JP2000314819A - ファイバ端末、そのファイバ端末の組立方法および光結合装置 - Google Patents

ファイバ端末、そのファイバ端末の組立方法および光結合装置

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JP2000314819A
JP2000314819A JP11123038A JP12303899A JP2000314819A JP 2000314819 A JP2000314819 A JP 2000314819A JP 11123038 A JP11123038 A JP 11123038A JP 12303899 A JP12303899 A JP 12303899A JP 2000314819 A JP2000314819 A JP 2000314819A
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JP
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groove
optical fiber
substrate
optical
fiber
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JP11123038A
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Shinichi Kaneko
進一 金子
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結合と同時に垂直方向および水平方向の双方
の軸合わせを完了し、高精度な光学的な結合を実現する
ファイバ端末、そのファイバ端末の組立方法および光結
合装置を提供すること。 【解決手段】 光ファイバ11の素線部分の一部がV溝
上に露出した状態となるように、光ファイバをV溝基板
12と固定基板13とで挟み込んで形成された光ファイ
バ用プラグ10と、光ファイバ用プラグ10と接続され
る部分において、光導波路21が並列配置された幅に略
等しい幅と、光ファイバ用プラグ10に装填される光フ
ァイバ11の半径程度の深さを有したガイド溝22が形
成された光ファイバ用リセプタクル20とを接着固定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ファイバの端
部を固定するとともに他の光導波路の端部との光学的な
結合を確立するためのファイバ端末(光ファイバケーブ
ルの終端)と、該ファイバ端末と接続される光結合装置
(半導体基板上に形成された光導波路の終端)および前
記ファイバ端末の組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで金属ケーブルが用いられていた
情報幹線系は、大量、かつ、高速通信が可能な光ファイ
バに置き換えられつつあり、FTTH(Fiber To The Ho
me)に代表されるマルチメディア構想は着実に現実のも
のとなりつつある。特に近年においては、長距離幹線系
をシリカ系シングルモード光ファイバで構築し、家庭内
や構内LAN(Local Area Network)におけるネットワ
ークをプラスチック光ファイバで構築することが可能と
なっている。
【0003】一方、現在提案されている、光に情報を担
わせて適当な光学機能素子により種々の演算をおこなわ
せる光コンピュータや高感度センサにおいて、光ファイ
バネットワークや光ファイバケーブルとの接続による光
データリンクの利点を最大限に引き出すためには、これ
ら光コンピュータや高感度センサを構成する半導体基板
上にフォトリソグラフィ技術を用いた光導波路の形成が
必須となる。
【0004】また、光ファイバの中を伝搬する光信号
は、伝送距離が進むにつれてその強度が弱くなったり、
波形が広がったりするために中継器を必要とするが、こ
の中継器においても光導波路を形成することが望まし
い。中継器は、入力された光信号をいったん電気信号に
変換して増幅した後、再び光信号に変換して光ファイバ
へと導くものであり、その増幅回路および受光素子を実
装する半導体基板上に上記した光導波路を形成し、この
光導波路を介して光電変換をおこなうようにすれば、従
来のレンズ系と比較して、受光素子と光ファイバとの間
の伝搬損失をより低減させることができる。なお、中継
器においては、光導波路から構成される光増幅器を用い
ることもできる。
【0005】ここで、光導波路と光ファイバケーブルと
の結合が問題となるが、これは、従来の技術において培
われた光ファイバ同士の接続方法を適用することで実現
される。なお、光ファイバ同士の接続は、金属心線とは
接続原理が基本的に異なっており、接続すべき光ファイ
バのコア部の端面同士が一致しなければならないため、
光ファイバ間においてコア軸ずれ・コア角度・間隙の発
生を防止して接続損失を低減させる必要がある。
【0006】特に、情報幹線として使用される光ファイ
バケーブルは、4心または8心のアレイ状の光ファイバ
を一括して被覆したテープ型心線が用いられており、こ
の光ファイバケーブルと光導波路との接続をおこなう
際、光ファイバ毎の高精度な光学的結合が望まれる。そ
こで、この光ファイバの結合において、各光ファイバの
コア中心と結合先となる光導波路の光学的中心とを正確
に一致させるように、種々の方法が提案および実用化さ
れている。
【0007】通常、このような光ファイバの結合をおこ
なうために、V溝の形成された基板の各V溝中に光ファ
イバの端末部を装填した後、固定基板により固定するこ
とにより構成した光ファイバ終端部(ファイバ端末)が
用いられる。一方、光導波路部材においてもこの光ファ
イバ用プラグと光学的な結合を達成する構造の終端部
(光結合装置)が用いられる。なお、以下においては、
ファイバ端末および光結合装置として、それぞれ「光フ
ァイバ用プラグ」および「光ファイバ用リセプタクル」
を例に挙げて、説明する。
【0008】上記した光ファイバ用プラグと光ファイバ
用リセプタクルとを結合する方法として、光ファイバ用
プラグと光ファイバ用リセプタクルとをそれぞれ異なる
ステージに配置した状態で光ファイバ用プラグを構成す
る各光ファイバに光を導入し、光ファイバ用リセプタク
ルを介して得られる光出射強度が最大となるようにステ
ージを微動させて軸調心をおこなう軸合わせ方法が実用
化されている。
【0009】他の軸合わせ方法として、たとえば、特開
平6‐281834号公報に開示の「光ファイバアレイ
の結合方法」が提案されている。図10は、この光ファ
イバアレイの結合方法を説明するための説明図である。
図10においては、上記した光ファイバ用プラグに相当
する光ファイバアレイ100が、光ファイバ103にお
いて被覆を除去して素心が露出された端末部分をV溝基
板104のV溝に挿入した後、固定基板105で光ファ
イバ103を固定することで構成されている。また、上
記した光ファイバ用リセプタクルに相当する相手側部材
101が、光ファイバ103に対応するようにアレイ状
に配列された光導波路106を形成し、かつ、全体の形
状を凹状の構造とした導波路基板から構成されている。
【0010】これらの光ファイバアレイ100および相
手側部材101の構成において、特開平第6‐2818
34号に開示の「光ファイバアレイの結合方法」は、光
ファイバアレイ100のV溝基板のV溝形成面を基準面
107とし、相手側部材101の凹構造において突出し
た部分の表面を基準面108として、これら基準面10
7および基準面108を互いに密着させることで、光フ
ァイバ103と光導波路106との光学的結合をおこな
うことを特徴としている。これにより、V溝基板や固定
基板の厚さ精度に依存することなく、光ファイバアレイ
103と相手側部材101とを正確に位置合わせするこ
とが可能となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特開平6‐281834号公報に開示の「光ファイバ
アレイの結合方法」においては、光ファイバアレイ10
0と相手側部材101とを接着固定して一体とする組立
てをおこなう場合に、基準面107と基準面108との
間に接着剤を充填する必要があるが、その接着剤の厚み
をサブミクロン・オーダで管理することは非常に困難で
あり、このため光ファイバ103と光導波路106との
間の位置ずれが大きくなり、基準面垂直方向における組
立精度が低下するという問題があった。
【0012】また、光ファイバ103のコア中心から所
定の距離に位置する基準面107と光導波路106の光
学的中心から所定の距離に位置する基準面108との密
着をおこなっているために、これら基準面に対して垂直
方向における軸合わせは不要となるが、水平方向の軸合
わせをおこなう必要がある。この水平方向の軸合わせを
おこなう際に、位置ずれが大きくて相手側部材101の
突出部で囲まれる凹部内の幅を広げる必要が生じた場合
には、その突出部の凹部内側の部分を相手側部材101
の厚み分だけ取り除くことになる。
【0013】このように従来の光ファイバ用プラグおよ
び光ファイバ用リセプタクルとの結合をおこなうには、
基準面水平方向の軸合わせが必要となり、これら光ファ
イバ用プラグと光ファイバ用リセプタクルとを接着して
一体に構成する際の組立工程が複雑となるとともに、軸
合わせをおこなう際に生じる部材の加工量が多いため、
組立時間を多く費やしてしまうという問題があった。
【0014】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、光ファイバと光導波路部材と
の光学的結合をおこなうにおいて、結合と同時に、垂直
方向および水平方向の双方の軸合わせを完了し、高精度
な結合を実現するファイバ端末、そのファイバ端末の組
立方法および光結合装置を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために、この発明にかかるファイバ端末
にあっては、端末部の被覆除去による光ファイバの素線
部分を装填するためのV溝が形成されたV溝基板と、前
記V溝に前記光ファイバの素線部分を装填した状態で、
前記素線部分を前記V溝基板とで挟み込むように、か
つ、前記素線部分の一部が露出するように固定する固定
基板と、から構成されたことを特徴とする。
【0016】この発明によれば、V溝基板のV溝に光フ
ァイバの素線部分を装填するとともに、その光ファイバ
をV溝基板とで挟み込むように、かつ、光ファイバの素
線部分の一部がV溝上に露出した状態となるように固定
基板を配置した構成であるので、このファイバ端末と結
合対をなす光結合装置において、露出した素線部分の一
部を装填するためのガイド溝として、光ファイバの半径
程度の深さのものを形成することができ、水平方向の軸
合わせが一致しない場合のガイド溝側面の除去量を低減
させることができる。
【0017】つぎの発明にかかるファイバ端末の組立方
法にあっては、端末部の被覆除去による光ファイバの素
線部分に近傍する該光ファイバの被覆部分を保持する保
持工程と、前記素線部分を装填するためのV溝が形成さ
れたV溝基板または前記光ファイバに接着剤を塗布する
接着剤塗布工程と、前記V溝基板のV溝に、前記素線部
分を装填するファイバ装填工程と、固定基板によって前
記素線部分を前記V溝基板とで挟み込むように、かつ、
前記素線部分の一部が露出するように固定するとととも
に、露出した前記素線部分の一部を前記V溝基板に向け
て押さえ込むファイバ挟み込み工程と、前記保持工程に
よる光ファイバの被覆部分の保持を解除する保持解除工
程と、前記接着剤塗布工程において塗布された接着剤を
硬化させる接着剤硬化工程と、前記ファイバ挟み込み工
程による露出した前記素線部分の一部の押さえ込みを解
除する押さえ込み解除工程と、を含んだことを特徴とす
る。
【0018】この発明によれば、ファイバ端末を得るた
めに、光ファイバの被覆除去されていない部分を保持し
た状態で、V溝基板のV溝に、その光ファイバの素線部
分を装填するとともに接着剤を光ファイバの表面に塗布
し、その光ファイバを、固定基板によって素線部分をV
溝基板とで挟み込むように、かつ、素線部分の一部が露
出するように固定する際に、露出した光ファイバの素線
部分をV溝基板方向に押さえ込むので、光ファイバの素
線部分がV溝基板のV溝から浮き上がることを防ぐこと
ができる。
【0019】また、接着剤の加熱等による硬化処理をお
こなう際に、光ファイバの保持を解除するので、加熱に
よって生じたV溝基板や固定基板の歪み力が、光ファイ
バの被覆除去されていない部分の方向に分散され、光フ
ァイバの変形や位置変化を防止して、高精度に光ファイ
バの配置固定をおこなうことができる。
【0020】つぎの発明にかかる光結合装置にあって
は、光導波路が形成された基板から構成され、前記V溝
基板のV溝が形成された側の表面と前記基板の表面とを
密着させることによって請求項1に記載のファイバ端末
と接着固定されるとともに前記光ファイバと前記光導波
路とを光学的に結合させるための光結合装置において、
前記光導波路の端面を同一平面とした前面と、前記基板
の端面から前記前面までに至る長さの側面と、前記光導
波路の形成個数分の幅と略等しい幅と、を有するガイド
溝が形成され、前記ガイド溝は、露出した前記素線部分
の一部を前記光導波路へと導くことを特徴とする。
【0021】この発明によれば、ファイバ端末と接続さ
れる部分において、光導波路が形成された個数分の幅と
略等しい幅と、ファイバ端末に装填される光ファイバの
半径程度の深さを有したガイド溝が形成されているの
で、ファイバ端末がそのガイド溝に装填される際に、フ
ァイバ端末のV溝基板のV溝が形成された側の表面と光
結合装置の基板の表面との密着による垂直方向の軸合わ
せを完了させるとともに、ファイバ端末に並列配置され
た光ファイバのうちの両端の光ファイバの側面部(単線
の場合は同一光ファイバの側面)が、ガイド溝の側面に
接触することで、水平方向の軸合わせを完了させること
ができる。
【0022】つぎの発明にかかる光結合装置にあって
は、前記ガイド溝の側面は、テーパ状であることを特徴
とする。
【0023】この発明によれば、ガイド溝の側面をテー
パ状に形成しているので、そのテーパ部と光ファイバの
側面との接触によって、光結合装置の基板の表面に対し
て垂直な方向および水平な方向の双方の軸合わせを同時
に完了することができる。
【0024】つぎの発明にかかる光結合装置にあって
は、前記基板の表面に、前記V溝基板のV溝が形成され
た側の表面を接着固定する接着剤を充填するための接着
用溝を形成したことを特徴とする。
【0025】この発明によれば、光結合装置の基板の表
面に、V溝基板のV溝が形成された側の表面を接着固定
する接着剤を充填するための接着用溝を形成しているの
で、この接着用溝内への接着剤の充填により、ファイバ
端末と光結合装置の垂直方向軸合わせをおこなうために
基準となるファイバ端末のV溝基板のV溝が形成された
側の表面と光結合装置の基板の表面との間に接着剤が入
り込むことがなくなり、ファイバ端末のV溝基板のV溝
が形成された側の表面において接着用溝上部に位置する
領域のみが接着に寄与するため、ファイバ端末のV溝基
板のV溝が形成された側の表面と光結合装置の基板の表
面との間の全体に亘った接着剤の不均一な分布を起因と
する光ファイバの位置ずれを生じることがなく、ファイ
バ端末と光結合装置とを精度良く接着固定することがで
きる。
【0026】つぎの発明にかかる光結合装置にあって
は、前記接着用溝は、前記ガイド溝の側面方向を軸とし
た両脇に、前記ガイド溝の形成と同時に形成されたこと
を特徴とする。
【0027】この発明によれば、接着用溝をガイド溝の
形成と同時に基板上にエッチングなどのプロセスによっ
て形成することができるため、接着用溝を形成するため
の工程を別段に設ける必要はなく、この接着用溝を設け
た構造の光結合装置を容易に得ることができる。
【0028】つぎの発明にかかるファイバ端末にあって
は、前記V溝基板のV溝が形成された側の表面に、請求
項3または4に記載の光結合装置における前記基板の表
面と前記V溝基板のV溝が形成された側の表面とを密着
させて接着固定する接着剤を充填するための接着用溝を
形成したことを特徴とする。
【0029】この発明によれば、光結合装置の基板の表
面に、V溝基板のV溝が形成された側の表面を接着固定
する接着剤を充填するための接着用溝を形成しているの
で、この接着用溝内への接着剤の充填により、ファイバ
端末と光結合装置の垂直方向軸合わせをおこなうために
基準となるファイバ端末のV溝基板のV溝が形成された
側の表面と光結合装置の基板の表面との間に接着剤が入
り込むことがなくなり、光結合装置の基板の表面におい
て接着用溝下部に位置する領域のみが接着に寄与するた
め、ファイバ端末のV溝基板のV溝が形成された側の表
面と光結合装置の基板の表面との間の全体に亘った接着
剤の不均一な分布を起因とする光ファイバの位置ずれを
生じることがなく、ファイバ端末と光結合装置とを精度
良く接着固定することができる。
【0030】つぎの発明にかかるファイバ端末にあって
は、前記接着用溝は、前記V溝基板のV溝が形成された
領域の両脇に前記V溝の形成と同時にV溝状に形成され
たことを特徴とする。
【0031】この発明によれば、接着用溝をV溝基板の
V溝の形成と同時に基板上にエッチングなどのプロセス
によってV溝状に形成することができるため、接着用溝
を形成するための工程を別段に設ける必要はなく、この
接着用溝を設けた構造のファイバ端末を容易に得ること
ができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、この発明にかかるファイ
バ端末、そのファイバ端末の組立方法および光結合装置
の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、
この実施の形態によりこの発明が限定されるものではな
い。なお、この実施の形態においては、ファイバ端末お
よび光結合装置として、それぞれ「光ファイバ用プラ
グ」および「光ファイバ用リセプタクル」を例に挙げ
て、説明する。
【0033】実施の形態1.図1は、実施の形態1にか
かる光ファイバ用プラグおよび光ファイバ用リセプタク
ルを示す説明図である。図1において、まず、光ファイ
バ用プラグ10は、4心の光ファイバから構成されるテ
ープ型心線の端末部を、光ファイバの端面を揃えて固定
するとともに、光導波路が形成された光ファイバ用リセ
プタクル(後述する光ファイバ用リセプタクル20)と
光学的に結合して固定されるための形状を有しており、
V溝基板12と固定基板13から構成される。
【0034】V溝基板12には、被覆除去された光ファ
イバ11の各素線部分を固定配置するための4つのV溝
が等間隔に形成されている。なお、このV溝は、エッチ
ングや機械加工などにより、高精度に形成することが可
能である。たとえば、これらV溝に光ファイバ11の各
素線部分を装填した後におけるコア中心は、V溝形成面
(後述する基準面15)に対して±0.3μm以下の精度
で配置される。
【0035】なお、各V溝は、V溝基板12の両端に亘
った長さで形成される必要はなく、この実施の形態で
は、V溝基板12の一端から、後述する固定基板13が
配置される領域の中央付近までの長さに亘って形成され
ている。よって、V溝基板12には、光ファイバ11の
素線部分が配置されるV溝形成領域と、光ファイバ11
の被覆部分(一括被覆されたテープ部分)が配置される
ケーブル配置領域とが存在する。特に、光ファイバ11
の被覆部分は、素線部分よりも厚みがあるため、後述す
る図5に示すように、V溝形成領域とケーブル配置領域
とに段差を設ける必要がある。
【0036】一方、固定基板13は、V溝基板12のV
溝形成領域およびケーブル配置領域に装填された光ファ
イバ11を、その表面に接着剤を塗布した状態で、V溝
基板12と挟み込むようにして固定接着する部材であ
る。ここで特に、固定基板13は、V溝基板12のV溝
形成領域およびケーブル配置領域の表面全体に亘って接
着固定されるのではなく、図示するように、V溝基板1
2のケーブル配置領域が設けられた表面とV溝形成領域
の一部の表面とを覆うように密着される。
【0037】よって、光ファイバ用プラグ10は、固定
基板13とV溝基板12とで段差を形成して一体構成さ
れた形状となり、V溝基板12において、固定基板13
の配置されていないV溝形成領域には、光ファイバ11
の素線がV溝に配置された状態で露出している。
【0038】また、図1において、光ファイバ用リセプ
タクル20は、光ファイバが装填固定された光ファイバ
用プラグ(上述した光ファイバ用プラグ10)と光学的
に結合されるための形状を有しており、受光素子、発光
素子、上記した光増幅器等の光デバイスと連結した光導
波路21が形成された基板から構成される。特に、この
光ファイバ用リセプタクル20は、フォトリソグラフィ
技術により形成された種々の半導体機能素子(受光素
子、発光素子、CPU等)を実装する半導体基板であ
り、この実施の形態においては、図示するように、光フ
ァイバ用プラグ10に装填固定された4心の光ファイバ
11に対応するように、4つの光導波路21が等間隔に
形成されている。
【0039】なお、これら光導波路もまた、エッチング
によって、たとえば、各光導波路の導波層の光学中心
が、光ファイバ用リセプタクル20の表面(後述する基
準面25)に対して±0.3μm以下の精度で位置するよ
うに形成することが可能である。
【0040】さらに、光ファイバ用リセプタクル20に
は、光ファイバ用プラグ10と接続される部分において
ガイド溝22が形成されている。このガイド溝22の幅
は、光導波路21が並列配置された幅に略等しく、その
深さは、光ファイバ用プラグ10に装填される光ファイ
バ11の半径程度が好適である。
【0041】よって、ガイド溝22の内部においては、
ガイド溝前面23上に光導波路21の端面が露出した状
態となり、この露出部分において、光ファイバ用プラグ
10の光ファイバ11の端面が光学的に結合される。
【0042】つぎに、上述した光ファイバ用プラグ10
と光ファイバ用リセプタクル20との接続状態について
説明する。まず、図1において、光ファイバ用プラグ1
0のV溝基板12のV溝形成面を基準面15とし、光フ
ァイバ用リセプタクル20の光導波路形成面を基準面2
5とする。
【0043】そして、光ファイバ用プラグ10の基準面
15においてV溝形成領域の両脇部分と、光ファイバ用
リセプタクル20の基準面25においてガイド溝22の
両脇部分と、を互いに密着させるとともに、光ファイバ
用プラグ10の光ファイバ11の素線部分が露出した領
域が、光ファイバ用リセプタクル20のガイド溝22内
に装填されるように結合させる。
【0044】図2は、光ファイバ用プラグ10と光ファ
イバ用リセプタクル20との結合部を示す断面図であ
る。特に図2は、ガイド溝22内に装填された光ファイ
バ11を示している。図2に示すように、光ファイバ用
プラグ10のV溝基板12のV溝に装填された光ファイ
バ11のうち、両端に位置する2つの光ファイバの側面
部が図1に示すガイド溝側面24にそれぞれ接触する。
具体的には、両端の光ファイバ11の側面部において基
準面15上に位置する部分、すなわち光ファイバ11の
素線がV溝から露出し始める部分が、ガイド溝側面24
の頂上部に接する。
【0045】よって、基準面15と基準面25との密着
により、これら基準面に垂直な方向における光ファイバ
11の軸合わせが達成されるとともに、ガイド溝側面2
4と両端の光ファイバの側面との接触することによっ
て、基準面に水平な方向においても光ファイバ11の軸
合わせが完了することになり、光ファイバ用プラグ10
と光ファイバ用リセプタクル20との一体組立てに要す
る組立時間を大幅に短縮することができる。
【0046】なお、この結合状態において、光ファイバ
11のコア中心と光ファイバ用リセプタクル20の光導
波路21の光学中心とが一致するように、ガイド溝22
を形成させておく必要があることはいうまでもない。そ
して、このように光ファイバ11のコア中心と光導波路
21の光学中心とが一致したことを確認した後、基準面
15および基準面25間をエポキシ樹脂等の接着剤を装
填し、接着固定する。
【0047】また、上述したように光ファイバ用プラグ
10と光ファイバ用リセプタクル20とを結合させた状
態において、光ファイバ11のコア中心と光ファイバ用
リセプタクル20の光導波路21の光学中心とが水平方
向において一致しない場合においても、ガイド溝22の
深さは、光ファイバ11の半径と同程度であるため、ガ
イド溝側面24を取り除く量、すなわち加工量は少なく
て済み、組立時間を多く費やすことがなくなる。
【0048】さらに、図2に示した例では、ガイド溝側
面24がガイド溝22の底面または基準面25に対して
垂直であったが、このガイド溝側面24をテーパ状に形
成してもよい。図3は、ガイド溝側面24をテーパ状に
形成した場合の光ファイバ用プラグ10と光ファイバ用
リセプタクル20との結合部を示す断面図である。
【0049】図3に示すように、ガイド溝側面24をテ
ーパ状に形成した場合では、そのテーパ部と光ファイバ
の側面との接触によって、基準面に対して垂直な方向お
よび水平な方向の双方の位置調整を同時に完了すること
ができる。
【0050】以上に説明したとおり、実施の形態1にか
かる光ファイバ用プラグによれば、固定基板13とV溝
基板12とで段差を形成して一体構成された形状にし
て、V溝基板12において、固定基板13の配置されて
いないV溝形成領域において、光ファイバ11の素線が
V溝に露出された状態で配置されるので、光ファイバ用
プラグと結合対をなす光ファイバ用リセプタクル20に
おいて、基準面15と基準面25との密着による垂直方
向の軸合わせを完了させるとともに、ガイド溝22を光
ファイバ11の半径程度の深さで形成することができ、
水平方向の軸合わせが一致しない場合であっても、その
ガイド溝側面24を除去するための加工時間を短縮する
ことができる。
【0051】また、実施の形態1にかかる光ファイバ用
リセプタクルによれば、光ファイバ用プラグ10と接続
される部分において、光導波路21が並列配置された幅
に略等しい幅と、光ファイバ用プラグ10に装填される
光ファイバ11の半径程度の深さを有したガイド溝22
が形成されているので、光ファイバ用プラグ10がその
ガイド溝22に装填される際に、基準面15と基準面2
5との密着による垂直方向の軸合わせを完了させるとと
もに、光ファイバ用プラグ10に並列配置された光ファ
イバのうちの両端の光ファイバの側面部が、ガイド溝側
面24に接触することで、水平方向の軸合わせを簡略化
することができる。
【0052】実施の形態2.つぎに、実施の形態2にか
かる光ファイバ用プラグの組立方法について説明する。
すなわち、実施の形態2は、実施の形態1において説明
した光ファイバ用プラグ10の組立て工程を説明するも
のである。図4は、実施の形態2にかかる光ファイバ用
プラグの組立方法における各工程を示すフローチャート
である。また、図5は、この光ファイバ用プラグの組立
方法の理解を容易にするための各工程における光ファイ
バ用プラグの断面図である。
【0053】まず、光ファイバ用プラグ10に装填する
4心のテープ型光ファイバの終端部において、その被覆
部分を除去する(ステップS101)。すなわち、実施
の形態1において説明したように、V溝基板12のV溝
に装填するために各光ファイバの素線部分を露出させ
る。そして、図5(a)に示すように、被覆が施された
ままの光ファイバケーブル部11'をファイバ保持手段
30で保持する(ステップS102)。この際、光ファ
イバ11の素線部分と、上述したケーブル配置領域に配
置される光ファイバケーブル部11'に接着剤を塗布す
る(ステップS103)。
【0054】この際、光ファイバ11の素線部分と、上
述したケーブル配置領域に配置される光ファイバケーブ
ル部11'に接着剤を塗布する(ステップS103)。
接着剤としては、エポキシ樹脂、シリコーン、弾性接着
剤を使用することができる。
【0055】つぎに、図5(a)に示すように、V溝基
板12の各V溝に4心の光ファイバ11の各素線部分を
装填するとともに、光ファイバケーブル部11'をV溝
基板12のケーブル配置領域に装填する(ステップS1
04)。なお、上記したステップS103の接着剤塗布
工程を、このステップS104の後におこなうようにし
てもよい。ただし、この場合、V溝基板12と光ファイ
バ11との間隙に接着剤を充填することになる。
【0056】つづいて、図5(b)に示すように、固定
基板13とV溝基板12で光ファイバ11の素線部分お
よび光ファイバケーブル部11'を挟みこむとともに、
固定基板13が及ばない範囲の光ファイバ11の素線部
分、すなわちV溝上において露出して配置された光ファ
イバ11の素線部分を押さえ手段40によって押さえ込
む(ステップS105)。
【0057】この押さえ手段40による押さえ込みによ
って、光ファイバ11の素線部分がV溝基板12のV溝
から浮き上がることを防ぐことができ、光ファイバ11
の素線部分をV溝に高精度に固定することができる。
【0058】そして、図5(c)に示すように、ファイ
バ保持手段30による光ファイバケーブル部11'の保
持を解除し(ステップS106)、ステップS103に
おいて塗布された接着剤の硬化処理を加熱等によりおこ
なう(ステップS107)。最後に、押さえ手段40に
よる光ファイバ11の素線部分の押さえを解除して(ス
テップS108)、光ファイバ用プラグ10の組立てを
完了する。
【0059】ここで、従来、接着剤の硬化処理における
加熱によって発生するV溝基板12や固定基板13の熱
膨張による歪みを起因として、光ファイバ11が、V溝
基板12から飛び出したり、曲がった状態で接着される
ことがあった。
【0060】そこで、ステップS107の接着剤の硬化
処理に先だって、ステップS106において、押さえ手
段40により光ファイバ11の素線部分の押さえ込みを
おこなった状態のまま、光ファイバケーブル部11'の
保持を解除して光ファイバケーブル部11'を自由部と
しているので、上記したように熱膨張によってV溝基板
12や固定基板13の歪みが生じた場合でも、光ファイ
バ11がその歪みによって受ける力を、自由部である光
ファイバケーブル部11'方向に分散することができ、
光ファイバ11の変形や位置変化を防止することが可能
となり、その結果、高精度に光ファイバが配置固定され
た光ファイバ用プラグ10を得ることができる。
【0061】以上に説明したとおり、実施の形態2にか
かる光ファイバ用プラグの組立方法によれば、光ファイ
バ用プラグ10を得るために、端末部の被覆を除去した
光ファイバ11をファイバ保持手段30で保持した状態
で、V溝基板12のV溝に、その光ファイバ11の素線
部分を装填するとともに接着剤を光ファイバ11の表面
に塗布し、その光ファイバ11を、光ファイバ11の端
面から所定距離離れた位置に配置される固定基板13と
V溝基板12とで挟み込むように固定する際に、露出し
た光ファイバ11の素線部分を押さえ手段40によって
V溝基板12方向に押さえ込むので、光ファイバ11の
素線部分がV溝基板12のV溝から浮き上がることを防
ぐことができる。
【0062】さらに、上記した加熱による接着剤の硬化
処理をおこなう際に、ファイバ保持手段30による光フ
ァイバ11の保持を解除するので、加熱によって生じた
V溝基板12や固定基板13の歪み力が光ファイバケー
ブル部11'方向に分散され、光ファイバ11の変形や
位置変化を防止して、高精度に光ファイバ11の配置固
定をおこなうことができる。
【0063】実施の形態3.つぎに、実施の形態3にか
かる光ファイバ用プラグおよび光ファイバ用リセプタク
ルについて説明する。図6は、実施の形態3にかかる光
ファイバ用リセプタクルを示す説明図である。なお、図
6においては、実施の形態1において説明した光ファイ
バ用プラグ10も同時に示しており、図1と共通する部
分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0064】図6において、光ファイバ用リセプタクル
50は、基板上に接着用凹状溝52としてガイド溝22
と同様な溝を、ガイド溝22の両脇に形成している点
が、実施の形態1にかかる光ファイバ用リセプタクル2
0と異なる。この接着用凹状溝52は、光ファイバ用リ
セプタクル50が光ファイバ用プラグ10と結合される
際に、基準面15と基準面25との接着において接着剤
を充填するための溝である。
【0065】なお、図6に示す接着用凹状溝52は、ガ
イド溝22と同様な長さおよび深さで、幅のみをガイド
溝22よりも狭くしているが、これらの数値は、設計上
適宜変更可能であり、特に限定しない。但し、接着用凹
状溝52の形成は、ガイド溝22のガイド溝側面24に
沿った両脇の領域におこなうことが好ましい。
【0066】図7は、光ファイバ用プラグ10と光ファ
イバ用リセプタクル50との結合部を示す断面図であ
る。特に図7は、図2と同様に、ガイド溝22内に装填
された光ファイバ11を示している。図7に示すよう
に、ガイド溝22の両脇にそれぞれ形成された接着用凹
状溝52によって、基準面15と基準面25との間に、
接着用凹状溝52の深さだけの間隙が生じる。
【0067】そこで、この接着用凹状溝52内に接着剤
55を充填することで、光ファイバ用プラグ10と光フ
ァイバ用リセプタクル50の垂直方向位置決めをおこな
うための基準面15と基準面25との間に接着剤が入り
込むことがなくなり、基準面15において接着用凹状溝
52上部に位置する領域のみが接着に寄与するため、基
準面15と基準面25との間の全体に亘った接着剤の不
均一な分布による光ファイバ11の位置ずれを生じるこ
とがなく、光ファイバ用プラグ10と光ファイバ用リセ
プタクル50とを精度良く接着固定することができる。
すなわち、光ファイバ11と光導波路21との光学的な
結合を高精度におこなうことができる。
【0068】また、接着用凹状溝52は、ガイド溝22
の形成と同時に基板上にエッチングなどのプロセスによ
って形成することができるため、接着用凹状溝52を形
成するための工程を別段に設ける必要はなく、この接着
用凹状溝52を設けた構造の光ファイバ用リセプタクル
50を容易に形成することができる。
【0069】図8は、実施の形態3にかかる光ファイバ
用プラグを示す説明図である。なお、図8においては、
実施の形態1において説明した光ファイバ用リセプタク
ル20も同時に示しており、図1と共通する部分には同
一符号を付して、その説明を省略する。
【0070】図8において、光ファイバ用プラグ60
は、V溝基板61上に、図1に示したV溝基板12と同
様に光ファイバ11を装填するためのV溝が形成される
とともに、接着用V溝62を、光ファイバ11を装填す
るためのV溝の両脇に形成している点が、実施の形態1
にかかる光ファイバ用プラグ10と異なる。この接着用
V溝62は、光ファイバ用プラグ60が光ファイバ用リ
セプタクル20と結合される際に、基準面15と基準面
25との接着において接着剤を充填するための溝であ
る。
【0071】なお、図8に示す接着用V溝62は、光フ
ァイバ11を装填するためのV溝と同様な長さ、深さお
よび幅としているが、これらの数値は、設計上適宜変更
可能であり、特に限定しない。但し、接着用V溝62の
形成は、光ファイバ11を装填するためのV溝に沿って
両脇に位置する領域におこなうことが好ましい。
【0072】図9は、光ファイバ用プラグ60と光ファ
イバ用リセプタクル20との結合部を示す断面図であ
る。特に図9は、図2と同様に、ガイド溝22内に装填
された光ファイバ11を示している。図9に示すよう
に、光ファイバ11を装填するためのV溝の両脇にそれ
ぞれ形成された接着用V溝62によって、基準面15と
基準面25との間に、接着用V溝62の深さだけの間隙
が生じる。
【0073】そこで、この接着用V溝62内に接着剤6
5を充填することにより、光ファイバ用プラグ60と光
ファイバ用リセプタクル20の垂直方向位置決めをおこ
なうための基準面15と基準面25との間に接着剤が入
り込むことがなくなり、基準面25において接着用V溝
62下部に位置する領域のみが接着に寄与するため、基
準面15と基準面25との間の全体に亘った接着剤の不
均一な分布による光ファイバ11の位置ずれを生じるこ
とがなく、光ファイバ用プラグ60と光ファイバ用リセ
プタクル20とを精度良く接着固定することができる。
すなわち、光ファイバ11と光導波路21との光学的な
結合を高精度におこなうことができる。
【0074】また、接着用V溝62は、光ファイバ11
を装填するためのV溝の形成と同時にV溝基板61上に
エッチングなどのプロセスによって形成することができ
るため、接着用V溝62を形成するための工程を別段に
設ける必要はなく、この接着用V溝62を設けた構造の
光ファイバ用プラグ60を容易に形成することができ
る。
【0075】以上に説明した実施の形態1〜3におい
て、光ファイバ用プラグに装填される光ファイバは、ガ
ラス系光ファイバとプラスチック光ファイバとを問わ
ず、また、実施の形態1〜3にかかる光ファイバ用プラ
グおよび光ファイバ用リセプタクルは、プラスチック製
やステンレス等の金属性とを問わない。
【0076】また、実施の形態1〜3にかかる光ファイ
バ用プラグおよび光ファイバ用リセプタクルの適用例と
して、4心のテープ型の光ファイバの結合を示したが、
単線や他の複数の光ファイバとこれらに対応する光導波
路との結合に適応させることも可能である。
【0077】
【発明の効果】以上、説明したとおり、この発明によれ
ば、V溝基板のV溝に光ファイバの素線部分を装填する
とともに、その光ファイバをV溝基板とで挟み込むよう
に、かつ、光ファイバの素線部分の一部がV溝上に露出
した状態となるように固定基板を配置した構成であるの
で、このファイバ端末と結合対をなす光結合装置におい
て、露出した素線部分の一部を装填するためのガイド溝
として光ファイバの半径程度の深さのものを形成するこ
とができ、水平方向の軸合わせが一致しない場合のガイ
ド溝側面の除去量を低減させることができるという効果
を奏する。
【0078】つぎの発明によれば、ファイバ端末を得る
ために、光ファイバの被覆除去されていない部分を保持
した状態で、V溝基板のV溝に、その光ファイバの素線
部分を装填するとともに接着剤を光ファイバの表面に塗
布し、その光ファイバを、固定基板によって素線部分を
V溝基板とで挟み込むように、かつ、素線部分の一部が
露出するように固定する際に、露出した光ファイバの素
線部分をV溝基板方向に押さえ込むので、光ファイバの
素線部分がV溝基板のV溝から浮き上がることを防ぐこ
とができ、また、接着剤の加熱による硬化処理をおこな
う際に、光ファイバの保持を解除するので、加熱によっ
て生じたV溝基板や固定基板の歪み力が、光ファイバの
被覆除去されていない部分の方向に分散され、光ファイ
バの変形や位置変化を防止して、高精度に光ファイバの
配置固定をおこなうことができるという効果を奏する。
【0079】つぎの発明によれば、ファイバ端末と接続
される部分において、光導波路が形成された個数分の幅
と略等しい幅と、ファイバ端末に装填される光ファイバ
の半径程度の深さを有したガイド溝が形成されているの
で、ファイバ端末がそのガイド溝に装填される際に、フ
ァイバ端末のV溝基板のV溝が形成された側の表面と光
結合装置の基板の表面との密着による垂直方向の軸合わ
せを完了させるとともに、ファイバ端末に並列配置され
た光ファイバのうちの両端の光ファイバの側面部(単線
の場合は同一光ファイバの側面)が、ガイド溝の側面に
接触することで、水平方向の軸合わせをも完了させるこ
とができるという効果を奏する。
【0080】つぎの発明によれば、ガイド溝の側面をテ
ーパ状に形成しているので、そのテーパ部と光ファイバ
の側面との接触によって、光結合装置の基板の表面に対
して垂直な方向および水平な方向の双方の軸合わせを同
時に完了することができるという効果を奏する。
【0081】つぎの発明によれば、光結合装置の基板の
表面に、V溝基板のV溝が形成された側の表面を接着固
定する接着剤を充填するための接着用溝を形成している
ので、この接着用溝内への接着剤の充填により、ファイ
バ端末と光結合装置の垂直方向軸合わせをおこなうため
に基準となるファイバ端末のV溝基板のV溝が形成され
た側の表面と光結合装置の基板の表面との間に接着剤が
入り込むことがなくなり、ファイバ端末のV溝基板のV
溝が形成された側の表面において接着用溝上部に位置す
る領域のみが接着に寄与するため、ファイバ端末のV溝
基板のV溝が形成された側の表面と光結合装置の基板の
表面との間の全体に亘った接着剤の不均一な分布を起因
とする光ファイバの位置ずれを生じることがなく、ファ
イバ端末と光結合装置とを精度良く接着固定することが
できるという効果を奏する。
【0082】つぎの発明によれば、接着用溝をガイド溝
の形成と同時に基板上にエッチングなどのプロセスによ
って形成することができるため、接着用溝を形成するた
めの工程を別段に設ける必要はなく、この接着用溝を設
けた構造の光結合装置を容易に得ることができるという
効果を奏する。
【0083】つぎの発明によれば、光結合装置の基板の
表面に、V溝基板のV溝が形成された側の表面を接着固
定する接着剤を充填するための接着用溝を形成している
ので、この接着用溝内への接着剤の充填により、ファイ
バ端末と光結合装置の垂直方向軸合わせをおこなうため
に基準となるファイバ端末のV溝基板のV溝が形成され
た側の表面と光結合装置の基板の表面との間に接着剤が
入り込むことがなくなり、光結合装置の基板の表面にお
いて接着用溝下部に位置する領域のみが接着に寄与する
ため、ファイバ端末のV溝基板のV溝が形成された側の
表面と光結合装置の基板の表面との間の全体に亘った接
着剤の不均一な分布を起因とする光ファイバの位置ずれ
を生じることがなく、ファイバ端末と光結合装置とを精
度良く接着固定することができるという効果を奏する。
【0084】つぎの発明によれば、接着用溝をV溝基板
のV溝の形成と同時に基板上にエッチングなどのプロセ
スによってV溝状に形成することができるため、接着用
溝を形成するための工程を別段に設ける必要はなく、こ
の接着用溝を設けた構造のファイバ端末を容易に得るこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1にかかる光ファイバ用プラグお
よび光ファイバ用リセプタクルを示す説明図である。
【図2】 実施の形態1にかかる光ファイバ用プラグと
光ファイバ用リセプタクルとの結合部を示す断面図であ
る。
【図3】 実施の形態1にかかる光ファイバ用プラグと
ガイド溝側面をテーパ状に形成した光ファイバ用リセプ
タクルとの結合部を示す断面図である。
【図4】 実施の形態2にかかる光ファイバ用プラグの
組立方法における各工程を示すフローチャートである。
【図5】 実施の形態2にかかる光ファイバ用プラグの
組立方法において、各工程における光ファイバ用プラグ
を示す断面図である。
【図6】 実施の形態3にかかる光ファイバ用リセプタ
クルを示す説明図である。
【図7】 実施の形態3にかかる光ファイバ用リセプタ
クルと光ファイバ用プラグとの結合部を示す断面図であ
る。
【図8】 実施の形態3にかかる光ファイバ用プラグを
示す説明図である。
【図9】 実施の形態3にかかる光ファイバ用プラグと
光ファイバ用リセプタクルとの結合部を示す断面図であ
る。
【図10】 従来における光ファイバアレイの結合方法
を示す説明図である。
【符号の説明】
10,60 光ファイバ用プラグ、11 光ファイバ、
11' 光ファイバケーブル部、12,61 V溝基板、
13 固定基板、15,25 基準面、20,50 光
ファイバ用リセプタクル、21 光導波路、22 ガイ
ド溝、23 ガイド溝前面、24 ガイド溝側面、30
ファイバ保持手段、40 押さえ手段、52 接着用
凹状溝、55,65 接着剤、62 接着用V溝。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端末部の被覆除去による光ファイバの素
    線部分を装填するためのV溝が形成されたV溝基板と、 前記V溝に前記光ファイバの素線部分を装填した状態
    で、前記素線部分を前記V溝基板とで挟み込むように、
    かつ、前記素線部分の一部が露出するように固定する固
    定基板と、 から構成されたことを特徴とするファイバ端末。
  2. 【請求項2】 端末部の被覆除去による光ファイバの素
    線部分に近傍する該光ファイバの被覆部分を保持する保
    持工程と、 前記素線部分を装填するためのV溝が形成されたV溝基
    板または前記光ファイバに接着剤を塗布する接着剤塗布
    工程と、 前記V溝基板のV溝に、前記素線部分を装填するファイ
    バ装填工程と、 固定基板によって前記素線部分を前記V溝基板とで挟み
    込むように、かつ、前記素線部分の一部が露出するよう
    に固定するととともに、露出した前記素線部分の一部を
    前記V溝基板に向けて押さえ込むファイバ挟み込み工程
    と、 前記保持工程による光ファイバの被覆部分の保持を解除
    する保持解除工程と、 前記接着剤塗布工程において塗布された接着剤を硬化さ
    せる接着剤硬化工程と、 前記ファイバ挟み込み工程による露出した前記素線部分
    の一部の押さえ込みを解除する押さえ込み解除工程と、 を含んだことを特徴とするファイバ端末の組立方法。
  3. 【請求項3】 光導波路が形成された基板から構成さ
    れ、前記V溝基板のV溝が形成された側の表面と前記基
    板の表面とを密着させることによって請求項1に記載の
    ファイバ端末と接着固定されるとともに前記光ファイバ
    と前記光導波路とを光学的に結合させるための光結合装
    置において、 前記光導波路の端面を同一平面とした前面と、前記基板
    の端面から前記前面までに至る長さの側面と、前記光導
    波路の形成個数分の幅と略等しい幅と、を有するガイド
    溝が形成され、前記ガイド溝は、露出した前記素線部分
    の一部を前記光導波路へと導くことを特徴とする光結合
    装置。
  4. 【請求項4】 前記ガイド溝の側面は、テーパ状である
    ことを特徴とする請求項3に記載の光結合装置。
  5. 【請求項5】 前記基板の表面に、前記V溝基板のV溝
    が形成された側の表面を接着固定する接着剤を充填する
    ための接着用溝を形成したことを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載の光結合装置。
  6. 【請求項6】 前記接着用溝は、前記ガイド溝の側面方
    向を軸とした両脇に、前記ガイド溝の形成と同時に形成
    されたことを特徴とする請求項5に記載の光結合装置。
  7. 【請求項7】 前記V溝基板のV溝が形成された側の表
    面に、請求項3または4に記載の光結合装置における前
    記基板の表面と前記V溝基板のV溝が形成された側の表
    面とを密着させて接着固定する接着剤を充填するための
    接着用溝を形成したことを特徴とする請求項1に記載の
    ファイバ端末。
  8. 【請求項8】 前記接着用溝は、前記V溝基板のV溝が
    形成された領域の両脇に前記V溝の形成と同時にV溝状
    に形成されたことを特徴とする請求項7に記載のファイ
    バ端末。
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