JP2000296384A - 魚貝類を含む廃棄物の処理方法 - Google Patents
魚貝類を含む廃棄物の処理方法Info
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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- Treatment Of Sludge (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 魚貝類を含む廃棄物を処理するに当たっ
て、設備費および運転費が経済的で、処理の過程で悪臭
を発生することが少なく、かつ比較的清浄な骨あるいは
貝殻などの残渣を作り出すことができて、骨や貝殻を含
む処理残渣の有効利用、流通化を推進するために有効な
方法を提供する。 【解決手段】 上記課題は、魚貝類を含む廃棄物と、活
性汚泥を含む汚泥混合液とを好気的条件下で接触させる
ことを特徴とする、廃棄物の処理方法によって解決され
る。
て、設備費および運転費が経済的で、処理の過程で悪臭
を発生することが少なく、かつ比較的清浄な骨あるいは
貝殻などの残渣を作り出すことができて、骨や貝殻を含
む処理残渣の有効利用、流通化を推進するために有効な
方法を提供する。 【解決手段】 上記課題は、魚貝類を含む廃棄物と、活
性汚泥を含む汚泥混合液とを好気的条件下で接触させる
ことを特徴とする、廃棄物の処理方法によって解決され
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、魚貝類を含む廃棄物の
処理方法に関し、特に、発電所冷却水取水管や牡蠣養殖
場等より発生する貝類を含む廃棄物や、魚類養殖場や魚
市場等より発生する、魚類を含む廃棄物などの処理方法
に関する。
処理方法に関し、特に、発電所冷却水取水管や牡蠣養殖
場等より発生する貝類を含む廃棄物や、魚類養殖場や魚
市場等より発生する、魚類を含む廃棄物などの処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】魚貝類を含む廃棄物には、魚肉や貝肉な
どの有機物と、骨や貝殻などの無機物とが含まれてい
る。
どの有機物と、骨や貝殻などの無機物とが含まれてい
る。
【0003】このような魚貝類を含む廃棄物の処理に関
し、従来、主に以下の3通りの方法が用いられてきた。
し、従来、主に以下の3通りの方法が用いられてきた。
【0004】その一つは、焼却処理である。この方法に
よれば、焼却残渣となるものは、有機物のほとんど残っ
ていない骨や貝殻が大半であり、その残渣を放置しても
悪臭を発生することは無く、セメント製造原料や石灰系
肥料としての利用も可能であるといった利点がある。し
かしながら、近年の都市ごみ焼却におけるダイオキシン
問題の影響により、焼却処理を行うことに対して付近住
民からの抵抗を受けるようになり、また焼却排ガス処理
設備を含む焼却設備は建設費が高く、運転に際しては魚
貝類を含む廃棄物中に多くの水分が含まれているため燃
料費がかさむという問題があった。上述のダイオキシン
の問題は、焼却炉の運転費の問題とも関連し、焼却処理
に伴ってダイオキシンが発生することを防止するために
は炉内温度を800℃程度まで上昇させて運転する必要
があるため、低温燃焼の場合に比べて燃料費が高くなる
という問題にもつながっている。また、海産の魚貝類を
含む廃棄物中には海水由来の塩分が含まれており、この
ような場合には焼却処理に伴って塩素ガスが発生するた
め、焼却炉の火格子や炉体の損耗が著しく、補修費がか
さむという問題もあった。さらに、焼却炉の燃料費を軽
減するために魚貝類を含む廃棄物を乾燥させようとす
る、あるいは小型の焼却炉を設置して順次焼却処理を実
施するために魚貝類を含む廃棄物を一時貯蔵しようとす
ると、乾燥や貯蔵の過程で該廃棄物中の有機物が腐敗
し、猛烈な悪臭を発生して、周辺に悪影響を及ぼすとい
う問題もあった。
よれば、焼却残渣となるものは、有機物のほとんど残っ
ていない骨や貝殻が大半であり、その残渣を放置しても
悪臭を発生することは無く、セメント製造原料や石灰系
肥料としての利用も可能であるといった利点がある。し
かしながら、近年の都市ごみ焼却におけるダイオキシン
問題の影響により、焼却処理を行うことに対して付近住
民からの抵抗を受けるようになり、また焼却排ガス処理
設備を含む焼却設備は建設費が高く、運転に際しては魚
貝類を含む廃棄物中に多くの水分が含まれているため燃
料費がかさむという問題があった。上述のダイオキシン
の問題は、焼却炉の運転費の問題とも関連し、焼却処理
に伴ってダイオキシンが発生することを防止するために
は炉内温度を800℃程度まで上昇させて運転する必要
があるため、低温燃焼の場合に比べて燃料費が高くなる
という問題にもつながっている。また、海産の魚貝類を
含む廃棄物中には海水由来の塩分が含まれており、この
ような場合には焼却処理に伴って塩素ガスが発生するた
め、焼却炉の火格子や炉体の損耗が著しく、補修費がか
さむという問題もあった。さらに、焼却炉の燃料費を軽
減するために魚貝類を含む廃棄物を乾燥させようとす
る、あるいは小型の焼却炉を設置して順次焼却処理を実
施するために魚貝類を含む廃棄物を一時貯蔵しようとす
ると、乾燥や貯蔵の過程で該廃棄物中の有機物が腐敗
し、猛烈な悪臭を発生して、周辺に悪影響を及ぼすとい
う問題もあった。
【0005】従来用いられていた処理方法の他の一つ
は、コンポスト化である。これは、湿潤状態の該廃棄物
を大気下で高さ0.5〜2.0m程度に積層し、必要に
より下部より空気を送って好気性発酵させて、少なくと
も一部の有機物の無機化処理を行うもので、最終製品が
土壌改良剤となるため、物質循環系において廃棄物の再
利用をはかるという観点からは好ましい面を有してい
る。しかしながら、コンポスト化処理を行う際に、魚貝
類を含む廃棄物が前処理として粗粉砕処理を受けること
があるものの、できあがったコンポストは骨や貝殻混じ
りのもので、かつその骨や貝殻の成分は水に溶けにくい
カルシウムヒドロキシアパタイトなどを主体とするもの
であるため肥料効果が極めて弱く、農家による受け入れ
の困難なものであり、できあがったコンポストが蓄積す
る一方となって、該廃棄物の処理技術としては実用的で
はないという問題があった。微粉砕あるいは篩い分けな
どの手段を加えて見栄えの良いコンポストを製造するた
めにはさらに微粉砕機のための設備費と運転費が必要に
なるという問題もあり、このような加工を加えても最終
製品の化学組成はほとんど変化しないため、魚貝類由来
のコンポストの流通促進のための根本的な解決策にはな
らないという問題もあった。また、このコンポスト化処
理において、空気を送りつつ処理を行った場合でも、塊
状の該廃棄物の一部は嫌気的となって該廃棄物に含まれ
る有機物の一部は腐敗し、悪臭を発生するという問題も
あった。
は、コンポスト化である。これは、湿潤状態の該廃棄物
を大気下で高さ0.5〜2.0m程度に積層し、必要に
より下部より空気を送って好気性発酵させて、少なくと
も一部の有機物の無機化処理を行うもので、最終製品が
土壌改良剤となるため、物質循環系において廃棄物の再
利用をはかるという観点からは好ましい面を有してい
る。しかしながら、コンポスト化処理を行う際に、魚貝
類を含む廃棄物が前処理として粗粉砕処理を受けること
があるものの、できあがったコンポストは骨や貝殻混じ
りのもので、かつその骨や貝殻の成分は水に溶けにくい
カルシウムヒドロキシアパタイトなどを主体とするもの
であるため肥料効果が極めて弱く、農家による受け入れ
の困難なものであり、できあがったコンポストが蓄積す
る一方となって、該廃棄物の処理技術としては実用的で
はないという問題があった。微粉砕あるいは篩い分けな
どの手段を加えて見栄えの良いコンポストを製造するた
めにはさらに微粉砕機のための設備費と運転費が必要に
なるという問題もあり、このような加工を加えても最終
製品の化学組成はほとんど変化しないため、魚貝類由来
のコンポストの流通促進のための根本的な解決策にはな
らないという問題もあった。また、このコンポスト化処
理において、空気を送りつつ処理を行った場合でも、塊
状の該廃棄物の一部は嫌気的となって該廃棄物に含まれ
る有機物の一部は腐敗し、悪臭を発生するという問題も
あった。
【0006】従来用いられていた処理方法の残りのもの
は、魚貝類を含む廃棄物を直接埋め立てるものである。
該廃棄物の発生者が、継続的に発生する該廃棄物を次々
に埋め立てて処理・処分するのに充分な広さの土地を保
有している例は少なく、廃棄物処理業者に委託して引き
取ってもらうという例の多いのが実状であるが、その際
の委託処理費は年々高騰しており、該廃棄物の発生者の
経済的負担が大きいという問題がある。また、埋め立て
処理を行う際には覆土を深くしないと該廃棄物中の有機
物の腐敗に伴って発生する悪臭が大気中へ拡散するとい
う問題もあり、埋め立て処分に労力を要することは、処
理・処分用地の逼迫と相まって、委託処分費の高騰の原
因ともなっている。
は、魚貝類を含む廃棄物を直接埋め立てるものである。
該廃棄物の発生者が、継続的に発生する該廃棄物を次々
に埋め立てて処理・処分するのに充分な広さの土地を保
有している例は少なく、廃棄物処理業者に委託して引き
取ってもらうという例の多いのが実状であるが、その際
の委託処理費は年々高騰しており、該廃棄物の発生者の
経済的負担が大きいという問題がある。また、埋め立て
処理を行う際には覆土を深くしないと該廃棄物中の有機
物の腐敗に伴って発生する悪臭が大気中へ拡散するとい
う問題もあり、埋め立て処分に労力を要することは、処
理・処分用地の逼迫と相まって、委託処分費の高騰の原
因ともなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】魚貝類を含む廃棄物の
処理のための従来の方法は、上述のように、設備費が高
い、運転費が高い、悪臭を発生する、といった問題点を
有しており、該廃棄物の処理は、結局、該廃棄物の発生
者にとって費用負担の大きなものとなっていた。
処理のための従来の方法は、上述のように、設備費が高
い、運転費が高い、悪臭を発生する、といった問題点を
有しており、該廃棄物の処理は、結局、該廃棄物の発生
者にとって費用負担の大きなものとなっていた。
【0008】本発明は、魚貝類を含む廃棄物を処理する
に当たって、設備費および運転費が経済的で、処理の過
程で悪臭を発生することが少なく、かつ比較的清浄な骨
あるいは貝殻などの残渣を作り出すことができて、骨や
貝殻を含む処理残渣の有効利用、流通化を推進するため
に有効な方法を提供することを目的とするものである。
に当たって、設備費および運転費が経済的で、処理の過
程で悪臭を発生することが少なく、かつ比較的清浄な骨
あるいは貝殻などの残渣を作り出すことができて、骨や
貝殻を含む処理残渣の有効利用、流通化を推進するため
に有効な方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、鋭意研究を重ねた。その結果、該廃棄
物と活性汚泥を含む汚泥混合液とを接触させて、生物に
よる作用を利用して処理する方法に着目するに至った。
しかしながら、魚貝類、特に貝類は沈降性が大きいた
め、活性汚泥処理槽の底に沈積してしまう。曝気ではこ
れを流動化させることができず散気装置より発生する気
泡の直径を粗大化させ、酸素移動効率の低下を招いてし
まった。散気装置を沈積層より上に設ければ、気泡の接
触水深が低減して酸素移動効率の低下を招くと共に、沈
積層内へ汚泥混合液が充分流通せず、活性汚泥による分
解は極めて遅かった。沈積層に攪拌羽根を挿入して攪拌
することによりこの汚泥混合液の流通の問題は解決でき
たが、攪拌抵抗が大きくて多大な動力を要するばかりで
なく、貝殻等による攪拌羽根や処理槽壁面の磨耗損傷が
著しく実用的ではなかった。
に、本発明者は、鋭意研究を重ねた。その結果、該廃棄
物と活性汚泥を含む汚泥混合液とを接触させて、生物に
よる作用を利用して処理する方法に着目するに至った。
しかしながら、魚貝類、特に貝類は沈降性が大きいた
め、活性汚泥処理槽の底に沈積してしまう。曝気ではこ
れを流動化させることができず散気装置より発生する気
泡の直径を粗大化させ、酸素移動効率の低下を招いてし
まった。散気装置を沈積層より上に設ければ、気泡の接
触水深が低減して酸素移動効率の低下を招くと共に、沈
積層内へ汚泥混合液が充分流通せず、活性汚泥による分
解は極めて遅かった。沈積層に攪拌羽根を挿入して攪拌
することによりこの汚泥混合液の流通の問題は解決でき
たが、攪拌抵抗が大きくて多大な動力を要するばかりで
なく、貝殻等による攪拌羽根や処理槽壁面の磨耗損傷が
著しく実用的ではなかった。
【0010】そこで、本発明者はさらに研究を重ね、魚
貝類を含む廃棄物をかご等に入れて、このかごを処理槽
内に下に空間部を形成しうる状態で収容してその下から
散気し、あるいはかごを処理槽上部や処理槽外に配置し
て廃棄物の上から汚泥混合液を散水することにより、廃
棄物に付着している泥等を洗い落として廃棄物層内に汚
泥混合液の通路を確保することができ、魚貝類を効率よ
く分解しうることを見出した。
貝類を含む廃棄物をかご等に入れて、このかごを処理槽
内に下に空間部を形成しうる状態で収容してその下から
散気し、あるいはかごを処理槽上部や処理槽外に配置し
て廃棄物の上から汚泥混合液を散水することにより、廃
棄物に付着している泥等を洗い落として廃棄物層内に汚
泥混合液の通路を確保することができ、魚貝類を効率よ
く分解しうることを見出した。
【0011】本発明はこれらの知見に基づいてなされた
ものであり、魚貝類を含む廃棄物と、活性汚泥を含む汚
泥混合液とを好気的条件下で接触させることを特徴とす
る、廃棄物の処理方法、魚貝類を含む廃棄物がかごに収
容され、汚泥混合液との接触が該汚泥混合液を入れた槽
に浸漬されることである上記の魚貝類を含む廃棄物の処
理方法、魚貝類を含む廃棄物がかごに収容され、汚泥混
合液との接触が該汚泥混合液が該かごの上面からの散水
である上記の魚貝類を含む廃棄物の処理方法を提供する
ものである。
ものであり、魚貝類を含む廃棄物と、活性汚泥を含む汚
泥混合液とを好気的条件下で接触させることを特徴とす
る、廃棄物の処理方法、魚貝類を含む廃棄物がかごに収
容され、汚泥混合液との接触が該汚泥混合液を入れた槽
に浸漬されることである上記の魚貝類を含む廃棄物の処
理方法、魚貝類を含む廃棄物がかごに収容され、汚泥混
合液との接触が該汚泥混合液が該かごの上面からの散水
である上記の魚貝類を含む廃棄物の処理方法を提供する
ものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明が適用される魚貝類を含む
廃棄物とは、廃棄される魚貝類解体残渣あるいは魚貝類
そのものを主成分とするものであり、含水率が例えば3
0重量%以上、通常は40重量%以上、多くは50重量
%以上のものである。具体的には発電所冷却水取水部や
取水管等から掻落した貝類、牡蠣、帆立貝等の各種貝類
養殖場、加工場等から排出される加工残渣や死貝等、魚
類養殖場、魚市場、魚加工工場等より排出される残渣等
である。
廃棄物とは、廃棄される魚貝類解体残渣あるいは魚貝類
そのものを主成分とするものであり、含水率が例えば3
0重量%以上、通常は40重量%以上、多くは50重量
%以上のものである。具体的には発電所冷却水取水部や
取水管等から掻落した貝類、牡蠣、帆立貝等の各種貝類
養殖場、加工場等から排出される加工残渣や死貝等、魚
類養殖場、魚市場、魚加工工場等より排出される残渣等
である。
【0013】貝類のうち、イガイやムラサキインコなど
の二枚貝は、一枚貝や巻き貝の場合と異なって、貝肉が
貝殻でほぼ完全に包み込まれている場合があるため、貝
肉を主体とする有機物と微生物との接触が困難となり、
例えば1週間以上といった長い処理時間を要する場合が
ある。また、二枚貝を含む廃棄物を一度に大量処理する
ために、積層した状態で微生物と接触処理させようとす
ると、下層部の二枚貝に対して上層部の廃棄物の重量が
かかり、下層部の二枚貝の貝殻を閉じる方向の力が加わ
る場合があるため、貝肉と微生物との接触が困難となる
場合がある。さらに、魚類のうち、例えば体長10cm
以上といった比較的大きな魚においてはその骨も大型で
あり、骨の奥に内在する骨髄などの有機物と微生物との
接触処理は困難で、長い処理時間を要する場合がある。
このように、魚貝類を含む廃棄物が、二枚貝や比較的大
型の魚類を含んでいる場合、該魚貝類を含む廃棄物と汚
泥混合液との接触処理を行う前に、該廃棄物の粉砕処理
を行うことは、廃棄物の中の有機物と汚泥混合液との接
触処理効率を高めるのに有効であり、処理時間の短縮、
処理設備のコンパクト化といった効果をもたらす。この
場合、該粉砕処理に用いる粉砕機の種類としては、微粉
砕機、中間粉砕機、粗粉砕機のいずれも使用可能である
が、ロール粉砕機、コーン粉砕機、ハンマーミル、リス
車型粉砕機などの中間粉砕機または、ジョークラッシ
ャ、旋動粉砕機などの粗粉砕機の方がより好ましい。な
ぜならば、微粉砕機を用いる場合、廃棄物が微細なもの
となるため、微生物との接触を促進するという効果は高
くなるものの、粉砕処理に要する動力費が非常に高くな
り、機械の維持管理の手間もかかることになるからであ
る。
の二枚貝は、一枚貝や巻き貝の場合と異なって、貝肉が
貝殻でほぼ完全に包み込まれている場合があるため、貝
肉を主体とする有機物と微生物との接触が困難となり、
例えば1週間以上といった長い処理時間を要する場合が
ある。また、二枚貝を含む廃棄物を一度に大量処理する
ために、積層した状態で微生物と接触処理させようとす
ると、下層部の二枚貝に対して上層部の廃棄物の重量が
かかり、下層部の二枚貝の貝殻を閉じる方向の力が加わ
る場合があるため、貝肉と微生物との接触が困難となる
場合がある。さらに、魚類のうち、例えば体長10cm
以上といった比較的大きな魚においてはその骨も大型で
あり、骨の奥に内在する骨髄などの有機物と微生物との
接触処理は困難で、長い処理時間を要する場合がある。
このように、魚貝類を含む廃棄物が、二枚貝や比較的大
型の魚類を含んでいる場合、該魚貝類を含む廃棄物と汚
泥混合液との接触処理を行う前に、該廃棄物の粉砕処理
を行うことは、廃棄物の中の有機物と汚泥混合液との接
触処理効率を高めるのに有効であり、処理時間の短縮、
処理設備のコンパクト化といった効果をもたらす。この
場合、該粉砕処理に用いる粉砕機の種類としては、微粉
砕機、中間粉砕機、粗粉砕機のいずれも使用可能である
が、ロール粉砕機、コーン粉砕機、ハンマーミル、リス
車型粉砕機などの中間粉砕機または、ジョークラッシ
ャ、旋動粉砕機などの粗粉砕機の方がより好ましい。な
ぜならば、微粉砕機を用いる場合、廃棄物が微細なもの
となるため、微生物との接触を促進するという効果は高
くなるものの、粉砕処理に要する動力費が非常に高くな
り、機械の維持管理の手間もかかることになるからであ
る。
【0014】このような粉砕処理に用いた粉砕機には、
廃棄物中の魚肉や貝肉に由来する固形状および液状の有
機物が付着する。従って、この粉砕機を数日間程度以上
使用し続ける場合、あるいは一旦使用した後、数日間程
度以上休止する場合、粉砕機に付着した有機物が腐敗し
て悪臭を発生する恐れがある。これを防止するための有
効で経済的な方法は、その粉砕機を水で洗浄することで
ある。ただし、このような洗浄操作に伴って、有機物を
含有する洗浄廃水、洗浄の方法によってはさらに骨や貝
殻をも含む洗浄廃水が発生するため、この洗浄廃水を処
理する必要がある。この洗浄廃水を、生活廃水処理設備
や産業廃水処理設備へ導入して処理することの可能な場
合はあるが、この洗浄廃水の輸送距離や廃棄物中に含ま
れる骨や貝殻の処理設備の完備の状況からすれば、この
洗浄廃水は、処理槽へ導入して、酸化・分解処理するこ
とが好ましく、その処理残渣に対してさらに洗浄、乾燥
等の処理を施すことによって、受け入れた廃棄物中のよ
り多くの成分を、セメント原料や石灰系肥料として利用
することができる。
廃棄物中の魚肉や貝肉に由来する固形状および液状の有
機物が付着する。従って、この粉砕機を数日間程度以上
使用し続ける場合、あるいは一旦使用した後、数日間程
度以上休止する場合、粉砕機に付着した有機物が腐敗し
て悪臭を発生する恐れがある。これを防止するための有
効で経済的な方法は、その粉砕機を水で洗浄することで
ある。ただし、このような洗浄操作に伴って、有機物を
含有する洗浄廃水、洗浄の方法によってはさらに骨や貝
殻をも含む洗浄廃水が発生するため、この洗浄廃水を処
理する必要がある。この洗浄廃水を、生活廃水処理設備
や産業廃水処理設備へ導入して処理することの可能な場
合はあるが、この洗浄廃水の輸送距離や廃棄物中に含ま
れる骨や貝殻の処理設備の完備の状況からすれば、この
洗浄廃水は、処理槽へ導入して、酸化・分解処理するこ
とが好ましく、その処理残渣に対してさらに洗浄、乾燥
等の処理を施すことによって、受け入れた廃棄物中のよ
り多くの成分を、セメント原料や石灰系肥料として利用
することができる。
【0015】本発明方法は、微生物による有機物の分解
・処理作用を利用したものであるため、充分な量の微生
物を確保することによって、迅速な処理が可能となる。
・処理作用を利用したものであるため、充分な量の微生
物を確保することによって、迅速な処理が可能となる。
【0016】魚貝類を含む廃棄物が無菌状態にあること
は稀であり、このような廃棄物に対して、温度やpHな
どの微生物生育条件が好適となるように環境条件を与え
れば、微生物は徐々に増殖し、有機物の分解・処理は進
行する。しかし、有機物の分解・処理作用を有する汚泥
を種汚泥として該廃棄物処理系へ供給し、処理開始時に
おける微生物濃度(より正確には、微生物量と処理すべ
き有機物量との比)を充分高めることによって、迅速で
短時間の処理が可能となり、処理設備をコンパクトなも
のとすることができる。
は稀であり、このような廃棄物に対して、温度やpHな
どの微生物生育条件が好適となるように環境条件を与え
れば、微生物は徐々に増殖し、有機物の分解・処理は進
行する。しかし、有機物の分解・処理作用を有する汚泥
を種汚泥として該廃棄物処理系へ供給し、処理開始時に
おける微生物濃度(より正確には、微生物量と処理すべ
き有機物量との比)を充分高めることによって、迅速で
短時間の処理が可能となり、処理設備をコンパクトなも
のとすることができる。
【0017】このような、有機物の分解・処理作用を有
する汚泥として入手しやすくかつ有効なものは、生活排
水、し尿もしくは産業廃水の処理に用いられている活性
汚泥設備の、反応槽内の汚泥混合液もしくは沈殿汚泥も
しくは濃縮汚泥もしくは脱水ケーキであり、これらを用
いて、必要により濃度を調整するか、あるいは分散懸濁
させるなどの操作を加えて、種汚泥として利用すること
ができる。魚貝類を含む廃棄物中の有機物の多くのもの
は蛋白質であるが、生活排水やし尿には蛋白質が比較的
多く含まれているため、それを処理する活性汚泥処理設
備の、反応槽内の汚泥混合液もしくは沈殿汚泥もしくは
濃縮汚泥もしくは脱水ケーキにはプロテアーゼあるいは
ペプチダーゼ活性を有する微生物が比較的多く含まれて
おり、これらの微生物を含む汚泥混合液の蛋白質分解活
性は比較的高いため、このような汚泥混合液と魚貝類を
含む廃棄物とを接触させることによって、馴致期間をほ
とんど要することなしに、短時間のうちに該廃棄物中の
有機物の分解・処理を行うことができる。また、産業廃
水のうち、蛋白質を含有する廃水、例えば食品工業廃水
や薬品工業廃水など、を処理している活性汚泥設備に由
来する汚泥混合液も、かかる処理の種汚泥として好適で
ある。
する汚泥として入手しやすくかつ有効なものは、生活排
水、し尿もしくは産業廃水の処理に用いられている活性
汚泥設備の、反応槽内の汚泥混合液もしくは沈殿汚泥も
しくは濃縮汚泥もしくは脱水ケーキであり、これらを用
いて、必要により濃度を調整するか、あるいは分散懸濁
させるなどの操作を加えて、種汚泥として利用すること
ができる。魚貝類を含む廃棄物中の有機物の多くのもの
は蛋白質であるが、生活排水やし尿には蛋白質が比較的
多く含まれているため、それを処理する活性汚泥処理設
備の、反応槽内の汚泥混合液もしくは沈殿汚泥もしくは
濃縮汚泥もしくは脱水ケーキにはプロテアーゼあるいは
ペプチダーゼ活性を有する微生物が比較的多く含まれて
おり、これらの微生物を含む汚泥混合液の蛋白質分解活
性は比較的高いため、このような汚泥混合液と魚貝類を
含む廃棄物とを接触させることによって、馴致期間をほ
とんど要することなしに、短時間のうちに該廃棄物中の
有機物の分解・処理を行うことができる。また、産業廃
水のうち、蛋白質を含有する廃水、例えば食品工業廃水
や薬品工業廃水など、を処理している活性汚泥設備に由
来する汚泥混合液も、かかる処理の種汚泥として好適で
ある。
【0018】汚泥混合液の汚泥濃度としては500mg
/L以上、好ましくは1000mg/L以上、特に好ま
しくは2000mg/L以上である。汚泥濃度の上限は
汚泥混合液の流動性、沈降速度、散気装置の酸素供給能
力等から定められ、8000mg/L以下、好ましくは
5000mg/L以下とする。汚泥混合液の汚泥濃度の
調整に使用する水は汚泥の活性を大きく阻害しない限り
特に制限されるものではなく、活性汚泥処理排水、工業
用水等のほか生活廃水、下水等であってもよい。
/L以上、好ましくは1000mg/L以上、特に好ま
しくは2000mg/L以上である。汚泥濃度の上限は
汚泥混合液の流動性、沈降速度、散気装置の酸素供給能
力等から定められ、8000mg/L以下、好ましくは
5000mg/L以下とする。汚泥混合液の汚泥濃度の
調整に使用する水は汚泥の活性を大きく阻害しない限り
特に制限されるものではなく、活性汚泥処理排水、工業
用水等のほか生活廃水、下水等であってもよい。
【0019】魚貝類を含む廃棄物と活性汚泥を含む汚泥
混合液との接触は、該廃棄物に汚泥混合液が充分に接触
が行われるようにし、そのため廃棄物はかご等の容器に
収容した状態で本発明の処理を行うのがよい。
混合液との接触は、該廃棄物に汚泥混合液が充分に接触
が行われるようにし、そのため廃棄物はかご等の容器に
収容した状態で本発明の処理を行うのがよい。
【0020】この容器は魚貝物等を保持しかつ汚泥混合
液を流通させうるものであればよく、外形は円筒形、箱
形等任意形状とすることができる。底部も平底のほか、
丸底、円錐底等であってもよい。容器の大きさは、幅が
0.5〜10m程度、通常1〜3m程度、深さが50c
m〜5m程度、通常1〜2m程度がよい。1処理槽ある
いは受槽当たりの容器の数は1個でもよく、2個以上、
例えば2〜10個程度としてもよい。
液を流通させうるものであればよく、外形は円筒形、箱
形等任意形状とすることができる。底部も平底のほか、
丸底、円錐底等であってもよい。容器の大きさは、幅が
0.5〜10m程度、通常1〜3m程度、深さが50c
m〜5m程度、通常1〜2m程度がよい。1処理槽ある
いは受槽当たりの容器の数は1個でもよく、2個以上、
例えば2〜10個程度としてもよい。
【0021】廃棄物を収納するための容器は、廃棄物中
の有機物と汚泥との接触および処理設備内の該廃棄物部
分への溶存酸素の供給を助けるための、流通部を有する
容器の代表例として示したもので、該流通部は、バース
クリーン、ウェッジワイヤースクリーン、格子、パンチ
ングメタル、網等で構成することができる。これらの流
通部は面積の多いことが好ましく、該容器の上面、下面
および側面に設置することができる。面積の多い流通部
を補強するために、フラットバーやアングルで支持する
ことも有効である。廃棄物に含まれる貝類の大きさには
幅があり、該容器の流通部から貝類が脱落しないように
するためには開口部の目は細かくすることが好ましい
が、処理過程での空気や汚泥混合液の流通性を良くする
ためには目の大きいものが好ましい。これら二つの要件
のバランスするかご等の容器の流通部の目開きとして、
3mm以上、好ましくは5mm以上、特に好ましくは7
mm以上でかつ70mm以下、好ましくは30mm以
下、特に好ましくは15mm以下である。該容器におい
て、上部が開放されていることは、該廃棄物およびその
処理後の残渣の出し入れを自在にするために好ましく、
かつ該容器状構造物の軽量化、低価格化をはかる上でも
好ましいが、廃棄物の無機成分である骨や貝殻などが、
曝気や通水に伴って流動し、該容器状構造物外へ流出す
ることを防ぐために、上面をカバーすることも可能であ
る。このカバーも流通性とすることが好ましい。また、
容器の側面もしくは底面が開放可能な構造としておくこ
とは、該廃棄物の処理後の残渣の払い出しを迅速かつ容
易にする上で好ましい。
の有機物と汚泥との接触および処理設備内の該廃棄物部
分への溶存酸素の供給を助けるための、流通部を有する
容器の代表例として示したもので、該流通部は、バース
クリーン、ウェッジワイヤースクリーン、格子、パンチ
ングメタル、網等で構成することができる。これらの流
通部は面積の多いことが好ましく、該容器の上面、下面
および側面に設置することができる。面積の多い流通部
を補強するために、フラットバーやアングルで支持する
ことも有効である。廃棄物に含まれる貝類の大きさには
幅があり、該容器の流通部から貝類が脱落しないように
するためには開口部の目は細かくすることが好ましい
が、処理過程での空気や汚泥混合液の流通性を良くする
ためには目の大きいものが好ましい。これら二つの要件
のバランスするかご等の容器の流通部の目開きとして、
3mm以上、好ましくは5mm以上、特に好ましくは7
mm以上でかつ70mm以下、好ましくは30mm以
下、特に好ましくは15mm以下である。該容器におい
て、上部が開放されていることは、該廃棄物およびその
処理後の残渣の出し入れを自在にするために好ましく、
かつ該容器状構造物の軽量化、低価格化をはかる上でも
好ましいが、廃棄物の無機成分である骨や貝殻などが、
曝気や通水に伴って流動し、該容器状構造物外へ流出す
ることを防ぐために、上面をカバーすることも可能であ
る。このカバーも流通性とすることが好ましい。また、
容器の側面もしくは底面が開放可能な構造としておくこ
とは、該廃棄物の処理後の残渣の払い出しを迅速かつ容
易にする上で好ましい。
【0022】該廃棄物を収納するためのかご等の容器
は、該廃棄物の発生場所から本発明による処理装置まで
運搬するための容器としても使用することができる。該
かご等の容器は、本発明による該廃棄物の処理装置に設
置するために運搬する、あるいは本発明による処理が終
了した後、該かご等の容器全体を吊り上げて、水切りを
行い、運搬することが出来るように、吊り下げ可能な強
度を有する構造とすることが好ましく、クレーンのフッ
クを受けるリングを備えていること、あるいはクレーン
のフックを受けるワイヤーロープの装着を可能とするこ
と、そして湿潤状態の廃棄物を収納したまま吊り下げら
れるような強度を持ったフレーム構造とすることが好ま
しい。該かご等の容器の材質は、塩分を含んだ水を含む
処理系で使用されるため耐食性に富み、貝類を含む比較
的重い廃棄物を収納・運搬することが出来るよう充分な
強度を有するものが好ましいため、材料費まで考慮した
場合、実用上、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金
属、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチック等
を用いることが好ましい。
は、該廃棄物の発生場所から本発明による処理装置まで
運搬するための容器としても使用することができる。該
かご等の容器は、本発明による該廃棄物の処理装置に設
置するために運搬する、あるいは本発明による処理が終
了した後、該かご等の容器全体を吊り上げて、水切りを
行い、運搬することが出来るように、吊り下げ可能な強
度を有する構造とすることが好ましく、クレーンのフッ
クを受けるリングを備えていること、あるいはクレーン
のフックを受けるワイヤーロープの装着を可能とするこ
と、そして湿潤状態の廃棄物を収納したまま吊り下げら
れるような強度を持ったフレーム構造とすることが好ま
しい。該かご等の容器の材質は、塩分を含んだ水を含む
処理系で使用されるため耐食性に富み、貝類を含む比較
的重い廃棄物を収納・運搬することが出来るよう充分な
強度を有するものが好ましいため、材料費まで考慮した
場合、実用上、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金
属、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチック等
を用いることが好ましい。
【0023】かご等の容器に入れた廃棄物を汚泥混合液
に接触させる態様としては、汚泥混合液を収容した処理
槽に容器を浸漬することによって行ってもよく、あるい
は汚泥混合液を容器の上部から散水することによって行
ってもよい。いずれにしても、容器は処理槽から取出可
能、移動可能とすることが好ましい。しかしながら、容
器を処理槽に固定して処理残渣の取出口を設ける態様も
可能である。
に接触させる態様としては、汚泥混合液を収容した処理
槽に容器を浸漬することによって行ってもよく、あるい
は汚泥混合液を容器の上部から散水することによって行
ってもよい。いずれにしても、容器は処理槽から取出可
能、移動可能とすることが好ましい。しかしながら、容
器を処理槽に固定して処理残渣の取出口を設ける態様も
可能である。
【0024】容器を処理槽に浸漬する場合には、処理槽
下部に空間が残るように容器を処理槽内に設置すること
が好ましい。この下部空間は散気装置の設置と廃棄物に
付着している泥や沈降汚泥等の受槽として利用される。
容器を下部空間が残るように設置する手段としては、処
理槽内に格子等の棚を設けるとか支持アームや段部を処
理槽内に設けるとか、脚を設けるなどしてその上に容器
を配置してもよい。脚は容器に取付けてもよい。一方、
容器を吊下げて下部空間が残るようにすることも可能で
ある。容器に収容した廃棄物内への汚泥混合液の流通を
良化するために容器を上下方向あるいは左右方向等に揺
動あるいは振動させる機構を設けることも好ましい。ま
た、容器内の泥等の微粒子を容器から出すために容器を
叩く装置を設けることもできる。処理槽にはそのほか、
散気装置、沈殿物の取出口、汚泥の供給口、処理水の取
出口等が適宜設けられる。
下部に空間が残るように容器を処理槽内に設置すること
が好ましい。この下部空間は散気装置の設置と廃棄物に
付着している泥や沈降汚泥等の受槽として利用される。
容器を下部空間が残るように設置する手段としては、処
理槽内に格子等の棚を設けるとか支持アームや段部を処
理槽内に設けるとか、脚を設けるなどしてその上に容器
を配置してもよい。脚は容器に取付けてもよい。一方、
容器を吊下げて下部空間が残るようにすることも可能で
ある。容器に収容した廃棄物内への汚泥混合液の流通を
良化するために容器を上下方向あるいは左右方向等に揺
動あるいは振動させる機構を設けることも好ましい。ま
た、容器内の泥等の微粒子を容器から出すために容器を
叩く装置を設けることもできる。処理槽にはそのほか、
散気装置、沈殿物の取出口、汚泥の供給口、処理水の取
出口等が適宜設けられる。
【0025】このような処理装置の一例を第1図に示
す。この処理装置の処理槽3は箱形をしており、内部は
格子状棚4で上下に仕切られている。この棚4の上には
廃棄物1を収容したかご2が設置されている。下部空間
には散気装置6が設置され、この散気装置6にはブロワ
5から空気が送られるように配管接続されている。下部
空間にはさらに沈降汚泥引き抜きライン8が接続されて
いる。一方、上部空間には、汚泥混合液引き抜きライン
7が接続されている。処理槽3の上端にはオーバーフロ
ーライン10が設けられ、これは汚泥混合液引き抜きラ
イン7の途中に接続されている。また、上部開口には補
給水ライン9が設けられている。
す。この処理装置の処理槽3は箱形をしており、内部は
格子状棚4で上下に仕切られている。この棚4の上には
廃棄物1を収容したかご2が設置されている。下部空間
には散気装置6が設置され、この散気装置6にはブロワ
5から空気が送られるように配管接続されている。下部
空間にはさらに沈降汚泥引き抜きライン8が接続されて
いる。一方、上部空間には、汚泥混合液引き抜きライン
7が接続されている。処理槽3の上端にはオーバーフロ
ーライン10が設けられ、これは汚泥混合液引き抜きラ
イン7の途中に接続されている。また、上部開口には補
給水ライン9が設けられている。
【0026】上記の処理槽3に活性汚泥を含む汚泥混合
液を入れて散気装置6から廃棄物1に含まれる有機物を
汚泥混合液中の微生物の外生呼吸作用によって酸化分解
するために必要な酸素および活性汚泥作用を持つ微生物
自身の内生呼吸に必要な酸素を供給すると共に、気泡の
上昇に伴って形成される処理槽3内の流れを利用して、
処理槽3内の攪拌混合を行い、活性汚泥作用を持つ汚泥
と廃棄物1との接触を促進する。本発明による廃棄物の
処理方法においては、生物による反応のうち、嫌気反応
に比べて反応速度の大きな好気反応を利用するために、
この処理槽3は、溶存酸素濃度2mg/L以上の充分好
気的な条件となるよう設計、運転することが好ましい。
このような溶存酸素濃度条件下では、処理槽内部全域に
亘って好気的となり、硫化水素やインドールや酪酸等の
悪臭物質を生成するような嫌気的な生物反応が起こりに
くいため、処理過程での悪臭発生の問題が少ない。本発
明による廃棄物の処理方法における微生物反応は、主に
有機物を酸化分解し、その酸化分解で獲得したエネルギ
を利用して微生物体を合成するという反応であるため、
該廃棄物1に含まれていた有機物のほとんどが除去され
る一方、活性汚泥作用を持つ汚泥が増殖・増加する。こ
の汚泥を分離・除去すれば、該廃棄物1の残渣は骨ある
いは貝殻を主体とするものになる。該廃棄物中の有機物
の分解・処理に伴って増加した汚泥は汚泥混合液引き抜
きライン7および沈降汚泥引き抜きライン8から抜き出
される。汚泥混合液引き抜きライン7を用いて処理槽3
内の平均汚泥濃度に近い汚泥混合液を引き抜く場合に
は、処理槽3内での散気を継続しながら引き抜くか、散
気を停止した直後で汚泥が沈降しないうちに引き抜くこ
とが好ましい。このような引き抜き方法および装置を用
いた場合、汚泥濃度が比較的低いため引き抜かれる汚泥
混合液の容量が大となり、移送のためのパイプの直径や
ポンプの容量が比較的大となるが、処理槽3の水位を見
ながら引き抜き操作を行うことによって、処理槽3内の
汚泥の内、どの程度の汚泥が引き抜かれたかを容易に判
断することができるという利点がある。処理槽3内の散
気を停止し、0.5〜1時間程度静置して汚泥を沈降濃
縮させ、沈降汚泥引き抜きライン8を用いて沈降濃縮汚
泥を引き抜くという方法および装置を用いた場合、汚泥
濃度が比較的高いため引き抜かれる汚泥混合液の容量が
小となるという利点があるが、槽の底部の構造によって
は汚泥を引き抜く際に水みちが出来て濃度の低い汚泥が
引き抜かれる場合があり、これを防止するためには該処
理槽3の底部に汚泥かき寄せ装置や汚泥ピットを設置す
るか、汚泥が重力で底部に集まるように該処理槽3の底
部を60度程度の角度を有する錐状構造とすることが好
ましい。このような汚泥の引き抜き操作や飛沫の発生な
どによって水位が不足し、該廃棄物1の全体が汚泥混合
液に浸漬しなくなる恐れがあるため、必要により、工業
用水や水道水や地下水などの比較的清浄な水を補給水ラ
イン9を通じて補給する。該廃棄物1を回分処理によ
り、該処理槽3でもって繰り返し処理を行う場合、該廃
棄物1に同伴して海水中の塩分が持ち込まれ、汚泥混合
液の塩分濃度が増加して微生物反応速度が低下する恐れ
がある。このような事態に対処するためにも補給水ライ
ン9を通じて比較的清浄な水を補給することは有効であ
る。このような補給水を誤って過大量投入した場合に処
理槽3の上部よりあふれて処理槽3付近が水浸しになる
という事態を避けるために、オーバーフローライン10
を設置することも有効である。
液を入れて散気装置6から廃棄物1に含まれる有機物を
汚泥混合液中の微生物の外生呼吸作用によって酸化分解
するために必要な酸素および活性汚泥作用を持つ微生物
自身の内生呼吸に必要な酸素を供給すると共に、気泡の
上昇に伴って形成される処理槽3内の流れを利用して、
処理槽3内の攪拌混合を行い、活性汚泥作用を持つ汚泥
と廃棄物1との接触を促進する。本発明による廃棄物の
処理方法においては、生物による反応のうち、嫌気反応
に比べて反応速度の大きな好気反応を利用するために、
この処理槽3は、溶存酸素濃度2mg/L以上の充分好
気的な条件となるよう設計、運転することが好ましい。
このような溶存酸素濃度条件下では、処理槽内部全域に
亘って好気的となり、硫化水素やインドールや酪酸等の
悪臭物質を生成するような嫌気的な生物反応が起こりに
くいため、処理過程での悪臭発生の問題が少ない。本発
明による廃棄物の処理方法における微生物反応は、主に
有機物を酸化分解し、その酸化分解で獲得したエネルギ
を利用して微生物体を合成するという反応であるため、
該廃棄物1に含まれていた有機物のほとんどが除去され
る一方、活性汚泥作用を持つ汚泥が増殖・増加する。こ
の汚泥を分離・除去すれば、該廃棄物1の残渣は骨ある
いは貝殻を主体とするものになる。該廃棄物中の有機物
の分解・処理に伴って増加した汚泥は汚泥混合液引き抜
きライン7および沈降汚泥引き抜きライン8から抜き出
される。汚泥混合液引き抜きライン7を用いて処理槽3
内の平均汚泥濃度に近い汚泥混合液を引き抜く場合に
は、処理槽3内での散気を継続しながら引き抜くか、散
気を停止した直後で汚泥が沈降しないうちに引き抜くこ
とが好ましい。このような引き抜き方法および装置を用
いた場合、汚泥濃度が比較的低いため引き抜かれる汚泥
混合液の容量が大となり、移送のためのパイプの直径や
ポンプの容量が比較的大となるが、処理槽3の水位を見
ながら引き抜き操作を行うことによって、処理槽3内の
汚泥の内、どの程度の汚泥が引き抜かれたかを容易に判
断することができるという利点がある。処理槽3内の散
気を停止し、0.5〜1時間程度静置して汚泥を沈降濃
縮させ、沈降汚泥引き抜きライン8を用いて沈降濃縮汚
泥を引き抜くという方法および装置を用いた場合、汚泥
濃度が比較的高いため引き抜かれる汚泥混合液の容量が
小となるという利点があるが、槽の底部の構造によって
は汚泥を引き抜く際に水みちが出来て濃度の低い汚泥が
引き抜かれる場合があり、これを防止するためには該処
理槽3の底部に汚泥かき寄せ装置や汚泥ピットを設置す
るか、汚泥が重力で底部に集まるように該処理槽3の底
部を60度程度の角度を有する錐状構造とすることが好
ましい。このような汚泥の引き抜き操作や飛沫の発生な
どによって水位が不足し、該廃棄物1の全体が汚泥混合
液に浸漬しなくなる恐れがあるため、必要により、工業
用水や水道水や地下水などの比較的清浄な水を補給水ラ
イン9を通じて補給する。該廃棄物1を回分処理によ
り、該処理槽3でもって繰り返し処理を行う場合、該廃
棄物1に同伴して海水中の塩分が持ち込まれ、汚泥混合
液の塩分濃度が増加して微生物反応速度が低下する恐れ
がある。このような事態に対処するためにも補給水ライ
ン9を通じて比較的清浄な水を補給することは有効であ
る。このような補給水を誤って過大量投入した場合に処
理槽3の上部よりあふれて処理槽3付近が水浸しになる
という事態を避けるために、オーバーフローライン10
を設置することも有効である。
【0027】第1図の例において示したように、本発明
方法の特徴的な点は、魚貝類を含む廃棄物1を処理する
において、該廃棄物1と、活性汚泥作用を有する汚泥を
含む汚泥混合液とを接触させることにある。そしてさら
に、第1図の例においては、魚貝類を含む廃棄物1と汚
泥混合液とを接触させ、処理するために、該廃棄物1
を、該汚泥混合液を内在させた処理槽へ浸漬させるとい
う方法を用いている。
方法の特徴的な点は、魚貝類を含む廃棄物1を処理する
において、該廃棄物1と、活性汚泥作用を有する汚泥を
含む汚泥混合液とを接触させることにある。そしてさら
に、第1図の例においては、魚貝類を含む廃棄物1と汚
泥混合液とを接触させ、処理するために、該廃棄物1
を、該汚泥混合液を内在させた処理槽へ浸漬させるとい
う方法を用いている。
【0028】容器の上部から汚泥混合液を散水する場合
には、散水されて廃棄物槽を流下した汚泥混合液の受槽
が必要である。この受槽には汚泥混合液の活性汚泥に酸
素を供給する散気手段を設けることが好ましい。但し、
散水の際の空気との接触によって必要量の酸素が得られ
る場合には散気手段は不要である。また、受槽で受けた
汚泥混合液は通常は循環して繰返し散水するようにし、
そのための循環ラインを設ける。容器は受槽の汚泥混合
液面から離して配置するほか、容器の下部を汚泥混合液
に浸漬させてもよい。汚泥混合液の貯槽を別途設けて受
槽から汚泥混合液を貯槽に入れ、この貯槽から汚泥混合
液を容器の上部へ送って散気するようにすることもでき
る。その場合、必要により設けられる散気手段は貯槽に
設けることができる。容器は受槽の底から離して配置す
ることが好ましく、また容器の揺動あるいは振動手段、
さらには容器を叩く手段を設けることができる。これら
は前述と同様である。
には、散水されて廃棄物槽を流下した汚泥混合液の受槽
が必要である。この受槽には汚泥混合液の活性汚泥に酸
素を供給する散気手段を設けることが好ましい。但し、
散水の際の空気との接触によって必要量の酸素が得られ
る場合には散気手段は不要である。また、受槽で受けた
汚泥混合液は通常は循環して繰返し散水するようにし、
そのための循環ラインを設ける。容器は受槽の汚泥混合
液面から離して配置するほか、容器の下部を汚泥混合液
に浸漬させてもよい。汚泥混合液の貯槽を別途設けて受
槽から汚泥混合液を貯槽に入れ、この貯槽から汚泥混合
液を容器の上部へ送って散気するようにすることもでき
る。その場合、必要により設けられる散気手段は貯槽に
設けることができる。容器は受槽の底から離して配置す
ることが好ましく、また容器の揺動あるいは振動手段、
さらには容器を叩く手段を設けることができる。これら
は前述と同様である。
【0029】この処理装置の例を第2図に示す。この処
理装置は、第1図の装置に比べて、処理槽の代わりに汚
泥混合液受槽11を設け、かご1を支持する格子状棚4
を汚泥混合液の液面より上に配置し、沈降汚泥引き抜き
ライン8の途中には汚泥混合液循環ポンプ12を設け
て、汚泥混合液をかご上方の散水管へ繰返し送れるよう
にしている。この循環ポンプ12からはバルブ14を切
替えて汚泥沈殿池等へも送れるようにしている。受槽1
1の上端にはオーバーフローライン10が設けられ、こ
れは沈降汚泥引き抜きライン8の汚泥沈殿池等へ送る側
に接続されている。
理装置は、第1図の装置に比べて、処理槽の代わりに汚
泥混合液受槽11を設け、かご1を支持する格子状棚4
を汚泥混合液の液面より上に配置し、沈降汚泥引き抜き
ライン8の途中には汚泥混合液循環ポンプ12を設け
て、汚泥混合液をかご上方の散水管へ繰返し送れるよう
にしている。この循環ポンプ12からはバルブ14を切
替えて汚泥沈殿池等へも送れるようにしている。受槽1
1の上端にはオーバーフローライン10が設けられ、こ
れは沈降汚泥引き抜きライン8の汚泥沈殿池等へ送る側
に接続されている。
【0030】上記の汚泥混合液受槽11に活性汚泥を含
む汚泥混合液を入れて散気装置6から廃棄物1に含まれ
る有機物を微生物の外生呼吸作用によって酸化分解する
ために必要な酸素および活性汚泥作用を持つ微生物自身
の内生呼吸に必要な酸素を供給する。該受槽11へ充分
な酸素を供給することは、活性汚泥作用を持つ汚泥によ
って酸素が消費されて該受槽11内が嫌気的となり悪臭
を発生する嫌気・腐敗反応が起こることを防止するため
にも重要である。該受槽11内の汚泥混合液は、汚泥混
合液循環ポンプ12を経由して、該廃棄物1の上方より
流下させ、該汚泥混合液と該廃棄物1とを繰り返し接触
させて処理を行う。該汚泥混合液を該廃棄物1の上方よ
り流下させる際、該廃棄物1の全面に該汚泥混合液が降
りかかるようにすることが好ましく、スプレーノズルや
分散板等を使用することも効果的である。該廃棄物1を
収納する金属製かご2の上面、下面および側面が空気と
接触するような構造とすれば、該汚泥混合液が該廃棄物
1中を流下する間に空気との接触によって酸素が汚泥混
合液へ供給されるため、第1図に示した例の場合に比べ
てブロワ5による送気量が少なくて済む。該金属製かご
2の側面より汚泥混合液が飛散することを避けるため
に、該受槽11の側壁を高くすること、あるいは側壁面
での空気の流通を確保するために通気孔を設けることも
有効である。該廃棄物1中の有機物を酸化分解して汚泥
が増加するが、第2図の例では、汚泥混合液循環ポンプ
12を利用して増加した汚泥を引き抜くこととしてい
る。この汚泥は、第1図の例において述べたように、希
薄な汚泥混合液の状態で引き抜くこともでき、沈降濃縮
汚泥の状態で引き抜くこともできる。
む汚泥混合液を入れて散気装置6から廃棄物1に含まれ
る有機物を微生物の外生呼吸作用によって酸化分解する
ために必要な酸素および活性汚泥作用を持つ微生物自身
の内生呼吸に必要な酸素を供給する。該受槽11へ充分
な酸素を供給することは、活性汚泥作用を持つ汚泥によ
って酸素が消費されて該受槽11内が嫌気的となり悪臭
を発生する嫌気・腐敗反応が起こることを防止するため
にも重要である。該受槽11内の汚泥混合液は、汚泥混
合液循環ポンプ12を経由して、該廃棄物1の上方より
流下させ、該汚泥混合液と該廃棄物1とを繰り返し接触
させて処理を行う。該汚泥混合液を該廃棄物1の上方よ
り流下させる際、該廃棄物1の全面に該汚泥混合液が降
りかかるようにすることが好ましく、スプレーノズルや
分散板等を使用することも効果的である。該廃棄物1を
収納する金属製かご2の上面、下面および側面が空気と
接触するような構造とすれば、該汚泥混合液が該廃棄物
1中を流下する間に空気との接触によって酸素が汚泥混
合液へ供給されるため、第1図に示した例の場合に比べ
てブロワ5による送気量が少なくて済む。該金属製かご
2の側面より汚泥混合液が飛散することを避けるため
に、該受槽11の側壁を高くすること、あるいは側壁面
での空気の流通を確保するために通気孔を設けることも
有効である。該廃棄物1中の有機物を酸化分解して汚泥
が増加するが、第2図の例では、汚泥混合液循環ポンプ
12を利用して増加した汚泥を引き抜くこととしてい
る。この汚泥は、第1図の例において述べたように、希
薄な汚泥混合液の状態で引き抜くこともでき、沈降濃縮
汚泥の状態で引き抜くこともできる。
【0031】第2図に示した例は、魚貝類を含む廃棄物
1と汚泥混合液とを接触させるために、該廃棄物1の上
方より該汚泥混合液を流下させ、かつ該廃棄物の下方よ
り流出した該汚泥混合液を受槽で受けた後繰り返し該廃
棄物の上方より該汚泥混合液を流下させることを特徴と
する、廃棄物の処理方法を示したものである。
1と汚泥混合液とを接触させるために、該廃棄物1の上
方より該汚泥混合液を流下させ、かつ該廃棄物の下方よ
り流出した該汚泥混合液を受槽で受けた後繰り返し該廃
棄物の上方より該汚泥混合液を流下させることを特徴と
する、廃棄物の処理方法を示したものである。
【0032】第1図および第2図に示した例において、
ブロワ5から送られた空気を、散気装置6を経由して、
処理槽3もしくは受槽11に供給しているが、これは、
処理槽3あるいは受槽11を好気的な状態に保ち、微生
物による有機物の好気的な分解・処理反応を進行させる
ためのものである。微生物による有機物の分解・処理反
応は、好気的な反応と嫌気的な反応とに分けられるが、
前者は反応速度が大であるためこれを利用した処理設備
はコンパクトで済むのに対し、後者は、反応速度が小さ
いのみならず、有機物の分解処理が不充分となる恐れ
と、嫌気反応に伴う悪臭の発生の恐れがあるため、散気
装置を通じて酸素含有ガスを吹き込む等の手段を用い
て、微生物にる有機物の好気的な分解・処理反応を起こ
らしめることが好ましい。ただし、充分な設備容量が確
保できる場合など、設備条件と運転条件によっては微生
物による有機物の嫌気的な分解・処理反応が適用できる
場合もあり、本発明は、廃棄物の処理のために、微生物
による嫌気的な処理方法を適用することを妨げるもので
はない。酸素含有ガスとして、空気や純酸素や酸素富化
空気などを用いることができる。これらの酸素含有ガス
を、散気装置を通じて吹き込む理由は、ガス中の酸素を
微生物が利用しやすいように、液側へ溶解させる際の効
率(酸素溶解効率)を高め、送風機の動力費を低減する
ことにある。散気装置を用いない場合、例えば切り放し
の空気管を通じて空気を液側に吹き込んだ場合、溶解す
る酸素の割合は1%以下の場合が多いのに対し、散気装
置を用いた場合、発生させる気泡の直径等にもよるが、
5〜15%程度の溶解効率が得られる。この散気装置と
して、素焼きのようなセラミック製のものや樹脂の小球
を接着させた樹脂製のものや、樹脂板に開口距離1mm
以下のスリットを形成したものなどを適用することがで
きる。
ブロワ5から送られた空気を、散気装置6を経由して、
処理槽3もしくは受槽11に供給しているが、これは、
処理槽3あるいは受槽11を好気的な状態に保ち、微生
物による有機物の好気的な分解・処理反応を進行させる
ためのものである。微生物による有機物の分解・処理反
応は、好気的な反応と嫌気的な反応とに分けられるが、
前者は反応速度が大であるためこれを利用した処理設備
はコンパクトで済むのに対し、後者は、反応速度が小さ
いのみならず、有機物の分解処理が不充分となる恐れ
と、嫌気反応に伴う悪臭の発生の恐れがあるため、散気
装置を通じて酸素含有ガスを吹き込む等の手段を用い
て、微生物にる有機物の好気的な分解・処理反応を起こ
らしめることが好ましい。ただし、充分な設備容量が確
保できる場合など、設備条件と運転条件によっては微生
物による有機物の嫌気的な分解・処理反応が適用できる
場合もあり、本発明は、廃棄物の処理のために、微生物
による嫌気的な処理方法を適用することを妨げるもので
はない。酸素含有ガスとして、空気や純酸素や酸素富化
空気などを用いることができる。これらの酸素含有ガス
を、散気装置を通じて吹き込む理由は、ガス中の酸素を
微生物が利用しやすいように、液側へ溶解させる際の効
率(酸素溶解効率)を高め、送風機の動力費を低減する
ことにある。散気装置を用いない場合、例えば切り放し
の空気管を通じて空気を液側に吹き込んだ場合、溶解す
る酸素の割合は1%以下の場合が多いのに対し、散気装
置を用いた場合、発生させる気泡の直径等にもよるが、
5〜15%程度の溶解効率が得られる。この散気装置と
して、素焼きのようなセラミック製のものや樹脂の小球
を接着させた樹脂製のものや、樹脂板に開口距離1mm
以下のスリットを形成したものなどを適用することがで
きる。
【0033】本発明に用いる方法は、微生物の作用を利
用したものであり、その処理速度に対して、温度(処理
槽水温)とpHは大きな影響を及ぼす。汚泥混合液の水
温は、30〜37℃とすることが好ましく、この領域を
はずれた温度条件で運転する場合には単位微生物量当た
りの反応速度が低下する。このような場合には、汚泥濃
度を増加させる、あるいは処理槽や受槽の有効容積を増
加させるといった手段を用いて、比較的悪い温度条件下
での反応速度の低下という問題をカバーすることができ
る。また、低水温期には汚泥混合液を加温して運転する
ことも可能である。冬期において、汚泥混合液水温が0
℃付近あるいはそれ以下になると、反応速度が極端に低
下するのみならず、凍結に由来する配管の破裂、その他
のトラブルを招く恐れもあるため、汚泥混合液の水温は
20℃程度以上を保つことが好ましい。汚泥混合液の温
度が60℃を越えると微生物が死滅し、廃棄物の分解・
処理が不可能となる恐れがあるため、安全を見て、40
℃以下程度で運転することが好ましい。またpH(汚泥
混合液pH)は、一般的に、6.0〜8.0程度である
ことが好ましいが、この範囲をはずれた条件で運転する
場合には、やはり単位微生物量当たりの反応速度が低下
する。この問題も、汚泥濃度を増加させる、あるいは処
理槽や受槽の有効容積を増加させるといった手段を用い
てカバーすることができる。また、必要により、酸ある
いはアルカリを加えて、中和処理を行うことによって、
微生物反応速度を確保することも可能である。本発明者
らの実験的知見によれば、pHを無調整で運転しても、
処理槽pHが上記の範囲を大きくはずれることは少ない
ようである。汚泥混合液の溶存酸素濃度は2mg/L以
上、好ましくは2.5〜7mg/L程度、特に3〜5m
g/L程度とすることが好ましい。
用したものであり、その処理速度に対して、温度(処理
槽水温)とpHは大きな影響を及ぼす。汚泥混合液の水
温は、30〜37℃とすることが好ましく、この領域を
はずれた温度条件で運転する場合には単位微生物量当た
りの反応速度が低下する。このような場合には、汚泥濃
度を増加させる、あるいは処理槽や受槽の有効容積を増
加させるといった手段を用いて、比較的悪い温度条件下
での反応速度の低下という問題をカバーすることができ
る。また、低水温期には汚泥混合液を加温して運転する
ことも可能である。冬期において、汚泥混合液水温が0
℃付近あるいはそれ以下になると、反応速度が極端に低
下するのみならず、凍結に由来する配管の破裂、その他
のトラブルを招く恐れもあるため、汚泥混合液の水温は
20℃程度以上を保つことが好ましい。汚泥混合液の温
度が60℃を越えると微生物が死滅し、廃棄物の分解・
処理が不可能となる恐れがあるため、安全を見て、40
℃以下程度で運転することが好ましい。またpH(汚泥
混合液pH)は、一般的に、6.0〜8.0程度である
ことが好ましいが、この範囲をはずれた条件で運転する
場合には、やはり単位微生物量当たりの反応速度が低下
する。この問題も、汚泥濃度を増加させる、あるいは処
理槽や受槽の有効容積を増加させるといった手段を用い
てカバーすることができる。また、必要により、酸ある
いはアルカリを加えて、中和処理を行うことによって、
微生物反応速度を確保することも可能である。本発明者
らの実験的知見によれば、pHを無調整で運転しても、
処理槽pHが上記の範囲を大きくはずれることは少ない
ようである。汚泥混合液の溶存酸素濃度は2mg/L以
上、好ましくは2.5〜7mg/L程度、特に3〜5m
g/L程度とすることが好ましい。
【0034】魚貝類を含む廃棄物と汚泥混合液との接触
処理により生じた処理残渣は、カルシウムヒドロキシア
パタイトや炭酸カルシウムを主体とする貝殻や骨を主成
分とするものであるが、廃棄物にイガイ類等が含まれて
いる場合には、硬蛋白質よりなる足糸も残渣として残
り、該汚泥混合液より分離した、貝殻や骨などを含む処
理残渣は、汚泥混合液中の微生物が付着したり絡まった
りした状態にある。従って、これをそのまま長期間放置
したり、あるいはそのまま乾燥させて放置した場合には
有機物である微生物自身が腐敗し、悪臭を発生するとい
う問題が残る。この問題に対処するために、汚泥混合液
より分離した後の処理残渣に対して洗浄処理を施すこと
が有効である。処理残渣を構成する貝殻や骨を、セメン
ト原料や石灰系肥料として利用しようとした場合、この
ようにして洗浄処理を行うことにより、処理残渣の運搬
やハンドリングに従事する者に対して悪臭による不快な
感情を与えることが無くなると共に、貝殻や骨の成分を
より純度の高いものとすることができる。特に貝殻や骨
をセメント原料として利用する場合、セメント原料全体
の中での塩素濃度を500mg/L以下に管理する必要
があるため、海産の魚貝類を含む廃棄物を処理対象とす
る場合には、処理残渣の塩素濃度を低減させるという点
でも、洗浄処理が効果的である。
処理により生じた処理残渣は、カルシウムヒドロキシア
パタイトや炭酸カルシウムを主体とする貝殻や骨を主成
分とするものであるが、廃棄物にイガイ類等が含まれて
いる場合には、硬蛋白質よりなる足糸も残渣として残
り、該汚泥混合液より分離した、貝殻や骨などを含む処
理残渣は、汚泥混合液中の微生物が付着したり絡まった
りした状態にある。従って、これをそのまま長期間放置
したり、あるいはそのまま乾燥させて放置した場合には
有機物である微生物自身が腐敗し、悪臭を発生するとい
う問題が残る。この問題に対処するために、汚泥混合液
より分離した後の処理残渣に対して洗浄処理を施すこと
が有効である。処理残渣を構成する貝殻や骨を、セメン
ト原料や石灰系肥料として利用しようとした場合、この
ようにして洗浄処理を行うことにより、処理残渣の運搬
やハンドリングに従事する者に対して悪臭による不快な
感情を与えることが無くなると共に、貝殻や骨の成分を
より純度の高いものとすることができる。特に貝殻や骨
をセメント原料として利用する場合、セメント原料全体
の中での塩素濃度を500mg/L以下に管理する必要
があるため、海産の魚貝類を含む廃棄物を処理対象とす
る場合には、処理残渣の塩素濃度を低減させるという点
でも、洗浄処理が効果的である。
【0035】魚貝類を含む廃棄物と汚泥混合液との接触
処理により生じた処理残渣を該汚泥混合液より分離した
後該処理残渣に対して洗浄処理を施すための洗浄用水も
しくは、魚貝類を含む廃棄物と汚泥混合液との接触処理
を行う前に該廃棄物の粉砕処理を行うために用いた粉砕
処理設備に対して洗浄処理を施すための洗浄用水とし
て、工業用水や水道水や地下水や汚水の処理水などの、
比較的清浄な水を用いることが好ましい。洗浄用水に必
要とされる清浄さの程度は、洗浄処理の目的に関連する
もので、粉砕機あるいは処理残渣に付着・残留する有機
物を除去して悪臭の発生を防止するという目的からすれ
ば、洗浄用水は有機物濃度の低いものが好ましい。洗浄
操作に伴って粉砕機に用いられている鋼鉄製機械部品の
錆が発生することを防止するという目的、および処理残
渣をセメント原料として利用するために塩素濃度の低い
処理残渣を生産するという目的からは、洗浄用水は塩素
濃度の低いものが好ましい。このような条件を満足す
る、比較的安価に入手できる洗浄用水の例として、工業
用水や水道水や地下水や汚水の処理水などを挙げること
ができる。
処理により生じた処理残渣を該汚泥混合液より分離した
後該処理残渣に対して洗浄処理を施すための洗浄用水も
しくは、魚貝類を含む廃棄物と汚泥混合液との接触処理
を行う前に該廃棄物の粉砕処理を行うために用いた粉砕
処理設備に対して洗浄処理を施すための洗浄用水とし
て、工業用水や水道水や地下水や汚水の処理水などの、
比較的清浄な水を用いることが好ましい。洗浄用水に必
要とされる清浄さの程度は、洗浄処理の目的に関連する
もので、粉砕機あるいは処理残渣に付着・残留する有機
物を除去して悪臭の発生を防止するという目的からすれ
ば、洗浄用水は有機物濃度の低いものが好ましい。洗浄
操作に伴って粉砕機に用いられている鋼鉄製機械部品の
錆が発生することを防止するという目的、および処理残
渣をセメント原料として利用するために塩素濃度の低い
処理残渣を生産するという目的からは、洗浄用水は塩素
濃度の低いものが好ましい。このような条件を満足す
る、比較的安価に入手できる洗浄用水の例として、工業
用水や水道水や地下水や汚水の処理水などを挙げること
ができる。
【0036】汚泥混合液より分離した処理残渣には微生
物が付着しているが、微生物が貝殻や骨の表面に付着す
る場合、微生物の代謝産物である多糖類などを成分とす
る粘着性物質でもって接着している場合がある。このよ
うな付着・接着微生物を処理残渣から剥離させる上で、
1〜10kg/cm2、好ましくは1〜5kg/cm2の
圧力を有する水を用いることが効果的である。また、足
糸などの糸状の処理残渣に絡んだ微生物体を洗い落とす
上でも、圧力水を用いることは効果的である。この際の
水圧は、洗浄される残渣の積層された厚みや、洗浄され
る残渣を構成する成分の大きさや、微生物の付着の程度
等によって好ましい値を選択するが、水圧が1kg/c
m2未満の低い場合には洗浄、剥離効果が弱く、10k
g/cm2以上の高い場合には洗浄に供される処理残渣
のハンドリングに用いるコンベヤや収納容器や洗浄機を
破損する恐れがあると共に、貝殻や骨などが粉砕され
て、その後のハンドリングが困難になったりするという
問題がある。
物が付着しているが、微生物が貝殻や骨の表面に付着す
る場合、微生物の代謝産物である多糖類などを成分とす
る粘着性物質でもって接着している場合がある。このよ
うな付着・接着微生物を処理残渣から剥離させる上で、
1〜10kg/cm2、好ましくは1〜5kg/cm2の
圧力を有する水を用いることが効果的である。また、足
糸などの糸状の処理残渣に絡んだ微生物体を洗い落とす
上でも、圧力水を用いることは効果的である。この際の
水圧は、洗浄される残渣の積層された厚みや、洗浄され
る残渣を構成する成分の大きさや、微生物の付着の程度
等によって好ましい値を選択するが、水圧が1kg/c
m2未満の低い場合には洗浄、剥離効果が弱く、10k
g/cm2以上の高い場合には洗浄に供される処理残渣
のハンドリングに用いるコンベヤや収納容器や洗浄機を
破損する恐れがあると共に、貝殻や骨などが粉砕され
て、その後のハンドリングが困難になったりするという
問題がある。
【0037】かかる洗浄処理を行った結果、洗浄廃水を
生じ、この洗浄廃水には、廃棄物との接触処理に用いた
汚泥混合液を構成する微生物が含まれている。この洗浄
廃水に対して、沈殿分離処理あるいは砂濾過や膜濾過な
どの濾過処理を含む固液分離処理を施すことによって、
微生物・汚泥の濃縮された液と比較的清澄な水とを得る
ことができる。例えば、該洗浄廃水を重力沈殿分離処理
した場合、沈殿引き抜き汚泥の濃度は6000〜100
00mg/L程度になり、上澄水の懸濁性固形物濃度は
2〜10mg/L程度になる。また、該洗浄廃水を精密
濾過膜や限外濾過膜で処理した場合、透過水の懸濁性固
形物濃度はほぼ0mg/Lとなり、膜設備の物理洗浄廃
水もしくは化学洗浄廃水として得られる、微生物・汚泥
の濃縮された液の固形物濃度は、100〜500mg/
L程度となる。洗浄廃水の固液分離方法としては重力沈
殿分離および膜分離のいずれの方法も使用できる。設備
費および運転費の経済性からすれば、やや重力沈殿処理
の方が好ましいが、膜分離処理も充分実用可能である。
また、加圧浮上分離処理についてもその使用を妨げるも
のではない。洗浄廃水から得られた微生物・汚泥の濃縮
液は、魚貝類を含む廃棄物中の有機物を分解・処理する
のに有効な微生物が比較的高濃度に含まれている。例え
ば、第1図における処理槽を用いて、回分処理を繰り返
し実施しようとした場合、処理槽内の汚泥混合液の少な
くとも一部は処理残渣に付着して処理槽外へ持ち出さ
れ、処理槽内の汚泥の量が減少する場合がある。このよ
うな場合、洗浄廃水から得られた微生物・汚泥の濃縮液
を処理槽へ導入することは、処理槽内の有効微生物の量
を維持するのに効果的であり、処理時間を短くし、処理
設備をコンパクト化する上で有効である。また、魚貝類
を含む廃棄物の処理設備の周辺で汚泥の自給自足をはか
ることができ、種汚泥をタンクローリなどで運搬すると
いった種汚泥補充のための作業を低減させることができ
る。
生じ、この洗浄廃水には、廃棄物との接触処理に用いた
汚泥混合液を構成する微生物が含まれている。この洗浄
廃水に対して、沈殿分離処理あるいは砂濾過や膜濾過な
どの濾過処理を含む固液分離処理を施すことによって、
微生物・汚泥の濃縮された液と比較的清澄な水とを得る
ことができる。例えば、該洗浄廃水を重力沈殿分離処理
した場合、沈殿引き抜き汚泥の濃度は6000〜100
00mg/L程度になり、上澄水の懸濁性固形物濃度は
2〜10mg/L程度になる。また、該洗浄廃水を精密
濾過膜や限外濾過膜で処理した場合、透過水の懸濁性固
形物濃度はほぼ0mg/Lとなり、膜設備の物理洗浄廃
水もしくは化学洗浄廃水として得られる、微生物・汚泥
の濃縮された液の固形物濃度は、100〜500mg/
L程度となる。洗浄廃水の固液分離方法としては重力沈
殿分離および膜分離のいずれの方法も使用できる。設備
費および運転費の経済性からすれば、やや重力沈殿処理
の方が好ましいが、膜分離処理も充分実用可能である。
また、加圧浮上分離処理についてもその使用を妨げるも
のではない。洗浄廃水から得られた微生物・汚泥の濃縮
液は、魚貝類を含む廃棄物中の有機物を分解・処理する
のに有効な微生物が比較的高濃度に含まれている。例え
ば、第1図における処理槽を用いて、回分処理を繰り返
し実施しようとした場合、処理槽内の汚泥混合液の少な
くとも一部は処理残渣に付着して処理槽外へ持ち出さ
れ、処理槽内の汚泥の量が減少する場合がある。このよ
うな場合、洗浄廃水から得られた微生物・汚泥の濃縮液
を処理槽へ導入することは、処理槽内の有効微生物の量
を維持するのに効果的であり、処理時間を短くし、処理
設備をコンパクト化する上で有効である。また、魚貝類
を含む廃棄物の処理設備の周辺で汚泥の自給自足をはか
ることができ、種汚泥をタンクローリなどで運搬すると
いった種汚泥補充のための作業を低減させることができ
る。
【0038】処理残渣の洗浄工程において発生した洗浄
廃水を含む廃水に対して、沈殿分離処理もしくは濾過分
離処理等の固液分離処理を施すことによって得た清澄水
は、懸濁性固形物濃度が10mg/L程度以下と、清澄
度が高いため、該洗浄工程における洗浄用水として再利
用することができる。洗浄廃水の一部を洗浄用水として
再利用することにより、洗浄用水に充当する水道水ある
いは工業用水などの費用および使用量を節減することが
できる。
廃水を含む廃水に対して、沈殿分離処理もしくは濾過分
離処理等の固液分離処理を施すことによって得た清澄水
は、懸濁性固形物濃度が10mg/L程度以下と、清澄
度が高いため、該洗浄工程における洗浄用水として再利
用することができる。洗浄廃水の一部を洗浄用水として
再利用することにより、洗浄用水に充当する水道水ある
いは工業用水などの費用および使用量を節減することが
できる。
【0039】魚貝類を含む廃棄物と該汚泥混合液との接
触処理により生じた処理残渣に対して洗浄処理を施した
後に得られる骨あるいは貝殻を含む処理残渣は、比較的
清浄なものとなるが、洗浄用水の一部が付着・残留して
おり、この処理残渣をそのまま運搬する場合には運搬車
から水分がしたたり落ちるなどの問題が残っている。従
って、必要により、洗浄処理後の処理残渣に対して自然
乾燥もしくは送風乾燥を行って、該処理残渣を乾燥させ
ることは、該処理残渣の重量を低減するという効果をも
もたらし、微量に残留する有機物の腐敗の進行を防止す
るためにも役立つため、該処理残渣を運搬したり、貯蔵
・保管したりする上で好ましい。自然乾燥を行う場合に
は、乾燥処理に比較的長い時間を要すという問題がある
ものの、乾燥のための機械装置を必要としないという利
点がある。送風乾燥を行う場合には、乾燥のための機械
装置を要すという問題があるものの、乾燥処理が比較的
短い時間で完結するという利点がある。更に短時間の乾
燥処理を意図する場合、熱風乾燥処理を行うかあるいは
該処理残渣の加熱処理設備と送風設備とを組み合わせる
ことも可能である。
触処理により生じた処理残渣に対して洗浄処理を施した
後に得られる骨あるいは貝殻を含む処理残渣は、比較的
清浄なものとなるが、洗浄用水の一部が付着・残留して
おり、この処理残渣をそのまま運搬する場合には運搬車
から水分がしたたり落ちるなどの問題が残っている。従
って、必要により、洗浄処理後の処理残渣に対して自然
乾燥もしくは送風乾燥を行って、該処理残渣を乾燥させ
ることは、該処理残渣の重量を低減するという効果をも
もたらし、微量に残留する有機物の腐敗の進行を防止す
るためにも役立つため、該処理残渣を運搬したり、貯蔵
・保管したりする上で好ましい。自然乾燥を行う場合に
は、乾燥処理に比較的長い時間を要すという問題がある
ものの、乾燥のための機械装置を必要としないという利
点がある。送風乾燥を行う場合には、乾燥のための機械
装置を要すという問題があるものの、乾燥処理が比較的
短い時間で完結するという利点がある。更に短時間の乾
燥処理を意図する場合、熱風乾燥処理を行うかあるいは
該処理残渣の加熱処理設備と送風設備とを組み合わせる
ことも可能である。
【0040】第3図に、貝類を含む廃棄物1を処理する
ための処理槽3とその周辺設備を含めた全体システムの
1例を示す。貝類を含む廃棄物1は、金属製かご2に収
納された状態で、活性汚泥作用を有する汚泥を含む汚泥
混合液を内在させた処理槽3へ浸漬させてあり、該処理
槽3内にある棚状構造物4の上に配置する点、および該
処理槽3の底部にはブロワ5に接続した散気装置6が設
置してあり、廃棄物1に含まれる有機物の酸化分解に必
要な酸素を供給すると共に、気泡の上昇に伴って形成さ
れる処理槽3内の流れを利用して処理槽3内の攪拌混合
を行い活性汚泥作用を持つ微生物と廃棄物1との接触を
促進する点は第1図の場合と同じである。また、増殖し
た汚泥を引き抜くための汚泥混合液引き抜きライン7が
設置してある点と補給水ライン9が設置してある点も第
1図の場合と同様である。処理槽3における微生物処理
が終了した後に残留する処理残渣20は、必要により処
理残渣貯留ピット21に一時貯留し、その後、ドラム洗
浄機22へ導入する。ドラム洗浄機22内の処理残渣2
0に対して洗浄用水23を作用させ、洗浄後の処理残渣
41と処理残渣洗浄廃水24とを得る。この際に、洗浄
用水として、工業用水や水道水などの比較的清浄な水を
用いることが好ましく、洗浄効果を高めるために圧力水
を用いることも好ましい。処理残渣洗浄廃水24を廃水
受け槽兼用沈殿池25へ導入し、固液分離処理を行っ
て、上澄水26と沈殿汚泥27とを得る。上澄水26は
砂濾過器28および活性炭塔29へ順次通水し、最終処
理水30を得る。最終処理水30は、砂濾過器28およ
び活性炭塔29での処理を受けたものであるため懸濁性
固形物および有機物の濃度の低いものとなり、廃棄物1
および補給水の性状によっては塩素濃度の低いものとな
る。砂濾過器28による処理水あるいは更に活性炭塔2
9による処理を受けた処理水を、処理残渣20の洗浄用
水23として使用することも可能であり、廃棄物1の前
処理として粉砕処理を行う場合、使用した粉砕機の洗浄
用水として使用することも可能である。廃水受け槽兼用
沈殿池25での固液分離処理によって得られた沈殿汚泥
27の少なくとも一部は、必要により処理槽3へ返送
し、該沈殿汚泥27中の有効微生物を処理槽3での廃棄
物1の処理に再び利用することができる。また、沈殿汚
泥27の残部は、必要により汚泥ピット31で一時貯留
した後、遠心脱水機32によって脱水処理して、脱水ケ
ーキ33および分離水34を得る。脱水ケーキ33は、
そのまま埋め立て処理・処分するか、必要により、さら
に焼却処理して、得られる焼却灰を埋め立て処理・処分
する。第3図の例においては、脱水機として遠心脱水機
を適用したが、ベルトプレスフィルタやフィルタープレ
ス脱水機など、別のタイプの脱水機を適用することも可
能である。脱水処理に伴って発生する分離水34は廃水
受け槽兼用沈殿池25へ導入し、固液分離処理を行う。
砂濾過器洗浄廃水36および活性炭塔洗浄廃水37も廃
水受け槽兼用沈殿池25へ導入し、固液分離処理を行
う。更に、処理残渣残留ピット21より発生するドレン
水35も廃水受け槽兼用沈殿池25へ導入し、固液分離
処理を行う。処理残渣20に対して洗浄処理を行って得
られた、洗浄後の処理残渣41は、必要により、洗浄後
の処理残渣ピット42で一時貯留し、必要により自然乾
燥あるいは送風乾燥を行う。洗浄後の処理残渣ピット4
2において発生するドレン水43は、廃水受け槽兼用沈
殿池25へ導入し、固液分離処理を行う。廃棄物1は処
理槽3において処理を行う前に、粉砕処理を行うことが
できる。このような粉砕処理を行った場合および粉砕処
理を行わなかった場合においても、貝殻の破片や骨の破
片や砂などが処理槽3の底部に徐々に蓄積するため、貝
殻破片、骨破片、砂等の廃棄物38を必要により抜き出
して、埋め立て処理・処分などを行う。前処理としての
粉砕処理に用いた粉砕機を水洗浄し、その洗浄廃水を処
理槽3へ導入して該洗浄廃水中の有機物を酸化・分解処
理することができる。さらに、処理残渣貯留ピット21
あるいは洗浄後の処理残渣貯留ピット42など、全体シ
ステムとしての設備を清掃、洗浄することによって生じ
た汚水を、その汚濁の程度によって、処理槽3もしくは
廃水受け槽兼用沈殿池25へ導入して処理することが可
能である。
ための処理槽3とその周辺設備を含めた全体システムの
1例を示す。貝類を含む廃棄物1は、金属製かご2に収
納された状態で、活性汚泥作用を有する汚泥を含む汚泥
混合液を内在させた処理槽3へ浸漬させてあり、該処理
槽3内にある棚状構造物4の上に配置する点、および該
処理槽3の底部にはブロワ5に接続した散気装置6が設
置してあり、廃棄物1に含まれる有機物の酸化分解に必
要な酸素を供給すると共に、気泡の上昇に伴って形成さ
れる処理槽3内の流れを利用して処理槽3内の攪拌混合
を行い活性汚泥作用を持つ微生物と廃棄物1との接触を
促進する点は第1図の場合と同じである。また、増殖し
た汚泥を引き抜くための汚泥混合液引き抜きライン7が
設置してある点と補給水ライン9が設置してある点も第
1図の場合と同様である。処理槽3における微生物処理
が終了した後に残留する処理残渣20は、必要により処
理残渣貯留ピット21に一時貯留し、その後、ドラム洗
浄機22へ導入する。ドラム洗浄機22内の処理残渣2
0に対して洗浄用水23を作用させ、洗浄後の処理残渣
41と処理残渣洗浄廃水24とを得る。この際に、洗浄
用水として、工業用水や水道水などの比較的清浄な水を
用いることが好ましく、洗浄効果を高めるために圧力水
を用いることも好ましい。処理残渣洗浄廃水24を廃水
受け槽兼用沈殿池25へ導入し、固液分離処理を行っ
て、上澄水26と沈殿汚泥27とを得る。上澄水26は
砂濾過器28および活性炭塔29へ順次通水し、最終処
理水30を得る。最終処理水30は、砂濾過器28およ
び活性炭塔29での処理を受けたものであるため懸濁性
固形物および有機物の濃度の低いものとなり、廃棄物1
および補給水の性状によっては塩素濃度の低いものとな
る。砂濾過器28による処理水あるいは更に活性炭塔2
9による処理を受けた処理水を、処理残渣20の洗浄用
水23として使用することも可能であり、廃棄物1の前
処理として粉砕処理を行う場合、使用した粉砕機の洗浄
用水として使用することも可能である。廃水受け槽兼用
沈殿池25での固液分離処理によって得られた沈殿汚泥
27の少なくとも一部は、必要により処理槽3へ返送
し、該沈殿汚泥27中の有効微生物を処理槽3での廃棄
物1の処理に再び利用することができる。また、沈殿汚
泥27の残部は、必要により汚泥ピット31で一時貯留
した後、遠心脱水機32によって脱水処理して、脱水ケ
ーキ33および分離水34を得る。脱水ケーキ33は、
そのまま埋め立て処理・処分するか、必要により、さら
に焼却処理して、得られる焼却灰を埋め立て処理・処分
する。第3図の例においては、脱水機として遠心脱水機
を適用したが、ベルトプレスフィルタやフィルタープレ
ス脱水機など、別のタイプの脱水機を適用することも可
能である。脱水処理に伴って発生する分離水34は廃水
受け槽兼用沈殿池25へ導入し、固液分離処理を行う。
砂濾過器洗浄廃水36および活性炭塔洗浄廃水37も廃
水受け槽兼用沈殿池25へ導入し、固液分離処理を行
う。更に、処理残渣残留ピット21より発生するドレン
水35も廃水受け槽兼用沈殿池25へ導入し、固液分離
処理を行う。処理残渣20に対して洗浄処理を行って得
られた、洗浄後の処理残渣41は、必要により、洗浄後
の処理残渣ピット42で一時貯留し、必要により自然乾
燥あるいは送風乾燥を行う。洗浄後の処理残渣ピット4
2において発生するドレン水43は、廃水受け槽兼用沈
殿池25へ導入し、固液分離処理を行う。廃棄物1は処
理槽3において処理を行う前に、粉砕処理を行うことが
できる。このような粉砕処理を行った場合および粉砕処
理を行わなかった場合においても、貝殻の破片や骨の破
片や砂などが処理槽3の底部に徐々に蓄積するため、貝
殻破片、骨破片、砂等の廃棄物38を必要により抜き出
して、埋め立て処理・処分などを行う。前処理としての
粉砕処理に用いた粉砕機を水洗浄し、その洗浄廃水を処
理槽3へ導入して該洗浄廃水中の有機物を酸化・分解処
理することができる。さらに、処理残渣貯留ピット21
あるいは洗浄後の処理残渣貯留ピット42など、全体シ
ステムとしての設備を清掃、洗浄することによって生じ
た汚水を、その汚濁の程度によって、処理槽3もしくは
廃水受け槽兼用沈殿池25へ導入して処理することが可
能である。
【0041】第1図〜第3図に例示した装置は、複雑な
機械構造物となる焼却炉と異なって、比較的簡単な構造
を有する槽を主体とするものであるため、建設費は、焼
却炉の場合より安い。また、第1図〜第3図に例示した
装置を運転する際にかかる費用の主なものは、ブロワ5
の動力費であるが、本発明方法においては散気装置を通
じて散気することによってブロワ動力費を低減させるこ
とができる。これに対し、焼却処理においては、湿潤状
態の魚貝類を含む廃棄物を焼却処理し、さらにはダイオ
キシンの発生を防止するために、多大な燃料費がかか
る。また、常温付近で操業する本発明の方法は、高温操
業を伴う焼却処理に比べて装置の損耗が軽微であり、補
修費も少なくて済む。すなわち、本発明の方法は、従来
の焼却処理に比べて、建設費、運転費共に経済的であ
る。従来技術の一つであるコンポスト化は、実用化の困
難な面を有しているため、設備費および運転費に関して
本発明の方法と比較することはあまり意味がないが、あ
えて比較した場合、本発明の方法は、設備費、運転費共
に、コンポスト化装置とほぼ同等である。また、本発明
方法は、委託埋め立て処理に比べても経済的である。ま
た、本発明方法は、処理槽設備全体を好気体的な条件に
保ち、好気的な微生物反応を用いるものであるため、嫌
気的な微生物反応による悪臭の発生という問題が小さ
い。
機械構造物となる焼却炉と異なって、比較的簡単な構造
を有する槽を主体とするものであるため、建設費は、焼
却炉の場合より安い。また、第1図〜第3図に例示した
装置を運転する際にかかる費用の主なものは、ブロワ5
の動力費であるが、本発明方法においては散気装置を通
じて散気することによってブロワ動力費を低減させるこ
とができる。これに対し、焼却処理においては、湿潤状
態の魚貝類を含む廃棄物を焼却処理し、さらにはダイオ
キシンの発生を防止するために、多大な燃料費がかか
る。また、常温付近で操業する本発明の方法は、高温操
業を伴う焼却処理に比べて装置の損耗が軽微であり、補
修費も少なくて済む。すなわち、本発明の方法は、従来
の焼却処理に比べて、建設費、運転費共に経済的であ
る。従来技術の一つであるコンポスト化は、実用化の困
難な面を有しているため、設備費および運転費に関して
本発明の方法と比較することはあまり意味がないが、あ
えて比較した場合、本発明の方法は、設備費、運転費共
に、コンポスト化装置とほぼ同等である。また、本発明
方法は、委託埋め立て処理に比べても経済的である。ま
た、本発明方法は、処理槽設備全体を好気体的な条件に
保ち、好気的な微生物反応を用いるものであるため、嫌
気的な微生物反応による悪臭の発生という問題が小さ
い。
【0042】
【実施例】第1図に示した装置に類似した実験装置を用
いて、活性汚泥作用を有する汚泥を含む汚泥混合液と貝
類を含む廃棄物との接触処理実験を行った。実験に用い
た処理槽は容量5リットルのビーカーで、その中に納め
たガラス棒製の井型支持台の上に直径5センチメートル
の目開き9.5mmの標準篩に、湿重量60gずつの貝
類を含む廃棄物を乗せた。該ガラス棒製の井型支持台の
下にはガラス製の散気ボールを設置し、ゴム管で空気ポ
ンプに接続した。生活排水処理活性汚泥法設備における
沈殿池より沈殿活性汚泥とその処理水を採取し、MLS
S濃度が、約1000mg/L、2000mg/Lおよ
び3000mg/Lとなるように沈殿活性汚泥とその処
理水とを混合し、上記ビーカー装置に4リットルずつ加
えた。同じMLSS濃度ごとに4組の上記ビーカー装置
を作成し、合計12組の上記ビーカー装置に対して、該
散気ボールを通じての散気を開始した。実験を開始して
1日経過するごとに、各MLSS濃度条件の上記ビーカ
ー装置に含まれる貝類を含む廃棄物をすべて取り出し、
その強熱減量を測定した。なお、実験に用いた、貝類を
含む廃棄物の湿重量60gにおける強熱減量を別途測定
しておき、これを実験開始時の強熱減量とした。処理槽
に相当するビーカー内の汚泥混合液の溶存酸素濃度は常
に2mg/L以上となるように、散気量を調節した。実
験は室温下で実施した。
いて、活性汚泥作用を有する汚泥を含む汚泥混合液と貝
類を含む廃棄物との接触処理実験を行った。実験に用い
た処理槽は容量5リットルのビーカーで、その中に納め
たガラス棒製の井型支持台の上に直径5センチメートル
の目開き9.5mmの標準篩に、湿重量60gずつの貝
類を含む廃棄物を乗せた。該ガラス棒製の井型支持台の
下にはガラス製の散気ボールを設置し、ゴム管で空気ポ
ンプに接続した。生活排水処理活性汚泥法設備における
沈殿池より沈殿活性汚泥とその処理水を採取し、MLS
S濃度が、約1000mg/L、2000mg/Lおよ
び3000mg/Lとなるように沈殿活性汚泥とその処
理水とを混合し、上記ビーカー装置に4リットルずつ加
えた。同じMLSS濃度ごとに4組の上記ビーカー装置
を作成し、合計12組の上記ビーカー装置に対して、該
散気ボールを通じての散気を開始した。実験を開始して
1日経過するごとに、各MLSS濃度条件の上記ビーカ
ー装置に含まれる貝類を含む廃棄物をすべて取り出し、
その強熱減量を測定した。なお、実験に用いた、貝類を
含む廃棄物の湿重量60gにおける強熱減量を別途測定
しておき、これを実験開始時の強熱減量とした。処理槽
に相当するビーカー内の汚泥混合液の溶存酸素濃度は常
に2mg/L以上となるように、散気量を調節した。実
験は室温下で実施した。
【0043】
【表1】
【0044】この実験の結果は、第1表に示した通りで
ある。第1表に見られるように、汚泥混合液のMLSS
濃度が約3000mg/Lの場合には2日間で、約20
00mg/Lの場合には3日間で強熱減量が検知されな
くなるほど減少しており、MLSS濃度条件にもよるが
活性汚泥作用を有する汚泥混合液と2日間ないし3日間
接触させることによって、貝類を含む廃棄物中の有機物
はほとんど処理されることがわかった。この実験の間、
蛋白質の腐敗等に由来する悪臭の発生は感知されなかっ
た。
ある。第1表に見られるように、汚泥混合液のMLSS
濃度が約3000mg/Lの場合には2日間で、約20
00mg/Lの場合には3日間で強熱減量が検知されな
くなるほど減少しており、MLSS濃度条件にもよるが
活性汚泥作用を有する汚泥混合液と2日間ないし3日間
接触させることによって、貝類を含む廃棄物中の有機物
はほとんど処理されることがわかった。この実験の間、
蛋白質の腐敗等に由来する悪臭の発生は感知されなかっ
た。
【0045】
【発明の効果】第1図および第2図に示したように、本
発明の廃棄物の処理方法に用いる設備の構造は比較的簡
単であり、第3図に例を示した本発明方法を用いた全体
システムにおいても、比較的簡単な構造の装置ユニット
を組み合わせたものであるため、従来用いられていた、
複雑な機械装置である焼却処理設備と比較して設備費が
経済的となる。また、運転費の主体となるのは散気用ブ
ロワの動力費であるが、散気装置を用いるなどの手段を
用いることによって運転動力費が軽減でき、燃料を用い
ないで運転することが可能であるため、本発明方法を用
いた場合、水分を含む廃棄物を焼却処理する際に必要と
される燃料費や委託処理処分する際の委託費に比べる
と、運転費も経済的である。また、腐敗反応を生じるこ
との無いように、処理槽全体を好気状態に保ちつつ好気
性処理を施すため、コンポスト化処理の場合のように処
理の過程で悪臭を発生することがない。必要により、処
理残渣に対して洗浄操作を加えることによって、比較的
清浄な骨や貝殻などの残渣を作り出すことができると共
に、処理残渣に付着・残留した汚泥の腐敗による悪臭の
発生を防止することができる。さらに必要により、洗浄
処理後の処理残渣に対して乾燥処理操作を加えることに
よって、処理残渣の運搬やハンドリングが容易になる。
発明の廃棄物の処理方法に用いる設備の構造は比較的簡
単であり、第3図に例を示した本発明方法を用いた全体
システムにおいても、比較的簡単な構造の装置ユニット
を組み合わせたものであるため、従来用いられていた、
複雑な機械装置である焼却処理設備と比較して設備費が
経済的となる。また、運転費の主体となるのは散気用ブ
ロワの動力費であるが、散気装置を用いるなどの手段を
用いることによって運転動力費が軽減でき、燃料を用い
ないで運転することが可能であるため、本発明方法を用
いた場合、水分を含む廃棄物を焼却処理する際に必要と
される燃料費や委託処理処分する際の委託費に比べる
と、運転費も経済的である。また、腐敗反応を生じるこ
との無いように、処理槽全体を好気状態に保ちつつ好気
性処理を施すため、コンポスト化処理の場合のように処
理の過程で悪臭を発生することがない。必要により、処
理残渣に対して洗浄操作を加えることによって、比較的
清浄な骨や貝殻などの残渣を作り出すことができると共
に、処理残渣に付着・残留した汚泥の腐敗による悪臭の
発生を防止することができる。さらに必要により、洗浄
処理後の処理残渣に対して乾燥処理操作を加えることに
よって、処理残渣の運搬やハンドリングが容易になる。
【0046】総じて、本発明方法は、魚貝類を含む廃棄
物を、設備費の面でも運転費の面でも従来法に比べて経
済的に処理することができ、処理の過程で悪臭を発生す
る恐れが少ない。また、比較的洗浄な骨や貝殻などの処
理残渣を作り出すことができるため、骨や貝殻を含む処
理残渣の有効利用、流通化を推進するのに有効である。
物を、設備費の面でも運転費の面でも従来法に比べて経
済的に処理することができ、処理の過程で悪臭を発生す
る恐れが少ない。また、比較的洗浄な骨や貝殻などの処
理残渣を作り出すことができるため、骨や貝殻を含む処
理残渣の有効利用、流通化を推進するのに有効である。
【図1】 本発明の方法の一つの実施態様を説明するた
めの処理設備の概略図である。
めの処理設備の概略図である。
【図2】 本発明の方法の別の実施態様を説明するため
の処理設備の概略図である。
の処理設備の概略図である。
【図3】 本発明の方法に用いる処理設備の一例を組込
んだ全体システムの一例の概略図である。
んだ全体システムの一例の概略図である。
1.廃棄物 2.金属製かご 3.処理槽 4.棚 5.ブロワ 6.散気装置 7.汚泥混合液引き抜きライン 8.沈降汚泥引き抜きライン 9.補給水ライン 10.オーバーフローライン 11.汚泥混合液受槽 12.汚泥混合液循環ポンプ 14.バルブ 20.処理残渣 21.処理残渣貯留ピット 22.ドラム型洗浄機 23.洗浄用水 24.処理残渣洗浄廃水 25.廃水受け槽兼用汚泥沈殿池 26.上澄水 27.沈殿汚泥 28.砂濾過器 29.活性炭塔 30.処理水 31.汚泥ピット 32.遠心脱水機 33.脱水ケーキ 34.分離水 35.ドレン水 36.砂濾過器洗浄廃水 37.活性炭塔洗浄廃水 38.貝殻破片、骨破片、砂等を含む無機系廃棄物 41.洗浄後の処理残渣 42.洗浄後の処理残渣ピット 43.ドレン水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 誠 横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力 株式会社内 (72)発明者 武智 辰夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 遠藤 伸一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA02 AA04 BB10 CA04 CA18 CA19 CC07 DA03 DA06 DA10 4D059 AA03 AA08 BA01 BA03 CA27 EB01 EB06 EB09
Claims (8)
- 【請求項1】 魚貝類を含む廃棄物と、活性汚泥を含む
汚泥混合液とを好気的条件下で接触させることを特徴と
する、廃棄物の処理方法 - 【請求項2】 魚貝類を含む廃棄物がかごに収容され、
汚泥混合液との接触が該汚泥混合液を入れた槽に浸漬さ
れることである請求項1記載の魚貝類を含む廃棄物の処
理方法 - 【請求項3】 魚貝類を含む廃棄物がかごに収容され、
汚泥混合液との接触が該汚泥混合液が該かごの上面から
の散水である請求項1記載の魚貝類を含む廃棄物の処理
方法 - 【請求項4】 汚泥混合液の溶存酸素濃度が2mg/L
以上である請求項1、2又は3記載の魚貝類を含む廃棄
物の処理方法 - 【請求項5】 汚泥混合液の水温が20〜40℃である
請求項1、2、3又は4記載の魚貝類を含む廃棄物の処
理方法 - 【請求項6】 汚泥混合液のMLSS濃度が500〜8
000mg/Lである請求項1、2、3、4又は5記載
の魚貝類を含む廃棄物の処理方法 - 【請求項7】 魚貝類が粉砕されたものである請求項
1、2、3、4、5又は6記載の魚貝類を含む廃棄物の
処理方法 - 【請求項8】 魚貝類が発電所の水系に付着した貝類で
ある請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の魚貝類
を含む廃棄物の処理方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10498299A JP2000296384A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 魚貝類を含む廃棄物の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10498299A JP2000296384A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 魚貝類を含む廃棄物の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000296384A true JP2000296384A (ja) | 2000-10-24 |
Family
ID=14395308
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10498299A Pending JP2000296384A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 魚貝類を含む廃棄物の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000296384A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004106240A1 (ja) * | 2003-05-27 | 2004-12-09 | Asahi Organic Chemicals Industry Co., Ltd. | 有機性廃水及び有機性汚泥の処理方法と処理装置 |
-
1999
- 1999-04-13 JP JP10498299A patent/JP2000296384A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004106240A1 (ja) * | 2003-05-27 | 2004-12-09 | Asahi Organic Chemicals Industry Co., Ltd. | 有機性廃水及び有機性汚泥の処理方法と処理装置 |
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