JP2000300701A

JP2000300701A - ウッド型ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JP2000300701A
Application number: JP11117000A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Teraoka; 宏寺岡
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 1999-04-23
Filing date: 1999-04-23
Publication date: 2000-10-31

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】ゴルファーが外観上違和感を感じることな
く、更に、低重心で慣性モーメントの大きなヘッドを提
供する。【解決手段】ウッド型ゴルフクラブヘッド１のクラウ
ン部２と側壁部３との交わる稜線４の背面部分をヘッド
の重心高さより一定の長さ下げる。【効果】ゴルファーが外観上違和感を感じず、更に、
低重心で、かつ慣性モーメントの大きなヘッドが出来
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッド最大高さに
比べてヘッド最大幅が広い、所謂、金属製中空ウッド型
ゴルフクラブヘッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来は、ヘッド本体の稜線をほぼ全域に
わたって低く設定し低重心化を図るウッド型ゴルフクラ
ブヘッドや、フェース部の最後方のソール部に比重の大
きい金属を固定し、ヘッドの慣性モーメントを上げる方
法などがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記記
載のような稜線全体を下げた場合、一般的なウッド型ゴ
ルフクラブに比べ、トウ側クラウン部が下がっており、
アドレス時にウッド型ゴルフヘッドのトウ側クラウン部
が下がって見えるので、ゴルファーは違和感が感じてし
まう。

【０００４】また、後記記載の技術では、重心は、深く
なり慣性モーメントは大きくなるが、重心が深くなった
分、ロフト角により、フェース面上の重心位置は高くな
ってしまう。この様な問題点を鑑み、本発明の目的は、
ゴルファーが外観上違和感を感じることなく、更に、低
重心で慣性モーメントの大きなヘッドを提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】金属製中空ウッド型ゴル
フクラブヘッドにおいて、ヘッドのクラウン部と側壁部
との交わる位置に稜線を形成し、フェース面に相対する
後部に位置する該稜線部分を、他の稜線より低い位置に
形成し、かつ、ヘッド最大高さの１／３より低い位置に
ある該稜線部分の長さを１０ｍｍ以上６０ｍｍ以下と
し、その下側に狭域側壁部を形成してなるものである。

【０００６】前記記載の金属製中空ウッド型ゴルフクラ
ブヘッドにおいては、該稜線が変曲点を有し、背面側か
ら見たときに、該稜線が凹状に形成してなるものであ
る。

【０００７】前記記載の金属製中空ウッド型ゴルフクラ
ブヘッドにおいては、前記稜線部の一部がクラウン部と
ソール部とが交わる位置にあるものである。

【０００８】前記記載の金属製中空ウッド型ゴルフクラ
ブヘッドにおいては、前記狭域側壁部の左右に位置する
広域側壁部の肉厚の一部ないし全部が、狭域側壁部の肉
厚より厚いものである。

【０００９】前記記載の金属製中空ウッド型ゴルフクラ
ブヘッドにおいては、前記広域側壁部の一部にヘッド本
体より比重の大きい金属が固着されているものである。

【００１０】前記記載の金属製中空ウッド型ゴルフクラ
ブヘッドにおいては、通常の状態にウッド型ゴルフクラ
ブヘッドをセットした時、グランドラインに対し少なく
ともトウ側広域側壁部が、８０°以上１００°以下の角
度で傾いているものである。

【発明の実施の形態】

【００１１】本発明は、チタン合金、ステンレス、アル
ミニウム合金、その他の合金などを、ヘッドの主な材料
として外殻に使用し、形成された金属製中空ウッド型ゴ
ルフクラブヘッドにおける発明である。中空部は、発泡
樹脂などが充填してあっても良く、該ヘッドは、鋳造で
作ることが好ましく、フェース面などに、ヘッド本体の
材料と異なった材料を使用しても良い。例えば、ヘッド
本体をステンレスで作成し、チタン合金やアモルファス
合金などをフェース面などに嵌合し固定しても良い。

【００１２】本発明は、図１に示す通り、ウッド型ゴル
フクラブヘッド１のクラウン部２と側壁部３との交わる
稜線４を形成し、フェース面５に相対する後部に位置す
る該稜線部分が他の稜線より低い位置に形成され、該稜
線の最も低い位置に有る稜線高さＨ２は、ヘッドの重心
高さＨｇｒより、低い位置に有り、ヘッド最大高さＨ１
の１／３以下の高さ、好ましくは、１／１２以上１／４
以下、更に好ましくは、１／１０以上１／５以下に位置
することが最も好ましい。重心位置より該稜線の位置を
低くしなければ、ヘッドの重心位置は下がらないので、
少なくとも重心位置より低くする必要がある。また、該
稜線に下限を設けたのは、ウッドヘッドの場合、ソール
幅が広いので、ソールにラウンドを付けたり、ソール部
の背面側を斜めに上げる様に設計してダフリ難くする方
が好ましいためである。

【００１３】ヘッド最大高さの１／３より低い位置にあ
る稜線の長さは、長さ１０ｍｍ以上６０ｍｍ以下が好ま
しく、特に２０ｍｍ以上５０ｍｍ以下が好ましい。な
お、ここで該稜線がヘッド最大高さの１／３の高さＨｋ
以下の範囲に入る稜線と、側壁部とソール部とが交わる
位置にできた稜線とで挟まれた領域を狭域側壁部と定義
する。それ以外の広い部分の側壁部を広域側壁部３ｂ，
３ｃとする。狭域側壁部とクラウン部とが交わる位置に
できた稜線の長さがあまり短いと、重心Ｇを下げる効果
は少なくなり好ましくない。逆に長すぎるとトウ側クラ
ウン部が下がって、ゴルファーがアドレスしたときに、
視覚的に違和感を感じてしまうためである。また、該稜
線４とソール部と側壁部とを成す稜線が一部一致してい
ても構わない。

【００１４】本発明は、図２に示したとおり、ヘッド最
大高さＨ１に比べてヘッド最大幅Ｗが広いウッド型ゴル
フクラブヘッドにおいては、低重心を目的とするのであ
るから、ヘッドの最大高さは、４８ｍｍ未満のヘッドが
好ましく、更に２０ｍｍ以上４７．５ｍｍ以下が好まし
く、特に２１ｍｍ以上４７ｍｍ以下が良い。一般に４８
ｍｍ以上のヘッドをディープヘッドといい、ヘッド高さ
が高いため、重心の高いヘッドとされ、球が上がりにく
い印象が有るため、４８ｍｍ未満であることが好まし
く、２０ｍｍ以上としたのは、ゴルフボールの直径から
鑑みて、２０ｍｍ以下のヘッドで打つことは、一般のゴ
ルファーが使用するには難しすぎるためである。特に、
ロフト角θが１５°以上３０°以下であるフェアウエー
ウッドの場合、一般的に地面に置かれているボールを打
つため、更に低重心が好ましい。

【００１５】ヘッドの重心を低く設計する場合、ソール
部に比重の大きい物を固定するか、厚みを増す方法が一
般的である。例えば、ヘッドのフェース面から一番離れ
たソール部に比重の大きい錘を着けた場合、フェース面
には、予めボールを上げる為にロフト角θがあるので、
ソール面からの重心Ｈｇｒは下がるが、重心深さＺｇｒ
は深くなるため、重心からフェース面に向けて直角にあ
たるフェース面上の重心高さＨｇがロフト角θのある分
だけ高くなり、実質上、それほど低重心化出来ない。ま
た、ソール部を厚くした場合、ヘッドの体積を小さくし
ないと、ヘッドが重くなり、クラブとしてのバランスが
悪くなってしまう。その結果、ヘッドを小さくする為、
ヘッドの慣性モーメントは小さくなってしまうという問
題点があった。

【００１６】しかるに、ウッド型ゴルフクラブヘッドの
場合、ことに、ドライバーである場合、ヘッド最大幅Ｗ
は、約９０ｍｍ程度、重心深さＺｇｒは通常、約３０ｍ
ｍ程度の深さにあることから分かるように、重心位置か
らヘッドの最後方までの距離は約６０ｍｍもあり、最後
方部の設計が重心高さを設計する上で重要な要素であ
る。本発明では、ウッド型ゴルフクラブヘッドにおける
重心位置が、ヘッドの最後部を下げることによりクラウ
ン部の後方全体を下げ、低重心化させる方が効果が大き
いことことを見出した。

【００１７】更に、低重心のまま、ヘッド慣性モーメン
トを上げる方が好ましく、クラウン部とソール部に挟ま
れた部分のうち、狭域側壁部の左右に広域側壁部を設
け、該広域側壁部の外壁をなす金属部分の肉厚を狭域側
壁部の肉厚よりも一部もしくは全部を厚くし、ヘッドの
慣性モーメントを上げる。この時の狭域側壁部の一番薄
い部分と広域側壁部の一番厚い部分とは、少なくとも
０．５ｍｍ以上、好ましくは、１．０ｍｍ以上３．０ｍ
ｍ以下の厚みの差が好ましい。あまり肉厚に差がない
と、ヘッドの慣性モーメントは大きくならず、肉厚を厚
くし過ぎると、ヘッドを小さくしなくてはならなくな
り、結果としてヘッドの慣性モーメントが小さくなるた
めである。

【００１８】また、広域側壁部にヘッド本体より比重の
大きい金属を配置しても良く、特に左右ほぼ対称に１な
いし２個の配置が最も好ましい。更に好ましくは、配置
された比重の大きい金属は、側壁部に露出していても良
く、広域側壁部の肉厚を利用して、ソール部に露出して
配置してあっても良い。もちろん、広域側壁部に該錘が
内包されていても構わない。

【００１９】この比重の大きい金属は、比重７．８〜１
９．３が好ましく、具体的には、ステンレス、銅、タン
タル、タングステン、または、それらの合金などで作ら
れた錘が良い。該錘の重量については、５ｇ以上４０ｇ
以下が好ましく、特に１０ｇ以上３０ｇ以下が好まし
い。あまり該錘の重量が軽いと、慣性モーメントを大き
くする効果が薄れ、また、体積も小さくなるので、ヘッ
ド本体に固定しにくくなる。逆に該錘の重量があまり大
きくなると、ヘッド自体の体積が大きくできなくなり、
結局は、ヘッドの慣性モーメントが大きく出来なくなっ
てしまうからである。

【００２０】本発明において、通常の状態にウッド型ゴ
ルフクラブヘッドをセットした時、グランドラインＧＬ
と広域側壁部とが成す角φが、ほぼ直角に成っているこ
とが好ましく、具体的には、少なくとも８０°以上１０
０°以下、更に好ましくは、８５°以上９５°以下に傾
向かせることにより、ソール面を大きくし、低重心を図
ることができる。８０°未満では、ソール面が小さくな
るため、重心が上がり、側壁部が斜めになるので、側壁
部の面積が大きくなり重量が増えるので好ましくない。
また、特にトウ側の広域側壁面の傾きが１００°を越え
るとゴルファーがゴルフボールを打とうとアドレスした
時、特にトウ側の側壁部が見えて違和感を感じる為であ
る。

【００２１】

【実施例】本発明のヘッドＷ＃１Ａは、ドライバーで材
質にチタン合金を使用し、真空鋳造法により作成した。
ヘッド最大高さは、４７ｍｍで体積２７５ｃｃのヘッド
で、フェース部に相対するクラウン部と側壁部との稜線
のうち一番低い稜線高さは、９．０ｍｍであった。ヘッ
ド最大高さの１／３より低い位置にある稜線の長さはお
よそ５０ｍｍであった。フェース部の肉厚は、３．０ｍ
ｍ、クラウン部、ソール部、狭域側壁部の肉厚及び広域
側壁部の肉厚は、どちらも約０．８ｍｍとした。また、
本発明のヘッドＷ＃１Ｂは、Ｗ＃１Ａと同一材料で作成
し、ヘッド最大高さは、４７ｍｍで体積２６５ｃｃのヘ
ッドで、フェース部に相対するクラウン部と側壁部との
稜線のうち一番低い稜線高さは、９．０ｍｍとし、ヘッ
ド最大高さの１／３より低い位置にある稜線の長さはお
よそ４０ｍｍであった。フェース部の肉厚は、３．０ｍ
ｍ、クラウン部、ソール部、狭域側壁部の肉厚は、約
０．８ｍｍとし、広域側壁部の一部を、それぞれ左右３
０ｍｍにわたって、厚さを、２．０ｍｍとした。

【００２２】どちらも、クラウン部と広域側壁部との交
わる稜線と、クラウン部と狭域側壁部との交わる稜線
は、本実施例では、稜線に４つの変曲点を設け、背面側
から見ると、稜線が凹状になる様にした。

【００２３】比較として、市販品Ｗ＃１Ｃは、ドライバ
ーで材質にチタン合金を使用したモデルで、市販品Ｗ＃
１Ｄは、市販品Ｗ＃１Ｃと同様にドライバーで材質にチ
タン合金を使用し、更にソール部最後端部に錘を付けた
モデルである。どちらも、フェース面に相対する位置で
の稜線高さは、およそ２４ｍｍであり、該稜線に変曲点
は無いものであった。

【００２４】本発明Ｗ＃３Ａは、フェアウエーウッド
で、ヘッド最大高さが４０ｍｍの鋳造ステンレス製のヘ
ッドで、該稜線部には、４つの変曲点を有し、フェース
部に相対するクラウン部と側壁部との稜線のうち一番低
い稜線高さは、８．０ｍｍとし、ヘッド最大高さの１／
３より低い位置にある稜線の長さはおよそ４０ｍｍであ
った。比較として、一般的なモデル市販品Ｗ＃３Ｃの鋳
造ステンレス製のヘッドでフェース面に相対する位置で
の稜線高さは、およそ１７ｍｍであり、該稜線に変曲点
は無いものであった。作成したヘッドとの比較を下記の
表１に示す。

【００２５】表１

【００２６】表１に示したウッド型ゴルフクラブについ
て、それぞれ、実打による評価を行った。その結果、表
２で示した通りヘッドスピード約４５ｍ／ｓのゴルファ
ーの結果では、飛距離にあまり差は見られなかったが、
表３で示したヘッドスピード約３５ｍ／ｓのゴルファー
の結果では、明らかに差が見られた。ここで、ミート率
とは、ボール初速をヘッドスピードで割った値で示し、
数値が高いほど良い。

【００２７】表２

【００２８】表３

【００２９】上記結果の通り、本発明のウッド型ゴルフ
クラブヘッドは、ヘッドスピードの遅いゴルファーに特
に効果があり、更に、フェアウェーウッドで効果が高
く、ミート率、飛距離、ともに良い結果が得られた。こ
れは、ヘッドスピードの遅いゴルファーは、ボールの初
速が遅く、ボールに充分な揚力を得難いため、低重心に
することにより、打ち出し角を上げることにより、ボー
ルの飛距離を伸ばすことを目的としたからであり、更
に、左右の広域側壁部を肉厚にし、ヘッドの慣性モーメ
ントが上がるように設計し、スウィートスポットから外
れた打点で打っても飛距離がそれほど落ちない効果を狙
って設計した物であるからである。

【００３０】

【発明の効果】よって、本発明により、ゴルファーが外
観上違和感を感じず、更に、低重心で慣性モーメントの
大きなヘッドを提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】ウッド型ゴルフヘッド背面図

【図２】ウッド型ゴルフヘッド側面図

【図３】Ａ−Ａ´断面図

【符号の説明】

１ウッド型ゴルフヘッド２クラウン部３側壁部３ａ狭域側壁部３ｂ、３ｃ広域側壁部４稜線５フェース部６ソール部７狭域側壁部の薄肉部８ａ、８ｂ広域側壁部の肉厚部Ｇ重心ＧＬグランドラインＨ１ヘッド最大高さＨ２最も低い位置に有る稜線高さＨｋヘッド最大高さの１／３の高さＨｇフェース面上重心高さＨｇｒ重心高さＺｇｒ重心深さＷヘッド最大幅 θ ロフト角 φ グランドラインＧＬと広域側壁部とが成す角

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】金属製中空ウッド型ゴルフクラブヘッドに
おいて、クラウン部と側壁部との交わる位置に稜線を形
成し、フェース面に相対する後部に位置する該稜線部分
を、他の稜線より低い位置に形成し、かつ、ヘッド最大
高さの１／３より低い位置にある該稜線部分の長さを１
０ｍｍ以上６０ｍｍ以下とし、その下側に狭域側壁部を
形成してなることを特徴とするウッド型ゴルフクラブヘ
ッド。
【請求項２】請求項１のゴルフクラブヘッドにおいて、
該稜線が変曲点を有し、背面側から見たときに、該稜線
が凹状に形成してなることを特徴とするウッド型ゴルフ
クラブヘッド。
【請求項３】請求項１及び請求項２のゴルフクラブヘッ
ドにおいて、前記稜線部の一部がクラウン部とソール部
とが交わる位置にあることを特徴とするウッド型ゴルフ
クラブヘッド。
【請求項４】請求項１ないし請求項３のゴルフクラブヘ
ッドにおいて、前記狭域側壁部の左右に位置する広域側
壁部の肉厚の一部ないし全部が、狭域側壁部の肉厚より
厚いことを特徴とするウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項５】請求項１ないし請求項４のゴルフクラブヘ
ッドにおいて、前記広域側壁部の一部にヘッド本体より
比重の大きい金属が固着されていることを特徴とするウ
ッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項６】請求項１ないし請求項５のゴルフクラブヘ
ッドにおいて、通常の状態にウッド型ゴルフクラブヘッ
ドをセットした時、グランドラインに対し少なくともト
ウ側広域側壁部が、８０°以上１００°以下の角度で傾
いていることを特徴とするウッド型ゴルフクラブヘッ
ド。