JP2000318866A - 媒体搬送ベルト - Google Patents

媒体搬送ベルト

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JP2000318866A
JP2000318866A JP11131059A JP13105999A JP2000318866A JP 2000318866 A JP2000318866 A JP 2000318866A JP 11131059 A JP11131059 A JP 11131059A JP 13105999 A JP13105999 A JP 13105999A JP 2000318866 A JP2000318866 A JP 2000318866A
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JP
Japan
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resin
transport belt
medium transport
layer
adhesive
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JP11131059A
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English (en)
Inventor
Koji Sezaki
好司 瀬崎
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材フィルムと吸着層の剥離強度が高く、長
時間走行しても吸着層が剥離しない媒体搬送ベルトを提
供する。 【解決手段】 高分子材料の管状物表面に、電極パター
ンを形成し、その上に接着層を設け、さらに外周層を設
けて媒体搬送ベルトを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は媒体搬送ベルトに関
し、より詳しくは複写機やレーザービームプリンターあ
るいはファクシミリなどの電子写真装置に用いられる紙
やOHPフィルムなどの搬送に用いられるベルト、又は
インクジェットプリンター装置あるいはバブルジェット
プリンター装置の紙やOHPフィルムなどの搬送や乾燥
などに用いられるベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば複写機などの電子写真装置にお
いて、紙の搬送はPC、フッ化ビニリデンなどの樹脂ベ
ルトに紙を載せて搬送するか、あるいは樹脂ベルトを予
め帯電させて表面に電荷を付与し、その電荷によって紙
を吸着させて搬送する方法が知られている。
【0003】紙を樹脂ベルトに載せて搬送する方法は、
紙とベルトとが滑ってしまうことが多く、安定した搬送
を実現するのが困難である。一方、樹脂ベルトを帯電さ
せて紙を吸着させる方法は、紙の吸着力が不足し、ベル
ト上に紙を精度よく固定することができず、しかも搬送
している途中で紙の先端部が浮き上がってしまう、など
の問題があった。特に、プリンターの高速度化を達成す
るためには、従来以上に、紙又はOHPフィルムなどの
印字媒体を精度よく、ベルトに吸着させ、且つその吸着
力を高める必要があり、更に、使用環境が変化しても、
たとえば高温・高湿下であっても、充分な紙の吸着力を
確保する必要があった。
【0004】上記の問題を解決する1つの手段として、
静電気のクローン力を利用して物体を吸着する装置に融
電体よりなる吸着層の下面に複数個の電極を配置して、
その電極に電圧を印加して吸着物を吸引保持させる静電
吸着装置が提案されている(特公昭57−58872参
照)。この装置では、吸着層を熱プレスにより絶縁基体
層に結合させる。さらに、この静電吸着装置を応用した
方法として、管状の基材ベルトに導電性の電極パターン
を形成し、その上に吸着層を形成する紙搬送ベルトがあ
る。
【0005】しかしながら、このような紙搬送ベルトを
例えばローラに掛け渡された状態で高速で走行させる
と、ローラ部で繰り返しの屈曲が発生する。このため
に、長期におよぶ使用でベースベルトと吸着層とが剥が
れてしまう問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
静電吸着力を利用した媒体搬送ベルトに関して、基材ベ
ルトと吸着層との密着性を構造させ、長期に渡る使用に
耐え得る媒体搬送ベルトを得るために、鋭意検討と研究
を重ねた結果、本発明に係る媒体搬送ベルトを想到する
に至ったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る媒体搬送ベ
ルトの要旨とするところは、高分子材料により成形され
た管状物の外周表面に、導電性を有する電極パターンが
形成されるとともに、該電極パターン上に接着層が形成
され、さらに該接着層の外周表面に外周層が形成されて
いる媒体搬送ベルトであって、該接着層および該外周層
が、体積固有抵抗が109 〜1015Ω・cmでかつ誘電
率が3.0以上50.0以下である樹脂または樹脂に添
加剤を混合してなる複合樹脂であることにある。
【0008】かかる媒体搬送ベルトにおいて、上記高分
子材料は、非熱可塑性ポリイミド樹脂または熱可塑性ポ
リイミド樹脂であり得る。
【0009】かかる媒体搬送ベルトにおいて、上記接着
層は、上記高分子材料により成形された管状物と前記外
周層との90度剥離強度を0.3kg/cm2 以上とす
るような接着性を有し得る。
【0010】かかる媒体搬送ベルトにおいて、上記接着
層は、エポキシ樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、メ
ラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、ウレタ
ン樹脂系接着剤、およびシリコーン樹脂系接着剤からな
る群より選択される1種類以上の熱硬化型接着剤から形
成され得る。
【0011】かかる媒体搬送ベルトにおいて、上記接着
層は、ビニル樹脂系接着剤、ポリアミド樹脂系接着剤、
ポリエステル樹脂系接着剤、熱可塑性ポリウレタン樹脂
系接着剤、熱可塑性ポリイミド樹脂系接着剤、およびゴ
ム系接着剤からなる群より選択される1種類以上の熱可
塑性接着剤から形成され得る。
【0012】かかる媒体搬送ベルトにおいて、上記添加
剤は、導電性添加剤または高誘電率添加剤のいずれか一
方、またはその双方であり得る。
【0013】かかる媒体搬送ベルトにおいて、上記外周
層の体積固有抵抗は1012〜1014Ω・cmでかつ誘電
率は5.0以上20.0以下であり得る。
【0014】かかる媒体搬送ベルトにおいて、上記外周
層は、フッ素樹脂またはフッ素樹脂に添加剤を混合して
なる複合樹脂であり得る。
【0015】かかる媒体搬送ベルトにおいて、上記電極
パターンは、金属箔、金属薄膜、および導電性ペースト
からなる群より選択される1種類以上から形成され得
る。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る媒体搬送ベル
トの実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0017】図1及び図2に示すように、本発明に係る
媒体搬送ベルト10は、高分子材料により成形された管
状物12の外周表面に、導電性を有する電極パターン1
4が形成されるとともに、その電極パターン14上に接
着層16およびその外周表面に外周層20(以下吸着層
ともいう)が形成されて構成されている。接着層16お
よび外周層20は、体積固有抵抗が109 〜1015Ω・
cmでかつ誘電率が3.0以上50.0以下であり、好
ましくは、体積固有抵抗が1012〜1014Ω・cmでか
つ誘電率が5.0以上20.0以下である。
【0018】本発明における体積固有抵抗は、材料樹脂
を100μmのフィルムに調製し、温度20℃および湿
度60%の条件で24時間放置後、東亜電波工業(株)
製SM−10を用いて測定電圧500Vで測定した値で
ある。本発明における誘電率は、材料樹脂を200μm
以上に調製し、温度20℃および湿度60%の条件で2
4時間放置後、安藤電気(株)製AS−4245を用い
て、周波数1kHzで測定した値である。いずれも用い
る電極の直径は38mmである。
【0019】本発明の管状物12を形成する高分子材料
は、例えば、エンジニアリングプラスチックであり、具
体的には、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド
46、ポリアミドMXD6、ポリカーボネート、ポリア
セタール、ポリフェニレンエーテル、PET(ポリエチ
レンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタ
レート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリ
アリレート、液晶ポリエステル、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリア
ミドイミド、アラミド、非熱可塑性ポリイミド、熱可塑
性ポリイミド、フッ素樹脂、エチレンビニルアルコール
共重合体、ポリメチルペンテン、フェノール樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン、およ
びジアリルフタレート樹脂からなる群より選択される1
種類または2種類以上の組み合わせが好ましい。このう
ち、特に好ましくは、限定はされないが、例えば、引張
弾性率が200kg/mm 2 以上の材料および/または
ガラス転移温度150℃以上の材料であり得る。ここ
で、引張弾性率は、ASTM D882に準拠する方法
で測定され、ガラス転移温度は、JIS K 7121
に準拠する方法で測定される。あるいは、非熱可塑性ポ
リイミド樹脂または熱可塑性ポリイミド樹脂である。
【0020】このうち、熱可塑性ポリイミド樹脂として
は、ガラス転移温度Tgが150℃以上、より好ましく
は230℃以上のものが用いられ得る。媒体搬送ベルト
10は、複写機やレーザービームプリンターあるいはフ
ァクシミリなどの電子写真装置における紙やOHPフィ
ルムなどの搬送に用いられるベルト、又はインクジェッ
トプリンター装置あるいはバブルジェットプリンター装
置の紙やOHPフィルムなどの搬送や乾燥などに用いら
れるベルトである。したがって、ベルトの使用条件にお
いて、媒体搬送ベルト10を構成する熱可塑性ポリイミ
ド樹脂はガラス転移温度Tgが150℃以上、より好ま
しくは230℃以上を有することにより、ガラス転移温
度Tg以下で使用される熱可塑性ポリイミド樹脂は耐熱
性樹脂として機能する。
【0021】次に、本発明の媒体搬送ベルトに用いられ
る熱可塑性ポリイミド樹脂の一例を示す。熱可塑性ポリ
イミドフィルムは、従来の非熱可塑性(熱硬化性)ポリ
イミドフィルムとは異なり、耐熱性を有しつつ所定の高
温域で溶融流動性を有し、加工性に優れている。また、
本発明の耐熱性樹脂ベルトにおける継ぎ目部分の接着性
が、非熱可塑性ポリイミドフィルムと比較すると優れて
いる。本発明に係る熱可塑性ポリイミドは化学構造式が
一般式(1)
【0022】
【化1】
【0023】(式中、m,nはポリマー鎖の各反復単位
モル分率に等しく、mは約0.1〜約0.9の範囲であ
り、nは約0.9〜約0.1の範囲である。但し、mと
nとの比は約0.01〜約9.0である。A,Bはいず
れも4価の有機基であり、X,Yは2価の有機基を示
す。)で表される構造が主成分であるものが好ましい。
さらに、酸二無水物として、熱可塑性を付与するモノマ
ーである一般式(1)中のAが一般式(2)
【0024】
【化2】
【0025】(式中、R1 およびR2 は2価の有機基を
示す。)で表される4価の有機基の群から選択される少
なくとも1種であることが好ましい。さらに、前記一般
式(1)中のBが、
【0026】
【化3】
【0027】で表される4価の有機基の群から選択され
る少なくとも1種であることが好ましい。さらに、ジア
ミンとして、前記一般式(1)中のX,Yが熱可塑性を
付与するモノマーである一般式(3)
【0028】
【化4】
【0029】(式中、R3 は2価の有機基を示す。)、
及び化5
【0030】
【化5】
【0031】で表される2価の有機基の群から選択され
る少なくとも1種であることが好ましい。
【0032】ここで、本発明の耐熱性樹脂ベルトに適用
し得る熱可塑性ポリイミドの製造方法の一例を示す。熱
可塑性ポリイミドは、まず、上記一般式(2)に示す分
子鎖中にエステル基を有する酸二無水物(好適には10
〜90モル%)及び上記化3に示す芳香族酸二無水物
(好適にはピロメリット酸二無水物)から成る酸二無水
物と、上記一般式(3)化4及び化5に示すジアミンと
を有機溶媒中にて反応させ、ポリイミドの前駆体溶液で
あるポリアミド酸溶液を得る。そして、さらに加熱乾燥
させてイミド化させることにより、ポリイミドが得られ
る。しかし、この実施形態は例示であって、これに限定
されない。
【0033】媒体搬送ベルトに用いられる高分子材料の
フィルムは、例えば、上述の熱可塑性ポリイミドのみか
らなるフィルムを用いてもよいが、熱可塑性ポリイミド
に他の樹脂を添加した混合物を混合したものから成るフ
ィルムを用いてもよい。
【0034】また、本発明の媒体搬送ベルトに用いられ
る非熱可塑性ポリイミドフィルムとしては、一般式
(4)
【0035】
【化6】
【0036】(但し、R4
【0037】
【化7】
【0038】で表される4価の有機基であり、R5 は水
素原子又は1価の置換基であり、m,nは整数であり、
m/n=0.1〜100の値をとる。)で表される構造
式の樹脂から成るフィルムを用いることができるが、こ
れに限定されない。
【0039】非熱可塑性ポリイミドフィルムの中には、
熱硬化性ポリイミド樹脂あるいは反応硬化型ポリイミド
樹脂などとして表される樹脂を全て含む。非熱可塑性ポ
リイミドフィルムとして、たとえば非熱可塑性ポリイミ
ド樹脂のみから成るフィルムを用いてもよいが、非熱可
塑性ポリイミドフィルムに添加物を混合したものから成
るフィルムを用いてもよい。非熱可塑性ポリイミドフィ
ルムに添加物を混合するには、その前駆体に添加物が混
合される。
【0040】管状物12を形成する方法をより具体的に
説明すれば、非熱可塑性高分子材料フィルムの両端部を
熱可塑性材料で接合して管状に形成する方法や、熱可塑
性高分子材料フィルムの両端部を加熱して接合すること
により管状に形成する方法、あるいは非熱可塑性高分子
材料フィルムと熱可塑性高分子材料フィルムとをそれぞ
れの突き合わせ端部の位置をずらせて積層し且つ管状に
して、加熱接合することにより管状に形成する方法を用
いることができる。さらに、非熱可塑性高分子材料ある
いは熱可塑性高分子材料を金型などにより直接管状に成
形する方法なども用いることができ、いずれの方法で管
状物12を成形してもよく、特に限定されない。
【0041】管状物12の表面には所定のパターンの電
極14が形成されていて、電極パターン14には交互に
その端部が延び出され、電圧を印加し得るように構成さ
れている。電極パターン14は、銀,銅,アルミニウ
ム,カーボンなどから成る導電性ペーストを管状物10
又は電極保護層16の表面にスクリーン印刷したり、ア
ルミニウムや銅などの金属箔や金属薄膜を管状物12の
表面に被着させた後、エッチングすることにより、所定
のパターンに形成したり、あるいは所定のパターンが形
成されたマスクを介してアルミニウムなどの金属を蒸着
させることにより、所定のパターンに形成したりして構
成される。電極パターン14は図示した形状に限定され
るものではなく、たとえば櫛歯状に形成するとともに、
その櫛歯と櫛歯が噛み合ったパターンとすることができ
る。
【0042】電極パターン14の厚みは電極パターン1
4による表面の凹凸を考慮すると、2〜30μm、好ま
しくは5〜20μmがよい。さらに、電極パターン14
の線幅やピッチは任意であり、種々設定することが可能
である。
【0043】さらに、電極パターン14が形成された管
状物12の外周表面上には、接着層16が形成されて、
電極パターン14が外力から保護されると共に、吸着層
20の接着強度を向上させる。
【0044】この接着層16の体積固有抵抗は、109
〜1015Ω・cm、好ましくは10 12〜1014Ω・cm
である。誘電率は、3.0以上50.0以下、好ましく
は、5.0以上20.0以下である。接着層16は、樹
脂単体または複合樹脂からなる。ここで、複合樹脂と
は、樹脂単体に導電性添加剤及び/又は高誘電率添加剤
を混合してなる樹脂をいう。
【0045】接着層16の体積固有抵抗が109 Ω・c
mを下回った場合は、隣り合う電極14間の絶縁性が不
足し、リーク電流が流れてしまう。また、体積固有抵抗
が1015Ω・cmを上回った場合は、接着層16表面ま
たはそれを覆う外周層に、電荷が誘起されにくくなり、
吸着力は低くなる。また、電極に印加する電圧を取り去
った後でも、残留電荷が長く残り、紙を吸着したままと
なり好ましくない。一方、誘電率が3.0を下回ると、
電圧印加時にベルト表面の電荷が不足し、紙の吸着力が
不十分となるので好ましくない。接着層16が上述の所
定の体積固有抵抗と誘電率とを有するように調整するた
めに、接着層を構成する樹脂に、導電性粉末及び/又は
高誘電率粉末を適宜混合するのが好ましい。
【0046】接着層16に使用される樹脂は、接着剤で
あり、エポキシ樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、メ
ラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、ウレタ
ン樹脂系接着剤、およびシリコーン樹脂系接着剤からな
る群より選択される1種類以上の熱硬化型接着剤、また
は、ビニル樹脂系接着剤、ポリアミド樹脂系接着剤、ポ
リエステル樹脂系接着剤、熱可塑性ポリウレタン樹脂系
接着剤、熱可塑性ポリイミド樹脂系接着剤、およびゴム
系接着剤からなる群より選択される1種類以上の熱可塑
性接着剤が好ましく用いられる。
【0047】この接着層16の外周表面に形成される吸
着層20の体積固有抵抗は、109〜1015Ω・cm、
好ましくは1012〜1014Ω・cmである。誘電率は、
3.0以上50.0以下、好ましくは、5.0以上2
0.0以下である。吸着層20もまた、樹脂単体または
複合樹脂からなる。ここで、複合樹脂とは、樹脂単体に
導電性添加剤及び/又は高誘電率添加剤を混合してなる
樹脂をいう。
【0048】吸着層20の体積固有抵抗が109 Ω・c
mを下回った場合は、隣り合う電極14間の絶縁性が不
足し、リーク電流が流れてしまう。また、体積固有抵抗
が1015Ω・cmを上回った場合は、吸着層20に、電
荷が誘起されにくくなり、吸着力は低くなる。また、電
極に印加する電圧を取り去った後でも、残留電荷が長く
残り、紙を吸着したままとなり好ましくない。一方、誘
電率が3.0を下回ると、電圧印加時にベルト表面の電
荷が不足し、紙の吸着力が不十分となるので好ましくな
い。吸着層20が上述の所定の体積固有抵抗と誘電率と
を有するように調整するために、接着層を構成する樹脂
に、導電性粉末及び/又は高誘電率粉末を適宜混合する
のが好ましい。
【0049】吸着層20を構成し得る樹脂は、熱可塑性
樹脂、非熱可塑性樹脂、ゴム、および熱可塑性エラスト
マーが挙げられる。この中には、熱硬化性樹脂、反応硬
化性樹脂、あるいはアイオノマーとして知られている樹
脂も含まれる。より具体的には、イソブチレン無水マレ
イン酸コポリマー、AAS(アクリロニトリル−アクリ
ル−スチレン共重合体)、AES(アクリロニトリル−
エチレン−スチレン共重合体)、AS(アクリロニトリ
ル−スチレン共重合体)、ABS(アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体)、ACS(アクリロニ
トリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体)、M
BS(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共
重合体)、エチレン−塩ビ共重合体、EVA(エチレン
−酢酸ビニル共重合体)、EVA系(エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体系)、EVOH(エチレンビニルアルコー
ル共重合体)、ポリ酢酸ビニル、塩素化塩化ビニール、
塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、カルボキ
シビニルポリマー、ケトン樹脂、ノルボルネン樹脂、プ
ロピオン酸ビニル、PE(ポリエチレン)、PP(ポリ
プロピレン)、TPX、ポリブタジエン、PS(ポリス
チレン)、スチレン無水マレイン酸共重合体、メタクリ
ル、EMAA(エチレンメタクリル酸)、PMMA(ポ
リメチルメタクリレート)、PVC(ポリ塩化ビニー
ル)、ポリ塩化ビニリデン、PVA(ポリビニルアルコ
ール)、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマール、セルロース系、ナイロン6、ナ
イロン6共重合体、ナイロン66、ナイロン610、ナ
イロン612、ナイロン11、ナイロン12、共重合ナ
イロン、ナイロンMXD、ナイロン46、メトキシメチ
ル化ナイロン、アラミド、PET(ポリエチレンテレフ
タレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、
PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセター
ル)、ポリエチレンオキシド、PPE(ポリフェニレン
エーテル)、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)、
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PES(ポ
リエーテルサルフォン)、PSO(ポリサルフォン)、
ポリアミンサルフォン、PPS(ポリフェニレンサルフ
ァイド)、PAR(ポリアリレート)、ポリパラビニー
ルフェノール、ポリパラメチレンスチレン、ポリアリル
アミン、芳香族ポリエステル、液晶ポリマー、PTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(テトラフ
ルオロエチレン−エチレン)、FEP(テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、EPE(テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パー
フルオロアル、キルビニルエーテル)、PFA(テトラ
フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレ
ン)、ECTFE(エチレン−クロロトリフルオロエチ
レン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド系)、
PVF(ポリビニルフルオライド)、PU(ポリウレタ
ン)、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン系樹脂、
グアナミン樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエス
テル、オリゴエステルアクリレート、ジアリルフタレー
ト、DKF樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、フラン
樹脂、PI(ポリイミド系)、PEI(ポリエーテルイ
ミド)、PAI(ポリアミドイミド)、アクリルシリコ
ーン、シリコーン、ポリ(p−ヒドロキシ安息香酸)、
マレイン酸樹脂、NR(天然ゴム)、IR(イソプレン
ゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブ
タジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IIR
(イソブチレン・イソプレンゴム)、NBR(ニトリル
ブタジエンゴム)、EPM(エチレンプロピレンゴ
ム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、C
PE(塩素化ポリエチレンゴム)、CSM(クロロスル
フォン化ポリエチレンゴム)、ACM(アクリルゴ
ム)、エチレンアクリルゴム、U(ウレタンゴム)、シ
リコーンゴム、フッ素ゴム、四フッ化エチレンプロピレ
ンゴム、CHR(エピクロルヒドリンゴム)、多硫化ゴ
ム、水素化ニトリルゴム、ポリエーテル系特殊ゴム、液
状ゴム、ノルボルネンゴム、TPO(オレフィン系熱可
塑性エラストマ)、TPU(ウレタン系熱可塑性エラス
トマ)、PVC(塩ビ系熱可塑性エラストマ)、TPS
(スチレン系熱可塑性エラストマ)、TREE(ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマ)、PA系(ポリアミドエ
ラストマ)、PB系(ブタジエンエラストマ)、軟質フ
ッ素樹脂、フッ素系エラストマ、弾性エポキシ樹脂等ま
たはこれらの中から選択される2種類以上の樹脂の組み
合わせが挙げられる。
【0050】これらのうち、本発明の媒体搬送ベルト1
0が高温下にさらされる場合には、吸着層20を形成す
る樹脂が、Tgが150℃以上の樹脂であることが好ま
しい。さらに好ましくは、ポリイミド樹脂もしくはTg
が150℃以上の熱可塑性ポリイミド樹脂である。
【0051】また、こららのうち、高温・高湿下でリー
ク電流を防ぎ、高温・高湿下で高い吸着力を維持し、か
つ、紙がインクを吸った場合、絶縁破壊しないために
は、吸着層20を形成する樹脂の吸水率は低い方がよ
い。特に、使用環境30℃,80%RHでの吸着力を必
要とする場合は、吸水率1%以下の樹脂を用いるのが好
ましく、より好ましくは0.5%以下の樹脂を用いるの
がよい。ここで、吸水率は、JISK7209に基づい
て測定される値である。より具体的には、試験片のフィ
ルムを50℃±2℃に保った恒温槽内で24±1時間乾
燥し、デシケーターで放冷したものの重量をW1 とし、
24時間蒸留水に浸した後、表面の水滴を拭き取ったも
のの重量をW2 とし、吸水率(%)=(W2 −W1 )÷
1 ×100の式により算出する。以下、本明細書で吸
水率というときはこの測定および計算法を用いる。
【0052】吸水率が1%以下の樹脂を吸着層に使用し
た場合には、高温高湿下での吸着力および絶縁破壊耐性
が媒体搬送ベルト10に付与され好ましい。さらに、ベ
ルト表面に耐インク性を付与したい場合には、吸着層
が、耐インク性樹脂単体または耐インク性樹脂に導電性
添加剤及び/又は高誘電率添加剤を混合してなる複合樹
脂であることが好ましい。
【0053】ここで、耐インク性樹脂としては、限定は
されないが、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレ
ン系樹脂、アクリル系樹脂,シリコーン系樹脂、ポリア
セタール系樹脂、芳香族系樹脂の中から選択される少な
くとも1種類以上の樹脂もしくはこれらの樹脂を30v
ol%以上含有する混合樹脂があげられる。
【0054】このような耐インク性樹脂のうち、特に特
定の構造を有する樹脂が好ましく用いられ得る。具体的
には、−CH2 −CF2 −または−CH2 −CHF−の
構造を有するフッ素系樹脂;−CH2 −CCl2 −の構
造を有するポリ塩化ビニリデン樹脂;−CH2 −CHC
l−の構造を有するポリ塩化ビニル樹脂;および−CH
2 −CR1 2 −(R1 はH、CH3 、Ph、COO
X、R2 はH、CH3 、Ph、COOX、Xは有機基で
ある。)の構造を有するオレフィン系樹脂、スチレン系
樹脂、またはアクリル系樹脂が挙げられるがこれに限定
されない。
【0055】ここで、接着層または吸着層の体積固有抵
抗を調整するために用いられる導電性粉末としては、カ
ーボン粉末、グラファイト、金属粉末、金属酸化物粉
末、導電処理された金属酸化物、帯電防止剤などを挙げ
ることができ、目的に応じてこれらの中から選ばれる少
なくとも1種以上の導電性粉末が用いられる。導電性粉
末の添加量は、目的とする接着層の体積固有抵抗によっ
て適宜設定されるが、通常電極保護層を形成する全体積
に対して、2〜50vol%が好ましく、3〜30vo
l%がより好ましい。導電性粉末の大きさは、目的に応
じて適宜選択されるが、平均粒子径が通常50μm以下
のものが好ましく、平均粒子径が10μm以下のものが
より好ましく、平均粒子径が1μm以下のものがさらに
好ましい。
【0056】また、接着層および/または吸着層の誘電
率を調整するために用いられる高誘電率粉末としては、
誘電率が50以上の無機粉末が用いられ、たとえば酸化
チタン、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン
酸鉛、ニオブ酸鉛、チタン酸ジルコン酸塩、磁性粉末な
どを挙げることができる。より好ましくは誘電率が10
0以上の無機粉体が用いられるのがよく、たとえばチタ
ン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化チタン、磁
性粉末を挙げることができる。高誘電率粉末の形状は特
に制限されないが、たとえば球形、フレーク状、ウイス
カー状などがあり、目的に応じてこれらの中から選ばれ
る少なくとも1種以上の高誘電率粉末が用いられる。ま
た、高誘電率粉末の大きさは特に制限はないが、たとえ
ば球形の場合は、その平均粒子径が通常50μm以下の
ものが好ましく、平均粒子径が10μm以下のものがよ
り好ましく、平均粒子径が1μm以下のものがさらに好
ましい。ウイスカー状の場合は、長さが50μm以下、
径が0.5〜20μmのものを用いることができる。さ
らに、高誘電率粉末の添加量は、目的とする接着層また
は吸着層の誘電率によって適宜設定されるが、通常5〜
50vol%が好ましく、10〜30vol%がより好
ましい。
【0057】本発明の媒体搬送ベルトにおいては、接着
層は、高分子材料管状物と吸着層の剥離強度を向上させ
る役割を果たす。本発明においては、「剥離強度」とい
うときは、JIS−C6481に準拠して測定した90
度剥離強度を指す。好ましくは、本発明の媒体搬送ベル
トの管状物と吸着層の剥離強度は、0.3kg/cm 2
以上、より好ましくは、0.5kg/cm2 である。
【0058】次に本発明の媒体搬送ベルトの製造方法の
一例を示すが、本発明の媒体搬送ベルトの製造方法は以
下の例に限定されない。まず、ベースとなる高分子材料
から成る管状物をキャスティング法によりシームレスベ
ルトとして成形した後、その管状物の外表面に電極パタ
ーンを形成する。さらに、その外周面に交互に延び出す
電極パターンの端部を除いて、接着層をたとえばコーテ
ィング法などにより形成し、乾燥させ、その上に吸着層
を例えばコーティング法などにより形成して、媒体搬送
ベルトを製造する。
【0059】また、高分子材料により予めフィルムを形
成した後、そのフィルムの両端を接合してベルト状にし
て管状物を得た後、上述と同様に電極パターンと接着層
および吸着層を形成して媒体搬送ベルトを製造してもよ
い。またあるいは、高分子材料フィルムの表面に電極パ
ターンを形成した後、さらに接着層および吸着層を形成
し、その後、フィルムの両端を接合してベルト状にして
媒体搬送ベルトを製造してもよい。さらに、高分子材料
のフィルムの表面に電極パターンを形成した後、フィル
ムの両端を接合してベルト状にし、その後、さらに接着
層および吸着層を形成して媒体搬送ベルトを製造するこ
ともできる。
【0060】接着層または吸着層は、上記のように原料
樹脂をワニス状としておき、そのワニスを電極パターン
の上にコーティングして形成することもできるが、予め
接着層の原料樹脂をフィルム状にしておき、そのフィル
ムを電極パターン上にラミネートすることによって形成
したりできる。後者のラミネート法としては、熱プレス
法若しくは熱ロール法による熱圧着法を挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。
【0061】本発明の媒体搬送ベルトの製造方法は、得
られる媒体搬送ベルトの目的に応じて適宜選択すること
ができ、また、管状物の材質に応じて適宜選択される。
また、次に説明する他の媒体搬送ベルトの構造に対応さ
せて、製造方法は適宜設定され得る。
【0062】媒体搬送ベルトの構造は図2に示すものの
他、たとえばさらに、図2の二点線で示すように、管状
物の内周面に樹脂層を形成することもできる。管状物の
内周面に外周層と同じ材質のほぼ同じ厚みの樹脂層を形
成することにより、得られた媒体搬送ベルトの反りを防
止することができる。
【0063】また、管状物の外周面に電極パターン、接
着層、および吸着層を積層形成するとともに、その管状
物の内周面側にも同様に電極パターン、接着層および吸
着層を積層形成して、媒体搬送ベルトを構成することも
可能である。管状物の内周面側に形成された電極パター
ンは、外周面側の電極パターンと対称な位置であっても
よいが、外周面側の電極パターンに対して中間位置であ
ってもよい。このように、管状物の内周面側にも電極パ
ターンを設けて断面構造をほぼ対称とすることにより、
長期間の使用に対しても反りなどの発生を防止すること
ができる。
【0064】なお、管状物の内周面側の電極パターンは
電極として機能しないダミーであってもよいが、外周面
側の電極パターンと内周面側の電極パターンとの間で電
圧を印加し得るように構成することも可能であり、特に
限定されない。内周面側の電極パターンにより、媒体搬
送ベルトが完全に対称構造となり、特にベルト端部の反
りかえりが防止できる。
【0065】以上、本発明に係る媒体搬送ベルトを説明
したが、上述の実施形態は例示であり、これらに限定さ
れるものではないのは言うまでもない。その他、得られ
た媒体搬送ベルトの表面に種々の処理を施すことは任意
になし得ることであり、本発明はその趣旨を逸脱しない
範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、
変形を加えた態様で実施し得る。
【0066】
【実施例】(実施例1)厚み75μmの非熱可塑性ポリ
イミドフィルム(アピカル75NPI(鐘淵化学工業株
式会社製))にエポキシ系銀ペーストを用いて、図1及
び図2に示すように、電極幅10mm、電極間距離3mm、
厚み10μmの電極パターンを形成した。
【0067】次に熱可塑性ポリイミド樹脂を主原料とす
る接着層を製造した。攪拌機を備え、窒素置換した1リ
ットル三口フラスコに、
【0068】
【化8】
【0069】の構造を有する2,2’−ビス(4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(以下、BA
PPという)82.10g(0.200mol)と、ジ
メチルホルムアミド(以下、DMFという)670gと
を仕込んだ。その中に、
【0070】
【化9】
【0071】の構造を有する3,3’,4,4’−エチ
レングリコールジベンゾエートテトラカルボン酸二無水
物(以下、TMEGという)54.98g(0.134
mol)と、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
(以下、BTDAという)19.2g(0.060mo
l)との混合物を粉体で添加した。さらにB型粘度計の
測定による三口フラスコ中の粘度に注目しながら、TM
EG2.46g(0.006mol)をDMF30gに
溶解させた溶液を、三口フラスコ内に徐々に投入した。
最大粘度に達したところで、ESDA溶液の投入を終了
し、1時間攪拌しながら放置し、ポリアミド酸共重合体
溶液を得た。
【0072】次に、得られたポリアミド酸共重合体溶液
の固形分100gに対して、カーボンブラック5gと、
膨張性雲母20gを添加して、3本ロールを用いて混練
した。調整した溶液を乾燥後の厚みが10μmになるよ
うに、電極パターン上に塗布し、100℃にて10分
間、150℃にて5分間、200℃にて5分間、300
℃にて5分間の条件で順次乾燥した。この接着層の体積
固有抵抗は1.5×10 13Ω・cm、誘電率は3.5であ
った。このフィルムをベルト状に接合した後、最外周に
厚み100μm、体積固有抵抗3.4×1014Ω・cm、
誘電率6.4の軟質フッ素樹脂(セフラルソフトG15
0F200(セントラル硝子(株))を、全周を覆うよ
うに配置し、ベルト全体を接着層の溶融温度まで加熱し
て、吸着層を有する媒体搬送ベルトを得た。
【0073】得られた媒体搬送ベルトの非熱可塑性ポリ
イミドフィルムと吸着層の剥離強度を測定したところ、
0.5kg/cm2 であった。
【0074】この媒体搬送ベルトの走行耐久性を評価す
る為に、ローラ間にベルトを掛け渡し、張力5kg、走
行速度5回転/分で回転走行させた。走行時間10、1
00、および1000時間において、吸着層の剥離はな
く、良好であった。
【0075】(実施例2)接着層として、体積固有抵抗
5×1010Ω・cm、誘電率は5.0のエポキシ樹脂(ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂とノボラック型フェノー
ル樹脂の混合物)とし、カーボンブラックを添加しない
以外は、実施例1と同様にして媒体搬送ベルトを作成し
た。
【0076】このベルトの剥離強度は、0.7kg/c
2 であった。また、このベルトを実施例1と同様の方
法で走行テストを実施した結果、1000時間走行にお
いて、吸着層の剥離がなく良好であった。
【0077】(比較例1)厚み75μmの非熱可塑性ポ
リイミドフィルム(アピカル75NPI(鐘淵化学工業
株式会社製))にエポキシ系銀ペーストを用いて、図1
及び図2に示すように、電極幅10mm、電極間距離3m
m、厚み10μmの電極パターンを形成した。
【0078】次に、このフィルムをベルト状に接合した
後に、電極パターンの上に厚み100μm、体積固有抵
抗3.4×1014Ω・cm、誘電率6.4の軟質フッ素樹
脂(セフラルソフトG150F200(セントラル硝子
(株))を、全周を覆うように配置し、ベルト全体をフ
ィルムの溶融温度まで加熱して、吸着層を有する媒体搬
送ベルトを得た。
【0079】得られた媒体搬送ベルトの非熱可塑性ポリ
イミドフィルムと吸着層の剥離強度を測定したところ、
0.2kg/cm2 であった。
【0080】この媒体搬送ベルトの走行耐久性を評価す
る為に、ローラ間にベルトを掛け渡し、張力5kg、走
行速度5回転/分で回転走行させた。走行時間10、1
00時間までは吸着層の剥離はなく良好であったが、5
00時間走行したところで、吸着層が、ポリイミドフィ
ルムから剥離した。
【0081】
【発明の効果】本発明に係る媒体搬送ベルトは、媒体と
直接接触する吸着層と基材フィルムとの間に接着層が介
在しているため、剥離強度が高く、長時間走行しても吸
着層が基材フィルムから剥離しない。
【0082】本発明に係る媒体搬送ベルトは、接着層お
よび吸着層が所定の体積固有抵抗と誘電率を備えている
ため、優れた静電吸着力が得られ、紙やOHPなどを充
分に吸着させて搬送することが可能である。
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る媒体搬送ベルトの斜視説明図であ
る。
【図2】図1に示す媒体搬送ベルトの要部拡大断面説明
図である。
【符号の説明】
10:媒体搬送ベルト 12:高分子材料管状物 14:電極パターン 16:接着層 20:吸着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 29:00 Fターム(参考) 3F101 LA02 LA05 LA07 LB03 LB08 4F100 AB01B AB33B AK01A AK01C AK17C AK21G AK33G AK36G AK42G AK46G AK49C AK51G AK52G AK53G AN00G AR00B AT00C BA03 BA07 BA10A BA10C CA23C CB00 DA11 EH66B GB41 JB13C JB16C JG01B JG04C JG04G JG05C JG05G JK06 YY00 YY00C 4F209 AA16 AA40 AD03 AD05 AE03 AG03 AG16 AH33 NA13 NB01 NG05 NW05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料により成形された管状物の外
    周表面に、導電性を有する電極パターンが形成されると
    ともに、該電極パターン上に接着層が形成され、さらに
    該接着層の外周表面に外周層が形成されている媒体搬送
    ベルトであって、該接着層および該外周層が、体積固有
    抵抗が109 〜1015Ω・cmでかつ誘電率が3.0以
    上50.0以下である樹脂または樹脂に添加剤を混合し
    てなる複合樹脂であることを特徴とする媒体搬送ベル
    ト。
  2. 【請求項2】 前記高分子材料が、非熱可塑性ポリイミ
    ド樹脂または熱可塑性ポリイミド樹脂であることを特徴
    とする請求項1に記載の媒体搬送ベルト。
  3. 【請求項3】 前記接着層が、前記高分子材料により成
    形された管状物と前記外周層との90度剥離強度を0.
    3kg/cm2 以上とするような接着性を有することを
    特徴とする請求項1または2に記載の媒体搬送ベルト。
  4. 【請求項4】 前記接着層が、エポキシ樹脂系接着剤、
    ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノー
    ル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、およびシリコ
    ーン樹脂系接着剤からなる群より選択される1種類以上
    の熱硬化型接着剤から形成されることを特徴とする請求
    項1から3までのいずれかに記載の媒体搬送ベルト。
  5. 【請求項5】 前記接着層が、ビニル樹脂系接着剤、ポ
    リアミド樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤、熱
    可塑性ポリウレタン樹脂系接着剤、熱可塑性ポリイミド
    樹脂系接着剤、およびゴム系接着剤からなる群より選択
    される1種類以上の熱可塑性接着剤から形成されること
    を特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の媒
    体搬送ベルト。
  6. 【請求項6】 前記添加剤が、導電性添加剤または高誘
    電率添加剤のいずれか一方、またはその双方であること
    を特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の媒
    体搬送ベルト。
  7. 【請求項7】 前記外周層の体積固有抵抗が1012〜1
    14Ω・cmでかつ誘電率が5.0以上20.0以下で
    あることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに
    記載の媒体搬送ベルト。
  8. 【請求項8】 前記外周層が、フッ素樹脂またはフッ素
    樹脂に添加剤を混合してなる複合樹脂であることを特徴
    とする請求項1から7までのいずれかに記載の媒体搬送
    ベルト。
  9. 【請求項9】 前記電極パターンが、金属箔、金属薄
    膜、および導電性ペーストからなる群より選択される1
    種類以上から形成されることを特徴とする請求項1から
    8までのいずれかに記載の媒体搬送ベルト。
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