JP2000314347A - 強制流動によって伝熱促進した外燃機関・ヒートポンプ - Google Patents
強制流動によって伝熱促進した外燃機関・ヒートポンプInfo
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- JP2000314347A JP2000314347A JP11162873A JP16287399A JP2000314347A JP 2000314347 A JP2000314347 A JP 2000314347A JP 11162873 A JP11162873 A JP 11162873A JP 16287399 A JP16287399 A JP 16287399A JP 2000314347 A JP2000314347 A JP 2000314347A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02G—HOT GAS OR COMBUSTION-PRODUCT POSITIVE-DISPLACEMENT ENGINE PLANTS; USE OF WASTE HEAT OF COMBUSTION ENGINES; NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- F02G2244/00—Machines having two pistons
Landscapes
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
- Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 スターリングサイクルまたはそれを複数個組
み合わせたサイクルで動作するエンジンあるいは冷凍機
・ヒートポンプにおいて、高温空間・低温空間における
伝熱を強制流動によって促進して熱効率と出力を向上さ
せるとともに、その強制流動の強度を調節することで出
力の可変を行う。 【解決手段】 加熱管2や冷却管10を設置して高温空
間3・低温空間11と強制流動装置を加熱管2または冷
却管10で連結し、高温空間・低温空間内の作動ガスを
これら伝熱管内に繰り返しまたは継続的に導き入れる。
強制流動装置の駆動にはモータを用いたり、可変速の動
力伝達装置を介して動力軸と連結し、強制流動の強度を
変化させる。ガス揺動用シリンダ4,9内の容積がそれ
ぞれの熱源温度でほぼ一定になるように、また、作動ガ
スの圧力による力が相殺されるように組み合わせて強制
流動のための駆動力の低減を図る。
み合わせたサイクルで動作するエンジンあるいは冷凍機
・ヒートポンプにおいて、高温空間・低温空間における
伝熱を強制流動によって促進して熱効率と出力を向上さ
せるとともに、その強制流動の強度を調節することで出
力の可変を行う。 【解決手段】 加熱管2や冷却管10を設置して高温空
間3・低温空間11と強制流動装置を加熱管2または冷
却管10で連結し、高温空間・低温空間内の作動ガスを
これら伝熱管内に繰り返しまたは継続的に導き入れる。
強制流動装置の駆動にはモータを用いたり、可変速の動
力伝達装置を介して動力軸と連結し、強制流動の強度を
変化させる。ガス揺動用シリンダ4,9内の容積がそれ
ぞれの熱源温度でほぼ一定になるように、また、作動ガ
スの圧力による力が相殺されるように組み合わせて強制
流動のための駆動力の低減を図る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,スターリングサイクル
で動作するエンジン,冷凍機・ヒートポンプ,さらに,
それらの組み合わせによって構成されるエンジンまたは
冷凍機・ヒートポンプに適用可能な技術である.組み合
わせによって構成される機器として,ヴェルミエ冷凍機
・ヒートポンプ,コーク・ヤーボローエンジンなどがあ
る.
で動作するエンジン,冷凍機・ヒートポンプ,さらに,
それらの組み合わせによって構成されるエンジンまたは
冷凍機・ヒートポンプに適用可能な技術である.組み合
わせによって構成される機器として,ヴェルミエ冷凍機
・ヒートポンプ,コーク・ヤーボローエンジンなどがあ
る.
【0002】スターリングエンジンは,近年漸く実用に
供する事ができるようになった新型のエンジンであっ
て,原理的には極めて高い熱効率が期待できるエンジン
である.スターリング冷凍機は主に極低温(液体ヘリウ
ム温度程度)を作るのに使われているが,フロン規制に
よって通常の冷凍機・冷暖房装置への応用も期待され
る.ヴェルミエヒートポンプは,スターリングエンジン
とスターリングヒートポンプを一体化したものである.
本発明は,サイクルの行程のうち主に圧縮・膨張の行程
での伝熱を促進して,熱効率の向上と出力の向上を狙っ
ている.
供する事ができるようになった新型のエンジンであっ
て,原理的には極めて高い熱効率が期待できるエンジン
である.スターリング冷凍機は主に極低温(液体ヘリウ
ム温度程度)を作るのに使われているが,フロン規制に
よって通常の冷凍機・冷暖房装置への応用も期待され
る.ヴェルミエヒートポンプは,スターリングエンジン
とスターリングヒートポンプを一体化したものである.
本発明は,サイクルの行程のうち主に圧縮・膨張の行程
での伝熱を促進して,熱効率の向上と出力の向上を狙っ
ている.
【0003】
【従来の技術】スターリングエンジンのサイクルは,等
温圧縮・等積加熱・等温膨張・等積冷却の4つの基本行
程からなる.このサイクルを実現するために,作動ガス
を高温と低温のシリンダ部に分け,この間にヒータ・再
生器・クーラを設置してきた.圧縮・膨張を繰り返す間
に両シリンダ内のガスを移動させると平均温度すなわち
圧力が変化して熱が仕事に変換される.等積加熱・冷却
は,主に,蓄熱熱交換器である再生器との間の熱交換に
よって行われ,ヒータ・クーラにおける加熱・冷却は,
主に,等温行程で生じる.等温圧縮は,作動ガスを低温
空間に集中させた状態で行い,低温シリンダとクーラを
取り囲む低温熱源との間で十分な熱交換をさせなければ
ならない.しかしながら,作動ガスが低温空間に集中し
ているために,クーラ内の流れは弱く,熱交換が十分で
きない.等温膨張は,作動ガスを高温空間に集中させた
状態で行うが,同様に熱交換が十分にできない.その結
果,圧縮時に温度が上昇し,膨張時に温度が低下する.
温圧縮・等積加熱・等温膨張・等積冷却の4つの基本行
程からなる.このサイクルを実現するために,作動ガス
を高温と低温のシリンダ部に分け,この間にヒータ・再
生器・クーラを設置してきた.圧縮・膨張を繰り返す間
に両シリンダ内のガスを移動させると平均温度すなわち
圧力が変化して熱が仕事に変換される.等積加熱・冷却
は,主に,蓄熱熱交換器である再生器との間の熱交換に
よって行われ,ヒータ・クーラにおける加熱・冷却は,
主に,等温行程で生じる.等温圧縮は,作動ガスを低温
空間に集中させた状態で行い,低温シリンダとクーラを
取り囲む低温熱源との間で十分な熱交換をさせなければ
ならない.しかしながら,作動ガスが低温空間に集中し
ているために,クーラ内の流れは弱く,熱交換が十分で
きない.等温膨張は,作動ガスを高温空間に集中させた
状態で行うが,同様に熱交換が十分にできない.その結
果,圧縮時に温度が上昇し,膨張時に温度が低下する.
【0004】従来の設計においては,高温部・低温部に
おける伝熱に比べて再生器での伝熱にのみ関心が集中し
ており,高温部・低温部における伝熱の促進に関する積
極的な努力は,高温または低温空間を扁平な形にする程
度にとどまり,能動的な努力は皆無である.
おける伝熱に比べて再生器での伝熱にのみ関心が集中し
ており,高温部・低温部における伝熱の促進に関する積
極的な努力は,高温または低温空間を扁平な形にする程
度にとどまり,能動的な努力は皆無である.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】スターリングエンジン
は,等温圧縮・等積加熱・等温膨張・等積冷却の4行程
からなる.このうち等積冷却で放出される熱量を等積加
熱で利用(再生)すると,熱力学の理論上最高の熱効率
が得られる.しかし,エンジンを高速で運転するにつれ
て,また,エンジンの寸法が大きくなるにつれて,等温
変化は実現されず,圧縮においては温度上昇,膨張にお
いては温度降下が顕著になる.こうなると,圧縮仕事が
増加し膨張仕事が減少して出力が低下するとともに,ヒ
ータやクーラにおける交換熱量と再生器における交換熱
量が相殺されて再生器の効率が低下する.圧縮・膨張時
の温度の上昇・低下は作動ガスと熱源の間の伝熱の不足
が原因であり,スターリングエンジンを実用化し普及さ
せるためには,この問題を解決しなければならない.
は,等温圧縮・等積加熱・等温膨張・等積冷却の4行程
からなる.このうち等積冷却で放出される熱量を等積加
熱で利用(再生)すると,熱力学の理論上最高の熱効率
が得られる.しかし,エンジンを高速で運転するにつれ
て,また,エンジンの寸法が大きくなるにつれて,等温
変化は実現されず,圧縮においては温度上昇,膨張にお
いては温度降下が顕著になる.こうなると,圧縮仕事が
増加し膨張仕事が減少して出力が低下するとともに,ヒ
ータやクーラにおける交換熱量と再生器における交換熱
量が相殺されて再生器の効率が低下する.圧縮・膨張時
の温度の上昇・低下は作動ガスと熱源の間の伝熱の不足
が原因であり,スターリングエンジンを実用化し普及さ
せるためには,この問題を解決しなければならない.
【0006】スターリングサイクルで動作する冷凍機・
ヒートポンプは,エンジンの逆回りのサイクルで構成さ
れる.圧縮・膨張行程で等温変化が実現できない場合を
等温変化が実現された場合と比較すると,高温側に汲み
上げられる熱量の増加は汲み上げのために消費される仕
事の増加以下になる.したがって,高温と低温の絶対温
度の比が1に近い通常の冷凍機・ヒートポンプの場合に
は成績係数が大幅に低下する.酸素・窒素・ヘリウム等
を液化させるための特殊な冷凍機を除いた通常の冷凍機
・ヒートポンプにスターリング冷凍機・ヒートポンプを
利用しようとする場合,高温空間・低温空間における伝
熱を促進して等温変化に近づける工夫をすることは,極
めて重要である.
ヒートポンプは,エンジンの逆回りのサイクルで構成さ
れる.圧縮・膨張行程で等温変化が実現できない場合を
等温変化が実現された場合と比較すると,高温側に汲み
上げられる熱量の増加は汲み上げのために消費される仕
事の増加以下になる.したがって,高温と低温の絶対温
度の比が1に近い通常の冷凍機・ヒートポンプの場合に
は成績係数が大幅に低下する.酸素・窒素・ヘリウム等
を液化させるための特殊な冷凍機を除いた通常の冷凍機
・ヒートポンプにスターリング冷凍機・ヒートポンプを
利用しようとする場合,高温空間・低温空間における伝
熱を促進して等温変化に近づける工夫をすることは,極
めて重要である.
【0007】伝熱を促進するために強制流動を付加する
場合,そのために必要な動力を極力小さくする必要があ
る.また,スターリングサイクルで動作するエネルギ変
換機器では,作動ガスの密閉性が重要な問題である.一
般に,密閉性を向上させようとすると摺動面での摩擦が
増大するので,摩擦の低減と密閉性を両立させなければ
ならない.
場合,そのために必要な動力を極力小さくする必要があ
る.また,スターリングサイクルで動作するエネルギ変
換機器では,作動ガスの密閉性が重要な問題である.一
般に,密閉性を向上させようとすると摺動面での摩擦が
増大するので,摩擦の低減と密閉性を両立させなければ
ならない.
【0008】
【課題を解決するための手段】本来,スターリングエン
ジン・ヒートポンプに必要な要素は,高温・低温の2つ
の空間と再生器であり,2つの空間をそれぞれの熱源温
度に保つ目的でヒータとクーラを設置するべきである.
前述のとおり,2つの空間と再生器の間にヒータとクー
ラを設置するのでは,本来ヒータ・クーラが働くべき等
温行程における熱交換が効果的でない.そこで,高温空
間・低温空間内の作動ガスを伝熱管等の狭い空間内に頻
繁に出し入れさせたり循環させる形式のヒータ・クーラ
を設置する.従来の形式である再生器の両端のヒータ・
クーラを残して2つのヒータ,2つのクーラの形式にも
できるが,ディスプレーサを持つエンジン・ヒートポン
プでは,再生器をディスプレーサ内に設置して,再生器
の両端に直接高温・低温の2つの空間が接するようにす
ることも可能である.
ジン・ヒートポンプに必要な要素は,高温・低温の2つ
の空間と再生器であり,2つの空間をそれぞれの熱源温
度に保つ目的でヒータとクーラを設置するべきである.
前述のとおり,2つの空間と再生器の間にヒータとクー
ラを設置するのでは,本来ヒータ・クーラが働くべき等
温行程における熱交換が効果的でない.そこで,高温空
間・低温空間内の作動ガスを伝熱管等の狭い空間内に頻
繁に出し入れさせたり循環させる形式のヒータ・クーラ
を設置する.従来の形式である再生器の両端のヒータ・
クーラを残して2つのヒータ,2つのクーラの形式にも
できるが,ディスプレーサを持つエンジン・ヒートポン
プでは,再生器をディスプレーサ内に設置して,再生器
の両端に直接高温・低温の2つの空間が接するようにす
ることも可能である.
【0009】強制流動の形式には,往復流動式と循環式
がともに有効である.往復流動式の流動装置は,シリン
ダとピストンによって構成できる.循環式では,往復動
ピストンまたはロータリピストンを持つポンプ,ターボ
式のポンプが利用できる.往復流動式やピストンによる
循環式の場合,2つのシリンダを設置してこれらを逆位
相で動かしたり,3つのシリンダを設置して120°ず
つ位相がずれるように動かすなどして,全体の体積が変
化しなようにすれば,強制流動装置のピストンの動作に
は流体ならびに摺動による摩擦に抗する仕事のみが必要
であって,作動ガスを圧縮・膨張させる仕事は含まれな
くなり,強制流動を発生させるために必要な動力を低減
できる.
がともに有効である.往復流動式の流動装置は,シリン
ダとピストンによって構成できる.循環式では,往復動
ピストンまたはロータリピストンを持つポンプ,ターボ
式のポンプが利用できる.往復流動式やピストンによる
循環式の場合,2つのシリンダを設置してこれらを逆位
相で動かしたり,3つのシリンダを設置して120°ず
つ位相がずれるように動かすなどして,全体の体積が変
化しなようにすれば,強制流動装置のピストンの動作に
は流体ならびに摺動による摩擦に抗する仕事のみが必要
であって,作動ガスを圧縮・膨張させる仕事は含まれな
くなり,強制流動を発生させるために必要な動力を低減
できる.
【0010】エンジンの場合,強制流動を行う動力は,
動力軸から直接取る方法,動力軸で発電させた電力でモ
ータを駆動する方法がある.いずれの場合でも,強制流
動の強さを変化させて熱交換の効率を変え,したがって
圧縮仕事の低減または膨張仕事の増加の程度を制御して
出力を変化させることが可能である.
動力軸から直接取る方法,動力軸で発電させた電力でモ
ータを駆動する方法がある.いずれの場合でも,強制流
動の強さを変化させて熱交換の効率を変え,したがって
圧縮仕事の低減または膨張仕事の増加の程度を制御して
出力を変化させることが可能である.
【0011】伝熱管と強制流動装置内の作動ガスの体積
は,等積変化で温度が変化しない体積(無駄体積)なの
で,等積変化で温度変化する体積(有効体積,ディスプ
レーサ型の機関ではディスプレーサの行程容積に相当)
に比べて十分小さいことが望ましい.これを有効体積の
10%程度以下に抑えるのが効果的である.その一方,
十分なガスの移動を確保するために,強制流動の流量
は,1サイクル当たり高温・低温の空間の最大体積程度
またはそれ以上とするのが効果的である.
は,等積変化で温度が変化しない体積(無駄体積)なの
で,等積変化で温度変化する体積(有効体積,ディスプ
レーサ型の機関ではディスプレーサの行程容積に相当)
に比べて十分小さいことが望ましい.これを有効体積の
10%程度以下に抑えるのが効果的である.その一方,
十分なガスの移動を確保するために,強制流動の流量
は,1サイクル当たり高温・低温の空間の最大体積程度
またはそれ以上とするのが効果的である.
【0012】
【作用】気体がシリンダ内にあって大きな固まりをなす
場合にはさほど高い熱交換は望めないのに対して,体積
当たりの伝熱面積が大きい管内等の狭い空間を流体が流
れるときは,良好な熱交換が期待できる.強制流動で伝
熱を促進したヒータ・クーラを設置して1サイクル当た
りに管内を流れる作動ガスの量を増加させると,シリン
ダ内の作動ガスを,より伝熱の良い管内で十分に熱交換
させることができるため,圧縮・膨張の行程が等温変化
に近づき,エンジンにおける圧縮仕事が減り膨張仕事が
増えて出力が増加する.
場合にはさほど高い熱交換は望めないのに対して,体積
当たりの伝熱面積が大きい管内等の狭い空間を流体が流
れるときは,良好な熱交換が期待できる.強制流動で伝
熱を促進したヒータ・クーラを設置して1サイクル当た
りに管内を流れる作動ガスの量を増加させると,シリン
ダ内の作動ガスを,より伝熱の良い管内で十分に熱交換
させることができるため,圧縮・膨張の行程が等温変化
に近づき,エンジンにおける圧縮仕事が減り膨張仕事が
増えて出力が増加する.
【0013】強制流動が強く等温変化がほぼ実現できる
場合には,出力が理論値近くまで大きくなるが,強制流
動が弱く圧縮・膨張が断熱変化に近づくと,理論値に比
べて出力がかなり低くなる.再生器の両端に直接高温・
低温空間が接する場合,または,再生器と両空間の間に
配置された従来型のヒータ・クーラが小さい場合には,
この効果が顕著となり,強制流動の強度を変えることで
出力を調節できる.
場合には,出力が理論値近くまで大きくなるが,強制流
動が弱く圧縮・膨張が断熱変化に近づくと,理論値に比
べて出力がかなり低くなる.再生器の両端に直接高温・
低温空間が接する場合,または,再生器と両空間の間に
配置された従来型のヒータ・クーラが小さい場合には,
この効果が顕著となり,強制流動の強度を変えることで
出力を調節できる.
【0014】ディスプレーサ内に再生器を設置し,再生
器両端が直接高温空間・低温空間に接するようにした場
合,再生器はディスプレーサとともにシリンダ内に納め
られているので,気密性に対して特段の配慮をする必要
がなくなる.さらに,ディスプレーサの側面も再生器内
部と同様に高温熱源温度から低温熱源温度まで変化して
おり,従来のような再生器の外壁が常温である場合に比
べて格段に放熱損失が減少する.
器両端が直接高温空間・低温空間に接するようにした場
合,再生器はディスプレーサとともにシリンダ内に納め
られているので,気密性に対して特段の配慮をする必要
がなくなる.さらに,ディスプレーサの側面も再生器内
部と同様に高温熱源温度から低温熱源温度まで変化して
おり,従来のような再生器の外壁が常温である場合に比
べて格段に放熱損失が減少する.
【0015】強制流動の装置によって作動ガスを圧縮・
膨張させると,大きな駆動力が必要となり,摩擦仕事が
増大する.また,スターリングサイクルで動作するエン
ジンや冷凍機・ヒートポンプは,通常,高圧の作動ガス
が充填されているので,ピストンの片側だけに作動ガス
圧力がかかる場合には,駆動力が大きく,ピストンの駆
動の際にかなり大きな摩擦仕事が消費される.強制流動
装置の内容積をほぼ一定にしたり,ピストンの両側に作
動ガス圧力が作用するようにすることで駆動力を大幅に
低減できる.
膨張させると,大きな駆動力が必要となり,摩擦仕事が
増大する.また,スターリングサイクルで動作するエン
ジンや冷凍機・ヒートポンプは,通常,高圧の作動ガス
が充填されているので,ピストンの片側だけに作動ガス
圧力がかかる場合には,駆動力が大きく,ピストンの駆
動の際にかなり大きな摩擦仕事が消費される.強制流動
装置の内容積をほぼ一定にしたり,ピストンの両側に作
動ガス圧力が作用するようにすることで駆動力を大幅に
低減できる.
【0016】摺動するピストン側面で完全に密閉するの
ではなく,ガス揺動用シリンダの高温部と低温部を一体
とし,シリンダの伝熱管と反対側の端部をなくすと,ピ
ストン背面には平均的なガス圧力が作用する状況で漏れ
をなくすことができる.なおこのとき,ピストンを駆動
するロッドの側面で密閉を維持しなければならないが,
ここを低温部におけば,比較的容易に密閉性を確保でき
る.
ではなく,ガス揺動用シリンダの高温部と低温部を一体
とし,シリンダの伝熱管と反対側の端部をなくすと,ピ
ストン背面には平均的なガス圧力が作用する状況で漏れ
をなくすことができる.なおこのとき,ピストンを駆動
するロッドの側面で密閉を維持しなければならないが,
ここを低温部におけば,比較的容易に密閉性を確保でき
る.
【0017】
【実施例】往復流動式の実施例を図1に示す.加熱管2
や冷却管10を設置して高温空間3・低温空間11と強
制流動装置(ガス揺動用シリンダ4,9とガス揺動用ピ
ストン5,8から成る)を連結する.主ピストン6,1
2の往復周波数に比べて大きな周波数でガス揺動用ピス
トンを往復運動させる.この動きによって高温・低温空
間内にあった作動ガスを伝熱の良い伝熱管内に繰り返し
導き入れ,作動ガスと熱源の間の伝熱が促進される.
や冷却管10を設置して高温空間3・低温空間11と強
制流動装置(ガス揺動用シリンダ4,9とガス揺動用ピ
ストン5,8から成る)を連結する.主ピストン6,1
2の往復周波数に比べて大きな周波数でガス揺動用ピス
トンを往復運動させる.この動きによって高温・低温空
間内にあった作動ガスを伝熱の良い伝熱管内に繰り返し
導き入れ,作動ガスと熱源の間の伝熱が促進される.
【0018】従来のエンジンや冷凍機で採用されている
再生器の両端のヒータ・クーラは本質的に重要でないの
で,図1の例では,再生器外表面からの熱損失を低減す
るとともに気密性を確保し易い,再生器をディスプレー
サ内部に設置する構成となっている.この場合,再生器
の両端は高温・低温両空間に直接接し,各主要部の配列
が,往復動で伝熱促進したヒータ・高温空間・再生器・
低温空間・往復動で伝熱促進したクーラの順になってい
る.
再生器の両端のヒータ・クーラは本質的に重要でないの
で,図1の例では,再生器外表面からの熱損失を低減す
るとともに気密性を確保し易い,再生器をディスプレー
サ内部に設置する構成となっている.この場合,再生器
の両端は高温・低温両空間に直接接し,各主要部の配列
が,往復動で伝熱促進したヒータ・高温空間・再生器・
低温空間・往復動で伝熱促進したクーラの順になってい
る.
【0019】図1の例では,モータを使って駆動させる
場合を示しているが,チェーンなどによって連動させる
方法も利用できる.モータを使う場合は,強制流動の強
度を可変することが容易であるが,連動させる場合で
も,可変速ベルト車や段階的に変速できる歯車やチェー
ンを用いて連動させて強制流動の強度を変化させること
が可能である.
場合を示しているが,チェーンなどによって連動させる
方法も利用できる.モータを使う場合は,強制流動の強
度を可変することが容易であるが,連動させる場合で
も,可変速ベルト車や段階的に変速できる歯車やチェー
ンを用いて連動させて強制流動の強度を変化させること
が可能である.
【0020】図1の例ではガス揺動用ピストン5,8
を,それぞれの温度のものの間で逆位相で動かす場合を
示している.このようにガス揺動用シリンダを加熱器内
に2個または3個,冷却器内に2個または3個で組をな
すように設置して,ガス揺動用シリンダ内の合計体積が
各温度で一定になるように動かすと,ピストンの駆動力
が低減できる.また,高温側と低温側のガス揺動用ピス
トンの対(図1の場合),または高温側低温側それぞれ
のガス揺動用ピストンの対(図2の場合)で,ピストン
に作用する作動ガス圧力を相殺させると,ピストンの駆
動力が低減できる.なお,高温側のガス揺動用シリンダ
と低温側のガス揺動用シリンダを一体化すると,気密性
を容易に確保できる.
を,それぞれの温度のものの間で逆位相で動かす場合を
示している.このようにガス揺動用シリンダを加熱器内
に2個または3個,冷却器内に2個または3個で組をな
すように設置して,ガス揺動用シリンダ内の合計体積が
各温度で一定になるように動かすと,ピストンの駆動力
が低減できる.また,高温側と低温側のガス揺動用ピス
トンの対(図1の場合),または高温側低温側それぞれ
のガス揺動用ピストンの対(図2の場合)で,ピストン
に作用する作動ガス圧力を相殺させると,ピストンの駆
動力が低減できる.なお,高温側のガス揺動用シリンダ
と低温側のガス揺動用シリンダを一体化すると,気密性
を容易に確保できる.
【0021】高温部と低温部が別々シリンダにあり,パ
ワーピストンがそれぞれにある場合の例を図2に示す.
この場合,再生器と高温空間の間の加熱管ならびに再生
器と低温空間の間の冷却管は,従来のヒータ・クーラと
同様に存在するが,そのほかに強制流動によって伝熱促
進された加熱部・冷却部が付加される.
ワーピストンがそれぞれにある場合の例を図2に示す.
この場合,再生器と高温空間の間の加熱管ならびに再生
器と低温空間の間の冷却管は,従来のヒータ・クーラと
同様に存在するが,そのほかに強制流動によって伝熱促
進された加熱部・冷却部が付加される.
【0022】
【発明の効果】パワーピストンとディスプレーサによる
もの以外の強制流動を起こして,高温空間・低温空間に
ある作動ガスとそれぞれの熱源との間の熱交換を促進す
ると,圧縮・膨張における変化が温度一定の変化に近づ
く.そうでない場合に比べて,エンジンのサイクルで
は,熱効率と出力が増加する.現在,ディーゼルエンジ
ンに比べやや劣る程度であるスターリングエンジンの熱
効率が,本特許によって向上すれば,製品コストが高い
という欠点を克服し,実用化されることが予想される.
もの以外の強制流動を起こして,高温空間・低温空間に
ある作動ガスとそれぞれの熱源との間の熱交換を促進す
ると,圧縮・膨張における変化が温度一定の変化に近づ
く.そうでない場合に比べて,エンジンのサイクルで
は,熱効率と出力が増加する.現在,ディーゼルエンジ
ンに比べやや劣る程度であるスターリングエンジンの熱
効率が,本特許によって向上すれば,製品コストが高い
という欠点を克服し,実用化されることが予想される.
【0023】冷凍サイクルにおいては,特に高温・低温
の絶対温度比が1に近い場合に成績係数が悪いという問
題点が解決され,通常の用途に対しても,蒸気圧縮式冷
凍機に比べて成績係数が十分高いスターリング冷凍機・
ヒートポンプを製作することが可能となり,広く利用さ
れるようになることが期待できる.
の絶対温度比が1に近い場合に成績係数が悪いという問
題点が解決され,通常の用途に対しても,蒸気圧縮式冷
凍機に比べて成績係数が十分高いスターリング冷凍機・
ヒートポンプを製作することが可能となり,広く利用さ
れるようになることが期待できる.
【図1】本発明をディスプレーサ型のエンジンとして実
施した例であり,斜視図(カット部あり)である.
施した例であり,斜視図(カット部あり)である.
1.加熱用バーナー 2.加熱管 3.高温空間 4.ガス揺動用シリンダ 5.ガス揺動用ピストン 6.ディスプレーサ 7.再生器 8.ガス揺動用ピストン 9.ガス揺動用シリンダ 10.冷却管 11.低温空間 12.パワーピストン 13.ピストン駆動機構 14.動力軸 15.ガス揺動用ピストン駆動機構 16.ガス揺動用ピストン駆動モータ 17.冷却ファン
【図2】本発明を2シリンダ型のエンジンとして実施し
た例であり,模式的な断面図である.
た例であり,模式的な断面図である.
1.ガス揺動用ピストン駆動モータ 2.ガス揺動用ピストン駆動機構 3.ガス揺動用ピストン 4.ガス揺動用シリンダ 5.加熱管 6.再生器 7.冷却管 8.低温空間 9.パワーピストン 10.高温空間 11.ピストン駆動機構 12.動力軸
Claims (8)
- 【請求項1】温度が異なる複数の空間を持つ圧縮膨張式
外燃機関において,空間の少なくとも1つに,作動ガス
を伝熱部に強制流動させる装置を付加して伝熱の促進を
行うこと. - 【請求項2】温度が異なる複数の空間を持つ圧縮膨張式
外燃機関において,強制流動の強度を変えることによっ
て出力を調節すること. - 【請求項3】温度が異なる複数の空間を持つ圧縮膨張式
冷凍機・ヒートポンプにおいて,空間の少なくとも1つ
に,作動ガスを伝熱部に強制流動させる装置を付加して
伝熱の促進を行うこと. - 【請求項4】スターリングサイクルまたはスターリング
サイクルを複合させたサイクルで動作するエンジンまた
は冷凍機・ヒートポンプにおいて,加熱器・高温空間・
再生器・低温空間・冷却器の順に配列すること. - 【請求項5】熱交換を促進するための強制流動を往復式
またはロータリ式ピストンで行う場合,高温部低温部そ
れぞれにおける2つまたは3つのピストンの組で作動ガ
スが占める体積の和をほぼ一定に保つことによって,そ
の駆動力を低減すること. - 【請求項6】熱交換を促進するための強制流動を往復式
ピストンで行う場合,高温部低温部それぞれにおけるピ
ストンの対,または高温部と低温部のピストンの対で作
動ガスの圧力による力を相殺させて,その駆動力を低減
すること. - 【請求項7】熱交換を促進するための強制流動を往復式
ピストンで行う場合,ガス揺動用シリンダを高温部低温
部一体のものを用いて,気密性を容易に確保すること. - 【請求項8】再生器をディスプレーサ内に設置して,放
熱損失が少なく気密性を確保した再生器を容易に提供す
ること.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11162873A JP2000314347A (ja) | 1999-05-06 | 1999-05-06 | 強制流動によって伝熱促進した外燃機関・ヒートポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11162873A JP2000314347A (ja) | 1999-05-06 | 1999-05-06 | 強制流動によって伝熱促進した外燃機関・ヒートポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000314347A true JP2000314347A (ja) | 2000-11-14 |
Family
ID=15762901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11162873A Pending JP2000314347A (ja) | 1999-05-06 | 1999-05-06 | 強制流動によって伝熱促進した外燃機関・ヒートポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000314347A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105986924A (zh) * | 2015-02-04 | 2016-10-05 | 华北电力大学(保定) | 一种vm循环热泵发电装置 |
-
1999
- 1999-05-06 JP JP11162873A patent/JP2000314347A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105986924A (zh) * | 2015-02-04 | 2016-10-05 | 华北电力大学(保定) | 一种vm循环热泵发电装置 |
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