の一辺となる。
に、本発明に係る流量センサは以下の構成を有する。本
発明に係る第1の流量センサは、流体により冷却される
ことにより抵抗値が変化する発熱部を設けたダイヤフラ
ム膜を有した測定素子を備え、測定素子の発熱部の抵抗
値変化を電気信号として取出して流体の流量を測定する
流量センサである。測定素子において、ダイヤフラム膜
の発熱部を偶数の層構造とし、偶数の層を前記ダイヤフ
ラム膜の厚さ方向の中心に対して上下に対称な位置にそ
れぞれ設ける。各層において、少なくとも1つの発熱抵
抗回路を形成し、さらに、発熱抵抗回路はダイヤフラム
膜上にある部分に関して、対称位置にある層の発熱抵抗
回路と等位置に同形状で形成されている。対称関係にあ
る上下層の間で等位置にある発熱抵抗回路どうしが直列
接続されて抵抗対を形成し、抵抗対は電気信号を取出す
ために構成されるブリッジ回路の一辺となる。
【0012】本発明に係る第2の流量センサは、第1の
流量センサにおいて、ダイヤフラム膜の発熱部を二層構
造とし、各層において等位置に同形状の発熱抵抗回路を
一つ設け、それらの発熱抵抗回路を直列に接続して前記
抵抗対を形成する。
流量センサにおいて、ダイヤフラム膜の発熱部を二層構
造とし、各層において等位置に同形状の発熱抵抗回路を
一つ設け、それらの発熱抵抗回路を直列に接続して前記
抵抗対を形成する。
【0013】本発明に係る第3の流量センサは、第1の
流量センサにおいて、ダイヤフラム膜の発熱部を四層構
造とし、各層において等位置に同形状の発熱抵抗回路を
一つ設ける。このとき、外側二層に設けられた発熱抵抗
回路どうしを直列接続して第1の抵抗対とし、内側二層
に設けられた発熱抵抗回路どうしを直列接続して第2の
抵抗対とし、第1の抵抗対と第2の抵抗対を直列接続
し、それらの抵抗対間の接続点をブリッジ回路の入力電
圧供給ノードの1つとする。
流量センサにおいて、ダイヤフラム膜の発熱部を四層構
造とし、各層において等位置に同形状の発熱抵抗回路を
一つ設ける。このとき、外側二層に設けられた発熱抵抗
回路どうしを直列接続して第1の抵抗対とし、内側二層
に設けられた発熱抵抗回路どうしを直列接続して第2の
抵抗対とし、第1の抵抗対と第2の抵抗対を直列接続
し、それらの抵抗対間の接続点をブリッジ回路の入力電
圧供給ノードの1つとする。
【0014】本発明に係る第4の流量センサは、第1の
流量センサにおいて、ダイヤフラム膜の発熱部を二層構
造とし、各層において二つの発熱抵抗回路を流量測定方
向の上流及び下流に並べて設ける。このとき、上流側の
発熱抵抗回路どうしを直列接続して第1の抵抗対とし、
下流側の発熱抵抗回路どうしを直列接続して第2の抵抗
対とする。第1の抵抗対と第2の抵抗対を直列接続し、
それらの抵抗対間の接続点をブリッジ回路の入力電圧供
給ノードの1つとする。
流量センサにおいて、ダイヤフラム膜の発熱部を二層構
造とし、各層において二つの発熱抵抗回路を流量測定方
向の上流及び下流に並べて設ける。このとき、上流側の
発熱抵抗回路どうしを直列接続して第1の抵抗対とし、
下流側の発熱抵抗回路どうしを直列接続して第2の抵抗
対とする。第1の抵抗対と第2の抵抗対を直列接続し、
それらの抵抗対間の接続点をブリッジ回路の入力電圧供
給ノードの1つとする。
【0015】本発明に係る第5の流量センサは、第1の
流量センサにおいて、ダイヤフラム膜において発熱部を
四層構造とし、各層において二つの発熱抵抗回路を流量
測定方向の上流及び下流に並べて設ける。このとき、外
側二層の上流側にある発熱抵抗回路どうしを直列接続し
て第1の抵抗対とし、内側二層の上流側にある発熱抵抗
回路どうしを直列接続して第2の抵抗対とし、外側二層
の下流側にある発熱抵抗回路どうしを直列接続して第3
の抵抗対とし、内側二層の下流側にある発熱抵抗回路ど
うしを直列接続して第4の抵抗対とする。第1乃至第4
の抵抗対は、それぞれが前記ブリッジ回路の一辺となる
ように接続される。
流量センサにおいて、ダイヤフラム膜において発熱部を
四層構造とし、各層において二つの発熱抵抗回路を流量
測定方向の上流及び下流に並べて設ける。このとき、外
側二層の上流側にある発熱抵抗回路どうしを直列接続し
て第1の抵抗対とし、内側二層の上流側にある発熱抵抗
回路どうしを直列接続して第2の抵抗対とし、外側二層
の下流側にある発熱抵抗回路どうしを直列接続して第3
の抵抗対とし、内側二層の下流側にある発熱抵抗回路ど
うしを直列接続して第4の抵抗対とする。第1乃至第4
の抵抗対は、それぞれが前記ブリッジ回路の一辺となる
ように接続される。
【0016】本発明に係る第6の流量センサは、第5の
流量センサにおいて、ブリッジ回路において第1の抵抗
対と第3の抵抗対とを対向させ、第2の抵抗対と第4の
抵抗対とを対向させるように接続する。
流量センサにおいて、ブリッジ回路において第1の抵抗
対と第3の抵抗対とを対向させ、第2の抵抗対と第4の
抵抗対とを対向させるように接続する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明に係る流量センサの実施の形態の詳細を説明する。
明に係る流量センサの実施の形態の詳細を説明する。
【0018】実施の形態1.図2は、本実施形態の流量
センサの機能ブロック構成図である。流量センサは、流
体の流量に応じて冷却されることによりその抵抗値が変
化する測定素子1aと、測定素子1aの抵抗値変化を電
気的に取出すブリッジ回路7と、流量検出信号の温度補
正を行うための温度補償回路11と、ブリッジ回路7か
らの検出信号を増幅して出力する信号増幅回路12とか
らなる。測定素子1aは、流量に応じて抵抗値が変化す
る回路を有するとともに、流体の温度に応じて抵抗値が
変化する回路を有する。ブリッジ回路7は、測定素子1
aの流量に応じて抵抗値が変化する回路の一部または全
部を構成要素とし、流量に応じた抵抗値の変化を電気信
号として取出す。すなわち、測定素子1aと、ブリッジ
回路7の一部または全部とは一体として構成される。温
度補償回路11は測定素子1aの温度に応じて変化する
回路の抵抗値を検出し、その検出値に基づき温度補正を
行うための信号(以下「温度補正信号」という。)を出
力する。信号増幅回路12はブリッジ回路7からの検出
信号を増幅して出力するが、この際、温度補償回路11
からの温度補正信号に基づいて温度補正を行い、流量検
出信号として出力する。なお、以降の実施形態に示す流
量センサも図2に示す構成と同様の構成を有している。
センサの機能ブロック構成図である。流量センサは、流
体の流量に応じて冷却されることによりその抵抗値が変
化する測定素子1aと、測定素子1aの抵抗値変化を電
気的に取出すブリッジ回路7と、流量検出信号の温度補
正を行うための温度補償回路11と、ブリッジ回路7か
らの検出信号を増幅して出力する信号増幅回路12とか
らなる。測定素子1aは、流量に応じて抵抗値が変化す
る回路を有するとともに、流体の温度に応じて抵抗値が
変化する回路を有する。ブリッジ回路7は、測定素子1
aの流量に応じて抵抗値が変化する回路の一部または全
部を構成要素とし、流量に応じた抵抗値の変化を電気信
号として取出す。すなわち、測定素子1aと、ブリッジ
回路7の一部または全部とは一体として構成される。温
度補償回路11は測定素子1aの温度に応じて変化する
回路の抵抗値を検出し、その検出値に基づき温度補正を
行うための信号(以下「温度補正信号」という。)を出
力する。信号増幅回路12はブリッジ回路7からの検出
信号を増幅して出力するが、この際、温度補償回路11
からの温度補正信号に基づいて温度補正を行い、流量検
出信号として出力する。なお、以降の実施形態に示す流
量センサも図2に示す構成と同様の構成を有している。
【0019】図1の(a)は、流量センサの測定素子1
aの構造をさらに詳細に示した図である。測定素子1a
は、ダイヤフラム膜2と、ヒータ部3と、温度検出回路
4とからなる。また、測定素子1aはダイヤフラム膜2
の裏面に空洞5を有する。さらに、測定素子1aは端子
電極6、A、Bを有する。端子電極6は温度補償用回路
11に接続され、これにより、温度検出回路4からの出
力信号が温度補償回路11に入力される。また、端子電
極A、Bはブリッジ回路7に接続される。抵抗R1、R
2、R3はブリッジ回路を構成する抵抗である。
aの構造をさらに詳細に示した図である。測定素子1a
は、ダイヤフラム膜2と、ヒータ部3と、温度検出回路
4とからなる。また、測定素子1aはダイヤフラム膜2
の裏面に空洞5を有する。さらに、測定素子1aは端子
電極6、A、Bを有する。端子電極6は温度補償用回路
11に接続され、これにより、温度検出回路4からの出
力信号が温度補償回路11に入力される。また、端子電
極A、Bはブリッジ回路7に接続される。抵抗R1、R
2、R3はブリッジ回路を構成する抵抗である。
【0020】測定素子1aは、図1の(a)に示すよう
に、ダイヤフラム膜2において、ヒータ部3を上層のヒ
ータ回路3aと下層のヒータ回路3bとからなる二層構
造としている。上層のヒータ回路3aと下層のヒータ回
路3bとは直列に接続されて、抵抗対をなす。この直列
接続されたヒータ回路3a、3bからなる抵抗対は、流
量検出信号を取出すためのブリッジ回路7の一辺を構成
する。このように上下の各層においてヒータ回路を形成
したことにより、ダイヤフラム膜2のたわみや反りによ
る変形が発生したときでも、上下層のヒータ回路間でそ
の変形によるヒータ部の抵抗値の変動を除去し、流体の
流量の精度の高い検出を可能とする。この詳細は後述す
る。
に、ダイヤフラム膜2において、ヒータ部3を上層のヒ
ータ回路3aと下層のヒータ回路3bとからなる二層構
造としている。上層のヒータ回路3aと下層のヒータ回
路3bとは直列に接続されて、抵抗対をなす。この直列
接続されたヒータ回路3a、3bからなる抵抗対は、流
量検出信号を取出すためのブリッジ回路7の一辺を構成
する。このように上下の各層においてヒータ回路を形成
したことにより、ダイヤフラム膜2のたわみや反りによ
る変形が発生したときでも、上下層のヒータ回路間でそ
の変形によるヒータ部の抵抗値の変動を除去し、流体の
流量の精度の高い検出を可能とする。この詳細は後述す
る。
【0021】図1の(b)はダイヤフラム膜2の厚さ方
向及び長さ方向に沿った断面を示下図である。図に示す
ように、上層ヒータ回路3aと下層ヒータ回路3bと
は、ダイヤフラム膜2の厚さ方向における中心面を基準
として対称な位置に形成されている。すなわち、ダイヤ
フラム膜2において、上層及び下層ヒータ回路3a、3
bを構成する導体パターンは、ダイヤフラム膜2の厚さ
方向の中心位置からそれぞれ上下方向に等しい距離の位
置に形成される。さらに、上層及び下層ヒータ回路3
a、3bの導体パターンは等しい形状に形成されてい
る。
向及び長さ方向に沿った断面を示下図である。図に示す
ように、上層ヒータ回路3aと下層ヒータ回路3bと
は、ダイヤフラム膜2の厚さ方向における中心面を基準
として対称な位置に形成されている。すなわち、ダイヤ
フラム膜2において、上層及び下層ヒータ回路3a、3
bを構成する導体パターンは、ダイヤフラム膜2の厚さ
方向の中心位置からそれぞれ上下方向に等しい距離の位
置に形成される。さらに、上層及び下層ヒータ回路3
a、3bの導体パターンは等しい形状に形成されてい
る。
【0022】図1の(c)は、測定素子1aの流力に応
じて変化する抵抗値を電気信号として取出すためのブリ
ッジ回路7の構成を示した図である。ブリッジ回路7は
測定素子1から流体の流量を電気信号として取出すため
のものであり、直列接続されたヒータ回路3aとヒータ
回路3b、及び、所定の抵抗値を有する抵抗R1〜R3
から構成される。ブリッジ回路7において、ヒータ回路
3a、3bの直列回路と、抵抗R3との接続点A、及
び、抵抗R1と抵抗R2の接続点Xに対して電源8から
入力電圧が印加され、ヒータ回路3a、3bの直列回路
と抵抗R1との接続点B、及び、抵抗R2と抵抗R3の
接続点Yから電圧検出回路9により出力電圧が、流体の
流量を示す信号として検出される。
じて変化する抵抗値を電気信号として取出すためのブリ
ッジ回路7の構成を示した図である。ブリッジ回路7は
測定素子1から流体の流量を電気信号として取出すため
のものであり、直列接続されたヒータ回路3aとヒータ
回路3b、及び、所定の抵抗値を有する抵抗R1〜R3
から構成される。ブリッジ回路7において、ヒータ回路
3a、3bの直列回路と、抵抗R3との接続点A、及
び、抵抗R1と抵抗R2の接続点Xに対して電源8から
入力電圧が印加され、ヒータ回路3a、3bの直列回路
と抵抗R1との接続点B、及び、抵抗R2と抵抗R3の
接続点Yから電圧検出回路9により出力電圧が、流体の
流量を示す信号として検出される。
【0023】前述のようにヒータ部3を、2つのヒータ
回路3a、3bをダイヤフラム膜2の厚さ方向の上下に
二層構造にして形成することにより、ダイヤフラム膜2
の変形により生ずる上層及び下層ヒータ回路3a、3b
の抵抗値の変動を互いに相殺することができる。図3を
参照してこれを説明する。
回路3a、3bをダイヤフラム膜2の厚さ方向の上下に
二層構造にして形成することにより、ダイヤフラム膜2
の変形により生ずる上層及び下層ヒータ回路3a、3b
の抵抗値の変動を互いに相殺することができる。図3を
参照してこれを説明する。
【0024】図3の(a)に示すように測定素子1のダ
イヤフラム膜2が下方に変形した場合を考える。図3の
(b)は、このときのダイヤフラム膜2において変形量
が最大となる部分Rの断面を拡大した図である。図3の
(c)は、このように変形したダイヤフラム膜における
厚さ方向に位置に応じて変化する縮み量(または伸び
量)の変化を説明した図である。
イヤフラム膜2が下方に変形した場合を考える。図3の
(b)は、このときのダイヤフラム膜2において変形量
が最大となる部分Rの断面を拡大した図である。図3の
(c)は、このように変形したダイヤフラム膜における
厚さ方向に位置に応じて変化する縮み量(または伸び
量)の変化を説明した図である。
【0025】図3の(c)に示すように、ダイヤフラム
膜2の厚さ方向において、その中心位置より上方にある
ときは、上方にいくほど縮み量は大きくなり、その中心
位置の下方にあるときは、下方にいくほど伸び量は大き
くなる。なお、図3の(c)では、縮み量を正方向(右
方向)にとっており、したがって、伸び量は負方向(左
方向)の大きさで表される。このことから、図3の
(b)に示すように、ダイヤフラム膜2の変形により、
上層ヒータ回路3aはその導体の長さが縮む方向に変化
し、一方、下層ヒータ回路3aはその導体の長さが伸び
る方向に変化する。前述のように上層ヒータ回路3aと
下層ヒータ回路3bとはダイヤフラム膜2においてその
厚さ方向の中心から対象な位置に等しい形状で形成され
ているため、上層ヒータ回路3aの縮み量δ0と、下層
ヒータ回路3bの伸び量δ0’とは等しくなる。両層の
ヒータ回路3a、3bは直列に接続されているため、両
層のヒータ回路間で、それらの縮みと伸びによる抵抗変
化が相殺され、ヒータ部3全体の変化量が除去される。
これにより、ダイヤフラム膜2の熱膨張による反りや流
体の圧力によるたわみによる変形が生じても、それが抵
抗温度特性に影響せず、測定温度の精度が向上する効果
が生ずる。
膜2の厚さ方向において、その中心位置より上方にある
ときは、上方にいくほど縮み量は大きくなり、その中心
位置の下方にあるときは、下方にいくほど伸び量は大き
くなる。なお、図3の(c)では、縮み量を正方向(右
方向)にとっており、したがって、伸び量は負方向(左
方向)の大きさで表される。このことから、図3の
(b)に示すように、ダイヤフラム膜2の変形により、
上層ヒータ回路3aはその導体の長さが縮む方向に変化
し、一方、下層ヒータ回路3aはその導体の長さが伸び
る方向に変化する。前述のように上層ヒータ回路3aと
下層ヒータ回路3bとはダイヤフラム膜2においてその
厚さ方向の中心から対象な位置に等しい形状で形成され
ているため、上層ヒータ回路3aの縮み量δ0と、下層
ヒータ回路3bの伸び量δ0’とは等しくなる。両層の
ヒータ回路3a、3bは直列に接続されているため、両
層のヒータ回路間で、それらの縮みと伸びによる抵抗変
化が相殺され、ヒータ部3全体の変化量が除去される。
これにより、ダイヤフラム膜2の熱膨張による反りや流
体の圧力によるたわみによる変形が生じても、それが抵
抗温度特性に影響せず、測定温度の精度が向上する効果
が生ずる。
【0026】さらに副次的効果として、外部磁界により
ヒータ部に誘導起電力が発生するが、この構造はそれを
もキャンセルする効果がある。すなわち、外部磁界によ
るヒータの誘導起電力はヒータが外部磁界を横切るルー
プの面積として表されるが、上層ヒータのそれと下層ヒ
ータのループ方向が逆となることによって、誘導起電力
をキャンセルできる。
ヒータ部に誘導起電力が発生するが、この構造はそれを
もキャンセルする効果がある。すなわち、外部磁界によ
るヒータの誘導起電力はヒータが外部磁界を横切るルー
プの面積として表されるが、上層ヒータのそれと下層ヒ
ータのループ方向が逆となることによって、誘導起電力
をキャンセルできる。
【0027】実施の形態2.実施の形態1の流量センサ
は、ダイヤフラム膜2の反りやたわみ(以下「曲げ成
分」という。)による影響を除去するものであった。と
ころで、ダイヤフラム膜2は、この曲げ成分による変形
以外に、ダイヤフラム膜2の面内において平面的に伸び
または縮み(以下これを「面内伸び成分」という。)も
生じている。すなわち、図4に示すように、ダイヤフラ
ム膜2においてヒータ回路の変形量は面内伸び成分と曲
げ成分とを加算した量となる。この面内伸び成分によっ
ても、ヒータ部の抵抗値は変化する。そこで、本実施形
態の流量センサは曲げ成分による変動に加えて面内伸び
成分による影響も除去するように構成したものである。
具体的には、曲げ成分による影響をヒータ部を二層構造
にすることにより、さらに、面内伸び成分による影響を
ブリッジ回路の構成により除去している。
は、ダイヤフラム膜2の反りやたわみ(以下「曲げ成
分」という。)による影響を除去するものであった。と
ころで、ダイヤフラム膜2は、この曲げ成分による変形
以外に、ダイヤフラム膜2の面内において平面的に伸び
または縮み(以下これを「面内伸び成分」という。)も
生じている。すなわち、図4に示すように、ダイヤフラ
ム膜2においてヒータ回路の変形量は面内伸び成分と曲
げ成分とを加算した量となる。この面内伸び成分によっ
ても、ヒータ部の抵抗値は変化する。そこで、本実施形
態の流量センサは曲げ成分による変動に加えて面内伸び
成分による影響も除去するように構成したものである。
具体的には、曲げ成分による影響をヒータ部を二層構造
にすることにより、さらに、面内伸び成分による影響を
ブリッジ回路の構成により除去している。
【0028】すなわち、図5の(a)に示すように、曲
げ成分による影響を除去するため、流量センサの測定素
子1bはヒータ部を複数層すなわち4層構造にし、各層
においてヒータ回路3a〜3dを形成している。この図
に示すようにヒータ部は、実施の形態1における上層ヒ
ータ回路3aと下層ヒータ回路3bに加えて、さらに、
それらの上層に上層ヒータ回路3cを、また、それらの
下層に下層ヒータ回路3dを形成している。図5の
(b)はダイヤフラム膜2の厚さ方向及び長さ方向に沿
った断面図である。この図に示すように、ダイヤフラム
膜2において、上層ヒータ回路3aと、下層ヒータ回路
3bとは、ダイヤフラム膜2の厚さ方向の中心に対して
上下方向に対称な位置、すなわち、中心位置にある面か
ら等距離の位置に形成される。同様に、上層ヒータ回路
3cと、下層ヒータ回路3dとは、厚さ方向の中心位置
からそれぞれ上下方向に対称な位置に形成される。この
とき、各層のヒータ回路3a〜3dのパターン形状は等
しくなるように形成されている。
げ成分による影響を除去するため、流量センサの測定素
子1bはヒータ部を複数層すなわち4層構造にし、各層
においてヒータ回路3a〜3dを形成している。この図
に示すようにヒータ部は、実施の形態1における上層ヒ
ータ回路3aと下層ヒータ回路3bに加えて、さらに、
それらの上層に上層ヒータ回路3cを、また、それらの
下層に下層ヒータ回路3dを形成している。図5の
(b)はダイヤフラム膜2の厚さ方向及び長さ方向に沿
った断面図である。この図に示すように、ダイヤフラム
膜2において、上層ヒータ回路3aと、下層ヒータ回路
3bとは、ダイヤフラム膜2の厚さ方向の中心に対して
上下方向に対称な位置、すなわち、中心位置にある面か
ら等距離の位置に形成される。同様に、上層ヒータ回路
3cと、下層ヒータ回路3dとは、厚さ方向の中心位置
からそれぞれ上下方向に対称な位置に形成される。この
とき、各層のヒータ回路3a〜3dのパターン形状は等
しくなるように形成されている。
【0029】このように構成することにより、図6の
(a)に示すような、測定素子1bにおいてダイヤフラ
ム膜2が下方にたわみ、さらに面方向においても伸びて
いる場合を考えると、各層の上下の対称性から、図6の
(b)に示すように、上層ヒータ回路3cの縮み量δ1
は下層ヒータ回路3dの伸び量δ1’と等しく、上層ヒ
ータ回路3aの縮み量δ2は下層ヒータ回路3bの伸び
量δ2’と等しくなる。したがって、曲げ成分による抵
抗値の変動については、上層ヒータ回路3aと下層ヒー
タ回路3bとの間で、また、上層ヒータ回路3cと下層
ヒータ回路3dとの間でそれぞれ相殺される。このよう
に実施の形態1と同様にダイヤフラム膜2の曲げ成分に
よる抵抗変化を除去する。
(a)に示すような、測定素子1bにおいてダイヤフラ
ム膜2が下方にたわみ、さらに面方向においても伸びて
いる場合を考えると、各層の上下の対称性から、図6の
(b)に示すように、上層ヒータ回路3cの縮み量δ1
は下層ヒータ回路3dの伸び量δ1’と等しく、上層ヒ
ータ回路3aの縮み量δ2は下層ヒータ回路3bの伸び
量δ2’と等しくなる。したがって、曲げ成分による抵
抗値の変動については、上層ヒータ回路3aと下層ヒー
タ回路3bとの間で、また、上層ヒータ回路3cと下層
ヒータ回路3dとの間でそれぞれ相殺される。このよう
に実施の形態1と同様にダイヤフラム膜2の曲げ成分に
よる抵抗変化を除去する。
【0030】次に、ダイヤフラム膜2の面内伸び成分に
よる抵抗変化の除去について説明する。面内伸び成分に
よる影響は、ブリッジ回路を構成する際のヒータ回路の
接続関係により除去している。図5の(c)に、図5の
(a)に示す測定素子1bを用いたブリッジ回路7bの
構成を示す。この図に示すように、ブリッジ回路7bは
ヒータ回路3a〜3d、所定の抵抗値の抵抗R1、R2
から構成される。このブリッジ回路7bに対して、端子
A、端子Xに電源8により入力電圧が印加され、端子
B、Cから電圧検出回路9により流量検出信号として出
力電圧が取り出される。このために、入力端子(ノー
ド)Aに接続されるブリッジ回路7bの一辺がヒータ回
路3a、3bが直列接続されてなる抵抗対からなり、他
の辺がヒータ回路3c、3dが直列接続されてなる抵抗
対からなる。このようにブリッジ回路7bに入力電圧を
供給する端子の一つに接続する二つの辺のそれぞれに上
記のヒータ回路を等しく振り分けている。
よる抵抗変化の除去について説明する。面内伸び成分に
よる影響は、ブリッジ回路を構成する際のヒータ回路の
接続関係により除去している。図5の(c)に、図5の
(a)に示す測定素子1bを用いたブリッジ回路7bの
構成を示す。この図に示すように、ブリッジ回路7bは
ヒータ回路3a〜3d、所定の抵抗値の抵抗R1、R2
から構成される。このブリッジ回路7bに対して、端子
A、端子Xに電源8により入力電圧が印加され、端子
B、Cから電圧検出回路9により流量検出信号として出
力電圧が取り出される。このために、入力端子(ノー
ド)Aに接続されるブリッジ回路7bの一辺がヒータ回
路3a、3bが直列接続されてなる抵抗対からなり、他
の辺がヒータ回路3c、3dが直列接続されてなる抵抗
対からなる。このようにブリッジ回路7bに入力電圧を
供給する端子の一つに接続する二つの辺のそれぞれに上
記のヒータ回路を等しく振り分けている。
【0031】ダイヤフラム膜2が面内方向に変形したと
きは、各層のヒータ回路3a〜3dは全て同様に変形す
るため、ヒータ回路3a、3bの変化量の和と、ヒータ
回路3c、3dの変化量の和とが等しくなる。このた
め、上記のようにブリッジ回路7を構成することによ
り、ダイヤフラム膜2が面内方向に変形したときの辺間
の抵抗値の変動量が等しくなり、それらの辺間でその変
動量が相殺される。故に、ヒータ部全体としてダイヤフ
ラム膜2の面内変形成分による抵抗値の変動を除去でき
る。
きは、各層のヒータ回路3a〜3dは全て同様に変形す
るため、ヒータ回路3a、3bの変化量の和と、ヒータ
回路3c、3dの変化量の和とが等しくなる。このた
め、上記のようにブリッジ回路7を構成することによ
り、ダイヤフラム膜2が面内方向に変形したときの辺間
の抵抗値の変動量が等しくなり、それらの辺間でその変
動量が相殺される。故に、ヒータ部全体としてダイヤフ
ラム膜2の面内変形成分による抵抗値の変動を除去でき
る。
【0032】以上のように、本実施形態の流量センサ
は、ダイヤフラム膜2が変形した場合であっても、その
曲げ成分による変動については、ヒータ回路3a〜3d
を積層して形成することにより除去し、また、面内伸び
成分による変動については、ブリッジ回路7の入力端子
の一に接続する二つの辺のそれぞれに等しくヒータ回路
3a〜3dを振り分けた構成にすることにより除去する
ようにしている。これにより、実施の形態1の場合とよ
りもさらにダイヤフラム膜2の変形による影響を受けず
に、より精度高く流体の流量検出ができる。
は、ダイヤフラム膜2が変形した場合であっても、その
曲げ成分による変動については、ヒータ回路3a〜3d
を積層して形成することにより除去し、また、面内伸び
成分による変動については、ブリッジ回路7の入力端子
の一に接続する二つの辺のそれぞれに等しくヒータ回路
3a〜3dを振り分けた構成にすることにより除去する
ようにしている。これにより、実施の形態1の場合とよ
りもさらにダイヤフラム膜2の変形による影響を受けず
に、より精度高く流体の流量検出ができる。
【0033】また、本実施形態においても実施の形態1
と同様に、上層ヒータ回路のループ方向と下層ヒータ回
路のループ方向を逆にすることによって、誘導起電力を
キャンセルでき、同等の効果を生ずる。
と同様に、上層ヒータ回路のループ方向と下層ヒータ回
路のループ方向を逆にすることによって、誘導起電力を
キャンセルでき、同等の効果を生ずる。
【0034】実施の形態3.図7は、実施の形態3の流
量センサの測定素子の構成を示した図である。本実施形
態の流量センサでは、その測定素子1cにおいて、ヒー
タ部を二層構造にし、さらに各層において2つのヒータ
回路を流量測定方向の上流と下流に並べて形成してい
る。すなわち、図6の(a)、(b)に示すように、上
層においてヒータ回路3a、3a'が平行に形成され、
下層においてヒータ回路3b、3b'が平行に形成され
ている。同一層に設けられたヒータ回路は直列に接続さ
れている。また、上層のヒータ回路3aと下層のヒータ
回路3bとが直列に接続されている。このとき、前述の
実施形態と同様に、上層と下層においてヒータ回路3
a、3b、3a'、3b'は、ダイヤフラム膜2の厚さ方
向の中心面に対して対称となる位置に形成される。ま
た、それらの形状も等しくなるように形成される。この
ように形成されることにより、上層のヒータ回路3aと
下層のヒータ回路3bの間で、また、上層のヒータ回路
3a’と下層のヒータ回路3b’の間で、曲げ成分によ
る抵抗値の変動分が相殺される。
量センサの測定素子の構成を示した図である。本実施形
態の流量センサでは、その測定素子1cにおいて、ヒー
タ部を二層構造にし、さらに各層において2つのヒータ
回路を流量測定方向の上流と下流に並べて形成してい
る。すなわち、図6の(a)、(b)に示すように、上
層においてヒータ回路3a、3a'が平行に形成され、
下層においてヒータ回路3b、3b'が平行に形成され
ている。同一層に設けられたヒータ回路は直列に接続さ
れている。また、上層のヒータ回路3aと下層のヒータ
回路3bとが直列に接続されている。このとき、前述の
実施形態と同様に、上層と下層においてヒータ回路3
a、3b、3a'、3b'は、ダイヤフラム膜2の厚さ方
向の中心面に対して対称となる位置に形成される。ま
た、それらの形状も等しくなるように形成される。この
ように形成されることにより、上層のヒータ回路3aと
下層のヒータ回路3bの間で、また、上層のヒータ回路
3a’と下層のヒータ回路3b’の間で、曲げ成分によ
る抵抗値の変動分が相殺される。
【0035】図6の(c)は、測定素子1cから流量を
電気信号として取出すためのブリッジ回路を示した図で
ある。図に示すように、ブリッジ回路7cを構成する一
辺をヒータ回路3a、3bからなる抵抗対で構成し、他
の一辺をヒータ回路3a'、3b’からなる抵抗対で構
成し、ヒータ回路3a、3b対とヒータ回路3a'、3
b'対の接続点をブリッジ回路7cに対する入力電圧供
給ノードの1つとしている。これにより、実施の形態2
と同様に、面内成分による抵抗値の変動分が、ヒータ回
路3a、3bからなる直列回路と、ヒータ回路3a'、
3b’からなる直列回路との間で相殺される。
電気信号として取出すためのブリッジ回路を示した図で
ある。図に示すように、ブリッジ回路7cを構成する一
辺をヒータ回路3a、3bからなる抵抗対で構成し、他
の一辺をヒータ回路3a'、3b’からなる抵抗対で構
成し、ヒータ回路3a、3b対とヒータ回路3a'、3
b'対の接続点をブリッジ回路7cに対する入力電圧供
給ノードの1つとしている。これにより、実施の形態2
と同様に、面内成分による抵抗値の変動分が、ヒータ回
路3a、3bからなる直列回路と、ヒータ回路3a'、
3b’からなる直列回路との間で相殺される。
【0036】なお、本実施形態の流量センサは、上流の
ヒータ回路では下流のヒータ回路よりも大きく冷却され
ることから、同一層に設けられた2つのヒータ回路間の
抵抗値の変化の差を検出することにより、流量と合せて
流体の流れの方向も検出することができる。
ヒータ回路では下流のヒータ回路よりも大きく冷却され
ることから、同一層に設けられた2つのヒータ回路間の
抵抗値の変化の差を検出することにより、流量と合せて
流体の流れの方向も検出することができる。
【0037】実施の形態4.本実施形態の流量センサの
測定素子では、実施の形態2のように一つのヒータ回路
を4層構造にして形成しており、さらに、実施の形態3
のように各層において二つのヒータ回路を並列に形成す
る。このとき、流量検出信号を検出するためのブリッジ
回路は、各層のヒータ回路がブリッジ回路を構成する4
つの辺となるように構成される。
測定素子では、実施の形態2のように一つのヒータ回路
を4層構造にして形成しており、さらに、実施の形態3
のように各層において二つのヒータ回路を並列に形成す
る。このとき、流量検出信号を検出するためのブリッジ
回路は、各層のヒータ回路がブリッジ回路を構成する4
つの辺となるように構成される。
【0038】すなわち、図8の(a)(または、図8の
(b))に示すように、測定素子1dにおいて、最上層
においてヒータ回路3c、3c'が平行して形成され、
その下の上層においてヒータ回路3a、3a'が平行し
て形成され、その下の下層においてヒータ回路3b、3
b'が平行して形成され、最下層においてヒータ回路3
d、3d'が平行して形成されている。このとき、前述
の実施の形態2と同様に、ダイヤフラム膜2において、
上層ヒータ回路3a、3a'と、下層ヒータ回路3b、
3b'とは、ダイヤフラム膜2の厚さ方向の中心位置か
らそれぞれ上下方向に等しい距離の位置に形成される。
また、上層ヒータ回路3c、3c'と、下層ヒータ回路
3d、3d'とは、ダイヤフラム膜2の厚さ方向の中心
位置からそれぞれ上下方向に等しい距離の位置に形成さ
れる。これにより、上下層のヒータ回路間で曲げ成分に
よる抵抗値の変動分が相殺される。
(b))に示すように、測定素子1dにおいて、最上層
においてヒータ回路3c、3c'が平行して形成され、
その下の上層においてヒータ回路3a、3a'が平行し
て形成され、その下の下層においてヒータ回路3b、3
b'が平行して形成され、最下層においてヒータ回路3
d、3d'が平行して形成されている。このとき、前述
の実施の形態2と同様に、ダイヤフラム膜2において、
上層ヒータ回路3a、3a'と、下層ヒータ回路3b、
3b'とは、ダイヤフラム膜2の厚さ方向の中心位置か
らそれぞれ上下方向に等しい距離の位置に形成される。
また、上層ヒータ回路3c、3c'と、下層ヒータ回路
3d、3d'とは、ダイヤフラム膜2の厚さ方向の中心
位置からそれぞれ上下方向に等しい距離の位置に形成さ
れる。これにより、上下層のヒータ回路間で曲げ成分に
よる抵抗値の変動分が相殺される。
【0039】また、図8の(a)(または、図8の
(c))に示すように、ヒータ回路3aとヒータ回路3
bが、ヒータ回路3c'とヒータ回路3d'が、ヒータ回
路3b'とヒータ回路3a'が、ヒータ回路3dとヒータ
回路3cがそれぞれ接続され抵抗対をなし、各抵抗対が
ブリッジ回路を構成する4つの辺を構成する。このと
き、ヒータ回路3a、3bからなる辺と、ヒータ回路3
c'、3d'からなる辺とが直列接続され、また、ヒータ
回路3a'、3b'からなる辺と、ヒータ回路3c、3d
からなる辺とが直列接続される。直列接続されたそれぞ
れの辺は並列接続される。
(c))に示すように、ヒータ回路3aとヒータ回路3
bが、ヒータ回路3c'とヒータ回路3d'が、ヒータ回
路3b'とヒータ回路3a'が、ヒータ回路3dとヒータ
回路3cがそれぞれ接続され抵抗対をなし、各抵抗対が
ブリッジ回路を構成する4つの辺を構成する。このと
き、ヒータ回路3a、3bからなる辺と、ヒータ回路3
c'、3d'からなる辺とが直列接続され、また、ヒータ
回路3a'、3b'からなる辺と、ヒータ回路3c、3d
からなる辺とが直列接続される。直列接続されたそれぞ
れの辺は並列接続される。
【0040】また、図8の(c)に示すように、ブリッ
ジ回路7dにおいて、ヒータ回路3a、3bの対と、ヒ
ータ回路3a’、3b’の対とが対向し、かつ、ヒータ
回路3c、3dの対とヒータ回路3c’、3d’の対と
が対向するように接続されている。このように、ブリッ
ジ回路7dにおいて同層のヒータ回路対を対向させるこ
とにより、本来の抵抗温度係数による抵抗変化に関し
て、対向した抵抗対の変化は2倍に出力されるため、さ
らに測定精度を向上することができる。
ジ回路7dにおいて、ヒータ回路3a、3bの対と、ヒ
ータ回路3a’、3b’の対とが対向し、かつ、ヒータ
回路3c、3dの対とヒータ回路3c’、3d’の対と
が対向するように接続されている。このように、ブリッ
ジ回路7dにおいて同層のヒータ回路対を対向させるこ
とにより、本来の抵抗温度係数による抵抗変化に関し
て、対向した抵抗対の変化は2倍に出力されるため、さ
らに測定精度を向上することができる。
【0041】以上のように、本実施形態の測定素子1d
において各ヒータ回路3a〜3d、3a'〜3d'が接続
されるため、たわみに関しては実施の形態1に示した作
用により、また、面内伸びに関しては実施の形態2に示
した作用によりダイヤフラム膜2の抵抗変化がキャンセ
ルされる。すなわち、実施の形態2の場合と全く同じ効
果を奏する。
において各ヒータ回路3a〜3d、3a'〜3d'が接続
されるため、たわみに関しては実施の形態1に示した作
用により、また、面内伸びに関しては実施の形態2に示
した作用によりダイヤフラム膜2の抵抗変化がキャンセ
ルされる。すなわち、実施の形態2の場合と全く同じ効
果を奏する。
【0042】なお、以上の実施形態では、測定素子のダ
イヤフラム膜2においてヒータ部を二層または四層で構
成した例を説明したが、対称位置関係にある上下層間で
曲げ成分による影響がキャンセルされればよいため、ダ
イヤフラム膜2を任意の偶数の層で構成することもでき
る。その際、ダイヤフラム膜の中心から上下にある各層
は、その中心に対して対称となるような位置に形成され
る。
イヤフラム膜2においてヒータ部を二層または四層で構
成した例を説明したが、対称位置関係にある上下層間で
曲げ成分による影響がキャンセルされればよいため、ダ
イヤフラム膜2を任意の偶数の層で構成することもでき
る。その際、ダイヤフラム膜の中心から上下にある各層
は、その中心に対して対称となるような位置に形成され
る。
【0043】
【発明の効果】本発明の第1の流量センサによれば、ダ
イヤフラム膜において、発熱抵抗回路が上下層に対称に
設けられているため、ダイヤフラム膜の反りやたわみの
変形による抵抗変化が、上下相間で相殺される。すなわ
ち、熱膨張や流体の圧力によりダイヤフラム膜がたわん
でも、それが抵抗温度特性に影響せず、測定精度を向上
できる。さらに副次的効果として、外部磁界により発熱
抵抗回路に誘導起電力が発生するが、この構造はそれを
もキャンセルする効果がある。すなわち、外部磁界によ
る発熱抵抗回路の誘導起電力は発熱抵抗回路が外部磁界
を横切るループの面積として表されるが、上層の発熱抵
抗回路のそれと下層の発熱抵抗回路のループ方向が逆に
なるために誘導起電力をキャンセルできる。
イヤフラム膜において、発熱抵抗回路が上下層に対称に
設けられているため、ダイヤフラム膜の反りやたわみの
変形による抵抗変化が、上下相間で相殺される。すなわ
ち、熱膨張や流体の圧力によりダイヤフラム膜がたわん
でも、それが抵抗温度特性に影響せず、測定精度を向上
できる。さらに副次的効果として、外部磁界により発熱
抵抗回路に誘導起電力が発生するが、この構造はそれを
もキャンセルする効果がある。すなわち、外部磁界によ
る発熱抵抗回路の誘導起電力は発熱抵抗回路が外部磁界
を横切るループの面積として表されるが、上層の発熱抵
抗回路のそれと下層の発熱抵抗回路のループ方向が逆に
なるために誘導起電力をキャンセルできる。
【0044】本発明の第2の流量センサによれば、第1
の流量センサにおいて、ダイヤフラム膜において発熱部
を二層構造とした場合であっても、上記と同様に、熱膨
張や流体の圧力によりダイヤフラム膜がたわんでも、そ
れが抵抗温度特性に影響せず、測定精度を向上できる。
の流量センサにおいて、ダイヤフラム膜において発熱部
を二層構造とした場合であっても、上記と同様に、熱膨
張や流体の圧力によりダイヤフラム膜がたわんでも、そ
れが抵抗温度特性に影響せず、測定精度を向上できる。
【0045】本発明の第3の流量センサによれば、第1
の流量センサにおいて、ダイヤフラム膜内の発熱部が上
下に四層構造とし、内側二層の発熱抵抗回路どうしを直
列接続し、外側二層の発熱抵抗回路どうしを直列接続し
ている。このため、上記第1の発明と同様に、熱膨張や
流体の圧力によるダイヤフラム膜のたわみによる影響が
除去され、測定精度を向上できる。さらに、流量センサ
において、直列接続された発熱抵抗対のそれぞれが、ブ
リッジ回路の入力電圧ノードに接続する隣り合う辺とな
るように構成している。このため、ダイヤフラム膜の面
内の伸び成分に関しては、各四層の発熱抵抗回路におい
て、それぞれ同じ量だけ伸びが生じ、それに対応した抵
抗変化が生じるため、面内の伸びた分の抵抗変化はブリ
ッジ回路の出力電圧の変化には現れないので、ダイヤフ
ラム膜の面内伸びによる抵抗変化がキャンセルされる。
したがって、面内伸びの変形による抵抗変化は生じなく
なり、測定精度をさらに向上することができる。
の流量センサにおいて、ダイヤフラム膜内の発熱部が上
下に四層構造とし、内側二層の発熱抵抗回路どうしを直
列接続し、外側二層の発熱抵抗回路どうしを直列接続し
ている。このため、上記第1の発明と同様に、熱膨張や
流体の圧力によるダイヤフラム膜のたわみによる影響が
除去され、測定精度を向上できる。さらに、流量センサ
において、直列接続された発熱抵抗対のそれぞれが、ブ
リッジ回路の入力電圧ノードに接続する隣り合う辺とな
るように構成している。このため、ダイヤフラム膜の面
内の伸び成分に関しては、各四層の発熱抵抗回路におい
て、それぞれ同じ量だけ伸びが生じ、それに対応した抵
抗変化が生じるため、面内の伸びた分の抵抗変化はブリ
ッジ回路の出力電圧の変化には現れないので、ダイヤフ
ラム膜の面内伸びによる抵抗変化がキャンセルされる。
したがって、面内伸びの変形による抵抗変化は生じなく
なり、測定精度をさらに向上することができる。
【0046】本発明の第4の流量センサによれば、第1
の流量センサにおいて、ダイヤフラム膜内の発熱部を上
下に二層構造とし、各層において流量測定方向に沿って
2つの発熱抵抗回路を並べて設けている。このとき、上
下層の対応する位置にある発熱抵抗回路を直列接続する
ため、上記第1の発明と同様に、熱膨張や流体の圧力に
よるダイヤフラム膜のたわみによる影響が除去され、測
定精度を向上できる。さらに、本発明の流量センサで
は、上流側の発熱抵抗回路どうしを直列接続し、下流側
の発熱抵抗回路どうしを直列接続し、さらに、直列接続
された抵抗対のそれぞれが、ブリッジ回路の入力電圧ノ
ードに接続する隣り合う辺となるように構成している。
このため、ダイヤフラム膜の面内の伸び成分に関して、
第3の発明の流量センサと同様に、ダイヤフラム膜の面
内伸びによる抵抗変化がキャンセルされる。したがっ
て、測定精度の高い流量センサが実現できる。
の流量センサにおいて、ダイヤフラム膜内の発熱部を上
下に二層構造とし、各層において流量測定方向に沿って
2つの発熱抵抗回路を並べて設けている。このとき、上
下層の対応する位置にある発熱抵抗回路を直列接続する
ため、上記第1の発明と同様に、熱膨張や流体の圧力に
よるダイヤフラム膜のたわみによる影響が除去され、測
定精度を向上できる。さらに、本発明の流量センサで
は、上流側の発熱抵抗回路どうしを直列接続し、下流側
の発熱抵抗回路どうしを直列接続し、さらに、直列接続
された抵抗対のそれぞれが、ブリッジ回路の入力電圧ノ
ードに接続する隣り合う辺となるように構成している。
このため、ダイヤフラム膜の面内の伸び成分に関して、
第3の発明の流量センサと同様に、ダイヤフラム膜の面
内伸びによる抵抗変化がキャンセルされる。したがっ
て、測定精度の高い流量センサが実現できる。
【0047】本発明の第5の流量センサによれば、第1
の流量センサにおいて、ダイヤフラム膜内の発熱部を上
下に四層構造とし、各層において流量測定方向に沿って
2つの発熱抵抗回路を並べて設けている。このとき、内
側二層の間と外側二層の間のそれぞれで発熱抵抗回路を
直列接続しているため、上記第1の発明と同様に、熱膨
張や流体の圧力によるダイヤフラム膜のたわみによる影
響が除去され、測定精度を向上できる。さらに、本発明
の流量センサでは、内側二層の間と外側二層の間のそれ
ぞれで上流側の発熱抵抗回路どうしを直列接続し、下流
側の発熱抵抗回路どうしを直列接続している。このよう
な構成にすることにより、ブリッジ回路内においてダイ
ヤフラム膜の面内伸びの変形による抵抗変化が各辺の間
で相殺される。このため、熱膨張や流体の圧力によりダ
イヤフラム膜が大きく伸びてたわんでも、それが抵抗温
度特性に影響せず、流量センサの測定精度を向上でき
る。
の流量センサにおいて、ダイヤフラム膜内の発熱部を上
下に四層構造とし、各層において流量測定方向に沿って
2つの発熱抵抗回路を並べて設けている。このとき、内
側二層の間と外側二層の間のそれぞれで発熱抵抗回路を
直列接続しているため、上記第1の発明と同様に、熱膨
張や流体の圧力によるダイヤフラム膜のたわみによる影
響が除去され、測定精度を向上できる。さらに、本発明
の流量センサでは、内側二層の間と外側二層の間のそれ
ぞれで上流側の発熱抵抗回路どうしを直列接続し、下流
側の発熱抵抗回路どうしを直列接続している。このよう
な構成にすることにより、ブリッジ回路内においてダイ
ヤフラム膜の面内伸びの変形による抵抗変化が各辺の間
で相殺される。このため、熱膨張や流体の圧力によりダ
イヤフラム膜が大きく伸びてたわんでも、それが抵抗温
度特性に影響せず、流量センサの測定精度を向上でき
る。
【0048】本発明の第6の流量センサによれば、第5
の流量センサにおいて、同層にある発熱抵抗対が対向す
るようにブリッジ回路を構成する。これにより、本来の
抵抗温度係数による抵抗変化に関して、ブリッジ回路に
おいて対向した抵抗の変化は2倍に出力されることか
ら、さらに測定精度を向上できる。
の流量センサにおいて、同層にある発熱抵抗対が対向す
るようにブリッジ回路を構成する。これにより、本来の
抵抗温度係数による抵抗変化に関して、ブリッジ回路に
おいて対向した抵抗の変化は2倍に出力されることか
ら、さらに測定精度を向上できる。
【図1】 (a)実施の形態1における流量センサの測
定素子の構造図、(b)実施の形態1の流量センサの測
定素子のダイヤフラム膜の断面図、及び、(c)実施の
形態1における流量センサの測定素子から流量検出信号
を検出するためのブリッジ回路の構成を示す回路図。
定素子の構造図、(b)実施の形態1の流量センサの測
定素子のダイヤフラム膜の断面図、及び、(c)実施の
形態1における流量センサの測定素子から流量検出信号
を検出するためのブリッジ回路の構成を示す回路図。
【図2】 本発明の実施の形態1における流量センサの
ブロック構成図。
ブロック構成図。
【図3】 実施の形態1の流量センサにおいて曲げ成分
による抵抗値の変動を除去する作用を説明した図。
(a)ダイヤフラム膜のたわみを説明した図。(b)た
わんだ状態にあるダイヤフラム膜においてヒータ回路の
縮み量または伸び量を説明した図。(c)ダイヤフラム
膜において、厚さ方向の位置に応じて変化する縮み量を
説明した図。
による抵抗値の変動を除去する作用を説明した図。
(a)ダイヤフラム膜のたわみを説明した図。(b)た
わんだ状態にあるダイヤフラム膜においてヒータ回路の
縮み量または伸び量を説明した図。(c)ダイヤフラム
膜において、厚さ方向の位置に応じて変化する縮み量を
説明した図。
【図4】 ダイヤフラム膜の全体の変形量が面内伸び成
分と曲げ成分とからなることを説明した図。
分と曲げ成分とからなることを説明した図。
【図5】 (a)本発明の実施の形態2における流量セ
ンサの測定素子の構造図、(b)実施の形態2の流量セ
ンサの測定素子のダイヤフラム膜の断面図、及び、
(c)実施の形態2における流量センサの測定素子から
流量検出信号を検出するためのブリッジ回路の構成を示
す回路図。
ンサの測定素子の構造図、(b)実施の形態2の流量セ
ンサの測定素子のダイヤフラム膜の断面図、及び、
(c)実施の形態2における流量センサの測定素子から
流量検出信号を検出するためのブリッジ回路の構成を示
す回路図。
【図6】 実施の形態2の流量センサにおいて曲げ成分
による抵抗値の変動を除去する作用を説明した図。
(a)ダイヤフラム膜のたわみを説明した図。(b)た
わんだ状態にあるダイヤフラム膜においてヒータ回路の
縮み量または伸び量を説明した図。
による抵抗値の変動を除去する作用を説明した図。
(a)ダイヤフラム膜のたわみを説明した図。(b)た
わんだ状態にあるダイヤフラム膜においてヒータ回路の
縮み量または伸び量を説明した図。
【図7】 (a)本発明の実施の形態3における流量セ
ンサの測定素子の構造図、(b)実施の形態2の流量セ
ンサの測定素子のダイヤフラム膜の断面図、及び、
(c)実施の形態2における流量センサの測定素子から
流量検出信号を検出するためのブリッジ回路の構成を示
す回路図。
ンサの測定素子の構造図、(b)実施の形態2の流量セ
ンサの測定素子のダイヤフラム膜の断面図、及び、
(c)実施の形態2における流量センサの測定素子から
流量検出信号を検出するためのブリッジ回路の構成を示
す回路図。
【図8】 (a)本発明の実施の形態4における流量セ
ンサの測定素子の構造図、(b)実施の形態2の流量セ
ンサの測定素子のダイヤフラム膜の断面図、及び、
(c)実施の形態2における流量センサの測定素子から
流量検出信号を検出するためのブリッジ回路の構成を示
す回路図。
ンサの測定素子の構造図、(b)実施の形態2の流量セ
ンサの測定素子のダイヤフラム膜の断面図、及び、
(c)実施の形態2における流量センサの測定素子から
流量検出信号を検出するためのブリッジ回路の構成を示
す回路図。
【図9】 (a)従来の流量センサの測定素子の構造
図、(b)実施の形態2の流量センサの測定素子のダイ
ヤフラム膜の断面図、及び、(c)実施の形態2におけ
る流量センサの測定素子から流量検出信号を検出するた
めのブリッジ回路の構成を示す回路図。
図、(b)実施の形態2の流量センサの測定素子のダイ
ヤフラム膜の断面図、及び、(c)実施の形態2におけ
る流量センサの測定素子から流量検出信号を検出するた
めのブリッジ回路の構成を示す回路図。
1a〜1d, 測定素子、 2 ダイヤフラム膜、 3
ヒータ部、 3a〜3d,3a'〜3d' ヒータ回
路、 4 温度検出回路、 6 空洞、 7a〜7d
ブリッジ回路、 10 流量センサ
ヒータ部、 3a〜3d,3a'〜3d' ヒータ回
路、 4 温度検出回路、 6 空洞、 7a〜7d
ブリッジ回路、 10 流量センサ
Claims (6)
- 【請求項1】 流体により冷却されることにより抵抗値
が変化する発熱部を設けたダイヤフラム膜を有した測定
素子を備え、該測定素子の発熱部の抵抗値変化を電気信
号として取出して流体の流量を測定する流量センサにお
いて、 前記ダイヤフラム膜の発熱部を偶数の層構造とし、該偶
数の層を前記ダイヤフラム膜の厚さ方向の中心に対して
上下に対称な位置にそれぞれ設け、 各層において、少なくとも1つの発熱抵抗回路を形成
し、さらに、該発熱抵抗回路は対称位置にある層の発熱
抵抗回路と等位置に同形状で形成され、 対称関係にある上下層の間で等位置にある発熱抵抗回路
どうしが直列接続されて抵抗対を形成し、該抵抗対は前
記電気信号を取出すために構成されるブリッジ回路の一
辺となることを特徴とする流量センサ。 - 【請求項2】 前記ダイヤフラム膜の発熱部を二層構造
とし、各層において発熱抵抗回路を一つ設けたことを特
徴とする請求項1記載の流量センサ。 - 【請求項3】 前記ダイヤフラム膜の発熱部を四層構造
とし、各層において発熱抵抗回路を一つ設け、 外側二層に設けられた発熱抵抗回路どうしを直列接続し
て第1の抵抗対とし、内側二層に設けられた発熱抵抗回
路どうしを直列接続して第2の抵抗対とし、 前記第1の抵抗対と前記第2の抵抗対は直列接続され、
かつ、その抵抗対間の接続点を前記ブリッジ回路の入力
電圧供給ノードの1つとすることを特徴とする請求項1
記載の流量センサ。 - 【請求項4】 前記ダイヤフラム膜の発熱部を二層構造
とし、各層において二つの発熱抵抗回路を流量測定方向
の上流及び下流に並べて設け、 上流側の発熱抵抗回路どうしを直列接続して第1の抵抗
対とし、下流側の発熱抵抗回路どうしを直列接続して第
2の抵抗対とし、 前記第1の抵抗対と前記第2の抵抗対は直列接続され、
かつ、その抵抗対間の接続点を前記ブリッジ回路の入力
電圧供給ノードの1つとしたことを特徴とする請求項1
記載の流量センサ。 - 【請求項5】 前記ダイヤフラム膜において発熱部を四
層構造とし、各層において二つの発熱抵抗回路を流量測
定方向の上流及び下流に並べて設け、 外側二層の上流側にある発熱抵抗回路どうしを直列接続
して第1の抵抗対とし、内側二層の上流側にある発熱抵
抗回路どうしを直列接続して第2の抵抗対とし、外側二
層の下流側にある発熱抵抗回路どうしを直列接続して第
3の抵抗対とし、内側二層の下流側にある発熱抵抗回路
どうしを直列接続して第4の抵抗対とし、 前記第1乃至第4の抵抗対は、それぞれが前記ブリッジ
回路の一辺となるように接続されることを特徴とする請
求項1記載の流量センサ。 - 【請求項6】 前記ブリッジ回路において、前記第1の
抵抗対と前記第3の抵抗対とが対向し、前記第2の抵抗
対と前記第4の抵抗対とが対向するように接続されるこ
とを特徴とする請求項5記載の流量センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11132555A JP2000321108A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 流量センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11132555A JP2000321108A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 流量センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000321108A true JP2000321108A (ja) | 2000-11-24 |
Family
ID=15084037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11132555A Pending JP2000321108A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 流量センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000321108A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008292330A (ja) * | 2007-05-25 | 2008-12-04 | Hitachi Ltd | 熱式流量計と制御方法 |
WO2016027568A1 (ja) * | 2014-08-22 | 2016-02-25 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | センサ装置 |
EP3332227A4 (en) * | 2015-08-03 | 2019-05-01 | Aceinna, Inc. | ELECTROMECHANICAL MICROSYSTEM FLOW SENSOR (MEMS) |
CN109900924A (zh) * | 2019-03-26 | 2019-06-18 | 中国电子科技集团公司第四十九研究所 | 基于htcc工艺的热膜式风速传感单元、传感器及传感单元的制备方法 |
-
1999
- 1999-05-13 JP JP11132555A patent/JP2000321108A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008292330A (ja) * | 2007-05-25 | 2008-12-04 | Hitachi Ltd | 熱式流量計と制御方法 |
WO2016027568A1 (ja) * | 2014-08-22 | 2016-02-25 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | センサ装置 |
US11302854B2 (en) | 2014-08-22 | 2022-04-12 | Hitachi Automotive Systems, Ltd. | Sensor device |
EP3332227A4 (en) * | 2015-08-03 | 2019-05-01 | Aceinna, Inc. | ELECTROMECHANICAL MICROSYSTEM FLOW SENSOR (MEMS) |
CN109900924A (zh) * | 2019-03-26 | 2019-06-18 | 中国电子科技集团公司第四十九研究所 | 基于htcc工艺的热膜式风速传感单元、传感器及传感单元的制备方法 |
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