JP2000306866A - 中和用エネルギー線の位置合わせ方法および集束イオンビーム装置 - Google Patents

中和用エネルギー線の位置合わせ方法および集束イオンビーム装置

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JP2000306866A JP11113910A JP11391099A JP2000306866A JP 2000306866 A JP2000306866 A JP 2000306866A JP 11113910 A JP11113910 A JP 11113910A JP 11391099 A JP11391099 A JP 11391099A JP 2000306866 A JP2000306866 A JP 2000306866A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集束イオンビーム装置の、中和用エネルギー
線25aおよびイオンビーム39の照射位置同士を精度
良く合わせる。 【解決手段】 試料37に中和用エネルギー線を照射し
て、試料に中和用エネルギー線の照射範囲を反映させた
反映領域37aを形成する。反映領域を形成した試料を
イオンビームで走査して、反映領域の範囲を示す座標情
報として、イオンビームの走査座標軸上の座標情報を求
める。この求めた座標情報に基づいて、中和用エネルギ
ー線の照射範囲がイオンビームの予め定めた照射点に対
し許容される位置関係にあるかを判定する。この位置関
係を満たさないと判定された場合に、この位置関係を満
たすように、上記求めた座標情報に基づいて、中和用エ
ネルギー線の照射領域を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、集束イオンビー
ム(FIB)装置で生じるチャージアップの問題を低減
する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】FIB装置は、試料をマスクレスでエッ
チングする機能、試料への選択的な膜堆積機能および試
料の観察機能等、多彩な機能を有する。これら機能を実
現するため、FIB装置では、イオンビームが試料に照
射される。しかし、試料にイオンビームを照射すると、
試料にプラス電荷が蓄積される。すなわち、いわゆるチ
ャージアップが生じる。特に、試料が導電性に乏しいも
の(例えばホトマスクなど)の場合、顕著である。この
プラス電荷は、イオンビームの軌道を変動させる原因と
なったり、FIB装置に通常具わる2次イオン検出器が
2次イオン検出のため形成している電場を乱す等の原因
になり、そのため、2次イオンを検出できなくなる。
【0003】これらを回避するために、FIB装置は、
一般に、上記プラス電荷を中和するための中和器を具え
ている。この中和器は、中和用エネルギー線として、典
型的に電子ビームを発する。この中和器を有効に機能さ
せるためには、試料のイオンビームが照射された領域を
含む所定範囲に電子ビームを照射する必要がある。その
ため、イオンビームの照射位置と電子ビームの照射位置
とを合わせる必要がある。
【0004】このような照射位置を合わせる方法の1つ
として、ファラデーカップ(例えば文献1:社団法人電
気学会発行「新版電気工学ハンドブック」、昭和63年
2月、p513)を用いる方法がある。また、別の方法
として、同一試料を電子ビームおよびイオンビームでそ
れぞれで走査して2次電子像および2次イオン像をそれ
ぞれ求め、両走査で同様な像が得られるように、電子ビ
ームの照射領域をイオンビームの照射領域に合わせる方
法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ファラ
デーカップを用いる方法の場合、以下に説明する様な問
題点がある。ファラデーカップを用いる場合、一般に、
FIB装置の試料ステージの所定位置に設けたファラデ
ーカップに、該カップの一部に設けた開口部を通して、
イオンビームを入射する。そして、ファラデーカップで
検出されるイオン電流が最大になるように、ファラデー
カップに対するイオンビームの入射位置を調整すると、
イオンビームは、ファラデーカップの開口部のほぼ中心
に入射されるようになる。これにより、イオンビームの
位置を特定している。
【0006】電子ビームの位置を特定する場合も、上記
のイオンビームの場合と同様な手順で行う。しかし、フ
ァラデーカップの開口部は、一般に、1辺の長さが例え
ば100μmの四角形状の開口部である。これに対し
て、イオンビーム直径は例えば0.1μmφであり、ま
た、中和器で使用される電子ビーム直径は例えば200
μmφ程度である。
【0007】従って、イオンビームの位置の特定自体
は、イオンビームの直径がファラデーカップの開口部の
大きさに比べて充分に小さいので、精度良く行えるが、
電子ビームの位置の特定自体は、図5に示した様に、電
子ビーム1のビーム直径がファラデーカップ3の開口部
3aの大きさより大きいので、大雑把になる。すなわ
ち、理想的には、図5(B)に示した様に、電子ビーム
1の照射領域の中央にファラデーカップ3の開口部3a
が位置するのが好ましいにもかかわらず、図5(A)お
よび(C)に示した様に、電子ビーム1の照射領域の一
部がファラデーカップ3の開口部3a全体にかかりさえ
すれば、ファラデーカップ3が検出する電流は最大にな
ってしまう。従って、図5(A)および(C)それぞれ
ののような場合でも、見かけ上、電子ビーム1の位置は
特定されたことになってしまう。
【0008】このように特定された場合においても、例
えばファラデーカップでは電位がグランドに落ちている
のに対しフォトマスクなどの導電性の少ない試料上では
表面の電場状態が変化するので、電子ビームの照射位置
は、ファラデーカップ上と試料上とで変化する可能性が
あるため、必ずしも最適な位置に特定されたとはいえな
い。従って、イオンビームの照射位置と、電子ビームの
照射領域中の所定点(典型的には照射領域の中心点)と
を合わせたい場合、この従来の方法は好ましい方法では
なかった。
【0009】また、上述した従来の別の方法では2次電
子検出器と2次イオン検出器の双方が必要になるため、
装置が大がかりなものとなる。また、2次電子像および
2次イオン像の双方を生成して比較する必要があるた
め、画像処理自体も大変になる。この出願はこの様な点
に鑑みなされたものであり、従って、この出願の第1の
目的は、従来より簡便な方法で、イオンビームの照射位
置に対し中和用エネルギー線照射領域中の任意の位置を
合わせることが出来る中和用エネルギー線の位置合わせ
方法を提供することにある。
【0010】また、この出願の第2の目的は、上記位置
合わせ方法の発明の実施を容易にするFIB装置を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この第1の目的の達成を
図るため、中和用エネルギー線の位置合わせ方法の発明
によれば、試料に中和用エネルギー線を照射して、試料
に中和用エネルギー線の照射範囲を反映させた反映領域
を形成する第1の工程と、反映領域を形成した試料をイ
オンビームで走査して、反映領域の範囲を示す座標情報
として、イオンビームの走査座標軸上の座標情報を求め
る第2の工程と、このように求めた座標情報に基づい
て、前記中和用エネルギー線の照射範囲が前記イオンビ
ームの予め定めた照射点に対し許容される位置関係にあ
るかを判定する第3の工程と、この第3の工程で上述の
位置関係を満たさないと判定された場合に実行され、こ
の位置関係を満たすように、第3の工程で得た情報に基
づいて、中和用エネルギー線の照射領域を変更する第4
の工程とを含むことを特徴とする。
【0012】この中和用エネルギー線の位置合わせ方法
の発明によれば、中和用エネルギー線自体で、試料に、
中和用エネルギー線が照射される範囲に対応する反映領
域を形成する。そして、中和用エネルギー線の位置合わ
せ対象であるイオンビーム自体で、反映領域の座標情報
を求める。そして、この求めた座標情報に基づいて、中
和用エネルギー線の照射範囲がイオンビームの予め定め
た照射点に対し許容される位置関係にあるかを判定し、
この位置関係を満たさない場合はそれを満たす様に中和
用エネルギー線の照射領域を変更する。従って、ファラ
デーカップを用いることなく、また、2次電子検出器お
よび2次イオン検出器の双方を用いることなく、イオン
ビームの予め定めた照射点と、中和用エネルギー線の照
射領域内の任意の点とを、予め定めた許容範囲内に位置
合わせすることができる。
【0013】なお、中和用エネルギー線の照射範囲を示
す座標情報に基づいて、中和用エネルギー線の照射範囲
がイオンビームの予め定めた照射点に対して許容される
位置関係にあるかを判定する好ましい方法として、例え
ば、以下の方法を挙げることができる。すなわち、上記
の座標情報から予め定めた条件に従い中和用エネルギー
線についての所定の点を割り出す。そして、この所定の
点が、イオンビームの予め定めた照射点に対して座標上
の所定の範囲内に在るか否かで判定する方法を挙げるこ
とができる。そして、中和用エネルギー線の照射領域を
変更する必要がある場合は、上記割り出された所定の点
と、上記予め定めた照射点とのズレ量に基づいて照射領
域を変更するのが良い。
【0014】なお、反映領域の座標情報から割り出され
る所定の点とは、反映領域中の設計に応じた任意の点で
ある。これに限られないが、典型的には、例えば、反映
領域の中心点または左上点または右上点または左下点ま
たは右下点等とすることができる。典型的には、反映領
域の中心点が良い。また、イオンビームの予め定めた照
射点とは、設計に応じた任意の点である。典型的には、
イオンビームを走査させる走査電極(図1中の13d参
照)に初期化電圧をかけた状態(電圧0の場合も含む)
においてイオンビームが試料を照射する点とすることが
できる。勿論、走査電極に所定のバイアス電圧をかけた
状態でイオンビームが試料を照射する点でも良い。
【0015】また、この出願の第2の目的の達成を図る
ため、この発明のFIB装置は、処理室と、イオンビー
ム供給部と、排気部と、中和器と、反映領域形成部と、
反映領域検出部と、中和用エネルギー線位置判定部と、
中和用エネルギー線照射領域変更部とを含む構成となっ
ている。ただし、処理室は、内部を真空雰囲気に出来、
内部にイオンビームを走行させることができおよび内部
に試料が収容されるものである。イオンビーム供給部は
イオンビームを試料に供給するものである。排気部は処
理室内部に真空雰囲気を形成するものである。中和器
は、イオンビームを試料に照射した際にこの試料に蓄積
される電荷を中和するための中和用エネルギー線を試料
の任意の範囲に照射するものである。反映領域形成部
は、試料に中和用エネルギー線を照射して、試料に中和
用エネルギー線の照射範囲に対応する反映領域を形成す
るものである。反映領域検出部は、反映領域を形成した
試料をイオンビームで走査して、反映領域の範囲を示す
座標情報として、イオンビームの走査座標軸上の座標情
報を求めるものである。中和用エネルギー線位置判定部
は、反映領域検出部で求めた座標情報に基づいて、中和
用エネルギー線の照射領域がイオンビームの予め定めた
照射点に対し許容される位置関係にあるかを判定するも
のである。中和用エネルギー線照射領域変更部は、中和
用エネルギー線位置判定部で上述の判定条件を満たさな
いと判定された場合に動作するもので、然も、反映領域
検出部が求めた座標情報に基づいて、中和器の照射範囲
を、上述の判定条件を満たす様に変更するものである。
【0016】このFIB装置の発明によれば、この出願
の中和用エネルギー線の位置合わせ方法を容易に実施す
ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの出願の
中和用エネルギー線の位置合わせ方法およびFIB装置
の各発明の実施の形態について説明する。なお、以下の
説明に用いる各図はこれら発明を理解出来る程度に各構
成成分を概略的に示してあるにすぎない。また、各図に
おいて同様な構成成分については同一の符号を付すと共
にその重複する説明を省略することもある。
【0018】図1は、中和用エネルギー線の位置合わせ
方法の発明の実施に好適な集束イオンビーム(FIB)
装置10を説明するための、装置の概略的な構成図であ
る。このFIB装置10は、処理室11、イオンビーム
供給部13、排気部15、ガス供給部17、試料ステー
ジ19、2次イオン検出器21、画像形成装置23、中
和器25、反映領域形成部27、反映領域検出部29、
中和用エネルギー線位置判定部31、中和用エネルギー
線照射領域変更部33および制御部35を具える。
【0019】なお、図1では、試料ステージ19上に試
料37を具えた状態を示してある。この試料37は、半
導体素子や半導体素子が多数作り込まれたウエハ等、ま
たは、光、X線等のリソグラフィ用マスク等、任意の試
料とすることができる。処理室11は、その内部に真空
雰囲気を形成できると共に、イオンビーム39が走行で
き、然も、試料37を出し入れできる室である。この実
施の形態の場合の処理室11は、試料ステージ19等を
収容する第1室部分11aと、イオンビーム供給部13
等を収容していて筒状の形状を持つ第2室部分11bと
で構成してある。
【0020】イオンビーム供給部13は、試料37に対
し、イオンビーム39を、所望のビーム径をもつ集束イ
オンビームの状態で供給する。然も、試料37の任意の
位置にイオンビーム39を照射でき、かつ、試料37の
任意の領域に対しイオンビーム39を走査できる。その
ため、この構成例のイオンビーム供給部13は、イオン
源13a、引き出し電極13b、ブランキング電極13
c、走査電極13dおよび対物レンズ13eを具えてい
て、周知の通り、この順で第2室部分11b内に配置さ
れている。
【0021】イオン源13aは、試料37に照射するた
めのイオンを発生する。このイオン源13aは、処理室
11の第2室部分11bの頂部付近に設けてある。この
イオン源13aは、1種類のイオンを発生するイオン源
でも良く、2種類以上のイオンを発生してそれらのうち
の任意の1種を選択的に取り出すことができるイオン源
でも良い。任意のイオン源の中でも、ガリウムイオン源
は、ガリウム自体が融点が低い等の理由からイオン源を
設計し易いため、特に好ましい。また、シリコンイオン
源も、シリコンを用いる半導体に対して不純物になりに
くい点で、好ましい。
【0022】引き出し電極13bは、イオン源13aで
発生されたイオンを試料37の側に引き出す。ブランキ
ング電極13cは、試料37へのイオンビーム39の照
射を停止したいときに使用される電極である。具体的に
は、試料37に向かうイオンビーム39を試料37に向
かう方向とは異なる方向に向けることができ、これによ
り、試料37へのイオンビーム39の照射を停止する。
【0023】走査電極13dは、イオンビーム39を、
試料37上を、走査させる。対物レンズ13eは、イオ
ンビーム39を集束させる。また、排気部15は、処理
室11内を所望の真空度の真空状態にするもので、任意
好適な真空ポンプで構成してある。図1に示す構成例で
はこの排気部15を第1室部分11aに接続してある。
【0024】ガス供給部17は、FIB装置10に膜堆
積機能を発現させるために設ける。図1に示したFIB
装置10は、第1〜第3のガス供給手段17a〜17c
と、ガスを所定の限られた領域に吹き付けるためのガス
銃17dとを含む。このガス銃17dは、図1の構成例
では、第1室部分11aに設けられていて、試料37に
向けて設置されている。勿論、ガス供給手段の数は1例
にすぎない。また、ガス銃17dの数も1つに限られな
い。ガス供給手段毎にガス銃を設けても良い。
【0025】第1〜第3のガス供給手段17a〜17c
のうちの1または2以上の手段自体は、試料37に、こ
の発明でいう反映領域を、薄膜形成用のガスを用いて形
成する場合の、当該ガス供給手段としても、使用でき
る。これら第1〜第3のガス供給手段17a〜17c自
体は、用いるガスの種類に応じた任意好適な構成とす
る。すなわち、用いるガスのガス源がそもそも気体であ
るなら、ガス供給手段は、例えば、図1中の第2のガス
供給手段17bに示した様に、ガスを充填したボンベ1
7b1、流量を制御するコントロールバルブ17b2、
真空ゲージ17b3、バッファ17b4などを具えた構
成とすることができる。また、用いるガスのガス源がそ
もそも液体または固体であって然もこのガス源を加熱す
る必要がある場合は、ガス供給手段は、ガス源を加熱す
る手段や、流量をコントロールする手段などを具えた構
成(図示せず)とすることができる。
【0026】また、図1の構成例では、第1〜第3のガ
ス供給手段17a〜17c各々とガス銃17dとの間
に、バルブ18a〜18cのいずれかを設けてある。こ
れらバルブ18a〜18cにより、第1〜第3のガス供
給手段17a〜17cそれぞれと、ガス銃17dとの接
続関係を制御できる。試料ステージ19は、試料37を
載せると共に、試料37をx、yおよびzの三方向上の
任意の位置に移動することができるステージである。こ
こで、z方向とはイオン源13aと試料ステージ19と
を結ぶ線分に沿う方向であり、x、y方向とは、このz
方向に垂直な平面を構成する互いに直交する方向であ
る。このxy平面が試料37の搭載面となっている。
【0027】2次イオン検出器21は、試料37にイオ
ンビーム39を照射したとき、試料37から出る2次イ
オンを受けて、その強度を電流の強弱に変換して画像形
成装置(例えば走査型イオン顕微鏡(SIM))23に
出力する。この2次イオン検出器21は、第1室部分1
1a内の、かつ、2次イオンを受けるのに最適な位置
に、設けてある。
【0028】画像形成装置23は、試料37のイオンビ
ームが照射された各点での2次イオン放出能に応じた像
を形成して表示部23aに表示する。従って、このFI
B装置10をSIMとして利用できる。この機能は、例
えば、試料を観察する場合等に利用することができる。
これら2次イオン検出器21および画像形成装置23自
体の構造は周知であるので、ここではその詳細な説明を
省略する。
【0029】中和器25は、試料37にイオンビーム3
9を照射した際に試料37に蓄積される電荷を中和する
ための中和用エネルギー線を発する。現在のところ、イ
オンビーム39はプラスイオンのビームであるので、中
和用エネルギー線としては、電子ビーム、またはマイナ
スイオンのビームが考えられる。この実施の形態では、
中和器25として、公知の電子ビームを発するものを用
いる。
【0030】反映領域形成部27は、試料37に中和器
25から中和用エネルギー線を、例えば中和作業のとき
と同様な条件で照射して、試料37に中和用エネルギー
線の照射範囲を反映させた反映領域(図2参照)を形成
する。なお、反映領域を形成する際に、中和用エネルギ
ー線を中和作業の時と同様な条件とするのではなく、中
和作業時の領域に対して所定の関係で狭い領域としても
良い。また、反映領域自体は、試料37の、イオンビー
ムによる本来の加工領域でない領域に、形成するのが良
い。こうすれば、試料37を無駄にすることなく、然
も、本来の加工に支障なく反映領域を形成できる。
【0031】また、反映領域を形成する具体的かつ好ま
しい方法として、詳細は後述するが、この発明では、
コンタミネーションに起因する膜を下地に形成する方
法、薄膜形成用のガスに由来の膜を下地に形成する方
法、下地の一部分を変質させる方法を、主張する。そ
こで、反映領域形成部27は、排気部15、ガス供給部
17および中和器25に対して、上記〜の方法に応
じた処理動作をさせる機能を持つ。この反映領域形成部
27は、例えば、排気部15、ガス供給部17および中
和器25等に上記〜の方法に応じた処理動作をさせ
るように、制御部35と協同して動作する電子回路(マ
イコン等を含む)で構成することができる。
【0032】なお、この反映領域形成部27は、好まし
くは、現在の中和用エネルギー線の照射条件(具体的に
は、電子ビームを現在の照射範囲に偏向させている偏向
電場形成条件)を記憶するメモリを有した構成とするの
が良い。中和用エネルギー線の照射条件を変更する際に
便利だからである。反映領域検出部29は、反映領域を
形成した試料をイオンビーム39で走査して反映領域の
範囲を検出する。その際に、反映領域の範囲を示す座標
情報として、イオンビームの走査座標軸上での座標情報
を求める。
【0033】反映領域検出部29は、例えば、以下のよ
うに構成することができる。反映領域を形成した試料を
イオンビームで走査した場合、イオンビームが試料の反
映流域以外の部分上を走査しているときと、反映領域上
を走査しているときとでは、試料から発せられる2次イ
オンは異なる。従って、このような相違を、2次イオン
検出器21で検出される2次イオンデータから見出すこ
とで、反映領域を検出できる。然も、2次イオンの発生
状況が変化したときに対応するイオンビームの座標情報
を把握することで、反映領域の範囲を示す座標情報を求
めることができる。この反映領域検出部29自体は、2
次イオン検出器から画像を形成する際の公知の技術を利
用することで構成できる。なお、反映領域検出部29
は、好ましくは、上記座標情報を記憶するメモリを有す
る構成とするのが良い。
【0034】なお、反映領域を検出する方法として、
(a)試料自体から発せられる2次イオンに着目し、こ
れが検出できない領域を反映領域とみなす検出方法、
(b)反映領域自体から発せられる2次イオンに着目
し、これが検出される領域を反映領域とみなす検出方
法、(c)上記方法(a)および方法(b)を併用する
方法が考えられるが、いずれの方法を用いても良い。
【0035】中和用エネルギー線位置判定部31は、イ
オンビーム39の予め定めた照射点(例えば走査電極1
3dに初期化電圧を加えた状態でイオンビーム39が試
料を照射する点)に対して、中和器25から現行の条件
で出力されている中和用エネルギー線の照射範囲がどの
ような位置関係かを判定する。そのため、この実施の形
態の判定部31は、反映領域検出部29が求めた中和用
エネルギー線の照射範囲を示す座標情報から予め定めた
条件で割り出される点(例えば、照射範囲の中心点)の
座標と、上記のイオンビームの照射点座標とを比較し、
両者が一致するかまたは予め定めた許容範囲に含まれる
か判定する判定部となっている。このような判定部31
は、メモリ、論理回路および比較回路を含む公知の電子
回路で構成することができる。
【0036】中和用エネルギー線照射領域変更部33
は、中和用エネルギー線位置判定部31で上記位置関係
を満たさないと判定された場合に動作する。然も、反映
領域検出部29が求めた座標情報に基づいて、中和器2
5の照射範囲を、上記の判定条件を満たすように変更す
る。この実施の形態の場合、この変更部33が動作する
のは、イオンビームの予め定めた照射点と、反映領域検
出部29が求めた座標情報から割り出される所定点との
ズレが許容範囲を越えるときであるので、このズレ量が
許容範囲になるように、中和用エネルギー線の照射領域
を変更する。照射領域の変更自体は、中和用エネルギー
線を偏向させる偏向電場条件を変更することで行える。
なお、中和用エネルギー線のいままでの照射条件(偏向
電場条件)を記憶しておくと、これを補正するのみで目
的の変更が行えるので、好ましい。
【0037】制御部35は、処理室11、イオンビーム
供給部13、排気部15、ガス供給部17、試料ステー
ジ19、2次イオン検出器21、画像形成装置23、反
映領域形成部27、反映領域検出部29、中和用エネル
ギー線位置判定部31および中和用エネルギー線照射領
域変更部33それぞれが、所定の動作をするように、こ
れらを制御する。この制御部35は、例えばコンピュー
タと適正位置に設けたセンサと電子回路とを含む装置で
構成することができる。
【0038】またこのような制御は、例えば、処理室の
真空度、中和用エネルギー線の照射条件、イオンビーム
強度、2次イオン検出条件など予め例えば実験的に調べ
ておいて、制御部35がこれらパラメータを真空計等で
監視し、かつ、予め定めた手順に従う動作を制御するこ
とで実現できる。次に、この発明の中和用エネルギー線
の位置合わせ方法の実施の形態について説明する。ここ
では、図1を参照して説明したFIB装置10を用いて
位置合わせをする例を説明する。この説明を図2〜図3
を参照して行う。これら図は、FIB装置10の特に、
ガス銃17d、2次イオン検出器21、中和器25およ
び試料37を設けた付近に着目した図である。
【0039】この発明の位置合わせ方法では、先ず、試
料37の一部に中和器25の中和用エネルギー線を照射
して、試料37に中和用エネルギー線25aの照射範囲
を反映させた反映領域37aを形成する(図2(A)、
(B))。反映領域37aを形成する方法として種々の
方法がある。第1の方法として、試料37を収容した処
理室11の環境を、試料37の中和用エネルギー線25
a照射部分にコンタミネーションに起因する膜が堆積す
るような環境とした状態で、試料37の一部分に中和用
エネルギー線を照射する方法がある。ここで、環境と
は、典型的には真空度とする。
【0040】この第1の方法によれば、反映領域37a
に相当する部分にコンタミネーションに起因する膜が堆
積するので、この膜自体が反映領域37aとしての機能
を示す。この第1の方法を実施する場合の処理室の環境
例えば真空度は、例えば実験によって決めることができ
る。この様な真空度として、これに限られないが、10
7 Torrより低真空側の真空度とするのが良い。ま
た、コンタミネーションに起因する膜として、典型的に
は、炭化水素を含む膜が形成される。
【0041】また、処理室の環境が、試料に中和用エネ
ルギー線を照射しても該照射領域上にコンタミネーショ
ンに起因する膜が生じる環境でない場合、例えば処理室
の真空度がコンタミネーションが生じない程度に良い場
合、反映領域37aを形成する第2の方法として、以下
の方法を用いるのが良い。すなわち、図4に示した様
に、薄膜形成用のガスをガス銃17dにより試料37に
吹き付けた状態で中和用エネルギー線25aを試料37
に照射して、このガス由来の膜を試料37に形成するの
が良い。この第2の方法の場合、このガス由来の膜自体
が、反映領域37aとしての機能を示す。
【0042】薄膜形成用のガスとして、試料37の材質
と区別がつく膜を形成できるガスを用いる。これに限ら
れないが、このようなガスとして、炭化水素系のガスが
好ましい。なお、中和用エネルギー線と薄膜形成用ガス
とで、このガス由来の膜を堆積させる条件は、例えば実
験によって決めることができる。また、試料37自体
が、中和用エネルギー線25aの強度次第で、該エネル
ギー線照射部が変質する場合、この様な変質部を作成し
てこれを反映領域37aとして用いても良い。変質部を
形成するための中和用エネルギー線の照射条件は、例え
ば実験により決めることができる。また、中和用エネル
ギー線の強度次第で照射部が変質する試料として、例え
ばCaF2(フッ化カルシウム)を挙げることができ
る。そして、フッ化カルシウムの場合、電子ビーム照射
部分はCaOに変化する。
【0043】上記のいずれかの方法で反映領域37aを
形成した後、中和用エネルギー線を停止し、次に、この
試料をイオンビーム39で走査して反映領域37aを検
出する(図2(C))。具体的には、反映領域37aを
含む試料37をイオンビーム39で走査しながら、試料
で生じる2次イオンを2次イオン検出器21で検出す
る。試料37の反映領域37a以外の領域37bから得
られる2次イオンと、反映領域37aから得られる2次
イオンとは異なるので、この違いから、反映領域37a
の範囲を特定できる。然も、反映領域37a上を走査し
ている時のイオンビームの座標情報は、イオンビーム供
給部13での公知の技術で知ることができる。具体的に
は、反映領域37aの左上点にイオンビームが来た時の
座標情報(x1,y1)や、反映領域37aの右下点に
イオンビームが来た時の座標情報(x2,y2)は、イ
オンビーム供給部13の走査座標の情報として知ること
ができる。
【0044】次に、上記求めた座標情報に基づいて、中
和用エネルギー線の照射領域が、イオンビームの予め定
めた照射点Qに対して許容される位置関係にあるかを判
定する(図3)。この判定は例えば以下の様に行うこと
ができる。反映領域37aについて求めた座標情報から
予め定めた条件で所定の点Pを求める。この所定の点P
は、例えば、上記の左上点(x1,y1)でも良いし、
右下点(x2,y2)でも良いし、他の任意の点でも良
い。図3の例では、この所定の点Pを反映領域37aの
中心点とする。すなわち、((x1+x2)/2,(y
1+y2)/2)とする。また、照射点Qも任意とでき
るが、ここでは、イオンビームの走査電極に電圧を印加
していない状態でイオンビームが試料を照射する点(初
期照射点)とする。
【0045】この所定の点Pの座標が初期照射点Qの座
標と一致するか、予め定めた許容範囲内で近接している
場合は、中和用エネルギー線の照射位置とイオンビーム
の照射位置とが合っていると判定する。そうでない場
合、両者の照射位置は合っていないので、P点およびQ
点のズレが許容範囲内になるように、中和器25の中和
用エネルギー線の照射領域を変更する。照射領域の変更
は、中和用エネルギー線(電子ビーム)の偏向電場を適
正に補正することで行える。なお、中和用エネルギー線
の照射位置を変更する代わりに、試料37の本来の加工
領域の位置と、イオンビーム39の照射位置とを、現在
の中和用エネルギー線の照射領域の中心点に合わせても
良い。
【0046】この一連の処理により、中和用エネルギー
線の照射領域と、イオンビームの照射位置とは、中和に
効果的な位置関係に位置合わせされる。中和用エネルギ
ー線の照射領域を変更し終えたら、必要に応じて、図2
(A)〜図3を用いて説明したこの発明の処理を再び繰
り返して、中和用エネルギー線の照射位置とイオンビー
ムの照射位置とが許容される位置関係に修正されたかを
確認する。この様な確認作業をすれば、位置合わせをよ
り確実に行える。
【0047】上述においては、この発明の実施の形態に
ついて説明したが、この発明は上述した実施の形態に何
ら限定されず多くの変形又は変更を加えることができ
る。例えば、FIB装置の各構成成分の配置は図1の例
に限られない。また、処理室11、イオンビーム供給部
13、ガス供給部17、反映領域形成部27、反映領域
検出部29、中和用エネルギー線位置判定部31、中和
用エネルギー線照射領域変更部33などの構成は上述の
例に限られない。
【0048】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
発明の中和用エネルギー線の位置合わせ方法によれば、
試料に中和用エネルギー線自体で該エネルギー線の照射
範囲が反映された領域を形成し、この領域の座標情報
を、イオンビーム自体で、イオンビームの走査座標軸上
の座標情報として検出する。そして、この座標情報に基
づいて、中和用エネルギー線の照射位置と、イオンビー
ムの予め定めた照射点とが許容される位置関係にあるか
否かを判定し、満足しない場合に変更をする。
【0049】従って、ファラデーカップを用いることな
く、また、2次電子検出器および2次イオン検出器の双
方を用いることなく、イオンビームの予め定めた照射点
と、中和用エネルギー線の照射領域内の任意の点とを、
予め定めた許容範囲内に位置合わせすることができる。
また、この出願のFIB装置によれば、所定の処理室
と、イオンビーム供給部と、排気部と、中和器と、反映
領域形成部と、反映領域検出部と、中和用エネルギー線
位置判定部と、中和用エネルギー線照射領域変更部とを
具えるので、本発明の位置合わせ方法の実施を容易にす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のFIB装置を説明する図である。
【図2】位置合わせ方法の実施の形態を説明する工程図
である。
【図3】位置合わせ方法の実施の形態を説明する図2に
続く工程図である。
【図4】反映領域の形成方法の具体例を説明する図であ
る。
【図5】課題を説明する図である。
【符号の説明】
10:実施の形態のFIB装置 11:処理室 13:イオンビーム供給部 15:排気部 17:ガス供給部 17a:第1のガス供給手段 17b:第2のガス供給手段 17c:第3のガス供給手段 17d:ガス銃 19:試料ステージ 21:2次イオン検出器 23:画像形成装置 25:中和器 27:反映領域形成部 29:反映領域検出部 31:中和用エネルギー線位置判定部 33:中和用エネルギー線照射領域変更部 35:制御部 37:試料 37a:反映領域 39:イオンビーム P:反映領域中の所定の点 Q:イオンビームの予め定めた照射点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 良二 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 Fターム(参考) 5C001 BB03 BB06 BB07 CC08 DD01 5C034 DD06 DD09 5F004 AA16 BA17 BB01 CB01 EA39 5F103 AA06 BB51 BB56

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンビームを試料に照射した際に該試
    料に蓄積される電荷を、該試料に中和用エネルギー線を
    照射して中和するに当たっての、前記中和用エネルギー
    線と前記イオンビームとの照射位置を合わせる方法にお
    いて、 前記試料に前記中和用エネルギー線を照射して、該試料
    に該中和用エネルギー線の照射範囲を反映させた反映領
    域を形成する第1の工程と、 前記反映領域を形成した前記試料を前記イオンビームで
    走査して、前記反映領域の範囲を示す座標情報として、
    前記イオンビームの走査座標軸上の座標情報を求める第
    2の工程と、 前記求めた座標情報に基づいて、前記中和用エネルギー
    線の照射範囲が前記イオンビームの予め定めた照射点に
    対し許容される位置関係にあるかを判定する第3の工程
    と、 前記第3の工程で前記位置関係を満たさないと判定され
    た場合に実行され、前記位置関係を満たすように、前記
    座標情報に基づいて、前記中和用エネルギー線の照射領
    域を変更する第4の工程とを含むことを特徴とする中和
    用エネルギー線の位置合わせ方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の中和用エネルギー線の
    位置合わせ方法において、 前記反映領域の形成は、前記試料を収容する処理室の環
    境を、前記試料の前記中和用エネルギー線の照射された
    領域上にコンタミネーションに起因する膜が生じるよう
    な環境とした条件下で、前記中和用エネルギー線を前記
    試料に照射して該試料上に該膜を形成することで行うこ
    とを特徴とする中和用エネルギー線の位置合わせ方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の中和用エネルギー線の
    位置合わせ方法において、 前記試料を収容する処理室の環境が、前記試料に前記中
    和用エネルギー線を照射しても該照射領域上にコンタミ
    ネーションに起因する膜が生じる環境でない場合、前記
    反映領域の形成は、前記処理室内に薄膜形成用のガスを
    供給した状態で前記中和用エネルギー線を前記試料に照
    射して、該試料上に前記ガス由来の膜を形成することで
    行うことを特徴とする中和用エネルギー線の位置合わせ
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の中和用エネルギー線の
    位置合わせ方法において、 前記試料が前記中和用エネルギー線の強度次第で変質す
    る材質の試料の場合、 前記反映領域の形成は、前記試料に中和用エネルギー線
    を前記試料を変質させる強度条件下で照射して前記試料
    に変質領域を形成することで行うことを特徴とする中和
    用エネルギー線の位置合わせ方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の中和用エネルギー線の
    位置合わせ方法において、 前記反映領域の範囲を示す座標情報は、前記イオンビー
    ムが前記反映領域上を走査しているときとそれ以外の領
    域上を走査しているときでの、前記試料からの2次イオ
    ンの発生具合が相違することを利用して求めることを特
    徴とする中和用エネルギー線の位置合わせ方法。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の中和用エネルギー線の
    位置合わせ方法において、 前記薄膜形成用のガスを、前記中和用エネルギー線照射
    領域の付近に選択的に供給するガス銃を用いて、供給す
    ることを特徴とする中和用エネルギー線の位置合わせ方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の中和用エネルギー線の
    位置合わせ方法において、 前記中和用エネルギー線として電子ビームを用いること
    を特徴とする中和用エネルギー線の位置合わせ方法。
  8. 【請求項8】 内部を真空雰囲気に出来、内部にイオン
    ビームを走行させることができおよび内部に試料が収容
    される処理室と、 前記イオンビームを供給するイオンビーム供給部と、 前記処理室内を排気する排気部と、 前記イオンビームを前記試料に照射した際に該試料に蓄
    積される電荷を中和するための中和用エネルギー線を前
    記試料の任意の範囲に照射する中和器と、 前記試料に前記中和用エネルギー線を照射して、該試料
    に該中和用エネルギー線の照射範囲を反映させた反映領
    域を形成する反映領域形成部と、 前記反映領域を形成した前記試料を前記イオンビームで
    走査して、前記反映領域の範囲を示す座標情報として、
    前記イオンビームの走査座標軸上の座標情報を求める反
    映領域検出部と、 前記反映領域検出部で求めた前記座標情報に基づいて、
    前記中和用エネルギー線の照射範囲が前記イオンビーム
    の予め定めた照射点に対し許容される位置関係にあるか
    を判定する中和用エネルギー線位置判定部と、 前記中和用エネルギー線位置判定部で前記位置関係を満
    たさないと判定された場合に動作し、前記求めた座標情
    報に基づいて、前記中和器の照射範囲を、前記判定条件
    を満たす様に変更する中和用エネルギー線照射領域変更
    部とを含むことを特徴とする集束イオンビーム装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の集束イオンビーム装置
    において、 前記反映領域形成部は、前記処理室内の環境を、前記試
    料の前記中和用エネルギー線の照射された領域上にコン
    タミネーションに起因する膜が生じるような環境とした
    条件下で、前記中和用エネルギー線を前記試料に照射し
    て該試料上に前記膜を生じさせるものであることを特徴
    とする集束イオンビーム装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の集束イオンビーム装
    置において、 前記処理室の環境が、前記試料に前記中和用エネルギー
    線を照射しても該照射領域上にコンタミネーションに起
    因する膜が生じる環境でない場合、前記反映領域形成部
    は、前記試料を収容する処理室内に薄膜形成用のガスを
    供給するガス源を含み、該ガスを供給した状態で前記中
    和用エネルギー線を前記試料に照射して該試料上に前記
    ガス由来の膜を形成するものであることを特徴とする集
    束イオンビーム装置。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の集束イオンビーム装
    置において、 前記試料が前記中和用エネルギー線の強度次第で変質す
    る材質の試料の場合、 前記反映領域形成部は、前記試料に中和用エネルギー線
    を前記試料を変質させる強度条件下で照射して前記試料
    に変質領域を形成するものであることを特徴とする集束
    イオンビーム装置。
  12. 【請求項12】 請求項8に記載の集束イオンビーム装
    置において、 前記反映領域検出部は、前記試料をイオンビームで走査
    する際に該試料で生じる2次イオンを監視する2次イオ
    ン検出器を含み、前記イオンビームが前記反映領域上を
    走査しているときとそれ以外の領域上を走査していると
    きでの、前記試料からの2次イオンの発生具合が相違す
    ることを利用して前記検出を行うものであることを特徴
    とする集束イオンビーム装置。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載の集束イオンビーム
    装置において、 前記反映領域形成部は、さらに、前記薄膜形成用のガス
    を前記試料の前記中和用エネルギー線照射領域付近に選
    択的に供給するためのガス銃を具えることを特徴とする
    集束イオンビーム装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018512718A (ja) * 2015-02-10 2018-05-17 ノヴァ メジャリング インスツルメンツ インコーポレイテッド 二次イオン質量分析を用いた半導体測定および表面分析のためのシステムならびに手法

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