JP2000299783A - 画像処理方法及びその装置 - Google Patents

画像処理方法及びその装置

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JP2000299783A
JP2000299783A JP11113323A JP11332399A JP2000299783A JP 2000299783 A JP2000299783 A JP 2000299783A JP 11113323 A JP11113323 A JP 11113323A JP 11332399 A JP11332399 A JP 11332399A JP 2000299783 A JP2000299783 A JP 2000299783A
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JP11113323A
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Teruhiko Matsuoka
輝彦 松岡
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多値ディザ処理に用いられるディザマトリクス
におけるマトリクス係数の配置状態を入力画像の各画素
データの階調値に応じて最適化することにより、M階調
の入力画像をN(N<M)階調の高品位の出力画像に変
換する。 【解決手段】256階調の入力画像データを8階調の出
力画像データに変換する多値ディザ処理に用いられる8
値ディザマトリクスを構成する7個のマトリクスA〜G
を、低階調範囲のマトリクスA〜C、中間階調範囲のマ
トリクスD,E、及び、高階調範囲のマトリクスF,G
に分割した。低階調範囲のマトリクスA〜C及び高階調
範囲のマトリクスF,Gにおいて階調値方向を優先して
マトリクス係数を配置し、中間階調範囲のマトリクス
D,EにおいてX・Y方向を優先してマトリクス係数を
配置した。低階調及び高階調の画素データの階調性を向
上し、かつ、中間階調の画素の解像度を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多値ディザ処理によ
る画像処理を行って高品位な多階調画像を出力する画像
処理方法及び画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンタ等の画像形成装置にお
いて入力画像データに対して実行される画像処理方法と
して、自然画等の入力画像データにおいて多値データに
よって表現される各画素データを1ビットの2値データ
に圧縮する2値化変換処理がある。
【0003】従来より、2値化変換処理の手法として、
特開平7−115540号公報や特開平9−32692
7号公報に開示されている多値ディザ処理が知られてい
る。この多値ディザ処理によれば、画像データの各画素
について3段階以上の階調性を表現することができる。
この多値ディザ処理は入力画像データの各画素データを
マトリクス係数を配置したディザマトリクスによって変
換するものであり、ディザマトリクスの構造は画像デー
タの階調方向を優先するか、又は、画像のX,Y座標方
向を優先するかに応じて変化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多値ディザ処理では、例えば、256階調の画像データ
を8階調の画像データに変換する場合、変換された画像
データの低階調の部分及び高階調の部分、即ち、中間階
調以外の部分では、解像度には特に問題を生じることは
ないが階調を厳密に表現することが困難になる傾向にあ
る。一方、中間階調の部分では、階調を厳密に表現する
ことはできるが解像度を高くすることが困難になる傾向
にある。
【0005】このため、低階調の部分及び高階調の部分
の画像を厳密に表現するためには、マトリクス係数を階
調方向に優先的に配置したディザマトリクスを用いるこ
とが望ましいが、このようなディザマトリクスを用いた
場合には中間階調の部分の解像度が低いままになって画
像を厳密に表現することができなくなる。一方、マトリ
クス係数を画像のX座標及びY座標方向に優先的に配置
したディザマトリクスを用いると中間階調の部分の画像
を厳密に表現することはできるものの、中間階調の部分
以外の低階調の部分及び高階調の部分の階調を厳密に表
現することができなくなる。
【0006】また、画像のX座標及びY座標における中
心部から外側に向かって渦巻き状に小さい係数値から順
にマトリクス係数を集中した状態で配置すると、階調を
厳密に表現することはできるが、中間階調の画像を厳密
に表現することができなくなる。一方、画像のX座標及
びY座標方向において各係数値と中心からの距離との間
の関係を定めることなくマトリクス係数を分散した状態
で配置すると、中間階調の画像を厳密に表現することは
できるが、高階調及び低階調の部分を厳密に表現するこ
とができない。
【0007】このように、従来の多値ディザ処理では、
画素データの階調値の全範囲について階調性及び解像度
をともに向上させることができず、多値ディザ処理後の
出力画像データに基づく画像形成処理によっては高品位
の画像を得ることができない問題があった。
【0008】上記特開平7−115540号公報に開示
された構成は、多値ディザ処理とともに実行されるγ補
正処理に用いるγ特性テーブルをディザ処理の種類に応
じて保持するようにしたものであり、多値ディザ処理に
おけるディザマトリクスの構成に起因する上記の問題を
解決することはできない。また、特開平9−32692
7号公報に開示された構成は、ドットが縦方向に連結す
るように成長するディザテーブルを使用して多値ディザ
処理を行うことにより、中間階調以下の階調部分におけ
る階調性及び解像度を向上するようにしたものであり、
入力画像データの階調性を全範囲にわたって厳密に表現
できるようにしたものではない。
【0009】この発明の目的は、多値ディザ処理に用い
られるディザマトリクスにおけるマトリクス係数の配置
状態を入力画像の各画素データの階調値に応じて最適化
することにより、M階調の入力画像をN(N<M)階調
の高品位の出力画像に変換することができる画像処理方
法及び画像処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するための手段として、以下の構成を備えてい
る。
【0011】(1) 入力されたM階調の画像データをN
(N<M)階調の画像データに変換する変換処理を行う
画像処理方法において、横方向を画像のX座標、縦方向
を画像のY座標、上下方向を画像の階調値とし、上下方
向について分割した複数の階調値範囲の一部又は全てに
おいて互いに異なる状態でマトリクス係数を配置した3
次元のN値ディザマトリクスを用いて変換処理を行うこ
とを特徴とする(請求項1)。
【0012】この構成においては、変換処理後の画像品
位の複数の要素のそれぞれに影響を与えるマトリクス係
数の配置状態が、単一の3次元のN値ディザマトリクス
において複数種構成される。したがって、入力された画
像データを構成する各画素が属する階調値範囲に応じて
マトリクス係数の配置状態が異なるディザマトリクスに
よって変換処理され、複数種の配置状態のマトリクス係
数のそれぞれに対応した複数の要素について変換処理後
の画像品位が向上し、高品位の出力画像が得られる。
【0013】(2) 複数の階調値範囲のうち隣接する階調
値範囲において、互いに異なる状態でマトリクス係数を
配置した3次元のN値ディザマトリクスを用いて変換処
理を行うことを特徴とする(請求項2)。
【0014】この構成においては、階調値が接近した複
数の画素についてマトリクス係数の配置状態が異なるデ
ィザマトリクスを用いて変換処理が行われる。したがっ
て、画素データの階調値に拘らず画像の全範囲について
階調の厳密な表現及び解像度の向上の両方が実現され、
画素データの階調値によって階調性の低い画像部分、又
は、解像度の低い画像部分を生じることがなく、出力画
像が部分的に低品位になることがない。
【0015】(3) 複数の階調値範囲のうちの少なくとも
1つの階調値範囲において、マトリクス係数を上下方向
に優先的に配置した3次元のN値ディザマトリクスを用
いて変換処理を行うことを特徴とする(請求項3)。
【0016】この構成においては、少なくとも1つの階
調値範囲に含まれる画素データが、マトリクス係数を階
調値方向に優先的に配置した3次元ディザマトリクスを
用いて変換処理される。したがって、入力画像を構成す
る画素のうち所定の階調値範囲の画素について階調性の
高い状態で変換画像が得られる。
【0017】(4) 複数の階調値範囲のうちの少なくとも
1つの階調値範囲において、マトリクス係数を横方向及
び縦方向に優先的に配置した3次元のN値ディザマトリ
クスを用いて変換処理を行うことを特徴とする(請求項
4)。
【0018】この構成においては、少なくとも1つの階
調値範囲に含まれる画素データが、マトリクス係数を縦
横方向に優先的に配置した3次元ディザマトリクスを用
いて変換処理される。したがって、入力画像を構成する
画素のうち所定の階調値範囲の画素について解像度の高
い状態で変換画像が得られる。
【0019】(5) 複数の階調値範囲において、出力され
るN階調の画素が分散する状態でマトリクス係数を配置
した3次元のN値ディザマトリクスを用いて変換処理を
行うことを特徴とする(請求項5)。
【0020】この構成においては、各階調の画素が出力
画像において分散するようにマトリクス係数を配置した
ディザマトリクスを用いて変換処理が行われる。したが
って、出力画像において各階調の画素が分散し、解像度
の高い状態の変換画像が得られる。
【0021】(6) 上下方向の少なくとも3以上の奇数の
階調値範囲に分割し、低階調値範囲及び高階調値範囲に
おいてマトリクス係数を上下方向に優先的に配置すると
ともに、中間階調値範囲においてマトリクス係数を縦横
方向に優先的に配置した3次元のN値ディザマトリクス
を用いて変換処理を行うことを特徴とする(請求項
6)。
【0022】この構成においては、階調値を3以上に分
割した奇数の階調値範囲のうち、中間の階調値範囲を除
く階調値範囲に含まれる画素についてはマトリクス係数
を上下方向に優先して配置したディザマトリクスを用い
て変換され、中間の階調値範囲に含まれる画素について
はマトリクス係数を縦横方向に優先して配置したディザ
マトリクスを用いて変換される。したがって、階調値の
低い画素及び階調値の高い画素の階調再現性が向上され
るとともに、中間の階調値の画素の解像度が低下するこ
とがない。
【0023】(7) 原画像をM階調の入力画像データとし
て取り込む画像入力部と、取り込まれた入力画像データ
を記憶する画像記憶部と、画像記憶部から各画素におけ
るM階調の入力画像データを読み出してN階調の画像デ
ータに変換する多値ディザ処理部と、多値ディザ処理部
で得られる変換画像データを出力する画像出力部と、を
備え、多値ディザ処理部が、横方向を画像のX座標、縦
方向を画像のY座標、上下方向を画像の階調値とし、上
下方向について分割された複数の階調値範囲の一部又は
全部について互いに異なる状態でマトリクス係数を配置
した3次元のN値ディザマトリクスを用いてM階調の入
力画像データをN階調の変換画像データに変換すること
を特徴とする(請求項7)。
【0024】この構成においては、変換処理後の画像品
位の複数の要素のそれぞれに影響を与えるマトリクス係
数の配置状態が、単一の3次元ディザマトリクスにおい
て複数種構成される。したがって、入力された画像デー
タを構成する各画素が属する階調値範囲に応じてマトリ
クス係数の配置状態が異なるディザマトリクスによって
変換処理が行われ、複数種の配置状態のマトリクス係数
のそれぞれに対応した複数の要素について変換処理後の
画像品位が向上し、高品位の出力画像が得られる。
【0025】(8) 前記マトリクス係数を、縦横方向を優
先的した配置状態又は上下方向を優先した配置状態のい
ずれか一方と、縦横方向について集中した配置状態又は
分散した配置状態のいずれか一方と、を組み合わせた状
態で配置した3次元のN値ディザマトリクスを用いて変
換処理を行うことを特徴とする(請求項8)。
【0026】この構成においては、単一の3次元のN値
ディザマトリクスにおいて、縦横方向又は上下方向のい
ずれかを優先し、かつ、縦横方向について集中又は分散
した状態でマトリクス係数が配置される。したがって、
変換処理後の画像品位の階調性及び解像度のそれぞれに
影響を与えるマトリクス係数の複数の配置状態が単一の
3次元のN値ディザマトリクスにおいて実現され、階調
性及び解像度について変換処理後の画像品位が向上し、
高品位の出力画像が得られる。
【0027】なお、この構成を含む以下の構成におい
て、縦横方向に集中したマトリクス係数の配置状態と
は、画像のX座標及びY座標における中心部から外側に
向かって渦巻き状に小さい係数値から順にマトリクス係
数を配置することをいう。また、縦横方向に分散したマ
トリクス係数の配置状態とは、画像のX座標及びY座標
において各係数値と中心からの距離との間の関係を定め
ることなくマトリクス係数を配置することをいう。
【0028】(9) 複数の階調値範囲のうち隣接する階調
値範囲において、少なくとも、縦横方向を優先した配置
状態若しくは上下方向を優先した配置状態のいずれか一
方、又は、縦横方向について集中した配置状態若しくは
分散した配置状態のいずれか一方が、異なる状態でマト
リクス係数を配置したことを特徴とする(請求項9)。
【0029】この構成においては、互いに隣接する階調
値範囲において、縦横方向と上下方向とのいずれを優先
してマトリクス係数を配置するか、又は、集中した状態
と分散した状態とのいずれの状態でマトリクス係数を配
置するかの少なくとも一方が相違する。したがって、変
換処理後の画像品位の階調性及び解像度の少なくとも一
方に影響を与えるマトリクス係数の配置状態が隣接する
階調値範囲において相違し、連続する複数の階調値範囲
において階調性又は解像度について変換処理後の画像品
位が向上する。
【0030】(10)上下方向の少なくとも3以上の奇数の
階調値範囲に分割し、低階調値範囲と高階調値範囲との
少なくとも一方において、上下方向を優先し、かつ、縦
横方向について集中してマトリクス係数を配置した3次
元のN値ディザマトリクスを用いて変換処理を行うこと
を特徴とする(請求項10)。
【0031】この構成においては、階調値を3以上に分
割した奇数の階調値範囲のうち、低階調値範囲と高階調
値範囲との少なくとも一方に含まれる画素についてはマ
トリクス係数を上下方向に優先するとともに、縦横方向
について集中した状態で配置したディザマトリクスを用
いて変換される。したがって、階調値の低い画素又は階
調値の高い画素の階調再現性が著しく向上する。
【0032】(11)上下方向の少なくとも3以上の奇数の
階調値範囲に分割し、中間階調値範囲において、マトリ
クス係数を縦横方向を優先し、かつ、縦横方向について
分散して配置した3次元のN値ディザマトリクスを用い
て変換処理を行うことを特徴とする(請求項11)。
【0033】この構成においては、階調値を3以上に分
割した奇数の階調値範囲のうち、中間階調値範囲に含ま
れる画素についてはマトリクス係数を縦横方向に優先す
るとともに、縦横方向について分散した状態で配置した
ディザマトリクスを用いて変換される。したがって、中
間値の画素の解像度が著しく向上する。
【0034】(12)原画像をM階調の入力画像データとし
て取り込む画像入力部と、画像記憶部から各画素におけ
るM階調の入力画像データを読み出してN階調の画像デ
ータに変換する多値ディザ処理部と、多値ディザ処理部
で得られる変換画像データを出力する画像出力部と、を
備え、多値ディザ処理部が、横方向を画像のX座標、縦
方向を画像のY座標、上下方向を画像の階調値として、
上下方向について分割された複数の階調値範囲のそれれ
ぞれについてのマトリクス係数の配置状態として、横方
向及び縦方向を優先的した配置状態又は上下方向を優先
した配置状態のいずれか一方を選択する第1選択手段
と、集中した配置状態又は分散した配置状態のいずれか
一方を選択する第2選択手段と、を含み、第1選択手段
及び第2選択手段において選択された配置状態でマトリ
クス係数を配置した3次元のN値ディザマトリクスを用
いてM階調の入力画像データをN階調の変換画像データ
に変換することを特徴とする(請求項12)。
【0035】この構成においては、単一の3次元のN値
ディザマトリクスにおいて、縦横方向又は上下方向のい
ずれかを優先し、かつ、縦横方向について集中又は分散
した状態でマトリクス係数が配置される。したがって、
変換処理後の画像品位の階調性及び解像度のそれぞれに
影響を与えるマトリクス係数の複数の配置状態が単一の
3次元のN値ディザマトリクスにおいて実現され、階調
性及び解像度について変換処理後の画像品位が向上し、
高品位の出力画像が得られる。
【0036】
【実施の形態】図1は、この発明の第1の画像処理方法
による多値ディザ処理法の画像処理を実行する画像処理
装置の構成を示す図である。画像処理装置1は、スキャ
ナや撮像装置等の画像をM階調の入力画像データとして
取り込む入力手段2、入力手段2によって取り込まれた
入力画像データを記憶する画像記憶手段3、画像記憶手
段に記憶されているM階調の入力画像データに対して3
次元のN(N<M)値ディザマトリクスによる多値ディ
ザ処理を施してN階調の出力画像データに変換する多値
ディザ処理手段4、及び、多値ディザ処理手段4による
変換後の出力画像データに基づいて用紙6等に対する画
像形成を行うプリンタ等の画像出力手段5によって構成
されている。
【0037】上記画像処理装置1の多値ディザ処理手段
4は、一例として、各画素がM=256階調のデータを
有する4×4画素の入力画像データに対して、3次元の
N=8値ディザマトリクスを用いて多値ディザ変換処理
を行う。なお、M及びNの値、並びに、入力画像データ
のサイズはこれに限るものではない。
【0038】8値ディザマトリクスは、4×4画素の入
力画像データのサイズに対応して、縦方向及び横方向に
4×4マスを有する。ここに、図2に示すように、画像
データの4×4画素、及び、8値ディザマトリクスの4
×4マスについて、横方向をX座標、縦方向をY座標と
して、各画素及びマスに(0,0)〜(3,3)の座標
値が付与されているものとする。
【0039】上述のように、多値ディザ処理手段4は、
8値ディザマトリクスを用いて、“0”〜“255”の
256階調で表現された入力画像データの各画素を、レ
ベル0〜レベル7の8階調によって表現した出力画像デ
ータに変換する。具体的には、多値ディザ処理手段4
は、入力画像データの各画素の256階調の階調値を8
階調のレベルのそれぞれの間に設定された閾値と比較
し、レベル0〜レベル7のいずれのレベルに属するかを
決定する。このため、8値ディザマトリクスは、図3に
示すように、上下方向(Z方向)を階調値方向として下
から順にマトリクスMa1〜マトリクスMa7の7個の
マトリクスによって構成されている。
【0040】なお、出力画像データにおけるレベル0〜
レベル7の8階調のそれぞれは、一例として、256階
調の“0”、“36”、“73”、“109”、“14
6”、“182”、“219”及び“255”のそれぞ
れに対応している。この場合に、入力画像データのM階
調をN階調に分割する際に、等分に分割するか不均等に
分割するかは問わない。
【0041】また、図3においてマトリクスMa1A〜
Ma7のそれぞれのマスに付した値は、閾値を表すもの
ではなく、閾値となるマトリクス係数の配置順序を表し
ている。各マトリクスにおけるマトリクス係数の配置方
法として、図4(A)に示す集中型の配置方法と、図4
(B)に示す分散型の配置方法と、がある。集中型の配
置方法は階調性の向上に適しており、一方、分散型の配
置方法は解像度の向上に適している。いずれの配置方法
を採るかは任意であるが、ここでは、ドット表示が分散
するように配置されることが好ましいため、図4(B)
に示す分散型の配置方法によってマトリクス係数を配置
する。
【0042】また、多値ディザマトリクスを構成する複
数のマトリクスにおけるマトリクス係数の配置方法とし
て、上下方向(階調方向)を優先して配置する方法と、
各マトリクスのX・Y方向を優先して配置する方法と、
がある。従来の多値ディザ処理法では、多値ディザマト
リクスを構成する複数のマトリクスの全てについて、階
調方向を優先してマトリクス係数を配置する方法、又
は、X・Y方向を優先してマトリクス係数を配置する方
法のいずれか一方のみが用いられていた。
【0043】即ち、階調方向を優先してマトリクス係数
を配置する場合には、図5に示すように、マトリクス係
数はマトリクス内の同一位置のマスについて、マトリク
スMa1からマトリクスMa7まで順に配置される。例
えば、マトリクスMa1における(0,0)のマスを1
番として、マトリクスMa2〜Ma7のそれぞれにおけ
る(0,0)のマスを2〜7番としてマトリクス係数が
付される。
【0044】また、X・Y方向を優先してマトリクス係
数を配置する場合には、図6に示すように、マトリクス
係数はマトリクス毎に各マスに順に配置される。例え
ば、マトリクスMa1内の4×4マスのそれぞれを1番
〜16番とし、次にマトリクスMa2内の4×4マスの
それぞれを16番〜32番としてマトリクス係数が付さ
れる。
【0045】一般に、M階調の画像データをN階調の画
像データに変換する場合、変換後の画像データにおける
ハイライト部分である低階調部分及び高濃度部分である
高階調部分では、解像度に問題を生じることはないが、
階調性を厳密に表現することが困難である。一方、中間
階調部分では、階調性を厳密に表現することはできるが
解像度を高くすることが困難である。したがって、低階
調部分及び高階調部分の階調性を向上させるためには階
調値方向を優先してマトリクス係数を配置したマトリク
スを用いることが望ましいが、このマトリクスでは中間
階調部分の解像度を向上させることができない。反対
に、中間階調部分の解像度を向上させるためにはX・Y
方向を優先してマトリクス係数を配置したマトリクスを
用いることが望ましいが、このマトリクスでは低階調部
分及び高階調部分の階調性を向上させることができな
い。
【0046】このため、多値ディザマトリクスを構成す
る複数のマトリクスの全てについて、階調方向を優先し
てマトリクス係数を配置する方法、又は、X・Y方向を
優先してマトリクス係数を配置する方法のいずれか一方
のみを用いていた従来の多値ディザ処理法では、低階調
部分及び高階調部分の階調性を向上させるとともに、中
間階調部分の解像度を向上させることはできない。
【0047】そこで、この発明の実施形態に係る画像処
理装置1のディザ処理手段4では、7個のマトリクス
を、上下方向(階調値方向)を低階調範囲、中間階調範
囲及び高階調範囲の3つの範囲に分割し、低階調範囲に
属するマトリクスMa1〜Ma3、及び、高階調範囲に
属するマトリクスMa6,Ma7では階調値方向を優先
してマトリクス係数を配置するとともに、中間階調範囲
に属するマトリクスMa4,Ma5ではX・Y方向を優
先してマトリクス係数を配置した8値ディザマトリクス
を用いる。
【0048】図7は、上記画像処理装置のディザ処理手
段における処理手順を示すフローチャートである。画像
処理装置1のディザ処理手段4は、先ず、画像記憶手段
3に記憶されている入力画像データの各画素に(X,
Y)=(0,0)〜(max−1,max−1)の座標
番号を付与し(s1)、8値ディザマトリクスを構成す
るマトリクスMa1〜Ma7のそれぞれのマスに(m
x,my)=(0,0)〜(max−1,max−1)
の座標番号を付与し(s2)、8値ディザマトリクスを
構成するマトリクスMa1〜Ma7のそれぞれに(m
z)=(0)〜(N−2)の座標番号を付与する(s
3)。
【0049】次いで、ディザ処理手段4は、入力画像デ
ータの2次元座標における画素データP(X,Y)を、
8値ディザマトリクスの3次元座標における閾値データ
T(mx,my,mz)と比較する(s4)。この時、
入力画像データにおける比較対象の画素を特定するX座
標及びY座標のぞれぞれの座標値は、8値ディザマトリ
クスにおける比較対象のマスを特定するmx座標及びm
y座標のそれぞれの座標値と一致している。なお、画素
データP(X,Y)は入力画像データにおける(X,
Y)座標に位置する画素の階調値であり、閾値データT
(mx,my,mz)は、8値ディザマトリクスにおけ
る(mx,my,mz)座標に位置するマスの閾値であ
る。
【0050】この比較において、画素データP(X,
Y)が閾値データT(mx,my,mz)以上である場
合には、ディザ処理手段4は、8値ディザマトリクスに
おける比較対象のマスを特定するmz座標の座標値がそ
の最大値である(N−2)であるか否かを判別し(s
5)、mz座標の座標値が(N−2)でない場合にはm
z座標の座標値をインクリメントしてs4に戻る(s
6)。画素データP(X,Y)が閾値データT(mx,
my,mz)未満である場合には、ディザ処理手段4
は、画素データP(X,Y)を8階調表現のレベル(m
z)が対応する256階調表現の階調値データP′(m
z)に変換する(s7)。s5においてmz座標の座標
値が(N−2)である場合にはディザ処理手段4は、画
素データP(X,Y)を8階調表現のレベル(N−1)
が対応する256階調表現の階調値データP′(N−
1)に変換する(s8)。
【0051】上記s4〜s8の処理により、ディザ処理
手段4は、入力画像データにおける画素データP(X,
Y)を、8値ディザマトリクスを構成する7個のマトリ
クスMa1〜Ma7のそれぞれにおいて対応する位置
(mx,my)のマスに設定されている閾値データTと
順次比較し、画素データP(X,Y)が8階調表現のレ
ベル0〜レベル7のいずれに該当するかを判別し、該当
するレベルに対応する256階調表現の階調値を変換後
の画素データP′(X,Y)とする。
【0052】ディザ処理手段4は、上記s4〜s8の処
理を入力画像データに含まれる全ての画素データのそれ
ぞれについて実行する。
【0053】図8は、上記画像処理装置のディザ処理手
段における処理内容を具体的に説明する図である。図3
に示したように、ディザ処理手段4における多値ディザ
処理に用いられる8値ディザマトリクスを構成する7個
のマトリクスMa1〜Ma7のうち低階調範囲に属する
マトリクスMa1〜Ma3については階調値方向を優先
して閾値(マトリクス係数)が配置されている。また、
マトリクスMa1〜Ma7のそれぞれは、図4(B)に
示した分散型の配置方法で閾値(マトリクス係数)を配
置しているものとする。
【0054】したがって、マトリクス係数の配置順に画
素データの変換処理を行うこととすると、先ず、入力画
像データにおける係数順序が1番の画素データP(0,
0)が、マトリクスMa1〜Ma3の閾値データT
(0,0,0〜2)のそれぞれと順に比較される。入力
画像データの(0,0)座標の画素データが“123”
であり、マトリクスMa1〜Ma3における(0,0,
0〜2)座標のマスの閾値がそれぞれ“2”、“5”、
“7”であるため、画素データP(0,0)はレベル0
(0)からレベル3(109)まで上昇する。
【0055】次に、入力画像データにおける係数順序が
2番の画素データP(2,2)が、マトリクスMa1〜
Ma3の閾値データT(2,2,0〜2)のそれぞれと
順に比較される。入力画像データの(2,2)座標の画
素データが“125”であり、マトリクスMa1〜Ma
3における(2,2,0〜2)座標のマスの閾値がそれ
ぞれ“9”、“11”、“14”であるため、画素デー
タP(2,2)もレベル0(0)からレベル3(10
9)まで上昇する。
【0056】さらに、入力画像データにおける係数順序
が3番の画素データP(2,0)が、マトリクスMa1
〜Ma3の閾値データT(2,0,0〜2)のそれぞれ
と順に比較される。入力画像データの(2,0)座標の
画素データが“200”であり、マトリクスMa1〜M
a3における(2,0,0〜2)座標のマスの閾値がそ
れぞれ“23”、“25”、“27”であるため、画素
データP(2,0)もレベル0(0)からレベル3(1
09)まで上昇する。
【0057】このようにして、入力画像データにおける
係数順序にしたがって各画素データP(X,Y)がマト
リクスMa1〜Ma3の閾値データT(mx,my,0
〜2)と比較され、この比較結果に応じて各画素データ
のレベルが上昇する。例えば、入力画像データP(0,
1)=76は、閾値データT(0,1,0)=84未満
であるため、レベル0のままである。また、入力画像デ
ータP(1,3)=50は、閾値データT(1,3,
0)=50以上であり、閾値データT(1,3,1)=
52未満であるため、レベル1まで上昇する。
【0058】マトリクスMa1〜Ma3の閾値との比較
が入力画像データに含まれる4×4画素の全てについて
終了すると、8値ディザマトリクスを構成する中間値範
囲に属するマトリクスMa4の閾値との比較が行われ
る。マトリクスMa4では、X・Y方向を優先して閾値
(マトリクス係数)が配置されている。
【0059】したがって、マトリクス係数の配置順に画
素データの変換処理を行うこととすると、先ず、入力画
像データにおける係数順序が1番の画素データP(0,
0)が、マトリクスMa4の閾値データT(0,0,
3)と比較される。入力画像データの(0,0)座標の
画素データが“123”であり、マトリクスMa4にお
ける(0,0,3)座標のマスの閾値が“111”であ
るため、画素データP(0,0)はレベル3からレベル
4(146)まで上昇する。
【0060】次に、入力画像データにおける係数順序が
2番の画素データP(2,2)が、マトリクスMa4の
閾値データT(2,2,3)と比較される。入力画像デ
ータの(2,2)座標の画素データが“125”であ
り、マトリクスMa4における(2,2,3)座標のマ
スの閾値が“113”であるため、画素データP(2,
2)もレベル3からレベル4(146)まで上昇する。
【0061】さらに、入力画像データにおける係数順序
が3番の画素データP(2,0)が、マトリクスMa4
の閾値データT(2,0,3)と比較される。入力画像
データの(2,0)座標の画素データが“200”であ
り、マトリクスMa4における(2,0,3)座標のマ
スの閾値が“115”であるため、画素データP(2,
0)もレベル3からレベル4(146)まで上昇する。
【0062】また、入力画像データにおける係数順序が
4番の画素データP(0,2)が、マトリクスMa4の
閾値データT(0,2,3)と比較される。入力画像デ
ータの(0,2)座標の画素データが“50”であり、
マトリクスMa4における(0,2,3)座標のマスの
閾値が“118”であるため、画素データP(0,2)
はレベル3のままである。
【0063】このようにして、入力画像データにおける
係数順序にしたがって各画素データP(X,Y)がマト
リクスMa4の閾値データT(mx,my,3)と比較
され、この比較結果に応じて各画素データのレベルが上
昇する。但し、マトリクスMa1〜Ma3の閾値との比
較においてレベル3に達しなかった画素データについて
は、当然にマトリクスMa4との比較によってレベルが
上昇することはない。例えば、入力画像データP(0,
1)はレベル0のままであり、入力画像データP(1,
3)はレベル1のままである。
【0064】マトリクスMa4の閾値との比較が入力画
像データに含まれる4×4画素のすべてについて終了す
ると、8値ディザマトリクスを構成する中間階調範囲に
属するマトリクスMa5の閾値との比較が行われる。マ
トリクスMa5では、X・Y方向(縦横方向)を優先し
て閾値(マトリクス係数)が配置されている。
【0065】したがって、マトリクス係数の配置順に画
素データの変換処理を行うこととすると、先ず、入力画
像データにおける係数順序が1番の画素データP(0,
0)が、マトリクスMa5の閾値データT(0,0,
4)のそれぞれと比較される。入力画像データの(0,
0)座標の画素データが“123”であり、マトリクス
Ma5における(0,0,4)座標のマスの閾値が“1
47”であるため、画素データP(0,0)はレベル4
のままである。
【0066】次に、入力画像データにおける係数順序が
2番の画素データP(2,2)が、マトリクスMa5の
閾値データT(2,2,4)と比較される。入力画像デ
ータの(2,2)座標の画素データが“125”であ
り、マトリクスMa5における(2,2,4)座標のマ
スの閾値が“149”であるため、画素データP(2,
2)もレベル4のままである。
【0067】さらに、入力画像データにおける係数順序
が3番の画素データP(2,0)が、マトリクスMa5
の閾値データT(2,0,4)と比較される。入力画像
データの(2,0)座標の画素データが“200”であ
り、マトリクスMa5における(2,0,4)座標のマ
スの閾値が“151”であるため、画素データP(2,
0)はレベル4からレベル5(182)まで上昇する。
【0068】このようにして、入力画像データにおける
係数順序にしたがって各画素データP(X,Y)がマト
リクスMa5の閾値データT(mx,my,4)と比較
され、この比較結果に応じて各画素データのレベルが上
昇する。但し、マトリクスMa4の閾値との比較におい
てレベル4に達しなかった画素データについては、当然
にマトリクスMa5との比較によってレベルが上昇する
ことはない。例えば、入力画像データP(0,2)はレ
ベル3のままである。
【0069】マトリクスMa5の閾値との比較が入力画
像データに含まれる4×4画素のすべてについて終了す
ると、8値ディザマトリクスを構成する高階調値範囲に
属するマトリクスMa6,Ma7の閾値との比較が行わ
れる。マトリクスMa6,Ma7では、階調値方向を優
先して閾値(マトリクス係数)が配置されている。
【0070】したがって、マトリクス係数の配置順に画
素データの変換処理を行うこととすると、先ず、入力画
像データにおける係数順序が1番の画素データP(0,
0)が、マトリクスMa6,Ma7の閾値データT
(0,0,5〜6)のそれぞれと比較される。しかし、
画素データP(0,0)は、マトリクスMa5の閾値と
の比較においてレベルが上昇しなかったため、レベル4
のままである。同様に、入力画像データにおける係数順
序が2番の画素データP(2,2)もレベル4のままで
ある。
【0071】次に、入力画像データにおける係数順序が
3番の画素データP(2,0)が、マトリクスMa6,
Ma7の閾値データT(2,0,5〜6)のそれぞれと
比較される。入力画像データの(2,0)座標の画素デ
ータが“200”であり、マトリクスMa6,Ma7の
それぞれにおける(2,0,5〜6)座標のマスの閾値
が“192”、“194”であるため、画素データP
(2,0)はレベル5からレベル7(255)まで上昇
する。
【0072】このようにして、入力画像データにおける
係数順序にしたがって各画素データP(X,Y)がマト
リクスMa6,Ma7の閾値データT(mx,my,5
〜6)と比較され、この比較結果に応じて各画素データ
のレベルが上昇する。但し、上述のように、マトリクス
Ma5の閾値との比較においてレベル5に達しなかった
画素データについては、当然にマトリクスMa6,Ma
7との比較によってレベルが上昇することはない。
【0073】以上のようにして、入力画像データを構成
する4×4画素の画素データのそれぞれが、8値ディザ
マトリクスを構成するマトリクスMa1〜Ma7のそれ
ぞれにおいて対応する位置に配置された閾値と比較さ
れ、256階調の入力画像データが8階調の出力画像デ
ータに変換される。
【0074】図9は、この発明の画像処理装置における
画像処理結果を従来の画像処理装置における画像処理結
果と比較した図である。図9(A)に示すように入力画
像データの殆どが“240”以上である場合、図5に示
したようにマトリクス係数を階調値方向のみを優先して
配置した従来例の画像処理装置の出力画像では、図9
(G)に示すように、全ての画素が“255”になって
階調性を厳密に表現することができない。これに対し
て、この発明の画像処理装置の出力画像では図9(D)
に示すように、微妙な階調性が厳密に表現される。
【0075】また、図9(B)に示すように入力画像デ
ータが“200”と“20”との2種類の階調度のみに
よって構成されたハイライト部分である場合、図6に示
したようにマトリクス係数をX・Y方向のみを優先して
配置した従来例の画像処理装置の出力画像では、図9
(K)に示すように、入力画像の高階調部分及び低階調
部分のそれぞれにおいて2種類のレベルの画素が混在
し、解像度が不十分で画像品位が低下している。これに
対して、この発明の画像処理装置の出力画像では図9
(E)に示すように、高階調部分では多少のばらつきを
生じるものの、低階調部分ではすべて“0”になってお
り、入力画像のハイライト部分が明確に再現されてい
る。
【0076】さらに、図9(C)に示すように入力画像
データが“0”から“240”までのグラデーションを
有する中間階調の画像である場合、図5に示したように
マトリクス係数を階調値方向のみを優先して配置した従
来例の画像処理装置の出力画像では、図9(I)に示す
ように、グラデーションを再現することができない。こ
れに対して、この発明の画像処理装置の出力画像では図
9(F)に示すように、グラデーションを忠実に再現す
ることができる。
【0077】以上のように、この発明においては、多値
ディザ処理に用いるN値ディザマトリクスのN−1個の
マトリクスを複数のマトリクス群に分割し、マトリクス
群毎に異なる状態でマトリクス係数を配置したことによ
り、出力画像において階調性の向上及び解像度の向上の
両方を実現することができる。
【0078】特に、隣接するマトリクス群において、互
いに異なる配置方向を優先してマトリクス係数を配置し
たため、より高品位の出力画像を得ることができる。
【0079】なお、マトリクス群の分割数、及び、各マ
トリクス群におけるマトリクス係数の配置状態は、入力
画像データの特徴に基づいて適宜設定することができ
る。
【0080】図10は、この発明の第2の画像処理方法
による多値ディザ処理法の画像処理を実行する画像処理
装置の構成を示す図である。画像処理装置11は、スキ
ャナや撮像装置等の画像をM階調の入力画像データとし
て取り込む画像入力手段12、画像入力手段12によっ
て取り込まれた入力画像データを記憶する画像記憶手段
13、画像記憶手段に記憶されているM階調の入力画像
データに対して3次元のN(N<M)値ディザマトリク
スによる多値ディザ処理を施してN階調の出力画像デー
タに変換する多値ディザ処理手段14、多値ディザ処理
に用いられる3次元の多値ディザマトリクスにおけるマ
トリクス係数の配置状態を決定するマトリクス係数配置
手段15、及び、多値ディザ処理手段14による変換後
の出力画像データに基づいて用紙6等に対する画像形成
を行うプリンタ等の画像出力手段16によって構成され
ている。マトリクス係数配置手段15は、第1配置手段
15a及び第2配置手段15bを含む。
【0081】画像処理装置11の多値ディザ処理手段1
4は、一例として、各画素がM=256階調のデータを
有する4×4画素の入力画像データに対して、3次元の
N=16値ディザマトリクスを用いて多値ディザ変換処
理を行う。なお、M及びNの値、並びに、入力画像デー
タのサイズはこれに限るものではない。
【0082】16値ディザマトリクスは、4×4画素の
入力画像データのサイズに対応して、縦方向及び横方向
に4×4マスを有する。ここに、図11に示すように、
画像データの4×4画素、及び、16値ディザマトリク
スの4×4マスについて、横方向をX座標、縦方向をY
座標として、各画素及びマスに(0,0)〜(3,3)
の座標値が付与されているものとする。この図11は、
第1の実施形態に係る多値ディザ処理の説明において示
した図2と同一のものである。
【0083】上述のように、多値ディザ処理手段14
は、16値ディザマトリクスを用いて、“0”〜“25
5”の256階調で表現された入力画像データの各画素
を、レベル0〜レベル15の16階調によって表現した
出力画像データに変換する。具体的には、多値ディザ処
理手段14は、入力画像データの各画素の256階調の
階調値を16階調のレベルのそれぞれの間に設定された
閾値と比較し、レベル0〜レベル15のいずれのレベル
に属するかを決定する。このため、16値ディザマトリ
クスは、図12に示すように、上下方向(Z方向)を階
調値方向として下から順にMa1〜Ma15の15個の
マトリクスによって構成されている。
【0084】なお、出力画像データにおけるレベル0〜
レベル15の16階調のそれぞれは、一例として、25
6階調の“0”、“17”、“34”、“51”、“6
8”、“85”、“102”、“119”、“13
6”、“153”、“170”、“187”、“20
4”、“221”、“238”及び“255”のそれぞ
れに対応している。この場合に、入力画像データのM階
調をN階調に分割する際に、等分に分割するか不均等に
分割するかは問わない。
【0085】また、図12においてマトリクスMa1〜
Ma15を一例として範囲MG1〜MG7の7領域に分
割している。範囲MG1〜MG7のそれぞれに付したア
ルファベット(A)〜(D)は、各マトリクスにおいて
マトリクス係数が後述する4種類の配置状態のうちどの
状態で配置されているかを表しており、同一のアルファ
ベットを付した領域に含まれるマトリクスのそれぞれ
は、同一の配置状態でマトリクス係数が配置されてい
る。このマトリクス係数の配置状態について以下に説明
する。
【0086】各マトリクスにおけるマトリクス係数の配
置方法として、図13(A)に示す集中型の配置方法
と、図13(B)に示す分散型の配置方法と、がある。
画像のX座標及びY座標における中心部から外側に向か
って渦巻き状に小さい係数値から順にマトリクス係数を
配置する集中型の配置方法は階調性の向上に適してお
り、一方、画像のX座標及びY座標において各係数値と
中心からの距離との間の関係を定めることなくマトリク
ス係数を配置する分散型の配置方法は解像度の向上に適
している。各マトリクスにおいて、マトリクス係数を集
中型の配置方法で配置するか、又は、分散型の配置方法
で配置するかは、マトリクス係数配置手段15の第2配
置手段15bによって決定される。この図13は、第1
の実施形態に係る多値ディザ処理の説明において示した
図4と同様のものである。
【0087】また、多値ディザマトリクスを構成する複
数のマトリクスにおけるマトリクス係数の配置方法とし
て、上下方向(階調方向)を優先して配置する方法と、
各マトリクスの縦横方向を優先して配置する方法と、が
ある。複数のマトリクスにおいて、マトリクス係数を上
下方向を優先して配置するか、又は、縦横方向を優先し
て配置するかは、マトリクス係数配置手段15の第1配
置手段15aによって決定される。
【0088】従来の多値ディザ処理に用いられる3次元
ディザマトリクスでは、N−1個のマトリクスの全てを
対象として一義的に定められた配置状態でマトリクス係
数が配置されている。
【0089】即ち、第1に、3次元ディザマトリクスに
おいて、集中型で上下方向(階調方向)を優先して配置
する場合には、図14に示すように、マトリクス係数は
マトリクス内の同一位置のマスについて、マトリクスM
a1からマトリクスMa15まで上下方向(階調方向)
を優先して順に配置される。例えば、先ず、マトリクス
Ma1における(1,1)のマスを1番とし、マトリク
スMa2〜Ma15のそれぞれにおける(1,1)のマ
スを2〜15番としてマトリクス係数が付され、次に、
マトリクスMa1における(2,1)のマスを16番と
し、マトリクスMa2〜Ma15のそれぞれにおける
(2,1)のマスを17〜30番としてマトリクス係数
が付される。
【0090】第2に、3次元ディザマトリクスにおい
て、分散型で上下方向(階調方向)を優先して配置する
場合には、図15に示すように、マトリクス係数はマト
リクス内の同一位置のマスについて、マトリクスMa1
からマトリクスMa15まで上下方向(階調方向)を優
先して順に配置される。例えば、先ず、マトリクスMa
1における(0,0)のマスを1番とし、マトリクスM
a2〜Ma15のそれぞれにおける(0,0)のマスを
2〜15番としてマトリクス係数が付され、次に、マト
リクスMa1における(2,2)のマスを16番とし、
マトリクスMa2〜Ma15のそれぞれにおける(2,
2)のマスを17〜30番としてマトリクス係数が付さ
れる。
【0091】第3に、3次元ディザマトリクスにおい
て、集中型で縦横方向(X・Y方向)を優先して配置す
る場合には、図16に示すように、マトリクス係数はマ
トリクス毎に各マスに順に配置される。例えば、先ず、
マトリクスMa1における(1,1)のマスを1番と
し、(2,1)のマスを2番としてマトリクスMa1に
おける中心部から外側に向かって渦巻き状に順にマトリ
クス係数が付され、次に、マトリクスMa2における
(1,1)のマスを16番とし、(2,1)のマスを2
番としてマトリクスMa2における中心部から外側に向
かって渦巻き状に順にマトリクス係数が付される。
【0092】第4に、3次元ディザマトリクスにおい
て、分散型で縦横方向(X・Y方向)を優先して配置す
る場合には、図17に示すように、マトリクス係数はマ
トリクス毎に各マスに順に配置される。例えば、先ず、
マトリクスMa1における(0,0)のマスを1番と
し、(2,2)のマスを2番としてマトリクスMa1に
おいて各係数値と中心からの距離との間の関係を定める
ことなくマトリクス係数が付され、次に、マトリクスM
a2における(0,0)のマスを16番とし、(2,
2)のマスを2番としてマトリクスMa2において各係
数値と中心からの距離との間の関係を定めることなくマ
トリクス係数が付される。
【0093】一般に、M階調の画像データをN階調の画
像データに変換する場合、変換後の画像データにおける
ハイライト部分である低階調部分及び高濃度部分である
高階調部分では、解像度に問題を生じることはないが、
階調性を厳密に表現することが困難である。一方、中間
階調部分では、階調性を厳密に表現することはできるが
解像度を高くすることが困難である。
【0094】したがって、低階調部分及び高階調部分の
階調性を向上させるためには階調値方向を優先してマト
リクス係数を配置した図14又は図15に示したマトリ
クスを用いることが望ましいが、このマトリクスでは中
間階調部分の解像度を向上させることができない。反対
に、中間階調部分の解像度を向上させるためにはX・Y
方向を優先してマトリクス係数を配置した図16又は図
17に示したマトリクスを用いることが望ましいが、こ
のマトリクスでは低階調部分及び高階調部分の階調性を
向上させることができない。
【0095】このため、多値ディザマトリクスを構成す
る複数のマトリクスの全てについて、階調方向を優先し
てマトリクス係数を配置する方法、又は、X・Y方向を
優先してマトリクス係数を配置する方法のいずれか一方
のみを用いていた従来の多値ディザ処理法では、低階調
部分及び高階調部分の階調性を向上させるとともに、中
間階調部分の解像度を向上させることはできない。
【0096】そこで、この発明の実施形態に係る画像処
理装置11のディザ処理手段14では、マトリクス係数
配置手段15において、15個のマトリクスを、上下方
向(階調値方向)に7つの範囲MG1〜MG7に分割
し、これらの範囲MG1〜7のそれぞれに対して、変換
後における画像の特徴に応じて4種類の配置方法のいず
れかによってマトリクス係数を配置した16値ディザマ
トリクスを用いて多値ディザ処理を実行する。
【0097】即ち、図12に示したように、16値ディ
ザマトリクスを構成する15個のマトリクスMa1〜1
5を、マトリクスMa1〜3を含む範囲MG1、マトリ
クスMa4,5を含む範囲MG2、マトリクスMa6の
みの範囲MG3、マトリクスMa7〜9を含む範囲MG
4、マトリクスMa10のみの範囲MG5、マトリクス
Ma11,12を含む範囲MG6、及び、マトリクスM
a13〜15を含む範囲MG7に分割している。
【0098】そして、範囲MG1及び範囲MG7は集中
型で上下方向を優先してマトリクス係数を配置する第1
の配置状態(A)とし、範囲MG2及び範囲MG6は分
散型で上下方向を優先してマトリクス係数を配置する第
2の配置状態(B)とし、範囲MG3及び範囲MG5は
集中型で縦横方向を優先してマトリクス係数を配置する
第3の配置状態(C)とし、範囲MG4は分散型で縦横
方向を優先してマトリクス係数を配置する第4の配置状
態(D)としている。したがって、この実施形態に係る
多値ディザ処理に用いる16値ディザマトリクスは、図
18に示す順番でマトリクス係数が配置される。
【0099】なお、多値ディザマトリクスの分割数は7
に限定されるものではなく、4種類のマトリクス係数の
配置状態の全てを割り当てる必要は必ずしもない。
【0100】図19は、上記画像処理装置のディザ処理
手段における処理手順を示すフローチャートである。図
19において、s11とs18、s12とs17、及
び、s13とs15は、それぞれに挟まれた内側の処理
を、所定の条件に基づいて繰り返し実行することを示し
ている。即ち、s11及びs18は入力画像の全範囲
(X=0〜max−1,Y=0〜max−1)に含まれ
る画素のそれぞれに対して順にs12〜s17の処理を
繰り返し実行することを表し、s12及びs17はディ
ザマトリクスの縦横方向(mx=0〜max−1,my
=0〜max−1)に含まれるマスのそれぞれに対応す
る画素に順にs13〜s16の処理を繰り返し実行する
ことを表す。また、s13及びs15は、ディザマトリ
クスの階調方向の範囲(mz=0〜N−2)の閾値と順
次比較する処理を繰り返し実行することを表している。
【0101】s14では、画像データの2次元座標にお
ける画像データP(mx,my)に対して、マトリクス
における3次元座標の閾値M(mx,my,mz)を比
較する。この比較において、画像データPが閾値M以上
である場合には閾値を階調方向にレベルアップし(s1
5)、画像データPが閾値M未満である場合にはその階
調レベルに対応するN階調のうちの1つの値がM階調の
画像データP(mx,my)から変換される(s1
6)。s1〜s8の処理が全て終了することにより、入
力画像に対するM階調からN階調への変換処理が完了す
る。
【0102】図19に示した処理による本実施形態に係
る多値ディザ処理の具体例を図18に示した16値ディ
ザマトリクスと図20に示す画像例とを用いて以下に説
明する。図20(A)〜(C)に示す原画像において、
(my,my)=(0,0)の画素が最初に処理され
る。原画像の(0,0)の画素の画像データとこの画素
に対応する図18の16値ディザマトリクスのマトリク
スMa1からマトリクスMa15のマス(0,0)の閾
値に基づいてデータ変換が行われる。
【0103】図20(A)に示す原画像については、入
力画像データにおいて(0,0)の画素の画像データは
256階調の“230”であり、マトリクスMa1から
マトリクスMa15までのマス(0,0)の閾値はそれ
ぞれ“39”、“40”、“41”、“52”、“5
3”、“99”、“103”、“120”、“13
7”、“167”、“171”、“172”、“24
3”、“244”、“245”であるため、入力濃度レ
ベルはレベル12(204)に変換される。
【0104】次に、入力画像データにおいて(1,0)
の画素の画像データが、16値ディザマトリクスのマト
リクスMa1からマトリクスMa15のマス(1,0)
の閾値に基づいてデータ変換が行われる。入力画像デー
タにおいて(1,0)の画素の画像データは256階調
の“230”であり、マトリクスMa1からマトリクス
Ma15までのマス(0,0)の閾値はそれぞれ“3
0”、“31”、“32”、“69”、“70”、“9
6”、“112”、“129”、“146”、“16
4”、“188”、“189”、“234”、“23
5”、“236”であるため、入力濃度レベルはレベル
12(204)に変換される。
【0105】以後、同様にして、入力画像データの各画
素における256階調の濃度レベルが、16値ディザマ
トリクスに配置された閾値との比較に基づいて16階調
の濃度レベルに変換される。例えば、図20(A)の原
画像における(0,1)画素の濃度レベルは256階調
の“230”であるが、図18に示した16値ディザマ
トリクスでは、マトリクスMa13〜15の(0,1)
マスの閾値はそれぞれ“218”、“219”、“22
0”であるため、変換後の濃度レベルはレベル15(2
55)になる。
【0106】以上の処理は、図20(B)及び(C)に
示す入力画像データについても同様に行われる。
【0107】図20は、この発明の画像処理装置におけ
る画像処理結果を従来の画像処理装置における画像処理
結果と比較した図である。図20(A)に示すように入
力画像データの殆どが“230”である場合、図14に
示したように16値ディザマトリクスを構成するマトリ
クスMa1〜Ma15の全てに対して集中型で階調方向
を優先してマトリクス係数を配置した第1の従来例の画
像処理装置の出力画像では、図20(G)に示すよう
に、全ての画素が“255”になって階調性を厳密に表
現することができない。また、図15に示したように1
6値ディザマトリクスを構成するマトリクスMa1〜M
a15の全てに対して分散型で階調方向を優先してマト
リクス係数を配置した第2の従来例の画像処理装置の出
力画像でも、図20(J)に示すように、全ての画素が
“255”になって階調性を厳密に表現することができ
ない。これに対して、この実施形態に係る画像処理装置
の出力画像では図20(D)に示すように、微妙な階調
性が厳密に表現される。
【0108】入力画像データが図20(B)に示すよう
に256階調の“10”から“240”までグラデーシ
ョンとなっている中間階調の画像である場合、図16に
示したように16値ディザマトリクスMa1〜Ma15
の全てに対して集中型で縦横方向を優先してマトリクス
係数を配置した第3の従来例の画像処理装置の出力画像
では、図20(N)に示すように、グラデーションを殆
ど再現することができない。また、図17に示したよう
に16値ディザマトリクスMa1〜Ma15の全てに対
して分散型で縦横方向を優先してマトリクス係数を配置
した第4の従来例の画像処理装置の出力画像でも、図2
0(Q)に示すように、グラデーションを殆ど再現する
ことができない。これに対して、この実施形態に係る画
像処理装置の出力画像では、図20(E)に示すよう
に、略忠実に原画像のグラデーションが再現されてい
る。
【0109】入力画像データが図20(C)に示すによ
うに256階調の“10”と“200”の2種類の濃度
しかないエッジ部分の画像である場合、第1の従来例の
画像処理装置の出力画像では図20(I)に示すように
斜め方向のラインの端部が再現されず、第2の従来例の
画像処理装置の出力画像では図20(L)に示すように
斜め方向のラインの一部が正確に再現されず、第3及び
第4の従来例の画像処理装置の出力画像では図20
(O)及び(R)に示すように斜め方向のラインの濃度
レベルが一定でないとともに、低階調の部分においても
濃度レベルが不均一となり画像品位の低下を生じてい
る。これに対して、この実施形態に係る画像処理装置の
出力画像では、図20(C)に示すように、斜め方向の
ラインの再現性が極めて高く、低階調の部分では殆ど均
一な濃度レベルとなっており、原画像のエッジ部分を略
忠実に再現することができる。
【0110】以上のように、この実施形態に係る多値デ
ィザ処理では、多段階で各段階毎に優先方向を変えた3
次元N値ディザマトリクスを用いているため、従来の多
値ディザ処理方法に比較して、階調性及び解像度のいず
れについても優れた出力画像を得ることができる。
【0111】なお、前述のように、N値ディザマトリク
スの階調方向の分割数は7段階に限るものではないが、
奇数段に分割することにより低階調、中間階調及び高階
調のそれぞれに互いに異なる優先方向でマトリクス係数
を配置することができ、より高品位の変換画像を得るこ
とができる。
【0112】また、N値ディザマトリクスの階調方向の
分割数、及び、各段階における優先方向の設定は、入力
画像データの特性に応じて、マトリクス係数配置手段1
5によって適宜設定することができる。
【0113】
【発明の効果】請求項1に記載した発明によれば、変換
処理後の画像品位の複数の要素のそれぞれに影響を与え
るマトリクス係数の配置状態を、単一の3次元のN値デ
ィザマトリクスにおいて複数種構成したことにより、入
力された画像データを構成する各画素が属する階調値範
囲に応じてマトリクス係数の配置状態が異なるディザマ
トリクスによって変換処理を行うことができ、複数種の
配置状態のマトリクス係数のそれぞれに対応した複数の
要素について変換処理後の画像品位を向上して、高品位
の出力画像を得ることができる。
【0114】請求項2に記載した発明によれば、階調値
が接近した複数の画素についてマトリクス係数の配置状
態が異なるディザマトリクスを用いて変換処理を行うこ
とにより、画素データの階調値に拘らず画像の全範囲に
ついて階調の厳密な表現及び解像度の向上の両方を実現
することができ、画素データの階調値によって階調性の
低い画像部分、又は、解像度の低い画像部分を生じるこ
とがなく、高品位の出力画像を得ることができる。
【0115】請求項3に記載した発明によれば、少なく
とも1つの階調値範囲に含まれる画素データを、マトリ
クス係数を階調値方向に優先的に配置した3次元ディザ
マトリクスを用いて変換処理することにより、入力画像
を構成する画素のうち所定の階調値範囲の画素について
階調性の高い状態の変換画像を得ることができる。
【0116】請求項4に記載した発明によれば、少なく
とも1つの階調値範囲に含まれる画素データを、マトリ
クス係数を横方向及び縦方向に優先的に配置した3次元
ディザマトリクスを用いて変換処理することにより、入
力画像を構成する画素のうち所定の階調値範囲の画素に
ついて解像度の高い状態の変換画像を得ることができ
る。
【0117】請求項5に記載した発明によれば、各階調
の画素が出力画像において分散するようにマトリクス係
数を配置したディザマトリクスを用いて変換処理を行う
ことにより、出力画像において各階調の画素が分散し、
解像度の高い状態の変換画像を得ることができる。
【0118】請求項6に記載した発明によれば、階調値
を3以上に分割した奇数の階調値範囲のうち、中間の階
調値範囲を除く階調値範囲に含まれる画素についてはマ
トリクス係数を上下方向に優先して配置したディザマト
リクスを用いて変換し、中間の階調値範囲に含まれる画
素についてはマトリクス係数を横方向及び縦方向に優先
して配置したディザマトリクスを用いて変換することに
より、階調値の低い画素及び階調値の高い画素の階調再
現性を向上することができるとともに、中間の階調値の
画素の解像度を向上させることができる。
【0119】請求項7に記載した発明によれば、変換処
理後の画像品位の複数の要素のそれぞれに影響を与える
マトリクス係数の配置状態を、単一の3次元ディザマト
リクスにおいて複数種構成することにより、入力された
画像データを構成する各画素が属する階調値範囲に応じ
てマトリクス係数の配置状態が異なるディザマトリクス
によって変換処理を行うことができ、複数種の配置状態
のマトリクス係数のそれぞれに対応した複数の要素につ
いて変換処理後の画像品位を向上させて高品位の出力画
像を得ることができる。
【0120】請求項8に記載した発明によれば、単一の
3次元のN値ディザマトリクスにおいて、縦横方向又は
上下方向のいずれかを優先し、かつ、縦横方向について
集中又は分散した状態でマトリクス係数を配置すること
により、変換処理後の画像品位の階調性及び解像度のそ
れぞれに影響を与えるマトリクス係数の複数の配置状態
を単一の3次元のN値ディザマトリクスにおいて実現す
ることができ、階調性及び解像度について変換処理後の
画像品位を向上して高品位の出力画像を得ることができ
る。
【0121】請求項9に記載した発明によれば、互いに
隣接する階調値範囲において、縦横方向と上下方向との
いずれを優先してマトリクス係数を配置するか、又は、
集中した状態と分散した状態とのいずれの状態でマトリ
クス係数を配置するかの少なくとも一方を相違させるこ
とにより、変換処理後の画像品位の階調性及び解像度の
少なくとも一方に影響を与えるマトリクス係数の配置状
態を隣接する階調値範囲において相違させることがで
き、連続する複数の階調値範囲において階調性又は解像
度について変換処理後の画像品位を向上することができ
る。
【0122】請求項10に記載した発明によれば、階調
値を3以上に分割した奇数の階調値範囲のうち、低階調
値範囲と高階調値範囲との少なくとも一方に含まれる画
素についてはマトリクス係数を上下方向に優先するとと
もに、縦横方向について集中した状態で配置したディザ
マトリクスを用いて変換することにより、階調値の低い
画素又は階調値の高い画素の階調再現性を著しく向上す
ることができる。
【0123】請求項11に記載した発明によれば、階調
値を3以上に分割した奇数の階調値範囲のうち、中間階
調値範囲に含まれる画素についてはマトリクス係数を縦
横方向に優先するとともに、縦横方向について分散した
状態で配置したディザマトリクスを用いて変換すること
により、中間値の画素の解像度を著しく向上することが
できる。
【0124】請求項12に記載した発明によれば、単一
の3次元のN値ディザマトリクスにおいて、縦横方向又
は上下方向のいずれかを優先し、かつ、縦横方向につい
て集中又は分散した状態でマトリクス係数を配置するこ
とにより、変換処理後の画像品位の階調性及び解像度の
それぞれに影響を与えるマトリクス係数の複数の配置状
態を単一の3次元のN値ディザマトリクスにおいて実現
することができ、階調性及び解像度について変換処理後
の画像品位を向上して、高品位の出力画像を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る画像処理方法
による多値ディザ処理法の画像処理を実行する画像処理
装置の構成を示す図である。
【図2】画像データの画素、及び、8値ディザマトリク
スのマスに付与した座標値を示す図である。
【図3】上記画像処理装置の多値ディザ処理手段におい
て用いられる8値ディザマトリクスの一例を示す図であ
る。
【図4】8値ディザマトリクスを構成する各マトリクス
におけるマトリクス係数の配置方法を示す図である。
【図5】第1の従来例における多値ディザ処理に用いら
れる8値ディザマトリクスを示す図である。
【図6】第2の従来例における多値ディザ処理に用いら
れる8値ディザマトリクスを示す図である。
【図7】上記多値ディザ処理手段の処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図8】上記多値ディザ処理手段による処理状態を説明
する図である。
【図9】上記多値ディザ処理手段による処理結果を従来
例との比較において説明する図である。
【図10】この発明の第2の実施形態に係る画像処理方
法による多値ディザ処理法の画像処理を実行する画像処
理装置の構成を示す図である。
【図11】画像データの画素、及び、16値ディザマト
リクスのマスに付与した座標値を示す図である。
【図12】16値ディザマトリクスにおけるマトリクス
Ma1〜Ma15の分割状態を示す図である。
【図13】16値ディザマトリクスを構成する各マトリ
クスにおける集中型及び分散型のマトリクス係数の配置
状態を示す図である。
【図14】第1の従来例の16値ディザマトリクスにお
けるマトリクス係数の配置状態を示す図である。
【図15】第2の従来例の16値ディザマトリクスにお
けるマトリクス係数の配置状態を示す図である。
【図16】第3の従来例の16値ディザマトリクスにお
けるマトリクス係数の配置状態を示す図である。
【図17】第4の従来例の16値ディザマトリクスにお
けるマトリクス係数の配置状態を示す図である。
【図18】この実施形態に係る16値ディザマトリクス
におけるマトリクス係数の配置状態を示す図である。
【図19】この実施形態に係る多値ディザ処理における
処理手順を示すフローチャートである。
【図20】この実施形態に係る多値ディザ処理手段によ
る処理結果を従来例との比較において説明する図であ
る。
【符号の説明】
1,11−画像処理装置 2,12−画像入力手段 3,13−画像記憶手段 4,14−多値ディザ処理手段 5,16−画像出力手段 15−マトリクス係数配置手段 15a−第1配置手段 15b−第2配置手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力されたM階調の画像データをN(N<
    M)階調の画像データに変換する変換処理を行う画像処
    理方法において、 横方向を画像のX座標、縦方向を画像のY座標、上下方
    向を画像の階調値とし、上下方向について分割した複数
    の階調値範囲の一部又は全てにおいて互いに異なる状態
    でマトリクス係数を配置した3次元のN値ディザマトリ
    クスを用いて変換処理を行うことを特徴とする画像処理
    方法。
  2. 【請求項2】複数の階調値範囲のうち隣接する階調値範
    囲において、互いに異なる状態でマトリクス係数を配置
    した3次元のN値ディザマトリクスを用いて変換処理を
    行う請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】複数の階調値範囲のうちの少なくとも1つ
    の階調値範囲において、マトリクス係数を上下方向に優
    先的に配置した3次元のN値ディザマトリクスを用いて
    変換処理を行う請求項1又は2に記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】複数の階調値範囲のうちの少なくとも1つ
    の階調値範囲において、マトリクス係数を縦横方向に優
    先的に配置した3次元のN値ディザマトリクスを用いて
    変換処理を行う請求項1又は2に記載の画像処理方法。
  5. 【請求項5】複数の階調値範囲において、出力されるN
    階調のドットが分散する状態でマトリクス係数を配置し
    た3次元のN値ディザマトリクスを用いて変換処理を行
    う請求項1又は2に記載の画像処理方法。
  6. 【請求項6】上下方向の少なくとも3以上の奇数の階調
    値範囲に分割し、低階調値範囲及び高階調値範囲におい
    てマトリクス係数を上下方向に優先的に配置するととも
    に、中間階調値範囲においてマトリクス係数を縦横方向
    に優先的に配置した3次元のN値ディザマトリクスを用
    いて変換処理を行う請求項1に記載の画像処理方法。
  7. 【請求項7】原画像をM階調の入力画像データとして取
    り込む画像入力部と、 取り込まれた入力画像データを記憶する画像記憶部と、 画像記憶部から各画素におけるM階調の入力画像データ
    を読み出してN階調の画像データに変換する多値ディザ
    処理部と、 多値ディザ処理部で得られる変換画像データを出力する
    画像出力部と、を備え、 多値ディザ処理部が、横方向を画像のX座標、縦方向を
    画像のY座標、上下方向を画像の階調値とし、上下方向
    について分割された複数の階調値範囲の一部又は全部に
    ついて互いに異なる状態でマトリクス係数を配置した3
    次元のN値ディザマトリクスを用いてM階調の入力画像
    データをN階調の変換画像データに変換することを特徴
    とする画像処理装置。
  8. 【請求項8】前記マトリクス係数を、縦横方向を優先的
    した配置状態又は上下方向を優先した配置状態のいずれ
    か一方と、縦横方向において集中した配置状態又は分散
    した配置状態のいずれか一方と、を組み合わせた状態で
    配置した3次元のN値ディザマトリクスを用いて変換処
    理を行う請求項1に記載の画像処理方法。
  9. 【請求項9】複数の階調値範囲のうち隣接する階調値範
    囲において、少なくとも、縦横方向を優先した配置状態
    若しくは上下方向を優先した配置状態のいずれか一方、
    又は、縦横方向において集中した配置状態若しくは分散
    した配置状態のいずれか一方が、異なる状態でマトリク
    ス係数を配置した請求項8に記載の画像処理方法。
  10. 【請求項10】上下方向の少なくとも3以上の奇数の階
    調値範囲に分割し、低階調値範囲と高階調値範囲との少
    なくとも一方において、上下方向を優先し、かつ、縦横
    方向について集中してマトリクス係数を配置した3次元
    のN値ディザマトリクスを用いて変換処理を行う請求項
    8又は9に記載の画像処理方法。
  11. 【請求項11】上下方向の少なくとも3以上の奇数の階
    調値範囲に分割し、中間階調値範囲において、マトリク
    ス係数を縦横方向を優先し、かつ、縦横方向について分
    散して配置した3次元のN値ディザマトリクスを用いて
    変換処理を行う請求項8乃至10のいずれかに記載の画
    像処理方法。
  12. 【請求項12】原画像をM階調の入力画像データとして
    取り込む画像入力部と、 画像記憶部から各画素におけるM階調の入力画像データ
    を読み出してN階調の画像データに変換する多値ディザ
    処理部と、 多値ディザ処理部で得られる変換画像データを出力する
    画像出力部と、を備え、 多値ディザ処理部が、横方向を画像のX座標、縦方向を
    画像のY座標、上下方向を画像の階調値として、上下方
    向について分割された複数の階調値範囲のそれれぞれに
    ついてのマトリクス係数の配置状態として、上下方向を
    優先的した配置状態又は縦横方向を優先した配置状態の
    いずれか一方を選択する第1選択手段と、縦横方向につ
    いて集中した配置状態又は分散した配置状態のいずれか
    一方を選択する第2選択手段と、を含み、第1選択手段
    及び第2選択手段において選択された配置状態でマトリ
    クス係数を配置した3次元のN値ディザマトリクスを用
    いてM階調の入力画像データをN階調の変換画像データ
    に変換することを特徴とする画像処理装置。
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