JP2000307845A

JP2000307845A - 印刷システム、印刷情報生成装置、プリンタ、印刷方法、および記録媒体

Info

Publication number: JP2000307845A
Application number: JP11117148A
Authority: JP
Inventors: Kenichi Kurata; 田賢一倉; Nobuhisa Takabayashi; 林信久高; Hikonosuke Uei; 井彦之介上
Original assignee: Seiko Epson Corp
Current assignee: Seiko Epson Corp
Priority date: 1999-04-23
Filing date: 1999-04-23
Publication date: 2000-11-02

Abstract

(57)【要約】【課題】必要な場合のみ印刷画像に隠しパターンを埋
め込む。【解決手段】本発明の印刷システムは、ホストコンピ
ュータ１とプリンタ２で構成され、ホストコンピュータ
１は、オペレーティングシステム３で制御される。オペ
レーティングシステム３は、アプリケーション・プログ
ラム４から出力された印刷データを、プリンタ２に固有
の印刷情報に変換してプリンタ２に供給するドライバ５
を有する。ドライバ５とプリンタ２の内部にはそれぞ
れ、印刷画像に埋め込まれる隠しパターンを生成する隠
しパターン生成部９，１３が設けられる。アプリケーシ
ョン・プログラム４から供給された印刷データの種類や
特性を解析し、紙幣等の金品対象物や著作物を印刷する
可能性が高いと判断される場合のみ、隠しパターンを原
画像に埋め込むため、隠しパターンを生成する頻度が少
なくなり、印字品質および印字速度の向上が図れ、イン
ク等の消費を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、紙幣等の金品価値
を有するものの偽造や、書物・写真・絵画等の著作物の
違法な複製を防止する技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】カラー画像読取・画像処理技術の向上に
伴い、複写機や画像出力装置などによって原本から複製
して得られる印刷物は、原本とその複製物との識別が一
見して難しいほどに高画質になってきている。かかる高
画質の画像形成装置が、例えば、紙幣、証券、商品券そ
の他の有価証券、公正証書、公文書、私文書などの偽造
に利用されたり、書物や写真、絵などの著作物の複製に
利用されると、それらが本物との見分けがつかないまま
一般に大量に出回ってしまう事態を回避することが難し
く、社会に大きな混乱を引き起こすことになる。

【０００３】そこで、上記の如き悪用を防止するため、
画像読取装置においては、原稿を読み取る際に複写、複
製することが許されない原稿を識別できるようにするこ
とが求められ、その識別結果を利用することによって、
複写を禁止することができ、あるいは複写の際に特別の
画像情報に加工したり特別の画像情報を付与したりして
出力し、複写、複製物を原本と見分けられるようにする
ことができる。さらに、画像形成装置においては、再生
画像について画質を低下することなしにその装置が追跡
できるような情報を付加することが求められる。

【０００４】すでに、例えば入力される画像の領域面積
に応じて追跡パターンを変化させ、紙幣や切手等の有価
証券の出力結果に対してはより確実に追跡できるように
すると共に、その他の画像についてはより目立ちにくく
パターンを付与することにより、画質劣化を防ぐ装置が
提案されている（特開平7-111581号公報）。その他、画
像中にその画像を再生した装置を追跡できるようにする
ための特定のパターンを追跡パターンとして付与させる
ことにより特定の情報を記録する画像処理装置がいくつ
か提案されている（例えば特開平4-294682号公報、特開
平5-14682号公報）。

【０００５】また、最近は、絵画や写真などの著作物が
電子データとして頒布される機会が増えてきたが、電子
データは複製が容易であり、また、プリンタなどで大量
に複製することも可能である。このため、著作権の所在
を明らかにするとともに、違法な複製を防止すべく、絵
画等の著作物に関する電子データをプリンタで出力する
際に、著作権者の氏名等の情報を隠しパターンとして埋
め込む技術も検討されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来は、黄色等の人間
の目に識別しにくい色で隠しパターンを生成するのが一
般的であったが、印刷するすべての画像に隠しパターン
を埋め込むようにすると、プリンタの印字速度が常に遅
くなってしまい、インクやトナーの消費量も多くなり、
画質劣化の原因にもなる。

【０００７】また、紙幣等を偽造する場合や、絵画等の
著作物を複製する場合は、イメージ画像をプリンタ側に
送るのが一般的であるため、文字を印字する場合のよう
に、紙幣等の偽造や複製とは明らかに関係ない場合にも
隠しパターンを入れるのは無駄である。

【０００８】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、必要な場合のみ印刷画像に隠
しパターンを埋め込むようにした印刷システム、印刷情
報生成装置、印刷方法、および記録媒体を提供すること
にある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項１の発明は、アプリケーション・プログ
ラムから供給されたアプリケーションデータに基づいて
印刷データを生成する印刷情報生成装置と、前記印刷デ
ータに基づいて前記印刷画像データを生成して印刷機構
にて印刷を行うプリンタと、を備えた印刷システムであ
って、前記印刷画像データに新たな追加パターンを付加
する追加パターン生成部、および前記印刷画像データを
部分的に変更する変更パターン生成部の少なくとも一方
を有する隠しパターン埋め込み手段と、印刷に関する諸
条件に基づいて、前記追加パターン生成部による処理ま
たは前記変更パターン生成部による処理のいずれかを実
行させるか否かを選択する選択部と、を備える。

【００１０】請求項１の発明では、印刷に関する諸条件
に基づいて、印刷画像データに追加パターンを付加する
か、印刷画像データの部分的な変更を行うかを切り替え
るため、印刷画像データの特性に適した隠しパターンを
生成できる。

【００１１】請求項２の発明では、変更パターン生成部
を印刷情報生成装置に設けるため、プリンタに負荷がか
かるおそれはない。

【００１２】請求項３の発明では、追加パターン生成部
をプリンタに設けるため、印刷情報生成装置からプリン
タに追加パターンのデータを送る必要はない。

【００１３】請求項４の発明では、イメージデータの場
合には、印刷画像データに追加パターンを付加するか、
印刷画像データを部分的に変更するため、紙幣等の偽造
や着物の違法な複製を防止できる。

【００１４】請求項５の発明では、イメージデータでな
い場合には、追加パターンの付加や印刷画像データの部
分的な変更を行わないため、印字品質が劣化するおそれ
がない。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る印刷システ
ム、印刷情報生成装置、印刷方法および記録媒体につい
て、図面を参照しながら具体的に説明する。

【００１６】図１は本発明に係る印刷システムの一実施
形態のブロック図である。図１の印刷システムは、ホス
トコンピュータ１と、プリンタ２とで構成される。ホス
トコンピュータ１は、ＣＰＵ、メモリ、表示装置、キー
ボード、マウス等のハードウェアと、これらハードウェ
アを制御するソフトウェアとからなる。ソフトウェアは
さらに、オペレーティングシステム（以下、ＯＳと呼
ぶ）３と、ＯＳ３の管理下で動作するアプリケーション
・プログラム４とドライバ（印刷情報生成装置）５とに
分かれる。

【００１７】ＯＳ３はさらに、ワード・プロセッサ等の
アプリケーション・プログラム４から出力されたアプリ
ケーションデータを解析するＧＤＩ(Graphics Device I
nterface)モジュール６と、ドライバ５からの制御によ
りＧＤＩモジュール６の解析結果に応じた印刷データを
プリンタ２に送信するとともに、プリンタ２から送られ
たステータス情報を受信してドライバ５に供給するイン
タフェース部（通信手段）７とを有する。

【００１８】ドライバ５の内部には、プリンタ２に供給
する印刷データを生成する印刷データ生成部８と、印刷
データに埋め込まれる隠しパターンを生成する隠しパタ
ーン生成部（隠しパターン埋め込み手段）９と、ＧＤＩ
モジュール６の解析結果に基づいて隠しパターン生成部
９で隠しパターンを生成するか否かを判別する埋め込み
判別部（指示手段）１０とが設けられる。

【００１９】プリンタ２は、ドライバ５との間で印刷デ
ータやステータス情報の送受信を行うインタフェース部
（通信手段）１１と、ドライバ５から送られた印刷デー
タの内容を解析する解釈部１２と、解釈部１２の解析結
果に基づいて隠しパターンを生成するか否かを判別する
埋め込み判別部（制御手段）１３と、埋め込み判別部１
３により隠しパターンを生成すると判断された場合に隠
しパターンを生成する隠しパターン生成部（隠しパター
ン埋め込み手段）１４と、解釈部１２の解析結果に基づ
いて印刷画像を生成するイメージ生成部１５と、生成さ
れた印刷画像と隠しパターン生成部１４で生成された隠
しパターンとを合成して得られる最終的な印刷画像に基
づいて印字ヘッド（不図示）の駆動制御を行うプリンタ
エンジン１６と、プリンタ２の動作状態等を表示するパ
ネル部１７と、プリンタ２の状態制御を行うステータス
管理部１８と、印刷画像を一時的に格納するメモリ（不
図示）の制御を行うメモリ管理部１９と、プリンタ２内
の各部の制御を行う制御部（パターン生成切替部）２０
とを備える。

【００２０】図２は隠しパターン生成部９，１３で生成
される隠しパターンの一例を示す図である。隠しパター
ンには、本来の印刷画像の一部を変更した変更パターン
（図２（ａ））と、印刷画像に付加される追加パターン
（図２（ｂ））とがある。

【００２１】図２（ａ）中の斜線で示した部分が元の印
刷画像を変更した変更パターンを表し、図（ｂ）中の点
線で示した部分が追加パターンを表している。

【００２２】変更パターンや追加パターンは、人間の目
に識別しにくい色や輝度で生成される。例えば、変更パ
ターンの場合、周囲の画像の色や輝度を多少変化させる
ことにより生成される。また、追加パターンの場合、人
間の目に識別しにくい色、例えば黄色等で生成される。

【００２３】紙幣等の偽造防止を目的とする場合は、プ
リンタの種類を特定できる情報、例えば、プリンタの名
称、型番、製造メーカ名、シリアル番号、プロダクトＩ
Ｄなどが追加パターンや変更パターンとして印刷画像に
埋め込まれる。

【００２４】また、絵画や写真等の著作物の複製防止を
目的とする場合は、著作権の所在がわかるような情報、
例えば、著作権者の氏名等が印刷画像に埋め込まれる。

【００２５】変更パターンは、その原理上、与えられた
アプリケーション・プログラムのデータに依存して生成
されるため、追加パターンの生成に比べて生成処理に時
間がかかる。よって、プリンタ側に高速のＣＰＵを搭載
できないプリンタ（例えば、標準的なインクジェット・
プリンタ）の場合、ホスト側の比較的高速のＣＰＵを利
用可能なプリンタ・ドライバで隠しパターンを生成する
方が望ましい。これは、ソフトウェアの方が隠しパター
ンの生成が容易である点からもいえることである。

【００２６】一方、追加パターンは、原理上、与えられ
たアプリケーション・プログラムには依存せず、どんな
データに対しても一律に所定のパターンをオア（加算）
するものである。このような処理は、ホスト側のドライ
バで行うよりも、プリンタ側で印刷画像データをエンジ
ンに出力する段階で行った方が実現が容易で、また、高
速処理が可能となる。これは、イメージバッファを一つ
しか持たないシリアルプリンタでも、あるいは、１ペー
ジ相当分のメモリを有するページプリンタでも共通して
いえることである。

【００２７】別の言い方をすると、変更パターンは、印
刷データを部分的に変更するため、データ量は元のデー
タと同じなのに対し、追加パターンは、元のデータに新
たにデータを追加するため、データ量が増えてしまう。
したがって、追加パターンをドライバ側で生成すると、
ホストからプリンタに送られる印刷データが増える結果
になり、データ転送に時間がかかり、望ましくない。

【００２８】以下、変更パターンの生成方法について詳
述する。図３はランダム平均パッチ５１と呼ばれるもの
であり、白色領域（−１）と斜線で示す黒色領域（＋
１）とを同じ面積ずつ含む基本パターンである。図３に
は４つのパッチ５１が図示されているが、実際には、各
パッチ５１を上下あるいは左右に反転させたパッチも含
めて、計８個のパッチ５１が存在する。

【００２９】各パッチ５１の黒色領域と白色領域は互い
に相殺し合うため、各パッチ５１の色変化（輝度変化）
の度合いを示す平均値はゼロになる。したがって、図３
に示すパッチ５１を原画像に埋め込んでも、原画像の品
質は劣化しない。

【００３０】図３の各パッチ５１は、図４に詳細を示す
ように、例えば４画素×４画素のサイズであり、各パッ
チ５１を構成する１６個のパッチ要素（画素）５２のう
ち半数が（＋１）で、残りの半数が（−１）である。

【００３１】図３に示すパッチ５１を原画像に多数埋め
込んでも、埋め込み位置がランダムな場合には、画像の
強度はゆっくりと変化し、また、エッジで急峻な変化が
あっても全体では相殺し合うため、原画像に与える影響
は最小化される。

【００３２】また、図３に示すパッチ５１を用いること
により、人間の目に識別されることなく、プリンタＩＤ
等のプリンタ情報を埋め込むことができる。プリンタ情
報は、例えば、マジックストリングと呼ばれる４３ビッ
トのデータ部分（このデータは、後述するように、隠し
パターンの読み取り処理中に、透かし模様が発見された
か否かの確認に用いられる）と、プリンタＩＤ用のデー
タ部分４８ビットと、誤り訂正信号のデータ部分１６４
ビットとの計２５５ビットからなり、これら各ビットに
対応するバイナリデータ（１または０）をそれぞれ、図
３に示す１パッチ５１で表現する。

【００３３】埋め込み手法としては、例えば、図５に示
すように、画像を複数のタイル５３に分割し、各タイル
５３ごとに、２５５ビット分の情報に対応するパッチ５
１を埋め込んでいく。

【００３４】より詳細には、図３に示す４種類のパッチ
５１の中から任意に選択されたパッチと、そのパッチを
上下あるいは左右に反転させた不図示のパッチとが、所
定のキー情報に従って選択されて各タイル５３に埋め込
まれる。埋め込まれる各パッチ５１は、オフセット等に
よりモディファイされながら、ランダムに配置される。
ただし、ランダムといっても、所定のキー情報に従うと
いう意味では、擬似ランダムな選択や配置を行う。以上
の手順で変更パターンが生成される。

【００３５】変更パターンが埋め込まれた印刷画像から
プリンタＩＤを読み取るには、まず印刷画像をウォータ
ーマーキング（透かし模様）の解像度（例えば、３６０
dpi）でスキャンし、続いて、スキャン結果である画像
データに対して所定の検索処理を行う。この検索処理で
は、上述した各タイル５３内で各パッチ５１の相関度を
テストする。具体的には、0.1度の刻みで全角度につい
て相関度をテストし、併せてオフセットについてもテス
トする。すなわち、回転角度とオフセットの考えられる
すべての組み合わせについてテストを行う。

【００３６】このような検索処理を行った結果、上述し
たマジックストリングのデータに対応するビットの組み
合わせが見つかれば、これらのビットを抽出し、エラー
訂正処理を行った上で、目的とするビット列を得る。得
られたビット列が、特定されたプリンタのシリアル番号
と同じなら、プリンタＩＤの読み取りは完了する。同じ
でなければ、次の組み合わせを調べ、全組み合わせを調
べても該当するものがなければ、埋め込み情報はないと
判断する。

【００３７】なお、変更パターンの生成手法は、図３に
示すランダム平均パッチを用いるものに限らない。例え
ば、画像を構成する表示パラメータである色相、彩度お
よび明度の少なくともいずれかに対して変調処理を施す
ことにより変更パターンを生成してもよい。この場合、
基準量を中心として対称方向に同量ずつ表示パラメータ
を周期的に変化させることにより、人間の目に識別しに
くい変更パターンを得ることができ、かつ、復調処理を
施すことにより変更パターンの内容を確実に読み取るこ
とができる。

【００３８】また、変更パターンを生成するその他の手
法として、変更パターンの色に着目した手法がある。す
なわち、変更パターンの色として、人間の目に識別しに
くい黄系統の色を選ぶと、印刷画像の背景色によって
は、パターンが容易に識別されることがある。その逆
に、背景色が変更パターンの色に近い場合には、変更パ
ターンが印刷画像と渾然一体となり、どのような手段を
講じても、変更パターンの内容を読み取りできなくな
る。このため、変更パターンの色を固定にせずに、印刷
画像の背景色に応じて変更パターンの色を決定してもよ
い。

【００３９】図６は本実施形態のドライバ５の処理動作
を示すフローチャートである。まず、アプリケーション
・プログラム４から供給された印刷データを取得する
（ステップＳ１）。次に、印刷対象物がモノクロ画像か
否かを判定する（ステップＳ２）。紙幣や切手等の金品
対象物は通常、白黒以外の複数の色を有するため、モノ
クロ画像であると判定されると、隠しパターンを入れな
いようにする。

【００４０】ステップＳ１でモノクロ画像でないと判定
されると、次に、白黒以外の単色、すなわち、モノカラ
ー画像か否かを判定する（ステップＳ３）。モノカラー
画像の場合も、偽造目的とは考えにくいため、隠しパタ
ーンは入れないようにする。

【００４１】モノカラー画像でないと判定されると、次
に、印刷データがイメージデータか否かを判定する（ス
テップＳ４）。金品対象物や著作物を複製する場合、通
常はイメージデータをドライバ５に供給するため、イメ
ージデータでない場合には、隠しパターンを入れないよ
うにする。

【００４２】ステップＳ４でイメージデータと判定され
ると、次に、プリンタの解像度が基準解像度よりも高い
か否かを判定する（ステップＳ５）。解像度が低い場合
には、画質が劣化するため、原画像と容易に識別するこ
とができる。このため、解像度が例えば720dpi未満であ
れば、隠しパターンを入れないようにする。

【００４３】ステップＳ５で基準解像度よりも解像度が
高いと判定されると、次に、所定の範囲内の紙厚か否か
を判定する（ステップＳ６）。給紙トレイに置かれた印
刷紙が紙幣や切手などの紙厚と著しく異なれば、偽造目
的とは考えられないため、隠しパターンを入れないよう
にする。なお、金品対象物によって紙厚が異なり、ま
た、紙厚を正確に検出するのは技術的に難しいため、ス
テップＳ６の判定処理を行う場合は、紙厚にある程度の
幅を持たせた方がよい。

【００４４】紙厚を検出する手法としては、例えば、プ
リンタヘッドの近くに配設された検出部を給紙部に置か
れた印刷紙に接触するまで移動させ、その移動距離によ
り紙厚を検出する。

【００４５】ステップＳ６で印刷紙の紙厚が所定の範囲
内の紙厚であると判定されると、次に、紙種が予め定め
た紙種であるか否かを判定する（ステップＳ７）。印刷
紙を指で触った感じが紙幣や切手などの金品対象物と明
らかに異なる場合には隠しパターンを埋め込む必要はな
い。具体的な紙の種類としては、例えば、コピー紙、フ
ァイン用紙、スーパーファイン用紙などは隠しパターン
の埋め込み対象となるが、ＯＨＰ用紙、グロシーペーパ
ー（フィルム）、キャンバス紙などは埋め込み対象から
除外される。

【００４６】予め定めた紙種と判定されると、次に、印
刷画像のサイズが所定の基準サイズか否かを判定する
（ステップＳ８）。例えば、偽造紙幣の防止を図る場合
は、代表的な紙幣（例えば、一万円札）を基準として基
準サイズを定める。ただし、一枚の印刷紙に複数の画像
を印字する場合があるため、画像の各単位ごとにサイズ
判定を行うのが望ましい。この場合、画像と画像の間の
空白部分を基準として、各画像のサイズを特定すればよ
い。また、サイズ測定の誤差を考慮に入れて、基準サイ
ズにはある程度の幅を持たせるのが望ましい。

【００４７】ステップＳ８で印刷紙が基準サイズである
と判定されると、隠しパターン生成部９または１４によ
り隠しパターンを生成する。図２に示したように、隠し
パターンには、変更パターンと追加パターンの２種類が
あり、変更パターンを生成する場合はドライバ５内の隠
しパターン生成部９に変更パターンの生成を指示する。
一方、追加パターンを生成する場合はプリンタ２内の隠
しパターン生成部１４に追加パターンの生成を指示す
る。

【００４８】一方、ステップＳ２〜Ｓ８のいずれかの判
定処理において、判定が否定された場合には、隠しパタ
ーン生成部９および１４に対して隠しパターンの生成を
行わないように指示する（ステップＳ９）。この場合、
アプリケーション・プログラム４からドライバ５に供給
された印刷データに対応する印刷画像は、隠しパターン
が埋め込まれることなく、プリンタで印字される。

【００４９】なお、図６のフローチャートにおいて、ス
テップＳ３の処理が単色カラー判定部に、ステップＳ４
の処理がイメージ判定部に、ステップＳ５の処理が解像
度判定部に、ステップＳ６の処理が紙厚判定部に、ステ
ップＳ７の処理が紙種判定部に、ステップＳ８の処理が
サイズ判定部に、それぞれ対応する。

【００５０】このように、本実施形態は、アプリケーシ
ョン・プログラム４から供給された印刷データの種類や
特性を解析し、紙幣等の金品対象物や著作物を印刷する
可能性が高いと判断される場合のみ、隠しパターンを原
画像に埋め込むようにしたため、隠しパターンを生成す
る頻度が少なくなる。したがって、プリンタ２の印字速
度および印字品質が向上し、インクやトナーの無駄な消
費も抑制できる。

【００５１】なお、図６に示したステップＳ２〜Ｓ８ま
での判定処理はすべて必要なわけではなく、一部を省略
しても構わない。例えば、偽造紙幣等の金品的価値を有
するものの偽造を防止する場合には、ステップＳ２〜Ｓ
８のすべての判定処理を行うのが望ましいが、絵画や写
真等の著作物の著作権保護を目的として隠しパターンを
埋め込む場合は、紙厚、紙種および画像サイズの判定処
理は省略するのが望ましい。ただし、著作物にはモノク
ロ画像やモノカラー画像もあるため、図６のステップＳ
１およびＳ２の判定処理は省略するのが望ましい。

【００５２】図６のステップＳ４では、印刷データがイ
メージデータか否かを判定する処理を設けているが、こ
の処理の代わりに、文字コードデータか否かを判定する
処理を設け、文字コードデータであれば、偽造等の目的
とは考えにくいため、隠しパターンを生成しないように
してもよい。

【００５３】上述した実施形態では、ドライバ５内の隠
しパターン生成部９で変更パターンを生成し、プリンタ
２内の隠しパターン生成部１４で追加パターンを生成す
る例を説明したが、隠しパターン生成部９で追加パター
ンを生成してもよい。

【００５４】また、上述した実施形態では、ドライバ５
がオペレーティングシステム３に組み込まれる例を説明
したが、ドライバ５をオペレーティングシステム３とは
別個のソフトウェアとして構成したり、あるいは、ドラ
イバ５をハードウェアで構成してもよい。

【００５５】さらに、上述した実施形態で説明した機能
を有するドライバ５を、フロッピーディスクやＣＤ−Ｒ
ＯＭ等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませ
て実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光デ
ィスク等の携帯可能なものに限定されず、ハードディス
ク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。ま
た、ドライバ５を、インターネット等の通信回線（無線
通信も含む）を介して頒布してもよい。さらに、ドライ
バ５のプログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧
縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線
を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよ
い。

【００５６】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、印刷情報生成装置は、所定の条件を満たす場合の
み、変更パターンまたは追加パターンを生成するため、
不必要に変更パターン等が埋め込まれなくなり、プリン
タの平均印字速度が向上し、印字品質の劣化も防げる。
すなわち、紙幣等の偽造を目的とすると考えられる場合
や、写真等の著作物の複製を目的とすると考えられる場
合など、限られた場合だけ変更パターンや追加パターン
を生成するため、プリンタに余計な負荷がかかる頻度
や、印字品質が劣化する頻度が少なくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る印刷システムの一実施形態のブロ
ック図。

【図２】（ａ）は変更パターンの一例、（ｂ）は追加パ
ターンの一例を示す図。

【図３】ランダム平均パッチのパターンを示す図。

【図４】ランダム平均パッチの詳細内容を示す図。

【図５】画像を複数のタイルに分割した状態を示す図。

【図６】本実施形態のドライバの処理動作を示すフロー
チャート。

【符号の説明】

１ホストコンピュータ２プリンタ３オペレーティング・システム（ＯＳ）４アプリケーション・プログラム５ＧＤＩモジュール６ドライバ７インタフェース部８印刷データ生成部９，１４隠しパターン生成部１１インタフェース部１２解釈部１３埋め込み判別部１５イメージ生成部１５プリンタエンジン１６パネル部１７ステータス管理部１８メモリ管理部１９制御部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｇ０６Ｆ 3/12 Ｇ０６Ｆ 3/12 Ｋ５Ｃ０７６Ｈ０４Ｎ 1/40 Ｈ０４Ｎ 1/40 Ｚ５Ｃ０７７ (72)発明者上井彦之介長野県諏訪市大和三丁目３番５号セイコーエプソン株式会社内Ｆターム(参考） 2C061 AQ05 AR01 CL10 HK03 HN15 2C087 AA15 AC07 BA03 BA07 BD07 DA13 2H027 EA20 FA30 2H034 FA01 5B021 AA01 AA30 LD10 LD11 LL06 5C076 AA02 AA14 BA02 BA03 5C077 LL14 MP08 PP19 PP23 PP31 PP60 PP65 PP71 PP74 PQ08 TT02

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】アプリケーション・プログラムから供給さ
れたアプリケーションデータに基づいて印刷データを生
成する印刷情報生成装置と、前記印刷データに基づいて前記印刷画像データを生成し
て印刷機構にて印刷を行うプリンタと、を備えた印刷シ
ステムであって、前記印刷画像データに新たな追加パターンを付加する追
加パターン生成部、および前記印刷画像データを部分的
に変更する変更パターン生成部の少なくとも一方を有す
る隠しパターン埋め込み手段と、印刷に関する諸条件に基づいて、前記追加パターン生成
部による処理または前記変更パターン生成部による処理
を実行させるか否かを選択する選択部と、を備えること
を特徴とする印刷システム。
【請求項２】前記変更パターン生成部は、前記印刷情報
生成装置に設けられることを特徴とする請求項１に記載
の印刷システム。
【請求項３】前記追加パターン生成部は、前記プリンタ
に設けられることを特徴とする請求項１に記載の印刷シ
ステム。
【請求項４】前記選択部は、前記アプリケーションデー
タがイメージデータと判断されると、前記隠しパターン
埋め込み手段による前記追加パターンの付加または前記
印刷画像データの部分的な変更を指示することを特徴と
する請求項１〜３のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項５】前記選択部は、前記アプリケーションデー
タがイメージデータでないと判断されると、前記隠しパ
ターン埋め込み手段による前記追加パターンの付加また
は前記印刷画像データの部分的な変更を中止することを
特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の印刷システ
ム。
【請求項６】アプリケーション・プログラムから供給さ
れたアプリケーションデータに基づいて印刷データを生
成する印刷情報生成装置において、印刷に関する諸条件に基づいて、前記印刷画像データへ
の新たな追加パターンの付加、または前記印刷画像デー
タの部分的な変更を実行させるか否かを選択する選択部
を備えることを特徴とする印刷情報生成装置。
【請求項７】前記印刷画像データへの新たな追加パター
ンの付加、および前記印刷画像データの部分的な変更の
少なくとも一方を行う隠しパターン生成部を備え、前記選択部は、印刷に関する諸条件に基づいて、前記隠
しパターン埋め込み手段による前記追加パターンの付
加、または前記印刷画像データの部分的な変更を実行さ
せるか否かを選択することを特徴とする印刷情報生成装
置。
【請求項８】印刷情報生成装置から供給された印刷デー
タに基づいて印刷画像データを生成して印字を行うプリ
ンタにおいて、前記印刷画像データへの新たな追加パターンの付加、お
よび前記印刷画像データの部分的な変更の少なくとも一
方を実行する隠しパターン生成部を備え、前記隠しパターン生成部は、前記印刷情報生成装置から
の指示に基づいて、前記印刷画像データへの前記追加パ
ターンの付加、または前記印刷画像データの部分的な変
更を実行することを特徴とするプリンタ。
【請求項９】アプリケーション・プログラムから供給さ
れたアプリケーションデータを印刷情報生成装置により
プリンタに対応する印刷データに変換し、この印刷デー
タに基づいて前記プリンタにより印刷画像データを生成
して印字を行う印刷方法において、印刷に関する諸条件に基づいて、前記印刷画像データへ
の新たな追加パターンの付加、または前記印刷画像デー
タの部分的な変更のいずれかを行うか否かを選択するこ
とを特徴とする印刷方法。
【請求項１０】アプリケーション・プログラムから供給
されたアプリケーションデータに基づいて印刷データを
生成するためのプログラムを記録したコンピュータ読み
取り可能な記録媒体において、印刷に関する諸条件に基づいて、前記印刷画像データへ
の新たな追加パターンの付加、または前記印刷画像デー
タの部分的な変更のいずれかを行うか否かを選択するプ
ログラムを記録した記録媒体。