JP2000300918A - 原水処理装置 - Google Patents
原水処理装置Info
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Abstract
もその原水を前処理することにより一定濁度以下に抑制
し、移動床砂濾過装置を利用して数度以下の濁度の工業
用水又は簡易水道水を供給し得る原水処理装置を得る。 【解決手段】 原水処理装置は、取水手段1aからの原
水Wを送る給送ライン2に1次凝集剤注入手段4が接続
され、1次凝集剤を注入された原水を沈砂池3で100
〜150度以下の濁度まで沈殿処理し、その2次原水を
送る給送ライン5に2次凝集剤注入手段7が接続され、
2次凝集剤を注入された2次原水を移動床砂濾過装置6
により処理して数度以下の濁度の処理水を得るように構
成されている。
Description
から凝集剤・凝集補助剤等を用いて浮遊汚濁物質を取り
除き、連続移動床砂濾過装置により一定以下の濁度の処
理水を得ることができる原水処理装置に関する。
濁物質等を除去して飲料水や工業用水を送り出す浄水場
においては、原水の濁質濃度(以下濁度と略記する)が
1000〜2000度程度でも処理できるように必要な
設備が設けられている。かかる浄水場設備は、原水に含
まれている砂や泥を沈砂池で大まかに取り除き、その後
着水井に導いて凝集剤や凝集補助剤などの薬剤を注入
し、この原水中に薬剤が速やかに拡散し、混和されるよ
うに混和池で急速かきまぜを行なう。
で緩速かきまぜを行なってフロックへの移行を推進し、
このフロック成形池に直結された沈殿池で浮遊汚濁物質
を凝集沈殿させて浄水を得るようになっている。このよ
うな設備では、フロック形成池、沈殿池として処理水量
の5〜6時間分の容量を持つ大規模で広大な敷地を要す
る処理部や、着水井、混和池、フロック形成池、沈殿池
における薬剤注入やその濃度管理などのため高度な計表
設備が設けられている。
域面積の小さな小規模河川やダム貯水池、伏流水等を水
源とする原水の処理設備として「上向流式連続移動床砂
濾過装置」を用いた設備も、主として全国各地の簡易水
道用、あるいは工業用水道に用いる設備として普及して
来ている。上述した特定の水源の場合、年間を通じて最
高濁度が100度に満たないことが多く、上記濾過装置
はこのような条件を前提として設置され、薬剤注入が簡
単でマイクロフロックによる直接濾過方式であり、原水
濁度が100〜150度迄処理出来る設備である。この
ような濾過装置は、例えば特開昭52−111062号
公報により公知である。
川水を水源とする一般的な浄水場設備は、超高濁度(2
00〜2000度)の原水であっても処理できる設備を
備えているが、前述したようにフロック形成池や沈殿池
などの設備を設けるために広大な敷地を要し、高度な計
装設備などを設けるため建設費が極めて高価であり、又
設備の維持管理にも非常に手間がかかる。
を用いた原水処理設備は、原水濁度が100〜150度
以下であることが設置するための条件であり、これを飲
料水を供給する一般的な浄水場と同等の設備として設け
ることはともかくとして、たとえ簡易水道用、あるいは
工業用水道に用いるとしても、又年間を通じてわずか1
0日前後の超高濁時しかないとしても原水濁度が設置条
件をはるかに超える超高濁度(200〜2000度)の
原水を水源とする場合にまで用いることはできない。
地が小さく、従って当然設備費用が一般的な浄水場程高
価でなく、薬剤注入制御などが簡単であるといういくつ
かの極めて卓れた利点があり、従って超高濁時であって
も使用できるように改善できればこれらの卓れた利点を
生かすことができる。しかし、河川水が台風や集中豪雨
によって急激に増水した時にその濁度がどのように変化
するかは調査データもなく、超高濁度の原水が通常状態
に戻るまでの変化の状況はよく分っていない。
濁度の変化を実際の河川において調査、分析したとこ
ろ、その超高濁度の河川水は一般に短時間内に濁度が急
激に減少するという特性があることを見出し、このよう
な特性を利用すれば超高濁度の河川水であっても上記移
動床濾過装置の水源に利用できるとの見透しに立って種
々実験、考案の結果、本発明の原水処理装置を提案する
に至ったのである。
川の原水を水源とし、その原水が一時的に超高濁度とな
ってもその原水を前処理することにより一定濁度以下に
抑制し、移動床砂濾過装置を利用して数度以下の濁度の
工業用水又は上水道、簡易水道水を供給し得る原水処理
装置を提供することを課題とする。
を解決する手段として、河川の取水手段から取り込まれ
た原水を下流へ贈り給送ラインに1次凝集剤を注入する
1次凝集剤注入手段を接続し、その2次原水を沈砂池へ
導き、沈砂池で濁度100〜150度以下に粗沈殿させ
た原水を下流へ送る給送ラインに2次凝集剤を注入する
2次凝集剤注入手段を接続し、その2次原水を移動床砂
濾過装置へ導き、この濾過装置で濾過処理して処理水を
得るようにして成る原水処理装置としたのである。
置は、台風や集中豪雨により短時間内に急激に増水して
濁質濃度(以下濁度と略記する)が超高濁度(200〜
2000度)となる一般河川の河川水を原水として利用
できるものである。このような原水処理装置を設置する
場合、上記構成には明示していないが、一般に各処理工
程での濁度を必要に応じて検知するようになっており、
取水手段で取り込まれた原水の濁度が150度を超える
高濁度であることが検知されると、1次凝集剤注入手段
を作動させる。
2000度と極端に高いか、あるいは200度程度に低
いというその度合いに応じて必要な主凝集剤が注入さ
れ、又必要に応じてPH値の調整のためアルカリ性薬品
や凝集補助剤が注入される。このような1次凝集剤注入
処理によって原水の濁度は100〜150度以下に前処
理される。
示す原水濁度の変化の調査、分析グラフによりその意義
が理解される。図中に示されているように、午前2時過
ぎの集中豪雨により河川水位が通常の約1.5mから急
激に約2.5mに増水すると、分析点A1 〜A5 のよう
に濁度が急激に変化する。分析点A1 では河川水位が急
上昇しているが、しかし未だ濁度は急激に増大はしてい
ない。
急激に約200度まで上昇し、1時間程の短い時間内に
100度以下に急激に減少している。その後も急激に1
00度を超えて濁度が上昇した後、急激に減少し、分析
点A3 では濁度が最高100度程となると濁度の減少も
ゆるやかになっており、A4 、A5 では濁度減少がゆる
やかになる傾向がさらに大きくなる。
た河川水は一般に急激に超高濁度となるが、濁度が減少
するのも短時間内であり、従ってこのような濁度変化の
特性から判断すれば、超高濁度となった河川水でも凝集
剤を注入すればさらに濁度を短時間内に急激に変化させ
ることができ、このような前処理によって移動床砂濾過
装置に対する原水として使用できることとなる。
が注入された原水は、沈砂池において原水中に含まれる
超高濁度の汚濁物質が取り除かれ、100〜150度以
下の濁度の2次原水となって給送ラインを経て送られる
が、その給送ライン途中ではさらに2次凝集剤注入手段
によって薬剤が注入され、その原水を移動床砂濾過装置
へ送り込み、この濾過装置により、1度前後の処理水が
得られる。
面を参照して説明する。図1は実施形態の原水処理装置
の全体概略構成図である。1は一般の河川であり、その
断面を示している。この河川1を流れる原水Wは取水手
段として設けた取水口1aから取水ポンプ1pにより取
り込まれ、給送ライン2により下流へ送られる。この給
送ライン2の原水Wは、沈砂池3へ送られるが、給送ラ
イン2の途中には1次凝集剤注入手段4が接続されてい
る。
装置4aと1次凝集補助剤注入装置4bとを備えてい
る。注入装置4aと4bは同一形式のものでもよいし、
互いに異なる形式のものでもよいが、薬剤を貯留するタ
ンクは前者に後者より一般に容量の大きいものが使用さ
れる。注入装置4a、4bの形式としては、重力滴下
型、置換型、2重オリフィス型、飽和器型、注入ポンプ
方式のものなど種々の形式があり、そのいずれでもよい
が、この例では注入ポンプ方式のものが用いられ、ポン
プにより強制的に薬剤を注入できる。
ばん土やアルミニウム、鉄、亜鉛、スズなどを含む金属
塩の溶液などであり、これらのうちでアルミニウム、
鉄、ナトリウムなどを含む金属塩はアルカリ性薬品であ
り、PH調整剤として原水中のPH値を調整するのに用
いられる。又、凝集補助剤は、ベントナイト、ケイ酸ソ
ーダ、活性ケイ酸、アルギン酸ソーダなどであり、フロ
ックを強固にして沈降を促進させるために用いられる。
なお、主凝集剤として硫酸ばん土を用い、凝集補助剤に
替えて上記アルカリ薬品を並列に用いるようにしてもよ
い。
プ井3aとの合計で処理水量の1時間分程度の容量を持
つ池として設けられ、従来例の沈殿池に比して1/5程
度の小規模な容量であり、敷地面積も小さいものであ
る。濾過ポンプ井3aは沈砂池3で浮遊汚濁物質を除去
した原水をオーバフローさせて貯水する小さい井戸であ
り、濾過ポンプ3pが設置されている。
送ライン5を経て移動床砂濾過装置6へ送られるが、こ
の給送ライン5にも2次凝集剤注入手段7が接続されて
おり、これは1次凝集剤注入手段4と全く同一の構成の
ものであって、同様に2次凝集剤注入装置7aと2次凝
集補助剤注入装置7bとを備えている。
に、円筒状で下部が逆円錐状に絞られた本体60の下底
外周に設けた原水受け61に給送ライン5からの原水を
受け、原水受け61に下端が連通し本体60の下底から
上向きに挿通された多数の流入管62が設けられ、その
上端の直ぐ上には原水分散板63sを設けて本体60内
の濾過砂Sによる目詰りを防止しながら原水を濾過砂S
全域に均等に分配して濾過砂Sの間隙を上向流で浸透、
通過させることにより汚濁物質を除去し清澄な濾過水と
して堰65bに集められるようになっている。なお、濾
過砂の粒径は0.8〜1.2mmφで約1mの高さ(大
略本体の下半分程度)に充填されている。
まで延びるエアーリフト管64が設けられており、この
エアーリフト管64の下方に挿入されている吹出管64
aへ図示しないエアーポンプから圧縮エアーを吹込んで
空気と水と濾過砂とが混合状態で激しく攪拌されながら
上昇する。このため、エアーリフト管64の下端に向っ
て汚濁物質を捕捉した濾過砂Sが連続的に周囲から集ま
ってエアーリフト管64内に吸上げられる。
濾過砂Sは、その表面に付着した汚濁物質が剥離洗浄さ
れる。エアーリフト管64で1次洗浄された濾過砂S
は、洗浄水トラフ65a内で洗浄排水と分離され、2次
洗浄手段として設けられたサンドウォッシャ66内のラ
ビリンス機構67によって分散されながら下方へと落下
する。このとき、濾過水面と洗浄排水面との水位差ΔH
によって濾過水の一部がサンドウォッシャ66内を上昇
し、砂と対向流となって上方に向って流れるため濾過砂
Sを再洗浄する。
す程の適宜な流速となるようΔHを調整することによっ
て流速が設定される。上記2次洗浄によって濾過砂Sは
完全に清浄に戻され、サンドウォッシャ66から落下し
て濾過砂分散傘63gにより濾過層に均等に分散され、
再び原水の濾過作用をする。洗浄排水は洗浄水トラフ6
5aから外部へ排水される。このように、濾過砂Sが常
に清浄な状態に保たれるため、連続的に濾過を行なうこ
とができる。なお、洗浄排水量は原水濁質濃度によって
変わるが、通常原水量の10%程度である。
濾過装置6により原水Wを濾過処理した清澄水は受水槽
8に貯水され、必要であれば、図示していないが、給水
ポンプにより需要家へ配管によって給送する。
では、取水121aから取り込まれた原水はその濁度が
常にセンサによりチェックされる。図示の例では、明示
していないが、給送ライン2、沈砂池3、濾過ポンプ井
3a、給送ライン5、移動床砂濾過装置6から送り出さ
れた原水を送る給送ライン9のそれぞれにおいて原水の
濁度が自動的に検出され、記録される。
えているときは、その検出信号により1次凝集剤注入手
段4の注入ポンプが必要に応じて起動され、主凝集剤、
アルカリ性薬品又は凝集補助剤が濁度の程度に応じて必
要量だけ送り出すようになっている。この薬剤の注入量
は、予め濁度に対応して必要量を定めておき、その設定
量を注入するように送り出す。
イン2を通り沈砂池3へ送られ、そこでかきまぜ手段に
より薬剤を十分平均的に分散させ、沈殿させる。その結
果沈砂池3で浮遊汚濁物質を除去された原水の濁度は1
00〜150度以下となるように前述した予め設定され
る薬剤注入量の設定量を定めておく必要がある。例えば
1次凝集剤を100mg/l前後、凝集補助剤(アルカ
リ剤)を10mg/l前後注入すると1000度以上の
原水を100〜150度以下に処理することができる。
〜150度以下に処理されているから、濾過ポンプ3p
により濾過ポンプ井3aから送り出されるが、この濁度
の原水であればその後工程の移動床砂濾過装置6へ送る
ための条件が整えられているから、給送ライン5を経由
して送り出すことができる。
り2次凝集剤、2次アルカリ剤又は2次凝集補助剤を注
入し、その原水を移動床砂濾過装置6へ送ると1度前後
の処理水が得られることは前述した通りである。
して工業用水道水又は上水道、簡易水道水を供給する装
置であるが、その用途は同様な各種処理装置にも適用で
きる。
原水処理装置は一般河川から取り込まれる原水を1次凝
集剤注入手段で1次凝集処理して超高濁度であっても1
00〜150度以下の濁度とした後2次凝集剤注入手段
で2次凝集処理をすると共に移動床砂濾過装置により濁
度を数度以下に処理する原水処理装置としたから、台風
や集中豪雨により年間を通じてたとえば10日前後しか
超高濁度とはならない河川水であっても超高濁度時にこ
れを所定以下の濁度に前処理して数度以下の処理水を濾
過装置で作り出すことができるから、一般の浄水場のよ
うな大規模で広大な敷地と設備、計装装置などを必要と
せずに、従って安価な設備費用で工業用水や上水道、簡
易水道用の処理水を提供できるという極めて顕著な効果
が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 河川の取水手段から取り込まれた原水を
下流へ贈り給送ラインに1次凝集剤を注入する1次凝集
剤注入手段を接続し、その原水を沈砂池へ導き、沈砂池
で濁度100〜150度以下に粗沈殿させた2次原水を
下流へ送る給送ラインに2次凝集剤を注入する2次凝集
剤注入手段を接続し、その2次原水を移動床砂濾過装置
へ導き、この濾過装置で濾過処理して処理水を得るよう
にして成る原水処理装置。 - 【請求項2】 前記1次凝集剤注入手段が濁度200〜
2000度の超高濁度原水に対しその濁度を100〜1
50度以下に凝集処理し得る量の1次凝集剤を供給する
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の原水処理
装置。 - 【請求項3】 前記1次凝集剤注入手段が、主凝集剤を
注入する1次凝集剤注入装置と、アルカリ性薬品又は凝
集補助剤を注入する1次凝集補助剤注入装置とから成る
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の原水処理装
置。 - 【請求項4】 前記移動床砂濾過装置が、筒状の装置本
体内に濾過砂を充填しその内側に下底外から上向きに原
水流入管を設けて2次原水を濾過砂に上向流で通過させ
て濾過するようにし、装置本体内にその下底から上端付
近まで延びるエアーリフト管を設け、その下端寄りで接
続した吹込管を介して外部より圧縮空気を上向きに送り
込んで下端から濾過砂、2次原水を吸い込み圧縮空気と
混合して濾過砂を洗浄する1次洗浄手段と、エアーリフ
ト管上端寄りにその上端から外側へ落下する濾過砂を上
向きの対向流で洗浄する2次洗浄手段とを備えたことを
特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の原水処理
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11114852A JP3030024B1 (ja) | 1999-04-22 | 1999-04-22 | 原水処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP11114852A JP3030024B1 (ja) | 1999-04-22 | 1999-04-22 | 原水処理装置 |
Publications (2)
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JP3030024B1 JP3030024B1 (ja) | 2000-04-10 |
JP2000300918A true JP2000300918A (ja) | 2000-10-31 |
Family
ID=14648326
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11114852A Expired - Lifetime JP3030024B1 (ja) | 1999-04-22 | 1999-04-22 | 原水処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003093806A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-02 | Kurita Water Ind Ltd | 凝集剤注入装置 |
JP2005095818A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-14 | Sanki Eng Co Ltd | 浄水処理方法および浄水処理システム |
JP2010046627A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Toshiba Corp | 浄水前処理システム |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
CN113058325B (zh) * | 2021-03-03 | 2022-10-14 | 江苏新达石英有限公司 | 一种石英砂水磨废水回收处理装置及其工作方法 |
-
1999
- 1999-04-22 JP JP11114852A patent/JP3030024B1/ja not_active Expired - Lifetime
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JP3030024B1 (ja) | 2000-04-10 |
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