JP2000304574A - エンコーダ - Google Patents

エンコーダ

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JP2000304574A
JP2000304574A JP11109463A JP10946399A JP2000304574A JP 2000304574 A JP2000304574 A JP 2000304574A JP 11109463 A JP11109463 A JP 11109463A JP 10946399 A JP10946399 A JP 10946399A JP 2000304574 A JP2000304574 A JP 2000304574A
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泰 金田
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公 石塚
Hidejiro Kadowaki
秀次郎 門脇
Shigeki Kato
成樹 加藤
Takayuki Kadoshima
孝幸 門島
Sakae Horyu
榮 法隆
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Abstract

(57)【要約】 【課題】物体の位置を検出するエンコーダにおいて、光
源部の光量変化等が起きても、インクリメンタル信号と
物体の絶対位置を決定する原点信号の同期を安定して得
ることのできる原点計測センサを実現すること。 【解決手段】物体の位置を検出するエンコーダにおい
て、該エンコーダのディスクまたはスケール上に形成し
た原点信号生成マークより位置間隔が不変な2つ以上の
信号を検出し、該2つ以上の検出信号の差動信号から原
点信号を作って、インクリメンタル信号と同期させるこ
とを特徴とするエンコーダの原点計測センサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はFA等の産業用の高精
度長さ、或いは角度測定装置に用いられるインクリメン
タルエンコーダに関し、特に対象物体に光を照射し、該
物体から得られる光の情報を利用するエンコーダに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりFA等の産業用の高精度な位置決
め装置における光ピックアップや光学測定装置では対象
物体を照射し、該物体からの透過光や反射光を受光し
て、透過もしくは反射する物体の情報を求めるエンコー
ダが幅広く利用されている。エンコーダでは位置ずれを
パルス列に変換し、該パルス数を計数して相対位置ずれ
を検出するが、絶対位置は原点位置信号を発生させ、該
原点信号にてカウンタをゼロリセットして求めることに
なっている。
【0003】上記のエンコーダはインクリメンタルエン
コーダと呼ばれ、直進移動の変位を検出するリニアエン
コーダと、回転変位を検出するロータリエンコーダとが
知られている。今日これらの光学測定装置に要求されて
いるのは、小型化、高精度化という項目である。
【0004】近年FAの分野では、高精度化への要求に応
じ、インクリメンタルエンコーダ信号の発生を回折格子
の相対移動による回折光の波面の位相ずれを利用して検
出する「格子干渉方式」のエンコーダが採用されてい
る。「格子干渉方式」のエンコーダではμmオーダーの
微細なピッチの格子が利用され、1パルス(周期)当た
りの分解能としてサブμmの値が達成されている。
【0005】上述の光を利用した検出装置の分野、特に
変位検出の分野においては、高精度化が進むにともな
い、基準位置となる原点計測の精度が要求されるように
なってきている。高分解能のインクリメンタルエンコー
ダの原点検出では、同程度の分解能を確保するため、ス
ケールあるいはディスク上にμmオーダーで形成した微
細スリットパターンに対し該微細スリットと同程度の大
きさの微小集光光束を照射して検出する方法が取られて
いた。
【0006】従来の原点位置計測の有効な技術として
は、図46のキヤノン出願になる特開平2-93324に例示
された光学式のロータリエンコーダの原点計測センサを
あげることができる。図中、発光素子1から射出された
光束はシリンドリカルレンズ4a,4bで線状に集光され
て、ディスク3に入射する。ディスク3が回転してスリッ
ト5a,5bが前記集光された光束によって照射されると、
受光素子A,Bに光束が入射し、原点信号が出力される。
【0007】図47は特開平7-294214による光学式リニ
アエンコーダの原点信号の実施形態である。発光素子1
から射出された光束はスケールの格子部に入射すると反
射回折され、受光素子に光束が入射する。スケールが移
動し、スリットの端が光束が照射している部分を越える
と、センサに光束が入射しなくなる。以上の原理によ
り、原点信号が出力される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のエンコーダの原
点計測センサでは、エンコーダ自体はかなり小型化、高
精度化されている場合、例えば原点信号の検出において
検出用の微小集光光束を微細スリットパターンに合致さ
せる調整が微妙で、スケールと計測センサのヘッド部と
の相互位置調整に高い精度が要求される。
【0009】高精度な格子干渉方式においては検出精度
を良くするため1つの微細スリットを相対的に位置をず
らした2つの受光素子により異なるタイミングで検出
し、該2つの差動信号を利用して原点信号を発生させて
いるものがあった。この時、原点信号として2つの信号
のレベルが一致した時にパルス波形を発生させる方式を
採用した場合、原点は「パルスの立ち上がり(立ち下が
り)のエッジ部」として定義される。
【0010】一方、低精度なインクリメンタルエンコー
ダにおいては、通常、1つのスリットの検出信号をA,B
相のインクリメンタル信号のいずれかの波形に同期した
原点信号として利用される。
【0011】高精度な格子干渉方式においても、低精度
なインクリメンタルエンコーダにおいても、より精度よ
く、かつ安定し、パルス幅の確定の行いやすい原点位置
の情報を与える信号の生成が求められている。特に原点
の情報を与える信号としてインクリメンタル信号が微細
な場合に、このインクリメンタル信号と同等の幅を安定
して持つ信号が求められる。更には、インクリメンタル
信号と、原点情報信号が、光源部の光量変化等によって
信号の出力位置がずれてしまった場合などでも安定して
同期を取れることが求められる。
【0012】本発明の目的は、原点の情報を与える信号
としてインクリメンタル信号と同等のパルス幅の信号を
安定して与え得る構成のエンコーダを提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、上述に加え更に光量変動等
に依らず安定してインクリメンタル信号と原点情報を有
する信号の同期がとれるエンコーダを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のエンコ
ーダは、発光素子よりの光束を受光素子により検出する
ことによりインクリメンタル信号を得るエンコーダにお
いて、該エンコーダのスケール上に形成した2つ以上の
検出信号を発生させるためのマーク部を有し、該2つ以
上の検出信号を用いて原点情報を有する少なくとも1つ
のパルス信号の立上り位置と立下り位置を決定すること
を特徴としている。
【0014】請求項2の発明のエンコーダは、発光素子
よりの光束をスケール上に投射して受光素子により検出
することによりインクリメンタル信号を得るエンコーダ
において、該エンコーダのスケール上に形成した原点信
号生成マークより2つ以上の信号を検出し、該2つ以上
の検出信号から原点情報を有する信号としての該エンコ
ーダのインクリメンタル信号と概略同等のパルス幅のパ
ルス信号を作ることを特徴としている。
【0015】請求項3の発明は請求項1の発明におい
て、該2つ以上の検出信号の差動信号より前記原点情報
を有する信号を形成し、該信号と該インクリメンタル信
号の論理和を取って原点信号を生成することを特徴とし
ている。
【0016】請求項4の発明は請求項2又は3の発明に
おいて、該原点信号生成マークが特定間隔だけずらした
2つ以上のマークで構成され、該マークの各々からの信
号を独立に検出することが可能な受光素子を該マークの
数に応じて複数個設けることを特徴としている。
【0017】請求項5の発明は請求項4の発明におい
て、該2つ以上のマークが該スケールの移動方向に対し
相対的に位置ずれしていることを特徴としている。
【0018】請求項6の発明は請求項5の発明におい
て、該2つ以上のマークに投射される光束を該マークに
均等に当たるように配することを特徴としている。
【0019】請求項7の発明は請求項6の発明におい
て、該2つ以上のマークが該スケールの移動方向に対し
相対的に特定間隔だけ位置ずれした2つ以上のスリット
で構成され、該マークにスリット状の光束を照射するこ
とを特徴としている。
【0020】請求項8の発明は請求項6の発明におい
て、該2つ以上のマークが該スケールの移動方向に対し
相対的に特定間隔だけ位置ずれした2つ以上の回折レン
ズで構成され、該マークにほぼ平行な光束を照射するこ
とを特徴としている。
【0021】請求項9の発明は請求項2又は3の発明に
おいて、該原点信号生成マークに投射する光束が複数個
の光束で構成され、該複数個の光束の各々からの信号を
独立に検出する受光素子を光束の数に応じて複数個設け
ることを特徴としている。
【0022】請求項10の発明は請求項9の発明におい
て、該複数個の光束が該スケールの移動方向に対し相対
的に位置ずれしていることを特徴としている。
【0023】請求項11の発明は請求項10の発明にお
いて、該複数個の光束の相対的位置ずれ量が調節可能で
あることを特徴としている。
【0024】請求項12の発明は請求項10又は11の
発明において、該複数個の光束がスリット状の光束をな
し、スリット形状をした該原点信号生成マークを照射す
ることを特徴としている。
【0025】請求項13の発明は請求項12の発明にお
いて、該複数個の光束を複数個のシリンドリカルレンズ
で形成することを特徴としている。
【0026】請求項14の発明は請求項12の発明にお
いて、該複数個の光束を複数個のフレネルレンズで形成
することを特徴としている。
【0027】請求項15の発明は請求項9〜14のいず
れか1項の発明において、該複数個の光束が、該マーク
に均等に当たるように配されることを特徴としている。
【0028】請求項16の発明は請求項2又は3の発明
において、該原点信号生成マークが特定間隔だけずらし
た2つ以上のマークで構成されるとともに、該原点信号
生成マークに投射する光束が複数個の光束で構成され、
該マークと該複数個の光束の組み合わせによって生じる
所定の数の信号を独立に検出することが可能な複数個の
受光素子を設けたことを特徴としている。
【0029】請求項17の発明は請求項16の発明にお
いて、該2つ以上のマーク同士及び該複数個の光束同士
が該スケールの移動方向に対し相対的に位置ずれしてい
ることを特徴としている。
【0030】請求項18の発明は請求項17の発明にお
いて、該複数個の光束の相対的位置ずれ量が調節可能で
あることを特徴としている。
【0031】請求項19の発明は請求項16〜18のい
ずれか1項の発明において、該複数個の光束が、該2つ
以上のマークに均等に当たるように配されることを特徴
としている。
【0032】請求項20の発明は請求項19の発明にお
いて、該原点信号生成マークが特定間隔だけずらした2
つ以上のスリットで構成され、該原点信号生成マークに
スリット状の該複数個の光束を投射することを特徴とし
ている。
【0033】請求項21の発明は請求項20の発明にお
いて、該複数個の光束を複数個のシリンドリカルレンズ
で形成することを特徴としている。
【0034】請求項22の発明は請求項20の発明にお
いて、該複数個の光束を複数個のフレネルレンズで形成
することを特徴としている。
【0035】請求項23の発明のエンコーダは、発光素
子からの光束をスケール上に投射し、受光素子により検
出することによりインクリメンタル信号を得るエンコー
ダにおいて、インクリメンタル信号を発生させる格子の
周期をPとした時、該エンコーダのスケール上に形成す
る原点信号生成マークをずれ量がP/6である2つのスリ
ットで構成するとともに、該2つのスリットに該発光素
子より単一のスリット状光束を照射し、該2つのスリッ
トから生成される2つの検出信号を用いて原点情報を与
える信号の立上り及び立下りを決定することを特徴とし
ている。
【0036】請求項24の発明のエンコーダは、発光素
子よりの光束をスケール上に投射し、受光素子により検
出することによりインクリメンタル信号を得るエンコー
ダにおいて、インクリメンタル信号を発生させる格子の
周期をPとした時、該エンコーダのスケール上に形成す
る原点信号生成マークを単一のスリットで構成するとと
もに、該スリットに該発光素子よりずれ量がP/6である
2つのスリット状光束を照射し、該2つの光束から生成
される2つの検出信号を用いて原点情報を有する信号の
立上り及び立下りを決定することを特徴としている。
【0037】請求項25の発明のエンコーダは、発光素
子よりの光束をスケール上に投射し、受光素子により検
出することによりインクリメンタル信号を得るエンコー
ダにおいて、インクリメンタル信号の周期をPbとした
時、該エンコーダのスケール上に形成する原点信号生成
マークを、ずれ量がX・Pbに相当する2つのスリットで
構成されるのを一つの群とした時、ずれ量Lを持つ2つ
の群よりなる4つのスリットで構成するとともに、該4
つのスリットに該発光素子より1つのスリット状光束を
照射し、該4つのスリットから生成される4つの検出信
号の差動信号を用いて原点情報を有する信号の立上り及
び立下りを決定することを特徴としている。
【0038】請求項26の発明は請求項25の発明にお
いて、該ずれ量X・Pbが 0.5Pb< X・Pb<1.5Pb であることを特徴としている。
【0039】請求項27の発明のエンコーダは、発光素
子よりの光束をスケール上に投射し、受光素子により検
出することによりインクリメンタル信号を得るエンコー
ダにおいて、インクリメンタル信号の周期をPbとした
時、該エンコーダのスケール上に形成する原点信号生成
マークを、ずれ量がX・Pbに相当する2つのスリットで
構成されるのを一つの群とした時、ずれ量Lを持つ2つ
の群よりなる4つのスリットで構成するとともに、該4
つのスリットに該発光素子よりずれ量δPを持つ2つの
スリット状光束を各群に対応するように照射し、該4つ
のスリットから生成される4つの検出信号の差動信号を
用いて原点情報を有する信号の立上り及び立下りを決定
することを特徴としている。
【0040】請求項28の発明は請求項27の発明にお
いて、該ずれ量X・Pbが 0.5Pb< X・Pb<1.5Pb であることを特徴としている。
【0041】請求項29の発明は請求項28の発明にお
いて、該2つのスリット状光束のずれ量δPが調整可能
であることを特徴としている。
【0042】請求項30の発明のエンコーダは、発光素
子よりの光束をスケール上に投射し、受光素子により検
出することによりインクリメンタル信号を得るエンコー
ダにおいて、インクリメンタル信号を発生させる格子の
周期をPとした時、該エンコーダのスケール上に形成す
る原点信号生成マークをずれ量がP/6の2つのスリット
で構成される群と群間のずれがLの2つの群よりなる4
つのスリットで構成するとともに、該4つのスリットに
該発光素子より単一のスリット状光束を照射し、該4つ
のスリットから生成される4つの検出信号の差動信号を
用いて原点情報を有する信号の立上り及び立下りを決定
することを特徴としている。
【0043】請求項31の発明のエンコーダは、発光素
子よりの光束をスケール上に照射し、受光素子により検
出することによりインクリメンタル信号を得るエンコー
ダにおいて、該エンコーダ上の原点信号生成マークを2
つの回折レンズで構成するとともに該発光素子よりほぼ
平行な光束を照射し、該2つの回折レンズから得られる
2つの集光光束を、各集光光束毎に空間的に離れた2組
の2分割受光素子で検出し、該スケールの移動によって
生じる該2組の2分割素子の差動信号から該インクリメ
ンタル信号の原点信号位置領域を特定することを特徴と
している。
【0044】請求項32の発明は請求項31の発明にお
いて、該差動信号と該インクリメンタル信号の論理和を
取ることによって、該原点信号を作ることを特徴として
いる。
【0045】請求項33の発明は請求項32の発明にお
いて、該2つの回折レンズが該スケールの移動方向に対
して相対的にずれていることを特徴としている。
【0046】請求項34の発明は請求項33の発明にお
いて、該2組の2分割受光素子が田の字型の4分割受光
素子であることを特徴としている。
【0047】請求項35の発明は請求項31から34の
いずれか1項の発明において、該スケール上の回折レン
ズが透明基板上に凹凸状の位相格子構造の上に反射膜が
付けられた構造を有することを特徴としている。
【0048】請求項36の発明は請求項31から34の
いずれか1項の発明において、該スケール上の回折レン
ズが透明基板上に凹凸状の位相格子構造を有することを
特徴としている。
【0049】請求項37の発明のエンコーダは、スケー
ルに4つ以上の変化信号を発生させる為の原点信号生成
マークを有することを特徴としている。
【0050】請求項38のロータリーエンコーダは、ス
ケール上の原点信号生成マークから4つ以上の変化信号
を得る為のマーク検出手段を有することを特徴としてい
る。
【0051】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態1の光学
式ロータリエンコーダの原点計測センサの構成を示した
ものである。また図2は実施形態1におけるディスク
板、図3は原点信号計測用のスリットを示した図であ
る。
【0052】図1で1は発光素子、2はハーフミラー、3
はメイン信号用の格子と原点信号用のスリットが設けら
れているディスク、4は光束を線状に集光するシリンド
リカルレンズ、5は原点信号生成用のスリット、6は受光
素子である。また図3における7はディスク3上の位置変
位信号検出用、即ちインクリメンタル信号検出用の格子
部である。インクリメンタル信号検出用の格子の検出部
については公知なので省略した。
【0053】発光素子1から射出した光束はハーフミラ
ー2にて折り返されてシリンドリカルレンズ4に入射す
る。シリンドリカルレンズ4は原点用スリット5の長手方
向に対して集光された光束が同じ方向を向くように配置
されている。ディスク3に入射する光束の様子を示した
のが図4で、図中の10がシリンドリカルレンズ4により
集光された光束である。ディスクが回転し、光束の照射
位置に原点信号生成用スリットが図4のように左から右
に移動していくと、スリットで反射された光束は受光素
子であるセンサ6に入射し、原点信号用の出力が得られ
る。
【0054】図5は図4に対応したセンサ出力を示した
ものである。図3に示した様にPをインクリメンタル信
号検出用のスリットのピッチとした時、本実施形態では
原点信号生成用スリットを2分割し、互いにP/6だけず
らして配置したことを特徴としている。
【0055】原点信号生成用の光束は2分割されたスリ
ットの双方にほぼ均等にまたがるように照射される。こ
こでセンサ6を2分割センサとし、各センサが2分割さ
れている原点信号生成用スリットの各々と対応するよう
に配置すると、各センサからの出力は図5のZa相、Zb相
という位相がP/6、時間でΔt、距離でΔLだけずれた信
号となる。
【0056】2つの原点信号Za,Zbを用いて図6に示す
様に閾値電圧Vcで矩型波原点信号を作ると、矩型の部分
がP/6になる図7のZ信号(パルス信号)が形成できる。
【0057】インクリメンタル信号の検出は不図示の検
出系により特開平2-93324(キヤノン)と同様の原理で
取り出され、図8に示す様に格子ピッチPの1/4ピッチの
正弦波のインクリメンタル信号(位置変位信号)Bとな
る。図8の位置変位信号Bから矩型波信号を作ると図7
のA信号となり、A信号とこれと同等のパルス幅であるZ
信号で論理和を取り、これを改めて原点信号をすると、
矩型波信号となったインクリメンタル信号と原点信号の
同期を取ることができる。
【0058】実施形態1は次のような特徴を持ってい
る。即ち 1-1)原点検出光学系が1箇所ですむ非常に簡単な構成に
も関わらず、矩型波信号となった位置変位信号と原点信
号の精度の良い同期を取ることが可能である。 1-2)原点信号生成用スリットに工夫をしたため、従来と
殆ど同じ構成でエンコーダの原点位置検出精度の向上を
達成できる。 1-3)光学系の構成が従来と殆ど変わらないことから、従
来と同等の組み立て易さを持つローコストな製造が可能
である。 1-4)原点信号Za,Zbから矩型波を作るために必要な閾値V
cを変化させることにより、インクリメンタル信号との
同期調整を簡単に行うことができる。
【0059】図9は本発明の実施形態2の光学式リニア
エンコーダの原点計測センサの構成を示したものであ
る。また図10は実施形態2におけるスケール板、図3
は原点信号生成用のスリットを示した図である。説明の
都合上、前実施形態と同一の構成部材については同一の
符号で示した。
【0060】図9で1は発光素子、2はハーフミラー、3a
はインクリメンタル信号用の格子と原点信号用のスリッ
トが設けられているスケール、4は光束を線状に集光す
るシリンドリカルレンズ、5は原点信号生成用のスリッ
ト、6は受光素子、7はスケール3a上の位置変位検出用の
格子部である。
【0061】発光素子1から射出した光束はハーフミラ
ー2a,2bにて光路を分割される。ハーフミラー2aを通過
した光束はインクリメンタル信号用の格子部7の方に直
接導かれる。インクリメンタル信号検出系については公
知なので省略する。ハーフミラー2aで反射しさらに2bで
反射した光束はシリンドリカルレンズ4に入射する。シ
リンドリカルレンズ4は原点信号生成用スリット5の長手
方向に対して集光された光束の長手方向が同じ方向を向
くように配置されている。スリット5に入射する光束の
様子を示したのが図4で、図中の10がシリンドリカルレ
ンズ4により集光された光束である。スケール3aが移動
し、光束の照射位置に原点信号生成用スリットが左から
右に移動していくと、スリットで反射された光束は受光
素子であるセンサ6に入射し、原点出力が得られる。
【0062】本実施形態でも原点信号生成用スリットは
互いにP/6だけずらして2分割され、原点信号検出用の
光束が2分割されたスリットの双方にほぼ均等にまたが
るように照射されることが特徴である。センサ6は2分
割されている原点信号生成用スリットの各々と対応する
2分割センサで、図5のZa相、Zb相で示されるように位
相がP/6、時間でΔt、距離でΔLだけずれた信号とな
る。
【0063】図6で閾値電圧Vcを用いて2つの原点信号
Za,Zbから矩型波原点信号を作ると、矩型の部分がP/6に
なる図7のZ信号が形成できる。
【0064】インクリメンタル信号(位置変位信号)は
不図示の検出系により特開平2-93324(キヤノン)と同
様の公知の原理で取り出され、図8に示す格子ピッチP
の1/4ピッチの正弦波のインクリメンタルBとなり、図7
の矩型波のA信号を生成する。A信号とZ信号で論理和を
取り、これを改めて原点信号とすると、矩型波信号とな
ったインクリメンタル信号と原点信号の同期を取ること
ができる。
【0065】実施形態2は実施形態1の効果に加えて、
スケール3a上に設けられる原点検出用スリットを任意の
位置に設定可能なため、任意の位置で原点信号を得られ
ること、及び、Za相、Zb相の原点信号から矩型波を生成
する際に使用する閾値Vcを変化させることにより、原点
位置信号の出力される位置を容易に調整できるという効
果がある。
【0066】図11は本発明の実施形態3の光学式リニ
アエンコーダの原点計測センサの構成を示したものであ
る。また図12は実施形態3におけるスケール板、図3
は原点信号生成用のスリットを示した図である。説明の
都合上、前実施形態と同一の構成部材については同一の
符号で示した。
【0067】図11で1は発光素子、2はハーフミラー、
3a'はインクリメンタル信号用の格子と原点信号生成用
のスリットが設けられているスケール、4aは本実施例の
特徴で入射する光束を2分割し、線状の光束をスリット
線方向と垂直方向にずれた2つの光束に変換するシリン
ドリカルレンズ作用を持つ分割フレネルレンズである。
また、5aは原点信号生成用のスリット、6は受光素子、7
はスケール3a'上のインクリメンタル信号用の格子部で
ある。
【0068】発光素子1から射出した光束はハーフミラ
ー2a,2bにて光路を分割される。ハーフミラー2aを通過
した光束はインクリメンタル信号用の格子部7の方に直
接導かれる。インクリメンタル信号検出系については公
知なので省略する。
【0069】ハーフミラー2aで反射しさらに2bで反射し
た光束は分割フレネルレンズ4aに入射し、1本の単純な
線の形状を持つ原点生成用スリット5aに集光される。分
割フレネルレンズ4aは2つのフレネルレンズ4a1,4a2よ
り構成されている。4a1,4a2はシリドリカルレンズの作
用を持つフレネルレンズで、原点信号生成用スリット5a
の長手方向と同じ方向に延びる光束を該スリット5aの位
置に形成する。更にフレネルレンズ4a1,4a2はスリット5
aの長手方向に垂直な方向にずれて集光される。従っ
て、図11に示す用にスリット5aに入射する光束は図4
と逆にスリット5a側が直線で、入射する光束がずれた形
状をしている。スリット3a'が移動し、光束の照射位置
に原点信号生成用スリット5aが左から右に移動していく
と、スリットで反射された光束は受光素子であるセンサ
6に入射し、原点出力が得られる。
【0070】本実施形態では分割フレネルレンズ4によ
る2つの光束がインクリメンタル信号を形成する格子の
ピッチをPとした時、互いにP/6だけずれて形成され、原
点信号生成用スリットにほぼ均等にまたがるように照射
されることが特徴である。センサ6は2分割された光束
の各々と対応する2分割センサで、図5のZa相、Zb相で
示される位相がP/6、時間でΔt、距離でΔLだけずれた
信号となる。図6の様に閾値電圧Vcを用いて2つの原点
信号Za,Zbから矩型波原点信号を作ると、矩型の部分がP
/6になる図7のZ信号が形成でき、以下のインクリメン
タル信号Aを用いた信号処理については実施形態2と同
一である。
【0071】実施形態3では光束の形状で工夫を行った
ため、前の実施形態の効果に加えスケール3a'上に設け
られたスリットが直線でとなり、従来の単一スリットも
使用可能であるという効果がある。
【0072】図12は本発明の実施形態4の光学式リニ
アエンコーダの原点計測センサの構成を示したものであ
る。図13は実施形態4におけるスケール板、図14は
原点信号計測用のスリットを示した図で、説明の都合
上、前実施形態と同一の構成部材については同一の符号
で示してある。
【0073】図14で1は発光素子、2はハーフミラー、
3bはインクリメンタル信号用の格子と原点信号用のスリ
ットが設けられているスケール、4は光束を線状に集光
するシリンドリカルレンズ、5bは原点信号生成用のスリ
ット、6bは受光素子、7はスケール3b上のインクリメン
タル信号用の格子部である。
【0074】発光素子1から射出した光束はハーフミラ
ー2a,2bにて光路を分割される。ハーフミラー2aを通過
した光束はインクリメンタル信号用の格子部7の方に直
接導かれる。インクリメンタル信号検出系については公
知なので省略する。
【0075】ハーフミラー2aで反射しさらに2bで反射し
た光束はシリンドリカルレンズ4に入射する。シリンド
リカルレンズ4は集光された光束の長手方向が原点信号
生成用スリット5bの長手方向に対して同じ方向を向くよ
うに配置する。
【0076】本実施形態では原点信号生成用のスリット
5bが4分割された形状をしていることを特徴としてい
る。図14に示す様に1番上のスリットを基準とすると
2番目は−X・Pb、3番目はL、4番目はL−X・Pbずれた
配置となっている。1番目と2番目、3番目と4番目は
ペアを形成するため、原点信号生成用スリットは2群で
構成されていることになる。同一の群内でのスリットの
ずれはX・Pb、群間でのずれがLに相当する。以下、2番
目のスリットをZa1、1番目のスリットをZa2、4番目の
スリットをZb1、3番目のスリットをZb2と名付け、後述
の信号の相に対応させることとする。なお、Pbはインク
リメンタル信号から得られる正弦波信号のピッチを示
し、Xはピッチに対するずれの割合を示す比例定数であ
る。
【0077】スリット5bに入射する光束の様子を示した
のが図15で、図中の10がシリンドリカルレンズ4によ
り集光された光束である。原点信号生成用の光束は4分
割されたスリット5bの全体にほぼ均等にまたがるように
照射される。スケール3bが移動し、光束の照射位置に原
点信号検出用スリットが左から右に移動していくと、ス
リットで反射された光束は受光素子であるセンサ6bに入
射する。センサ6bは4分割されている原点検出用スリッ
トの各々と対応する4分割センサで、図16に示すZa1
相、Za2相、Zb1相、Zb2相の原点信号を出力する。
【0078】図16よりZa1相とZa2相、Zb1相とZb2相で
示される信号は互いに距離でX・Pbだけずれた信号とな
り、 Za1相とZb1相、Za2相とZb2相で示される信号は互
いに距離でLだけずれた信号となる。図17の様にZa1〜
Zb2という4つの原点信号において、Za1相とZb1相、Za2
相とZb2相の信号出力が等しくなる位置をもって矩型波
原点信号を作ると、矩型の部分がX・Pbとなる図18のZ
信号が形成できる。
【0079】インクリメンタル信号Bを図19に示すよ
うにピッチPbを持つ正弦波とし、Bから矩型波信号を作
ると、図18のA信号が形成される。図18のA信号とZ
信号で論理和を取り、これを改めて原点信号とすると、
矩型波信号となったインクリメンタル信号と原点信号の
同期を取ることができる。
【0080】Z信号とインクリメンタル信号との同期を
取るには、矩型波原点信号の矩型部X・Pbを位置変位信
号から作られる矩型波信号Aの矩型部と同等の幅、具体
的にはこより大きく、且つA信号の隣の矩型部と重なら
ないように設定しなければならない。従ってX・Pbの大
きさは0.5Pb〜1.5Pbの間に設定する必要がある。
【0081】インクリメンタル信号の検出を特開平05-1
5783と同じとすると、位置変位信号用の格子のピッチP
2.8μmに対し位置変位信号の周期Pbは0.7μmとなる。こ
こでX=1とすると、図14のスリットずれは0.7μmとな
る。さらにL=3.0μmとすれば、初めのZa1信号からそれ
ぞれ0.7μm、3.0μm、3.7μm分だけ位相がずれた4つの
信号が得られ、矩型波のZ信号を作ることができる。
【0082】実施形態4では原点信号の矩型波Z相信号
がインクリメンタル信号から生成される一つの矩型波信
号とのみ重なり、複数個重なることがないため、確実に
インクリメンタル信号と同期を取ることができ、Z相の
再現性を高めることができるという効果がある。
【0083】図20は本発明の実施形態5の光学式ロー
タリエンコーダの原点計測センサの構成を示したもので
ある。図22は実施形態5におけるディスク、図22は
原点信号計測用のスリットとスリットに照射された光束
を示した図である。説明の都合上、前実施形態と同一の
構成部材については同一の符号で示した。
【0084】図20で1は発光素子、2はハーフミラー、
3cはインクリメンタル信号用の格子と原点信号生成用の
スリットが設けられているディスク、4cは光束を2つの
線に集光する分割シリンドリカルレンズ、5cは原点信号
生成用のスリット、6cは受光素子、7はディスク3c上の
インクリメンタル信号用の格子部である。
【0085】発光素子1から射出した光束はハーフミラ
ー2にて折り返され、分割シリンドリカルレンズ4cに入
射する。分割シリンドリカルレンズ4cは2つのシリンド
リカルレンズ4c1,4c2より構成され、原点信号生成用ス
リット5cの長手方向と同じ方向に延びる光束を該スリッ
ト5cの位置に形成する。シリンドリカルレンズ4c1,4c2
は光束をスリット5cの長手方向に垂直な方向にδPずれ
て集光し、さらにδPの値は可変量として調整可能とな
っている。
【0086】原点信号生成用のスリット5cは4分割され
た形状をしている。図22に示す様に1番上のスリット
を基準とすると2番目はL 、3番目は−X・Pb、4番目
はL−X・Pbずれた配置となっている。1番目と2番目、
3番目と4番目はペアを形成する。3番目のスリットを
Za1、1番目のスリットをZa2、4番目のスリットをZb
1、2番目のスリットをZb2と名付け、後述の信号の相に
対応させることとする。なお、Pbはインクリメンタル信
号から得られる正弦波信号のピッチを示し、Xはピッチ
に対するずれの割合を示す比例定数である。
【0087】スリット5cに入射する光束の様子を示した
のが図22である。図中の10が分割シリンドリカルレン
ズ4cにより集光された光束でシリンドリカルレンズ4c1
によって形成される光束10c1と、シリンドリカルレンズ
4c2によって形成される光束を10c2はδPずれている。原
点信号生成用の光束10c1はZa1,Zb1に、光束10c2はZa2,Z
b2に対応し、対応するスリットにほぼ均等にまたがるよ
うに照射される。ディスク3cが移動し、図23に示す様
に光束の照射位置に原点信号生成用スリットが左から右
に移動していくと、スリットで反射された光束は受光素
子であるセンサ6bに入射する。センサ6bは4分割センサ
で、4分割されている原点生成用スリットの各々と一体
一対応し、図24に示すZa1相、Za2相、Zb1相、Zb2相の
原点信号を出力する。
【0088】図24では先ずδP=0の場合について示し
てある。δP=0だとZa1相とZa2相、Zb1相とZb2相で示さ
れる信号は互いに距離でX・Pbだけずれた信号となり、
Za1相とZb1相、Za2相とZb2相で示される信号は互いに距
離でLだけずれた信号となる。Za1〜Zb2という4つの原
点信号において、Za1相とZb1相、Za2相とZb2相の信号出
力が等しくなる位置をもって矩型波原点信号を作ると、
矩型の部分がX・Pbとなる図25のZ信号が形成できる。
光束10c1と10c2の間のδPのずれを導入すると、Za1,Zb1
相に対しZa2,Zb2相の信号は矢印で示したようにδPずれ
を生じ、Z信号の矩型部分の幅はX・Pb+δPとなる。
【0089】インクリメンタル信号Bを図26に示すよ
うにピッチPbを持つ正弦波とし、Bから矩型波信号を作
ると、図25のA信号が形成される。図25のA信号とZ
信号で論理和を取り、これを改めて原点信号とすると、
矩型波信号となったインクリメンタル信号と原点信号の
同期を取ることができる。
【0090】本実施形態では新たにシリンドリカルレン
ズ4c1と4c2のずれδPを導入したことで、矩型波原点信
号の発生位置と矩型部の大きさを光学調整でき、所望の
矩型波原点信号が得られる。以降の信号処理については
実施形態4と同一で、例えばX・Pbの大きさは0.5Pb〜1.
5Pbの間に設定される。
【0091】実施形態5では原点信号の矩型波Z相信号
の矩型部の大きさが調整できるため、光源の変化等でイ
ンクリメンタル信号に劣化が起きた場合にも対応可能
な、余裕を持った原点信号を生成することができる。ま
たδPにより矩型波原点信号の大きさだけでなく、出力
位置の調整も行うことができるため、組み立てが容易と
なる。また、インクリメンタル信号と確実に同期を取る
ことができることにより、Z相の再現性を高めることが
できる。
【0092】図27は本発明の実施形態6の光学式ロー
タリエンコーダの原点計測センサの構成を示したもので
ある。図22は実施形態6におけるディスク、図22は
原点信号生成用のスリットとスリットに照射された光束
を示した図で、説明の都合上、前実施形態と同一の構成
部材については同一の符号で示してある。
【0093】図27で1は発光素子、2はハーフミラー、
3cはインクリメンタル信号用の格子と原点信号生成用の
スリットが設けられているディスク、4dは光束を2つの
線に集光する分割フレネルレンズ、5cは原点信号生成用
のスリット、6cは受光素子、7はディスク3c上のインク
リメンタル信号用の格子部である。
【0094】発光素子1から射出した光束はハーフミラ
ー2にて折り返され、分割フレネルレンズ4dに入射す
る。分割フレネルレンズ4dはシリンドリカルレンズ作用
を持つ2つのフレネルレンズ4d1,4d2より構成され、原
点信号生成用スリット5cの長手方向と同じ方向に延びる
光束10c1,10c2を該スリット5cの位置に形成する。フレ
ネルレンズ4d1,4d2は光束をスリット5cの長手方向に垂
直な方向にδPずれて集光し、さらにδPの値は可変量と
して調整可能となっている。
【0095】本実施形態ではスリット5cの構成、及びフ
レネルレンズ4d1,4d2により形成される光束10c1,10c2の
関係が実施形態5と同一なので、以降の信号出力、信号
処理も実施形態5と同一である。従ってずれ量δPの作
用や、X・Pbの大きさを0.5Pb〜1.5Pbの間に設定するこ
とも同様である。
【0096】実施形態6ではフレネルレンズを用いてい
るため、小型化が可能で、光学系の構成が容易であると
いう特徴がある。
【0097】図28は本発明の実施形態7の光学式ロー
タリエンコーダの原点計測センサの構成を示したもので
ある。図29は実施形態7におけるディスク板、図30
は原点信号計測用のスリットを示した図で、説明の都合
上、前実施形態と同一の構成部材については同一の符号
で示した。
【0098】図28で1は発光素子、2はハーフミラー、
3eはインクリメンタル信号用の格子と原点信号生成用の
スリットが設けられているディスク、4は光束を線状に
集光するシリンドリカルレンズ、5eは原点信号生成用の
スリット、6eは受光素子、7はディスク3e上のインクリ
メンタル信号用の格子部である。インクリメンタル信号
格子の検出部については公知なので省略した。
【0099】発光素子1から射出した光束はハーフミラ
ー2にて折り返されてシリンドリカルレンズ4に入射す
る。シリンドリカルレンズ4は集光された光束が原点用
スリット5eの長手方向に対して同じ方向を向くように配
置される。
【0100】図30に示す様にピッチPの位置変位検出
用格子の近傍に、4分割された形状の原点信号生成用ス
リット5eが配置される。5eの構造は1番上のスリットを
基準とすると2番目が−P/6 、3番目がL、4番目がL−
P/6ずれた配置となっている。1番目と2番目、3番目
と4番目はペアを形成する。また2番目のスリットをZa
1、1番目のスリットをZa2、4番目のスリットをZb1、
3番目のスリットをZb2と名付け、後述の信号の相に対
応させることとする。
【0101】スリット5eに入射する光束の様子を示した
のが図31で、10がシリンドリカルレンズ4により集光
された光束である。原点信号検出用の光束10はスリット
5eを構成するスリットZa1〜Zb2にほぼ均等にまたがるよ
うに照射される。ディスク3eが移動し、図31に示す様
に光束の照射位置に原点信号生成用スリットが左から右
に移動していくと、スリットで反射された光束は受光素
子であるセンサ6eに入射する。センサ6eは4分割されて
いる原点信号生成用スリットの各々と対応する4分割セ
ンサで、図32に示すZa1相、Za2相、Zb1相、Zb2相の原
点信号を出力する。
【0102】図32よりZa1相とZa2相、Zb1相とZb2相で
示される信号は互いに距離でP/6だけずれた信号とな
り、 Za1相とZb1相、Za2相とZb2相で示される信号は互
いに距離でLだけずれた信号となる。図33の様にZa1〜
Zb2という4つの原点信号において、Za1相とZb1相、Za2
相とZb2相の差動を取って両者の信号出力が等しくなる
位置をもって矩型波原点信号を作ると、矩型の部分がP/
6となる図34のZ信号が形成できる。
【0103】インクリメンタル信号は不図示の検出系に
より特開平2-93324(キヤノン)と同様の原理で取り出
され、図35に示す様に格子ピッチPの1/4ピッチの正弦
波のインクリメンタル信号Bとなる。インクリメンタル
信号Bから矩型波信号を作ると図34にある矩型の部分
がP/8のA信号となり、A信号とZ信号で論理和を取り、こ
れを改めて原点信号とすると、矩型波信号となったイン
クリメンタル信号と原点信号の同期を取ることができ
る。
【0104】実施形態7における効果は実施形態1と同
様であるが、基準用スリット5eを4つの部分で構成した
ことから、実施形態1に比べ矩型波信号Zを作る元の信
号を差動で作ることができるため、光源に光量変化が起
こっても常に一定の位置で出力でき、精度の良い原点信
号が生成されるという効果がある。
【0105】図36は本発明の実施形態8の光学式リニ
アエンコーダの原点計測センサの構成を示したものであ
る。また図37は実施形態8におけるスケール板、図3
0は原点信号計測用のスリットを示した図である。説明
の都合上、前実施形態と同一の構成部材については同一
の符号で示した。
【0106】図36で1は発光素子、2はハーフミラー、
3fはインクリメンタル信号用の格子と原点信号生成用の
スリットが設けられているスケール、4は光束を線状に
集光するシリンドリカルレンズ、5は原点信号生成用の
スリット、6eは4分割された受光素子、7はスケール3f
上のインクリメンタル信号用の格子部である。
【0107】発光素子1から射出した光束はハーフミラ
ー2a,2bにて光路を分割される。ハーフミラー2aを通過
した光束はインクリメンタル信号用の格子部7の方に直
接導かれる。インクリメンタル信号検出系については公
知なので省略する。ハーフミラー2aで反射しさらに2bで
反射した光束はシリンドリカルレンズ4に入射する。シ
リンドリカルレンズ4は集光された光束の長手方向が原
点用スリット5eの長手方向に対して同じ方向を向くよう
に配置される。
【0108】実施形態8における原点信号生成用スリッ
トは5eで実施形態7と同一の形状で、シリンドリカルレ
ンズ4で形成される照射ビームの形状も同じなので、以
降の信号発生のメカニズム、信号処理系については実施
形態7と同一である。従ってZa1〜Zb2という4つの原点
信号の差動を取って矩型波原点信号を作ると、矩型の部
分がP/6となる図34のZ信号が形成できる。続いて、格
子ピッチPの1/4ピッチの正弦波のインクリメンタル信号
Bから作った矩型の部分がP/8のA信号とZ信号の論理和を
取り、これを改めて原点信号とすると、矩型波信号とな
ったインクリメンタル信号と原点信号の同期を取ること
ができる。
【0109】実施形態8における効果は実施形態2と同
様であるが、原点信号生成用スリット5eを4つの部分で
構成し、矩型波信号Zを作る元の信号を差動で作ること
ができるため、光源に光量変化が起こっても常に一定の
位置で出力がなされ、精度の良い原点信号が生成される
という効果がある。
【0110】図38は本発明の実施形態9の光学式ロー
タリエンコーダの原点計測センサの構成である。また図
39は原点信号計測用のスリットとスリットに照射され
た光束を示した図で、説明の都合上、前実施形態と同一
の構成部材については同一の符号で示した。
【0111】図38で1は発光素子、2はハーフミラー、
3gはインクリメンタル信号用の格子と原点信号生成用の
スリットが設けられているディスク、4gは光束を2つの
線に集光する分割フレネルレンズ、5gは原点信号生成用
のスリット、6gは4分割された受光素子、7はディスク3
g上のインクリメンタル信号用の格子部である。
【0112】発光素子1から射出した光束はハーフミラ
ー2にて折り返され、分割フレネルレンズ4gに入射す
る。分割フレネルレンズ4gはシリンドリカルレンズ作用
を持つ2つのフレネルレンズ4g1,4g2より構成され、原
点信号生成用スリット5gの長手方向と同じ方向に延びる
光束を該スリット5gの位置に形成する。フレネルレンズ
4g1,4g2は光束をスリット5gの長手方向に垂直な方向にL
ずれて集光させ、原点検出用スリット5g全体にかかる様
に位置させる。なお分割フレネルレンズ4gは分割シリン
ドリカルレンズで構成することもできる。
【0113】原点信号生成用のスリット5gは3分割され
た形状をしている。図39に示す様に1番上のスリット
を基準とすると2番目はP/6 、3番目は0の位置に戻っ
た配置となっている。3分割されてはいるが、中央の部
分は実施形態7におけるZa相とZb相の共通部分として働
き、等価的に4分割されたスリットとなっている。即
ち、原点信号生成用スリットの1番上のスリットはZa2
相、中央はZa1相とZb2相、一番下の部分はZb1相に対応
し、4分割センサ6gも分割スリット等価分割にに応じて
Za1〜Zb2相に対応するように配置される。
【0114】4分割センサ6gから得られるZa1〜Zb2相の
信号は図32で示され、以降の信号処理は図33〜35に
従って行うことができる。3分割スリットで等価的には
4分割スリットとなって図34の様な原点信号を生成で
きるのは2分割された照射光の効果である。原点信号生
成用スリットが3分割ですむため、製造は容易で、組み
立て時の位置あわせも容易であるという効果もある。
【0115】図40は本発明の実施形態10の光学式ロ
ータリエンコーダの原点計測センサの構成を示したもの
である。図41は原点信号生成用の2本スリットとスリ
ットに照射する4分割光束を示した図で、説明の都合
上、前実施形態と同一の構成部材については同一の符号
で示した。
【0116】図40で1は発光素子、2はハーフミラー、
3hはインクリメンタル信号用の格子と原点信号生成用の
スリットが設けられているディスク、4hは光束を4つの
線に集光する分割フレネルレンズ、5hは原点信号生成用
の1本スリット、6hは4分割された受光素子、7はディ
スク3h上のインクリメンタル信号用の格子部である。
【0117】発光素子1から射出した光束はハーフミラ
ー2にて折り返され、分割フレネルレンズ4hに入射す
る。分割フレネルレンズ4hはシリンドリカルレンズ作用
を持つ4つのフレネルレンズ4h1,4h2,4h3,4h4より構成
され、原点信号生成用スリット5hの長手方向と同じ方向
に延びる光束を該スリット5hの位置に形成する。なお分
割フレネルレンズ4hは分割シリンドリカルレンズで構成
することもできる。
【0118】フレネルレンズ4h1,4h2,4h3,4h4はそれぞ
れに対応して光束10h1,10h2, 10h3,10h4を、原点信号生
成用スリット5h全体にかかる様に形成させる。光束10h1
と10h2、10h3と10h4はペアをなし、光束の長手方向に対
しP/6のずれを持っている。また光束10h1と10h3、10h2
と10h4はペアをなし、光束の長手方向に対しL+ΔLのず
れを持っている。
【0119】原点信号生成用のスリット5hは1本の線よ
りなる単純な構成である。
【0120】光束10h1はZa1相、10h2がZa2相、10h3がZb
1相、10h4がZb2相の信号に対応し、4分割センサ6hから
得られるZa1〜Zb2相の信号は図32で示される。以降の
信号処理は図33〜35と同一である。本実施形態では原
点検出用スリットが単純な1本の線ですむため、製造は
容易で、組み立て時の位置あわせも容易であるという効
果がある。
【0121】本実施形態の変形として4分割フレネルレ
ンズを2分割フレネルレンズ4h1と4h2の構成のみとして
光束10h1,10h2を形成し、図42に示す様に原点信号生
成用スリット5h'を互いに距離がL離れた2本線としても
よい。
【0122】図43は本発明の実施形態11のリニアエ
ンコーダの原点計測センサの構成を示したものである。
説明の都合上、前実施形態と同一の構成部材については
同一の符号で示した。
【0123】図43で1は単色光源の発光素子、8はコリ
メータレンズ、2はハーフミラー、3iはインクリメンタ
ル信号用の格子と原点信号生成用の回折レンズが設けら
れているスケール、5ZPLは原点信号検出用の回折レン
ズ、6PDは受光素子、7はスケール3i上のインクリメンタ
ル信号用の格子部である。
【0124】光源1から射出した発散光束はコリメータ
レンズ8でほぼ平行光束となり、ハーフミラー2にて反射
され、スケール3i上に形成してある原点信号生成用回折
レンズ5ZPLのトラックに照射される。回折レンズ5ZPLは
2つの回折レンズ5ZPL1と5ZPL2よりなり、反射型回折格
子として機能するように透明基板上に凹凸状の位相格子
上に反射膜が施されている。スケール3iの移動により照
射領域に回折レンズ5ZPL1,5ZPL2が存在すれば反射集光
光束が発生し、照射光はもとの光路方向に進行する。
【0125】2つの回折レンズ5ZPL1,5ZPL2はスケール3
iの移動方向に対して空間的にずらして形成されてい
る。5ZPL1,5ZPL2は全体として一体で移動を行うため、
集光位置は一定の間隔を保ったまま空間を移動する。図
43の実施形態では回折レンズ5ZPLをシリンドリカルレ
ンズの効果を持つ構成としたので照射光束が焦点位置に
線状に集光するが、円環状の回折レンズの構成とすれば
点状の集光パターンを得ることができる。
【0126】本実施形態ではスケール3iの移動とともに
回折レンズ5ZPL1,5ZPL2による集光光束が通過する空間
に4つの受光素子6PD1,6PD2,6PD3,6PD4が配置されてい
る。受光素子6PD1と6PD2は回折レンズ5ZPL1からの集光
光束の移動方向に並んで配置され、受光素子のすき間は
集光光束径(幅)より十分小さくなるように設定してあ
る。受光素子6PD3と6PD4は回折レンズ5ZPL2からの集光
光束の移動方向に並んで配置され、受光素子のすき間が
集光光束径(幅)より十分小さくなるように設定してあ
る。図43の構成では、受光素子6PD1,6PD2のペアと、
受光素子6PD3,6PD4のペアが隣り合せに配置されている
ので、4分割受光素子としてパッケージされたものを使
用することができる。
【0127】前述の様にスケール3i上に形成された2つ
の反射回折レンズ5ZPL1,5ZPL2は相互にずらしてあるの
で、受光素子6PD1,6PD2で検出される集光光束と、受光
素子6PD3,6PD4で検出される集光光束は反射回折レンズ
のずれ分だけずれている。
【0128】スケール3iの移動に伴う各受光素子の出力
を示したのが図44である。スケール3iが移動すると先
ず受光素子6PD1に光束が入射する。さらに移動が続くと
6PD1の入射光量が減少していくとともに、受光素子6PD2
への入射が始まって、受光素子6PD1と6PD2が等しくな
り、次に受光素子6PD2への入射光量が最大となる。
【0129】受光素子6PD3,6PD4の出力も同様な経過を
辿るが、受光素子6PD1,6PD2と受光素子6PD3,6PD4では出
力のタイミングがずれていることが特徴である。
【0130】受光素子6PD1,6PD2,6PD3,6PD4からの信号
は図45の処理回路によってデジタル信号に変換され
る。
【0131】受光素子6PD1と6PD2の出力はオペアンプOP
1によって加算(平均)されて1つの山型波形に変換され
た後、基準電位V1により窓波形W1が作成される。またオ
ペアンプOP2は受光素子6PD1と6PD2の差信号を出力する
もので、クロス電圧V2を基準に差動2値波形Z1が作成さ
れる。
【0132】同様に、受光素子6PD3と6PD4の出力はオペ
アンプOP3によって加算(平均)されて1つの山型波形に
変換された後、基準電位V3により窓波形W2が作成され
る。またオペアンプOP4は受光素子6PD3と6PD4の差信号
を出力するもので、クロス電圧V4を基準に差動2値波形
Z2が作成される。
【0133】本実施形態では高分解能なインクリメンタ
ル信号波形と同等の幅で、これに同期する原点信号波形
を作成することを目的としているので受光素子6PD1と6P
D2のクロスのタイミングと、受光素子6PD3と6PD4のクロ
スのタイミングをインクリメンタル信号のほぼ1周期分
となるように設定する。各変換出力Z1,W1,Z2,W2の全て
の論理和(AND)を演算すると、上記2つのクロスのタイ
ミング(クロスポイント)を結ぶ波形Z0が作成される。
波形Z0の幅はインクリメンタル信号のA相信号とほぼ同
等の幅になっており、Z0の一つの幅の中に一つのA相信
号パルスが収納される形となっている。 Z0は原点信号
を出力する原点信号発生位置領域となっている。
【0134】エンコーダはこのまま原点信号としてZ0を
出力してもよいし、さらにインクリメンタルA相信号とZ
0信号の論理和をとった波形ZAを出力してもよい。
【0135】本実施形態では2つの回折レンズによる2
つのクロスポイント位置の検出、及び以降の処理回路に
より、高分解能なインクリメンタル信号(A相)に同期
する原点信号ZもしくはZAを作成することができる。な
お、原点信号Z0の2つのエッジを規定するクロスポイン
トとインクリメンタル信号(A相)との相互位置調整は
受光素子6PDのパッケージ全体を相対位置調整すること
で行うことができる。
【0136】なお実施形態11の図43では回折レンズ5
PDによって反射集光光束を発生させ、ハーフミラーを介
して光源側に配置した受光素子にて検出した構成を示し
たが、回折レンズを透過型にする構成も容易に実現する
ことができる。透過型の回折レンズの場合には透明基板
上に凹凸状の位相格子構造を有し、受光素子を光源と反
対側に配置する。以降の検出、処理については反射型と
同一の過程を採用することができる。
【0137】本実施形態はリニアエンコーダだけでな
く、ロータリエンコーダにも適用できる。また、スケー
ルまたはディスク上にほぼ平行な光束を照射しての原点
信号を高分解能に検出できるので、スケールまたはディ
スク上に集光させる方式に比べ、ギャップ方向の誤差に
強い構成を取ることもできるという効果がある。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
37の本発明のエンコーダでは基本的に2つ以上の検出
信号を利用してパルス信号を決定するので、原点情報を
有する信号の両エッジの再現性が良く、微細信号も形成
し易いという特徴がある。
【0139】特に、4つの信号を発生させ、該4つの信
号の差動信号から原点情報を有する信号を作る構成とし
た発明では、光源の光量変動の影響を受けずに環境安定
性が良くなりインクリメンタル信号との同期をより容易
に取ることを可能とする。
【0140】又、請求項37の本発明によれば、この様
な原点情報を有する信号を形成するのに適した構成のエ
ンコーダが実現できる。
【0141】又、請求項38の本発明によれば、この様
な原点情報を有する信号を形成するのに適した構成のロ
ータリーエンコーダが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1のロータリエンコーダの原点検出
系を示す図、
【図2】 実施形態1で用いるエンコーダのディスクを
示す図、
【図3】 インクリメンタル信号用格子と原点信号生成
用スリットを示す図、
【図4】 検出ビームと原点信号生成用スリットの関係
を示す図、
【図5】 Za相とZb相の信号出力を示す図、
【図6】 Za相とZb相の信号の相対関係を示す図、
【図7】 原点検出のZ信号とインクリメンタル信号のA
信号を示す図、
【図8】 インクリメンタル信号のB信号を示す図、
【図9】 実施形態2のリニアエンコーダの原点検出系
を示す図、
【図10】 実施形態2、3で用いるエンコーダのスケ
ールを示す図、
【図11】 実施形態3のリニアエンコーダの原点検出
系を示す図、
【図12】 実施形態4のリニアエンコーダの原点検出
系を示す図、
【図13】 実施形態4で用いるエンコーダのスケール
を示す図、
【図14】 インクリメンタル信号検出用格子と原点信
号生成用スリットを示す図、
【図15】 検出ビームと原点信号生成用スリットの関
係を示す図、
【図16】 Za相とZb相の信号出力を示す図、
【図17】 Za1相〜Zb2相の信号の相対関係を示す図、
【図18】 原点検出のZ信号とインクリメンタル信号
のA信号を示す図、
【図19】 インクリメンタル信号のB信号を示す図、
【図20】 実施形態5のロータリエンコーダの原点検
出系を示す図、
【図21】 実施形態5、6で用いるエンコーダのディ
スクを示す図、
【図22】 インクリメンタル信号検出用格子と原点信
号生成用スリットを示す図、
【図23】 検出ビームと原点信号用スリットの関係を
示す図、
【図24】 Za1相〜Zb2相の信号の相対関係を示す図、
【図25】 原点検出のZ信号とインクリメンタル信号
のA信号を示す図、
【図26】 インクリメンタル信号のB信号を示す図、
【図27】 実施形態6のロータリエンコーダの原点検
出系を示す図、
【図28】 実施形態7のロータリエンコーダの原点検
出系を示す図、
【図29】 実施形態7で用いるエンコーダのディスク
を示す図、
【図30】 インクリメンタル信号検出用格子と原点信
号生成用スリットを示す図、
【図31】 検出ビームと原点信号生成用スリットの関
係を示す図、
【図32】 Za1相〜Zb2相の信号出力を示す図、
【図33】 Za1相〜Zb2相の信号の相対関係を示す図、
【図34】 原点検出のZ信号とインクリメンタル信号
のA信号を示す図、
【図35】 インクリメンタル信号のB信号を示す図、
【図36】 実施形態8のリニアエンコーダの原点検出
系を示す図、
【図37】 実施形態8で用いるエンコーダのスケール
を示す図、
【図38】 実施形態9のリニアエンコーダの原点検出
系を示す図、
【図39】 検出ビームと原点信号生成用スリットの関
係を示す図、
【図40】 実施形態10のリニアエンコーダの原点検
出系を示す図、
【図41】 実施形態10の検出ビームの形状を示す
図、
【図42】 実施形態10の変形の原点信号生成用スリ
ットを示す図、
【図43】 実施形態11のロータリエンコーダの原点
検出系を示す図、
【図44】 実施形態11の信号出力と処理波形を示す
図、
【図45】 実施形態11の原点信号発生処理回路を示
す図、
【図46】 従来のロータリエンコーダの原点検出系を
示す図、
【図47】 従来のロータリエンコーダの原点検出系を
示す図。
【符号の説明】
1 光源 2 ハーフミラー 3 ディスクまたはスケール 4 シリンドリカルレンズまたはフレネルレンズ 5 原点信号生成用スリット 6 受光素子 7 インクリメンタル信号用格子 8 コリメータレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門脇 秀次郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 加藤 成樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 門島 孝幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 法隆 榮 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2F103 BA32 CA01 CA02 CA03 CA04 DA01 DA12 DA13 EB03 EB16 EC01 EC02 EC03 EC12 ED02 ED18 FA01

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光素子よりの光束を受光素子により検出
    することによりインクリメンタル信号を得るエンコーダ
    において、該エンコーダのスケール上に形成した2つ以
    上の検出信号を発生させるためのマーク部を有し、該2
    つ以上の検出信号を用いて原点情報を有する少なくとも
    1つのパルス信号の立上り位置と立下り位置を決定する
    ことを特徴とするエンコーダ。
  2. 【請求項2】発光素子よりの光束をスケール上に投射し
    て受光素子により検出することによりインクリメンタル
    信号を得るエンコーダにおいて、該エンコーダのスケー
    ル上に形成した原点信号生成マークより2つ以上の信号
    を検出し、該2つ以上の検出信号から原点情報を有する
    信号としての該エンコーダのインクリメンタル信号と概
    略同等のパルス幅のパルス信号を作ることを特徴とする
    エンコーダ。
  3. 【請求項3】該2つ以上の検出信号の差動信号より前記
    原点情報を有する信号を形成し、該信号と該インクリメ
    ンタル信号の論理和を取って原点信号を生成することを
    特徴とする請求項1又は2記載のエンコーダ。
  4. 【請求項4】該原点信号生成マークが特定間隔だけずら
    した2つ以上のマークで構成され、該マークの各々から
    の信号を独立に検出することが可能な受光素子を該マー
    クの数に応じて複数個設けることを特徴とする請求項2
    又は3記載のエンコーダ。
  5. 【請求項5】該2つ以上のマークが該スケールの移動方
    向に対し相対的に位置ずれしていることを特徴とする請
    求項4記載のエンコーダ。
  6. 【請求項6】該2つ以上のマークに投射される光束を該
    マークに均等に当たるように配することを特徴とする請
    求項5記載のエンコーダ。
  7. 【請求項7】該2つ以上のマークが該スケールの移動方
    向に対し相対的に特定間隔だけ位置ずれした2つ以上の
    スリットで構成され、該マークにスリット状の光束を照
    射することを特徴とする請求項6記載のエンコーダ。
  8. 【請求項8】該2つ以上のマークが該スケールの移動方
    向に対し相対的に特定間隔だけ位置ずれした2つ以上の
    回折レンズで構成され、該マークにほぼ平行な光束を照
    射することを特徴とする請求項6記載のエンコーダ。
  9. 【請求項9】該原点信号生成マークに投射する光束が複
    数個の光束で構成され、該複数個の光束の各々からの信
    号を独立に検出する受光素子を光束の数に応じて複数個
    設けることを特徴とする請求項2又は3記載のエンコー
    ダ。
  10. 【請求項10】該複数個の光束が該スケールの移動方向
    に対し相対的に位置ずれしていることを特徴とする請求
    項9記載のエンコーダ。
  11. 【請求項11】該複数個の光束の相対的位置ずれ量が調
    節可能であることを特徴とする請求項10記載のエンコ
    ーダ。
  12. 【請求項12】該複数個の光束がスリット状の光束をな
    し、スリット形状をした該原点信号生成マークを照射す
    ることを特徴とする請求項10又は11記載のエンコー
    ダ。
  13. 【請求項13】該複数個の光束を複数個のシリンドリカ
    ルレンズで形成することを特徴とする請求項12記載の
    エンコーダ。
  14. 【請求項14】該複数個の光束を複数個のフレネルレン
    ズで形成することを特徴とする請求項12記載のエンコ
    ーダ。
  15. 【請求項15】該複数個の光束が、該マークに均等に当
    たるように配されることを特徴とする請求項9から14
    の何れか1項記載のエンコーダ。
  16. 【請求項16】該原点信号生成マークが特定間隔だけず
    らした2つ以上のマークで構成されるとともに、該原点
    信号生成マークに投射する光束が複数個の光束で構成さ
    れ、該マークと該複数個の光束の組み合わせによって生
    じる所定の数の信号を独立に検出することが可能な複数
    個の受光素子を設けたことを特徴とする請求項2又は3
    記載のエンコーダ。
  17. 【請求項17】該2つ以上のマーク同士及び該複数個の
    光束同士が該スケールの移動方向に対し相対的に位置ず
    れしていることを特徴とする請求項16記載のエンコー
    ダ。
  18. 【請求項18】該複数個の光束の相対的位置ずれ量が調
    節可能であることを特徴とする請求項17記載のエンコ
    ーダ。
  19. 【請求項19】該複数個の光束が、該2つ以上のマーク
    に均等に当たるように配されることを特徴とする請求項
    16から18の何れか1項記載のエンコーダ。
  20. 【請求項20】該原点信号生成マークが特定間隔だけず
    らした2つ以上のスリットで構成され、該原点信号生成
    マークにスリット状の該複数個の光束を投射することを
    特徴とする請求項19記載のエンコーダ。
  21. 【請求項21】該複数個の光束を複数個のシリンドリカ
    ルレンズで形成することを特徴とする請求項20記載の
    エンコーダ。
  22. 【請求項22】該複数個の光束を複数個のフレネルレン
    ズで形成することを特徴とする請求項20記載のエンコ
    ーダ。
  23. 【請求項23】発光素子からの光束をスケール上に投射
    し、受光素子により検出することによりインクリメンタ
    ル信号を得るエンコーダにおいて、インクリメンタル信
    号を発生させる格子の周期をPとした時、該エンコーダ
    のスケール上に形成する原点信号生成マークをずれ量が
    P/6である2つのスリットで構成するとともに、該2つ
    のスリットに該発光素子より単一のスリット状光束を照
    射し、該2つのスリットから生成される2つの検出信号
    を用いて原点情報を与える信号の立上り及び立下りを決
    定することを特徴とするエンコーダ。
  24. 【請求項24】発光素子よりの光束をスケール上に投射
    し、受光素子により検出することによりインクリメンタ
    ル信号を得るエンコーダにおいて、インクリメンタル信
    号を発生させる格子の周期をPとした時、該エンコーダ
    のスケール上に形成する原点信号生成マークを単一のス
    リットで構成するとともに、該スリットに該発光素子よ
    りずれ量がP/6である2つのスリット状光束を照射し、
    該2つの光束から生成される2つの検出信号を用いて原
    点情報を有する信号の立上り及び立下りを決定すること
    を特徴とするエンコーダ。
  25. 【請求項25】発光素子よりの光束をスケール上に投射
    し、受光素子により検出することによりインクリメンタ
    ル信号を得るエンコーダにおいて、インクリメンタル信
    号の周期をPbとした時、該エンコーダのスケール上に形
    成する原点信号生成マークを、ずれ量がX・Pbに相当す
    る2つのスリットで構成されるのを一つの群とした時、
    ずれ量Lを持つ2つの群よりなる4つのスリットで構成
    するとともに、該4つのスリットに該発光素子より1つ
    のスリット状光束を照射し、該4つのスリットから生成
    される4つの検出信号の差動信号を用いて原点情報を有
    する信号の立上り及び立下りを決定することを特徴とす
    るエンコーダ。
  26. 【請求項26】該ずれ量X・Pbが 0.5Pb< X・Pb<1.5Pb であることを特徴とする請求項25記載のエンコーダ。
  27. 【請求項27】発光素子よりの光束をスケール上に投射
    し、受光素子により検出することによりインクリメンタ
    ル信号を得るエンコーダにおいて、インクリメンタル信
    号の周期をPbとした時、該エンコーダのスケール上に形
    成する原点信号生成マークを、ずれ量がX・Pbに相当す
    る2つのスリットで構成されるのを一つの群とした時、
    ずれ量Lを持つ2つの群よりなる4つのスリットで構成
    するとともに、該4つのスリットに該発光素子よりずれ
    量δPを持つ2つのスリット状光束を各群に対応するよ
    うに照射し、該4つのスリットから生成される4つの検
    出信号の差動信号を用いて原点情報を有する信号の立上
    り及び立下りを決定することを特徴とするエンコーダ。
  28. 【請求項28】該ずれ量X・Pbが 0.5Pb< X・Pb<1.5Pb であることを特徴とする請求項27記載のエンコーダ。
  29. 【請求項29】該2つのスリット状光束のずれ量δPが
    調整可能であることを特徴とする請求項28記載のエン
    コーダ。
  30. 【請求項30】発光素子よりの光束をスケール上に投射
    し、受光素子により検出することによりインクリメンタ
    ル信号を得るエンコーダにおいて、インクリメンタル信
    号を発生させる格子の周期をPとした時、該エンコーダ
    のスケール上に形成する原点信号生成マークをずれ量が
    P/6の2つのスリットで構成される群と群間のずれがLの
    2つの群よりなる4つのスリットで構成するとともに、
    該4つのスリットに該発光素子より単一のスリット状光
    束を照射し、該4つのスリットから生成される4つの検
    出信号の差動信号を用いて原点情報を有する信号の立上
    り及び立下りを決定することを特徴とするエンコーダ。
  31. 【請求項31】発光素子よりの光束をスケール上に照射
    し、受光素子により検出することによりインクリメンタ
    ル信号を得るエンコーダにおいて、該エンコーダ上の原
    点信号生成マークを2つの回折レンズで構成するととも
    に該発光素子よりほぼ平行な光束を照射し、該2つの回
    折レンズから得られる2つの集光光束を、各集光光束毎
    に空間的に離れた2組の2分割受光素子で検出し、該ス
    ケールの移動によって生じる該2組の2分割素子の差動
    信号から該インクリメンタル信号の原点信号位置領域を
    特定することを特徴とするエンコーダ。
  32. 【請求項32】該差動信号と該インクリメンタル信号の
    論理和を取ることによって、該原点信号を作ることを特
    徴とする請求項31記載のエンコーダ。
  33. 【請求項33】該2つの回折レンズが該スケールの移動
    方向に対して相対的にずれていることを特徴とする請求
    項32記載のエンコーダ。
  34. 【請求項34】該2組の2分割受光素子が田の字型の4
    分割受光素子であることを特徴とする請求項33記載の
    エンコーダ。
  35. 【請求項35】該スケール上の回折レンズが透明基板上
    に凹凸状の位相格子構造の上に反射膜が付けられた構造
    を有することを特徴とする請求項31〜34の何れか1
    項記載の反射型エンコーダ。
  36. 【請求項36】該スケール上の回折レンズが透明基板上
    に凹凸状の位相格子構造を有することを特徴とする請求
    項31〜34の何れか1項記載の透過型エンコーダ。
  37. 【請求項37】スケールに4つ以上の変化信号を発生さ
    せる為の原点信号生成マークを有することを特徴とする
    エンコーダ。
  38. 【請求項38】スケール上の原点信号生成マークから4
    つ以上の変化信号を得る為のマーク検出手段を有するこ
    とを特徴とするロータリーエンコーダ。
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