JP2000292253A - 熱型赤外線検知器 - Google Patents

熱型赤外線検知器

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JP2000292253A
JP2000292253A JP11103355A JP10335599A JP2000292253A JP 2000292253 A JP2000292253 A JP 2000292253A JP 11103355 A JP11103355 A JP 11103355A JP 10335599 A JP10335599 A JP 10335599A JP 2000292253 A JP2000292253 A JP 2000292253A
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JP
Japan
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infrared
radiation shield
wiring
infrared detector
opening
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Application number
JP11103355A
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English (en)
Inventor
Minoru Tsuchikawa
稔 土川
Masanori Takano
真紀 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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  • Radiation Pyrometers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度計測精度が高い熱型赤外線検知器を提供
する。 【解決手段】 赤外線入射用開口部41を有する赤外線
遮断用の輻射シールド4を、赤外線検出素子2を覆い、
かつ、赤外線入射用開口部41以外に開口部を有さない
ように前記電子冷却素子3上に固着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱型赤外線検知器
に関し、特に、安定した温度計測が可能なボロメータ型
の熱型赤外線検知器に関する。
【0002】
【従来の技術】ボロメータ型の熱型赤外線検知器は、赤
外線の入射による温度変化を抵抗の変化としてとらえる
ことを動作原理としている。検知素子はシリコンウェハ
上から細い梁により熱的に分離されたダイアフラムを持
ち、このダイアフラム上に抵抗(ボロメータ)が形成さ
れている。赤外線検出素子は、この検知素子をアレイ状
に配置して構成され、2次元の赤外線画像を得ることが
できるようになっている。
【0003】従来の熱型赤外線検知器の概略断面構成を
図7に示す。この熱型赤外線検知器100では、シリコ
ンウェハとダイアフラム間の熱的な分離を向上させるた
め、赤外線検出素子2は真空容器10内に保持される。
真空容器10は、インナーパッケージ11、アウターパ
ッケージ12、赤外線が入射する窓13で構成されてい
る。また、赤外線の入射に起因するダイアフラム部分の
温度上昇による抵抗の変化は、バイアス電流を印加する
ことにより読み出す。
【0004】このため、バイアス電流によって引き起こ
されるジュール加熱に起因する発熱による検知素子自身
の温度上昇が問題となる。この温度上昇は、目標からの
赤外線入射によるダイアフラム部分の温度上昇をはるか
に上回る。通常、この発熱による検知素子の温度上昇を
押さえる目的で、赤外線検出素子2は電子冷却素子3上
に置かれ、一定温度に保たれる。
【0005】よって、ボロメータ型の熱型赤外線検知器
100は、電子冷却素子3及び電子冷却素子3上に置か
れた赤外線検出素子2を真空容器10内に収納して構成
される。真空容器10を真空にするには、排気管14を
介して真空容器10内を真空にした後、排気管14を圧
切りすることにより行われる。
【0006】この熱型赤外線検知器100を使用して画
像を得る場合には、赤外線検出素子2のダイアフラム部
に焦点を合わせた光学系と、熱型赤外線検知器100の
読み出し用の回路が付加される。
【0007】また、この熱型赤外線検知器100を温度
計測の目的で使用する場合、目標からの赤外線信号を絶
対値として電気信号に変換する必要があるため、外界の
温度変化により真空容器10や光学系の鏡筒部が温度変
化し、その赤外線輻射が赤外線検出素子2に入射するこ
とは温度測定精度の劣化をきたすこととなる。
【0008】このため、輻射シールドと称する開口部1
01を有する金属部品102を赤外線検出素子2前面に
配置し、光学系の絞りをこの開口に一致させることによ
り、赤外線検出素子2に入射する赤外線輻射を、光学系
の有効部分を通過したもの及び輻射シールド102から
の輻射に限定することが提案されている。
【0009】温度計測を目的とし、光学系と開口整合を
とった赤外線検知器100は、図8に示す様な形状の輻
射シールド102を採用していた。赤外線検出素子2上
のボンディングパッドと信号引き出し部6を直接ボンデ
ィング103していたため、輻射シールド102を電子
冷却素子3に接着する際に、輻射シールド102がボン
ディングワイヤ103に接触する。これを防ぐため、輻
射シールド102には切り欠き部104を作る必要があ
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の輻射シールド102を有する熱型赤外線検知
器100は、外乱となる赤外線輻射の遮断効果が低く、
しかも、輻射シールド102自体の温度分布が大きく、
そのため、温度計測精度が低いという問題がある。
【0011】本発明は上記問題点にかんがみてなされた
ものであり、温度計測精度が高い熱型赤外線検知器の提
供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の熱型赤外線検知器は、赤外線を検出
する赤外線検出素子と前記赤外線検出素子を冷却する電
子冷却素子とを真空容器内に収納してなる熱型赤外線検
知機において、赤外線入射用開口部を有する赤外線遮断
用の輻射シールドを、前記赤外線検出素子を覆い、か
つ、前記赤外線入射用開口部以外に開口部を有さないよ
うに前記電子冷却素子上に固着してなる構成としてあ
る。
【0013】このような構成の発明によれば、輻射シー
ルドが、赤外線入射用開口部以外に開口部を有さずに電
子冷却素子上に固着されているので、必要な開口部以外
は全て密封構造となっているため、外乱となる赤外線輻
射を完全に遮断でき、安定した温度計測が可能である。
また、電子冷却素子との接触面積が増大しているため、
輻射シールド自体の温度分布が均一になり、この点でも
安定した温度計測が可能である。
【0014】請求項2記載の熱型赤外線検知器は、請求
項1記載の熱型赤外線検知器において、外部と電気的に
接続可能な外部接続用端子と前記赤外線検出素子とを電
気的に接続する配線が、前記輻射シールドと前記電子冷
却素子との固着部の下を通って設けられている、又は前
記固着部を構成している構成としてある。
【0015】このような構成の発明によれば、上記輻射
シールドの密封構造を実現するため、赤外線検出素子を
外部と電気的に接続する配線を、輻射シールドと電子冷
却素子との固着部を構成するか又はその下を通すように
構成している。
【0016】請求項3記載の熱型赤外線検知器は、請求
項1又は2記載の熱型赤外線検知器において、前記輻射
シールドが前記電子冷却素子を構成する絶縁基板の上面
に固着されている構成としてある。
【0017】このような構成の発明によれば、絶縁基板
を複層絶縁層で構成し、これらの層間に配線を通すこと
によって、又は絶縁基板の表面に配線を埋め込むことに
よって、赤外線検出素子を外部と電気的に接続する配線
が、輻射シールドと電子冷却素子との固着部を構成し又
はその下を通すように構成できる。
【0018】請求項4記載の熱型赤外線検知器は、請求
項3記載の熱型赤外線検知器において、前記外部接続用
端子と前記赤外線検出素子とが、前記輻射シールドの内
側に存する内側電極と前記赤外線検出素子とを接続する
第1配線と、前記輻射シールドの外側に存する外側電極
と前記外部接続用端子とを接続する第2配線と、前記第
1配線と前記第2配線とを接続し、前記絶縁基板に埋め
込まれている埋込配線とにより接続されている構成とし
てある。
【0019】このような構成の発明によれば、赤外線検
出素子を外部と電気的に接続する配線を、輻射シールド
と電子冷却素子との固着部の下を通すように構成でき
る。
【0020】請求項5記載の熱型赤外線検知器は、請求
項4記載の熱型赤外線検知器において、前記埋込配線
が、前記絶縁基板を構成する複層絶縁基板の層間に設け
られている層間配線と、前記層間配線と前記内側電極及
び前記外側電極とをそれぞれ接続する貫通配線とを有す
る構成としてある。
【0021】このような構成の発明によれば、複層絶縁
層の層間に配線を通すことによって、赤外線検出素子を
外部と電気的に接続する配線が、輻射シールドと電子冷
却素子との固着部の下を通すように構成できる。
【0022】請求項6記載の熱型赤外線検知器は、請求
項3〜5いずれかに記載の熱型赤外線検知器において、
前記輻射シールドが、前記赤外線検出素子の側方を覆う
枠部とこの枠部の上面に取り付けられている天井部とを
備える構成としてある。
【0023】このような構成の発明によれば、枠部を例
えばセラミックのごとく絶縁性の材料で構成すれば、枠
部に接触して輻射シールドと電子冷却素子との固着部を
構成する埋込配線を形成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱型赤外線検知器
の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1
は、本発明の熱型赤外線検知器の第1実施形態の概略の
断面構造を示す概念図である。
【0025】この熱型赤外線検知器1は、平板状の赤外
線検出素子2を備え、この赤外線検出素子2の下にペル
チェ効果を利用した電子冷却素子3が接合されている。
これらの赤外線検出素子2と電子冷却素子3とは真空容
器10の中に収納されている。真空容器10は、平板の
金属製インナーパッケージ11に箱状の金属製アウター
パッケージ12が溶接で接合され、アウターパッケージ
12の開口部には赤外線入射用の窓13がハンダ等の低
融点金属により接合されている。
【0026】電子冷却素子3の最上部には絶縁基板とし
てのセラミック基板31が設けられており、赤外線検出
素子2はこのセラミック基板31上に接合されている。
電子冷却素子3の最下部はインナーパッケージ11に接
着され、電子冷却素子3は赤外線検出素子2を冷却する
一方、インナーパッケージ11に熱を放出するようにな
っている。赤外線入射用開口部41を有する輻射シール
ド4が赤外線検出素子2を覆うようにその下端縁全体が
セラミック基板31の上面に隙間無く接着により固着さ
れている。
【0027】したがって、輻射シールド4は、赤外線入
射用開口部41以外の開口部を有さず、密閉構造となっ
ている。インナーパッケージ11には外部と電気的に接
続するための外部接続用端子6がインナーパッケージ1
1を貫通して設けられている。真空容器10内の外部接
続用端子6と赤外線検出素子2との間には赤外線検出素
子2を駆動させる信号及び赤外線検出素子2からの出力
信号を伝達するための配線が設けられ、配線の一部は輻
射シールド4とセラミック基板31との固着部の下のセ
ラミック基板31の中をトンネル状に通っている。この
配線については、後に詳述する。
【0028】インナーパッケージ11には銅製の排気管
14が接続され、排気管14を真空排気装置に接続し
て、真空容器10内を所定の真空にした後、銅製の排気
管14を外部より圧切りすることにより真空容器10を
封止するようになっている。図1は圧切り後の排気管1
4を示している。
【0029】図2は、赤外線検出素子2における1画素
の検知素子の断面構造の模式図である。ボロメータ21
を形成したダイアフラム22は、シリコンウエハ23上
から細い梁25により熱的に分離されている。ボロメー
タ型の検知素子は、赤外線の入射による温度変化を抵抗
の変化としてとらえることを動作原理としている。赤外
線検出素子2はこのような画素が2次元にアレイ状に配
列されている。また、ダイヤフラムを形成したシリコン
ウエハ23の下層部には、例えばMOS型のアドレス回
路24が形成されている。
【0030】図3は、図1のA部を拡大した概念図であ
る。この図は、赤外線検出素子2を駆動させる信号及び
赤外線検出素子2からの出力信号を伝達するための赤外
線検出素子2と、外部接続用端子6間の配線7の構成を
示すものである。電子冷却素子3の最上部のセラミック
基板31は、上層セラミック基板311と下層セラミッ
ク基板312の2枚の基板から構成されている。
【0031】上層セラミック基板311には、赤外線検
出素子2のボンディングパッド71とのボンディングに
必要な輻射シールド4の内側に存する内側ボンディング
パッド(内側電極)72と、外部接続用端子6との信号
の入出力に必要なボンディングを行うための輻射シール
ド4の外側に存する外側ボンディングパッド(外側電
極)73、更に下層セラミック基板312へ信号ライン
を引き回すためのスルーホール(貫通配線)74、75
が形成されている。
【0032】また、下層セラミック基板312には、ス
ルーホール74とスルーホール75間を接続するための
層間配線76が形成されている。これらのスルーホール
(貫通配線)74、75と層間配線76が埋込配線を構
成している。上層セラミック基板311と下層セラミッ
ク基板312は配線部の絶縁を維持しつつ、あらかじめ
ロー付けされている。内側ボンディングパッド72と赤
外線検出素子2のボンディングパッド71とは、第1ワ
イヤボンディング77により接続され、外側ボンディン
グパッド73と外部接続用端子6とは第2ワイヤボンデ
ィング78により接続されている。
【0033】図4の平面図を参照して平面構成を説明す
る。チップ状の赤外線検出素子2はこれより面積が大き
いの絶縁基板31上に接着されている。赤外線検出素子
2の端部にはボンディングパッド71が配列し、絶縁基
板31上の内側ボンディングパッド72と第1ワイヤボ
ンディング77によって接続されている。
【0034】また、絶縁基板31の端部には外側ボンデ
ィングパッド73が配列し、外側ボンディングパッド7
3と外部接続用端子6とは第2ワイヤボンディング78
によって接続されている。内側ボンディングパッド72
と外側ボンディングパッド73との間のトンネル状の埋
込配線になっている隙間の絶縁基板31には、輻射シー
ルド4が接着されている。赤外線検出素子2に対して輻
射シールド4は赤外線入射用開口部41以外に開口部を
有さないようになっている。
【0035】このように、赤外線検出素子2の駆動及び
信号の読み出しに必要な複数の配線全てに対して、前述
の輻射シールド4とセラミック基板31との固着部を避
けるトンネル状の構造が採用されている。
【0036】このような輻射シールド4とセラミック基
板31との固着部を避けるトンネル状の埋込配線によ
り、輻射シールド4の下端縁とセラミック基板31との
間には隙間が無く、輻射シールド4の下端縁全体がセラ
ミック基板31に接合されている。
【0037】前述の構造のセラミック基板31をもつ電
子冷却素子3上に輻射シールド4を設置する際は以下の
手順を採用する。まず、赤外線検出素子2のボンディン
グパッド71と内側ボンディングパッド72を第1ボン
ディング77により結線する。更に外側ボンディングパ
ッド73とインナーパッケージ11の外部接続用端子6
を第2ボンディング78により結線する。内側ボンディ
ングパッド72と外側ボンディングパッド73間の結線
が下層セラミック基板312上に施されているため、そ
の間の上層セラミック基板311上に空きスペースが生
じる。このスペースを利用して輻射シールド4を電子冷
却素子3上に接着する。
【0038】赤外線の入射に起因するダイアフラム部分
の温度上昇による抵抗の変化は、バイアス電流を印加す
ることにより読み出す。このため、バイアス電流によっ
て引き起こされるジュール加熱に起因する発熱による赤
外線検出素子2自身の温度上昇を押さえる目的で、赤外
線赤外線検出素子2は電子冷却素子3上に置かれ、一定
温度に保たれる。
【0039】よってボロメータ型の熱型赤外線検知器1
は、電子冷却素子3及び電子冷却素子3上に置かれた赤
外線検出素子2を真空容器10内に収納して構成されて
いる。
【0040】また、この熱型赤外線検知器1を温度計測
の目的で使用する場合、目標からの赤外線信号を絶対値
として電気信号に変換する必要があるため、外界の温度
変化により真空容器や光学系の鏡筒部が温度変化し、そ
の赤外線輻射が赤外線検出素子2に入射することは温度
測定精度の劣化をきたすこととなる。
【0041】このため、赤外線入射用開口部41を有す
る金属部品で構成される輻射シールド4を赤外線検出素
子2の前面に配置し、光学系の絞りをこの開口に一致さ
せる開口整合と呼ばれる手法を採用することにより、赤
外線検出素子2に入射する赤外線輻射を、光学系の有効
部分を通過したもの及び輻射シールド4からの輻射に限
定する。この輻射シールド4は電子冷却素子3上に置か
れ、真空容器10内に収納されるため、外界の温度変化
に無関係に一定温度となり、赤外線検出素子2への外乱
となる赤外線輻射を除外することができる。
【0042】光学系と熱型赤外線検知器の開口整合をと
ることにより、赤外線検出素子2に対して赤外線入射用
開口部41を通過した目標からの赤外線輻射と輻射シー
ルド4内側からの輻射だけが赤外線検出素子2に入射す
る。本発明の熱型赤外線検知器では輻射シールド4に切
り欠きなどがないため、外乱となる赤外線輻射の入射は
全くない。さらに、輻射シールド4と電子冷却素子3と
の接触面積が十分に取れるため、輻射シールド4自身の
温度分布が抑えられるとともに、輻射シールド4と電子
冷却素子3との熱の流出入を円滑に行うことができる。
【0043】本実施形態の熱型赤外線検知器1によれ
ば、赤外線入射用開口部41以外を密閉した輻射シール
ド4を、電子冷却素子3に接触面積を十分に確保し接着
することにより、以下の効果がもたらされる。
【0044】まず、温度計測中に周囲の環境温度が変化
し、アウターパッケージ12の温度が変化しても、その
輻射が赤外線検出素子2へは入射しないため、安定した
温度計測が可能となる。
【0045】また、輻射シールド4の温度分布が均一と
なるため、2次元配列を採用した赤外線検出素子2にお
いて画素毎の輻射シールド4からの入射量の規定が容易
となり、背景輻射量の補正が簡略化される。
【0046】さらに、熱型赤外線検知器1の立上りの際
に、電子冷却素子3と輻射シールド4との熱の流出入が
円滑に行われるため、輻射シールド4が一定温度になる
までの時間が短縮される。即ち、立上り特性に優れた温
度計測器を供給することが可能となる。
【0047】次に、本発明の熱型赤外線検知器の第2実
施形態を、図5、図6を参照して説明する。図5は、第
2実施形態の概略断面構成を示す概念図、図6は概略平
面構成を示す概念図である。図5、図6において、第1
実施形態と同一構成部品には同一の符号を付し、その説
明は省略する。
【0048】この第2実施形態では、電子冷却素子3上
のセラミック基板31aは、一枚で構成されている。セ
ラミック基板31aの上面には、セラミック基板31a
と同一平面状(面一)に形成されている埋込配線79が
設けられている。この埋込配線79上に輻射シールド4
aの下端縁が埋込配線79とセラミック基板31aの両
者に接着されている。輻射シールド4aは電子冷却素子
3の上部のセラミック基板31aの上に、赤外線検出素
子2の厚さ(約0.5mm)と赤外線検出素子2と輻射シ
ールドの距離に必要な長さを加えた高さを有するセラミ
ック枠42と、赤外線入射用開口部43を備えた平面の
板状であり、セラミック枠42に接着により取付られて
いる金属製の天井シールド44とを備える。セラミック
枠42の下端縁は、セラミック基板31aに隙間無く接
着されている。セラミック枠42の外側には、外部接続
用端子6と接続する外側ボンディングパッド73、セラ
ミック枠42の内側には、赤外線検出素子2とボンディ
ング行う内側ボンディングパッド72が設けられてい
る。
【0049】第2実施形態の赤外線検出素子2と外部接
続用端子6とを接続する配線は、セラミック枠42を避
けてその下を通り、直接セラミック枠42と配線とが接
着されているが、セラミック枠42の下端縁は全てセラ
ミック基板31aと埋込配線79に接着され、これらの
間に隙間がない。
【0050】この構造においても、赤外線検出素子2に
は、赤外線入射用開口部43を通過した赤外線輻射と輻
射シールド4a及びセラミック枠42からの赤外線輻射
以外の赤外線輻射は入射せず、かつ、天井シールド44
及びセラミック枠42は密着している電子冷却素子3に
より一定温度に保たれるため、前述の第1実施形態と同
様の効果が得られる。
【0051】
【発明の効果】本発明の熱型赤外線検知器によれば、必
要な開口以外を全て密閉構造とした輻射シールドを採用
することにより、外乱となる赤外線輻射を完全に遮断し
温度計測精度を向上させると共に、輻射シールドと電子
冷却素子との接触面積を増やすことにより、輻射シール
ド自身の温度分布を極力押さえ、かつ迅速な立上り特性
を有する熱型赤外線検知器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱型赤外線検知器の第1実施形態の概
略断面構成を示す概念図である。
【図2】赤外線検出素子の1素子の概略断面構成を示す
概念図である。
【図3】図1のA部の拡大図である。
【図4】本発明の熱型赤外線検知器の第1実施形態の平
面構成を示す平面図である。
【図5】本発明の熱型赤外線検知器の第2実施形態の概
略断面構成を示す概念図である。
【図6】本発明の熱型赤外線検知器の第2実施形態の平
面構成を示す平面図である。
【図7】従来の熱型赤外線検知器の概略断面構成を示す
概念図である。
【図8】従来の熱型検知器の輻射シールドを示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 熱型赤外線検知器 2 赤外線検出素子 3 電子冷却素子 4 輻射シールド 6 外部接続用端子 10 真空容器 31 セラミック基板 41 赤外線入射用開口部 71 ボンディングパッド 72 内側ボンディングパッド 73 外側ボンディングパッド 74,75 貫通配線 76 層間配線 77 第1ワイヤボンディング 78 第2ワイヤボンディング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G065 AA04 AB02 BA12 BA34 BA37 BA38 BB46 CA05 CA19 CA21 2G066 BA09 BA32 BA44 BA60 BB03 BB11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線を検出する赤外線検出素子と前記
    赤外線検出素子を冷却する電子冷却素子とを真空容器内
    に収納してなる熱型赤外線検知機において、 赤外線入射用開口部を有する赤外線遮断用の輻射シール
    ドを、前記赤外線検出素子を覆い、かつ、前記赤外線入
    射用開口部以外に開口部を有さないように前記電子冷却
    素子上に固着してなることを特徴とする熱型赤外線検知
    器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱型赤外線検知器におい
    て、 外部と電気的に接続可能な外部接続用端子と前記赤外線
    検出素子とを電気的に接続する配線が、前記輻射シール
    ドと前記電子冷却素子との固着部の下を通って設けられ
    ている、又は前記固着部を構成していることを特徴とす
    る熱型赤外線検知器。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の熱型赤外線検知器
    において、 前記輻射シールドが前記電子冷却素子を構成する絶縁基
    板の上面に固着されていることを特徴とする熱型赤外線
    検知器。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の熱型赤外線検知器におい
    て、 前記外部接続用端子と前記赤外線検出素子とが、前記輻
    射シールドの内側に存する内側電極と前記赤外線検出素
    子とを接続する第1配線と、前記輻射シールドの外側に
    存する外側電極と前記外部接続用端子とを接続する第2
    配線と、前記第1配線と前記第2配線とを接続し、前記
    絶縁基板に埋め込まれている埋込配線とにより接続され
    ていることを特徴とする熱型赤外線検知器。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の熱型赤外線検知器におい
    て、 前記埋込配線が、前記絶縁基板を構成する複層絶縁基板
    の層間に設けられている層間配線と、前記層間配線と前
    記内側電極及び前記外側電極とをそれぞれ接続する貫通
    配線とを有することを特徴とする熱型赤外線検知器。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5いずれかに記載の熱型赤外
    線検知器において、 前記輻射シールドが、前記赤外線検出素子の側方を覆う
    枠部とこの枠部の上面に取り付けられている天井部とを
    備えることを特徴とする熱型赤外線検知器。
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