JP2000309546A - 芳香族アルキル化物の製造方法およびその触媒 - Google Patents

芳香族アルキル化物の製造方法およびその触媒

Info

Publication number
JP2000309546A
JP2000309546A JP11121125A JP12112599A JP2000309546A JP 2000309546 A JP2000309546 A JP 2000309546A JP 11121125 A JP11121125 A JP 11121125A JP 12112599 A JP12112599 A JP 12112599A JP 2000309546 A JP2000309546 A JP 2000309546A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zeolite
transition metal
catalyst
hydrocarbon
aromatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11121125A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Oomatsuzawa
武志 大松澤
Yoshito Kurano
義人 蔵野
Toshihiro Takai
敏浩 高井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP11121125A priority Critical patent/JP2000309546A/ja
Publication of JP2000309546A publication Critical patent/JP2000309546A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2/00Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms
    • C07C2/54Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms by addition of unsaturated hydrocarbons to saturated hydrocarbons or to hydrocarbons containing a six-membered aromatic ring with no unsaturation outside the aromatic ring
    • C07C2/64Addition to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
    • C07C2/66Catalytic processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2529/00Catalysts comprising molecular sieves
    • C07C2529/04Catalysts comprising molecular sieves having base-exchange properties, e.g. crystalline zeolites, pillared clays
    • C07C2529/06Crystalline aluminosilicate zeolites; Isomorphous compounds thereof
    • C07C2529/80Mixtures of different zeolites

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水
素を、高い選択率と、高い活性をもって反応させて、芳
香族アルキル化物を製造する方法と触媒を提供するこ
と。 【解決手段】 芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水
素を、遷移金属を含有したゼオライト触媒の存在下で接
触させることにより、芳香族アルキル化物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族炭化水素とオレ
フィン族炭化水素を反応させることにより芳香族アルキ
ル化物を製造する方法およびそれに適した触媒に関する
【0002】
【従来の技術】芳香族炭化水素をオレフィン族炭化水素
を用いてアルキル化するための触媒として、硫酸、リン
酸、フッ化水素酸などの鉱酸触媒や塩化アルミニウム、
三フッ化ホウ素などのルイス酸触媒が知られている。ま
た、無機担体上にこれら酸触媒成分を固定化した固体酸
触媒、例えばシリカ上にリン酸を担持した固体リン酸触
媒なども知られている。これらの物質は腐食性が強いた
め製造装置の材質や維持管理に特別の注意が必要であっ
た。
【0003】これらの触媒に置き換わりうる高活性、非
腐食性の固体触媒は長くその開発が望まれており、いく
つかの提案がされている。例えば、その立体規則性ゆえ
に高いモノアルキル化物への選択率が期待されるゼオラ
イト触媒などの固体触媒が提案されてきた。
【0004】従来から芳香族炭化水素をアルキル化する
触媒として、水素及び(又は)希土類元素を含んだ結晶
性アルミノケイ酸塩(X、Y型ゼオライト及びモルデナ
イト)(米国特許第3,251,897号)、Ω型ゼオ
ライト(欧州特許出願第7,126号)、ZSM−5型
ゼオライト(米国特許第3,751,504号)等が提
案され、その後1980年代後半から新たなが提案され
てきた。
【0005】例えばか焼したβ型ゼオライト(米国特許
第4,891,458号)、希土類交換β型ゼオライト
(特開平03−181,424号)、ゼオライトMCM
−22(米国特許第4,992,606号)、脱アルミ
処理をされたY型ゼオライトおよびモルデナイト(欧州
特許第402,202号)、ホウ素、ガリウム、あるい
は鉄で同形置換されたβ型ゼオライト(カナダ特許第
2,030,067号)、リン酸で処理Y型ゼオライト
(欧州特許第521,554号)など多数の提案がなさ
れた。また新たなとしてSSZ−25(米国特許第5,
149,894号)、EU−1(欧州特許第537,3
89号)、ZSM23(米国特許第5,233,112
号)、MCM−36(米国特許第5,258,565
号)、MCM−49(米国特許第5,371,310
号)、MCM−56(米国特許第5,453,554
号)などの提案がある。
【0006】しかしながら、これらのゼオライト触媒は
モノアルキル化体の選択率にはすぐれているものがある
が、反応活性に関しては従来公知の触媒に比して十分で
なく、実用化のためには、反応温度、原料モル比等反応
条件の選択によって活性を補う必要があるという傾向が
あった。
【0007】本発明者は、芳香族炭化水素とオレフィン
族炭化水素とのとの反応で芳香族アルキル化物を得る反
応において、従来のゼオライト触媒の有する生成物選択
性を保ちつつ活性を向上する方法を研究した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】芳香族炭化水素とオレ
フィン族炭化水素との反応で芳香族アルキル化物を得る
反応において、従来のゼオライト触媒の有する生成物選
択性を保ちつつ高い活性示す触媒を提供し、該触媒を使
用した芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水素との反応
により、芳香族アルキル化物を得る方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水素
を遷移金属を含有したゼオライト触媒の存在下で接触さ
せることにより芳香族アルキル化物を製造する方法を提
供する。
【0010】また本発明は、遷移金属化合物とゼオライ
トを接触させることにより得られうる、芳香族炭化水素
とオレフィン族炭化水素を接触させることにより、芳香
族アルキル化物を製造するための触媒に適した、遷移金
属を含有したゼオライト触媒を提供する。
【0011】さらに本発明は、好ましい態様として、芳
香族炭化水素とオレフィン族炭化水素を、遷移金属化合
物とゼオライトを接触させることにより得られうる遷移
金属を含有したゼオライト触媒の存在下で接触させるこ
とにより、芳香族アルキル化物を製造する方法も提供す
る。
【0012】
【本発明の具体的な記述】ベンゼンとエチレンの反応に
より得られるエチルベンゼンはスチレンモノマーなどの
原料や溶剤として、ベンゼンとプロピレンの反応により
得られるクメンはフェノール及びアセトンなどの原料と
して、またその他の芳香族アルキル化物は高性能ガソリ
ンの成分としてそれぞれ有用な化合物である。本発明
は、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化
水素をエチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン
族炭化水素と反応させるアルキル化反応において、遷移
金属元素を含有したゼオライト触媒を使用することと、
該触媒を特徴とする。以下に本発明を具体的に説明す
る。
【0013】芳香族炭化水素 本発明で使用される芳香族炭化水素は、単環芳香族炭化
水素でも多環芳香族でもよいが、炭素数6ないし20の
ものが好ましく、さらに好ましくはベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの炭素数6ないし12の単環芳香族炭
化水素である。
【0014】オレフィン族炭化水素 本発明で使用されるオレフィン族炭化水素としては、炭
素数が2ないし30、好ましくは2ないし12のオレフ
ィンを挙げることができ、具体的にはエチレン、プロピ
レン、1−ブテン、シスー2−ブテン、トランスー2−
ブテン、2−メチルプロピレン、1−ペンテンなどの炭
素数が2ないし5のαーオレフィンを、さらに好ましい
例としてエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペン
テンを挙げることができる。
【0015】ゼオライト ゼオライトとは、多孔質結晶性アルミノシリケートの総
称であり、本発明のゼオライトは、交換性の陽イオンサ
イトを水素イオンに交換することによって生じる固体酸
性と、結晶性に由来する規則的な細孔構造を有すること
を特徴とする。
【0016】通常ゼオライトはその骨格の属する結晶
系、骨格を構成するシリカ、アルミナ、その他の元素の
組成比、交換性サイトを占める陽イオンの種類と組成比
によって分類、規定される。
【0017】ゼオライトは自然界にも存在し、シャバサ
イト、エリオナイト、オフレタイト、モルデナイト、フ
ェリエライトなど多種の結晶系のゼオライトが天然品と
して産出する。また一方で、ケイ素源、アルミニウム
源、アルカリ源、細孔構造を与えるための添加物などを
特定の温度、圧力条件下で反応、結晶化させることによ
り得られる合成ゼオライトも、A型、X型、Y型、L
型、ZSM−5型、β型など天然には存在しない多くの
結晶系のゼオライトを合成する多くの方法が見出されて
いる。モルデナイトなどの一部の天然ゼオライトについ
てはこれを人工的に合成する方法も見出されている。
【0018】ゼオライトの合成法の一例を示すと、ケイ
素源としてシリカゲル、コロイド状シリカ、水ガラスな
どの珪酸塩と、アルミニウム源として硫酸アルミニウ
ム、アルミン酸ナトリウムなどのアルミニウムの硫酸
塩、硝酸塩、オキシ酸塩から熱水合成によって製造する
ことができる、この際、テトラアルキルアンモニウムハ
ライドのような有機結晶化剤を存在させてもよい。
【0019】得られた生成物は、通常さらに水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどで苛
性処理した後、300ないし600℃の高温で処理され
る。
【0020】本発明では、従来公知の天然および合成ゼ
オライトが使用できるし、本発明の目的に合わせて、従
来公知の方法で新たに合成したものを使用することも可
能である。本発明で使用されるゼオライトは、細孔入口
が酸素十員環以上であり、入口径が5.7Å以上である
細孔構造を持つものが好ましい。これらの特徴を有する
ゼオライトとして、ZSM−5型、β型、X型、Y型ゼ
オライト、およびモルデナイトを挙げることができる。
その中でもβ型ゼオライトが特に好ましい。
【0021】本発明に用いられるゼオライトの好適な骨
格中のケイ素とアルミニウムの割合は、用いるゼオライ
トの種類によって異なるが、当該ゼオライトの結晶系が
保持される限りにおいて、シリカとアルミナに換算した
組成比で5:1から100:1の範囲にあることが好ま
しく、5:1から50:1の範囲にあることがより好ま
しい。
【0022】ゼオライトの骨格中に、ケイ素、アルミニ
ウムと酸素以外の元素を混入させたものを使用すること
も可能である。骨格中に異種元素を混入させたゼオライ
トやその調製方法は数多く提案されているが、本発明に
用いられるゼオライトについては、当該ゼオライトの結
晶系が保持される限り、骨格中に異種元素を混入させた
ゼオライトであってもよい。骨格中に混入させることが
できる元素としては、アルカリ、アルカリ土類、希土類
などの元素を挙げることができる。
【0023】交換性サイトを占める陽イオンは、触媒活
性の発現のために水素イオンに交換される。また、良好
な反応性を得るためには、より多くの交換性サイトが水
素イオンに交換されていることが望ましい。しかしなが
ら、一部未交換のアルカリ金属イオンなどの陽イオンが
残留していたり、反応性の低下を来さない程度に他種の
陽イオンが導入されていてもよい。
【0024】陽イオンを水素イオンに交換する方法とし
ては、公知の方法を採用できるが、例えばゼオライトを
硫酸アンモニウムや硝酸アンモミウムのようなアンモニ
ウム塩の水溶液で処理した後、300ないし600℃で
空気中でか焼することによって行うことができる。
【0025】ゼオライトの交換性サイトを占める陽イオ
ンが、水素イオンに交換された結果、ゼオライトの交換
性サイトにおける水素イオンと他の陽イオンの合計に対
する水素イオンのモル比が、20%以上、好ましくは5
0%以上、さらに好ましくは80以上であることが望ま
しい。
【0026】本発明で使用するゼオライトは、市販のも
のを入手するか、合成して得られるものの陽イオンを、
水素イオンに交換して使用できるができる、またすでに
水素イオン交換型も市場から入手可能である。いずれの
場合も、上記水素イオン他の陽イオンとの関係を満たし
ていることが必要である。
【0027】ゼオライト触媒 本発明では、芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水素を
触媒の存在下で接触させることにより芳香族アルキル化
物を製造するのに適した触媒として、遷移金属を含有し
たゼオライト触媒が提供される。
【0028】遷移金属としては、周期表のIVA族また
はVA族金属が好ましく、具体的にはチタン、ジルコニ
ウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルなど
を挙げることができる。中でもチタン及びジルコニウム
が好ましく、更にその中でもチタンがより好ましい。
【0029】遷移金属を含有したゼオライト触媒は、高
温下で遷移金属化合物とゼオライトを接触させる方法に
よって行うことができる。また、該方法で得られうる遷
移金属を含有したゼオライト触媒は、本発明の好適なゼ
オライト触媒である。特に、該方法でえられたゼオライ
ト触媒が好ましい。
【0030】用いられる遷移金属化合物は、上記遷移金
属の、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩などの塩、メト
キシド、エトキシド、プロポキシドなどのアルコキシ
ド、オキシ塩化物、オキシ硝酸塩などのオキシ塩、その
他錯体などの中から選ばれる。
【0031】具体的には四塩化チタン、四臭化チタン、
チタンテトラエトキシド、テトラベンジルチタニウム、
四塩化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、ジルコニウ
ムテトラエトキシド、テトラベンジルジルコニウム、四
塩化バナジウム、五フッ化バナジウム、オキシ三塩化バ
ナジウム、五塩化ニオブ、五フッ化ニオブ、五フッ化タ
ンタル、タンタルエトキシドなどが挙げられる。特に四
塩化チタン、四塩化ジルコニウムが好ましい。
【0032】遷移金属化合物とゼオライトとの反応にあ
たって、遷移金属化合物として、融点が500℃以下
で、当該温度で分解性を持たない化合物を選ぶのが好ま
しい。
【0033】本発明の遷移金属を含有したゼオライト触
媒を得ることのできる方法である、高温下で遷移金属化
合物とゼオライトを接触させる方法について、さらに説
明する。
【0034】遷移金属化合物とゼオライトの接触は、温
度100℃〜500℃の範囲で行うことが好ましく、2
00℃〜400℃の範囲で行うことがより好ましい。接
触は気相でも液相でも行われるが、気相が好ましい。接
触方法は気相、液相とも回分処理、流通処理どちらも可
能であるが、反応脱離成分や過剰に付着した成分の影響
を除くという観点から、流通処理がより好ましい。
【0035】遷移金属化合物とゼオライトとの接触は、
例えば、ゼオライト層の温度を100℃〜500℃の範
囲に保ったまま、四塩化チタンなどの遷移金属化合物の
蒸気を含有させた窒素などの不活性気体をゼオライト層
を通過させて行うことができる。
【0036】遷移金属化合物とゼオライトとの接触後、
アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは
水酸化アンモニウムの水溶液のようなアルカリ性水溶液
で処理してもよい。この処理は、これら化合物の0.0
5ないし5モル/lの水溶液にゼオライトを、例えば1
時間以上、好ましくは8時間以上浸漬した後、200℃
〜600℃の温度で焼成することにより、さらに安定は
ゼオライト触媒が得られる。
【0037】本発明の遷移金属を含有したゼオライト触
媒における、ケイ素とアルミニウムの割合は、シリカと
アルミナに換算した組成比で5:1から100:1の範
囲にあることが好ましく、5:1から50:1の範囲に
あることがより好ましい。本発明の遷移金属を含有した
ゼオライト触媒における、細孔の大きさは、細孔入口径
で表して、5〜10Å、好ましくは5.7〜8Åである
ことが望ましい。
【0038】芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水素と
の反応 芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水素と触媒の接触に
より芳香族アルキル化物を製造する反応は、気相または
液相の反応相、回分式または流通式その他の反応方式で
行われる。本発明においては、反応相及び反応方式は限
定されることなく選択できる。
【0039】また、採用する反応相及び反応方式によっ
て、望ましい場合にはゼオライト触媒を適当な形状に成
型することができる。ゼオライト触媒は、粉末、顆粒、
細片、ペレットなどの種々の形状をとりうる。ゼオライ
ト触媒自身で所望の形状に固結可能であるが、シリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア、モンモリナイト族や
カオリン族などの天然粘土結合剤をゼオライト触媒と混
合して成形してもよい。
【0040】反応を液相で行う際には、その溶媒が反応
に悪い影響を与えない限り、溶媒を使用することができ
る。反応に使用できる溶媒の例としては、n−オクタ
ン、n−デカンなどの飽和脂肪族炭化水素、シクロヘキ
サンなどの飽和脂環式炭化水素のようなものを挙げるこ
とができる。また、原料となる芳香族炭化水素に飽和溶
解度を下回る量の水分を含む芳香族炭化水素を用いるこ
とは、差し支えない。
【0041】反応条件は、用いる芳香族炭化水素、オレ
フィン族炭化水素、ゼオライト、含有させる遷移金属元
素、反応相、反応方式によって好適な条件が異なるが、
温度100〜350℃、圧力1〜50気圧、芳香族炭化
水素とオレフィン族炭化水素のモル比1:1〜30:1
の範囲が好ましい。
【0042】芳香族炭化水素としてベンゼンを使用し、
オレフィン族炭化水素としてプロピレンを使用した場
合、生成物としてクメン、ジイソプロピルベンゼンなど
の芳香族アルキル化物が選択率よく生成される。芳香族
炭化水素のアルキル化に対するゼオライト触媒の活性
は、例えば単位時間あたりの原料転化率または特定の原
料転化率を得るのに要する時間を尺度として算出でき
る。
【0043】本発明の方法で得られる芳香族炭化水素ア
ルキル化物は、蒸留、再結晶、クロマトグラフィー等の
公知の方法によって、反応混合物から単離することがで
きる。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法によれば、芳香族炭化水素
とオレフィン族炭化水素より芳香族アルキル化物を製造
するに際し、芳香族アルキル化物の高い選択率と、高い
活性によって、回分式反応においては処理時間の短縮に
よる生産性の向上及び/又は使用触媒量の低減が、流通
式反応においては原料供給速度の増大による生産性の向
上及び/又は使用触媒量の低減が可能である。
【0045】
【実施例】以下の実施例で本発明を例示するが、実施例
の記述によって特許請求の範囲に示されていること以外
の限定を本発明に与えるものではない。
【0046】実施例1遷移金属化合物とゼオライトの接触 日揮ユニバーサル製β型ゼオライト(水素イオン交換
型)粉末3gを内径25mmのガラス製流通反応管に装
填し、250ml/minの窒素気流下、350℃で2
時間加熱して吸着水を除去する。後、ゼオライト層の温
度を350℃に保ったまま流路を切り替え、四塩化チタ
ンの液中を通過させて四塩化チタン蒸気を含有させた窒
素を250ml/minの供給速度でゼオライト層を通
過させる。4時間後に再び流路を切り替え、四塩化チタ
ン蒸気を含まない250ml/minの窒素気流下、3
50℃で18時間加熱を続ける。この操作により6.0
g(3.5ml)の四塩化チタンがゼオライト層を通過
した。
【0047】250ml/minの窒素を流したままゼ
オライト層を放冷し、室温まで冷却したら反応管を解体
してゼオライトを磁製皿に取り出し、空気中、250℃
で2時間加熱する。得られたゼオライトにはもとのβ型
ゼオライトに対して二酸化チタン換算で8.9重量%の
チタンが含有された。また、粉末X線回折からはもとの
β型ゼオライトと同一の回折パターンが得られ、新規な
回折ピークの出現は見られなかった。
【0048】遷移金属含有ゼオライトの後処理 空気中での加熱を終えたゼオライトは放冷後、その1g
に対して10mlの0.1規定アンモニア水に浸漬し、
室温で緩やかに攪拌しながら一昼夜放置する。その後、
濾過、風乾、空気中500℃で2時間焼成してチタン含
有β型ゼオライトを得た。
【0049】芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水素と
の反応 内容積70mlのステンレス製オートクレーブにチタン含
有β型ゼオライト0.5g、ベンゼン5gを装入し、
2.7gのプロピレンガスを圧入する。このベンゼン対
プロピレンの比は、モル比で1:1である。室温で十分
に攪拌してプロピレンをベンゼンに溶解させた際の内圧
はゲージ圧4〜5気圧を示した。
【0050】予め170℃に加熱したシリコンオイル浴
中にオートクレーブを設置し、反応を開始した。内圧は
反応開始時の4〜5気圧から昇温に伴って徐々に上昇
し、約12気圧に達するが、その後プロピレンの消費の
ため降下する。内圧が8気圧を下回った時点でオートク
レーブをシリコン浴中から引き出し、室温まで冷却す
る。チタン含有β型ゼオライトを触媒に使用した場合、
オートクレーブをシリコン浴中に設置してから内圧が8
気圧を下回るまでの反応時間は14分であった。
【0051】室温まで冷却したオートクレーブは、攪拌
しながら大気放出弁を徐々に解放し、未反応プロピレン
を放出する。未反応プロピレンの量は放出前後の重量変
化から算出した。オートクレーブを開放し、内容物をア
セトンを用いて洗い出し、ガスクロマトグラフで生成物
の分析を行った。分析には島津GC−14Aを用い、分
離カラムはJ&B社製DB−5(0.25mm×60
m)を使用した。反応成績はベンゼン転化率67%、プ
ロピレン転化率94%、クメン選択率50%、ジイソプ
ロピルベンゼン選択率37%、プロピレンオリゴマー選
択率13%(選択率は消費プロピレン基準)であった。
【0052】比較例1 実施例1に挙げた芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水
素との反応を、チタンを含有しない日揮ユニバーサル製
β型ゼオライト(水素イオン交換型)を触媒に用いて行
った。反応終了までに22分を要し、反応成績はベンゼ
ン転化率62%、プロピレン転化率89%、クメン選択
率51%、ジイソプロピルベンゼン選択率36%、プロ
ピレンオリゴマー選択率13%(選択率は消費プロピレ
ン基準)であった。
【0053】実施例2 実施例1の遷移金属化合物とゼオライトの接触を東ソー
製USY型ゼオライトを用いて行い、実施例1に挙げた
方法で後処理、芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水素
との反応を行った。反応終了までに58分を要し、反応
成績はベンゼン転化率52%、プロピレン転化率87
%、クメン選択率38%、ジイソプロピルベンゼン選択
率30%、トリおよびテトライソプロピルベンゼン選択
率13%、プロピレンオリゴマー選択率18%(選択率
は消費プロピレン基準)であった。
【0054】比較例2 実施例1と同じ芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水素
との反応を、遷移金属化合物との接触を行わない東ソー
製USY型ゼオライトを用いて行った。反応終了までに
80分を要し、反応成績はベンゼン転化率53%、プロ
ピレン転化率86%、クメン選択率35%、ジイソプロ
ピルベンゼン選択率35%、とりおよびテトライソプロ
ピルベンゼン選択率14%、プロピレンオリゴマー選択
率16%(選択率は消費プロピレン基準)であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 高井 敏浩 大阪府高石市高砂一丁目6番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA07A BA07B BB02A BB02B BB04A BB04B BC16A BC29A BC29B BC50A BC50B BC51A CB62 CB66 DA06 EA01Y FA02 FB29 ZA03A ZA05B ZA06A ZA11A ZA19A ZA19B 4H006 AA02 AC21 BA10 BA12 BA71 BA81 DA12 DA15 DA25 4H039 CA10 CA41 CF10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水素
    を、遷移金属を含有したゼオライト触媒の存在下で接触
    させることにより、芳香族アルキル化物を製造する方
    法。
  2. 【請求項2】芳香族炭化水素がベンゼン、トルエンおよ
    びキシレンからなる単核芳香族化合物から選ばれた一種
    または二種以上の混合物である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】オレフィン族炭化水素が、エチレン、プロ
    ピレン、1−ブテン、シスー2−ブテン、トランスー2
    −ブテン、2−メチルプロピレン、1−ペンテンからな
    る炭素数が2ないし5のαーオレフィンから選ばれた少
    なくとも一種の化合物である請求項1または2に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】ゼオライトがイオン交換可能なサイトが水
    素イオンに交換されたゼオライトである請求項1から3
    のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】ゼオライトがZSM−5型ゼオライト、β
    型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライトおよび
    モルデナイトから選ばれた少なくとも一つのゼオライト
    である請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】ゼオライトが5:1より大きく、100:
    1より小さいケイ素対アルミニウム原子比を有するβ型
    ゼオライトである請求項1から5のいずれかに記載の方
    法。
  7. 【請求項7】遷移金属がIVA族、VA族から選ばれた
    少なくとも一種の遷移金属である請求項1から6のいず
    れかに記載の方法。
  8. 【請求項8】遷移金属がチタンまたはジルコニウムであ
    る請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】遷移金属を含有したゼオライト触媒が、遷
    移金属化合物とゼオライトを接触させることにより得ら
    れうる触媒である請求項1から8のいずれかに記載の方
    法。
  10. 【請求項10】遷移金属化合物とゼオライトの接触を気
    相で行う請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】遷移金属化合物とゼオライトの接触を1
    00℃〜500℃の範囲の温度で行う請求項9または1
    0に記載の方法。
  12. 【請求項12】芳香族炭化水素とオレフィン族炭化水素
    と触媒の接触を1:1〜30:1の範囲の芳香族炭化水
    素とオレフィン族炭化水素のモル比、100〜350℃
    の範囲の温度、1〜50気圧の範囲の圧力で行う請求項
    1から9のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】遷移金属化合物とゼオライトを接触させ
    ることにより得られうる、芳香族炭化水素とオレフィン
    族炭化水素を接触させることにより、芳香族アルキル化
    物を製造するための触媒に適した、遷移金属を含有した
    ゼオライト触媒。
JP11121125A 1999-04-28 1999-04-28 芳香族アルキル化物の製造方法およびその触媒 Pending JP2000309546A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11121125A JP2000309546A (ja) 1999-04-28 1999-04-28 芳香族アルキル化物の製造方法およびその触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11121125A JP2000309546A (ja) 1999-04-28 1999-04-28 芳香族アルキル化物の製造方法およびその触媒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000309546A true JP2000309546A (ja) 2000-11-07

Family

ID=14803510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11121125A Pending JP2000309546A (ja) 1999-04-28 1999-04-28 芳香族アルキル化物の製造方法およびその触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000309546A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004339219A (ja) * 2003-05-17 2004-12-02 Haldor Topsoe As 単環芳香族化合物の接触アルキル化法およびそこで使用するための組成物
CN114762832A (zh) * 2021-01-12 2022-07-19 洛阳市科创石化科技开发有限公司 一种用于苯与碳四烯烃烷基化生产混合丙苯的催化剂的制备方法及应用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004339219A (ja) * 2003-05-17 2004-12-02 Haldor Topsoe As 単環芳香族化合物の接触アルキル化法およびそこで使用するための組成物
CN114762832A (zh) * 2021-01-12 2022-07-19 洛阳市科创石化科技开发有限公司 一种用于苯与碳四烯烃烷基化生产混合丙苯的催化剂的制备方法及应用
CN114762832B (zh) * 2021-01-12 2023-12-08 洛阳市科创石化科技开发有限公司 一种用于苯与碳四烯烃烷基化生产混合丙苯的催化剂的制备方法及应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3849340A (en) Hydrocarbon conversion catalyst
JP3937241B2 (ja) 炭化水素処理及びそのための触媒
US4067920A (en) Selective production of para-xylene
US4100215A (en) Selective production of para-xylene
US3631120A (en) Alkylation of aromatic hydrocarbons
US3763260A (en) Hydrocarbon conversion catalyst
US5227558A (en) Aromatic alkylation process employing steam modified zeolite beta catalyst
US4100217A (en) Selective production of para-substituted benzenes
US4724275A (en) Crystalline aluminosilicates and their use in the conversion of methanol to low molecular weight hydrocarbons
EP0214147B1 (en) Crystalline magnesia-silica composites and process for producing same
EP0289691B1 (en) A process for synthesizing high purity p-dialkyl benzene from monoalkyl benzene by using silicon-modified catalystsi-hzsm-5
CN102482176A (zh) 使用uzm-35来进行芳烃烷基化的方法
CA1122619A (en) Disproportionation of toluene
JPS6132294B2 (ja)
JPH0788217B2 (ja) 合成ゼオライト物質及びその製法
US5157185A (en) Alkylation of aromatics
EP0152485A1 (en) Binder-free zeolite catalyst, process for its preparation, and catalytic reaction using same
EP2582656B1 (en) Improved process for conversion of isobutylene to tertiary butylamine
EP0146525B1 (en) Process for preparing crystalline silicas
JP2000309546A (ja) 芳香族アルキル化物の製造方法およびその触媒
EP0083160B1 (en) Catalyst and process for light olefin production
KR870001873B1 (ko) 1,4-디알킬벤젠의 제조방법
FI76005C (fi) Aluminium-bor-silikatkatalysator, foerfarande foer framstaellning av denna och alkyleringsprocess.
CN114057538B (zh) 一种含乙烯气体和苯气相烷基化制乙苯的方法
EP0128721B1 (en) Silica-modified catalyst and use for selective production of para-dialkyl substituted benzenes