JP2000300535A - Mri装置を用いた時系列温度計測方法 - Google Patents
Mri装置を用いた時系列温度計測方法Info
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Abstract
定に計算できる温度計測方法を提供する。 【解決手段】温度分布情報を含み、同一の核磁気励起タ
イミングにて異なるエコー時間(TE1,TE2)を有する複
数のMR画像を取得するマルチエコー撮影を連続的に繰り
返す時系列マルチエコー撮影を行うステップとマルチエ
コー複素MR画像のうち、TE1から計算された複素MR画像
と、TE2から計算された複素MR画像とから第1の複素演
算MR画像を作成するステップと、各時相の第1の複素演
算MR画像と基準温度を反映した参照複素演算MR画像から
第2の複素演算MR画像を作成するステップ第2の複素演
算MR画像のアークタンジェントを計算し、位相分布を作
成するステップと、位相アンラップを行うステップと、
位相アンラップ後の位相分布から温度分布を計算するス
テップとから成るMRI装置を用いた時系列温度計算方
法。
Description
の水素や燐等からの磁気共鳴(以下、MRという)信号を
測定し、被検体の温度分布を映像化する磁気共鳴撮影
(以下、MRIという)装置を用いた温度計測方法に関す
る。
対象は、被検体の主たる構成物質であるプロトンであ
る。このプロトンの密度の空間分布や、励起状態の緩和
現象の空間分布を画像化することで、人体の頭部、腹
部、四肢等の形態又は機能を、2次元もしくは3次元的
に撮影する。MRIでの空間分解能は、現状では撮影視野
(Field of View;以下、FOVという)当り128、256、51
2等が用いられている。
ターベンショナルMRI(Interventional MRI;以下、
IV-MRIと略称する)が普及し始めている。このIV-MRIは
オープン型MRI装置の普及とともに広がりつつある。
ニタを比較した場合、IV-MRIには、(1)軟部組織の描
出能が優れている、(2)X線被曝がなく低侵襲であ
る、(3)任意断面の撮影が可能である、(4)温度モ
ニタが可能である、などの利点がある。
療、エタノールなどの薬物注入、高周波(RF)照射切
除、超音波治療、低温治療などがある。これらの治療に
おいて、MRIの役割は、患部に治療用の穿刺針や細管を
挿入する際のリアルタイム・イメージングによるガイ
ド、治療中の組織変化の可視化、加熱・冷却治療中の患
部の局所温度のモニタなどである。
のがあげられる。 (1)JF. Schench, FA. Jolesz, PB. Roemer et al; S
uperconducting open-configuration MR imaging syste
m for imaging-guided therapy; Radiology. Vol. 195,
pp805〜814, (1995). 文献(1)には、IV-MRI用のダブルドーナツ型のMRI装
置について記載されている。 (2)三井田和夫、原田潤太、土肥美智子、他;インタ
ーベンショナルMRIの特徴と問題点;INNERVISION, Vol.
12, No.9, pp28〜32, (1997).文献(2)には、永久磁
石型のMRI装置を使用したIV-MRIの基礎的な報告が記載
されている。 (3)橋本卓雄、寺尾亨、石橋敏寛、他;MRガイド下経
皮的レーザー腰椎椎間板ヘルニア蒸散法;日磁医誌, Vo
l.18, No.2, pp98〜106, (1998).文献(3)には、MRモ
ニタを腰椎治療のためのレーザー蒸散術に適用した結果
が記載されている。 (4)三井田和夫、原田潤太、土肥美智子、他;オープ
ンタイプMRI装置による透視下のinterventional MRI−
特に脳腫瘍生検法について−;日磁医誌, Vol.17, No.
8, pp517〜521, (1997). 文献(4)には、永久磁石型のMRI装置を使用したIV-MR
Iを脳腫瘍生検に適用した結果が記載されている。
は、(1)オープン型ガントリ、(2)ガントリ周辺に
配置した画像モニタ、(3)専用高周波(RF)受信コイ
ル、(4)リアルタイムイメージング機能、(5)温度
変化のモニタリング機能、(6)MR対応の穿刺針などの
非磁性器具、などが上げられる。
は、0.2T〜0.5Tの中低磁場の装置で多く実現されてい
る。この理由は、1.5Tなどの高磁場の装置に比べて、中
低磁場の装置が、一般にガントリの開放性の点で優れて
いるためである。また、中低磁場でのMRIは、(1)手
術器具などによる静磁場の乱れが画像アーチファクトに
なりにくい、(2)RF照射による生体の加熱が起こりに
くい、など、IV-MRIに適した特徴がある。
保するために、IV-MRI専用のオープン型RF受信コイルが
用いられている。このRF受信コイルでは、コイルの導体
部分を細くしたり、変形させたりして、穿刺針の患部へ
の挿入が容易になるようにしてある。
を使い分けている。すなわち、(1)病変の広がりにつ
いては、通常のMRIシーケンス、(2)穿刺時のモニタ
には、GrE(Gradient Echo)系の高速シーケンス、
(3)レーザ治療など、体内の温度をモニタする場合に
は、信号強度法や位相法(後述する)の温度計測シーケ
ンス、などが用いられている。また、エタノールなどの
薬物治療の場合でも、撮影シーケンスのパラメータを最
適化することにより薬物の画像化が可能になる場合が多
い。
穿刺針が実際の直径よりも太い陰影として描出される。
この理由は、穿刺針による静磁場歪みが穿刺針の周囲に
まで及び、信号低下領域が広がるためである。この陰影
の広がりの程度は、SE(SpinEcho)シーケンスでは大き
い。また、この陰影は、静磁場の方向と穿刺針の方向と
の関係、撮影シーケンスの読み出し方向によってさまざ
まに変化する。
このMRIの機能を活用して、レーザ照射治療のモニタ
や、RF(Radio Frequency)アブレーションのモニタが
できるようになりつつある。MRIによる温度モニタの方
法は、各種提案されているが、以下に述べる信号強度法
と位相法(PPS法:Proton Phase Shift)が多く検討さ
れている。
ザ蒸散法のように局所的に高温度になる場合、生体のT2
値や水分含有量が変化し、信号値が変化する。これらの
変化から、生体内の温度変化を定性的に把握することが
できる。
にある。共鳴周波数の温度係数Cは、−0.01[ppm/℃]で
ある。GrE系シーケンスで生体の加熱前と加熱後に撮影
し、2画像の位相差分を求めると、差分後の位相θ(i,
j)[rad](i,jは画素番号)は、次式で表される。 θ(i,j)=γ・B0・C・ΔT(i,j)・τ ・・・・・(1) ここで、γは磁気回転比、B0は静磁場強度、ΔT(i,j)は
加熱前後の生体の温度変化、τはエコー時間である。
に関する式(2)が得られる。 ΔT(i,j)=θ(i,j)/(γ・B0・C・τ) ・・・・・(2) 式(2)に基づいて温度変化画像が得られる。温度変化
画像の表示には、2次元カラーマップが使われている。
ば、Paul Steiner, Rene Botnar etal; Radio-frequenc
y-induced thermoablation: monitoring with T1-weigh
tedand prpton-frequency-shift MR imaging in an int
erventional 0.5-T environment; Radiology, Vol.206,
pp803〜810, March (1998).がある。この文献では、T1
強調法(信号強度法の一種)と位相法を比較し、その優
劣について記載している。T1強調法画像、位相法画像は
ともに2次元画像であり、別途取得した構造画像の上に
カラーで温度マップを重ねて表示している。
検体の体動の影響が問題となるが、この体動除去法に関
しては従来ほとんど検討されていなかった。その理由
は、従来はMRIの撮影時間が数10秒と長かったため、
連続撮影(Dynamic Scan)はMRI撮影の主流ではなかっ
たためである。
fMRI(functional MRI)などで、オフライン処理によっ
て画像間の位置合わせを行う場合がある。また、一般撮
影にて、伸縮性のある幅広の帯を使って、腹部を強く縛
り、呼吸動を抑制する方法などがある。
布を計測するためには、被検体を加熱前と加熱後に撮影
し、2画像の位相差分を求めることから、被検体が加熱
前後で動くと、温度分布計算結果に誤差が発生する。加
熱前後の時間としては最短でも5秒ないし10秒は必要と
なるし、また加熱に伴う痛みがある場合などもあるの
で、その間被検体がわずかに動くことは避けられない。
また、撮影部位によっては、呼吸や心拍、腸の蠕動など
に起因する動きも発生する。このようなわずかな体動が
ある場合、画像差分時に、とくに臓器の境界部分にアー
チファクトが発生する。
制法は、例えばオフライン処理であったので、患部の温
度計測のように、準リアルタイムで温度計測結果を見な
がら手術を行うIV-MRIには適用できなかった。また、伸
縮性のある幅広の帯を使う方法では、手術部位を覆って
しまうためIV-MRIには適さなかった。
被検体内の温度分布を計測する場合に、被検体の動きが
あっても被検体内の温度変化を時系列的に安定に計算で
きるMRI装置を用いた時系列温度計測方法を提供するこ
とを目的とする。
め、本発明のMRI装置を用いた時系列温度計測方法は、
被検体からのMR信号を計測してMR画像を作成し表示する
MRI装置を用いて、被検体のMR画像を作成表示する方法
において、(1)被検体の温度分布情報を含み、同一の
核磁気励起タイミングにて異なるエコー時間を有する複
数のMR画像を取得するマルチエコー撮影を連続的に繰り
返す時系列マルチエコー撮影を行うステップと、(2)
ステップ(1)で得られるマルチエコー複素MR画像のう
ち、各時相毎に、第1のエコー時間TE1のMR信号から計
算された複素MR画像と、第2のエコー時間TE2のMR信号
から計算された複素MR画像とから、各時相の第1の複素
演算MR画像を作成するステップと、(3)各時相の第1
の複素演算MR画像と、基準温度を反映した参照複素演算
MR画像とから、各時相の第2の複素演算MR画像を作成す
るステップと、(4)各時相の第2の複素演算MR画像の
アークタンジェントを計算し、位相分布を作成するステ
ップと、(5)ステップ(4)で求めた各時相の位相分
布に対して、3次元もしくは2次元の位相アンラップ処
理を行うステップと、(6)各時相の位相アンラップ処
理後の位相分布に基づき、各時相の3次元もしくは2次
元の被検体の温度分布を計算するステップ、とを具備す
る(請求項1)。
を計算するための基となる位相分布情報が各時相におけ
るマルチエコー撮影によって得られた複素MR画像間の演
算に基づいて求められたものであるので、両複素MR画像
の撮影の間には被検体が動くことは実質的にはなく、本
発明の時系列温度計測方法で計測される温度分布では体
動の影響を無視することができる。
方法では更に、得られた温度分布についてボリュームレ
ンダリング処理を行い、ボリュームレンダリング処理し
たものを被検体の温度分布画像として表示するステップ
を具備する。この構成では、被検体の温度分布画像をボ
リュームレンダリング法で表示することができるので、
レーザ照射などで得られる加熱部分のような局所的に急
激な温度変化がある場合でも、時系列で正確に観察する
ことができる。
方法では、温度分布画像をボリュームレンダリング処理
の元画像データを温度変化領域の広がりに対応して自動
抽出するものである。この構成では、温度分布画像上
で、温度変化領域のみが画像データの変化する範囲とみ
て、その温度変化領域の広がりに対応する領域のみボリ
ュームレンダリング処理を行うことにしている。このた
め、ボリュームレンダリング処理の対象となる元画像デ
ータも、温度変化領域の部分に限定することにし、これ
を自動的に抽出してボリュームレンダリング処理を行う
ことにより演算処理時間の短縮化を図っている。
体動がある場合の位相画像の計算誤差について説明す
る。本発明に関連して発明者などが検討を行った結果、
被検体に体動がある場合の位相画像の計算誤差は、特に
臓器の境界領域に強く発生することが明らかになった。
これは高周波(RF)磁場のペネトレーション(penetrat
ion:貫通)効果によるものと推測される。従って、こ
の効果の影響を除くことが、計算誤差を低減させるのに
有効であることがわかった。
図8を用いて簡単に説明する。図8はペネトレーション
効果を示す模式図である。図8では、空間に誘電率ε、
導電率σの物質(被検体)802があるとする。MRIでは、
理想的には空間的に一様なRF磁場801がRF照射コイルか
ら照射される。しかし、被検体802内には、εとσに応
じてRF磁場801をキャンセルする方向に渦電流803が発生
する。この渦電流803は、ビオサバールの法則により一
義的に決定される。
磁場801にベクトル加算され、被検体802内のRF磁場804
の強度を減らしたり、向きを変えたりする。RF磁場804
の向きが局所的に変わるとMR画像の位相も局所的に変化
する。従って、異なるεとσを有する臓器間では、MR画
像の位相に位相差が生じる。
画像同士を複素差分する場合、画像間で位置ずれがない
理想状態では、これらの位相値はキャンセルされ、ゼロ
になる。この結果、位相値は温度変化に起因する項のみ
となる。一方、現実には体動があるため、臓器の境界部
分で、複素差分後の位相値が非ゼロとなり、温度変化に
起因する位相値に体動に起因する位相値が加算される。
この結果、位相値から計算する温度分布の計算値に誤差
が加わることになる。
説明する。図6は、本発明の時系列温度計測方法を実施
するのに用いるMRI装置の構成例を示すブロック図であ
る。図6において、MRI装置の計測空間600に挿入された
被検体601の周囲には、計測空間600に静磁場を発生する
磁石602と、計測空間600に傾斜磁場を発生する傾斜磁場
コイル603と、計測空間600にRF磁場を発生するRF照射コ
イル604と、RF磁場に励起されて被検体601が発生するMR
信号を検出するRF受信コイル605が配置されている。ま
た、被検体601はベッド612に載置されて、計測空間600
に挿入される。
方向の傾斜磁場コイルで構成され、傾斜磁場電源609か
らの信号に応じてそれぞれの方向の傾斜磁場を発生す
る。RF照射コイル604は、RF送信部610の信号に応じて、
RF磁場を発生する。RF受信コイル605が受信したMR信号
は、信号検出部606で検出され、信号処理部607で信号処
理され、また計算により画像信号に変換される。画像
は、表示部608で表示される。
部606、信号処理部607、表示部608は制御部611で制御さ
れる。これらの制御のうち、傾斜磁場電源609、RF送信
部610、信号検出部606の制御のタイムチャートは、一般
にパルスシーケンスと呼ばれている。
系列温度計測方法を実施する手順について、図1のフロ
ーチャートに従って説明する。図1は、本発明の時系列
温度計測方法の一実施例のフローチャートを示したもの
である。図示の如く、本実施例の時系列温度計測方法は
6個のステップから構成される。以下、図1のフローチ
ャートの各ステップについて順を追って説明する。
被検体601の温度分布情報を含むMR画像データを収集す
るために時系列マルチエコー撮影シーケンスを実行す
る。この撮影シーケンスは、被検体601の温度分布情報
を含み、同一の核磁気励起タイミングにて異なるエコー
時間を有する複数のMR画像を取得するためのもので、連
続的に繰り返される。
一実施例を示す。この撮影シーケンスは、温度分布情報
を含む2次元MR撮影シーケンスであり、マルチスライス
2次元オフセットSE法である。本撮影シーケンスでの撮
影パラメータは、例えば繰り返し時間TR=500ms、第1
エコー時間TE1=30ms(=TE−τ/2)、第2エコー時間TE2
=60ms(=TE+τ/2)、撮影マトリックス=128(読み出し
方向)×64(位相エンコード方向)である。また、スライ
ス厚さ=5mm、積算回数=1回とする。このとき、撮影
時間は32s(=500×10-3×64s)である。
う。加熱は、例えばYAGレーザとレーザファイバを使用
して、椎間板内にレーザを照射する。1回の照射時間は
10秒間とし、所定の治療効果が得られるまでレーザ照射
を繰り返す。また、患部の温度変化の時間推移を見るた
めに、2回目の撮影の後、32s毎に撮影を繰り返す。
度RFパルス201を印加してから、スピンエコー時間TEの
半分TE/2(205)を経過した後に、反転180度RFパルス202
を印加し、その後連続して2個のエコーパルス203、204
を発生させる。第1のエコーパルス203はスピンエコー
時間TEよりτ/2(206)早いタイミングで、第2のエコー
パルス204はTEよりτ/2(206)遅いタイミングで発生する
ように、読み出し傾斜磁場207、208が印加される。図
中、209はスライス傾斜磁場、210は位相エンコード傾斜
磁場である。
ー信号204は、被検体の温度分布情報を含む、MR信号で
あり、それぞれMR画像に再構成される。ここで得られる
2個のMR画像は、第1のエコー時間TE1(≡TE−τ/2)で
得られた第1のエコー信号203から計算した複素MR画像A
と、第2のエコー時間TE2(≡TE+τ/2)で得られた第2
のエコー信号204から計算した複素MR画像Bである。
他の実施例を示す。この撮影シーケンスは温度分布情報
を含む3次元MR撮影シーケンスであり、マルチエコー3
次元GrE法である。本撮影シーケンスでの撮影パラメー
タとしては、例えば、TR=70ms、TE1=15ms、TE2=50m
s、撮影マトリックス=128(読み出し方向)×64(位相
エンコード方向)×8(スライスエンコード方向)であ
る。また、バルク厚さ=32mm、積算回数=1回とする。
このとき、撮影時間は35.8s(=70×10-3×64×8s)で
ある。
行う。加熱は、例えばYAGレーザとレーザファイバを使
用して、椎間板内にレーザを照射する。1回の照射時間
は10秒間とし、所定の治療効果が得られるまでレーザ照
射を繰り返す。また、温度の時間的推移を見るために
は、2回目の撮影の後、36s毎に撮影を繰り返す。ま
た、上記と同様の撮影は、2次元(2D)マルチスライス
撮影でも行うことができる。
度RFパルス701を印加後に、読み出し傾斜磁場パルス70
5、707により、連続して2個のエコーパルス706、708を
発生させる。第1のエコーパルス706は、第1のエコー
時間TE1(709)のタイミングで、第2のエコーパルス708
は第2のエコー時間TE2(710)のタイミングで発生してい
る。上記の第1のエコー信号706と第2のエコー信号708
は、被検体の温度分布情報を含むMR信号であり、それぞ
れMR画像に再構成される。ここで得られる2個のMR画像
は、第1のエコー時間TE1で得られた第1のエコー信号7
06から計算した複素MR画像Aと、第2のエコー時間TE2で
得られた第2のエコー信号708から計算した複素MR画像B
である。図中、702はスライス傾斜磁場、703はスライス
エンコード傾斜磁場、704は位相エンコード傾斜磁場で
ある。
第4ステップ(104)で、第1ステップ(101)で得られ
た複素MR画像から時系列位相分布を作成する。各ステッ
プの説明の前に、本発明における3次元位相分布の計算
について詳述する。先ず、3次元もしくはマルチスライ
ス2次元PPS法の温度分布画像においては、温度差ΔT
(i, j, k)[℃]に対応する位相差θ(i, j, k)[rad]は、
式(1)の2次元座標(i, j)を3次元座標(i, j, k)に
拡張した式で与えられる。
れた各エコー信号(n:n=1,2、n=1の場合は上記の第
1のエコー信号に対応し、n=2の場合は上記の第2のエ
コー信号に対応する。)を3次元フーリェ変換、もしく
はスライス毎に2次元フーリェ変換して、3次元複素MR
画像s(i, j, k, n)を得る。ここで、s(i, j, k, n)の絶
対値sa(i, j, k, n)=|s(i, j, k, n)|を求め、所定の
閾値以上の画素のみを抽出することによって、被検体が
存在する領域を抽出しておく。上記の閾値としては、例
えばsa(i, j, k, n)の最大値の20%値を使用する。被検
体抽出には、n=1または2のどちらか一方のエコー信号
を用いればよい。
出する。先ず、上記の複素MR画像s(i, j, k, n)は、一
般に式(3)の如く表される。 s(i, j, k, n)=sa(i, j, k, n)exp[iφ(i, j, k, n)] ・・・・・(3) ここで、exp[iφ(i, j, k, n)]は位相成分である。
イスオフセットSEシーケンス法で取得されたものとして
説明する。φ(i, j, k, n)は、一般に、式(4)で記述
することができる(特開平5-253192号公報の式(9)な
ど参照)。 φ(i, j, k, n)=ψ(i, j, k)+[ΔωB0(i, j, k)+ΔωT(i, j, k)]×(−1 )n・τ/2 ・・(4) ここで、ψ(i, j, k)はRFペネトレーションによるRF照
射磁場位相の空間分布、ΔωB0(i, j, k)は静磁場(B0)
の空間的不均一性に伴う核磁気共鳴周波数の変化分、Δ
ωT(i, j, k)は被検体の温度分布に伴う核磁気共鳴周波
数の変化分を示す。
=2のMR画像は、同一のRF照射パルスで核を励起し、検
出するエコー信号間隔もτ(=TE2−TE1=60ms−30ms−3
0ms)の差である。人体の心拍周期が約1sであることを考
慮すると、このτの間に被検体(人体)が動くことは実
質的には無く、両画像間で演算する場合は、体動の影響
を無視することができる。
n1/n2(i, j, k)(以下、第1の複素演算画像という)を
求めると、 ΔSn1/n2(i, j, k)=s(i, j, k, 1)/s(i, j, k, 2) =[Sa(i, j, k, 1)/Sa(i, j, k, 2)]・exp[i[φ(i, j, k, 1)−φ(i, j, k, 2)]] ・・・(5) となる。このうちの位相成分exp[i[φ(i, j, k, 1)−φ
(i, j, k, 2)]]が温度変化を反映している。式(4)を
考慮して、この位相成分を整理すると、 φ(i, j, k, 1)−φ(i, j, k, 2)=−[ΔωB0(i, j, k)+ΔωT(i, j, k)]・τ ・・・・・(6) が得られ、ψ(i, j, k)は除去される。
算について考える。加熱前後の複素演算画像をそれぞれ
S1(i, j, k)、S2(i, j, k)とし、式(7)、(8)の如
く書き直す。 S1(i, j, k)≡ΔSn1/n2,1(i, j, k) =[Sa1(i, j, k, 1)/Sa1(i, j, k, 2)]・exp[−i[ΔωB0(i, j, k)+ΔωT1 (i, j, k)]・τ] ・・・・・(7) S2(i, j, k)≡ΔSn1/n2,2(i, j, k) =[Sa2(i, j, k, 1)/Sa2(i, j, k, 2)]・exp[−i[ΔωB0(i, j, k)+ΔωT2 (i, j, k)]・τ] ・・・・・(8)
らΔωB0(i, j, k)が除去されている。従って、式(1
0)の位相成分 −[ΔωT1(i, j, k)−ΔωT2(i, j, k)]・τ ・・・・・(11) は温度変化のみを反映する。
をT1(i, j, k)およびT2(i, j, k)とすると、これらの局
所温度分布は上記のΔωT1(i, j, k)およびΔωT2(i,
j, k)とそれぞれ式(12)、(13)の如く関係付け
られる。 ΔωT1(i, j, k)=γ・B0・C・T1(i, j, k) ・・・・・(12) ΔωT2(i, j, k)=γ・B0・C・T2(i, j, k) ・・・・・(13) ここで、ΔT(i, j, k)≡T2(i, j, k)−T1(i, j, k)とお
くことにより、式(11)は式(1)を3次元的に記述
した下記の式(1a)、すなわちθ(i, j, k)と等価にな
る。 θ(i, j, k)=γ・B0・C・ΔT(i, j, k)・τ ・・・・・(1a)
は、加熱前のものと加熱後のものとでは互いに取得時間
が約30秒以上ずれている。従って、その間には被検体が
動いている場合が多い。しかしながら、IV-MRIで行われ
る0.2Tから0.5Tの静磁場強度のオープン型MRI装置を使
用した場合、静磁場歪みは静磁場磁石の形状によって決
定される場合が殆どであるため、時間変動は少ないと考
えてよい。従って、計算結果に誤差を取り込む可能性は
小さい。
k)の実部と虚部をそれぞれ、 ΔSr1/2(i, j, k)=real[ΔS1/2(i, j, k)] ・・・・・(14) ΔSi1/2(i, j, k)=img[ΔS1/2(i, j, k)] ・・・・・(15) で表すと、その位相成分Δφ1/2(i, j, k)は次式で計算
できる。 Δφ1/2(i, j, k)=arctan[ΔSi1/2(i, j, k)/ΔSr1/2(i, j, k)] ・・・・・ (16)
算に基づき、第2ステップ(102)から第4ステップ(1
04)の内容について説明する。先ず、第2ステップ(10
2)においては、第1ステップ(101)で得られた第1の
エコー信号(203,706)から計算した複素MR画像と第2の
エコー信号(204,708)から計算した複素MR画像とから第
1の複素演算MR画像を作成する。具体的には、第1ステ
ップ(101)で得られた複素MR画像は式(3)で表されるも
の、すなわち、S(i, j, k, 1)が第1のエコー信号から
計算した複素MR画像、S(i, j, k, 2)が第2のエコー信
号から計算した複素MR画像であり、第1の複素演算MR画
像は式(5)で表されるものである。
の第1の複素演算MR画像と、基準温度(加熱前温度)を
反映した参照複素MR画像とから第2の複素演算MR画像を
時系列に作成する。具体的には、加熱前の複素演算MR画
像である式(7)のS1(i, j,k)と加熱後の複素演算画像
である式(8)のS2(i, j, k)とから、式(9)または
(10)で表される第2の複素演算MR画像であるΔS1/2
(i, j, k)を求めるものである。この具体的な例では、
加熱前の第1の複素演算MR画像を基準にして、加熱後の
第1の複素演算MR画像を時系列的に一定時間間隔(例え
ば、32秒間隔)で複数枚作成して、それらの各々の第1
の複素演算MR画像と加熱前の第1の複素演算MR画像とか
ら各々の第2の複素演算MR画像を作成することにより、
加熱後の温度変化に対応する複数枚の時系列的な第2の
複素演算MR画像が得られる。ここで、第2の複素演算MR
画像を表す式(10)からは、その位相成分を表す式
(11)が求まり、この式(11)は加熱前後の温度変
化に対応している(式(12)、(13)、(1a)参
照)。
複素演算MR画像のアークタンジェントを計算して、時系
列位相分布を作成する。具体的には、式(14)、(1
5)、(16)に基づいて、第3ステップ(103)で求
めた時系列的な第2の複素演算MR画像から、各時相の位
相成分Δφ1/2(i, j, k)を計算するものである。
値に対しても−πから+πまでの値を与えるため、得ら
れた位相差Δφ1-2(i, j, k)の画像はエリアシングを発
生する。図3は、これを示したもので、図では見やすく
するために2次元表示してある。以上の理由により、Δ
φ1-2(i, j, k)は、式(1)のθ(i, j, k)には直接対
応していない。これを解決するために、次に述べる位相
アンラップ処理を行う。
ステップ(105)では、第4ステップ(104)で得られた
3次元位相分布の計算結果について、3次元位相アンラ
ップ処理を行う。ここで提案する位相アンラップ処理
は、レーザ等によって被検体が局所的に加熱された場
合、被検体内部の温度分布は連続的であるとの仮定に基
づく。この仮定のもとに、3次元画像の被検体部分の非
連続点を検出し、非連続点についてはエアリシングが発
生していると判断して、位相値のアンラップ処理を行う
ものである。
3を参照しながら説明する。図3は本発明に用いる位相
アンラップ処理を説明するための図である。位相アンラ
ップ処理は、(1)基点の決定、(2)処理の走査方向
の決定、(3)アンラップ処理の実行の手順で行われ
る。
図は被検体の位相図301を示したものである。この位相
図301は2次元のもの(Δφ1-2(i, j, ko))で、画素
i、jについて表示されている。位相図301上には、加熱
部分302、基点303、エリアシング304、305が表示されて
いる。先ず、基点(i0, j0, k0)の決定方法としては、被
検体内に存在し、かつ温度変化をしていない部位の1画
素を選択する。温度変化をしている部位をおおまかに知
るためには、温度上昇している領域の信号が低下するこ
とを利用する。すなわち、絶対値画像(式(7)、
(8)参照)の加熱前後の信号差、 ΔSa1-2(i, j, k, 1)=| Sa1(i, j, k, 1)−Sa2(i, j, k, 1)|・・・・・(17) が、最大となる画素を温度変化があった部位と考え、基
点から除外する。
信号値Sa1(i, j, k, 1)およびSa2(i,j, k, 1)が大きい
ほうが、位相値の精度も高く、基点303として適してい
る。すなわち、被検体内で温度変化(差分画像の絶対値
の変化)が少なく、かつ元画像の信号量が大きい画素を
基点303とするのが望ましい。
ための他の方法について図4により説明する。図4も図
3の上図と同様に被検体の位相図401を示したものであ
る。位相図401内には、温度変化した領域402、基点403
が含まれている。この方法では、図4に示す如く撮影領
域を数個(図4では9個)のブロックに分割し、各々の
ブロックで、被検体内のΔSa1-2(i, j, k, 1)の平均値S
meann(n=1〜ブロック数)を求め、Smeannが最大とな
るブロックn内を基点403の選定から除外する。この方法
によれば、輝点ノイズなどに起因する不可避的な誤検出
を避けることができる。
プ処理の走査方向は最終的には全方向について行う。し
かし、処理の順番は任意でよい。ここでは、先ず基点(i
0, j0, k0)303を基準にしてiの正方向を走査方向とす
る。
j0, k0)303から出発し、走査方向に沿って順次、隣接画
素間の位相差の差分を求め、位相値の差分が位相閾値th
を越えていれば、アンラップ処理を行う。位相閾値thと
しては、例えばπとする。具体的には、式(18)に示
すような演算を行う。 θ(i0, j0, k0)=Δφ1-2(i0, j0, k0) θ(i0+1, j0, k0)=Δφ1-2(i0+1, j0, k0) :if |θ(i0, j0, k0)−Δφ1-2(i0+1, j0, k0)|<th θ(i0+1, j0, k0)=Δφ1-2(i0+1, j0, k0)+2π :ifθ(i0, j0, k0)−Δφ1-2(i0+1, j0, k0)>th θ(i0+1, j0, k0)=Δφ1-2(i0+1, j0, k0)−2π :ifθ(i0, j0, k0)−Δφ1-2(i0+1, j0, k0)<−th ・・・・・(18)
明する。先ず、図3の上図の被検体の位相図301のj=j0
線306上の位相差分Δφ1-2(i, j, k)が図3の下図の鋸
歯状の実線Aである。この実線Aは、j=j0線306上の点C
と点Dに対応する位置で位相値のジャンプをしている。
3、…について、アンラップ処理を繰り返す。被検体の
点Eまでこの処理を行ったら、次に基点(i0, j0, k0)303
を始点として、iの負方向にi0−1、i0−2、i0−3、…に
ついて、θ(i0, j0, k0)を初期値として同様の処理を行
う。この結果、画素(i0, j0, k0)の線306についての、
Δφ1-2(i, j0, k0)からθ(i, j0, k0)への変換が完了
する。
ための前提条件として、「被検体の形状は、凸面で囲ま
れており、凹部はなく、従って、上記処理を行うにあた
り、被検体領域がiの正または負方向に飛び飛びになる
ことはない」がある。これは、通常の臨床利用ではこの
条件が満たされていると考えられることから、実用上大
きな制約となることはない。
て、処理の走査方向を、jもしくはkの方向とし、同様の
アンラップ処理を行う。この結果、被検体内部につい
て、3次元的な位相アンラップ処理が完了する。
には、直交座標の3方向だけでなく、さらに斜方向、例
えばi=jと平行な方向にも同様なアンラップ処理を行う
ことが望ましい。
算される位相値であり、ランダムな値である。これらの
位相値は温度分布情報を含まないので、被検体外部の位
相値θ(i, j, k)は0とする。以上の位相アンラップ処理
を行った結果、位相画像に存在したエリアシングが除去
される。
ステップ(106)では、第5ステップ(105)でアンラッ
プ処理した3次元位相分布に基づいて3次元温度分布の
計算を行う。すなわち、上記で計算したθ(i, j, k)に
基づいて、被検体の温度変化の分布を、式(2)を3次
元的表記した式(12)を使って3次元的に求める。 ΔT(i, j, k)=θ(i, j, k)/(γ・B0・C・τ) ・・・・・(19) ここで、γ・B0は共鳴角周波数を与える。B0=0.3Tの場
合には、25.6×106・π[rad/s]である。τは撮影シーケ
ンスのTE値(=35ms)と等しい。
た手順に従うことにより、被検体の時系列温度分布を計
算することができる。次に、この時系列温度分布の計算
結果を表示する方法について説明する。
の第6ステップで求めた3次元温度分布の計算結果に基
づき、表示のための3次元温度画像を計算し、これを表
示画面に表示する。本発明においては、この表示に3次
元投影法を採用する。温度分布の3次元投影法として
は、ボリュームレンダリング法や最大投影値法などがあ
るが、ボリュームレンダリング法を用いるのが良い。何
となれば、レーザによる被検体の加熱はレーザ照射部の
中心部分の温度が最も高く、周囲に行くに従って温度が
低くなるためである。
基本的には、加熱部分を3次元的に可視化できるもの
の、レーザファイバ先端部付近の閾値よりも高い高温度
部が視覚的にわかりにくいと予想される。このため、本
実施例では、温度画像をボリュームレンダリング法で可
視化する。
間に対してレイキャスティングを行う。この方法として
は、例えば、front to back法、back to front法、並行
投影法などが当業者に公知である。1画素に注目した場
合、αの不透明度をもつ画素にCinの光が入って来たと
き、画素の色をCとすると、画素を出て行く光Coutは式
(20)で表される。このCoutが撮影時のボクセル値に
相当する。 Cout=Cin(1−α)+C・α ・・・・・(20)
ある。αは温度ΔT(i, j, k)に対応する。ΔT(i, j, k)
=0に対しては、α=0とする。ΔT(i, j, k)の最大値
は、例えばレーザ照射では300℃程度であるので、ΔT
(i, j, k)=300[℃]に対して、α=1とする。すなわ
ち、α=ΔT(i, j, k)/300とする。このように設定する
ことにより、レーザ照射点が不透明になり、その周辺
に、楕円球状に広がる高温度領域を3次元的に画像化す
ることができる。
には、n回目の撮影と1回目の撮影との間で、上記と同
様の演算を行う。その結果、n回目の撮影と1回目の撮
影の間に生じた温度変化の画像を3次元的に得ることが
できる。
あるが、演算時間が長いため実用上使い勝手が若干悪い
ことは周知である。温度画像を連続的に、時系列的に、
3次元表示したい場合に演算時間が長いことが問題とな
る。本実施例の撮影時間は32sまたは35.8sであるが、こ
の数値は、例えばGrE型のマルチショットEPIシーケンス
を導入することにより、1/4程度の時間、すなわち10s弱
にまで短縮することが可能である。従って、3次元温度
分布表示についても10s以内に完了することが重要な課
題となる。
ナミック3次元温度計測に適したボリュームレンダリン
グの改良手法について図5を参照しながら説明する。図
5は本発明に用いるボリュームレンダリング処理の一実
施例の一部を示す図である。ボリュームレンダリング法
の演算時間を減らすには、元になる3次元温度画像の画
素数を減らすことが本質的である。局所温度治療では、
図5に示す如く、注目する温度変化部分501は、ほぼ球
状に局在している。これは、レーザ照射のためのレーザ
ファイバ502やRFトランスジューサが、侵襲的に患部は
挿入され、その部位のみを加熱するためである。同様
に、焦点超音波による加熱においても、局所のみの加熱
となっている。
とは、血管像を表示するMRAの場合とは大きく異なる。
温度画像のこの特徴を利用することによって、元の温度
画像からボリュームレンダリングの対象となる画素のみ
を効率良く自動抽出することができる。
される温度表示領域505のうちの、温度変化の最大点も
しくは温度変化領域の重心点Q(imax, jmax, kmax)503を
求め、この点Q503を中心としてユーザが設定する半径r0
の球状領域504もしくは一辺の長さa0の立方体領域(図
示せず)のみをボリュームレンダリングの対象領域とす
る。
度、立方体領域の一辺の長さa0は40mm程度とする。撮影
視野(FOV)が250mm×250mmの画像では、画素サイズは
1.95mm(=250mm/128)なので、立方体領域の場合の一辺は
20画素(=40mm/1.95mm)である。また、ボリュームレン
ダリングに使われる画素数は、20×20×20となる。
辺の大きさ(または半径の大きさ)は、撮影毎に変化さ
せても良い。これは、レーザ加熱の場合、最初はごく小
さい領域が加熱され、徐々に加熱領域が広がっていくこ
とを考慮して、温度画像ΔT(i, j, k)の表示領域505の
うちの、温度変化の最大点Q(imax, jmax, kmax)503を基
準としてΔT(i, j, k)の空間的な変化をr(r=|(i−
imax, j−jmax, k−kmax)|)の関数として求める。ΔT
(i, j, k)の値が最大変化点の値ΔT(imax, jmax, kma x)
の半分になるような半径rを温度変化部位の広がりとし
て捕らえることができる。これをrdとする。
域504の半径r0の値は、撮影毎に(すなわちボリューム
レンダリングの元画像データの組毎に)、例えばr0=3
× rdとなるように変化させる。このように半径r0を設
定することにより、ボリュームレンダリング対象の元画
像は、温度変化領域の広がりとともに拡大していき、ボ
リュームレンダリング処理を行うのに必要十分な元画像
データから構成され、ボリュームレンダリング処理の演
算時間も最短となる。
被検体の温度変化を3次元的に可視化する例を示した
が、他の実施例として、例えば、RFアブレーション時の
被検体の温度変化を画像化することもできる。また、例
えばクライオサージェリーでは、−40℃まで患部を冷却
した場合、冷凍領域の直径は20mm程度に達するので、こ
のような低温治療時の温度モニタにも本発明は利用する
ことができる。この場合、ボリュームレンダリングにお
いて、温度が下がるほどαの値を大きくするように変換
式の符号を反転する必要がある。
I装置を用いて被検体内の温度分布を計測する場合に、
被検体の動きがあっても、被検体内の温度変化を安定に
計算することができる。
するためには、加熱前と加熱後に撮影し、2画像の位相
差分を求める必要があり、この間に被検体が動くと計算
結果に誤差を発生しやすかった。しかし、本発明によれ
ば、加熱前後の時間が5秒ないし10秒必要となる場合や
加熱に伴う痛みがある場合などに、被検体が動くことが
あったり、呼吸や心拍、腸の蠕動などに起因する動きが
発生しても、上記の画像差分時に臓器の境界部分に生じ
ていたアーチファクトを低減することができる。
るオフライン処理の体動抑制法と異なり、オンラインで
体動アーチファクトを低減することができる。その結
果、温度計測のように、準リアルタイムで結果を見なが
ら手術を行うIV-MRIに好適な画像が得られる。また、伸
縮性の幅広の帯を使う方法と異なり、手術部位を覆って
しまうこともないのでIV-MRIに適している。
熱部分を3次元で計測し、3次元で表示する手法は検討
されていなかったが、本発明によれば、レーザ照射時の
局所的に急激な位相変化がある場合に、立体構造を安定
かつ正確に表示することができる。また、位相から血管
像を求めるPC(Phase contrast)法のように撮影シーケ
ンスのパラメータを、最適にセットする必要もなく、3
次元温度計測が可能である。
的な変化を準リアルタイムで3次元的に可視化できるMR
I装置を提供でき、加熱治療時の3次元的な温度変化の
様子を直ちにチェックすることができる。
ーチャート。
めの図。
ための他の図。
一実施例の一部を示す図。
を示すブロック図。
Claims (1)
- 【請求項1】被検体からの核磁気共鳴(以下、MRという)
信号を計測してMR画像を作成し表示する磁気共鳴イメー
ジング装置(以下、MRI装置という)を用いて、被検体のM
R画像を作成表示する方法において、 (1)被検体の温度分布情報を含み、同一の核磁気励起
タイミングにて異なるエコー時間を有する複数のMR画像
を取得するマルチエコー撮影を連続的に繰り返す時系列
マルチエコー撮影を行うステップと、 (2)ステップ(1)で得られるマルチエコー複素MR画
像のうち、各時相毎に、第1のエコー時間TE1のMR信号
から計算された複素MR画像と、第2のエコー時間TE2のM
R信号から計算された複素MR画像とから、各時相の第1
の複素演算MR画像を作成するステップと、 (3)各時相の第1の複素演算MR画像と、基準温度を反
映した参照複素演算MR画像とから、各時相の第2の複素
演算MR画像を作成するステップと、 (4)各時相の第2の複素演算MR画像のアークタンジェ
ントを計算し、位相分布を作成するステップと、 (5)ステップ(4)で求めた各時相の位相分布に対し
て、3次元もしくは2次元の位相アンラップ処理を行う
ステップと、 (6)各時相の位相アンラップ処理後の位相分布に基づ
き、各時相の3次元もしくは2次元の被検体の温度分布
を計算するステップ、とを具備することを特徴とするMR
I装置を用いた時系列温度計測方法。
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JP11549999A JP4250255B2 (ja) | 1999-04-22 | 1999-04-22 | 温度計測方法及び磁気共鳴イメージング装置 |
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- 1999-04-22 JP JP11549999A patent/JP4250255B2/ja not_active Expired - Fee Related
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