JP2000314720A - キャピラリー電気泳動装置 - Google Patents

キャピラリー電気泳動装置

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JP2000314720A
JP2000314720A JP11125724A JP12572499A JP2000314720A JP 2000314720 A JP2000314720 A JP 2000314720A JP 11125724 A JP11125724 A JP 11125724A JP 12572499 A JP12572499 A JP 12572499A JP 2000314720 A JP2000314720 A JP 2000314720A
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electrophoresis
capillary
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light
capillaries
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JP11125724A
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Susumu Watanabe
進 渡辺
Kazunari Imai
一成 今井
Kohei Mochizuki
康平 望月
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Hitachi Ltd
Hitachi Science Systems Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Science Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】測定時間を長くすることなしに正確な分析を可
能ならしめるのに適したキャピラリー電気泳動装置を提
供すること。 【解決手段】キャピラリー20の下端を試料中に挿入し
て試料をそのキャピラリー内に導入し、続いてキャピラ
リー20をバッファ槽12中のバッファに挿入して、高電
圧電源30から高電圧を印加することにより、試料を電
気泳動させ、分離する。検知器ユニット60は分離され
た成分(DNA断片)を検出し、信号処理ユニット70
は検出された蛍光の波長により末端塩基の種類を識別
し、試料中のDNAの塩基配列を決定する。泳動終了判
定装置200は検出されたDNA断片の信号強度にもと
づいて電気泳動終了を判定し、それにしたがって2回目
以降の測定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャピラリー電気泳
動装置、特にDNA(核酸)の塩基配列決定に用いられ
るのに適したキャピラリー電気泳動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気泳動を利用した分析は多
く利用されているが、その中で重要な分析はDNAの塩
基配列決定である。塩基配列決定には、従来は、2枚の
ガラス平板の間にポリアクリルアミドゲルを挟んで形成
された電気泳動媒体を用いられていた。それに対して、
最近、例えば、特開平6−138037号公報等に記載
されているように、取り扱いを容易にし、短時間で分析
を行うことができるキャピラリーにゲルを充填させた電
気泳動媒体を用いる方法が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、キャピラリーを電気泳動に用いる場合も含
め、充填されたゲルは1測定毎に消耗され、毎回取り替
えるようにしている。ゲルの交換には、内径100μm
以下のキャピラリー内にゲルをシリンジ等を用いて加圧
・圧入する方法を用いるが、多数のキャピラリーのゲル
を充填する作業は時間を要するものである。また、毎
回、キャピラリーを交換する場合には、キャピラリーの
交換作業は手作業となるため、複数の試料を自動的に分
析することは困難であった。
【0004】キャピラリーの交換作業を減らし、自動化
を進めるためには、同一のゲルで複数回繰り返し使用で
きるようにすればよい。しかし、試料の泳動時間は試料
により異なるため、繰り返し測定の開始時期の最適な設
定は困難であった。
【0005】すなわち、繰り返し測定開始時期が早過ぎ
れば、繰り返し測定の試料由来の信号は前回の測定試料
由来の信号と重なり、正確な分析ができなかった。逆に
繰り返し測定開始時間が遅過ぎれば全測定時間が長くな
り過ぎる問題があった。
【0006】本発明の目的は測定時間を長くすることな
しに正確な分析を可能ならしめるのに適したキャピラリ
ー電気泳動装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にもとづくキャピ
ラリー電気泳動装置の特徴は、電気泳動媒体が充填され
たキャピラリーと、該キャピラリーの一方端に導入した
試料を他方端に向けて泳動させて前記試料中の成分を分
離するように前記キャピラリーの両端に電圧を印加する
手段と、前記分離された成分を検出する検知器と、前記
キャピラリー中を泳動する試料の泳動終了を判定する手
段を備えていることにある。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明にもとづくキャピラ
リー電気泳動装置の一実施例を示す。同図を参照する
に、移動機構10の上には、バッファ(電解液)を収容
した泳動バッファ槽12が配置されている。泳動バッフ
ァ槽12の中には、白金電極13が張架されており、白
金電極13はバッファと接触している。また、移動機構
10の上には、サンプルトレイホルダ14を介して3個
のサンプルトレイ100A,100B,100Cが配置
されている。サンプルトレイ100Aは、図2を用いて
後述するように、48個の試料容器を備えている。サン
プルトレイ100Aは、止めねじS1,S2によってサ
ンプルトレイホルダ14に固定されており、サンプルト
レイホルダ14から取り外し可能である。サンプルトレ
イ100Aの低部は、SUSのような導電性金属で構成
されてサンプルトレイホルダ14と電気的に導通してい
る。サンプルトレイ100B,100Cも同様にして、
48個の試料容器を備えており、サンプルトレイ100
B,100Cの低部は、サンプルトレイホルダ14と電
気的に導通している。
【0009】移動機構10は、上下移動用モータ16Z
を用いて、上下スライドガイド18Zに沿ってZ軸方向
に上下移動可能である。また、移動機構10は、前後移
動用モータ16Xを用いて、前後スライドガイド18X
に沿って、X軸方向に前後移動可能である。上下移動用
モータ16Z及び前後移動用モータ16Xは、制御装置
80によって制御される。また、3個のサンプルトレイ
100A,100B,100Cを覆うようにして、塩化
ビニルやアクリル樹脂等の透明なカバー19が配置され
ており、試料容器に保持された試料の蒸発の抑制や外部
からのゴミの混入を防止している。
【0010】48本のキャピラリー20が並列的に配置
されており、その内部には、分離用の架橋ポリアクリル
アミドゲルが電気泳動媒体として充填されている。キャ
ピラリー20の下端側はキャピラリー押さえ22により
固定され、その下端は泳動バッファ槽12内の泳動バッ
ファに挿入されている。キャピラリー20の上端側は、
キャピラリー押さえ24により固定され、その上端は、
カプラ26に接続固定されている。
【0011】キャピラリー20の長さは30cmとして
いる。キャピラリー20に充填される架橋ポリアクリル
アミドゲルは、全アクリルアミド及びビスーアクリルア
ミドから成っている。全アクリルアミドは、全ゲルに対
して5重量%、全アクリルアミドに対するビスーアクリ
ルアミドの重量は10%である。
【0012】カプラ26は、接地側の電極プラグ32に
接続され、電極プラグ32は、高電圧電源30の接地極
に接続されている。また、サンプルトレイホルダ14
は、高電圧側の電極プラグ34と接続され、バッファ槽
12の白金電極13は、高電圧側の電極プラグ36と接
続され、電極プラグ34,36は、高電圧電源30の高
電圧(−)極に接続されている。
【0013】カプラ26は、シースフローセル40に接
続されている。シースフローセル40には、シース液タ
ンク42の中に保持されたシース液44が、重力によっ
て導入される。キャピラリー20の中で電気泳動され、
キャピラリー20の泳動終端部から流出する分離された
試料は、シース液によって各キャピラリーの試料成分が
互いに分離されたまま上部側に運ばれる。
【0014】シースフローセル40の側面方向(図示Y
軸方向)からは、レーザ50から出射したレーザ光が、
レンズ52によって平行光束にコリメートされた上で照
射され、シースフローセル40中の分離された試料を励
起する。レーザ50とレンズ52の間には、シャッタ5
4が設けられており、試料の励起を選択的に行えるよう
になっている。
【0015】レーザ光照射によって発生した蛍光は、Y
軸方向に直交するX軸方向から取り出され、検知器ユニ
ット60によって検知される。検知器ユニット60は、
図2を用いて後述するように、集光レンズ62と、フィ
ルタ64と、結像レンズ66と、光センサ68によって
構成されている。レーザ光照射によって発生した蛍光
は、集光レンズ62によって集光され、フィルタ64に
よって検出すべき波長の光が選択され、さらに、結像レ
ンズ66によって、2次元CCDセンサ等の光センサ6
8上に結像する。光センサ68によって検出された4波
長の信号は、信号処理装置70に送られる。この時点
で、光センサ68によって検出された信号は信号処理装
置70により相対化(ノーマライズ)されて、最大強度
を一定値とする値に変換される。最大値はたとえば1,00
0,000とし、0〜1,000,000の間の値に蛍光強度に応じて
変換される。ここで、1,000,000はあくまで相対値であ
り、単位はない。
【0016】信号処理装置70により相対化された4波
長の信号は、波長により末端塩基の種類が識別され、末
端塩基を時系列配置することにより、核酸試料の塩基配
列が解析される。
【0017】DNA(デオキシリボ核酸)の塩基配列の
決定では、一般的に4波長の計測が行われる。各極大波
長が、それぞれ、DNA断片の末端の塩基の種類に対応
するように、予め反応操作で蛍光色素がDNA断片に結
合される。これによりDNA断片はそれぞれ固有の蛍光
で標識される。
【0018】また、信号処理装置70により相対化され
た4波長の信号は、泳動終了判定装置200に入力す
る。泳動終了判定装置200は記憶装置や演算装置等を
含む計算機からなるもので、信号の最大強度に対する各
信号の相対強度を求め、その求められた相対強度が、予
め定められ記憶装置に記憶された判定レベル(基準値)
よりも大きいかどうかを比較し、大きければ試料がキャ
ピラリー中を泳動中であると判定し、求められた相対強
度が判定レベルよりも上がり、泳動終了判定装置200
が泳動中と判定した後に判定レベルよりも低下した場合
には、試料のキャピラリー中での泳動を終了したと判定
する。泳動終了判定装置200における判定の基準につ
いては後述する。
【0019】シースフローセル40の上端部には、ドレ
インアダプタ46が取り付けられており、キャピラリー
20からシースフローセル40に流入した試料を、廃液
として、ドレインチューブ47を通って、ドレイン瓶4
9に排出する。ドレインチューブ47の途中には、オリ
フィスや複数本のキャピラリーから構成されるフローコ
ントローラ48が設けられており、ドレインチューブ4
7の流路抵抗を一定として、流量を制御している。
【0020】次に、図1の実施例の全体的な動作につい
て説明するに、最初に、測定前の予備泳動を行う。予備
泳動においては、標準試料及び分析試料はキャピラリー
20の中には導入されない。キャピラリー20の下端を
バッファ槽12に挿入し、高電圧電源30からキャピラ
リー20の両端に電圧を印加して、キャピラリー20を
平衡化させる。予備泳動においては、電源30から印加
する電圧は120V/cmとする。キャピラリー20の
長さが30cmの場合、電源30からキャピラリー20
の両端には、3600Vの電圧を印加する。予備泳動時
間は20分である。
【0021】一方、サンプルトレイ100A,100
B,100Cのそれぞれ48個の試料容器には、予め試
料が所定量分注されている。試料の収容されたサンプル
トレイ100A,100B,100Cは、サンプルトレ
イホルダ14に止めねじS1,S2により固定される。
制御装置80は、上下移動モータ16Zを駆動して、移
動機構10をZ1方向に下降する。キャピラリー20の
下端が、バッファ槽12から十分に離れた位置で移動機
構10の下降を停止する。次に、制御装置80は、前後
移動モータ16Xを駆動して、移動機構10をX1方向
に移動する。サンプルトレイ100Aが、キャピラリー
20の真下に来ると、移動機構10の移動を停止する。
更に、制御装置80は、上下移動モータ16Zを駆動し
て、移動機構10をZ2方向に上昇する。そして、キャ
ピラリー20の先端が、サンプルトレイ100Aの中の
試料容器中の試料に挿入される位置で、移動機構10の
上昇を停止する。移動機構10の上下移動動作及び前後
移動動作における位置決めは、移動機構10に設けられ
たスイッチ等の位置検出機構を用いてなされる。
【0022】キャピラリー20の下端が試料中に挿入さ
れている状態で、サンプルトレイ100Aとカプラ26
の間に高電圧電源30から高電圧を印加することによ
り、試料容器中の試料は、キャピラリー20内に導入され
る。試料の導入時には、電源30から印加する電圧は、
50V/cmで10秒間とする。これによって、試料容
器100Aに収容された試料がキャピラリー20内に導
入される。
【0023】次に、制御装置80は、上下移動モータ1
6Zを駆動して、移動機構10をZ1方向に下降する。
キャピラリー20の下端が、サンプルトレイ100Aか
ら十分に離れた位置で移動機構10の下降を停止する。
次に、制御装置80は、前後移動モータ16Xを駆動し
て、移動機構10をX2方向に移動する。バッファ槽1
2が、キャピラリー20の真下に来ると、移動機構10
の移動を停止する。更に、制御装置80は、上下移動モ
ータ16Zを駆動して、移動機構10をZ2方向に上昇
する。そして、キャピラリー20の先端がバッファ槽1
2の中のバッファに挿入される位置で、移動機構10の
上昇を停止する。移動機構10の上下移動動作及び前後
移動動作における位置決めは、移動機構10に設けられ
たスイッチ等の位置検出機構を用いてなされる。
【0024】キャピラリー20の下端がバッファ槽に挿
入されている状態で、白金電極13とカプラ26の間に
高電圧電源30から高電圧を印加することにより、キャ
ピラリー20に導入されている試料は、電気泳動により
分離される。電気泳動電圧は、120V/cmとする。
検知器ユニット60は、分離された各DNA断片成分を
検出する。検出には、レーザ励起蛍光検出が用いられ
る。信号処理ユニット70は、検知器ユニット60によ
って検出された蛍光の波長により末端塩基の種類を識別
し、DNA断片にもとづいて、試料DNAの塩基配列を
決定する。
【0025】また、試料の電気泳動分析時には、試料が
キャピラリー20中を電気泳動中か、電気泳動終了した
かの判定が行われる。泳動終了判定装置200は、検出
器ユニット60によって検出された各DNA断片成分の
信号強度にもとづいて電気泳動終了を判定する。
【0026】サンプルトレイ100Aの中の試料の分析
が終了すると、上述したのと同様の手順で、サンプルト
レイ100B,100Cの試料がキャピラリー20に導
入され、電気泳動分離される。
【0027】1つの試料の分析には、約2時間程度を要
するため、図1に示すように、サンプルトレイホルダ1
4上に、3個のサンプルトレイ100A,100B,1
00Cを設置することにより、約6時間の自動分析が可
能となる。サンプルトレイの数は3個に限らず、更に多
くてもよいものである。
【0028】また、電気泳動分離された試料の光学的な
検出方法としては、蛍光検出に限らず、吸光度検出など
を用いることもできる。
【0029】図2は図1の実施例中の検出器ユニットの
光学系を、図3は図1の実施例における発光点と1次元
センサの受光面に形成される像との関係をそれぞれ示
す。
【0030】最初に、図2を用いて、検知器ユニット6
0の詳細な構成について説明する。
【0031】DNA(デオキシリボ核酸)の塩基配列決
定では、一般的に4波長の計測が行われる。各極大波長
が、それぞれDNA断片の末端の塩基の種類に対応する
よう予め反応操作で、蛍光色素がDNA断片に結合され
る。
【0032】発光点EPから発する蛍光はレンズ62で
集光される。発光点EPは、図1に示したキャピラリー
20によって分離された試料に、レーザ50からの光を
照射することにより発せられた蛍光の発光点である。レ
ンズ62は、図示の例では、1枚のレンズとして示して
いるが、複数枚のレンズによって構成することができ
る。レンズ62の焦点位置に発光点EPが位置するよう
に、発光点EPとレンズ62とを配置することにより、
レンズ62によって集光された光は、平行光束となり、
検知器ユニット60に導かれる。
【0033】ここで、図1との相関をとる意味で、キャ
ピラリー20の延在する方向をZ軸方向とし、レンズ6
2によって平行光束となった光軸をX軸とする。また、
図1に示したように、複数本のキャピラリー20は、紙
面に垂直なY軸方向に平行に配置されているものとす
る。
【0034】検知器ユニット60は、集光レンズ62
と、フィルター64と、プリズム65A〜65Dと、結
像レンズ66A,66Bと、空間フィルター(スリット)
67A,67Bと、4個の1次元センサ68A〜68D
とによって構成されている。
【0035】フィルタ64は、バンドパスフィルタであ
り、4種類の波長の光を選択するフィルタ64A,64
B,64C, 64Dから構成されている。フィルタ64
Aは、第1の波長λ1の光を選択するものであり、波長
λ1は、例えば505nmであり、核酸構成成分である
グアニン(G)の蛍光ピークである。フィルタ64B
は、第3の波長λ3の光を選択するものであり、波長λ
3は、例えば、580nmであり、核酸構成成分である
プリン塩基の一つであるチミン(T)の蛍光ピーク波長
である。フィルタ64Cは、第2の波長λ2の光を選択
するものであり、波長λ2は、例えば、540nmであ
り、核酸構成成分であるアデニン(A)の蛍光ピーク波
長である。フィルタ64Dは、第4の波長λ4の光を選
択するものであり、波長λ4は、例えば、605nmで
あり、核酸構成成分であるシトシン(C)の蛍光ピーク
波長である。フィルタ64A,64B,64C, 64D
バンドパスは、20nmである。
【0036】フィルタ64を通過した光束は、4個の直
角プリズム65A,65B,65C,65Dによって、
直角に曲げられるとともに、4本の光束に分割される。
即ち、本実施形態における光学系においては、1本の光
束を4本の光束に分割するようにしている。
【0037】4本の光束は、レンズ66A,66Bによ
って収束し、1次元センサ68A,68B,68C,6
8Dの受光面に結像する。すなわち、1個の発光点EP
から発せられた光は、4種類の波長の光をフィルタ64
A〜64Dによって選択された後、4個の1次元センサ
68A〜68Dによって、それぞれ4種類の波長に対す
る蛍光の光強度が検知される。ここで、キャピラリー2
0が例えば、48本平行に配置されている場合、1次元
センサ68は、48個の受光面を有している。48個の
受光面は、Y軸方向(紙面に垂直な方向)に配置されて
いる。従って、48本のキャピラリー20の中の48個
の発光点から発せられた光は、4種類の波長の光をフィ
ルタ64A〜64Dによって選択された後、4個の1次
元光センサ68A〜68Dの上の48個の受光面によっ
て、それぞれ4種類の波長に対する蛍光の光強度が検知
される。
【0038】また、レンズ66A,66Bと、1次元セ
ンサ68A,68B,68C,68Dの間には、空間フ
ィルタ(スリット)67A,68Bが配置されており、
迷光を防止している。
【0039】次に、図3を用いて、発光点と1次元光セ
ンサの受光面に形成された像との関係を説明する。
【0040】図3(A)は、発光点の様子を示してい
る。ここでは、説明の都合上、キャピラリー20の本数
は5本の場合について例示しており、キャピラリー20
の中では、分離された試料に、レーザからの光を照射す
ることにより、蛍光が発生しており、発光点EPを形成
している。
【0041】図3(B)は、1次元センサ68A,68
B,68C,68Dの受光面に形成された発光点EPの
像を示している。1次元センサ68A,68B,68
C,68Dの受光面に形成された像は、それぞれ異なる
波長の光に対する像であり、ここでは明暗で表示してい
る。
【0042】本実施例では、必要な情報だけが、1次元
センサ68A,68B,68C,68Dの受光面に結像
され、それをそのまま活用できるため、処理が単純化で
きる。
【0043】以上のように、本実施例においては、4個
のプリズム65A〜65Dを用いて光束を分割してい
る。1次元センサ68Aと1次元センサ68Bの間の距
離L1は、大きい方がよく、1次元センサを基板上に配
置した検知器の大きさが、50mmあるとすれば、距離
L1は、50mm程度必要である。ここで、本実施形態
においては、平行光束中に配置した直角プリズムを用い
て、光束を分割しているため、直角プリズム65Aと直
角プリズム65Bの距離L2は、自由に変えることがで
きる。距離L2を50mm程度に広げることは容易に行
える。
【0044】また、本実施例においては、1個の検知器
ユニット60によって4種類の波長の大きさを同時に測
定するようにしているため、レンズ62と発光点EPの
間の距離L3は、レンズ62の焦点距離を短くすること
によって、容易に短くすることができるため、発光点E
Pの光を検知器ユニット60に取り込む立体角を大きく
することができるため、検出感度を向上することができ
る。
【0045】また、光束を分割する手段として、直角プ
リズム65を使用しており、直角プリズム65の1辺を
光学ベースに平行に設置することにより、容易に光軸を
一致させることができるため、製作が容易になる。
【0046】なお、フィルタ64A〜64Dの配置する
位置としては、レンズ62と直角プリズムとの間の代わ
りに、平行光束中である直角プリズム65とレンズ66
との間に設置してもよいものである。また、レンズ66
と空間フィルタ67の間は、収束光束であるが、この位
置にフィルタ64を設置するようにしてもよいものであ
る。
【0047】また、レンズ62は、発光点EPから発せ
られた光を平行光束としているが、ほぼ平行光束となる
ように多少収束するような光束としてもよいものであ
る。
【0048】また、直角プリズム65の代わりに、平面
ミラーを用いてもよいものである。
【0049】更に、空間フィルタ(スリット)は、必要
に応じて、レンズ66の前後または直角プリズム65の
前後に挿入され得る。
【0050】このようにして得られた1次元センサ68
A,68B,68C,68Dの受光面上に結像された像
の信号は、信号処理装置70に送られて、相対値に変換
される。信号強度の最大値を例えば65,000、最小値を0
として、各信号は相対的に0〜65,000の間の値に割り振
られるものとする。この値は相対値であり、無単位であ
るが、後述する泳動終了判定装置200による信号強度
にもとづく泳動終了判定は相対値相互の比較を行うこと
で可能である。すなわち、相対化された信号強度中の最
大値を探し、その最大値に対する各信号強度が予め定め
られた一定レベルに対してどの値にあるかをモニタリン
グすることで、泳動状態を知ることができる。
【0051】図4及び図5は蛍光標識されたDNA断片
から得られたクロマトグラムを示し、横軸は検出時間
を、縦軸は検出された相対強度を表す。クロマトグラム
のピーク高さ(信号強度)は断片の数に比例するので、
短い断片の方が信号強度が大きくなるが、ピーク幅はキ
ャピラリー20の分離性能に依存する。図4ではクロマ
トグラムの開始部分の一続きの信号が、また図5ではク
ロマトグラムの終了部分の一続きの信号がそれぞれ上
段、中段及び下段に分けて表示されている。
【0052】泳動終了判定装置200の泳動終了判定基
準について説明する。キャピラリー20から出たDNA
断片の信号(DNA断片に由来する信号)を、シースフ
ローセル40中の異物等を原因とするショックノイズと
区別するため、所定値以上の信号強度が一定時間以上維
持された場合のみ信号と認識する。具体的には、たとえ
ば3秒以内に予め定められた泳動終了判定レベル以下に
低下してしまう信号はDNA断片由来の信号とみなさず
無視する。電気泳動の終了判定は、DNA断片に由来す
る4種類の波長の信号をそれぞれ分割した後の信号、す
なわち1次元センサ68A,68B,68C,68Dの
受光面に結像された信号すべてについて行ってもよく、
特定波長に限って行っても差し支えない。また、説明を
分かりやすくするために、信号をクロマトグラムに変換
した場合で説明するが、実際の装置においては必ずしも
クロマトグラムに変換する必要はなく、信号強度と泳動
時間の関係等がわかればよい。更に、信号処理装置70
により相対化された信号の、最大信号に対する各信号の
比が、予め定められた泳動終了判定レベルより下がった
ままになった時点で泳動終了と判定する。ここで、信号
強度は元々一定でなくばらつきがあるために、ある一定
時間中の最大強度を泳動終了判定に用いる信号強度とす
る。その一定時間はたとえば10分間であるとする。
【0053】表1には、予め設定された4つの泳動終了
判定レベル(基準)毎に、泳動終了と判定するまでに解
析できた塩基数/泳動終了判定しなかった場合に解析で
きた塩基数の比が示されている。泳動終了判定レベルを
下げれば解析可能な塩基をすべて解析できる反面、泳動
時間が遅れる分だけ徒に時間を浪費することにことにな
るので、表1には泳動時間も示されている。
【0054】
【表1】
【0055】表1に示される解析可能な塩基数中の実際
に解析できた塩基数(A/B)及び泳動時間から、どの
泳動終了判定レベル(基準)が妥当性ないしは適切性を
有するかを知ることができる。すなわち、仮に泳動終了
判定レベルを0.17とした場合、泳動終了しない場合に対
して77%の塩基しか解析できず、泳動終了判定が早すぎ
ることがわかる。泳動終了判定レベルを0.11とすると、
泳動終了しない場合に対して97%の塩基解析ができ、泳
動終了判定レベルを0.08とすると、泳動終了しない場合
に対して100%の塩基解析ができる。更に、泳動終了判
定レベルを0.06としても、泳動終了しない場合に対して
100%の塩基解析ができるが、泳動時間が泳動終了判定
レベルを0.08にした場合に比べて25分も長くなってお
り、電気泳動の繰り返し時間の短縮が実現できない。こ
のような観点から、図6の場合の妥当な(適切な)泳動
終了判定レベル(基準)は0.08であることがわかる。し
かし、泳動目的によってはこれ以外の数値を泳動終了判
定レベル(レベル)として予め設定してもなんら差し支
えない。
【0056】更に、試料調製が不良で、試料中にもとも
と蛍光標識されたDNAがない場合にも対処できるよう
に、所定の時間内に信号が一つも検出されない場合も、
泳動終了と判定する。たとえば、通常の泳動時間を2時
間と設定し、2時間内にピーク信号が検出されない場合
も、泳動終了判定装置200は泳動終了と判定する。
【0057】図6は泳動終了判定装置200が泳動終了
と判定した後の信号伝達及び制御のフローチャートを示
す。泳動終了判定装置200が泳動終了と判定すると、
その信号は制御装置80に伝達され、制御装置80はパ
ーソナルコンピュータ90に泳動終了の表示をさせかつ
次の泳動に関する表示をさせるように指示する。
【0058】泳動終了判定装置200の判定後自動的に
次回の測定に移行する場合は、制御装置80は所定の1
回目の泳動時間を短縮し、2回目泳動開始時刻を繰り上
げて開始するようにキャピラリー電気泳動装置の各機構
16X,16Zを制御する。2回目泳動開始時刻の繰り
上げはオペレータが認識できるように、パーソナルコン
ピュータ90の制御画面にメッセージを出す。そのメッ
セージ内容はたとえば図7(A)のようにする。
【0059】泳動終了判定装置200が泳動終了と判定
したが、実際に1回目泳動を終了して2回目泳動に移行す
る最終判定をオペレータが行いたい場合は、図7(B)
のようなメッセージをパーソナルコンピュータ90の制
御画面にに出すこととし、このメッセ―ジにより、オペ
レータの判断で、次回の測定に移行するか、更に1回目
泳動を継続するかどうか決定する。
【0060】2回目以降の泳動終了判定も同様とするこ
とができる。
【0061】本発明の実施例によれば、キャピラリー電
気泳動において、電気泳動媒体であるゲルを交換するこ
となく複数回の分析に繰り返し使用する場合に、2回目
以降の測定開始時間を過不足なく算定でき、複数の試料
が同時にキャピラリーに導入される危険や、泳動時間が
不必要に長くなることを避けることができ、最低限の時
間で複数回の正確な分析が可能となる。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、測定時間を長くするこ
となしに正確な分析を可能ならしめるのに適したキャピ
ラリー電気泳動装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明にもとづく一実施例を示すキャピ
ラリー電気泳動装置の全体構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図2は図1に示される実施例中の検出器ユニッ
トの光学系のブロック図である。
【図3】図3は図1の実施例における発光点と1次元セ
ンサの受光面に形成される像との関係の説明図である。
【図4】図4は蛍光標識されたDNA断片から得られた
クロマトグラムの開始部分の模式図である。
【図5】図5は蛍光標識されたDNA断片から得られた
クロマトグラムの終了部分の模式図である。
【図6】図6は泳動終了判定装置200が泳動終了と判
定した後の信号伝達及び制御のフローチャートを示す図
である。
【図7】図7は図1のパーソナルコンピュータの制御面
に表示されるメッセージの例を示す図である。
【符号の説明】
10…移動機構、12…泳動バッファ槽、13…白金電
極、14…サンプルトレイホルダ、16…モータ、18
…スライドガイド、19…カバー、20…キャピラリ
ー、24…キャピラリー押さえ、26…カプラ、30…
高電圧電源、40…シースフローセル、44…シース
液、50…レーザ、60…検知器ユニット、64…フィ
ルタ、68…光センサ、70…信号処理装置、80…制
御装置、90・・・パーソナルコンピュータ、100…サ
ンプルトレイ、200…泳動終了判定装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 一成 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内 (72)発明者 望月 康平 茨城県ひたちなか市大字市毛1040番地 株 式会社日立サイエンスシステムズ内 Fターム(参考) 2G043 AA04 BA16 CA03 DA05 EA01 EA19 FA01 FA06 GA07 GB11 GB18 GB21 KA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気泳動媒体が充填されたキャピラリー
    と、該キャピラリーの一方端に導入した試料を他方端に
    向けて泳動させて前記試料中の成分を分離するように前
    記キャピラリーの両端に電圧を印加する手段と、前記分
    離された成分を検出する検知器と、前記キャピラリー中
    を泳動する試料の泳動終了を判定する手段を備えている
    ことを特徴とするキャピラリー電気泳動装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記泳動終了判定手段
    は、前記検出器によって検出された試料中の各成分に対
    応する信号ピークの強度を求め、この求められる強度が
    所定の値より低いときに、前記試料の前記キャピラリー
    中での泳動を終了したと判定することを特徴とするキャ
    ピラリー電気泳動装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記検出器は、前記分
    離された試料成分を、レーザ光励起によって生成された
    多波長光を検出することにより検知することを特徴とす
    るキャピラリー電気泳動装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記多波長光は前記試
    料中の成分を標識する、それぞれ波長の異なる蛍光から
    なり、前記泳動終了判定手段は前記検出された蛍光強度
    を用いて前記試料の泳動終了を判定することを特徴とす
    るキャピラリー電気泳動装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかにおいて、前記キ
    ャピラリーを複数個用いて複数の試料を同時に泳動させ
    測定することを特徴とするキャピラリー電気泳動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2603633A (en) * 2016-03-18 2022-08-10 Hitachi High Tech Corp Capillary electrophoresis apparatus

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2603633A (en) * 2016-03-18 2022-08-10 Hitachi High Tech Corp Capillary electrophoresis apparatus
GB2603633B (en) * 2016-03-18 2022-12-28 Hitachi High Tech Corp Capillary electrophoresis apparatus

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