JP2000294062A - 接点部材 - Google Patents
接点部材Info
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- JP2000294062A JP2000294062A JP11101882A JP10188299A JP2000294062A JP 2000294062 A JP2000294062 A JP 2000294062A JP 11101882 A JP11101882 A JP 11101882A JP 10188299 A JP10188299 A JP 10188299A JP 2000294062 A JP2000294062 A JP 2000294062A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 導電性及び耐摩耗性に優れ、動摩擦係数が低
く、アークが飛びにくいという条件を兼ね備えた接点部
材を提供する。 【解決手段】 相手材と直接接触することにより上記相
手材と電気的に導通しつつ、上記接触部分において上記
相手材と摺動する接点部材を、Si−SiC系複合材料
又はSiC系複合材料から構成する。
く、アークが飛びにくいという条件を兼ね備えた接点部
材を提供する。 【解決手段】 相手材と直接接触することにより上記相
手材と電気的に導通しつつ、上記接触部分において上記
相手材と摺動する接点部材を、Si−SiC系複合材料
又はSiC系複合材料から構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、金属電線アニー
リング用滑車、電車用パンタグラフ等、相手材と電気的
に導通し、かつ摺動する接点部材に関する。
リング用滑車、電車用パンタグラフ等、相手材と電気的
に導通し、かつ摺動する接点部材に関する。
【0002】
【従来の技術】 金属電線アニーリング用滑車、電車用
パンタグラフ等のように、相手材と直接接触することに
より相手材と電気的に導通しつつ、かつ相手材との接触
部分においてその相手材と摺動するような部材は接点部
材と呼ばれる。
パンタグラフ等のように、相手材と直接接触することに
より相手材と電気的に導通しつつ、かつ相手材との接触
部分においてその相手材と摺動するような部材は接点部
材と呼ばれる。
【0003】 以下、接点部材について金属電線アニー
リング用滑車を例にして説明する。金属電線は、金属溶
湯をワイヤ引き抜きノズルから押し出すことにより製造
されるが、金属電線の直径の大きさを所定の値とするた
めには、図4に示すように、金属電線アニーリング用滑
車21を用いて金属電線22を引き伸ばすことが必要に
なる。これは、金属溶湯23を、最初から金属電線の直
径と同じ大きさの孔径を有するワイヤ引き抜きノズルか
ら押し出すと、径のばらつきが生じやすいため、金属電
線の直径より大きい孔径を有するワイヤ引き抜きノズル
24から押し出した後に、金属電線22を引き伸ばして
所定の直径とするためである。
リング用滑車を例にして説明する。金属電線は、金属溶
湯をワイヤ引き抜きノズルから押し出すことにより製造
されるが、金属電線の直径の大きさを所定の値とするた
めには、図4に示すように、金属電線アニーリング用滑
車21を用いて金属電線22を引き伸ばすことが必要に
なる。これは、金属溶湯23を、最初から金属電線の直
径と同じ大きさの孔径を有するワイヤ引き抜きノズルか
ら押し出すと、径のばらつきが生じやすいため、金属電
線の直径より大きい孔径を有するワイヤ引き抜きノズル
24から押し出した後に、金属電線22を引き伸ばして
所定の直径とするためである。
【0004】 金属電線22は、金属電線アニーリング
用滑車21の各々の回転速度を適宜な値に調整すること
により、所定の直径に引き伸ばされる。又、金属電線ア
ニーリング用滑車21は電源25に接続されており、金
属電線22と、同一の電源25に接続された2つのアニ
ーリング用滑車21との接触点が電気的接点となり、金
属電線22に電気が流される。金属電線22に電気を流
すのは、金属電線を加熱するためである。
用滑車21の各々の回転速度を適宜な値に調整すること
により、所定の直径に引き伸ばされる。又、金属電線ア
ニーリング用滑車21は電源25に接続されており、金
属電線22と、同一の電源25に接続された2つのアニ
ーリング用滑車21との接触点が電気的接点となり、金
属電線22に電気が流される。金属電線22に電気を流
すのは、金属電線を加熱するためである。
【0005】 従って、金属電線アニーリング用滑車を
はじめとする接点部材は、導電性の優れた材料で製造す
ることが必要となる。又、接点部材に用いる材料の動摩
擦係数が大きければ、摺動時に金属電線等の相手材を破
損するおそれがあることから、接点部材の材料には動摩
擦係数が小さいものを用いる必要がある。又、相手材と
接点部材との接点において、通電時にアークが飛ぶと相
手材を傷つけるおそれがあるため、接点部材には、アー
クの飛びにくい材料を用いる必要もある。さらに、接点
部材の寿命を考慮すると、接点部材の材料には優れた耐
摩耗性も要求される。かかる観点より、従来において、
接点部材には、導電性、潤滑性及び非アーク発生性に優
れる純カーボン等が用いられていた。
はじめとする接点部材は、導電性の優れた材料で製造す
ることが必要となる。又、接点部材に用いる材料の動摩
擦係数が大きければ、摺動時に金属電線等の相手材を破
損するおそれがあることから、接点部材の材料には動摩
擦係数が小さいものを用いる必要がある。又、相手材と
接点部材との接点において、通電時にアークが飛ぶと相
手材を傷つけるおそれがあるため、接点部材には、アー
クの飛びにくい材料を用いる必要もある。さらに、接点
部材の寿命を考慮すると、接点部材の材料には優れた耐
摩耗性も要求される。かかる観点より、従来において、
接点部材には、導電性、潤滑性及び非アーク発生性に優
れる純カーボン等が用いられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、純カ
ーボンは、導線性、潤滑性及び非アーク発生性には優れ
るものの、被磨耗量及び気孔率が大きいため、接点部材
として用いた場合に、短期間で磨耗したり、気孔中に水
分が入ることによりアークが発生し、近隣地域に電波障
害を引き起こすという問題があった。従って、接点部材
として用いた場合に、短命であったり、エネルギーコス
トが増大するという問題があった。即ち、接点部材の材
料として、上記の条件をすべて充分に満足させる材料は
未だ見いだされていないのが現状であった。
ーボンは、導線性、潤滑性及び非アーク発生性には優れ
るものの、被磨耗量及び気孔率が大きいため、接点部材
として用いた場合に、短期間で磨耗したり、気孔中に水
分が入ることによりアークが発生し、近隣地域に電波障
害を引き起こすという問題があった。従って、接点部材
として用いた場合に、短命であったり、エネルギーコス
トが増大するという問題があった。即ち、接点部材の材
料として、上記の条件をすべて充分に満足させる材料は
未だ見いだされていないのが現状であった。
【0007】 本発明はかかる状況に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、導電性及び耐摩耗
性に優れ、動摩擦係数が低く、アークが飛びにくいとい
う条件を兼ね備えた接点部材を提供することにある。
のであり、その目的とするところは、導電性及び耐摩耗
性に優れ、動摩擦係数が低く、アークが飛びにくいとい
う条件を兼ね備えた接点部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、相手材と直接接触することにより上記相手材と電気
的に導通しつつ、上記接触部分において上記相手材と摺
動する接点部材であって、Si−SiC系複合材料又は
SiC系複合材料から成る接点部材が提供される。
ば、相手材と直接接触することにより上記相手材と電気
的に導通しつつ、上記接触部分において上記相手材と摺
動する接点部材であって、Si−SiC系複合材料又は
SiC系複合材料から成る接点部材が提供される。
【0009】 上記の接点部材は、金属電線と電気的に
導通し、かつ摺動しつつ、上記金属電線を引き伸ばす金
属電線アニーリング用滑車であってもよい。又、上記の
接点部材は、架線と電気的に導通し、かつ摺動する電車
用パンタグラフであってもよい。
導通し、かつ摺動しつつ、上記金属電線を引き伸ばす金
属電線アニーリング用滑車であってもよい。又、上記の
接点部材は、架線と電気的に導通し、かつ摺動する電車
用パンタグラフであってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】 本発明においては、接点部材を
Si−SiC系複合材料又はSiC系複合材料から構成
することにより、接点部材に充分な導電性、耐摩耗性を
付与するとともに、動摩擦係数を小さく、かつアークが
飛びにくくしている。
Si−SiC系複合材料又はSiC系複合材料から構成
することにより、接点部材に充分な導電性、耐摩耗性を
付与するとともに、動摩擦係数を小さく、かつアークが
飛びにくくしている。
【0011】 即ち、Si−SiC系複合材料及びSi
C系複合材料は、表1に示すように、従来用いられてい
たカーボンと同程度の導電性及び動摩擦係数を有する一
方、比摩耗量及びアーク発生度はカーボンよりも小さ
く、カーボンよりも優れた耐摩耗性を有するため、接点
部材に上記の特性を兼ね備えさせることができるのであ
る。
C系複合材料は、表1に示すように、従来用いられてい
たカーボンと同程度の導電性及び動摩擦係数を有する一
方、比摩耗量及びアーク発生度はカーボンよりも小さ
く、カーボンよりも優れた耐摩耗性を有するため、接点
部材に上記の特性を兼ね備えさせることができるのであ
る。
【0012】 従って、本発明の接点部材は、従来のカ
ーボンから成る接点部材に比べて寿命が長く、又、従来
のカーボンから成る接点部材に比べて比摩耗量が小さ
い。又、アーク発生度が小さいことから、近隣地域に電
波障害を引き起こすこともなく、さらに、金属電線アニ
ーリング等、接点部材を用いる作業におけるエネルギー
コストを低減することができるとともに、接点部材の寿
命を延ばすことができる。
ーボンから成る接点部材に比べて寿命が長く、又、従来
のカーボンから成る接点部材に比べて比摩耗量が小さ
い。又、アーク発生度が小さいことから、近隣地域に電
波障害を引き起こすこともなく、さらに、金属電線アニ
ーリング等、接点部材を用いる作業におけるエネルギー
コストを低減することができるとともに、接点部材の寿
命を延ばすことができる。
【0013】
【表1】
【0014】 尚、表1において導電性の値は、4端子
法を用いて、500℃から1200℃の温度範囲で測定
した。又、動摩擦係数及び耐摩耗性の値は、2kgfの
荷重をかけた直径4mmのピンを半径10mmの円形試
験ピースに接触させた状態で、円形試験ピースを100
0rpmで10分間回転させるピンオンディスク法にて
測定した。又、アーク発生度は、金属線に傷が生じる頻
度を調べることにより測定した。
法を用いて、500℃から1200℃の温度範囲で測定
した。又、動摩擦係数及び耐摩耗性の値は、2kgfの
荷重をかけた直径4mmのピンを半径10mmの円形試
験ピースに接触させた状態で、円形試験ピースを100
0rpmで10分間回転させるピンオンディスク法にて
測定した。又、アーク発生度は、金属線に傷が生じる頻
度を調べることにより測定した。
【0015】 本発明において、「Si−SiC系複合
材料」とは、C/Cコンポジットから成る基本骨格をS
i−SiC系材料からなるマトリックスが取り巻いた構
成を有する材料をいう。
材料」とは、C/Cコンポジットから成る基本骨格をS
i−SiC系材料からなるマトリックスが取り巻いた構
成を有する材料をいう。
【0016】 より具体的には、「Si−SiC系複合
材料」とは、55重量%〜75重量%の炭素と、1重量
%〜10重量%の珪素と、10重量%〜50重量%の炭
化珪素とから構成され、少なくとも炭素繊維の束と炭素
繊維以外の炭素成分とを含有するヤーンが層方向に配向
しつつ三次元的に組み合わされ、互いに分離しないよう
に一体化されているヤーン集合体と、このヤーン集合体
中で隣り合う前記ヤーンの間に充填されているSi−S
iC系材料からなるマトリックスとを備え、0.05〜
0.6の動摩擦係数と、0.5%〜10%に制御された
気孔率とを有する複合材料をいう。
材料」とは、55重量%〜75重量%の炭素と、1重量
%〜10重量%の珪素と、10重量%〜50重量%の炭
化珪素とから構成され、少なくとも炭素繊維の束と炭素
繊維以外の炭素成分とを含有するヤーンが層方向に配向
しつつ三次元的に組み合わされ、互いに分離しないよう
に一体化されているヤーン集合体と、このヤーン集合体
中で隣り合う前記ヤーンの間に充填されているSi−S
iC系材料からなるマトリックスとを備え、0.05〜
0.6の動摩擦係数と、0.5%〜10%に制御された
気孔率とを有する複合材料をいう。
【0017】 ここで、「C/Cコンポジット」とは、
炭素繊維束の周囲に、熱可塑性樹脂等のプラスチックか
らなる柔軟な被膜を形成して得た、柔軟性中間材である
プレフォームドヤーンを、特開平2−80639号公報
に記載されている方法によりシート状または織布状に
し、必要量を積層した後、ホットプレスで成形し得られ
た成形体、または、この成形体を焼成して得られる焼成
体をいう。尚、炭素繊維束は、炭素繊維束のマトリック
スとして作用する粉末状のバインダーであって、焼成後
には炭素繊維の束に対して遊離炭素となるピッチ、コー
クス類を包含させ、さらに必要に応じてフェノール樹脂
粉末等を含有させることによって調製する。
炭素繊維束の周囲に、熱可塑性樹脂等のプラスチックか
らなる柔軟な被膜を形成して得た、柔軟性中間材である
プレフォームドヤーンを、特開平2−80639号公報
に記載されている方法によりシート状または織布状に
し、必要量を積層した後、ホットプレスで成形し得られ
た成形体、または、この成形体を焼成して得られる焼成
体をいう。尚、炭素繊維束は、炭素繊維束のマトリック
スとして作用する粉末状のバインダーであって、焼成後
には炭素繊維の束に対して遊離炭素となるピッチ、コー
クス類を包含させ、さらに必要に応じてフェノール樹脂
粉末等を含有させることによって調製する。
【0018】 Si−SiC系複合材料の基本骨格とし
て用いられるC/Cコンポジットとしては、直径が10
μm前後の炭素繊維を、通常、数百本〜数万本束ねて形
成した繊維束(ヤーン)を熱可塑性樹脂で被覆して柔軟
性糸状中間材とし、これを特開平2−80639号公報
に記載されている方法によりシート状にしたものを二次
元または三次元方向に配列して一方向シート(UDシー
ト)若しくは各種クロスとしたり、又は上記シートやク
ロスを積層することにより、所定形状の予備成形体(繊
維プリフォーム)とし、次いでこの予備成形体の繊維束
の外周に形成されている有機物からなる熱可塑性樹脂等
の被膜を焼成することにより炭化除去したものが使用さ
れる。尚、本明細書においては、参考のために特開平2
−80639号公報の記載を引用する。本発明に於いて
使用されるC/Cコンポジットは、上記のヤーン中の炭
素繊維以外の炭素成分は、好ましくは炭素粉末であり、
特に好ましくは黒鉛化した炭素粉末である。
て用いられるC/Cコンポジットとしては、直径が10
μm前後の炭素繊維を、通常、数百本〜数万本束ねて形
成した繊維束(ヤーン)を熱可塑性樹脂で被覆して柔軟
性糸状中間材とし、これを特開平2−80639号公報
に記載されている方法によりシート状にしたものを二次
元または三次元方向に配列して一方向シート(UDシー
ト)若しくは各種クロスとしたり、又は上記シートやク
ロスを積層することにより、所定形状の予備成形体(繊
維プリフォーム)とし、次いでこの予備成形体の繊維束
の外周に形成されている有機物からなる熱可塑性樹脂等
の被膜を焼成することにより炭化除去したものが使用さ
れる。尚、本明細書においては、参考のために特開平2
−80639号公報の記載を引用する。本発明に於いて
使用されるC/Cコンポジットは、上記のヤーン中の炭
素繊維以外の炭素成分は、好ましくは炭素粉末であり、
特に好ましくは黒鉛化した炭素粉末である。
【0019】 又、「Si−SiC系材料」とは、未反
応の状態で残存する珪素からなる珪素相からほぼ純粋な
炭化珪素に至るまでの、いくつかの相異なる相を含む材
料をいい、典型的には珪素相と炭化珪素相から成るが、
炭化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的に変化している
SiC共存相を含んでもよい。従って、Si−SiC系
材料とは、このようにSi−SiC系列において、炭素
の濃度として、0mol%から50mol%までの範囲
以内で含まれてる材料の総称である。
応の状態で残存する珪素からなる珪素相からほぼ純粋な
炭化珪素に至るまでの、いくつかの相異なる相を含む材
料をいい、典型的には珪素相と炭化珪素相から成るが、
炭化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的に変化している
SiC共存相を含んでもよい。従って、Si−SiC系
材料とは、このようにSi−SiC系列において、炭素
の濃度として、0mol%から50mol%までの範囲
以内で含まれてる材料の総称である。
【0020】 本発明に用いる「Si−SiC系複合材
料」は、ヤーンの表面から離れるのに従って珪素の含有
比率が上昇する傾斜組成を有するマトリックスを有する
ことが好ましい。又、本発明に用いる「Si−SiC系
複合材料」において、C/Cコンポジットから成る基本
骨格は、炭素繊維から構成される複数のヤーン配列体を
特定方向に積層して成るヤーン集合体から成り、各ヤー
ン配列体はそれぞれ特定本数の炭素繊維を束ねて構成し
たヤーンをほぼ平行に二次元的に配列したものであるこ
とが好ましい。
料」は、ヤーンの表面から離れるのに従って珪素の含有
比率が上昇する傾斜組成を有するマトリックスを有する
ことが好ましい。又、本発明に用いる「Si−SiC系
複合材料」において、C/Cコンポジットから成る基本
骨格は、炭素繊維から構成される複数のヤーン配列体を
特定方向に積層して成るヤーン集合体から成り、各ヤー
ン配列体はそれぞれ特定本数の炭素繊維を束ねて構成し
たヤーンをほぼ平行に二次元的に配列したものであるこ
とが好ましい。
【0021】 図1に「Si−SiC系複合材料」の一
例を示す。図2(a)は図1のIIa−IIa線断面図
であり、図2(b)は図1のIIb−IIb線断面図で
ある。Si−SiC系複合材料7の骨格は、ヤーン集合
体6によって構成されている。ヤーン集合体6は、ヤー
ン配列体1A、1B、1C、1D、1E、1Fを上下方
向に積層してなる。各ヤーン配列体においては、各ヤー
ン3どうしが平行になるようにかつ二次元的に配列され
ている。上下方向に隣り合う各ヤーン配列体における各
ヤーンの長手方向は、直交している。即ち、各ヤーン配
列体1A、1C、1Eの各ヤーン2Aの長手方向は、互
いに平行であり、かつ各ヤーン配列体1B、1D、1F
の各ヤーン2Bの長手方向に対して直交している。各ヤ
ーンは、炭素繊維と、炭素繊維以外の炭素成分とからな
る繊維束3からなる。ヤーン配列体が積層されることに
よって、三次元格子形状のヤーン集合体6が構成され
る。各ヤーンは、後述するような加圧成形工程の間に押
しつぶされ、略楕円形になっている。
例を示す。図2(a)は図1のIIa−IIa線断面図
であり、図2(b)は図1のIIb−IIb線断面図で
ある。Si−SiC系複合材料7の骨格は、ヤーン集合
体6によって構成されている。ヤーン集合体6は、ヤー
ン配列体1A、1B、1C、1D、1E、1Fを上下方
向に積層してなる。各ヤーン配列体においては、各ヤー
ン3どうしが平行になるようにかつ二次元的に配列され
ている。上下方向に隣り合う各ヤーン配列体における各
ヤーンの長手方向は、直交している。即ち、各ヤーン配
列体1A、1C、1Eの各ヤーン2Aの長手方向は、互
いに平行であり、かつ各ヤーン配列体1B、1D、1F
の各ヤーン2Bの長手方向に対して直交している。各ヤ
ーンは、炭素繊維と、炭素繊維以外の炭素成分とからな
る繊維束3からなる。ヤーン配列体が積層されることに
よって、三次元格子形状のヤーン集合体6が構成され
る。各ヤーンは、後述するような加圧成形工程の間に押
しつぶされ、略楕円形になっている。
【0022】 各ヤーン配列体1A、1C、1Eにおい
ては、隣り合う各ヤーンの間隙には、マトリックス8A
が充填されており、各マトリックス8Aはヤーン2Aの
表面に沿ってそれと平行に延びている。各ヤーン配列体
1B、1D、1Fにおいては、隣り合う各ヤーンの間隙
には、マトリックス8Bが充填されており、各マトリッ
クス8Bは、ヤーン2Bの表面に沿ってそれと平行に延
びている。本例では、マトリックス8A、8Bは、それ
ぞれ、各ヤーンの表面を被覆する炭化珪素相4A、4B
と、炭化珪素相4A、4Bよりも炭素の含有割合が少な
いSi−SiC系材料相5A、5Bからなっている。炭
化珪素相中にも珪素を一部含有していてもよい。また、
本例では、上下方向に隣接するヤーン2Aと2Bとの間
にも、炭化珪素相4A、4Bが生成している。各マトリ
ックス8Aと8Bとは、それぞれヤーンの表面に沿って
細長く、好ましくは直線状に延びており、各マトリック
ス8Aと8Bとは互いに直交している。そして、ヤーン
配列体1A、1C、1Eにおけるマトリックス8Aと、
これに直交するヤーン配列体1B、1D、1Fにおける
マトリックス8Bとは、それぞれヤーン2Aと2Bとの
間隙部分で連続している。この結果、マトリックス8
A、8Bは、全体として、三次元格子を形成している。
ては、隣り合う各ヤーンの間隙には、マトリックス8A
が充填されており、各マトリックス8Aはヤーン2Aの
表面に沿ってそれと平行に延びている。各ヤーン配列体
1B、1D、1Fにおいては、隣り合う各ヤーンの間隙
には、マトリックス8Bが充填されており、各マトリッ
クス8Bは、ヤーン2Bの表面に沿ってそれと平行に延
びている。本例では、マトリックス8A、8Bは、それ
ぞれ、各ヤーンの表面を被覆する炭化珪素相4A、4B
と、炭化珪素相4A、4Bよりも炭素の含有割合が少な
いSi−SiC系材料相5A、5Bからなっている。炭
化珪素相中にも珪素を一部含有していてもよい。また、
本例では、上下方向に隣接するヤーン2Aと2Bとの間
にも、炭化珪素相4A、4Bが生成している。各マトリ
ックス8Aと8Bとは、それぞれヤーンの表面に沿って
細長く、好ましくは直線状に延びており、各マトリック
ス8Aと8Bとは互いに直交している。そして、ヤーン
配列体1A、1C、1Eにおけるマトリックス8Aと、
これに直交するヤーン配列体1B、1D、1Fにおける
マトリックス8Bとは、それぞれヤーン2Aと2Bとの
間隙部分で連続している。この結果、マトリックス8
A、8Bは、全体として、三次元格子を形成している。
【0023】 Si−SiC系複合材料は、例えば平成
10年9月4日付出願の特願平10−267462号に
開示された下記の方法にて製造することができる。即
ち、炭素繊維の束に対して、最終的にマトリックスとな
る粉末状のバインダーピッチ、コークス類を包含させ、
更に必要に応じてフェノール樹脂粉末等を含有させるこ
とによって、炭素繊維束を作製する。炭素繊維束の周囲
に、熱可塑性樹脂等のプラスチックから成る柔軟な被膜
を形成し、柔軟性中間材料を得る。この柔軟性中間材料
を、ヤーン状にし(特願昭63−231791号明細
書)、必要量を積層した後、ホットプレスで300〜2
000℃、常庄〜500kg/cm2の条件下で成形す
ることによって、成形体を得る。または、この成形体
を、必要に応じて700〜1200℃で炭化させ、15
00〜3000℃で黒鉛化して、焼結体を得る。
10年9月4日付出願の特願平10−267462号に
開示された下記の方法にて製造することができる。即
ち、炭素繊維の束に対して、最終的にマトリックスとな
る粉末状のバインダーピッチ、コークス類を包含させ、
更に必要に応じてフェノール樹脂粉末等を含有させるこ
とによって、炭素繊維束を作製する。炭素繊維束の周囲
に、熱可塑性樹脂等のプラスチックから成る柔軟な被膜
を形成し、柔軟性中間材料を得る。この柔軟性中間材料
を、ヤーン状にし(特願昭63−231791号明細
書)、必要量を積層した後、ホットプレスで300〜2
000℃、常庄〜500kg/cm2の条件下で成形す
ることによって、成形体を得る。または、この成形体
を、必要に応じて700〜1200℃で炭化させ、15
00〜3000℃で黒鉛化して、焼結体を得る。
【0024】 炭素繊維は、石油ピッチ若しくはコール
タールピッチを原料とし、紡糸用ピッチの調整、溶融紡
糸、不融化及び炭素化して得られるピッチ系炭素繊維並
びにアクリロニトリル(共)重合体繊維を耐炎化及び炭
素化して得られるPAN系炭素繊維のいずれのものでも
よい。
タールピッチを原料とし、紡糸用ピッチの調整、溶融紡
糸、不融化及び炭素化して得られるピッチ系炭素繊維並
びにアクリロニトリル(共)重合体繊維を耐炎化及び炭
素化して得られるPAN系炭素繊維のいずれのものでも
よい。
【0025】 マトリックスの形成に必要な有機バイン
ダーとしては、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬
化性樹脂及びタール、ピッチ等が用いられるが、これら
はコークス類、金属、金属化合物、無機及び有機化合物
等を含んでいてもよい。有機バインダーの一部が炭素源
となる場合もある。
ダーとしては、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬
化性樹脂及びタール、ピッチ等が用いられるが、これら
はコークス類、金属、金属化合物、無機及び有機化合物
等を含んでいてもよい。有機バインダーの一部が炭素源
となる場合もある。
【0026】 次いで、上記のように作製された成形体
又は焼結体とSiとを、1100〜1400℃の温度
域、炉内圧0.1〜10hPaで1時間以上保持する。
好ましくは、この際、成形体又は焼結体とSiの合計重量
1kg当たり0.1NL(ノルマルリットル:1200
℃、圧力0.1hPaの場合、5065リットルに相
当)以上の不活性ガスを流しつつ、成形体又は焼結体表
面にSi−SiC層を形成する.次いで、温度1450
〜2500℃に昇温して前記成形体又は焼結体の開気孔
内部へSi−SiC系材料を溶融、含浸成形させる。
又、この過程において、成形体を用いた場合は、前記成
形体の焼成も行われ、Si−SiC系複合材料が生成す
る。Si−SiC系複合材料全体における、Si−Si
C系材質の濃度傾斜の調節は、成形体又は焼結体の開気
孔率及びその細孔径により行う。
又は焼結体とSiとを、1100〜1400℃の温度
域、炉内圧0.1〜10hPaで1時間以上保持する。
好ましくは、この際、成形体又は焼結体とSiの合計重量
1kg当たり0.1NL(ノルマルリットル:1200
℃、圧力0.1hPaの場合、5065リットルに相
当)以上の不活性ガスを流しつつ、成形体又は焼結体表
面にSi−SiC層を形成する.次いで、温度1450
〜2500℃に昇温して前記成形体又は焼結体の開気孔
内部へSi−SiC系材料を溶融、含浸成形させる。
又、この過程において、成形体を用いた場合は、前記成
形体の焼成も行われ、Si−SiC系複合材料が生成す
る。Si−SiC系複合材料全体における、Si−Si
C系材質の濃度傾斜の調節は、成形体又は焼結体の開気
孔率及びその細孔径により行う。
【0027】 又、本発明において、「SiC系複合材
料」とは、C/Cコンポジットから成る基本骨格をSi
−SiC系材料からなるマトリックスが取り巻いた構成
を有する材料をいう。
料」とは、C/Cコンポジットから成る基本骨格をSi
−SiC系材料からなるマトリックスが取り巻いた構成
を有する材料をいう。
【0028】 より具体的には、「SiC系複合材料」
とは、炭化珪素と炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分と
から構成され、骨格部と骨格部の周囲に形成されたマト
リックスとからなる構造を有するSiC−C/Cコンポ
ジット複合材料であって、炭化珪素の少なくとも50%
はβ型で、骨格部は、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成
分により形成されており、その骨格部の一部分には炭化
珪素が存在していてもよく、マトリックスは、炭化珪素
により形成され、前記マトリックスと前記骨格部とは一
体的に形成されており、かつ、前記複合材料は0.5%
〜5%の気孔率と二山型の平均気孔径の分布を有する複
合材料をいう。SiC系複合材料の動摩擦係数は0.0
5〜0.6であることが好ましく、又、大気中で10℃
/分の割合で昇温したときに5%重量減少が生じる温度
が600℃以上であることが好ましい。
とは、炭化珪素と炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分と
から構成され、骨格部と骨格部の周囲に形成されたマト
リックスとからなる構造を有するSiC−C/Cコンポ
ジット複合材料であって、炭化珪素の少なくとも50%
はβ型で、骨格部は、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成
分により形成されており、その骨格部の一部分には炭化
珪素が存在していてもよく、マトリックスは、炭化珪素
により形成され、前記マトリックスと前記骨格部とは一
体的に形成されており、かつ、前記複合材料は0.5%
〜5%の気孔率と二山型の平均気孔径の分布を有する複
合材料をいう。SiC系複合材料の動摩擦係数は0.0
5〜0.6であることが好ましく、又、大気中で10℃
/分の割合で昇温したときに5%重量減少が生じる温度
が600℃以上であることが好ましい。
【0029】 ここで「C/Cコンポジット」について
は、「Si−SiC系複合材料」の場合と同様である。
は、「Si−SiC系複合材料」の場合と同様である。
【0030】 SiC系複合材料は、骨格部がC/Cコ
ンポジットであるため、その一部にSiCが形成されて
いても、各炭素繊維の構造が破壊されることなく保持さ
れているために炭素繊維が炭化珪素化により短繊維化す
ることがなく、原料であるC/Cコンポジットの有する
機械的強度がほぼ保持されるか、炭化珪素化により増大
するという大きな特徴を有している。しかも、ヤーン集
合体中で隣り合うヤーンの間に、SiC系材料からなる
マトリックスが形成された複合構造を有している。この
点で、上記のSi−SiC系複合材料とは異なる。な
お、この材料は、平成11年2月9日付出願の特願平1
1−31979号に開示された方法により製造すること
ができる。従って、特願平11−31979号の内容を
ここに引用する。
ンポジットであるため、その一部にSiCが形成されて
いても、各炭素繊維の構造が破壊されることなく保持さ
れているために炭素繊維が炭化珪素化により短繊維化す
ることがなく、原料であるC/Cコンポジットの有する
機械的強度がほぼ保持されるか、炭化珪素化により増大
するという大きな特徴を有している。しかも、ヤーン集
合体中で隣り合うヤーンの間に、SiC系材料からなる
マトリックスが形成された複合構造を有している。この
点で、上記のSi−SiC系複合材料とは異なる。な
お、この材料は、平成11年2月9日付出願の特願平1
1−31979号に開示された方法により製造すること
ができる。従って、特願平11−31979号の内容を
ここに引用する。
【0031】 ここで、「SiC系材料」とは、炭素と
の結合度を異にする炭化珪素を含有する材料をいい、C
/Cコンポジットに金属珪素を含浸させることにより製
造できる。その際、金属珪素はコンポジット内の炭素繊
維を構成する炭素原子および/または炭素繊維の表面に
残存している遊離炭素原子と反応し、一部が炭化される
ために、C/Cコンポジットの最表面や炭素繊維からな
るヤーンとヤーンとの間には、一部炭化された珪素が生
成し、かくして上記のヤーンとヤーンとの間には炭化珪
素からなるマトリックスが形成される。
の結合度を異にする炭化珪素を含有する材料をいい、C
/Cコンポジットに金属珪素を含浸させることにより製
造できる。その際、金属珪素はコンポジット内の炭素繊
維を構成する炭素原子および/または炭素繊維の表面に
残存している遊離炭素原子と反応し、一部が炭化される
ために、C/Cコンポジットの最表面や炭素繊維からな
るヤーンとヤーンとの間には、一部炭化された珪素が生
成し、かくして上記のヤーンとヤーンとの間には炭化珪
素からなるマトリックスが形成される。
【0032】 このマトリックスにおいては、極微量の
珪素と炭素とが結合した炭化珪素質の相から、純粋な炭
化珪素結晶相に至るまで、いくつかの相異なる相を含み
うる。しかし、このマトリックスには、X線による検出
限界(0.3重量%)以下の金属珪素しか含まれない。
つまり、このマトリックスは、典型的には炭化珪素相か
らなるが、炭化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的に変
化しているSiC質相を含みうる。従って、SiC系材
料とは、このようなSiC系列において、炭素の濃度と
して、少なくとも0.01mol%以上から50mol
%までの範囲以内で含まれてる材料の総称である。又、
SiC系複合材料は、マトリックスが骨格部表面から離
れるに従って、珪素の含有比率が上昇する傾斜組成を有
していてもよい。なお、炭素濃度を0.01mol%未
満に制御するには、C/Cコンポジット中の遊離炭素の
量との関係で、添加する金属珪素の量の厳密な計量が要
求され、又、後述する最終工程での温度管理が複雑にな
るため実際的ではない。従って、理論的には、炭素濃度
を0.001mol%程度まで制御することは可能であ
る。
珪素と炭素とが結合した炭化珪素質の相から、純粋な炭
化珪素結晶相に至るまで、いくつかの相異なる相を含み
うる。しかし、このマトリックスには、X線による検出
限界(0.3重量%)以下の金属珪素しか含まれない。
つまり、このマトリックスは、典型的には炭化珪素相か
らなるが、炭化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的に変
化しているSiC質相を含みうる。従って、SiC系材
料とは、このようなSiC系列において、炭素の濃度と
して、少なくとも0.01mol%以上から50mol
%までの範囲以内で含まれてる材料の総称である。又、
SiC系複合材料は、マトリックスが骨格部表面から離
れるに従って、珪素の含有比率が上昇する傾斜組成を有
していてもよい。なお、炭素濃度を0.01mol%未
満に制御するには、C/Cコンポジット中の遊離炭素の
量との関係で、添加する金属珪素の量の厳密な計量が要
求され、又、後述する最終工程での温度管理が複雑にな
るため実際的ではない。従って、理論的には、炭素濃度
を0.001mol%程度まで制御することは可能であ
る。
【0033】 「SiC系複合材料」の骨格部は基本的
には図1に示した「Si−SiC系複合材料」と同様で
ある。従って、図1を「SiC系複合材料」の一例を示
したものとして説明する。又、図1を「SiC系複合材
料」の骨格部とみなした場合のIIa−IIa線断面図
を図3(a)に、IIb−IIb線断面図を図3(b)
に示す。
には図1に示した「Si−SiC系複合材料」と同様で
ある。従って、図1を「SiC系複合材料」の一例を示
したものとして説明する。又、図1を「SiC系複合材
料」の骨格部とみなした場合のIIa−IIa線断面図
を図3(a)に、IIb−IIb線断面図を図3(b)
に示す。
【0034】 SiC系複合材料17の骨格は、Si−
SiC系複合材料の骨格と同様に、ヤーン集合体16に
よって構成されている。ヤーン集合体16は、ヤーン配
列体11A、11B、11C、11D、11E、11F
を上下方向に積層してなる。各ヤーン配列体において
は、各ヤーン13が二次元的に配列されており、各ヤー
ンの長手方向がほぼ平行である。上下方向に隣り合う各
ヤーン配列体における各ヤーンの長手方向は、直交して
いる。すなわち、各ヤーン配列体11A、11C、11
Eの各ヤーン12Aの長手方向は、互いに平行であり、
かつ各ヤーン配列体11B、11D、11Fの各ヤーン
12Bの長手方向に対して直交している。各ヤーンは、
炭素繊維と、炭素繊維以外の炭素成分とからなる繊維束
13からなる。ヤーン配列体が積層されることによっ
て、三次元格子形状のヤーン集合体16が構成される。
各ヤーンは、後述するような加圧成形工程の間に押しつ
ぶされ、やや楕円形になっている。
SiC系複合材料の骨格と同様に、ヤーン集合体16に
よって構成されている。ヤーン集合体16は、ヤーン配
列体11A、11B、11C、11D、11E、11F
を上下方向に積層してなる。各ヤーン配列体において
は、各ヤーン13が二次元的に配列されており、各ヤー
ンの長手方向がほぼ平行である。上下方向に隣り合う各
ヤーン配列体における各ヤーンの長手方向は、直交して
いる。すなわち、各ヤーン配列体11A、11C、11
Eの各ヤーン12Aの長手方向は、互いに平行であり、
かつ各ヤーン配列体11B、11D、11Fの各ヤーン
12Bの長手方向に対して直交している。各ヤーンは、
炭素繊維と、炭素繊維以外の炭素成分とからなる繊維束
13からなる。ヤーン配列体が積層されることによっ
て、三次元格子形状のヤーン集合体16が構成される。
各ヤーンは、後述するような加圧成形工程の間に押しつ
ぶされ、やや楕円形になっている。
【0035】 各ヤーン配列体11A、11C、11E
においては、隣り合う各ヤーンの間隙には、マトリック
ス18Aが充填されており、各マトリックス18Aはヤ
ーン12Aの表面に沿ってそれと平行に延びている。各
ヤーン配列体11B、11D、11Fにおいては、隣り
合う各ヤーンの間隙には、マトリックス18Bが充填さ
れており、各マトリックス18Bは、ヤーン12Bの表
面に沿ってそれと平行に延びている。図3(a)および
図3(b)に示したように、マトリックス18A、18
Bは、それぞれ、各ヤーンの表面を被覆する炭化珪素相
14からなっている。炭化珪素相の一部は、小突起部1
9として表面に突出するか、あるいは、複合部材の内部
においては、炭素繊維層に突出していてもよい。この様
な小突起部の内部には、中央値が約100μmの孔径を
有する気孔(空隙)が形成されている。なお、この小突
起部19は、殆どが原料のC/Cコンポジットの炭素繊
維以外の炭素成分からなるマトリックスの跡に沿って形
成されるので、ヤーンとヤーンとの間隔および/または
ヤーン配列体とヤーン配列体との間隔を適宜選択するこ
とにより、単位面積当たりの小突起部19の密度を調整
することが可能である。隣接するヤーン12Aと12B
との間にも、炭化珪素相14が形成されていてもよい。
においては、隣り合う各ヤーンの間隙には、マトリック
ス18Aが充填されており、各マトリックス18Aはヤ
ーン12Aの表面に沿ってそれと平行に延びている。各
ヤーン配列体11B、11D、11Fにおいては、隣り
合う各ヤーンの間隙には、マトリックス18Bが充填さ
れており、各マトリックス18Bは、ヤーン12Bの表
面に沿ってそれと平行に延びている。図3(a)および
図3(b)に示したように、マトリックス18A、18
Bは、それぞれ、各ヤーンの表面を被覆する炭化珪素相
14からなっている。炭化珪素相の一部は、小突起部1
9として表面に突出するか、あるいは、複合部材の内部
においては、炭素繊維層に突出していてもよい。この様
な小突起部の内部には、中央値が約100μmの孔径を
有する気孔(空隙)が形成されている。なお、この小突
起部19は、殆どが原料のC/Cコンポジットの炭素繊
維以外の炭素成分からなるマトリックスの跡に沿って形
成されるので、ヤーンとヤーンとの間隔および/または
ヤーン配列体とヤーン配列体との間隔を適宜選択するこ
とにより、単位面積当たりの小突起部19の密度を調整
することが可能である。隣接するヤーン12Aと12B
との間にも、炭化珪素相14が形成されていてもよい。
【0036】 各マトリックス18Aと18Bとは、そ
れぞれヤーンの表面に沿って細長く、好ましくは直線状
に延びており、各マトリックス18Aと18Bとは互い
に直交している。そして、ヤーン配列体11A、11
C、11Eにおけるマトリックス18Aと、これに直交
するヤーン配列体11B、11D、11Fにおけるマト
リックス18Bとは、それぞれヤーン12Aと12Bと
の間隙部分で連続している。この結果、マトリックス1
8A、18Bは、全体として、三次元格子を形成してい
る。
れぞれヤーンの表面に沿って細長く、好ましくは直線状
に延びており、各マトリックス18Aと18Bとは互い
に直交している。そして、ヤーン配列体11A、11
C、11Eにおけるマトリックス18Aと、これに直交
するヤーン配列体11B、11D、11Fにおけるマト
リックス18Bとは、それぞれヤーン12Aと12Bと
の間隙部分で連続している。この結果、マトリックス1
8A、18Bは、全体として、三次元格子を形成してい
る。
【0037】 SiC系複合材料は、例えば平成11年
2月9日付出願の特願平11−31979号に開示され
た下記の方法にて製造することができる。即ち、Si−
SiC系複合材料の場合と同様に製造した炭素繊維から
成る成形体または焼成体と金属珪素とを、1100〜1
400℃の温度域、炉内圧0.1〜10hPaで1時間
以上保持する。保持時間は、種々の要因により変動しう
るが、無機ポリマーないし無機物のセラミックス化への
変化に伴うCO等の発生ガスを焼成雰囲気より除去し、
また大気中のO2等による外部からの焼成雰囲気の汚染
を防止するに充分な時間であればよい。また、この際、
成形体または焼成体と珪素の合計重量1kg当たり0.
1NL(ノルマルリットル:1200℃、圧力0.1h
Paの場合、5065リットルに相当)以上の不活性ガ
スを流しつつ、成形体または焼成体表面にSiC層を形
成することが好ましい。次いで、温度1450〜250
0℃に昇温して前記成形体または焼成体の開気孔内部へ
珪素を溶融、含浸させ、先ず、SiC系材料を形成させ
る。
2月9日付出願の特願平11−31979号に開示され
た下記の方法にて製造することができる。即ち、Si−
SiC系複合材料の場合と同様に製造した炭素繊維から
成る成形体または焼成体と金属珪素とを、1100〜1
400℃の温度域、炉内圧0.1〜10hPaで1時間
以上保持する。保持時間は、種々の要因により変動しう
るが、無機ポリマーないし無機物のセラミックス化への
変化に伴うCO等の発生ガスを焼成雰囲気より除去し、
また大気中のO2等による外部からの焼成雰囲気の汚染
を防止するに充分な時間であればよい。また、この際、
成形体または焼成体と珪素の合計重量1kg当たり0.
1NL(ノルマルリットル:1200℃、圧力0.1h
Paの場合、5065リットルに相当)以上の不活性ガ
スを流しつつ、成形体または焼成体表面にSiC層を形
成することが好ましい。次いで、温度1450〜250
0℃に昇温して前記成形体または焼成体の開気孔内部へ
珪素を溶融、含浸させ、先ず、SiC系材料を形成させ
る。
【0038】 次いで、炉内温度を一旦周囲環境温度
(20℃〜25℃)まで冷却するか、あるいは、炉内温
度をそのまま保持しつつ、炉内圧力を約1気圧程度まで
上げ、炉内温度を2000℃〜2800℃に引き上げ
て、場合によっては残存していることもある金属珪素
と、既に生成している炭化珪素を炭素繊維と炭素繊維外
の炭素成分中(一部黒鉛化した炭素を含む遊離炭素と同
義である)にまで拡散させ、これら炭素と反応させる。
この場合の保持時間は1時間程度で充分である。また、
この過程において、C/Cコンポジットからなる成形体
を用いた場合は、前記成形体の焼成も行われ、同時にS
iC系複合材料が生成する。
(20℃〜25℃)まで冷却するか、あるいは、炉内温
度をそのまま保持しつつ、炉内圧力を約1気圧程度まで
上げ、炉内温度を2000℃〜2800℃に引き上げ
て、場合によっては残存していることもある金属珪素
と、既に生成している炭化珪素を炭素繊維と炭素繊維外
の炭素成分中(一部黒鉛化した炭素を含む遊離炭素と同
義である)にまで拡散させ、これら炭素と反応させる。
この場合の保持時間は1時間程度で充分である。また、
この過程において、C/Cコンポジットからなる成形体
を用いた場合は、前記成形体の焼成も行われ、同時にS
iC系複合材料が生成する。
【0039】 本発明の接点部材は、相手材と直接接触
することにより相手材と電気的に導通しつつ、相手材と
の接触部分において相手材と摺動するような部材、例え
ば、金属電線と電気的に導通し、かつ摺動しつつ、金属
電線を引き伸ばす金属電線アニーリング用滑車、電車の
屋根の上等に取り付けられ、架線と電気的に導通し、か
つ摺動する電車用パンタグラフ等に好適に用いることが
できる。尚、本発明の接点部材を金属電線アニーリング
用滑車に用いる場合において、金属電線の種類に特に制
限は無いが、本発明の接点部材は金属電線として最も一
般的に用いられる銅電線用のアニーリング用滑車に最も
好適に用いることができる。
することにより相手材と電気的に導通しつつ、相手材と
の接触部分において相手材と摺動するような部材、例え
ば、金属電線と電気的に導通し、かつ摺動しつつ、金属
電線を引き伸ばす金属電線アニーリング用滑車、電車の
屋根の上等に取り付けられ、架線と電気的に導通し、か
つ摺動する電車用パンタグラフ等に好適に用いることが
できる。尚、本発明の接点部材を金属電線アニーリング
用滑車に用いる場合において、金属電線の種類に特に制
限は無いが、本発明の接点部材は金属電線として最も一
般的に用いられる銅電線用のアニーリング用滑車に最も
好適に用いることができる。
【0040】
【実施例】 以下、本発明を実施例を用いてさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるもの
ではない。
く説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるもの
ではない。
【0041】(実施例1、2) Si−SiC系複合材
料(実施例1)又はSiC系複合材料(実施例2)から
成る銅電線アニーリング用滑車を用いて銅電線のアニー
リングを行い、銅電線アニーリング用滑車の耐久性、銅
電線の破損頻度及びアーク発生度について調べた。
料(実施例1)又はSiC系複合材料(実施例2)から
成る銅電線アニーリング用滑車を用いて銅電線のアニー
リングを行い、銅電線アニーリング用滑車の耐久性、銅
電線の破損頻度及びアーク発生度について調べた。
【0042】 銅電線のアニーリングは、図4に示すよ
うに、銅溶湯23を、孔径8mmのワイヤ引き抜きノズ
ル24から引き抜いた後、4基の銅電線アニーリング用
滑車21を用いて銅電線22を直径3mmに引き伸ばす
ことにより行った。4基の銅電線アニーリング用滑車2
1の2基づつを1組として同一の電源25に接続し、ア
ニーリングは30Aの電流を流しながら行った。4基の
銅電線アニーリング用滑車21の寸法は厚さ15mm、
直径300mmとした。
うに、銅溶湯23を、孔径8mmのワイヤ引き抜きノズ
ル24から引き抜いた後、4基の銅電線アニーリング用
滑車21を用いて銅電線22を直径3mmに引き伸ばす
ことにより行った。4基の銅電線アニーリング用滑車2
1の2基づつを1組として同一の電源25に接続し、ア
ニーリングは30Aの電流を流しながら行った。4基の
銅電線アニーリング用滑車21の寸法は厚さ15mm、
直径300mmとした。
【0043】 銅電線アニーリング用滑車21の耐久性
は、銅電線アニーリング用滑車摺動面の摩耗量が5mm
に達するまでのアニーリング時間数を測定することによ
り判断した。
は、銅電線アニーリング用滑車摺動面の摩耗量が5mm
に達するまでのアニーリング時間数を測定することによ
り判断した。
【0044】 銅電線22の破損頻度は、引き伸ばした
銅電線を目視にて観察し、1m毎の傷の数により判断し
た。
銅電線を目視にて観察し、1m毎の傷の数により判断し
た。
【0045】 又、アーク発生度は銅電線に付いた傷の
頻度により確認した。表2に結果を示す。
頻度により確認した。表2に結果を示す。
【0046】(比較例1、2) 銅電線アニーリング用
滑車の材質をカーボン(比較例1)又はステンレス(比
較例2)とした点を除いては、実施例1と同様の銅電線
アニーリング用滑車を用いて、実施例1と同様に銅電線
のアニーリングを行い、銅電線アニーリング用滑車の耐
久性、銅電線の破損頻度及びアーク発生度について調べ
た。結果を表2に示す。
滑車の材質をカーボン(比較例1)又はステンレス(比
較例2)とした点を除いては、実施例1と同様の銅電線
アニーリング用滑車を用いて、実施例1と同様に銅電線
のアニーリングを行い、銅電線アニーリング用滑車の耐
久性、銅電線の破損頻度及びアーク発生度について調べ
た。結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】 表2より、実施例の銅電線アニーリング
用滑車は、カーボンから成る比較例1の銅電線アニーリ
ング用滑車に比べ、耐久性に優れることがわかる。又、
実施例の銅電線アニーリング用滑車を用いた場合は、ス
テンレスから成る比較例2の銅電線アニーリング用滑車
を用いた場合に比べ、銅電線の破損頻度及びアーク発生
度が著しく低いことがわかる。
用滑車は、カーボンから成る比較例1の銅電線アニーリ
ング用滑車に比べ、耐久性に優れることがわかる。又、
実施例の銅電線アニーリング用滑車を用いた場合は、ス
テンレスから成る比較例2の銅電線アニーリング用滑車
を用いた場合に比べ、銅電線の破損頻度及びアーク発生
度が著しく低いことがわかる。
【0049】
【発明の効果】 本発明の接点部材は、Si−SiC系
複合材料又はSiC系複合材料から構成されているた
め、導電性及び耐摩耗性に優れ、動摩擦係数が低く、ア
ークが飛びにくいという条件を兼ね備える。従って、本
発明の接点部材は、従来のカーボン、ステンレスから成
る接点部材に比べて導電性及び耐摩耗性が大きいことか
ら、寿命が長く、金属電線アニーリング等、接点部材を
用いる作業におけるエネルギーコストを低減し、さらに
寿命を延ばすことができる。
複合材料又はSiC系複合材料から構成されているた
め、導電性及び耐摩耗性に優れ、動摩擦係数が低く、ア
ークが飛びにくいという条件を兼ね備える。従って、本
発明の接点部材は、従来のカーボン、ステンレスから成
る接点部材に比べて導電性及び耐摩耗性が大きいことか
ら、寿命が長く、金属電線アニーリング等、接点部材を
用いる作業におけるエネルギーコストを低減し、さらに
寿命を延ばすことができる。
【図1】 Si−SiC系複合材料の骨格の一例を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図2】 (a)図1のIIa−IIa線断面図及び
(b)図1のIIb−IIb線断面図である。
(b)図1のIIb−IIb線断面図である。
【図3】 図1をSiC系複合材料の骨格の一例を示す
斜視図みなした場合の(a)図1のIIa−IIa線断
面図及び(b)図1のIIb−IIb線断面図である。
斜視図みなした場合の(a)図1のIIa−IIa線断
面図及び(b)図1のIIb−IIb線断面図である。
【図4】 金属電線アニーリングの一般的態様を示す模
式図である。
式図である。
1…ヤーン配列体、2…ヤーン、3…繊維束、4…炭化
珪素相、5…Si−SiC系材料相、6…ヤーン集合
体、7…Si−SiC系複合材料、8…マトリックス、
11…ヤーン配列体、12…ヤーン、13…繊維束、1
4…炭化珪素相、15…Si−SiC系材料相、16…
ヤーン集合体、17…SiC系複合材料、18…マトリ
ックス、19…小突起部、21…金属電線アニーリング
用滑車、22…金属電線、23…金属溶湯、24…ワイ
ヤ引き抜きノズル、25…電源。
珪素相、5…Si−SiC系材料相、6…ヤーン集合
体、7…Si−SiC系複合材料、8…マトリックス、
11…ヤーン配列体、12…ヤーン、13…繊維束、1
4…炭化珪素相、15…Si−SiC系材料相、16…
ヤーン集合体、17…SiC系複合材料、18…マトリ
ックス、19…小突起部、21…金属電線アニーリング
用滑車、22…金属電線、23…金属溶湯、24…ワイ
ヤ引き抜きノズル、25…電源。
Claims (19)
- 【請求項1】 相手材と直接接触することにより該相手
材と電気的に導通しつつ、該接触部分において該相手材
と摺動する接点部材であって、 Si−SiC系複合材料又はSiC系複合材料から成る
ことを特徴とする接点部材。 - 【請求項2】 該Si−SiC系複合材料が、55重量
%〜75重量%の炭素と、1重量%〜10重量%の珪素
と、10重量%〜50重量%の炭化珪素とから構成さ
れ、少なくとも炭素繊維の束と炭素繊維以外の炭素成分
とを含有するヤーンが層方向に配向しつつ三次元的に組
み合わされ、互いに分離しないように一体化されている
ヤーン集合体と、このヤーン集合体中で隣り合う前記ヤ
ーンの間に充填されているSi−SiC系材料からなる
マトリックスとを備え、0.05〜0.6の動摩擦係数
と、0.5%〜10%に制御された気孔率とを有する請
求項1に記載の接点部材。 - 【請求項3】 該Si−SiC系複合材料において、該
マトリックスが、該ヤーンの表面に沿って生成している
炭化珪素相を有している請求項2に記載の接点部材。 - 【請求項4】 該Si−SiC系複合材料において、該
マトリックスが珪素からなる珪素相を有しており、この
珪素相と該ヤーンとの間に該炭化珪素相が生成している
請求項3に記載の接点部材。 - 【請求項5】 該Si−SiC系複合材料において、該
マトリックスが、該ヤーンの表面から離れるに従って珪
素の含有比率が大きくなる傾斜組成を有している請求項
2、3又は4のいずれか1項に記載の接点部材。 - 【請求項6】 該Si−SiC系複合材料において、該
ヤーン集合体が複数のヤーン配列体を備えており、各ヤ
ーン配列体がそれぞれ複数の該ヤーンを略平行に二次元
的に配列することによって形成されており、該各ヤーン
配列体が積層されることによって該ヤーン集合体が構成
されている請求項2、3、4又は5のいずれか1項に記
載の接点部材。 - 【請求項7】 該Si−SiC系複合材料において、隣
接する該ヤーン配列体における各ヤーンの長手方向が互
いに交差している請求項6に記載の接点部材。 - 【請求項8】 該Si−SiC系複合材料において、該
マトリックスが、該Si−SiC系複合材料中で互いに
連続することで三次元網目構造を形成している請求項2
〜7のいずれか1項に記載の接点部材。 - 【請求項9】 該Si−SiC系複合材料において、該
マトリックスが該各ヤーン配列体において略平行に二次
元的に配列されており、隣り合う該各ヤーン配列体中に
生成している該マトリックスが互いに連続しており、こ
れによって該マトリックスが三次元格子を形成している
請求項7に記載の接点部材。 - 【請求項10】 該SiC系複合材料が、炭化珪素と炭
素繊維と炭素繊維以外の炭素成分とから構成され、骨格
部と骨格部の周囲に形成されマトリックスとからなる構
造を有し、 炭化珪素の少なくとも50%はβ型で、 該骨格部は、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分により
形成されており、該骨格部の一部分には炭化珪素が存在
していてもよく、 該マトリックスは、炭化珪素により形成され、 該マトリックスと該骨格部とは一体的に形成されてお
り、かつ、 該SiC系複合材料が0.5%〜5%の気孔率と二山型
の平均気孔径の分布を有する請求項1に記載の接点部
材。 - 【請求項11】 該SiC系複合材料において、該マト
リックスが、該骨格部表面に沿って形成されている請求
項10に記載の接点部材。 - 【請求項12】 該SiC系複合材料において、該マト
リックスの一部が一連の小突起部を形成している請求項
10又は11に記載の接点部材。 - 【請求項13】 該SiC系複合材料において、該マト
リックスが該骨格部表面から離れるに従って、珪素の含
有比率が上昇する傾斜組成を有している請求項10、1
1又は12に記載の接点部材。 - 【請求項14】 該SiC系複合材料において、該骨格
部が、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分とからなるヤ
ーンを、少なくとも複数本ほぼ並行に二次元的に配列し
て作製したヤーン配列体を、交互に直交するように必要
数積層して作製されたものであるヤーン集合体から構成
されている請求項10、11、12又は13に記載の接
点部材。 - 【請求項15】 該SiC系複合材料において、該マト
リックスが、該SiC系複合材料の中で互いに連続する
ことで三次元網目構造を形成している請求項10〜14
のいずれか1項に記載の接点部材。 - 【請求項16】 該SiC系複合材料の動摩擦係数が
0.05〜0.6である請求項10〜15のいずれか1
項に記載の接点部材。 - 【請求項17】 該SiC系複合材料において、大気中
で10℃/分の割合で昇温したときに5%重量減少が生
じる温度が600℃以上である請求項10〜16のいず
れか1項に記載の接点部材。 - 【請求項18】 金属電線と電気的に導通し、かつ摺動
しつつ、該金属電線を引き伸ばす金属電線アニーリング
用滑車である請求項1〜17のいずれか1項に記載の接
点部材。 - 【請求項19】 架線と電気的に導通し、かつ摺動する
電車用パンタグラフである請求項1〜17のいずれか1
項に記載の接点部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11101882A JP2000294062A (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | 接点部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11101882A JP2000294062A (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | 接点部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000294062A true JP2000294062A (ja) | 2000-10-20 |
Family
ID=14312319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11101882A Withdrawn JP2000294062A (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | 接点部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000294062A (ja) |
-
1999
- 1999-04-08 JP JP11101882A patent/JP2000294062A/ja not_active Withdrawn
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---|---|---|---|
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