JP2000310123A - 2サイクル内燃エンジン - Google Patents

2サイクル内燃エンジン

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JP2000310123A JP11122281A JP12228199A JP2000310123A JP 2000310123 A JP2000310123 A JP 2000310123A JP 11122281 A JP11122281 A JP 11122281A JP 12228199 A JP12228199 A JP 12228199A JP 2000310123 A JP2000310123 A JP 2000310123A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】2サイクル内燃エンジンにおいて、簡易且つコ
ンパクトな構造で空気の吸入及び送出をすることがで
き、また、空気層と混合気層との混合をより確実に防止
する。 【解決手段】2サイクル内燃エンジン4は、掃気行程に
おいて、排気ガス層の上流側に空気層を形成して、該空
気層によって排気ガス層を排気ポート46から押し出す
ようになっている。ピストン22の昇降運動によって生
じる圧力変動によって空気を取り込み且つそれをシリン
ダブロック44内の燃焼室56側に向かって圧送する空
気室38を有している。該空気室38は、クランクケー
ス24にクランク室28に開放して形成された凹部36
と、クランクシャフト14と一体的に回転する円板状ク
ランクウエブ16、18の外側面16aとで、前記クラ
ンク室28と仕切られて画成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2サイクル内燃エンジ
ンに関し、より詳細には、掃気行程において、排気ガス
層の上流側に空気層を形成して、該空気層によって前記
排気ガス層を排気ポートから押し出すようにした2サイ
クル内燃エンジンに関する。
【従来技術】2サイクル内燃エンジンは、クランク室内
等で予圧縮された混合気をシリンダブロックの燃焼室側
に供給し、それをピストンの上昇運動で圧縮して電気点
火等により燃焼させ、前記燃焼室内の燃焼廃ガスを排気
ポートに排出するようになっている。前記2サイクルエ
ンジンにおいては、混合気の一部が燃焼廃ガスと混ざっ
て未燃焼ガスとして外部へ排出されてしまうとともに、
燃費が悪化してしまうという、いわゆる吹き抜け問題が
あり、それを解決するため、従来から、掃気行程におい
て、排気ガス層の上流側に空気層を形成して、該空気層
によって前記排気ガス層を排気ポートから押し出すよう
にした2サイクル内燃エンジンが知られている。例え
ば、特開平9−41977号公報には、掃気ポートに至
る掃気通路に、逆止弁を介して外部に連通する空気取入
孔を設けた2サイクル内燃エンジンが開示されている。
該2サイクル内燃エンジンは、ピストンの上昇運動によ
って、クランク室内の圧力が負圧になると、前記逆止弁
が開き、前記空気取入孔から外部空気が前記掃気通路に
流入して、空気層として滞留する。該空気層は、前記ピ
ストンの下降運動によって圧縮される。前記ピストンが
更に下降して排気ポートが開口し、排気ガスが前記排気
ポートを介して外に排出される。更に、前記ピストンが
下降して掃気ポートが開口すると、まず前記掃気通路内
に予圧縮されて滞留している前記空気層が、掃気ポート
を介して燃焼室側に吐出され、該燃焼室内に残留してい
る排気ガスを押し出して前記排気ポートから排出する。
その後、前記空気層に続いて、混合気が前記掃気ポート
を介して前記燃焼室内に流入して、残留している排気ガ
スと空気を掃気するとともに、前記燃焼室に混合気層を
形成するように構成されている。
【0002】また、特開平9−125966号公報に
は、エアクリーナを介して空気を取り入れる空気供給路
を有し、該空気供給路を、クランクケースからシリンダ
に通じる掃気流路に直接連結した層状掃気2サイクル内
燃エンジンが開示されている。該2サイクル内燃エンジ
ンは、ピストンの下降運動によって排気ポート及び掃気
ポートを開き、排気ガスを前記排気ポートから排出する
とともに、掃気流路内に溜まっていた空気を前記掃気ポ
ートから燃焼室内に噴出して、排気ガスを前記排気ポー
トから強制的に排出する。引き続き、空気の後から混合
気が前記掃気ポートを通って前記燃焼室内に入るように
構成されている。更に、特開平5−33657号に記載
された2サイクル機関は、エアクリーナと空気通路を介
して連結された空気容積部を有し、該空気容積部は、空
気通路を介してクランク室に連通し、且つ、別の空気通
路を介して掃気通路と連通している。ピストンが下降し
始めると、クランク室内は正圧になって、 排気ポート
が開いて排気ガスが排出され、次いで、掃気ポートが開
いて前記空気容積部に充填された空気が掃気通路を通
り、前記掃気ポートから燃焼室に流入するようになって
いる。
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
のように、掃気行程において、排気ガス層の上流側に空
気層を形成して、該空気層によって前記排気ガス層を排
気ポートから押し出すようにした2サイクル内燃エンジ
ンに関し、簡易且つコンパクトな構造で空気の吸入及び
送出をすることができ、また、空気層と混合気層との混
合をより確実に防止することができる2サイクル内燃エ
ンジンを提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、掃
気行程において、排気ガス層(E)の上流側に空気層
(A)を形成して、該空気層(A)によって前記排気ガ
ス層(E)を排気ポート(46)から押し出すようにし
た2サイクル内燃エンジン(4)であって、ピストン
(22)の昇降運動によって生じる圧力変動によって空
気を取り込み且つそれをシリンダブロック(44)内の
燃焼室(56)側に向かって圧送する空気室(38)を
有し、該空気室(38)は、クランクケース(24)に
クランク室(28)に開放して形成された凹部(36)
と、クランクシャフト(14)と一体的に回転する円板
状クランクウエブ(16、18)の外側面(16a)と
で、前記クランク室(28)と仕切られて画成されてい
る、ことを特徴とする2サイクル内燃エンジンによって
達成することができる。本発明にかかる2サイクル内燃
エンジンは以下のように作動する。前記ピストンが上昇
運動すると、前記クランク室内が負圧になり、その負圧
により、外部空気が前記空気室内に吸入され、また、混
合気が気化器から前記クランク室内に吸引される。前記
空気室は、前記円板状クランクウエブの側面によって前
記クランク室側とは仕切られているので、前記空気室に
吸入された空気と混合気は互いに混ざらない。次いで、
燃焼室内の圧縮された混合気が爆発して前記ピストンが
下降運動すると、まず、掃気ポートが開放し、そこから
排気ガス層(E)を形成する排気ガスが流出し始める。
引き続き、空気が、前記ピストンの下降運動による正圧
によって、前記空気室から前記燃焼室に流入して、前記
排気ガス層(E)の上流側に空気層(A)を形成する。
前記排気ガス層(E)は、前記空気層(A)によって前
記排気ポートから外部へ押し出される。また、前記クラ
ンク室内の正圧によって、混合気が前記クランク室から
前記燃焼室側に流入するが、前記空気層(A)によって
前記排気ガス層(E)とは実質的に分離され、両者の混
合が防止される。
【0004】本発明によれば、空気室は、クランクケー
スにクランク室に開放して形成された凹部と、クランク
シャフトと一体的に回転する円板状クランクウエブの側
面とで、前記クランク室と仕切られて画成されているの
で、構造が簡易で小型の2サイクル内燃エンジンを提供
することができる。また、前記クランク室内に生じる圧
力変動を利用して空気の吸入及び送出を行うので、ポン
プ等の特別な手段を設ける必要がなく、軽量で小型の2
サイクル内燃エンジンを提供することができる。また、
前記空気室が前記クランク室と、前記円板状クランクウ
エブによって仕切られているので、混合気と空気が混ざ
るのが防止される。また、排気ガスが空気によって押し
出され、また、混合気と排気ガスとの混合が空気層
(A)によって効果的に防止されるので、混合気の排気
ポートへの吹き抜けが防止され、未燃焼ガスの排出が防
止されるとともに、燃費の悪化を防止することができ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しつつ、
本発明にかかる2サイクル内燃エンジンの一実施の形態
について説明する。本実施の形態にかかる2サイクル内
燃エンジンは強制空冷式であり、様々な装置の駆動源と
して適しているが、ここでは例示として、チエーンソー
に搭載した場合について説明する。図1は、本実施の形
態にかかる2サイクル内燃エンジンを搭載したチェーン
ソーの、クランクシャフトに沿った水平断面図である。
また、図2は、図1に示すII−II矢視断面図である。図
1に示すように、チエーンソー2は、後方に設けられ
た、本実施の形態の形態にかかる2サイクル内燃エンジ
ン4と、該2サイクル内燃エンジン4が搭載された駆動
部6と、前方に設けられた、前記2サイクル内燃エンジ
ン4によって駆動されるカッターチェーンをもつ切断部
8と、手で握るハンドル部10,12と、を有する。図
1及び図2を参照しつつ、前記2サイクル内燃エンジン
4の詳細について説明する。前記2サイクル内燃エンジ
ン4は、左右(図1において上下)に延びるクランクシ
ャフト14と、該クランクシャフト14に同心円状に取
付けられ、且つ、互いに間隔dを隔てて設けられた左右
一対の円板状クランクウエブ16、18と、該一対の円
板状クランクウエブ16,18の間に偏心して設けられ
た、コネクティングロッド20の大端部20aを支持す
るクランクピン21と、該クランクピン21に揺動自在
に連結された前記コネクティングロッド20と、該コネ
クティングロッド20の小端部20bに揺動自在に連結
されたピストン22と、を有する。前記クランクシャフ
ト14は、クランク室28を画成するクランクケース2
4に、左右一対の軸受26、26を介して支持されてい
る。前記クランクケース24の、前記クランク室28の
前方には、エアクリーナ30で閉じられて画成された空
間32が設けられており、該空間内にはダイヤフラム式
気化器37が配設されている。
【0006】図1及び図2を見て分かるように、前記ク
ランク室28を画成する内壁面24aは、前記一対の円
板状クランクウエブ16,18の周りに、ごく僅かな隙
間を隔てて近接して配設されている。すなわち、前記ク
ランク室28は、前記一対の円板状クランクウエブ1
6,18の外側面16a,18aに隣接している略円形
内壁面24aと、前記一対の円板状クランクウエ16,
18の周面に沿って湾曲して延びる湾曲内壁部24aと
から構成されている。この湾曲内壁面24aによって、
前記一対の円板状クランクウエブ16,18の間の空間
が略閉じられて、それらの間に混合気室34が形成され
ている。これにより、前記クランク室28の中に、比較
的容積の小さい前記混合気室34を設けて、前記ピスト
ン22の昇降運動によってより大きな圧力変動が得られ
るようにしている。前記湾曲内壁面24aは、図1に示
す前記クランクシャフト14に沿った水平断面におい
て、前記一対の円板状クランクウエブ16,18の各周
面に沿って真っ直ぐに延びる二つの平らな帯状部分24
c、24cと、それらの間において前記間隔dより僅か
に狭い幅をもち、且つ、前記混合気室34の内方に向か
って突出した凸条部24bと、からなる。前記混合気室
34とその前方に配設された前記気化器37とは、前記
凸条部24bを貫通して形成された混合気取入孔35を
介して互いに連通している。該混合気取入孔35には、
前記ピストン22の上昇運動による前記クランク室28
内の負圧によって、混合気の前記気化器37から前記混
合気室34の中への流入を許すリード式第一逆止弁33
が設けられている。更に、前記クランクケース24に
は、前記軸受26(図1において左側の前記軸受26)
を取り囲んで延び、かつ、前記クランク室28に開放す
る環状凹部36が形成されている。該環状凹部36の開
放側には、それに近接して、左側の前記円板状クランク
ウエブ16の外側面16aが配置されており、該外側面
16aによって前記環状凹部36がほぼ閉じられて、環
状の空気室38が形成されている。該空気室38の前方
には、該空気室38と前記空間32とを連通する空気取
入孔40が形成されている。また、該空気取入孔40に
は、前記ピストン22の上昇運動による前記クランク室
28内の負圧によって、空気の前記空間32から前記空
気室38の中への流入を許す第二逆止弁42が設けられ
ている。
【0007】図3は、図1に示す2サイクル内燃エンジ
ンのシリンダブロックの部分断面図である。図3を参照
すると、シリンダブロック44には、前記チエーンソー
2の後端部の下面側、すなわち、図1において、前記ク
ランクシャフト14の軸線方向右側に、燃焼室56側に
開口する排気ポート46が形成されている。また、前記
シリンダブロック44には、一端50aが前記空気室3
8に開口し、その他端が前記燃焼室56側に開口する空
気ポート50bとなる空気通路50が形成されている。
前記空気ポート50bは、前記燃焼室56内に前記排気
ポート46と対向して、すなわち、前記シリンダブロッ
ク44の横断面(図示せず)において、互いに180°
の角度をなして配設されている。更に、前記燃焼室56
内の、前記排気ポート46と前記空気ポート50bとの
間、すなわち、前記シリンダブロック44の横断面にお
いて、前記排気ポート46と前記空気ポート50bとを
結ぶ軸線O’−O’(前記クランクシャフト14の長手
方向)を挟んで両側に、それぞれ一対の掃気ポート52
a、52a、54a、54aが互いに隣接して形成され
ている。これらの掃気ポート52a、52a、54a、
54aは、前記排気ポート46から遠ざかる方向(排気
ガスの上流側)に差し向けられている。更に、図3を見
て分かるように、前記各掃気ポート52a、52a、5
4a、54aは、そこから水平方向前方に延びる混合気
通路52、52、54、54を介して、前記混合気室3
4と連通している。
【0008】図1及び図3に示すように、前記排気ポー
ト46と前記空気ポート50bと前記各掃気ポート52
a、52a、54a、54aの距離(前記クランクシャ
フト14の中心軸線O−Oから各ポートの開口の後端縁
までの距離)の関係は、以下の条件を満たせばよい。 Lex > Lair Lsc Lex: 排気ポート46の距離 Lair:空気ポート50bの距離 Lsc:掃気ポート52a、54aの距離 すなわち、前記ピストン22が下降運動するとき、まず
前記排気ポート46が開口し、引き続き、前記空気ポー
ト50bが開口し、それに引き続き、前記各掃気ポート
52a、52a、54a、54aが開口する。本実施の
形態にかかる前記2サイクル内燃エンジン4はこのよう
に構成されているが、前記空気ポート50bと前記掃気
ポート52a、52a、54a、54aが同時に開口し
てもよい。
【0009】図4及び図5は、ピストンが下降運動する
ときの排気ガス層E、空気層A、及び、混合気層3の関
係を模式的に示す。本実施の形態にかかる2サイクル内
燃エンジン4は、以下のように作動する。前記ピストン
22が上昇運動すると、前記クランク室28内が負圧に
なる。その負圧により、混合気が前記気化器37から前
記第一逆止弁33を介して前記混合気室34内に吸入さ
れる。また、それと同時に前記負圧によって、空気が前
記エアークリーナ30、前記空間32、及び、前記第二
逆止弁42を介して、前記空気室38内に吸入される。
なお、前記空気室38は、前記円板状クランクウエブ1
6の外側面16aによって、前記混合気室34とは仕切
られており、更に、前記円板状クランクウエブ16、1
8の間の間隙は、前記凸条部24bによって略閉じられ
ているので、前記円板状クランクウエブ16の周囲の隙
間を介して、混合気が前記空気室38に流入することは
ない。すなわち、前記混合気室34及び前記空気室38
は、互いに独立した空間を構成しており、混合気と空気
とが互いに混ざることはないが、前記クランク室28内
の圧力変動は及ぶ。次いで、前記燃焼室56内の圧縮さ
れた混合気が爆発して前記ピストン22が下降運動する
と、まず、前記排気ポート46が開放し、そこから排気
ガス層Eを形成する排気ガスがマフラー60を介して外
部へ流出し始める。引き続き、空気が、前記ピストン2
2の下降運動による正圧によって排気され、前記空気室
38から前記空気流路50の前記空気ポート50bを介
して前記燃焼室56側に流入し、前記排気ガス層Eの上
流側に空気層Aをつくる(図4参照)。前記排気ガス層
Eは、前記空気層Aによって上流側(前記燃焼室56の
横断面において反対側)から押されて、前記排気ポート
46を介して前記マフラー60へと流出する。排気ガス
は前記空気層Aによってほぼ排出される。また、前記ピ
ストン22の下降運動による前記クランク室28内の正
圧によって、前記混合気室34内の混合気が、前記各混
合気通路52、52、54、54を介して、前記燃焼室
56側に流入する。前記各混合気ポート52a、52
a、54a、54aは、後向き且つ前記排気ポート46
から遠ざかる方向に差し向けられているので、流入した
混合気は、前記燃焼室56の頂面に衝突してから反転
し、更に、前記空気層Aの上流側に流れて混合気層Sを
形成する(図5参照)。これにより、残存した前記排気
ガス層上と前記空気層Aとを、それ等の下流側から前記
排気ポート46に押し出す。前記燃焼室56内の混合気
は、前記空気層Aによって排気ガスと分離される。以下
この行程が繰り返される。
【0010】本実施の形態によれば、前記空気室38
が、前記2サイクル内燃エンジン4の基本的構成部品で
ある前記クランクケース24に形成された前記環状凹部
36と、同様に前記2サイクル内燃エンジン4の基本的
構成部品である前記円板状クランクウエブ16の外側面
16aによって画成されているので、簡易かつ小形な構
造にすることができる。また、本実施の形態によれば、
前記クランク室28内の圧力変動を利用して、空気の吸
入及び送出を行うので、ポンプ等の特別な手段を設ける
必要がなく、軽量かつ簡易な構造にすることができる。
更に、前記空気室38は、前記軸受26の周りに環状に
形成されているので、空気を収容する十分な容積を確保
することができるとともに、装置2全体の大きさを増大
させず、コンパクトな構造にすることができる。更に、
前記クランクウエブ16が円板状であるので、前記ピス
トン22の昇降運動中、常に、前記空気室38が前記混
合気室34と仕切られた空間とされ、空気と混合気との
混合が防止される。更に、前記一対の円板状クランクウ
エブ16の間の間隙が、前記混合気室34の内方に突出
する前記凸条部24bによって閉じられているので、前
記円板状クランクウエブ16の周囲の隙間を介して、混
合気が前記空気室34に、また、空気が前記混合気室3
4に流入することはなく、空気と混合気との混合がより
確実に防止される。
【0011】更に、前記クランク室28には、比較的容
積の小さな前記混合気室34が設けられることになるの
で、前記ピストン22の昇降運動によって大きな圧力変
動を得ることができる。また、混合気が前記気化器37
から前記第一逆止弁33を介して前記混合気室34内
に、更に、前記掃気ポート52、54を介して前記燃焼
室56側に流入する。一方、空気が前記エアークリーナ
30、前記空間32、及び、前記第二逆止弁42を介し
て、前記空気室38内に吸入され、更に、前記空気流路
50を介して前記空気ポート50bから前記燃焼室56
側に流入する。このように、混合気の流れ経路と空気の
流れ経路が別個独立になっているので、前記燃焼室56
側に導入される過程で、混合気と空気とが混合してしま
うのを効果的に防止することができる。従って、排気ガ
ス層Eと混合気層Sとを、空気層Aによってより良好に
分離することができる。また、また、前記空気ポート5
0bが前記掃気ポート52a、54aと別個に設けられ
ているので、これらの開放するタイミングをそれぞれに
設定することができ、排気ガスが空気によって略押し出
されてから混合気を導入するように、前記燃焼室56側
への空気の導入のタイミングと、混合気の導入のタイミ
ングと、を適宜決定することができる。これにより、空
気による排気ガスの排除をより確実にするとともに、混
合気の前記排気ポート46への吹き抜けを一層確実に低
減することができる。
【0012】更に、空気を前記シリンダ室48に混合気
より前に導入するので、燃焼室56、点火プラグ電極部
61、排気ポート46へのカーボンの堆積を効果的に防
止することができる。また、前記ピストン22及び前記
シリンダブロック44の冷却を改善することもできる。
本発明は、以上の実施例に限定されることなく、特許請
求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能
であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであ
ることはいうまでもない。例えば、本実施の形態におい
ては、前記燃焼室56側に、前記空気ポート50bと前
記各掃気ポート52a、54aとが別個独立に設けられ
ている。これらは、空気を前記燃焼室56側に送出する
過程での、混合気との混合を確実に防止するうえで望ま
しいが、前記空気を前記空気室38から前記掃気ポート
52a、54aに送出するようにしてもよい。
【0013】また、本実施の形態においては、前記クラ
ンク室28内に比較的容積の小さな前記混合気室34が
設けられているが、該混合気室34は混合気と空気の混
合を防止する上で必須の要件ではなく、前記空気室38
が前記円板状クランクウエブ16の外側面16aによっ
て前記クランク室28と仕切られていればよい。更に、
前記空気室38は環状であるが、所要量の空気を収容す
るのに十分な容積をもっていれば、他の形状であっても
よい。更に、本実施の形態においては、前記空気室38
との間をより確実に仕切るためには、前記混合気室34
の中に向かって突出する前記凸条部24bが設けられて
いるのが望ましいが、両者の間で混合気と空気の流通が
実用上支障のないレベルであれば、前記凸条部24bが
設けられている必要はなく、前記混合気室34に臨む前
記クランク室28の内壁は、前記クランクシャフト14
の軸線方向に平らであってもよい。更に、本実施の形態
においては、前記空気ポート50bは、前記排気ポート
46と対向する位置、すなわち、前記燃焼室56の横断
面において、互いに180°の角度をなして配置されて
いるが、前記空気ポート50bは、前記横断面におい
て、前記掃気ポート52a、54aに対して、前記排気
ポート46より上流側に位置していればよい。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、掃気行程において、排
気ガス層の上流側に空気層Aを形成して、該空気層によ
って前記排気ガス層を排気ポートから押し出すようにし
た2サイクル内燃エンジンに関し、簡易且つコンパクト
な構造で空気の吸入及び送出をすることができ、また、
空気層と混合気層との混合をより確実に防止することが
できる2サイクル内燃エンジンを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施の形態にかかる2サイクル内燃エ
ンジンを搭載したチェーンソーの、クランクシャフトを
含む水平断面図である。
【図2】図1に示すII−II矢視断面図である。
【図3】図1に示す2サイクル内燃エンジンのシリンダ
ブロックの部分断面図である。
【図4】ピストンが下降運動したときの排気ガス層、空
気層、及び、混合気層の関係を示す。
【図5】ピストンが更に下降運動したときの排気ガス
層、空気層、及び、混合気層の関係を示す。
【符号の説明】
4 2サイクル内燃エンジン 14 クランクシャフト 16 円板状クランクウエブ 16a 外側面 18 円板状クランクウエブ 22 ピストン 24 クランクケース 24a 内壁面 24b 凸条部 28 クランク室 34 混合気室 36 環状凹部 37 気化器 38 空気室 42 逆止弁 44 シリンダブロック 46 排気ポート 50b 空気ポート 52a 掃気ポート 54a 掃気ポート 56 燃焼室 E 排気ガス層 A 空気層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】掃気行程において、排気ガス層(E)の上
    流側に空気層(A)を形成して、該空気層(A)によっ
    て前記排気ガス層(E)を排気ポート(46)から押し
    出すようにした2サイクル内燃エンジン(4)であっ
    て、ピストン(22)の昇降運動によって生じる圧力変
    動によって空気を取り込み且つそれをシリンダブロック
    (44)内の燃焼室(56)側に向かって圧送する空気
    室(38)を有し、該空気室(38)は、クランクケー
    ス(24)にクランク室(28)に開放して形成された
    凹部(36)と、クランクシャフト(14)と一体的に
    回転する円板状クランクウエブ(16、18)の外側面
    (16a)とで、前記クランク室(28)と仕切られて
    画成されている、ことを特徴とする2サイクル内燃エン
    ジン。
  2. 【請求項2】前記空気室(38)内の空気は、前記燃焼
    室(56)側へ掃気ポート(52a、54a)と別個に
    設けられた空気ポート(50b)を介して供給される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の2サイクル内燃エン
    ジン。
  3. 【請求項3】前記円板状クランクウエブ(16、18)
    は、前記クランクシャフト(14)にその軸線方向に互
    いに間隔を隔てて二つ設けられ、前記クランク室(2
    8)の内壁面(24a)は、前記一対の円板状クランク
    ウエブ(16、18)の周りに近接して配置されて、前
    記一対の円板状クランクウエブ(16、18)の間に、
    気化器(37)から混合気を受け入れる混合気室(3
    4)が画成され、また、前記クランク室(28)の内壁
    面(24a)には、前記混合気室(34)の周りに内方
    に向けて突出する凸条部(24b)が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の2サイクル内
    燃エンジン。
  4. 【請求項4】前記空気ポート(50b)は、前記シリン
    ダブロック(44)の横断面において、前記掃気ポート
    (52a、54a)に対して前記排気ポート(46)の
    上流側に位置して設けられている、ことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の2サイクル内燃エン
    ジン。
  5. 【請求項5】 前記ピストン(22)が下降運動すると
    き、前記排気ポート(46)、前記空気ポート(50
    b)、前記掃気ポート(52a、54a)の順に開放す
    る、ことを特徴とする請求項4に記載の2サイクル内燃
    エンジン。
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