JP2000297111A - 異方性光散乱フィルム用組成物 - Google Patents
異方性光散乱フィルム用組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】散乱特性に異方性(前方か後方か、及び入射角
度の依存性)を持たせ、縦横の散乱範囲に係る散乱特性
までも制御することが容易であると共に、観察位置によ
って表示光の色が変化しない異方性散乱体を得ることが
可能な組成物を提供する。 【解決手段】傾斜方向に沿った角度で入射する光に対し
ては光散乱が生じ、傾斜方向とは垂直な光に対しては単
なる透明フィルムとして機能するような、光散乱性に入
射角度選択性を持つ光散乱フィルムを形成する組成物
が、それぞれの屈折率に差がある分子内に1個以上のカ
チオン重合性置換基を有する化合物を複数有することを
特徴とする異方性光散乱フィルム用組成物である。
度の依存性)を持たせ、縦横の散乱範囲に係る散乱特性
までも制御することが容易であると共に、観察位置によ
って表示光の色が変化しない異方性散乱体を得ることが
可能な組成物を提供する。 【解決手段】傾斜方向に沿った角度で入射する光に対し
ては光散乱が生じ、傾斜方向とは垂直な光に対しては単
なる透明フィルムとして機能するような、光散乱性に入
射角度選択性を持つ光散乱フィルムを形成する組成物
が、それぞれの屈折率に差がある分子内に1個以上のカ
チオン重合性置換基を有する化合物を複数有することを
特徴とする異方性光散乱フィルム用組成物である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の入射角度に応
じて散乱性が異なる(或いは、入射角度選択性を持つ)
と共に、光散乱特性に異方性を有する光拡散フィルム用
組成物に関する。
じて散乱性が異なる(或いは、入射角度選択性を持つ)
と共に、光散乱特性に異方性を有する光拡散フィルム用
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】反射型液晶表示装置や透過型液晶表示装
置のなどの光を利用する表示装置では、観察の際の視野
角を確保する(すなわち、表示装置の前面には、明るく
表示画像を見せる)ことや、表示画面の全面にわたって
均一な明るさで表示画面を見えるようにする目的で、装
置の前面に光拡散フィルムを配置することが行われてい
る。従来の光散乱フィルムとしては、表面をマット状に
加工した樹脂フィルムや、内部に拡散材を包含した樹脂
フィルムなどが用いられている。
置のなどの光を利用する表示装置では、観察の際の視野
角を確保する(すなわち、表示装置の前面には、明るく
表示画像を見せる)ことや、表示画面の全面にわたって
均一な明るさで表示画面を見えるようにする目的で、装
置の前面に光拡散フィルムを配置することが行われてい
る。従来の光散乱フィルムとしては、表面をマット状に
加工した樹脂フィルムや、内部に拡散材を包含した樹脂
フィルムなどが用いられている。
【0003】従来のマット状に加工した樹脂フィルムや
内部に拡散材を含有するフィルムの場合、入射光の入射
角度に依存した散乱性の変化といった機能を持たせるこ
とは原理上困難であり、現実的にそのような機能は持ち
合わせていない。
内部に拡散材を含有するフィルムの場合、入射光の入射
角度に依存した散乱性の変化といった機能を持たせるこ
とは原理上困難であり、現実的にそのような機能は持ち
合わせていない。
【0004】表面をマット状に加工した光散乱フィルム
の場合、フィルム表面をサンドブラスター処理のように
物理的にマット面を形成したり、或いは酸性又はアルカ
リ性の溶液による溶解処理により化学的にマット面を形
成する。従って光の散乱性を制御する事が難しく、また
縦と横の散乱性を変えるといったことも出来ないため散
乱異方性を持たせることもできない。
の場合、フィルム表面をサンドブラスター処理のように
物理的にマット面を形成したり、或いは酸性又はアルカ
リ性の溶液による溶解処理により化学的にマット面を形
成する。従って光の散乱性を制御する事が難しく、また
縦と横の散乱性を変えるといったことも出来ないため散
乱異方性を持たせることもできない。
【0005】また、内部に拡散材を包含した光散乱フィ
ルムにおいても、散乱性を制御するために拡散材の屈折
率や大きさ、形状等を制御する試みも為されているが、
技術的に難易度が高く、実用上十分であるとは言えない
のが現状である。
ルムにおいても、散乱性を制御するために拡散材の屈折
率や大きさ、形状等を制御する試みも為されているが、
技術的に難易度が高く、実用上十分であるとは言えない
のが現状である。
【0006】従って、上記の光散乱フィルムでは、散乱
性の入射角度依存性がなく、光散乱の異方性も無いかも
しくは少ないため、表示装置に使用した際に、不必要な
散乱光が生じ、結果として表示の明るさやコントラスト
の低下或いは表示画像のぼけをまねくという問題点があ
る。
性の入射角度依存性がなく、光散乱の異方性も無いかも
しくは少ないため、表示装置に使用した際に、不必要な
散乱光が生じ、結果として表示の明るさやコントラスト
の低下或いは表示画像のぼけをまねくという問題点があ
る。
【0007】一方、光散乱に異方性を持つ散乱板を用い
た反射型液晶表示装置に係る提案として、特開平8−2
0180号公報が公知である。上記公報に開示された散
乱板は、後方散乱特性がほとんどなく前方散乱特性が強
い散乱板であり、液晶表示装置への入射光あるいは液晶
表示装置から出射表示光のどちらか一方を選択的に散乱
させる特性を有する。
た反射型液晶表示装置に係る提案として、特開平8−2
0180号公報が公知である。上記公報に開示された散
乱板は、後方散乱特性がほとんどなく前方散乱特性が強
い散乱板であり、液晶表示装置への入射光あるいは液晶
表示装置から出射表示光のどちらか一方を選択的に散乱
させる特性を有する。
【0008】しかしながら、上記公報では、散乱板の構
成は具体的に説明されておらず、「透明微細粒子を透明
な重合性高分子で固めたもの」とだけ記載されている。
このような散乱板では、上述した「内部に拡散材を包含
した光拡散フィルム」と同様に、散乱特性に異方性(前
方か後方か)を持たせられたとしても、縦と横の散乱特
性までも制御するのは難しい。
成は具体的に説明されておらず、「透明微細粒子を透明
な重合性高分子で固めたもの」とだけ記載されている。
このような散乱板では、上述した「内部に拡散材を包含
した光拡散フィルム」と同様に、散乱特性に異方性(前
方か後方か)を持たせられたとしても、縦と横の散乱特
性までも制御するのは難しい。
【0009】また、散乱板としてホログラムを用いた透
過型液晶表示装置に係る提案として、特開平9−152
602号公報が公知である。上記提案は、バックライト
を有する液晶表示装置からの出射表示光を散乱させるも
のであり、散乱板としてホログラムを採用しているた
め、散乱特性に異方性を持たせることも容易であり、縦
と横の散乱特性も制御することも可能ではあるが、必然
的に分光(波長分散)を伴ってしまうため、観察する視
点を移動することに応じて、表示光の色が変化して視覚
されることになる。
過型液晶表示装置に係る提案として、特開平9−152
602号公報が公知である。上記提案は、バックライト
を有する液晶表示装置からの出射表示光を散乱させるも
のであり、散乱板としてホログラムを採用しているた
め、散乱特性に異方性を持たせることも容易であり、縦
と横の散乱特性も制御することも可能ではあるが、必然
的に分光(波長分散)を伴ってしまうため、観察する視
点を移動することに応じて、表示光の色が変化して視覚
されることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、散乱特性に
異方性(前方か後方か、及び入射角度の依存性)を持た
せ、縦横の散乱範囲に係る散乱特性までも制御すること
が容易であると共に、観察位置によって表示光の色が変
化しない異方性散乱体を得ることが可能な組成物を提供
することを目的とする。
異方性(前方か後方か、及び入射角度の依存性)を持た
せ、縦横の散乱範囲に係る散乱特性までも制御すること
が容易であると共に、観察位置によって表示光の色が変
化しない異方性散乱体を得ることが可能な組成物を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明から得られる異方
性散乱フィルムは、フィルム内部に屈折率の異なる部分
が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の
高低からなる濃淡模様が形成されており、屈折率の異な
る部分の大きさ、形、分布を、フィルム表面での縦横方
向及びフィルムの厚さ方向に沿って最適化することによ
り、入射角度に依存した散乱特性に変化を持たせると共
に、不必要な方向への光散乱を無くし、必要な方向(範
囲)のみに光を散乱させるもので、本発明は、それぞれ
の屈折率に差がある分子内に1個以上のカチオン重合性
置換基を有する化合物を複数有することを特徴とする異
方性光散乱フィルム用組成物である。
性散乱フィルムは、フィルム内部に屈折率の異なる部分
が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の
高低からなる濃淡模様が形成されており、屈折率の異な
る部分の大きさ、形、分布を、フィルム表面での縦横方
向及びフィルムの厚さ方向に沿って最適化することによ
り、入射角度に依存した散乱特性に変化を持たせると共
に、不必要な方向への光散乱を無くし、必要な方向(範
囲)のみに光を散乱させるもので、本発明は、それぞれ
の屈折率に差がある分子内に1個以上のカチオン重合性
置換基を有する化合物を複数有することを特徴とする異
方性光散乱フィルム用組成物である。
【0012】請求項1に記載の異方性光散乱フィルム用
組成物は、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで
分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が
形成されており、且つその屈折率の異なる部分が、フィ
ルムの厚さ方向に対して傾斜して層状に分布している構
造である光散乱フィルムであって、上記傾斜方向に沿っ
た角度で入射する光に対しては光散乱が生じ、上記傾斜
方向とは垂直な光に対しては単なる透明フィルムとして
機能するような、光散乱性に入射角度選択性を持つ光散
乱フィルムを形成する組成物が、それぞれの屈折率に差
がある分子内に1個以上のカチオン重合性置換基を有す
る化合物を複数有することを特徴とする。
組成物は、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで
分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が
形成されており、且つその屈折率の異なる部分が、フィ
ルムの厚さ方向に対して傾斜して層状に分布している構
造である光散乱フィルムであって、上記傾斜方向に沿っ
た角度で入射する光に対しては光散乱が生じ、上記傾斜
方向とは垂直な光に対しては単なる透明フィルムとして
機能するような、光散乱性に入射角度選択性を持つ光散
乱フィルムを形成する組成物が、それぞれの屈折率に差
がある分子内に1個以上のカチオン重合性置換基を有す
る化合物を複数有することを特徴とする。
【0013】請求項2に記載の異方性光散乱フィルム用
組成物は、前記分子内に1個以上のカチオン重合性置換
基を有する化合物が光重合性であり、化学放射線によっ
て重合開始種を発生する光開始剤と該開始剤を増感せし
める増感色素を添加することを特徴とする。
組成物は、前記分子内に1個以上のカチオン重合性置換
基を有する化合物が光重合性であり、化学放射線によっ
て重合開始種を発生する光開始剤と該開始剤を増感せし
める増感色素を添加することを特徴とする。
【0014】請求項3に記載の異方性光散乱フィルム用
組成物は、前記分子内に1個以上のカチオン重合性置換
基を有する化合物が、エポキシ当量400〜2200で
あるビスフェノールA型エポキシ樹脂或いは臭素化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とする。
組成物は、前記分子内に1個以上のカチオン重合性置換
基を有する化合物が、エポキシ当量400〜2200で
あるビスフェノールA型エポキシ樹脂或いは臭素化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とする。
【0015】請求項4に記載の異方性光散乱フィルム用
組成物は、複数の前記分子内に1個以上のカチオン重合
性置換基を有する化合物のうち少なくともひとつが、エ
ポキシ基、オキセタン基、エピスルフィド基、ビニルエ
ーテル基から選ばれた少なくともひとつを有し、常温常
圧で液体であることを特徴とする。
組成物は、複数の前記分子内に1個以上のカチオン重合
性置換基を有する化合物のうち少なくともひとつが、エ
ポキシ基、オキセタン基、エピスルフィド基、ビニルエ
ーテル基から選ばれた少なくともひとつを有し、常温常
圧で液体であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を説
明する。図1は、屈折率の異なる部分が不規則な形状・
厚さで分布して、屈折率の高低(同図では、白と黒で表
現する)からなる濃淡模様が形成された光散乱フィルム
1を示す説明図であり、左が平面図、右が断面図であ
る。
明する。図1は、屈折率の異なる部分が不規則な形状・
厚さで分布して、屈折率の高低(同図では、白と黒で表
現する)からなる濃淡模様が形成された光散乱フィルム
1を示す説明図であり、左が平面図、右が断面図であ
る。
【0017】平面図から分かるように、屈折率の異なる
部分の形状は横長である。また、断面図から分かるよう
に、屈折率の異なる部分は、フィルムの厚さ方向に対し
て傾斜した層状に分布した構造である。図1では、屈折
率の異なる部分が、層状に傾斜している方向について
は、屈折率の分布は一様(傾斜方向では、色が変化して
いない)である。
部分の形状は横長である。また、断面図から分かるよう
に、屈折率の異なる部分は、フィルムの厚さ方向に対し
て傾斜した層状に分布した構造である。図1では、屈折
率の異なる部分が、層状に傾斜している方向について
は、屈折率の分布は一様(傾斜方向では、色が変化して
いない)である。
【0018】図2は、別の実施形態に係る光散乱フィル
ム1を示す説明図であり、左が平面図、右が断面図であ
る。図2では屈折率の異なる部分の形状は縦長であり、
また、屈折率の異なる部分が、層状に傾斜している方向
については、屈折率の分布は不規則(傾斜方向でも、色
が変化している)である。
ム1を示す説明図であり、左が平面図、右が断面図であ
る。図2では屈折率の異なる部分の形状は縦長であり、
また、屈折率の異なる部分が、層状に傾斜している方向
については、屈折率の分布は不規則(傾斜方向でも、色
が変化している)である。
【0019】図1・図2の光散乱フィルムの光学特性に
ついて、まず、断面図で考える。屈折率の異なる部分が
層状に分布した上記傾斜方向に沿った角度(フィルムの
垂線から角度θをなす、図2の矢印2の方向)で入射す
る光に対しては、光散乱が生じることになる。
ついて、まず、断面図で考える。屈折率の異なる部分が
層状に分布した上記傾斜方向に沿った角度(フィルムの
垂線から角度θをなす、図2の矢印2の方向)で入射す
る光に対しては、光散乱が生じることになる。
【0020】上記傾斜方向とは垂直な角度(図の矢印3
の方向)で入射する光に対しては、単なる透明フィルム
として機能し、入射光は散乱されずに出射する。
の方向)で入射する光に対しては、単なる透明フィルム
として機能し、入射光は散乱されずに出射する。
【0021】次に、平面図で考えると、屈折率の異なる
部分の形状が縦長(或いは横長)であると、その部分に
入射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分か
ら出射光の光散乱特性が、横長(或いは縦長)となるよう
な異方性を持つ。図1では形状が横長であるから出射光
は縦長に散乱し、図2では形状が縦長であるから出射光
は横長に散乱することになる。
部分の形状が縦長(或いは横長)であると、その部分に
入射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分か
ら出射光の光散乱特性が、横長(或いは縦長)となるよう
な異方性を持つ。図1では形状が横長であるから出射光
は縦長に散乱し、図2では形状が縦長であるから出射光
は横長に散乱することになる。
【0022】図3は、本発明の組成物を用いて作製した
光散乱フィルム1の持つ入射角度依存性の一例を示すグ
ラフである。図中実線で示すように、ある特定入射角度
範囲(図では0度から60度)の光に対してはヘイズ値が
80%以上あり、逆にそれとは対称な入射角度(図では
−60度から0度)の光に対してのヘイズ値は20%以
下になっており、これが本明細書中で言う散乱性の入射
角度依存性を示す。
光散乱フィルム1の持つ入射角度依存性の一例を示すグ
ラフである。図中実線で示すように、ある特定入射角度
範囲(図では0度から60度)の光に対してはヘイズ値が
80%以上あり、逆にそれとは対称な入射角度(図では
−60度から0度)の光に対してのヘイズ値は20%以
下になっており、これが本明細書中で言う散乱性の入射
角度依存性を示す。
【0023】また、上述したように、屈折率の異なる部
分の形状が縦長(或いは横長)であると、その部分に入
射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分から
の出射光の光散乱特性が、横長(或いは縦長)となるよう
な異方性を持つ。例えば、図1のように形状が横長であ
ると、光散乱フィルムからの散乱出射光は、図4の様な
縦長の楕円形となるような分布となる。
分の形状が縦長(或いは横長)であると、その部分に入
射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分から
の出射光の光散乱特性が、横長(或いは縦長)となるよう
な異方性を持つ。例えば、図1のように形状が横長であ
ると、光散乱フィルムからの散乱出射光は、図4の様な
縦長の楕円形となるような分布となる。
【0024】次に、本発明の異方性光散乱フィルム用組
成物について詳細に説明する。上述したように、本発明
の組成物で作製した異方性光散乱フィルムの内部は、屈
折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布すること
により、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されてい
る。
成物について詳細に説明する。上述したように、本発明
の組成物で作製した異方性光散乱フィルムの内部は、屈
折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布すること
により、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されてい
る。
【0025】この屈折率の差異は、小さすぎると散乱性
が悪くなり、逆に大きすぎるとどのような角度で光が入
射しても光散乱が生じてしまうことになり、散乱性の入
射角度依存性を持たせることが困難となる。
が悪くなり、逆に大きすぎるとどのような角度で光が入
射しても光散乱が生じてしまうことになり、散乱性の入
射角度依存性を持たせることが困難となる。
【0026】本発明の組成物において用いられる前記分
子内に1個以上のカチオン重合性置換基を有する化合物
とは、化学放射線によりカチオンを発生する開始剤の存
在下、化学放射線照射により高分子化または架橋反応す
るカチオン重合性を有する化合物で、例えばエポキシ化
合物、環状エーテル化合物、環状ラクトン化合物、環状
アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオ
ルソエステル化合物、ビニル化合物などの1種または2種
以上の混合物からなるものである。かかるカチオン重合
性を有する化合物の中でも1分子中に少なくとも1個以上
のエポキシ基を有する化合物は好ましものであり、例え
ば従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂
が挙げられる。
子内に1個以上のカチオン重合性置換基を有する化合物
とは、化学放射線によりカチオンを発生する開始剤の存
在下、化学放射線照射により高分子化または架橋反応す
るカチオン重合性を有する化合物で、例えばエポキシ化
合物、環状エーテル化合物、環状ラクトン化合物、環状
アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオ
ルソエステル化合物、ビニル化合物などの1種または2種
以上の混合物からなるものである。かかるカチオン重合
性を有する化合物の中でも1分子中に少なくとも1個以上
のエポキシ基を有する化合物は好ましものであり、例え
ば従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂
が挙げられる。
【0027】さらに、前記分子内に1個以上のカチオン
重合性置換基を有する化合物の複数からなる樹脂組成物
が、2種類からなる場合は、互いの屈折率が異なるとと
もに、その反応性が異なることが好ましい。さらに、2
種以上の場合は、屈折率、及び反応性の差が2つに分類
できるように選択する。ここで、反応性の違いは、分子
中の置換基数、すなわち、(平均)分子量の差や置換基
を変えることによって調整できる。
重合性置換基を有する化合物の複数からなる樹脂組成物
が、2種類からなる場合は、互いの屈折率が異なるとと
もに、その反応性が異なることが好ましい。さらに、2
種以上の場合は、屈折率、及び反応性の差が2つに分類
できるように選択する。ここで、反応性の違いは、分子
中の置換基数、すなわち、(平均)分子量の差や置換基
を変えることによって調整できる。
【0028】芳香族エポキシ樹脂として好ましいもの
は、少なくとも1個の芳香環を有する多価フェノールま
たはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジル
エーテルであって、例えばビスフェノールAまたはその
アルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの
反応によって製造されるグリシジルエーテル、エポキシ
ノボラック樹脂が挙げられる。ビスフェノールA、ビス
フェノールAD、ビスフェノールB、ビスフェノールA
F、ビスフェノールS、ブロム化ビスフェノールA、ノ
ボラック、o−クレゾールノボラック、p−アルキルフ
ェノールノボラック、の各種フェノール化合物とエピク
ロロヒドリンとの縮合反応により生成されるエポキシ化
合物を挙げることができる。なお、ブロム化ビスフェノ
ールAエポキシ化合物は、エポキシ当量が上がると溶剤
に溶けなくなるため単独では用いずに混合系での使用が
有効である。
は、少なくとも1個の芳香環を有する多価フェノールま
たはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジル
エーテルであって、例えばビスフェノールAまたはその
アルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの
反応によって製造されるグリシジルエーテル、エポキシ
ノボラック樹脂が挙げられる。ビスフェノールA、ビス
フェノールAD、ビスフェノールB、ビスフェノールA
F、ビスフェノールS、ブロム化ビスフェノールA、ノ
ボラック、o−クレゾールノボラック、p−アルキルフ
ェノールノボラック、の各種フェノール化合物とエピク
ロロヒドリンとの縮合反応により生成されるエポキシ化
合物を挙げることができる。なお、ブロム化ビスフェノ
ールAエポキシ化合物は、エポキシ当量が上がると溶剤
に溶けなくなるため単独では用いずに混合系での使用が
有効である。
【0029】脂環式エポキシ樹脂の代表例は、上記ビス
フェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体と
エピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリシ
ジルエーテルの水素添加物、特に、水添ビスフェノール
A、水添ビスフェノールAD、水添ビスフェノールB、
水添ビスフェノールAF、水添ビスフェノールS、水添
ブロム化ビスフェノールA等などが挙げられる。
フェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体と
エピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリシ
ジルエーテルの水素添加物、特に、水添ビスフェノール
A、水添ビスフェノールAD、水添ビスフェノールB、
水添ビスフェノールAF、水添ビスフェノールS、水添
ブロム化ビスフェノールA等などが挙げられる。
【0030】該分子内に1個以上のカチオン重合性置換
基を有する化合物のうちボラック、o−クレゾールノボ
ラック、p−アルキルフェノールノボラック、の各種フ
ェノール化合物とエピクロロヒドリンとの縮合反応によ
り生成されるエポキシ化合物以外は、分子量は400か
ら1000が好ましく、これよりも小さいと液体となっ
てしまい、前処理による硬化処理を行わない限り膜とし
ては得られず、均一な塗布ができない。また、この範囲
よりも大きな分子量では特性が得られない。
基を有する化合物のうちボラック、o−クレゾールノボ
ラック、p−アルキルフェノールノボラック、の各種フ
ェノール化合物とエピクロロヒドリンとの縮合反応によ
り生成されるエポキシ化合物以外は、分子量は400か
ら1000が好ましく、これよりも小さいと液体となっ
てしまい、前処理による硬化処理を行わない限り膜とし
ては得られず、均一な塗布ができない。また、この範囲
よりも大きな分子量では特性が得られない。
【0031】さらに、常温常圧で、沸点が100℃以上
の液体であるカチオン重合性置換基を有する化合物とし
ては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキ
サイド付加物の(ポリ)グリシジルエーテル、グルシジ
ルアクリレートやグリシジルメタクリレート等が挙げら
れ、その代表例としては、1,4−ブタンジオールのジ
グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグ
リシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテ
ル、(ジ、トリ、ポリ)エチレングリコールのジグリシ
ジルエーテル、(ジ、トリ、ポリ)プロピレングリコー
ルのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
の液体であるカチオン重合性置換基を有する化合物とし
ては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキ
サイド付加物の(ポリ)グリシジルエーテル、グルシジ
ルアクリレートやグリシジルメタクリレート等が挙げら
れ、その代表例としては、1,4−ブタンジオールのジ
グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグ
リシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテ
ル、(ジ、トリ、ポリ)エチレングリコールのジグリシ
ジルエーテル、(ジ、トリ、ポリ)プロピレングリコー
ルのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0032】エポキシ化合物以外のカチオン重合性置換
基を有する化合物の例としては、トリメチレンオキサイ
ド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメ
チルオキセタン等のオキセタン化合物、テトラヒドロフ
ラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフランのようなオ
キソラン化合物、トリオキサン、1,3−ジオキソラ
ン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタンのような
環状アセタール化合物、β−プロピオラクトン、ε−カ
プロラクトンのような環状ラクトン化合物、エチレンス
ルフィド、1、2―プロピレンスルフィド、チオエピク
ロロヒドリンのようなチイラン化合物、エチレングリコ
ールジビニルエーテル、ポリアルキレングリコールジビ
ニルエーテル、アルキルビニルエーテル、3,4−ジヒ
ドロピラン−2−メチル(3,4−ジヒドロピラン−2
−カルボキシレート)のようなビニルエーテル化合物、
エポキシ化合物とラクトンとの反応によって得られるス
ピロオルソエステル化合物、ビニルシクロヘキサン、イ
ソブチレン、ポリブタジエンのようなエチレン性不飽和
化合物及び上記化合物の誘導体が挙げられる。なお、本
発明に使用する分子内に1個以上のカチオン重合性置換
基を有する化合物の屈折率とは、異なっている必要があ
り、その屈折率差が大きいほど光の散乱する度合い、い
わゆるヘイズ率が大きくなる。一般的には屈折率差が
0.01以上、より好ましくは、0.05以上有するこ
とが好ましい。
基を有する化合物の例としては、トリメチレンオキサイ
ド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメ
チルオキセタン等のオキセタン化合物、テトラヒドロフ
ラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフランのようなオ
キソラン化合物、トリオキサン、1,3−ジオキソラ
ン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタンのような
環状アセタール化合物、β−プロピオラクトン、ε−カ
プロラクトンのような環状ラクトン化合物、エチレンス
ルフィド、1、2―プロピレンスルフィド、チオエピク
ロロヒドリンのようなチイラン化合物、エチレングリコ
ールジビニルエーテル、ポリアルキレングリコールジビ
ニルエーテル、アルキルビニルエーテル、3,4−ジヒ
ドロピラン−2−メチル(3,4−ジヒドロピラン−2
−カルボキシレート)のようなビニルエーテル化合物、
エポキシ化合物とラクトンとの反応によって得られるス
ピロオルソエステル化合物、ビニルシクロヘキサン、イ
ソブチレン、ポリブタジエンのようなエチレン性不飽和
化合物及び上記化合物の誘導体が挙げられる。なお、本
発明に使用する分子内に1個以上のカチオン重合性置換
基を有する化合物の屈折率とは、異なっている必要があ
り、その屈折率差が大きいほど光の散乱する度合い、い
わゆるヘイズ率が大きくなる。一般的には屈折率差が
0.01以上、より好ましくは、0.05以上有するこ
とが好ましい。
【0033】本発明の組成物において用いられる(C)
化学放射線によってラジカル種とカチオン種を発生する
光開始剤系としては、J.Photochem.Sc
i.Technol.,2,283(1987).に記
載される化合物、具体的には鉄アレーン錯体、トリハロ
ゲノメチル置換s−トリアジン、スルフォニウム塩、ジ
アゾニウム塩、フォスフォニウム塩、セレノニウム塩、
アルソニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられ、またヨ
ードニウム塩としては、Macromolecule
s、10、1307(1977).に記載の化合物、例
えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウ
ム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウム、ビス(m
−ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(p−tert−ブ
チルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニ
ル)ヨードニウムなどのヨードニウムのクロリド、ブロ
ミド、あるいはホウフッ化塩、ヘキサフルオロフォスフ
ェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩、芳香族スル
ホン酸塩等を挙げることが出来る。
化学放射線によってラジカル種とカチオン種を発生する
光開始剤系としては、J.Photochem.Sc
i.Technol.,2,283(1987).に記
載される化合物、具体的には鉄アレーン錯体、トリハロ
ゲノメチル置換s−トリアジン、スルフォニウム塩、ジ
アゾニウム塩、フォスフォニウム塩、セレノニウム塩、
アルソニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられ、またヨ
ードニウム塩としては、Macromolecule
s、10、1307(1977).に記載の化合物、例
えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウ
ム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウム、ビス(m
−ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(p−tert−ブ
チルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニ
ル)ヨードニウムなどのヨードニウムのクロリド、ブロ
ミド、あるいはホウフッ化塩、ヘキサフルオロフォスフ
ェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩、芳香族スル
ホン酸塩等を挙げることが出来る。
【0034】さらに、本発明の化学放射線によってカチ
オン種及びラジカル種を発生する光開始剤(C)を増感
せしめる増感色素(D)としては、シアニンまたはメロ
シアニン誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、キ
サンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、アズレニウム
誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体な
どの有機染料化合物が使用でき、その他に「色素ハンド
ブック」(大河原信他編 講談社1986年)、「機能
性色素の化学」(大河原信他編、シーエムシー1981
年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシ
ー 1986年)に記載されている色素及び増感剤が用
いられる。なお、これらに限定されるものではなく、そ
の他の可視域の光に対して吸収を示す色素及び増感剤で
あれば用いることが出来る。これらは必要に応じて任意
の比率で二種以上で用いてもかまわない。
オン種及びラジカル種を発生する光開始剤(C)を増感
せしめる増感色素(D)としては、シアニンまたはメロ
シアニン誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、キ
サンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、アズレニウム
誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体な
どの有機染料化合物が使用でき、その他に「色素ハンド
ブック」(大河原信他編 講談社1986年)、「機能
性色素の化学」(大河原信他編、シーエムシー1981
年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシ
ー 1986年)に記載されている色素及び増感剤が用
いられる。なお、これらに限定されるものではなく、そ
の他の可視域の光に対して吸収を示す色素及び増感剤で
あれば用いることが出来る。これらは必要に応じて任意
の比率で二種以上で用いてもかまわない。
【0035】本発明の組成物に含有される光開始剤の量
は、カチオン重合性置換基を有する成分100重量部に
対し、0.1から20重量部、好ましくは1から10重
量部である。さらに、該増感剤量は、カチオン重合性置
換基を有する成分100重量部に対して0.1から10
重量部、好ましくは0.5から5までの範囲をとること
が可能である。使用量は、感光層膜厚と該膜厚の光学濃
度によって制限を受ける。すなわち、光学濃度が2を越
えない範囲で使用することが好ましい。
は、カチオン重合性置換基を有する成分100重量部に
対し、0.1から20重量部、好ましくは1から10重
量部である。さらに、該増感剤量は、カチオン重合性置
換基を有する成分100重量部に対して0.1から10
重量部、好ましくは0.5から5までの範囲をとること
が可能である。使用量は、感光層膜厚と該膜厚の光学濃
度によって制限を受ける。すなわち、光学濃度が2を越
えない範囲で使用することが好ましい。
【0036】この様にこれらの各成分を適宜選択し、任
意の割合で混合して得た感光液をバーコーター、アプリ
ケーター、ドクターブレード、ロールコーター、ダイコ
ーター、コンマーコーター等の公知の塗工手段を用いて
ガラス板等の基材に塗布する。
意の割合で混合して得た感光液をバーコーター、アプリ
ケーター、ドクターブレード、ロールコーター、ダイコ
ーター、コンマーコーター等の公知の塗工手段を用いて
ガラス板等の基材に塗布する。
【0037】なお、感光液を塗布する際は、必要に応じ
て適当な溶剤で希釈してもよいが、その場合には基材上
に塗布した後に、乾燥を要する。上記溶剤としては、ジ
クロルメタン、クロロホルム、アセトン、2−ブタノ
ン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキ
シエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシ
エタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブト
キシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、
2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエト
キシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタ
ノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテー
ト、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられ
る。
て適当な溶剤で希釈してもよいが、その場合には基材上
に塗布した後に、乾燥を要する。上記溶剤としては、ジ
クロルメタン、クロロホルム、アセトン、2−ブタノ
ン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキ
シエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシ
エタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブト
キシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、
2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエト
キシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタ
ノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテー
ト、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられ
る。
【0038】さらに、記録可能な屈折率差は作製方法や
記録材料などにより制限を受けるため、大きな屈折率差
を持つ場合はフィルム膜厚を薄く、小さな屈折率差を持
つ場合はフィルム膜厚を厚くすることで、本発明の組成
物を用いて光散乱フィルムを実現することが可能であ
る。
記録材料などにより制限を受けるため、大きな屈折率差
を持つ場合はフィルム膜厚を薄く、小さな屈折率差を持
つ場合はフィルム膜厚を厚くすることで、本発明の組成
物を用いて光散乱フィルムを実現することが可能であ
る。
【0039】屈折率の異なる部分の大きさは、光散乱を
生じるためにランダムで規則性はないが、必要な散乱性
を持つために、その平均の大きさは直径で0.1μmか
ら300μmの範囲内でそれぞれの用途に必要な散乱性
に応じて適宜選択する。
生じるためにランダムで規則性はないが、必要な散乱性
を持つために、その平均の大きさは直径で0.1μmか
ら300μmの範囲内でそれぞれの用途に必要な散乱性
に応じて適宜選択する。
【0040】また、前記屈折率の異なる部分のフィルム
表面上での分布は、光散乱を生じるためにランダムで規
則性はないが、必要な散乱性を持たせるために、フィル
ム全体の平均屈折率を<n>とすると、その確立分布は
<n>を中心とする正規分布を呈する。或いは、屈折率
nの最小値nminで最大値をとり指数関数的に屈折率の
最大値nmaxまで単調減少するような確立分布、或いは
単調増加する確立分布に従って分布していてもよい。
表面上での分布は、光散乱を生じるためにランダムで規
則性はないが、必要な散乱性を持たせるために、フィル
ム全体の平均屈折率を<n>とすると、その確立分布は
<n>を中心とする正規分布を呈する。或いは、屈折率
nの最小値nminで最大値をとり指数関数的に屈折率の
最大値nmaxまで単調減少するような確立分布、或いは
単調増加する確立分布に従って分布していてもよい。
【0041】以下、本発明の光散乱フィルムを作製する
手段について述べる。本発明の光散乱フィルムは光学的
な露光手段により作製することができる。図5はランダ
ムマスクパターンを利用して作製する光学系の一例を示
す説明図である。UV光源6から出た紫外光はコリメー
ト光学系7により平行光8とし、マスク原版9を照射す
る。
手段について述べる。本発明の光散乱フィルムは光学的
な露光手段により作製することができる。図5はランダ
ムマスクパターンを利用して作製する光学系の一例を示
す説明図である。UV光源6から出た紫外光はコリメー
ト光学系7により平行光8とし、マスク原版9を照射す
る。
【0042】マスク原版9のUV照射側とは反対の面に
は感光材料5を密着して配置しており、マスク原版9の
パターンを感光材料5に露光照射する。この際、図示の
ようにUV平行光8とマスク原版9は所定角度αだけ傾
いて配置されているため、パターン露光は感光材料5中
で、所定角度傾いてなされることになる。この角度が、
光散乱フィルム中の屈折率の異なる部分の傾斜角度(す
なわち、入射角度依存性の散乱角度θ)に相当すること
になるので、前記角度は用途に応じて0から60度程度
の範囲内で適宜選択する。
は感光材料5を密着して配置しており、マスク原版9の
パターンを感光材料5に露光照射する。この際、図示の
ようにUV平行光8とマスク原版9は所定角度αだけ傾
いて配置されているため、パターン露光は感光材料5中
で、所定角度傾いてなされることになる。この角度が、
光散乱フィルム中の屈折率の異なる部分の傾斜角度(す
なわち、入射角度依存性の散乱角度θ)に相当すること
になるので、前記角度は用途に応じて0から60度程度
の範囲内で適宜選択する。
【0043】また、ここで使用する感光材料5は、UV
光の露光部と未露光部を屈折率の変化形態で記録できる
感光材料であり、記録しようとする濃淡模様より高い解
像力を持ち、その厚みの方向にもパターンを記録できる
ような材料である必要がある。
光の露光部と未露光部を屈折率の変化形態で記録できる
感光材料であり、記録しようとする濃淡模様より高い解
像力を持ち、その厚みの方向にもパターンを記録できる
ような材料である必要がある。
【0044】図5で用いている所定のランダムパターン
を持つマスク原版9は、計算機を用いた乱数計算から作
製した白黒パターンデータを、所謂フォトリソグラフィ
ーの手法によりガラス基板10上の金属クロムパターン
11としてエッチングしたものを用いてもよい。もちろ
んマスク原版の作成方法としては、上記方式に限定され
るものではなく、リス乾板を使った写真手法などにより
作製しても同様なマスクを作製できる事は周知である。
を持つマスク原版9は、計算機を用いた乱数計算から作
製した白黒パターンデータを、所謂フォトリソグラフィ
ーの手法によりガラス基板10上の金属クロムパターン
11としてエッチングしたものを用いてもよい。もちろ
んマスク原版の作成方法としては、上記方式に限定され
るものではなく、リス乾板を使った写真手法などにより
作製しても同様なマスクを作製できる事は周知である。
【0045】図6は、図2に示す構造の光散乱フィルム
をスペックルパターンを利用して作製する光学系の一例
を示す説明図である。レーザー光源13から出たレーザ
ー光14ですりガラス15を照射する。すりガラス15
のレーザー照射側とは反対の面には所定距離Fをおいて
感光材料5を配置し、すりガラス15で透過散乱したレ
ーザー光が作り出す複雑な干渉パターンであるスペック
ルパターンを感光材料5に露光照射される。
をスペックルパターンを利用して作製する光学系の一例
を示す説明図である。レーザー光源13から出たレーザ
ー光14ですりガラス15を照射する。すりガラス15
のレーザー照射側とは反対の面には所定距離Fをおいて
感光材料5を配置し、すりガラス15で透過散乱したレ
ーザー光が作り出す複雑な干渉パターンであるスペック
ルパターンを感光材料5に露光照射される。
【0046】この際、図示のようにすりガラス10と感
光材料5は所定角度αだけ傾いて配置されているため、
スペックルパターンは感光材料中で、所定角度傾いて露
光されることになる。この角度が、光散乱フィルム中の
屈折率の異なる部分の傾き(すなわち、入射角度依存性
の散乱ピーク角度θ)に相当することになるので、前記
角度は用途に応じて0から60度程度の範囲内で適宜選
択する。
光材料5は所定角度αだけ傾いて配置されているため、
スペックルパターンは感光材料中で、所定角度傾いて露
光されることになる。この角度が、光散乱フィルム中の
屈折率の異なる部分の傾き(すなわち、入射角度依存性
の散乱ピーク角度θ)に相当することになるので、前記
角度は用途に応じて0から60度程度の範囲内で適宜選
択する。
【0047】記録に使用するレーザ光源は、アルゴンイ
オンレーザーの514.5nm、488nm又は45
7.9nmの波長のうち、感光材料の感度に応じて適宜
選択して使用する事ができる。またアルゴンイオンレー
ザー以外でもコヒーレント性の良いレーザー光源であれ
ば仕様可能で、例えばヘリウムネオンレーザーやクリプ
トンイオンレーザーなどが使用できる。
オンレーザーの514.5nm、488nm又は45
7.9nmの波長のうち、感光材料の感度に応じて適宜
選択して使用する事ができる。またアルゴンイオンレー
ザー以外でもコヒーレント性の良いレーザー光源であれ
ば仕様可能で、例えばヘリウムネオンレーザーやクリプ
トンイオンレーザーなどが使用できる。
【0048】スペックルパターンは、コヒーレント性が
良い光が粗面で散乱反射または透過した時に生じる明暗
の斑点模様であり、粗面の微小な凹凸で散乱した光が不
規則な位相関係で干渉するために生じるものである。
良い光が粗面で散乱反射または透過した時に生じる明暗
の斑点模様であり、粗面の微小な凹凸で散乱した光が不
規則な位相関係で干渉するために生じるものである。
【0049】「光測定ハンドブック朝倉書店田光幸敏治
ほか著1994年11月25日発行」の記述(p.26
6〜p.268)によれば、濃度や位相が位置によって
ランダムな値を示すようなスペックルパターンでは、前
記パターンの大きさは、感光材料から拡散板を見込む角
度に反比例して、パターンの平均径が決定される。従っ
て、拡散板の大きさを、水平方向よりも垂直方向で大き
くした場合、感光材料上に記録されるパターンは、水平
方向よりも垂直方向が細かいものとなる。
ほか著1994年11月25日発行」の記述(p.26
6〜p.268)によれば、濃度や位相が位置によって
ランダムな値を示すようなスペックルパターンでは、前
記パターンの大きさは、感光材料から拡散板を見込む角
度に反比例して、パターンの平均径が決定される。従っ
て、拡散板の大きさを、水平方向よりも垂直方向で大き
くした場合、感光材料上に記録されるパターンは、水平
方向よりも垂直方向が細かいものとなる。
【0050】図6の光学系での作製方法によるスペック
ルパターンは、使用するレーザー光の波長λ及びすりガ
ラスの大きさD、すりガラスと感光材料との距離Fが、
記録されるスペックルパターンの平均サイズdを決定
し、一般に次式で表される。 d=1.2λF/D
ルパターンは、使用するレーザー光の波長λ及びすりガ
ラスの大きさD、すりガラスと感光材料との距離Fが、
記録されるスペックルパターンの平均サイズdを決定
し、一般に次式で表される。 d=1.2λF/D
【0051】また、このスペックルパターンの奥行き方
向の平均の長さtは t=4.0λ(F/D)2 で表される。
向の平均の長さtは t=4.0λ(F/D)2 で表される。
【0052】以上よりλ及びF/Dの値を最適な散乱性
を持つように最適化することで所望の3次元的な屈折率
分布を持つ本発明の光散乱フィルムを得ることが出来
る。
を持つように最適化することで所望の3次元的な屈折率
分布を持つ本発明の光散乱フィルムを得ることが出来
る。
【0053】一例として、λ=0.5μmで、F/D=
2とすると、d=1.2μm、t=8μmとなり、フィ
ルム表面上の濃淡模様は平均1.2μmで分布し、フィ
ルム厚み方向には前記傾斜角度に従った方向に平均8μ
mの大きさで分布することになる。
2とすると、d=1.2μm、t=8μmとなり、フィ
ルム表面上の濃淡模様は平均1.2μmで分布し、フィ
ルム厚み方向には前記傾斜角度に従った方向に平均8μ
mの大きさで分布することになる。
【0054】ただし、これらの大きさはあくまでも平均
の大きさであり、実際にはこれらの大きさを中心に大小
様々な大きさで屈折率の異なる部分が表面上及び奥行き
方向に傾斜して分布することになり、図2に示すような
本発明の光散乱フィルムとなる。
の大きさであり、実際にはこれらの大きさを中心に大小
様々な大きさで屈折率の異なる部分が表面上及び奥行き
方向に傾斜して分布することになり、図2に示すような
本発明の光散乱フィルムとなる。
【0055】以下、本発明の実施の形態について具体的
な実施例と本発明の特徴を明確にするための比較例を挙
げて説明する。
な実施例と本発明の特徴を明確にするための比較例を挙
げて説明する。
【0056】<実施例1>ビスフェノール系エポキシ樹
脂エピコート1004(エポキシ当量:875−97
5、油化シェルエポキシ(株)製商品名)100重量
部、トリプロピレングリコールジビニルエーテル(ラピ
キュアーDVE−3、アイエスピー・ジャパン(株)製
商品名)50重量部および4,4’−ビス(tert−
ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフ
ェート7.5重量部、3,3’−カルボニルビス(7−
ジエチルアミノクマリン)0.25重量部を2-ブタノ
ン100重量部に混合溶解したものを感光液とした。当
該感光液を青板ガラス(1.1mm厚、5インチ角)
に、膜厚が約70μmになるようにドクターブレードで
塗布、乾燥し記録用媒体とした。
脂エピコート1004(エポキシ当量:875−97
5、油化シェルエポキシ(株)製商品名)100重量
部、トリプロピレングリコールジビニルエーテル(ラピ
キュアーDVE−3、アイエスピー・ジャパン(株)製
商品名)50重量部および4,4’−ビス(tert−
ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフ
ェート7.5重量部、3,3’−カルボニルビス(7−
ジエチルアミノクマリン)0.25重量部を2-ブタノ
ン100重量部に混合溶解したものを感光液とした。当
該感光液を青板ガラス(1.1mm厚、5インチ角)
に、膜厚が約70μmになるようにドクターブレードで
塗布、乾燥し記録用媒体とした。
【0057】該記録用媒体を、図6に示した光学系で、
光源としてアルゴンレーザ(488nm)をレンズを用
いて広げた光ですりガラス15を介して、記録材料面か
ら露光した(α=22#、40mJ/cm2)後、80℃で
1分加熱し、さらに高圧水銀灯で記録用媒体を全面照射
することで定着した。さらに、硬化物をガラス基板から
剥離することによって光散乱性フィルムを得た。
光源としてアルゴンレーザ(488nm)をレンズを用
いて広げた光ですりガラス15を介して、記録材料面か
ら露光した(α=22#、40mJ/cm2)後、80℃で
1分加熱し、さらに高圧水銀灯で記録用媒体を全面照射
することで定着した。さらに、硬化物をガラス基板から
剥離することによって光散乱性フィルムを得た。
【0058】評価は、島津製作所(株)製の分光光度計
で各角度で透過率(波長範囲;400〜600nm)を
測定した。結果(全波長平均透過率)を表1に示す。
で各角度で透過率(波長範囲;400〜600nm)を
測定した。結果(全波長平均透過率)を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】<実施例2>ビスフェノール系エポキシ樹
脂エピコート1004(エポキシ当量:875−97
5、油化シェルエポキシ(株)製商品名)の代わりに水
添ビスフェノール系エポキシ樹脂サントート5100
(エポキシ当量:900−1100、東都化成(株)製
商品名)を使う以外は実施例1と同様にして操作し、作
製した光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルム
の厚みは67μmであった。結果を表2に示す。
脂エピコート1004(エポキシ当量:875−97
5、油化シェルエポキシ(株)製商品名)の代わりに水
添ビスフェノール系エポキシ樹脂サントート5100
(エポキシ当量:900−1100、東都化成(株)製
商品名)を使う以外は実施例1と同様にして操作し、作
製した光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルム
の厚みは67μmであった。結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】<実施例3>ビスフェノール系エポキシ樹
脂エピコート1004(エポキシ当量:875−97
5、油化シェルエポキシ(株)製商品名)の代わりにフ
ェノール・ノボラック型エポキシ樹脂エピコート180
S65(エポキシ当量:205−220、油化シェルエ
ポキシ(株)製商品名)を使う以外は実施例1と同様に
して操作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られ
た当該フィルムの厚みは71μmであった。結果を表3
に示す。
脂エピコート1004(エポキシ当量:875−97
5、油化シェルエポキシ(株)製商品名)の代わりにフ
ェノール・ノボラック型エポキシ樹脂エピコート180
S65(エポキシ当量:205−220、油化シェルエ
ポキシ(株)製商品名)を使う以外は実施例1と同様に
して操作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られ
た当該フィルムの厚みは71μmであった。結果を表3
に示す。
【0063】
【表3】
【0064】<実施例4>3,3’−カルボニルビス
(7−ジエチルアミノクマリン)の代わりに、2−N,
N−ジメチルアミノベンジリデン)−p−メトキシアセ
トフェノンに変え、光源としてアルゴンレーザ(488
nm)の代わりにクリプトンレーザ(413nm)に変
える以外は実施例1と同様にして操作し、作製した光散
乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは6
8μmであった。結果を表4に示す。
(7−ジエチルアミノクマリン)の代わりに、2−N,
N−ジメチルアミノベンジリデン)−p−メトキシアセ
トフェノンに変え、光源としてアルゴンレーザ(488
nm)の代わりにクリプトンレーザ(413nm)に変
える以外は実施例1と同様にして操作し、作製した光散
乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは6
8μmであった。結果を表4に示す。
【0065】
【表4】
【0066】<実施例5>トリプロピレングリコールジ
ビニルエーテル(ラピキュアーDVE−3、アイエスピ
ー・ジャパン製(株)商品名)の代わりに3−エチル−
3−ヒドロキシメチルオキセタン(EOXA、東亜合成
化学(株)製商品名)を使う以外は実施例1と同様にし
て操作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた
当該フィルムの厚みは65μmであった。結果を表5に
示す。
ビニルエーテル(ラピキュアーDVE−3、アイエスピ
ー・ジャパン製(株)商品名)の代わりに3−エチル−
3−ヒドロキシメチルオキセタン(EOXA、東亜合成
化学(株)製商品名)を使う以外は実施例1と同様にし
て操作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた
当該フィルムの厚みは65μmであった。結果を表5に
示す。
【0067】
【表5】
【0068】<実施例6>ビスフェノール系エポキシ樹
脂エピコート1004(エポキシ当量:875−97
5、油化シェルエポキシ(株)製商品名)の代わりにビ
スフェノール系エポキシ樹脂エピコート1007(エポ
キシ当量:1750−2200、油化シェルエポキシ
(株)製商品名)を使う以外は実施例1と同様にして操
作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた当該
フィルムの厚みは72μmであった。結果を表6に示
す。
脂エピコート1004(エポキシ当量:875−97
5、油化シェルエポキシ(株)製商品名)の代わりにビ
スフェノール系エポキシ樹脂エピコート1007(エポ
キシ当量:1750−2200、油化シェルエポキシ
(株)製商品名)を使う以外は実施例1と同様にして操
作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた当該
フィルムの厚みは72μmであった。結果を表6に示
す。
【0069】
【表6】
【0070】<実施例7>ビスフェノール系エポキシ樹
脂(エピコート1004、エポキシ当量:875−97
5、油化シェルエポキシ(株)製商品名)100重量部
の代わりにビスフェノール系エポキシ樹脂(エピコート
1004、エポキシ当量:875−975、油化シェル
エポキシ(株)製商品名)60部及び臭素化ビスフェノ
ール系エポキシ樹脂(アラルダイト8049SP、エポ
キシ当量:450−490、チバ・ガイギー(株)製商
品名)40部を使う以外は実施例1と同様にして操作
し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた当該フ
ィルムの厚みは77μmであった。結果を表7に示す。
脂(エピコート1004、エポキシ当量:875−97
5、油化シェルエポキシ(株)製商品名)100重量部
の代わりにビスフェノール系エポキシ樹脂(エピコート
1004、エポキシ当量:875−975、油化シェル
エポキシ(株)製商品名)60部及び臭素化ビスフェノ
ール系エポキシ樹脂(アラルダイト8049SP、エポ
キシ当量:450−490、チバ・ガイギー(株)製商
品名)40部を使う以外は実施例1と同様にして操作
し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた当該フ
ィルムの厚みは77μmであった。結果を表7に示す。
【0071】
【表7】
【0072】<比較例>ビスフェノール系エポキシ樹脂
エピコート1004(エポキシ当量:875−975、
油化シェルエポキシ(株)製商品名)の代わりにビスフ
ェノール系エポキシ樹脂エピコート1009(エポキシ
当量:2400−3300、油化シェルエポキシ(株)
製商品名)を使う以外は<実施例1>と同様にして操作
し、光散乱性フィルムを作製したが散乱性は発現しなか
った。得られた該フィルムの厚みは85ミクロンであった。
エピコート1004(エポキシ当量:875−975、
油化シェルエポキシ(株)製商品名)の代わりにビスフ
ェノール系エポキシ樹脂エピコート1009(エポキシ
当量:2400−3300、油化シェルエポキシ(株)
製商品名)を使う以外は<実施例1>と同様にして操作
し、光散乱性フィルムを作製したが散乱性は発現しなか
った。得られた該フィルムの厚みは85ミクロンであった。
【0073】
【発明の効果】本組成物を用いれば、所定角度で入射す
る光に対しては光散乱が生じ、逆にそれとは垂直な光に
対しては透明フィルムとして機能することにより、光散
乱性に入射角度選択性を持ち、そのため、散乱性を要す
る光と散乱性が不要な光とを、そのフィルムへの入射角
度により分離することができ、結果として表示装置など
に用いた場合に、不必要な散乱を生じることなく表示の
明るさや細かさ、コントラストを向上し、且つ表示像の
ぼけを軽減させる等の効果がある光散乱フィルムを作製
することができる。
る光に対しては光散乱が生じ、逆にそれとは垂直な光に
対しては透明フィルムとして機能することにより、光散
乱性に入射角度選択性を持ち、そのため、散乱性を要す
る光と散乱性が不要な光とを、そのフィルムへの入射角
度により分離することができ、結果として表示装置など
に用いた場合に、不必要な散乱を生じることなく表示の
明るさや細かさ、コントラストを向上し、且つ表示像の
ぼけを軽減させる等の効果がある光散乱フィルムを作製
することができる。
【0074】また、光散乱が生じる入射角度で光が入射
した際に、その散乱光の広がりが、縦横で異なるような
散乱異方性をも併せ持つフィルムの作製が可能である。
そのため、必要な方向にのみ散乱光を出射することが出
来、結果として表示装置などに用いた場合に、不必要な
散乱を生じることなく表示の明るさ、コントラストを向
上させる等の効果がある。
した際に、その散乱光の広がりが、縦横で異なるような
散乱異方性をも併せ持つフィルムの作製が可能である。
そのため、必要な方向にのみ散乱光を出射することが出
来、結果として表示装置などに用いた場合に、不必要な
散乱を生じることなく表示の明るさ、コントラストを向
上させる等の効果がある。
【図1】本発明の光散乱フィルムを示す説明図であり、
左が平面図、右が断面図である。
左が平面図、右が断面図である。
【図2】本発明の光散乱フィルムを示す説明図であり、
左が平面図、右が断面図である。
左が平面図、右が断面図である。
【図3】本発明の光散乱フィルムの持つ入射角度依存性
の一例を示すグラフである。
の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の光散乱フィルムが持つ光散乱の異方性
を説明する図である。
を説明する図である。
【図5】図1に示す構造の光散乱フィルムを、マスクパ
ターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図で
ある。
ターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図で
ある。
【図6】図2に示す構造の光散乱フィルムを、スペック
ルパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明
図である。
ルパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明
図である。
1…光散乱フィルム 2…散乱方向から入射する照明光 3…透過方向から入射する照明光 4…実測したヘイズ値のプロット 5…感光材料 6…UV光源 7…コリーメート光学系 8…平行光 9…マスク原版 10…ガラス基板 11…クロムパターン 12…光ファイバー 13…レーザー光源 14…レーザー光 15…すりガラス 16…ビームエキスパンダー 17…コリメーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/02 G02B 5/02 B G02F 1/13363 G02F 1/13363 // C08L 63:02 Fターム(参考) 2H042 BA02 BA14 BA15 BA20 2H091 FA32X FB02 FC12 FC23 FC26 FD06 JA10 LA15 LA20 4F071 AA42 AC02 AC10 AC12 AC13 AC15 AC19 AE06 AE22 AF30 AF30Y AF31 AF31Y AH19 BA02 BB02 BC01 BC17 4J011 PA26 PA35 PA38 PA43 PA45 PA54 PA86 QA01 QA11 QA37 QA40 SA79 SA83 SA86 SA87 SA88 TA03 UA01 VA01 WA01 WA10 4J036 AA02 AB01 AB02 AB09 AB10 AC06 AC08 AC19 AD05 AD08 AD20 AF01 AF06 AF08 GA03 GA17 GA22 GA24 GA25 GA26 HA02 JA15 KA01
Claims (4)
- 【請求項1】屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さ
で分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様
が形成されており、且つその屈折率の異なる部分が、フ
ィルムの厚さ方向に対して傾斜して層状に分布している
構造である光散乱フィルムであって、前記傾斜方向に沿
った角度で入射する光に対しては光散乱が生じ、前記傾
斜方向とは垂直な光に対しては単なる透明フィルムとし
て機能するような、光散乱性に入射角度選択性を持つ光
散乱フィルムを形成する組成物が、それぞれの屈折率に
差がある分子内に1個以上のカチオン重合性置換基を有
する化合物を複数有することを特徴とする異方性光散乱
フィルム用組成物。 - 【請求項2】前記分子内に1個以上のカチオン重合性置
換基を有する化合物が光重合性であり、化学放射線によ
って重合開始種を発生する光開始剤と該光開始剤を増感
せしめる増感色素を添加することを特徴とする請求項1
記載の異方性光散乱フィルム用組成物。 - 【請求項3】(少なくとも1つ以上という条件はありま
すか?)前記分子内に1個以上のカチオン重合性置換基
を有する化合物がエポキシ当量400〜2200である
ビスフェノールA型エポキシ樹脂或いは臭素化ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項
1記載の異方性光散乱フィルム用組成物。 - 【請求項4】複数の前記分子内に1個以上のカチオン重
合性置換基を有する化合物のうち少なくともひとつが、
エポキシ基、オキセタン基、エピスルフィド基、ビニル
エーテル基から選ばれた少なくともひとつを有し、常温
常圧で液体であることを特徴とする請求項1記載の異方
性光散乱フィルム用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11108575A JP2000297111A (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | 異方性光散乱フィルム用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11108575A JP2000297111A (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | 異方性光散乱フィルム用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000297111A true JP2000297111A (ja) | 2000-10-24 |
Family
ID=14488303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11108575A Pending JP2000297111A (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | 異方性光散乱フィルム用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000297111A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002099474A1 (fr) * | 2001-06-01 | 2002-12-12 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Film de diffusion de lumiere, dispositif d'eclairage de surface et dispositif d'affichage a cristaux liquides |
-
1999
- 1999-04-15 JP JP11108575A patent/JP2000297111A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002099474A1 (fr) * | 2001-06-01 | 2002-12-12 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Film de diffusion de lumiere, dispositif d'eclairage de surface et dispositif d'affichage a cristaux liquides |
US6917396B2 (en) | 2001-06-01 | 2005-07-12 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Light diffusion film, plane light source device and liquid crystal display apparatus for enhancing a constant luminance and diffusing a light |
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