JP2000292768A - 液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents
液晶表示装置の駆動方法Info
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Abstract
晶パネルのちらつきを防止し、低消費電力化を達成す
る。 【解決手段】 MLA駆動において、直交行列「A」の
第1行と第3行の行列要素の極性を反転させた直交行列
「A1」と、直交行列「A」の第2行と第4行の行列要
素の極性を反転させた直交行列「A2」とを使用して複
数ライン同時選択駆動を行う。
Description
式の液晶表示装置の駆動方法であって、複数ライン同時
選択法を用いた駆動方法に関する。
晶表示装置はその優位性を生かして、携帯電話やポケッ
トベル(登録商標)などの携帯機器や小型情報端末機器
に広く用いられている。それらの機器における表示情報
は文字情報を中心とした白黒2値のものが多いが、今
後、通信情報分野のサービス向上に伴って、より多くの
情報を表示することが求められる。それに伴って、液晶
表示装置には、より高精細で多色化した表示を行うこと
が求められる。
は、電池の入れ替えや充電の手間を軽減するために、ま
た、電池廃棄量を低減させるという環境問題等の観点か
ら、低消費電力化が要請されている。また、上述した高
精細化および多色化の要求に応えようとすると液晶表示
装置の消費電力が増加することからも、液晶表示装置の
低消費電力化が強く要請されている。
して、駆動電圧を下げる方法や駆動周波数を下げる方法
がある。駆動電圧を下げる方法は、所定の走査電圧と信
号電圧値の電圧値比を変える方法である。しかし、駆動
電圧を低下させると当然に消費電力は低下するが、オン
電圧とオフ電圧の実効値比(バイアス比)が最大となる
最適バイアスよりも小さくなる場合がある。すなわち、
コントラストの低下を招くおそれがある。
素子を流れる貫通電流等が少なくなるので消費電流は低
下するが、単純マトリクス方式で駆動される液晶パネル
ではちらつきが目立つようになる。マトリクス駆動では
一般に交流駆動が用いられるので、オン画素には、オン
に相当する正極性の実効電圧が印加された後に必ず負極
性の実効電圧が印加される。しかし、実際には、等レベ
ルの正極性および負極性の電圧を印加しても、液晶パネ
ルの非対称性によって液晶素子に印加される実効電圧に
は差が生ずる。そして、駆動周波数を下げていくと、実
効電圧差に応じた輝度差が視認されるようになり、ちら
つきとして現れる。
てフレーム応答もある。駆動周波数を下げていくとフレ
ーム応答が顕著になるので、コントラストが低下する。
STN液晶素子をより高速に駆動するために複数ライン
同時選択法(マルチラインアドレッシング法:MLA
法)が提案されている。複数ライン同時選択法は、複数
の走査電極(行電極)を一括して選択して駆動する方法
である。MLA法では、データ電極(列電極)に供給さ
れる列表示パターンを独立に制御するために、同時に駆
動される各行電極には、所定の電圧パルス列が印加され
る。
(選択パルス群)は、L行K列の行列で表すことができ
る。以下この行列を選択行列(A)という。Lは同時選
択数である。電圧パルス電圧群は、互いに直交するベク
トル群として表される。従って、それらのベクトルを要
素として含む行列は直交行列となる。各行列内の各行ベ
クトルは互いに直交である。
各ラインに対応する。例えば、L本の選択ライン中の第
1番目のラインに対して、選択行列(A)の第1行目の
要素が適用される。すなわち1列目の要素、2列目の要
素の順に選択パルスが、第1番目の行電極に印加され
る。
圧波形のシーケンスの決め方を示す説明図である。ここ
では画素として図11に示す8行2列、選択行列として
図12に示す4行4列のアダマール行列を例にとる。図
12に示す選択行列において、「1」は正の選択パル
ス、「−1」は負の選択パルスを意味する。以下、同時
選択される4ラインをサブグループと呼ぶ。
き表示データが図11に示すようになっているとする。
図11において、白丸は点灯であること、黒丸は消灯で
あることを示す。すると、サブグループ1、サブグルー
プ2の列表示パターンは、図13に示すようなベクトル
(d)で表される。図13に示すベクトル(d)では、
「−1」はオン表示に対応し、「1」はオフ表示に対応
する。
ープ2に順次印加されるべき電圧レベルは、図13に示
すベクトル(v)のようになる。このベクトルは、列表
示パターン(画像表示パターン)とそれに対応する行選
択パターンとについてビットごとに積をとり、それらの
結果の和をとったものに対応する。
のフレーム応答を抑制し、その結果、高速応答(r+d
<200ms:rは液晶分子の立上がり時間、dは立下
がり時間)と高コントラスト(40:1以上)とを達成
できる。すなわち、STNなどの単純マトリックス表示
装置において従来駆動表示では困難とされていた高品位
の画像提供が可能になる。
つきを抑制できれば、コントラスト改善に効果的なML
A法を用いた低周波駆動を行うことによって、表示品質
を高位に保ちつつ低消費電力化を実現できることにな
る。
らつきとは次のようなものである。MLA法で単純マト
リクス液晶表示素子を駆動周波数60Hz以下で低周波
駆動した場合に、文字情報を表示する領域以外の背景地
に輝度の微小な変化が間欠的に現れることがある。文字
情報を表す領域にも連関して輝度の変化が出る。全体と
して見ると明らかに、文字を表示しているが小さな波を
うっているような微小変化が部分的に起きていることが
わかる。これは、文字情報を示す画素のコントラストよ
りはかなり低い輝度の変化である。
化として十分に視認できるものである。ただし、個人
差、年齢差があり、このちらつきをあまり感じない人も
存在するが、一般的に、視認者によるちらつきの感知を
平均的、統計的にみて評価した場合、低い表示品質のも
のであると判断される。また、このちらつきは、文字情
報そのものが見えにくくなるといったものではなく、さ
らに、工業規格として標準的に定まっているわけでもな
いが、市場において、一般販売される表示装置として求
められる品位のものではない。また、定常的にちらつき
が発生しない方がよいことはいうまでもない。
よっても、表示品位が変わり得るが、関係するその他の
使用環境を総合的に評価したうえで、安定したちらつき
のない表示を得ることが重要である。
かの階調表示方式を用いる必要があるので、ここで、単
純マトリクス方式による各種階調方式における問題点に
ついて説明する。
加される最短期間を1フレームとし、複数のフレームを
1単位としてオンとオフのパターンを周期的に繰り返す
ことによって中間調を表示する方法である。階調数は1
単位中のフレーム数を増やことによって増大する。しか
し、フレーム数を増やすと、1単位の周期が長くなるの
で、オンとオフの繰り返しに対する液晶の応答が人間に
ちらつきとして認識される。従って、単純にMLA法と
組み合わせて低周波駆動を行うと、ちらつきを増大させ
てしまう。
け、それらにオンに相当する電圧レベルとオフに相当す
る電圧レベルを割り当てて、オンとオフの組み合わせに
よって中間調を表示する方法である。時間領域数に応じ
て中間調は増大する。しかし、階調数を増加させると、
時間あたりの印加電圧の変位回数が増大する。印加電圧
の変位部分には電圧歪みが生じ、波形歪みは印加電圧実
効値の損失を引き起こすので表示上尾引き現象が生ず
る。さらに、MLA法と組み合わせた場合には、時間当
たりの電圧変位数が増えて消費電流が増大してしまう。
されたときに、それに同期して列電極側にも交差する部
分に所定の電圧が印加される。階調表示を行わない場合
には、オン時にはオンに相当する電圧レベルが印加さ
れ、オフ時にはオフに相当する電圧レベルが印加され
る。振幅変調では、それらの中間の電圧を印加すること
によって中間電圧を発生し中間調を実現する。振幅変調
では、電圧平均化法を満足させるために、列電圧に補正
電圧を印加する必要がある。そのために、列ドライバの
出力レベル数が増大する。従って、階調を増やすと中間
電圧レベルと補正電圧レベルが増大する。MLA法と組
み合わせると、より多くの電圧レベルが必要になり、や
はり消費電力の増大を招く。
めのものであって、MLA法で単純マトリクス方式の液
晶表示装置を駆動する駆動方法において、低周波駆動を
行っても、液晶パネルのちらつきを防止することができ
る液晶表示装置の駆動方法を提供することを目的とす
る。さらに、高精細液晶パネルをマルチプレクス駆動す
る際に、低消費電力化を同時に達成できる駆動方法を提
供することを目的とする。
る液晶表示装置の駆動方法は、単純マトリクス液晶表示
素子を直交行列を用いた複数ライン同時選択法で駆動す
る駆動方法であって、n行m列の直交行列をAとし、直
交行列Aの行要素のうちn/2(n:偶数)行の行要素
の極性を反転させて直交行列A1とし、他のn/2行の
行要素の極性を反転させて直交行列A2とし、直交行列
としてA1を用いて複数ライン同時選択駆動を行った後
に直交行列A2を用いて複数ライン同時選択駆動を行
い、直交行列A1とA2の行要素のうち反転させた行と
反転させていない行とを隣接する行電極に対応させるこ
とを特徴とする。
駆動方法は、単純マトリクス液晶表示素子を直交行列を
用いた複数ライン同時選択法で駆動する駆動方法であっ
て、n行m列の直交行列をAとし、直交行列Aの行列要
素をすべて極性反転した直交行列をA ̄とし、直交行列
Aの各行を1行おきの各行電極に対応させるとともに直
交行列A ̄の各行を直交行列Aに対応した各行電極の隣
接行電極に対応させて駆動した後、直交行列Aと直交行
列A ̄を入れ替えて駆動することを特徴とする。
駆動方法は、好ましい直交行列Aとして、
れる直交行列を用いることを特徴とする。
駆動方法は、オンデータとオフデータの組み合わせで中
間電圧を発生するフレーム間引き法を用い、連続する任
意の2フレームで各行電極のオンデータとオフデータの
数の平均値が等しくなるように各画素にオンデータとオ
フデータとを割り付けることを特徴とする。
駆動方法は、請求項4記載の駆動方法において、隣接す
る2つの行電極のうちの一方の行電極に印加される電圧
パルスを他方の行電極に印加されるパルス幅と異なら
せ、次に一方の行電極と他方の行電極に印加されるパル
ス幅を入れ替えて駆動することを特徴とする。
を30〜60Hzとすれば、従来の駆動周波数60〜7
0Hz程度に比べて、液晶表示装置の消費電力を低減さ
せることができる。
図1は、本発明の液晶表示装置の駆動方法の一構成例を
示すブロック図である。図1において、MLA駆動回路
10は、画像データ100と制御信号101とを入力
し、列ドライバに対して列データ信号104を出力し、
列ドライバと行ドライバに対して必要な制御信号108
を出力する。また、行ドライバに対して直交行列信号1
11を出力する。制御信号101には、ドットクロック
信号、垂直同期信号、水平同期信号、画像データの有効
期間を示すデータ・イネーブル信号等が含まれる。
を持った画像データ100は、階調処理回路11に入力
される。階調処理回路11は、入力した画像データ10
0を各表示フレームごとの階調レベルを示す階調データ
102に変換してフレームメモリ12に書き込む。フレ
ームメモリ12は、複数ライン同時選択駆動(MLA駆
動)するために複数回読み出されるまで、書き込まれた
階調データを保持する。
列を保持し、所定期間毎に出力されるタイミングコント
ロール回路15からの指示信号109に応じて、いずれ
かの直交行列信号111を行ドライバに出力する。ま
た、直交行列信号111と同一内容の直交行列信号11
0をMLA演算回路13に出力する。
2から階調データ103を読み出し、階調データ103
と直交行列信号110との内積演算を行って列電極に印
加される電圧パターンを生成する。そして、電圧パター
ンを列データ信号104として列ドライバに出力する。
タイミングコントロール回路15は、各回路ブロックに
対して必要な制御信号105,106,107と列ドラ
イバおよび行ドライバに対する制御信号108を生成す
る。
に応じて液晶パネルの列電極に液晶駆動電圧を印加す
る。また、行ドライバは、行選択パターン信号に応じて
液晶パネルの行電極に所定の電圧を印加する。以下、図
1に示したMLA駆動回路の動作について説明する。た
だし、以下に説明する例1および例2は、2値画像を表
示する場合の例である。従って、例1および例2に示す
駆動方法を実現するMLA駆動回路10では、階調処理
回路11は必要とされない。
インであるドットマトリクスの液晶表示素子において、
MLA法で4×4の直交行列を用いて順次4本の行ライ
ンを選択する。各画素にオンまたはオフに相当する実効
電圧が印加される最小周期を1フレーム期間とすると、
1フレーム期間に1つの行ラインが選択される回数が、
4回なので1フレーム期間は120選択期間となる。
交行列(選択行列)「A」の第1行と第3行の行列要素
の極性を反転させた直交行列「A1」と、直交行列
「A」の第2行と第4行の行列要素の極性を反転させた
直交行列「A1」とを使用する。
各列を入れ替えることによって生成される行列も直交行
列であり、本例および以下に説明する各例において、そ
のように生成される直交行列を用いても同様の効果が得
られる。また、他の直交行列を用いても同様である。
す。MLA法による駆動では、行電極に直交行列の各行
を割り当て、直交行列の行列要素を、+1のときには+
Vrとして、−1のときには−Vrとして、列毎に一括
して印加する。同時に、列電極には、行電極と列電極が
交差する表示データをオンのとき−1、オフのとき+1
とし、直交行列の列要素との内積値に比例した電圧値を
印加する。
ータと直交行列「A1」,「A2」の列要素との内積値
を列データ信号104として列ドライバに出力し、列ド
ライバは、列データ信号104に応じた電圧を列電極に
印加する。また、直交関数発生回路16は、列データ信
号104との同期をとって、直交行列「A1」,
「A 2」の各列要素を直交行列信号111として行ドラ
イバに出力する。
るサブグループを定義し、それぞれのサブグループに直
交行列を対応させる。そして、直交行列の列要素を1回
ずつ対応させて、所定のオン表示やオフ表示に相当する
電圧が印加される。例1では、図3に示すように、連続
する4本の行電極を1つのサブグループとし、直交行列
として第1フレームでは「A1」、それに続く第2フレ
ームでは「A2」を用いる。なお、図3において、数字
は行電極番号を示す。
に印加される電圧レベルを示す説明図である。図4で
は、一例としてオフ表示がなされる場合を示す。上段は
直交行列として「A1」を用いたときの印加電圧のパル
ス系列を示す。すなわち、期間t1において直交行列の
第1列、期間t2において第2列、期間t3において第
3列、期間t4において第4列に相当する電圧が行電極
に印加され、列電極に、直交行列「A1」の各列要素と
表示データとの内積値が印加されたときの各画素に印加
される電圧パルスを示す。ここで、Vcは内積値=−2
に相当する電圧レベルであり、−Vcは内積値=2に相
当する電圧レベルである。
て、各行電極における画素に印加される電圧パルスの振
幅は等しく、|2Vr|である。しかし、極性は、1行
おきに反対になっている。すなわち、隣接する行電極に
おける画素には、極性の異なる電圧レベル((a)に示
す電圧系列と(b)に示す電圧系列)が印加される。
いられる。図4下段は、直交行列として「A2」を用い
たときの印加電圧のパルス系列を示す。第2フレームで
も各行電極で印加される電圧パルスの振幅は等しく、|
2Vr|である。しかも、極性も、第1フレームの場合
と同様に1行おきに反対になっている。しかし、第2フ
レームでは、各行電極における画素に対して第1フレー
ムで印加される電圧レベルとは極性が異なるレベルが印
加される。つまり、行電極と電圧系列(a)および電圧
系列(b)との組み合わせが互いに入れ替わっている。
については同じであるが、極性が互いに反対である。液
晶素子は実効電圧に応答するものと近似できるが、極性
は異なるがレベルが同一の実効電圧を外部から印加して
も、液晶素子自身の非対称性によって同一の光学特性を
示さないことは既に述べた。よって、第1フレームで全
行が(a)の電圧系列で、第2フレームで全行が(b)
の電圧系列で電圧印加された場合には、液晶素子の非対
称性に起因して輝度変化、すなわちちらつきが視認され
る。
は第1の直交行列「A1」を用い、第2フレームでは直
交行列「A2」を用いることによって、液晶の交流化が
実現でき、さらに液晶素子に印加される電圧系列
(a),(b)の極性の組み合わせがそれぞれ隣接する
行毎に分散され、フレーム毎に入れ替わることによっ
て、ちらつきが抑制される。
(a)で駆動される場合と電圧系列(b)で駆動される
場合とで、輝度の違いが大きくなっていく。しかし、こ
の例では、各行電極は、隣接する行で輝度変位が相殺さ
れるように駆動されるので、ちらつきが目立たない。
えば従来の駆動法では60Hz以下の駆動周波数ではち
らつきが目立つようになっていたのに対して、駆動周波
数を30Hz程度にまで下げてもちらつきが目立たない
ようになった。すなわち、駆動周波数を、従来の半分程
度に下げることが可能になる。その結果、液晶表示装置
における消費電力も、半分程度にまで下げることができ
る。
行ライン数が120ラインであるドットマトリクスの液
晶表示素子において、MLA法で4×4の直交行列を用
いて順次4本の行ラインを選択する。
交行列「A」と、直交行列「A」の全行列要素の極性を
反転させた直交行列(以下「A ̄」とする。)とを用い
る。そして、図5に示すように、行電極を1本おきに選
択して同時選択数に応じたサブグループを設ける。この
例では、1つのサブグループは4本の行電極からなる。
さらに、1つのサブグループに直交行列Aを対応させ、
そのサブグループの各行電極に隣接する各行電極からな
るサブグループには直交行列「A ̄」を対応させる。
「A」の各行に対応した行電極と直交行列「A ̄」の各
行に対応した行電極とが、交互に配置されることにな
る。なお、図6において、c、dは、電圧系列を示す。
に印加される電圧レベルを示す説明図である。図7で
は、一例としてオフ表示がなされる場合を示す。上段は
直交行列として「A」を用いたときの印加電圧のパルス
系列を示し、図7下段は、直交行列として「A ̄」を用
いたときの印加電圧のパルス系列を示す。
1列、期間t2において第2列、期間t3において第3
列、期間t4において第4列に相当する電圧が各行電極
に印加され、列電極に、直交行列「A」または「A ̄」
の各列要素と表示データとの内積値が印加されたときの
各画素に印加される電圧パルスが表されている。ここ
で、Vcは内積値=−2に相当する電圧レベルであり、
−Vcは内積値=2に相当する電圧レベルである。
ープの各行電極における画素に印加される電圧パルスの
振幅は、電圧系列(c)のように等しい。また、図7の
下段に示すように、第2のサブグループの各行電極にお
ける画素に印加される電圧パルスの振幅は、電圧系列
(d)のように等しい。また、上述したように、第1の
サブグループを構成する各行電極と第2のサブグループ
を構成する各行電極とは交互に配されている。すると、
各行電極に印加される電圧系列の極性は、1行おきに反
対になる。すなわち、例1の場合と同様に、隣接する行
電極では、極性の異なる電圧レベル((c)に示す電圧
系列と(d)に示す電圧系列)が印加される。
に対応させる直交行列を入れ替えて交流化を行う。以上
のようにすることによって、例1と同様に極性の組み合
わせがそれぞれ隣接する行毎に分散され、フレーム毎に
入れ替わることによって、ちらつきが抑制される。
ブグループとした。そして、直交行列として第1フレー
ムにおいて「A」を用い、第2フレームにおいて「A
 ̄」を用いた。例1との違いは、各フレームで使用され
る直交行列において行要素の反転が行われていないこと
である。また、例2と比較すると、各サブグループを構
成する行電極が連続した4行であることが異なってい
る。
れる電圧レベルは、図7に示す例2と同じである。しか
し、比較例1では、例2の場合とは異なり、図7上段
が、連続する4本の行電極についての各画素に対する第
1フレームでの印加電圧レベルに相当し、下段が同じ4
本の行電極についての各画素に対する第2フレームでの
印加電圧レベルに相当する。すなわち、第1フレームで
は全ての行電極について電圧系列(c)で駆動され、第
2フレームでは全ての行電極について電圧系列(d)で
駆動される。電圧系列(c)と電圧系列(d)とは、レ
ベルが同じであるが逆極性である。
全面でちらつきが生じた。その理由は、第1フレームと
第2フレームで異なる極性の電圧が印加されることか
ら、第1フレームと第2フレームで輝度差が生ずること
による。
ち、フレーム間引き法による中間調表示に応用した場合
について説明する。本例では、4フレームを1周期とし
て、フレーム毎にオンとオフを表示して中間調を表示す
るフレーム間引き法を用いる。フレーム間引き法では、
オン表示(最大階調)を行うときは4フレーム期間すべ
てでオンを、オフ表示(最小階調)を行うときはすべて
オフを表示する。オン表示およびオフ表示以外の中間調
は、4回の表示期間でオンの数を制御することによって
発生する。
れるオンオフデータの関係を示す説明図である。各階調
レベルについて、横方向を表示を行う順番とすれば、階
調レベル「3」では最初にオフを表示した後3回オンを
表示する。なお、具体的には、各画素に印加されるオン
データまたはオフデータが決まったら、図1に示すML
A演算回路13は、例1または例2の場合と同様に、直
交行列「A1」および「A2」、または直交行列「A」
および「A ̄」を用いてオンオフデータとの間で内積演
算を行い、演算結果を列デ−タ信号104とする。ま
た、同時選択数に応じてサブグループが設定されること
は例1または例2の場合と同様である。
印加を開始する位置(表示順「0」〜「3」のいずれ
か)を変えることでちらつきを抑制する。以下、図8
(a)に示すものを位相テーブルとよぶ。この例では、
表示画面の位置に応じて電圧印加開始位相を変える。
4画素の集合に分ける。図8(b)は、4画素と電圧印
加開始位相との関係を示す説明図である。図8(b)に
おいて、左側の(0,0)、(0,1)、(1,0)お
よび(1,1)は、それぞれ4画素中の各画素を示す。
図8(b)の右側は、第1〜第4フレームでの電圧印加
位相を示す。
を表示するときについて説明を行う。図8(b)に示す
ように、第1フレームでの各画素(0,0),(0,
1),(1,0),(1,1)の位相は、それぞれ、
「0」、「2」、「1」、「3」である。第2〜第4フ
レームでは、それぞれの画素について、表示の位相は1
ずつ移動していく。
「3」の場合には位相「0」のときにオフ(=0)が表
示されるのであるが、第1〜第4フレームで、位相
「0」となる画素位置は上下に移動していく。すなわ
ち、行電極毎の平均輝度は、2フレーム毎に均等になる
ように駆動される。つまり、第1フレームで明るい行ラ
インは次のフレームでは暗くなるとともに、隣接する行
ラインではその反対となって、フレーム毎に輝度差の大
小は入れ替わることになる。すると、ちらつきは視認し
ずらくなる。以上のように、本例では、連続する任意の
2フレームで各行電極のオンデータとオフデータの数の
平均値が等しくなるように各画素にオンデータとオフデ
ータとを割り付けることによって、ちらつきを低減させ
る。
たが、他の階調レベルについても同様であり、以上のよ
うな駆動方法を用いることによって、ちらつきのない5
階調表示が実現される。従って、従来の駆動方法に比べ
て、同程度のちらつきに抑えるための駆動周波数を下げ
ることができ、その結果、消費電力を低減することがで
きる。
ムを1周期としてフレーム毎にオンとオフを表示して中
間調を表示するフレーム間引き法において、図9に示す
ような位相配置を用いた。このとき表示画面全面に階調
レベル「3」を表示したときには、各フレームにおい
て、「0」の数字の位置でオフが表示される。すると、
例3の場合に比べると「0」の位置の移動周期が2倍に
なり、複数フレームでオフの表示が連続する行ラインが
出てくる。行電極毎の平均輝度は4フレームで均等化さ
れるが、行ライン毎の平均輝度差が視認され、流れのよ
うなちらつきのある中間調表示が確認された。
とができる駆動方法を説明する。本例では、例3の場合
と同様に、4フレームを1周期としてフレーム毎にオン
とオフを表示して中間調を表示するフレーム間引き法を
用いる。
択パルスのパルス期間を示す。また、図10(b)はこ
の例での位相テーブルを示す。図10(a)に示すよう
に、例えば奇数フレームでは、奇数番目の行電極に印加
される行選択パルス幅をW1とし、偶数番目の行電極に
印加される行選択パルス幅をW2とする。そして、偶数
フレームでは、逆に、偶数番目の行電極に印加される行
選択パルス幅をW1とし、奇数番目の行電極に印加され
る行選択パルス幅をW2とする。なお、この例では、W
1:W2=1:0.8とする。
めの4フレームにおけるオンデータおよびオフデータは
図10(b)に示すとおりである。なお、図10(b)
において、欄外のW1,W2は、それぞれの位相におい
て用いられるべき行選択パルス幅を示す。
(b)に示すものを用いる。そして、各画素に印加され
るオンデータまたはオフデータが決まったら、図1に示
すMLA演算回路13は、例1または例2の場合と同様
に、直交行列「A1」および「A2」、または直交行列
「A」および「A ̄」を用いて内積演算を行い、演算結
果を列デ−タ信号104とする。また、同時選択数に応
じてサブグループが設定されることは例1または例2の
場合と同様である。
を表示するときについて説明を行う。図8(b)に示す
ように、第1フレームでの各画素(0,0),(0,
1),(1,0),(1,1)の位相は、それぞれ、
「0」、「2」、「1」、「3」である。第2〜第4フ
レームでは、それぞれの画素について、表示の位相は1
ずつ移動していく。
0),(0,1)は奇数番目の行電極で駆動され、下段
の2画素(1,0),(1,1)は偶数番目の行電極で
駆動されるとする。
「1」の場合には位相「3」のときにオン(=1)が表
示されるのであるが、上段の2画素(0,0),(0,
1)では、第2フレームまたは第4フレームで位相
「3」の表示がなされる。奇数番目の行電極では、第2
フレームおよび第4フレームでともに短い行選択パルス
W2が印加されるので、第1〜第4フレームで階調レベ
ル「1」の表示が実現される。
1)では、第1フレームまたは第3フレームで位相
「3」の表示がなされる。偶数番目の行電極では、第1
フレームおよび第3フレームでともに短い行選択パルス
W2が印加されるので、やはり、第1〜第4フレームで
階調レベル「1」の表示が実現される。
第1〜第4フレームで、位相「3」となる画素位置は上
下に移動していく。すなわち、行電極毎の平均輝度は、
2フレーム毎に均等になるように駆動される。つまり、
第1フレームで明るい行ラインは次のフレームでは暗く
なるとともに、隣接する行ラインではその反対となっ
て、フレーム毎に輝度差の大小は入れ替わることにな
る。すると、ちらつきは視認しずらくなる。以上のよう
に、本例では、連続する任意の2フレームで各行電極の
オンデータとオフデータの数の平均値が等しくなるよう
に各画素にオンデータとオフデータとを割り付けること
によって、ちらつきを低減させる。
「8」に応じて、4フレーム期間でオンの回数によって
9階調の中間調表示が可能であるが、例3に比べ、さら
に階調数を増大させることができる。オン表示やオフ表
示は、行選択パルスと列電圧パルスとの差電圧によって
決まるが、行選択パルスの幅を変化させることによっ
て、差電圧の印加時間を制御することができるからであ
る。
の駆動方法と、例3の駆動方法とを組み合わせ、さら
に、隣接する行電極に対する行選択パルス幅を異なら
せ、かつ、行電極において隣接フレームでの行選択パル
ス幅を異ならせることによって、例3の場合に比べ、よ
り多くのちらつきのない9階調表示が実現される。
A法において、例3の場合と同様に4フレームを1周期
として、例4の駆動法の代わりに、1選択期間(行ライ
ンに1度電圧パルスが印加される期間)を2分割にし
て、それら各分割期間に表示データを与えて9階調を実
現した。例4の場合と同様にちらつきのない9階調表示
が確認された。しかし、その方法では、中間調表示で列
電圧レベルの変位回数が増大し、消費電力が大幅に増大
してしまう。
Aとし、直交行列Aの行要素のうちn/2行の行要素の
極性を反転させて直交行列A1とし、他のn/2行の行
要素の極性を反転させて直交行列A2とし、直交行列と
してA1を用いて複数ライン同時選択駆動を行った後に
A2を用いて複数ライン同時選択駆動を行うように構成
することによって、隣接する行電極間で輝度変位が相殺
されるような表示を行うことが可能になり、駆動周波数
を下げてもちらつきを防止することができる。すなわ
ち、駆動周波数を低下させることによって消費電力の低
減を実現することができる。
行列Aの行列要素をすべて極性反転した直交行列をA ̄
とし、直交行列Aの各行を1行おきの各行電極に対応さ
せるとともに直交行列A ̄の各行を直交行列Aに対応し
た各行電極の隣接行電極に対応させて駆動した後、直交
行列Aと直交行列A ̄を入れ替えて駆動するように構成
しても、隣接する行電極間で輝度変位が相殺されるよう
な表示を行うことが可能になり、駆動周波数を下げても
ちらつきを防止することができる。
交行列、または直交行列Aの行もしくは列を入れ替えて
生成される直交行列を用いた場合には、隣接する行電極
間で輝度変位が相殺されるような表示が実現され、駆動
周波数を下げてもちらつきを防止することができる。
間電圧を発生するフレーム間引き法を用い、連続する任
意の2フレームで各行電極のオンデータとオフデータの
数の平均値が等しくなるように各画素にオンデータとオ
フデータとを割り付けるように構成した場合には、ちら
つきのない中間調表示を行うことができる。
の行電極に印加される電圧パルスを他方の行電極に印加
されるパルス幅と異ならせ、次に一方の行電極と他方の
行電極に印加されるパルス幅を入れ替えて駆動するよう
に構成した場合には、ちらつきを低減させた上で、中間
調の階調数を増やすことができる。
れば、従来の駆動周波数60〜70Hz程度に比べて、
液晶表示装置の消費電力を低減させることができる。
すブロック図。
関係を示す説明図。
素に印加される電圧レベルを示す説明図。
係を示す説明図。
示す説明図。
素に印加される電圧レベルを示す説明図。
オフデータの関係を示す説明図、(b)は4画素と電圧
印加開始位相との関係を示す説明図。
図。
のパルス期間、(b)は例4での位相テーブルを示す説
明図。
図。
Claims (6)
- 【請求項1】直交行列を用いた複数ライン同時選択法で
単純マトリクス液晶表示素子を駆動する液晶表示装置の
駆動方法において、 n行m列の直交行列をAとし、直交行列Aの行要素のう
ちn/2(n:偶数)行の行要素の極性を反転させて直
交行列A1とし、他のn/2行の行要素の極性を反転さ
せて直交行列A2とし、直交行列A1を用いて複数ライ
ン同時選択駆動を行った後に直交行列A2を用いて複数
ライン同時選択駆動を行い、直交行列A 1および直交行
列A2の各行のうち反転させた行と反転させていない行
とを隣接する行電極に対応させることを特徴とする液晶
表示装置の駆動方法。 - 【請求項2】単純マトリクス液晶表示素子を直交行列を
用いた複数ライン同時選択法で駆動する液晶表示装置の
駆動方法において、 n行m列の直交行列をAとし、直交行列Aの行列要素を
すべて極性反転した直交行列をA ̄とし、直交行列Aの
各行を1行おきの各行電極に対応させるとともに直交行
列A ̄の各行を直交行列Aに対応した各行電極の隣接行
電極に対応させて駆動した後、直交行列Aと直交行列A
 ̄を入れ替えて駆動することを特徴とする液晶表示装置
の駆動方法。 - 【請求項3】直交行列Aとして、 【数1】 または、直交行列Aの行もしくは列を入れ替えて生成さ
れる直交行列を用いる請求項1または請求項2に記載の
液晶表示装置の駆動方法。 - 【請求項4】オンデータとオフデータの組み合わせで中
間電圧を発生するフレーム間引き法を用い、連続する任
意の2フレームで各行電極のオンデータとオフデータの
数の平均値が等しくなるように各画素にオンデータとオ
フデータとを割り付ける請求項1、2または3に記載の
液晶表示装置の駆動方法。 - 【請求項5】隣接する2つの行電極のうちの一方の行電
極に印加される電圧パルスを他方の行電極に印加される
パルス幅と異ならせ、次に一方の行電極と他方の行電極
に印加されるパルス幅を入れ替えて駆動する請求項4に
記載の液晶表示装置の駆動方法。 - 【請求項6】駆動周波数を30〜60Hzとする請求項
1、2、3、4または5に記載の液晶表示装置の駆動方
法。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003057657A (ja) * | 2001-08-21 | 2003-02-26 | Optrex Corp | 液晶表示装置 |
JP2003108082A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-11 | Optrex Corp | 液晶表示装置の駆動方法および駆動装置 |
US6806858B2 (en) | 2001-08-09 | 2004-10-19 | Seiko Epson Corporation | Electro-optical apparatus and method of driving electro-optical material, driving circuit therefor, electronic apparatus, and display apparatus |
JP2008076701A (ja) * | 2006-09-21 | 2008-04-03 | Optrex Corp | 液晶表示装置の駆動方法 |
JP2008083635A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-10 | Optrex Corp | 液晶表示装置の駆動方法 |
US7456814B2 (en) | 2001-06-07 | 2008-11-25 | Lg Display Co., Ltd. | Liquid crystal display with 2-port data polarity inverter and method of driving the same |
-
1999
- 1999-04-02 JP JP9648499A patent/JP3875809B2/ja not_active Expired - Fee Related
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