JP2000307182A - 超短パルス光発生装置 - Google Patents

超短パルス光発生装置

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JP2000307182A
JP2000307182A JP11089499A JP11089499A JP2000307182A JP 2000307182 A JP2000307182 A JP 2000307182A JP 11089499 A JP11089499 A JP 11089499A JP 11089499 A JP11089499 A JP 11089499A JP 2000307182 A JP2000307182 A JP 2000307182A
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Japan
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laser
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pulse light
dye
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JP11089499A
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Fujitaro Imasaka
藤太郎 今坂
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Japan Science and Technology Agency
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Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単色のピコ秒レーザーを安定に発生させるこ
とができる超短パルス光発生装置を提供する。 【解決手段】 励起レーザー1を透過型回折格子4に通
し、1次回折光Aと−1次回折光Bを発生させ、2つの
光A,Bを発振段色素セル8上で重ねる。ここで発生す
る色素レーザーの波長は2つのビームを重ねた時の干渉
縞間隔で決まる。即ち波長はレーザー光の入射角θに依
存するので、色素レーザーの波長を波長計(ウエーブメ
ータ)24で測定し、その波長情報Sを制御用コンピュ
ータ25で処理してレーザー光の入射角θを決めるミラ
ー6,7の反射角調整機構26にフィードバックする。
これにより、色素レーザーの波長は温度等の影響を受け
ることなく、一定に保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超短パルス光発生
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】波長可変レーザーの波長を精度よく求め
るため、オプトガルバノ分光を用いる方法が実用化され
ている。すなわち、アルゴンなどの気体を封入したホロ
カソードランプにレーザー光を入射させ、共鳴励起に基
づくイオン電流の増大を検出する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の方法
は、安価で精度の高い測定を行うことができる。しかし
ながら、この方法は、校正できる波長が飛び飛びであ
り、しかも気体の種類によって予め決まっているので、
レーザー波長を常に掃引して用いることが前提になる。
換言すれば、波長を特定の値に固定して用いることはで
きない。したがって、レーザー波長の制御には適してい
ない。
【0004】一方、分光学においては、スペクトルある
いはダイナミクスを研究するため、ナノ秒色素レーザー
がよく用いられている。しかし、従来市販されているナ
ノ秒レーザーは、一般にフーリエ限界には達しておら
ず、フーリエ限界に達することができるようになれば、
パルス幅あるいはスペクトル幅のいずれかを、さらに2
桁程度狭くすることができる。
【0005】なお、スペクトル幅を若干狭くした高分解
能型装置は、一部製品化されているが、装置が複雑にな
ること、及び用途が限られることになるため、ほとんど
利用されていないのが現状である。
【0006】また、パルス幅を狭くすることは、実用的
な応用において、極めて魅力的である。たとえば、一般
に有機分子の励起寿命は数ナノ秒程度であり、そのダイ
ナミクスを研究するにはピコ秒レーザーが必要になる。
【0007】ところで、現在までに、ピコ秒波長可変レ
ーザーとしては、以下の2種類が市販されている。
【0008】(1)コンテニアム製ピコ秒YAGレーザ
ー励起色素レーザー この色素レーザーは、ピコ秒のパルス幅を有している
が、スペクトル幅が広く、気体分子の分光測定には適し
ていない。
【0009】(2)スペクトラフィジックス製モードロ
ックチタンサファイアレーザー(再生増幅器付き) このチタンサファイアレーザーは、単色性、パルス幅に
関しては問題ないが、波長が変化できるスペクトル領域
が限られる。また、装置が極めて高価で複雑なため、現
在のところほとんど利用されていない。
【0010】レーザーは、基礎研究はもとより、応用研
究においても、現在では幅広く利用されている。特に、
分光分析化学では、単色でパルス幅の短い波長可変レー
ザーの実用化が強く要望されている。しかし、下記の
(1)式の不確定性原理からも分かるように、時間幅
(Δt)とエネルギー幅(Δε)すなわちスペクトル幅
は相反する性質をもっており、両者を同時に無限に狭く
することはできない。
【0011】 ΔtxΔε≧h/2π …(1) 上記(1)式の等式の場合をフーリエ限界と呼ぶが、こ
のようなフーリエ限界パルスは、通常の分布帰還形色素
レーザーを用いることにより、比較的容易に発生できる
ことが知られている。この方式では、レーザー波長は、
次式より与えられる。
【0012】 λ=2nΛ …(2) =nλp /sinθ …(3) ここで、λはレーザーの発振波長、nはレーザー媒体の
屈折率、Λは色素セル表面で生じる干渉縞の間隔、λp
は励起レーザーの波長、θは励起レーザーの入射角であ
る。
【0013】上記(3)式によれば、レーザー発振波長
は、レーザー媒体の屈折率に比例する。通常液体や固体
の屈折率は、1.3〜1.5程度であり、温度により1
-4/℃程度変化する。したがって、レーザー媒体は、
励起レーザーにより加熱されるため、温度変化が生じ、
それにより、レーザー波長も常に変動することになる。
【0014】一方、通常のレーザーでは、単色化のため
の素子である回折格子は、空気中で使用する。空気の屈
折率は1.0003程度で、その変化は10-6/℃程度
である。したがって、通常レーザー波長の変動は無視す
ることができる。しかしながら、このように、分布帰還
型色素レーザーは、レーザー物質中で回折縞を作ること
によって単色化を実現しているので、発振波長の安定性
に問題がある。このため、上記したように、まだ製品と
して販売されるには至っていない。
【0015】本発明は、上記状況に鑑みて、単色のピコ
秒レーザーを安定に発生させることができる超短パルス
光発生装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕励起レーザーからのレーザー光を回折格子を通
し、1次回折光Aと−1次回折光Bを発生させ、前記2
つの回折光を色素セル上で重ねる超短パルス光発生装置
において、色素レーザーの波長を測定する波長計と、こ
の波長計からの波長情報をデータ処理する制御用コンピ
ュータと、この制御用コンピュータからの出力信号によ
り駆動される前記色素セルへのレーザー光の入射角θを
決めるミラーの反射角調整機構とを具備するようにした
ものである。
【0017】〔2〕上記〔1〕記載の超短パルス光発生
装置において、前記ミラーの反射角調整機構は、前記制
御用コンピュータからの出力信号によりフィードバック
制御され、前記色素レーザーの波長は温度等の影響を受
けることなく一定に保たれるように構成する。
【0018】〔3〕上記〔1〕記載の超短パルス光発生
装置において、前記ミラーの反射角調整機構は、前記制
御用コンピュータからの出力信号によりフィードバック
制御され、単色のピコ秒波長可変レーザーを安定に発生
させることができる。
【0019】〔4〕上記〔1〕記載の超短パルス光発生
装置において、前記回折格子からの0次の回折光は、中
心に設置したミラーで反射させ増幅段の励起光として用
いるようにしたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の実施例を示す超短パルス光
発生装置の全体構成図、図2はその超短パルス光発生装
置の波長制御機構の構成図である。
【0022】図1において、1は励起光レーザー(N
d:YAGレーザーの第3高調波)、2は凹レンズ、3
は円柱レンズ、4は透過型回折格子、5,6,7はミラ
ー、8は発振段色素セル、10はマルチパス増幅器であ
る。このマルチパス増幅器10は、増幅段色素セル1
1,反射ミラー12〜22、発振段色素セル8からのビ
ームを受ける反射ミラー23、波長計(ウエーブメー
タ)24、制御用コンピュータ25、ミラー反射角調整
機構26を備えている。
【0023】図1に示すように、励起光レーザー1を透
過型回折格子4に通し、1次回折光Aと−1次回折光B
を発生させ、これを発振段色素セル8上で重ねる。凹レ
ンズ2及び円柱レンズ3は、レーザー光を発振段色素セ
ル8表面上で線状に集光するために用いる。色素レーザ
ーの波長は、2つの回折光(ビーム)A,Bを重ねたと
きの干渉縞の間隔(Λ)、すなわちレーザー光の入射角
θにより決まる。このとき励起光強度を調整することに
より、ピコ秒のパルス幅を持つ単一パルスを発生するこ
とができる。
【0024】また、透過型回折格子4からの0次の回折
光は、中心に設置したミラー5で反射させ、増幅段の励
起光として用いることができる。発振段からのレーザー
光をマルチパス増幅器10における増幅段に多数回通過
させることにより、出力を次第に増強させる。
【0025】このように、励起光レーザー1を透過型回
折格子4に通し、1次回折光Aと−1次回折光Bを発生
させ、2つの回折光A,Bを発振段色素セル8上で重ね
る。ここで発生する色素レーザーの波長は2つのビーム
を重ねた時の干渉縞間隔で決まる。即ち、波長はレーザ
ー光の入射角θに依存するので、色素レーザーの波長を
波長計(ウエーブメータ)24で測定し、その波長情報
Sを制御用コンピュータ25で処理してレーザー光の発
振段色素セル8への入射角θを決めるミラー6,7の反
射角調整機構26にフィードバックする。これにより、
色素レーザーの波長は温度等の影響を受けることなく、
一定に保たれる。
【0026】次に、波長制御機構について図2を参照し
ながら説明する。
【0027】図2に示すように、制御用コンピュータ2
5からの出力制御信号Cは、ミラー6,7の反射角調整
機構31,32(角度θ1,θ2を調整)、ミラー6,
7の位置(Y方向の位置)調整機構33(D1の調
整)、レーザーの導入経路(Y方向の位置)の調整機構
34(D2)に入力されて、レーザーの波長制御を行う
ことができる。
【0028】このように構成したので、フーリエ限界パ
ルスを安定に発生するレーザー光発生装置を得ることが
できる。
【0029】また、最近、環境計測の分野においてダイ
オキシンを超音速分子ジェット分光法により分析する方
法が提案されている〔今坂藤太郎,化学,50(4),
56(1995)〕。このような場合に、ここで提案し
ている単色なピコ秒波長可変レーザーが極めて有効であ
り(特願平10−139590号:「高感度超音速分子
ジェット多光子イオン化質量分析装置」)、このような
分野への応用が期待される。
【0030】更に、図2に示したように、発振段におい
ては増幅段の逆方向にもレーザー出力が取り出せる。そ
のレーザー波長は、波長計24により測定することがで
きる。波長計24は内蔵しているヘリウムネオンレーザ
ーにより逐次波長を校正しているので、有効数字6桁以
上の精度で波長が決定できる。得られた値をフィードバ
ックして、レーザー波長を一定の値に保つ、あるいは指
定された速度で掃引することができる。
【0031】なお、本発明の分布帰還型レーザーと波長
計を組み合わせる方式は、色素レーザーの場合だけでな
く、固体素子を用いる波長可変レーザーの場合にも極め
て有効である。
【0032】また、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0033】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。
【0034】(A)フーリエ限界パルスを安定に発生す
るレーザー光発生装置を得ることができる。
【0035】(B)色素レーザーの波長は温度等の影響
を受けることなく、一定に保たれ、安定な単色のピコ秒
波長可変レーザーを発生させることができる。
【0036】(C)回折格子からの0次の回折光は、中
心に設置したミラーで反射させ、増幅段の励起光として
用いることにより、発振段からのレーザー光を増幅段に
多数回通過させることにより、出力を次第に増強させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す超短パルス光発生装置の
全体構成図である。
【図2】本発明の実施例を示す超短パルス光発生装置の
波長制御機構の構成図である。
【符号の説明】
1 励起光レーザー(Nd:YAGレーザーの第3高
調波) 2 凹レンズ 3 円柱レンズ 4 透過型回折格子 5,6,7 ミラー 8 発振段色素セル 10 マルチパス増幅器 11 増幅段色素セル 12〜23 反射ミラー 24 波長計(ウエーブメータ) 25 制御用コンピュータ 26 ミラー反射角調整機構 31,32 ミラーの反射角調整機構 33 ミラーの位置(Y方向の位置)調整機構 34 レーザーの導入経路(Y方向の位置)の調整機

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起レーザーからのレーザー光を回折格
    子を通し、1次回折光Aと−1次回折光Bを発生させ、
    前記2つの回折光を色素セル上で重ねる超短パルス光発
    生装置において、(a)色素レーザーの波長を測定する
    波長計と、(b)該波長計からの波長情報をデータ処理
    する制御用コンピュータと、(c)該制御用コンピュー
    タからの出力信号により駆動される前記色素セルへのレ
    ーザー光の入射角θを決めるミラーの反射角調整機構と
    を具備することを特徴とする超短パルス光発生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の超短パルス光発生装置に
    おいて、前記ミラーの反射角調整機構は、前記制御用コ
    ンピュータからの出力信号によりフィードバック制御さ
    れ、前記色素レーザーの波長は温度等の影響を受けるこ
    となく一定に保たれるように構成したことを特徴とする
    超短パルス光発生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の超短パルス光発生装置に
    おいて、前記ミラーの反射角調整機構は、前記制御用コ
    ンピュータからの出力信号によりフィードバック制御さ
    れ、単色のピコ秒波長可変レーザーを安定に発生させる
    ことを特徴とする超短パルス光発生装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の超短パルス光発生装置に
    おいて、前記回折格子からの0次の回折光は、中心に設
    置したミラーで反射させ増幅段の励起光として用いるこ
    とを特徴とする超短パルス光発生装置。
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