JP2000320637A - ボールねじ - Google Patents
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Abstract
とによって発生する軸心に直交する面周りのモーメント
による軸方向に沿った負荷分布のばらつきを低減する。 【解決手段】4回路の循環路が軸方向に配列するボール
ねじである。第1及び第4回路A1,A4の循環チュー
ブ4の取付け位置に対して、第2及び第3回路A2,A
3の循環チューブ4の取付け位置を円周方向に180度
反転した位置に設けている。
Description
動との変換を行うボールねじに係わり、特に高荷重負荷
用途に使用されるボールねじの改良に関するものであ
る。
ねじ、例えばリターンチューブ循環方式などにあって
は、加工工程を少なくするなどの目的から、すべての循
環路の円周方向の位相が同一となるように全循環路を配
列させるのが一般的である。また、循環こま式ボールね
じなどの場合には、その循環路の回路数をnとすると、
円周方向に(1/n)回転又は(2/n)回転等の等位
相間隔の位相差をとって同一回転方向に順番に位相をず
らしながら軸方向に沿って複数の循環路を配列するのが
一般的である。
重などの使用条件に応じた負荷能力を確保するために、
当該使用条件に十分耐えうるだけの軸径のボールねじを
選定したり、ボールナットの回路数を増やすことでボー
ルの数を増やしたり、ボールねじ溝のリードを大きくす
ることでボール径を大きくしたりするなどの対処を行っ
ている。
一化し、特定位置のボールに生じやすい応力集中を緩和
することによって、ボールねじのサイズを大きくするこ
となく、コンパクトで高い負荷能力を有するボールねじ
を提供することを目的として、特開平10−15324
5号公報に記載の発明が提案されている。この発明は、
複数回路の循環路を持ち且つすべての循環路の円周方向
の位相が同一となるように設定したリターンチューブ循
環方式などのボールねじでは、軸方向荷重が加わった場
合に、荷重を受ける有効ボールの配列が円周方向に均一
にならず、そのアンバランスが比較的大きいために、一
部のボール、すなわち有効ボールの数が少ない位相の有
効ボール部分に高負荷が掛かることになることに着目し
たもので、循環路が3回路以上のリターンチューブ循環
方式などのボールねじについて、そのうちの少なくとも
1回路の位相を他の循環路に対して円周方向に180度
反転させることで、円周方向の負荷分布のばらつきを平
均化するものである。
の循環路の円周方向の位相が同一となるように配列され
たリターンチューブ循環方式などのボールねじに軸方向
荷重が加わった場合には、荷重を受ける有効ボールの配
列が円周方向で均一ではなく、そのアンバランスが比較
的大きいことから、一部のボール、すなわち有効ボール
の数が少ない位相の有効ボール部分に高負荷が掛かるこ
とになる。
号公報に記載されているように、循環路の一部の回路の
円周方向の位相を他の循環路に対し180度反転させる
ことで、円周方向のみに着目すると荷重を受ける有効ボ
ールの配列が均一に近づき、そのアンバランスが小さく
なるため、その意味では負荷分布のばらつき低減に有効
な対策となる。
よっては、軸心に対しボールの少ない部分(負荷が大き
い部分)が互いに対角方向の位置に存在することにな
り、その対角の配置によって軸芯に直交する面周りのモ
ーメントが発生し、この面周りのモーメントによって軸
方向に沿った負荷分布のばらつきが大きくなる。例え
ば、隣り合う循環路の位相が互いに180度反転してい
る部分が1個所しかない場合には、その反転部を境とし
て、ボールの少ない部分(負荷が大きい部分)が軸心に
対し互いに対角位置に存在することになり、そのために
発生する軸芯に直交する面周りのモーメントの存在で、
軸方向に沿った負荷分布のばらつきが大きくなる。
路数をnとすると、(1/n)回転や(2/n)回転な
どの等位相間隔の位相差で回路が配置されて戻り路が螺
旋状に配置される循環こま式などのボールねじにあって
は、上記全循環路は、軸方向からみて戻り路が軸心を中
心として対称に配置される関係から、円周方向の負荷分
布のばらつき低減には有利である。
列が円周方向に等間隔位相づつ同一回転方向にずれて螺
旋状に配置されるために、全循環路の軸方向中心点を中
心とした点対称に配置されていることから、上記説明し
た隣り合う回路の位相が互いに180度反転している部
分が1個所しかない場合に似た、軸心に直交する面周り
のモーメントが発生する。このため、隣り合う循環路間
の全てについて円周方向に等間隔の位相差を持って回路
を配置することで生じる、軸心に直交する面周りのモー
メントのバランスが悪い。
なされたもので、各循環路間の円周方向の位相を互いに
ずらすことによって発生する軸心に直交する面周りのモ
ーメントによる負荷分布のばらつきを低減することが可
能なボールねじを提供することを課題としている。
に、本発明のうち請求項1に記載したボールねじは、外
面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボール
ねじ溝に対向するボールねじ溝を内面に有する少なくと
も1つのボールナットと、該ボールナットのボールねじ
溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とによって形成された螺
旋状通路と、該螺旋状通路内を循環する多数のボール
と、ボールナットに設けられて上記多数のボールを循環
させるための戻り路とを備え、上記螺旋状通路と戻り路
とから形成される循環路が軸方向に沿って3回路以上配
列したボールねじにおいて、上記複数の循環路の円周方
向の位相について、隣り合う循環路の位相が互いに18
0度反転する部分を少なくとも2個所設けたことを特徴
とするものである。
路に対して180度反転することで円周方向の負荷分布
のばらつきが改善されると共に、180度反転する箇所
を2カ所以上とすることで循環路同士の円周方向の位相
を違えることによる軸心に直交する面周りのモーメント
によって生じる軸方向の負荷分布のばらつきが改善され
る。
所以上とすることで、負荷分布のバランスが改善される
理由について説明する。上記隣り合う循環路の位相につ
いて互いに180度反転する箇所が1カ所の場合には、
円周方向に沿ったボールの少ない部分(負荷が大きい部
分)が軸心に対し対角な位置に存在し、それが軸心に直
交する面周りのモーメントとなる。この面周りのモーメ
ントは上記循環路間の位相を180度反転した数だけ生
じる。しかし、隣合うモーメント同士は、上記対角の向
きが反対となることから、互いに反対向きのモーメント
となって、互いに相殺若しくは低減し合う関係となる。
このように、位相の反転箇所を2カ所以上設けること
で、隣り合う循環路間に円周方向の位相差を設けること
によって生じる上記モーメントのバランスが改善され
て、当該モーメントによる軸方向の負荷分布のばらつき
が低減する。
を構成するように、反対向きのモーメントの数が互いに
等しく、上記180度反転する箇所を、偶数箇所(特に
2 ヶ所)に設定することが望ましい。次に、請求項2に
記載したボールねじは、外面にボールねじ溝を有するね
じ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ
溝を内面に有する少なくとも1つのボールナットと、該
ボールナットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ
溝とによって形成された螺旋状通路と、該螺旋状通路内
を循環する多数のボールと、ボールナットに設けられて
上記多数のボールを循環させるための戻り路とを備え、
上記螺旋状通路と戻り路とから形成される循環路が軸方
向に沿って3回路以上配列し、隣り合う循環路間の一部
若しくは全部について円周方向に位相差が設定されてい
るボールねじにおいて、上記複数の循環路全体の軸方向
中央若しくはその近傍を通り軸心に直交する面に対して
面対称若しくは略面対称に上記複数の循環路を配置した
ことを特徴とするものである。
えるために、上記円周方向の位相差を180度に設定し
たり、(m/回路数:m=整数)などの等位相間隔に円
周方向位相差を設定して、軸方向からみて全循環路の戻
り路の配置が軸心を中心に対称となっていることが好ま
しい。本発明によれば、循環路間の一部又は全部に円周
方向の位相差があるために軸心に直交する面周りのモー
メントが存在していても、上記位相差の関係が軸方向中
央を境に面対称となっていることから、当該軸方向中央
を境に、軸方向両側に反対向き且つ同じ大きさのモーメ
ントが対をなして存在する。この結果、対をなすモーメ
ント同士が互いに相殺し合うことで、3回路以上の循環
路の配置に起因して生じる軸心に直交する面周りのモー
メントがバランスして当該モーメントによる軸方向の負
荷分布のばらつきが小さくなる。
の位相差を設ける仕様のボールねじに対し本発明を適用
した場合には、180度位相が反転する箇所が偶数箇所
存在し且つ複数の循環路全体の軸方向中央を境に対称に
配置された状態となる。次に、請求項3に記載したボー
ルねじは、外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ね
じ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面に有
する少なくとも1つのボールナットと、該ボールナット
のボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とによって
形成された螺旋状通路と、該螺旋状通路内を循環する多
数のボールと、ボールナットに設けられて上記多数のボ
ールを循環させるための戻り路とを備え、上記螺旋状通
路と戻り路とから形成される循環路が軸方向に沿って3
回路以上配列し、隣り合う循環路間の全部について円周
方向に等位相間隔の位相差が設定されているボールねじ
について、上記隣り合う循環路間の少なくとも一個所に
ついて、その円周方向の位相間隔を上記等位相間隔から
オフセットさせたことを特徴とするものである。
ねじのように、循環路が3回路以上であり、その回路数
をnとすると、(1/n)回転や(2/n)回転などの
等位相間隔の位相差で回路が配置されることで、円周方
向の負荷分布のばらつきが抑えられている場合に、少な
くとも一個所の位相間隔を変更する(等位相間隔からオ
フセットさせる)ことによって、軸心に直交する面周り
のモーメントのバランスが改善され、当該モーメントに
よる軸方向の負荷分布のばらつきを低減可能となる。
ランスを改善するための解析を行い、その結果にしたが
って決定すればよい。なお、一部の循環路間の位相間隔
の大きさを変えても、軸方向からみて軸心を中心に対称
となるように全循環路の戻り路が配置されるように位相
を設定することが好ましい。
ついて図面を参照しつつ説明する。なお、リターンチュ
ーブ循環方式のボールねじを例に挙げて説明するが、こ
れに限定されず、こま循環方式、ガイドプレート循環方
式など他の循環方式のボールねじであっても適用可能で
ある。
うに、ねじ軸1の外周に複数のボールを介してボールナ
ット2が螺合し、当該ねじ軸1又はボールナット2の一
方が相対回転することで、ボールナット2がねじ軸1に
対して相対的に直線運動を行う。すなわち、概略構成図
である図2に示すように、ねじ軸1の外周面には、雌ね
じ状のボールねじ溝1aが設けられ、また、ボールナッ
ト2の内周面にも、上記ねじ軸1のボールねじ溝1aに
径方向で対向する位置に雌ねじ状のボールねじ溝2aが
設けられる。その両ボールねじ溝1a,2aによって形
成される螺旋状通路内に複数のボール3(図2では斜線
で表している)が介挿され、そのボール3は、両ボール
ねじ溝1a、2aに沿って転動し、循環チューブ4から
なる戻り路を通じて戻されることで循環する。
路が軸方向に沿って配列するボールねじである。すなわ
ち、上記ボールナット2のボールねじ溝2aは、上記図
2に示すように、軸方向に沿って4つの区画に分けら
れ、各区画におけるボールねじ溝2aの両端部が、それ
ぞれ循環チューブ4によって連結されることで、4回路
の循環路が形成される。
及び図2における左側から第1回路A1、第2回路A
2、第3回路A3、及び第4回路A4と呼ぶ。本実施形
態では、第1及び第4回路A1,A4の循環チューブ4
の取付け位置に対して、図1に示すように、第2及び第
3回路A2,A3の循環チューブ4の取付け位置を円周
方向に180度反転した位置に設けている。
回路A1の位相と第2回路A2の位相とが互いに円周方
向に180度反転し、且つ第3回路A3の位相と第4回
路A4の位相とが互いに円周方向に180度反転するこ
とで、隣り合う回路の位相が互いに円周方向に180度
反転する箇所が2カ所設けられる。さらに、第2回路A
2と第3回路A3とが同位相になっていることから、4
つの回路全体の軸方向中央(第2回路と第3回路の間)
を通り軸心Sに直交する面Fに対して、4つの回路A1
〜A4の配置が面対称に設定される。
ついて説明する。第1回路A1及び第4回路A4の循環
チューブ4の取付け位置に対し、第2及び第3回路A
2、A3の循環チューブ4の取付け位置が、円周方向に
180度反転していることから、円周方向における第1
回路A1及び第4回路A4での有効ボール数が少ない部
分と、第2及び第3回路A2,A4での有効ボール数が
少ない部分とが円周方向で重なることが回避される。つ
まり、円周方向における無負荷圏(ボール3が存在しな
い部分)が分散することで、円周方向での各有効ボール
3に対する負荷分布のばらつきが抑えられる。
ールねじ溝1a、2aから循環チューブ4に掬い上げら
れてチューブ4内を通って循環するので、ボールナット
2と対向するねじ軸1の軌道上にはボール3がない部分
が存在する。これが円周方向の負荷分布のばらつきとな
り、有効ボール3の一部に高負荷が掛かることになる。
すなわち、ボールナット2内の各回路でのボール3の循
環は、図3に示されるように表されるが、ボールねじ溝
2aから循環チューブ4へのボール3の掬い上げによっ
て軸方向から見ると、図4に示すような、円周方向での
β角度の範囲部分のボール数が相対的に少なくなり、そ
のβ角度の範囲内のボール3に加わる負荷が相対的に大
きくなる。上記円周方向でボール数が相対的に少なくな
る部分は、チューブ4の取付け位置によって規制される
ので、上述のように、第1及び第4回路A1,A4に対
して、第2及び第3回路A2,A3の円周方向の位相を
180度反転することで、上述のように円周方向の負荷
分布のばらつきが低減する。特に、本実施形態では、2
回路づつ同位相としてあるので、より有効に円周方向の
負荷分布のばらつきが低減する。
である上記β角度は、180度よりも小さいので、相互
に180度位相を反転した回路同士A1,A4とA2,
A3では、互いにボール3の少ない部分が軸方向からみ
て重なることがない。また、第1回路A1と第2回路A
2の円周方向の位相を180度反転すると、軸心Sに対
して互いの循環チューブ4の取付け位置が対角に配置さ
れることから、軸心Sに直交する面周りモーメントが発
生する。同様に、第3回路A3と第4回路A4の円周方
向の位相を180度反転すると、軸心Sに対して互いの
循環チューブ4の取付け位置が対角に配置されることか
ら、軸心Sに直交する面周りモーメントが発生する。し
かしながら、上記両対角の向きが反対方向になることか
ら、上記2つのモーメントの方向が反対方向となり且つ
同一の大きさであるから、両モーメントは相殺し合い両
モーメントによる軸方向の負荷分布のばらつきが低減す
る。
の軸方向中央を通り且つ軸心Sに直交する面Fに対し面
対称に循環路を配置していることから、軸方向中央を境
として軸方向両側のバランスが最も有効に平均化して、
上記モーメントによる軸方向の負荷分布のばらつきが最
も有効に低減する。以上のように、本実施形態のボール
ねじにあっては、円周方向の負荷分布のばらつきを有効
に低減できるばかりか、軸心Sに直交する面周りのモー
メントによる負荷分布のばらつきも有効に低減できる。
変更するという簡単な手段によって、ねじ軸1とボール
ナット2との間を転動する複数のボール3間の負荷分布
が均一化して、一部のボール3ヘの負荷の集中が緩和さ
れる。この結果、ボールねじのねじ軸径を大きくするこ
となく、従来よりも負荷能力が大きくなり、特に、電動
射出成形機などに使用される高負荷容量ボールねじとし
て最適である。
することなく負荷能力を増大できることとなる。あるい
は、同等の負荷能力を得るためのボールねじのサイズを
小さくできることによって、対応可能な高荷重用途の幅
が拡大される。ここで、上記実施形態では、循環路が4
回路の場合を例に上げて説明したが、3回路であっても
良いし、5回路以上であっても良い。ただし、後述の実
施例に示されるように3回路よりも4回路の方が、本発
明による効果が大きいので、4回路以上のボールねじに
対して請求項1又は請求項2に係る発明を適用すること
が好ましい。
称となるように、全循環路の配置を規制しているが、軸
方向中央で面対称とすることなく、例えば、交互に隣り
合う循環路間の位相の全てを180度反転して当該反転
箇所を4カ所設けても良い。また、本実施形態では、隣
り合う循環路間の円周方向の位相差を180度としてい
るため、軸方向中央を通り軸心Sに直交する面Fに対し
て面対称と設定すれば、自動的に、隣り合う循環路間の
位相が180度反転する箇所が2カ所以上設定される。
中央を通り軸心Sに直交する面に対して面対称に全循環
路を配置することで、軸心Sに直交する面周りのモーメ
ントによるバランスを改善して当該モーメントによって
生じる軸方向の負荷分布のばらつきを低減する効果は、
隣り合う循環路間の位相差が180度の場合に限定され
ない。
回転方向に隣り合う回路が円周方向に1/6回転(60
度)の等位相間隔の位相差で配置されて循環路の戻り路
が螺旋状の配置、つまり軸方向中央を中心に点対称に配
置されていたボールねじについて、軸方向中央を通り軸
心Sに直交する面に対して面対称に配置することで、軸
方向中央を通り軸心Sに直交する面に対して上記軸心S
に直交する面周りのモーメントが対称に発生して、当該
面周りのモーメントによる軸方向の負荷分布のばらつき
が低減する。
しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な部品
などには同一の符号を付して説明する。また、こま循環
方式のボールねじを例に挙げて説明するが、これに限定
されず、リターンチューブ循環方式、ガイドプレート循
環方式など他の循環方式のボールねじであっても適用可
能である。
うに、ねじ軸1の外周に複数のボールを介してボールナ
ット2が螺合し、当該ねじ軸1又はボールナット2の一
方が相対回転することで、ボールナット2がねじ軸1に
対して相対的に直線運動を行う。すなわち、概略部分構
成図である図6に示すように、ねじ軸1の外周面には、
雌ねじ状のボールねじ溝1aが設けられ、また、ボール
ナット2の内周面にも、上記ねじ軸1のボールねじ溝1
aに径方向で対向する位置に雌ねじ状のボールねじ溝2
aが設けられている。その両ボールねじ溝1a,2aに
よって形成される螺旋状通路内に複数のボール3が介挿
され、そのボール3は、両ボールねじ溝1a、2aに沿
って転動し、こま6によって形成される戻り路を通じて
戻されることで循環する。上記こま6はボールナット2
に埋め込まれて、1リード毎にねじ軸1外周を乗り越え
てボール3を戻すものである。
たもので、同一回転方向に隣り合う回路のこま6の取付
け位置が円周方向に1/6回転(60度)の等位相間隔
の位相差で順番にずらしながら配置されて循環路の各こ
ま6位置が螺旋状に配置されている。図5などでは、こ
ま6の位置を明示するために表面に見えるこま6を黒色
としている。
5中、左側から循環路を第1,第2・・・第12回路A
1・・・A12と呼ぶとすると、本実施形態では、第6
回路A6のこま6の取付け位置と第7回路A7のこま6
の取付け位置との間の位相差を等位相間隔から1/2回
転(180度)大きくなるようにオフセットさせて位相
差を2/3回転(240度)に設定して上記等位相間隔
の4倍の大きさに設定してある。
のボールねじを図7に示す。次に、上記構成のボールね
じにおける作用・効果等について説明する。本実施形態
のボールねじでは、第6回路A6と第7回路A7との間
の位相差を、他の回路間の位相差と異ならせているが、
軸方向からみて、全回路のこま6位置が軸心Sに対して
対称に配置されるので、上記のようにオフセットさせて
も、円周方向の負荷分布のバランスが維持される。
の位相差を他に比べて1/2回転(180度)大きくし
たので、第1〜第6回路A1〜A6の回路群による軸心
Sに直交する面周りのモーメントと、第7〜第12回路
A7〜A12の回路群による軸心Sに直交する面周りの
モーメントとが、回路全体の軸方向中央を境として18
0度反転することから、両モーメントは互いに相殺しあ
い、当該モーメントによる軸方向の負荷分布のばらつき
が低減される。
央を境とした両回路群のモーメントの大きさが等しく且
つ互いに反対向きとなるので、より有効にモーメントに
よる軸方向の負荷分布のばらつきが有効に低減する。以
上のように、本実施形態のボールねじにあっては、円周
方向の負荷分布のばらつきを有効に低減できるばかり
か、軸心Sに直交する面周りのモーメントによる負荷分
布のばらつきも有効に低減できる。
更するという簡単な手段によって、ねじ軸1とボールナ
ット2との間を転動する複数のボール3間の負荷分布が
均一化し、したがって一部のボール3ヘの負荷の集中が
緩和される。この結果、ボールねじのねじ軸径を大きく
することなく、従来よりも負荷能力が大きくなる。この
ことは、ボールねじのサイズを大きくすることなく負荷
能力を増大できることとなる。あるいは、同等の負荷能
力を得るためのボールねじのサイズを小さくできること
によって、対応可能な高荷重用途の幅が拡大される。
回路の場合を例に上げて説明したが、循環路の回路数
は、3回路〜11回路のいずれの場合であっても良い
し、13回路以上であっても良い。また、本実施形態で
は、軸方向中央位置の回路間の位相差について他の位相
差と異なるように設定したが、他の位置の回路間の位相
差を他の位相差と異なるように設定しても良い。また、
他の回路間の位相差と異ならせる場所は1カ所に限定さ
れず、2カ所以上であっても良い。
のモーメント間のバランスがとれるように、全回路全体
の軸方向中央を中心に、軸方向に対称な位置の回路間に
ついて同じだけ位相差をオフセットさせることが好まし
い。この点からは、上記実施形態のように、軸方向中央
部の回路間の位相を変更することが、オフセット位置が
1カ所となり構造が簡単で且つ有効な手段となる。
度)に限定されないが、上記実施形態では、オフセット
量が1/2回転(180度)の場合が一番有効に軸心S
に直交する面周りのモーメントによる負荷分布のばらつ
きを低減できる。要は、位相差を変更する場所が1カ所
の場合には、位相差を変更した箇所を境にした軸方向両
側の回路群による軸心Sに直交する面周りのモーメント
が互いに相殺し合うように上記オフセット量を設定すれ
ばよい。
せる方策の一つとして、回路数の増加に伴って荷重を受
ける有効ボール3の数を増やす方法があるが、それによ
ってボールナット2が長くなるため、その内面加工が困
難になることが想定される。そこで、その代わりに複数
のボールナット2を組み合わせて使用することによっ
て、全体としての負荷能力を向上させる方法も用いられ
ている。
2を使用したボールねじにも同様に適用できる。その場
合には、複数のボールナット2を組み合わせた全体とし
て、循環路の配列が本発明に基づいていればよい。たと
えば、上記実施形態で説明したボールねじは、循環路を
12回路とした単一のボールナット2を用いたものであ
るが、図8に示すように、循環路を6回路とした二個の
ボールナット2A、2Bを直列に組み合わせる場合であ
っても本発明を適用することができる。その場合には、
二個のボールナット2A、2Bの各々は、循環路が6回
路で、隣り合う回路に1/6回転の等位相間隔の位相差
を設定して全回路が配置されていることになり、その点
では従来仕様と同じであるが、二個のボールナット2の
組み合わせ方に本発明が適用されることになる。すなわ
ち、二個のボールナット2を組み合わせることによって
隣接することになる、全体として見た6回路目と7回路
目との位相間隔が、(m十2/3)回転(mは整数)に
なるように組み合わせることによって、上記実施形態の
ボールねじとほぼ同等の効果を得ることができる。
に関するものであり、リターンチューブ循環方式とか循
環こま式とかの表現は説明の便宜上用いたにすぎない。
したがって、本発明の適用範囲は、循環方式の種類によ
って限定されるものではない。
ューブ循環方式のボールねじについて、本発明に基づ
き、図9(A)に示すように、3回路のうちの軸方向両
端の2回路を同一位相とし、中央に位置する回路の位相
を他の2回路に対して円周方向に180度反転させたも
のAと、比較のために、図9(B)に示すように、隣接
する回路の位相が互いに180度反転している部分が1
個所しかないボールねじB、および、図9(C)に示す
ように、3回路すべての円周方向の位相が同一である従
来仕様のボールねじCの3者A、B、Cについて、それ
ぞれ負荷分布の状態について解析した。
径100mm、リード20mm、ボール径15.875
mm、ボールナット外径149mm、循環路2.5巻3
列として、循環路の配列の仕方のみを変更した。そし
て、この同一仕様の各ボールねじのねじ軸1をそれぞれ
片持ち支持し、その片持ち支持側とは反対側のボールナ
ット2端部に軸方向荷重F1=15000kgfを作用
させるとした。
0における横軸は、全循環路の軸方向中央を原点とした
軸方向の位置を示し、たて軸は、その位置に存在するボ
ール3に掛かる法線方向荷重の大きさを表わしている。
以下の実施例においても同様である。上記図10から分
かるように、隣接する回路の位相が互いに180度反転
している部分が1個所しかないボールねじBでは、従来
仕様のボールねじCに比べて円周方向にはバランスが改
善されているため、軸方向中央付近においては負荷分布
のばらつきが比較的小さいが、軸心Sに直交する面周り
のモーメントによるバランスが悪くなっているので、軸
方向両端に近づくほど負荷分布のばらつきが大きくなっ
ている。
Aは、円周方向のバランスが改善されると共に、軸心S
に直交する面周りのモーメントによる負荷分布もバラン
スがとれているので、軸方向全体にわたって負荷分布の
ばらつきが改善されていることが分かる。なお、リター
ンチューブ循環方式を例に挙げたが他の循環方式でも同
様な結果が得られる。
4回路のリターンチューブ循環方式のボールねじについ
て、上記第1実施形態に基づき、上記図1のように、4
回路のうちの軸方向両端の2回路を同一位相とし、軸方
向中央寄りの2回路の位相を他の2回路に対して円周方
向に180度反転させた本願発明に基づくボールねじ
A、及び図11に示すように、隣り合う回路の位相が互
いに180度反転している部分が3カ所有る本願発明に
基づくボールねじA′の各負荷分布のばらつきについて
調査した。
り合う回路の位相が互いに180度反転している部分が
中央の1個所しかないボールねじB、および、図12
(B)のように、4回路すべての回路の円周方向の位相
が同一である従来仕様のボールねじCを用意し、4者
A、A′、B、Cの各負荷分布の状態について解析し
た。解析に用いたボールねじの仕様は、ねじ軸径100
mm、リード20mm、ボール径15.875mm、ボ
ールナット外径149mm、循環路2.5巻4列とし
て、循環路の配列の仕方のみを変更した。そして、ボー
ルねじのねじ軸1を片持ち支持して、その片持ち支持側
とは反対側のボールナット2端部に軸方向荷重F1=2
0000kgfを作用させるとした。
かるように、隣接する回路の位相が互いに180度反転
している部分が中央の1個所しかないボールねじBで
は、従来仕様のボールねじCに比べて円周方向にはバラ
ンスが完全に改善されているため、軸方向中央付近にお
いては負荷分布のばらつきが小さいが、軸心Sに直交す
る面周りのモーメントによる負荷分布のバランスは悪く
なっているので、軸方向両端に近づくほど負荷分布のば
らつきが大きくなっている。
Aは、円周方向のバランスが完全に改善されるととも
に、軸心Sに直交する面周りのモーメントのバランスも
ほぼ完全にとれているので、軸方向全体にわたって負荷
分布のばらつきが改善されている。また、本発明に基づ
くボールねじA′は、ボールねじAに比べてばらつきの
改善は悪いものの、比較例であるボールねじB、Cより
も軸方向全体にわたって負荷分布のばらつきが改善され
ているのが分かる。
ールねじA及びA′の結果から分かるように、軸方向中
央部で面対称となるように設定したボールねじAの方
が、軸方向全体にわたって負荷分布のばらつきが改善さ
れるのが分かる。上記第1及び第2実施例では、循環路
が3回路及び4回路の場合について説明したが、循環路
が5回路以上で、そのうちの少なくとも1回路を他の循
環路に対して円周方向の位相に180度反転させたボー
ルねじについてもこれらと同様のことが言えることを確
認してある。
に、本願発明の請求項1及び請求項2を採用するにして
も、3回路では負荷分布に若干のばらつきがあるが、4
回路ではほとんど負荷分布のばらつきが無いことが分か
る。このことから、本願発明の請求項1及び請求項2の
発明は、好ましくは4回路以上により有効に作用するこ
とが分かる。
げたが他の循環方式でも同様な結果が得られる。 [実施例3]次に、循環路が12回路で、1/6回転の
等位相間隔で回路が配置されている循環こま式のボール
ねじについて、上記第2実施形態に基づき、上記図4の
ように、中央の一個所すなわち6回路目と7回路目の位
相間隔を、等位相間隔からさらに1/2回転だけ大きく
オフセットさせ、合計2/3回転の位相間隔とした本発
明のボールねじAの負荷分布のばらつきについて調査し
た。
路すべてが1/6回転の等位相間隔で配置されている従
来仕様のボールねじCを用意して、両者A、Cの各負荷
分布の状態について解析した。解析に用いたボールねじ
の仕様は、ねじ軸径100mm、リード20mm、ボー
ル径15.875mm、ボールナット外径149mm、
循環路0.83巻12列として、循環路の配列の仕方の
みを変更した。そして、ボールねじのねじ軸1を片持ち
支持して、その片特ち支持側とは反対側のボールナット
2端部に軸方向荷重F1=20000kgfが作用する
とした。
るように、従来仕様のボールねじCでは、円周方向のみ
に着目すればバランスが完全にとれているので、全回路
の軸方向中心点近傍では負荷分布の均一性がよいが、そ
の中心点から軸方向両端部側に遠ざかるにつれて負荷分
布のばらつきが大きくなる。これは、上記軸心Sに直交
する面周りのモーメントのバランスの悪さによるもので
ある、それに対して、本発明に基づくボールねじAで
は、円周方向の負荷分布と共に軸心Sに直交する面周り
のモーメントのバランスがほぼ完全にとれているので、
軸方向全体にわたって負荷分布のばらつきが改善されて
いる。これは、軸方向中央のオフセット位置の両側各6
回路を個別に着目すると、ボールねじCと同様に、円周
方向のバランスが完全にとれているもののモーメントの
バランスが悪いが、両側各6回路のモーメントの相互作
用によってモーメントのバランスの悪さがほぼ完全に相
殺されることによるものであり、円周方向だけでなく、
軸芯に直交する面周りのモーメントによる負荷分布のば
らつきも低減する。
環方式でも同様な結果が得られる。 [実施例4]また、循環路が6回路で、一般に同一回転
方向に1/6回転の等位相間隔で回路が螺旋状に配置さ
れている循環こま式のボールねじについて、本発明に基
づき位相差を変化させた代表的な2例のボールねじA、
Bについて負荷分布のばらつきを調査した。
位相間隔のうちの軸方向両端、すなわち1回路目と2回
路目との間の位相間隔、および5回路目と6回路目との
間の位相間隔の二個所を、等位相間隔(1/6回転)か
らさらに1/6回転だけ大きくオフセットさせ、合計1
/3回転の位相間隔としたものである。ボールねじB
は、図15(B)のように、1回路目と2回路目との間
の位相間隔、3回路目と4回路目との間の位相間隔、及
び5回路目と6回路目との間の位相間隔の三個所を、そ
れぞれ等位相間隔(1/6回転)からさらに1/3回転
だけ大きくオフセットさせ、合計1/2回転の位相間隔
としたものである。
回路すべてが1/6回転の等位相間隔で配置されている
従来仕様のボールねじCを用意し、各ボールねじについ
て、それぞれ負荷分布の状態について解析した。解析に
用いたボールねじの仕様は、ねじ軸径100mm、リー
ド24mm、ボール径15.875mm、ボールナット
外径149mm、循環路0.83巻6列とし、循環路の
配列の仕方のみを変更した。そして、ボールねじのねじ
軸1を片持ち支持し、その片持ち支持側とは反対側のボ
ールナット2端部に軸方向荷重F1=10000kgf
が作用するとした。
るように、従来仕様のボールねじCでは、円周方向のみ
に着目すればバランスが完全にとれているので、全回路
の軸方向中心点近傍では負荷分布の均一性がよいが、軸
方向中心点から遠ざかるにつれて負荷分布のばらつきが
大きくなる。これは、上記軸心Sに直交する面周りのモ
ーメントのバランスの悪さによるものである。
では、円周方向の負荷分布のバランスがとれていると共
に、軸心Sに直交する面周りのモーメントのバランスも
大幅に改善されているので、軸方向全体にわたって負荷
分布のばらつきが小さくなっている。これは、第1、
2、4回路目の3回路の回路群と第3、5、6回路目の
3回路の回路群とをそれぞれ個別に着目すると、ボール
ねじCと同様に、円周方向のバランスが完全にとれてい
るものの軸心Sに直交する面周りのモーメントのバラン
スが悪いが、各3回路で生じるモーメント相互間で互い
のモーメントのバランスの悪さがほぼ完全に相殺される
ことによるものであり、円周方向だけでなく、軸芯に直
交する面周りのモーメント方向についても負荷分布のば
らつきが低減する。ただし、モーメントのアンバランス
が若干残っているため、軸方向両端付近で負荷分布のば
らつきがわずかに大きくなっている。
円周方向とともにモーメントのバランスが完全にとれて
いるので、軸方向全体にわたって負荷分布のばらつきが
小さくなっている。これは、第1、3、5回路目の3回
路の回路群と第2、4、6回路目の3回路の回路群とを
それぞれ個別に着目すると、ボールねじCと同様に、円
周方向のバランスが完全にとれているものの軸方向に直
交する面周りのモーメントのバランスが悪いが、各3回
路で生じるモーメント相互間で互いのモーメントのバラ
ンスの悪さが完全に相殺されることによるものであり、
円周方向だけでなく、軸芯に直交する面周りのモーメン
ト方向についても負荷分布のばらつきが低減する。
発明に基づくボールねじAに比べて、負荷分布の均一性
がさらに改善される一方、全回路長さ、すなわちボール
ナット2の長さが若干長くなるという欠点がある。ま
た、こま循環方式を例に挙げたが他の循環方式でも同様
な結果が得られる。なお、軸方向全体の負荷の大きさの
ばらつきを抑えるために、複数の回路の一部の回路を他
の回路に対し軸方向にオフセットさせて所定の回路内の
ボールに予圧を付与するか、あるいは他の回路よりもす
きまを小さくするようにしても良い。図10や図13な
どから分かるように、本実施例では、相対的に軸方向中
央部側の負荷が小さいので、軸方向中央部の回路に予圧
を付与するか、あるいは他の回路よりもすきまを小さく
して当該軸方向中央部のボールの負荷分担量を増大させ
てさらに軸方向に沿った負荷分布の平均化を図るように
しても良い。
他の回路よりも大きくしたり、軸方向中央部の回路のボ
ールナットの有効径を他の回路より小さくして、当該軸
方向中央部のボールの負荷分布量を増大させて更に軸方
向に沿った負荷分布の平均化を図るようにしても良い。
ルねじを採用すると、各循環路間の円周方向の位相差を
特定するという簡単な手段によって、複数の循環路を配
置することによって生じる軸心に直交する面周りのモー
メントに基づく負荷分布のばらつきが改善されて、ねじ
軸とボールナットとの間を転動する複数のボール間の負
荷分布が均一化し、一部のボールヘの負荷の集中が緩和
される。このため、ボールねじのねじ軸径を大きくなど
の対処をとることなく、負荷能力を向上させることがで
きるという効果がある。
ることなく負荷能力が増大する、あるいは、同等の負荷
能力を得るためのボールねじのサイズを小さくできるこ
とによって、対応可能な高荷重用途の幅が拡大されると
いう効果がある。
を示す図である。
の概略構成図を示す図である。
けるX−X矢視図である。
を示す図である。
の概略部分構成図を示す図である。
を示す別の図である。
発明に基づくボールねじを、(B)及び(C)は比較の
ためのボールねじを示す図である。
じの別の例を示す図である。
び(B)は比較のためのボールねじを示す図である。
び(B)は本発明に基づくボールねじを、(C)は比較
のためのボールねじを示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、
該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面
に有する少なくとも1つのボールナットと、該ボールナ
ットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とによ
って形成された螺旋状通路と、該螺旋状通路内を循環す
る多数のボールと、ボールナットに設けられて上記多数
のボールを循環させるための戻り路とを備え、上記螺旋
状通路と戻り路とから形成される循環路が軸方向に沿っ
て3回路以上配列したボールねじにおいて、 上記複数の循環路の円周方向の位相について、隣り合う
循環路の位相が互いに180度反転する部分を少なくと
も2個所設けたことを特徴とするボールねじ。 - 【請求項2】 外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、
該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面
に有する少なくとも1つのボールナットと、該ボールナ
ットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とによ
って形成された螺旋状通路と、該螺旋状通路内を循環す
る多数のボールと、ボールナットに設けられて上記多数
のボールを循環させるための戻り路とを備え、上記螺旋
状通路と戻り路とから形成される循環路が軸方向に沿っ
て3回路以上配列し、隣り合う循環路間の一部若しくは
全部について円周方向に位相差が設定されているボール
ねじにおいて、 上記複数の循環路全体の軸方向中央若しくはその近傍を
通り軸心に直交する面に対して面対称若しくは略面対称
に上記複数の循環路を配置したことを特徴とするボール
ねじ。 - 【請求項3】 外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、
該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面
に有する少なくとも1つのボールナットと、該ボールナ
ットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とによ
って形成された螺旋状通路と、該螺旋状通路内を循環す
る多数のボールと、ボールナットに設けられて上記多数
のボールを循環させるための戻り路とを備え、上記螺旋
状通路と戻り路とから形成される循環路が軸方向に沿っ
て3回路以上配列し、隣り合う循環路間の全部について
円周方向に等位相間隔の位相差が設定されているボール
ねじについて、 上記隣り合う循環路間の少なくとも一個所について、そ
の円周方向の位相間隔を上記等位相間隔からオフセット
させたことを特徴とするボールねじ。
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