JP2000291724A - 機能性流体を用いたアクチュエータによる振動制御装置および方法 - Google Patents
機能性流体を用いたアクチュエータによる振動制御装置および方法Info
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- JP2000291724A JP2000291724A JP10450099A JP10450099A JP2000291724A JP 2000291724 A JP2000291724 A JP 2000291724A JP 10450099 A JP10450099 A JP 10450099A JP 10450099 A JP10450099 A JP 10450099A JP 2000291724 A JP2000291724 A JP 2000291724A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 機能性流体における応答速度の遅さを考慮し
た上で、ダンパを最適に操作して、応答側の振動を減衰
させることができる振動制御装置を提供する。 【解決手段】 振動制御装置に、応答側5の加速度信号
を検出する加速度ピックアップ7と、加速度ピックアッ
プ7の検出値があらかじめ設定されたしきい値を超えて
いるか否かを判断するしきい値フィルタ22と、MR流
体に磁界を与える一定時間を調整するタイマ24と、M
R流体に磁界を与える電源回路23とを設ける。そし
て、加速度信号があるしきい値を超えた瞬間にMR流体
に磁界を与え、一定時間後にこの磁界を強制的に解除す
る。
た上で、ダンパを最適に操作して、応答側の振動を減衰
させることができる振動制御装置を提供する。 【解決手段】 振動制御装置に、応答側5の加速度信号
を検出する加速度ピックアップ7と、加速度ピックアッ
プ7の検出値があらかじめ設定されたしきい値を超えて
いるか否かを判断するしきい値フィルタ22と、MR流
体に磁界を与える一定時間を調整するタイマ24と、M
R流体に磁界を与える電源回路23とを設ける。そし
て、加速度信号があるしきい値を超えた瞬間にMR流体
に磁界を与え、一定時間後にこの磁界を強制的に解除す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性流体を用い
たアクチュエータを操作して応答側の振動を低減させる
振動制御装置および方法に関する。
たアクチュエータを操作して応答側の振動を低減させる
振動制御装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の機械的性能は過去の技術開発に
より高度に引き上げられたが、さらなる安全性や快適性
の向上を求めて多くの種類の情報を正確かつ迅速に処理
することが必要不可欠となり、そのために自動車のエレ
クトロニクス化が急速に進められている。エレクトロニ
クス化の中核となる精密機器には制御用コンピュータ、
地図情報のためのDVDプレーヤ、音楽用CDプレーヤ
などがあり,これらの車載用電子機器によって走行中に
様々な情報処理が行われている。また、現在国家プロジ
ェクトとして進行しているインテリジェント・トランス
ポート・システム(ITS)の実現のためには、ある程
度の高い処理能力を有するコンピュータを車載する要が
生じる。これらの動作信頼性を向上させるために、路面
の凹凸による周渡数の低い振動からエンジンによる周波
数の高い振動までに至る幅広い周波数の振動を抑制する
必要がある。
より高度に引き上げられたが、さらなる安全性や快適性
の向上を求めて多くの種類の情報を正確かつ迅速に処理
することが必要不可欠となり、そのために自動車のエレ
クトロニクス化が急速に進められている。エレクトロニ
クス化の中核となる精密機器には制御用コンピュータ、
地図情報のためのDVDプレーヤ、音楽用CDプレーヤ
などがあり,これらの車載用電子機器によって走行中に
様々な情報処理が行われている。また、現在国家プロジ
ェクトとして進行しているインテリジェント・トランス
ポート・システム(ITS)の実現のためには、ある程
度の高い処理能力を有するコンピュータを車載する要が
生じる。これらの動作信頼性を向上させるために、路面
の凹凸による周渡数の低い振動からエンジンによる周波
数の高い振動までに至る幅広い周波数の振動を抑制する
必要がある。
【0003】現状では、車載用の精密機器の支持機構と
して高粘度シリコーン油を液封した小型マウント等が用
いられているが、これらは基本的には受動的振動抑制ア
クチュエータとして位置づけることができる。更なる振
動低減の要求のために準能動型、さらには能動型アクチ
ュエータの開発が試みられているが、制振性能と信頼性
の高さを同時に満足するという点では準能動型が有利で
ある。本発明者は、準能動型アクチュエータとして、外
部磁場によりレオロジー特性を変化させることが可能な
機能性流体として知られているMR流体(Magneto−Rhe
ological Fluid:磁気粘性流体)を用いて、外部磁場に
より減衰特性が変化する小型液封マウントを提案してい
る(特願平11―79314号参照)。MR流体は外部
磁場により流体のもつ降伏応力を変化させることのでき
る機能性流体として知られ、一様な溶媒に高い透磁率を
もつ粒径0.1〜十数μmの鉄の粉末を分散させた溶液
である。MR流体に外部から磁場を与えると、粒子各々
が磁化されて磁界方向に鎖状のクラスタを形成し、クラ
スタのもつ張力が降伏応力の変化に対応するとされてい
る。このクラスタ形成が流体の流動抵抗となることによ
り、マクロ的にみると流体のみかけ上の粘度が上昇す
る。
して高粘度シリコーン油を液封した小型マウント等が用
いられているが、これらは基本的には受動的振動抑制ア
クチュエータとして位置づけることができる。更なる振
動低減の要求のために準能動型、さらには能動型アクチ
ュエータの開発が試みられているが、制振性能と信頼性
の高さを同時に満足するという点では準能動型が有利で
ある。本発明者は、準能動型アクチュエータとして、外
部磁場によりレオロジー特性を変化させることが可能な
機能性流体として知られているMR流体(Magneto−Rhe
ological Fluid:磁気粘性流体)を用いて、外部磁場に
より減衰特性が変化する小型液封マウントを提案してい
る(特願平11―79314号参照)。MR流体は外部
磁場により流体のもつ降伏応力を変化させることのでき
る機能性流体として知られ、一様な溶媒に高い透磁率を
もつ粒径0.1〜十数μmの鉄の粉末を分散させた溶液
である。MR流体に外部から磁場を与えると、粒子各々
が磁化されて磁界方向に鎖状のクラスタを形成し、クラ
スタのもつ張力が降伏応力の変化に対応するとされてい
る。このクラスタ形成が流体の流動抵抗となることによ
り、マクロ的にみると流体のみかけ上の粘度が上昇す
る。
【0004】磁場に応答する流体として知られる磁性流
体も基本的にはMR流体と同様な組成を有し、かつ磁場
に反応するという意味では同じ特徴を持つ。しかし粒子
の大きさが磁性流体では高々数十ナノメータであるのに
対してMR流体では数ミクロンメータ程度とはるかに大
きく、それに伴ってMR流体の持つ特性は実際には磁性
流体と大きく異なっている。磁性流体の磁場の下での特
性は複雑ではあるが、磁性流体はニュートン粘度が変化
する流体である。一方、MR流体は塑性流体(Bingham
流体)としての特性を有している。
体も基本的にはMR流体と同様な組成を有し、かつ磁場
に反応するという意味では同じ特徴を持つ。しかし粒子
の大きさが磁性流体では高々数十ナノメータであるのに
対してMR流体では数ミクロンメータ程度とはるかに大
きく、それに伴ってMR流体の持つ特性は実際には磁性
流体と大きく異なっている。磁性流体の磁場の下での特
性は複雑ではあるが、磁性流体はニュートン粘度が変化
する流体である。一方、MR流体は塑性流体(Bingham
流体)としての特性を有している。
【0005】MR流体の降伏応力が変化するメカニズム
はER流体とよく似ており,磁場と電場という点が異な
っている。特に発生する降伏応力の大きさに関してはM
R流体の方がER流体に比較して数十〜数百倍程度あ
り、高電圧を用いる必要がないという点とともにMR流
体の適用可能性が高く評価される根拠となっている。基
本粘度はER流体の方が広く設定できると考えられ、ま
たER流体は流路に一対の電極を設置すれば特性を引き
出せるという簡便性を有しており、さらに流体の応答性
はER流体の方が良好であることなどを考慮すると、E
R流体とMR流体は用途によりそれぞれの対応可能性が
残っていると発明者らは考える。
はER流体とよく似ており,磁場と電場という点が異な
っている。特に発生する降伏応力の大きさに関してはM
R流体の方がER流体に比較して数十〜数百倍程度あ
り、高電圧を用いる必要がないという点とともにMR流
体の適用可能性が高く評価される根拠となっている。基
本粘度はER流体の方が広く設定できると考えられ、ま
たER流体は流路に一対の電極を設置すれば特性を引き
出せるという簡便性を有しており、さらに流体の応答性
はER流体の方が良好であることなどを考慮すると、E
R流体とMR流体は用途によりそれぞれの対応可能性が
残っていると発明者らは考える。
【0006】MR流体中のクラスタ形成を確認するため
に、MR流体を10倍程度に油で希釈し、光学顕微鏡に
て観察を行った結果が図1である。同図(a)は無磁場
における様子で、白い点状物質が鉄の微粒子である。鉄
の微粒子は、小さな不定形のクラスタを形成し、その集
まりが液中にランダムに配置されている。その後、
(b),(c),(d)の順に徐々に磁束密度を10[m
T],15[mT],20[mT]と増加させ、観察を行った。な
お、図中での磁界の方向は紙面縦方向にかけられてい
る。図1より、磁界が強くなるほど鎖状のクラスタは長
く成長し、またクラスタ同士の問隔が密になっていくの
がわかる。
に、MR流体を10倍程度に油で希釈し、光学顕微鏡に
て観察を行った結果が図1である。同図(a)は無磁場
における様子で、白い点状物質が鉄の微粒子である。鉄
の微粒子は、小さな不定形のクラスタを形成し、その集
まりが液中にランダムに配置されている。その後、
(b),(c),(d)の順に徐々に磁束密度を10[m
T],15[mT],20[mT]と増加させ、観察を行った。な
お、図中での磁界の方向は紙面縦方向にかけられてい
る。図1より、磁界が強くなるほど鎖状のクラスタは長
く成長し、またクラスタ同士の問隔が密になっていくの
がわかる。
【0007】このように、磁場が加えられたマウントの
内部では、粒子が磁界方向に鎖状のクラスタを形成して
いるが、これに振動する物体を取り付けた場合、物体の
持つエネルギによって一部のクラスタが崩壊する。これ
は結果として振動の有するエネルギを散逸させているこ
とに等しく、減衰効果が得られるものと思われる。しか
しながら、分散された鉄の微粒子に磁界を加えて磁化さ
せることでクラスタ形成を行っているため、電流が流さ
れてから微粒子がクラスタを形成するまでにある程度の
時間を要する。また、磁場解除直後のクラスタが分解さ
れる過程においては、磁場の解除直後は鉄微粒子に磁場
が残留しているためクラスタは形成されたままになって
いると推定される。このため、磁場の解除後にクラスタ
を破壊するエネルギが必要になり、マウントが元の粘度
に戻るまである程度の時間を要する。このようなMR流
体の応答性の悪い原因は、分散粒子の残留磁場にあると
推定され、応答性を高めるには残留磁場を消去するなど
の何らかの対策が必要であると思われる。
内部では、粒子が磁界方向に鎖状のクラスタを形成して
いるが、これに振動する物体を取り付けた場合、物体の
持つエネルギによって一部のクラスタが崩壊する。これ
は結果として振動の有するエネルギを散逸させているこ
とに等しく、減衰効果が得られるものと思われる。しか
しながら、分散された鉄の微粒子に磁界を加えて磁化さ
せることでクラスタ形成を行っているため、電流が流さ
れてから微粒子がクラスタを形成するまでにある程度の
時間を要する。また、磁場解除直後のクラスタが分解さ
れる過程においては、磁場の解除直後は鉄微粒子に磁場
が残留しているためクラスタは形成されたままになって
いると推定される。このため、磁場の解除後にクラスタ
を破壊するエネルギが必要になり、マウントが元の粘度
に戻るまである程度の時間を要する。このようなMR流
体の応答性の悪い原因は、分散粒子の残留磁場にあると
推定され、応答性を高めるには残留磁場を消去するなど
の何らかの対策が必要であると思われる。
【0008】ところで、一般的に自動車での振動制御を
行う際、スカイフック理論のように振動入力側と応答側
の相対変位の変化量を制御対象とした制御方法が有効で
あるとされている。
行う際、スカイフック理論のように振動入力側と応答側
の相対変位の変化量を制御対象とした制御方法が有効で
あるとされている。
【0009】スカイフック理論は別名Karnoppの近似則
とも呼ばれる。Karnoppの近似則は、図2に示すよう
に、減衰装置1に対して制御装置2を付け加えることで
スカイフック理論を模擬したものである。制御の方法に
ついて簡単に説明すると、図3に表現される。上向きを
正、下向きを負にとり、質量の速度をVx、入力される
振動の速度をVyとする。Vx>0,かつVx−Vy>0、
あるいは、Vx<0,かつVx−Vy<0となる場合、C
を小さく選び、また、Vx>0,かつVx−Vy<0、あ
るいは、Vx<0,かつVx−Vy>0となる場合、Cを
大きく選ぶ。減衰装置1をこのように制御することで、
質量に反映される振幅をできるだけ最小限に留めるよう
にする。
とも呼ばれる。Karnoppの近似則は、図2に示すよう
に、減衰装置1に対して制御装置2を付け加えることで
スカイフック理論を模擬したものである。制御の方法に
ついて簡単に説明すると、図3に表現される。上向きを
正、下向きを負にとり、質量の速度をVx、入力される
振動の速度をVyとする。Vx>0,かつVx−Vy>0、
あるいは、Vx<0,かつVx−Vy<0となる場合、C
を小さく選び、また、Vx>0,かつVx−Vy<0、あ
るいは、Vx<0,かつVx−Vy>0となる場合、Cを
大きく選ぶ。減衰装置1をこのように制御することで、
質量に反映される振幅をできるだけ最小限に留めるよう
にする。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなスカイフ
ック理論を使用して振動を制御する場合、減衰装置1
(アクチュエータ)の応答速度が充分に速く、振動に同
期して特性が変化することが必要となる。しかし、MR
流体を用いたアクチュエータは、上述のように応答速度
が遅いため、このようなスカイフック理論に基づいた制
御則を適用しても充分な制振効果を得ることは期待でき
ない。
ック理論を使用して振動を制御する場合、減衰装置1
(アクチュエータ)の応答速度が充分に速く、振動に同
期して特性が変化することが必要となる。しかし、MR
流体を用いたアクチュエータは、上述のように応答速度
が遅いため、このようなスカイフック理論に基づいた制
御則を適用しても充分な制振効果を得ることは期待でき
ない。
【0011】そこで、本発明は、機能性流体における応
答速度の遅さを考慮した上で、アクチュエータを最適に
操作して、応答側の振動を低減させることができる振動
制御装置および方法を提供することを目的とする。
答速度の遅さを考慮した上で、アクチュエータを最適に
操作して、応答側の振動を低減させることができる振動
制御装置および方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】以下、本発明について説
明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図
面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本
発明が図示の形態に限定されるものでない。
明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図
面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本
発明が図示の形態に限定されるものでない。
【0013】請求項1の発明は、振動入力側(3)およ
び応答側(5)の少なくとも一方の振動信号を検出する
検出手段(7,8,21)と、該検出手段(7,8,2
1)の検出値に基づいて機能性流体に磁界または電界を
与え、一定時間後に前記磁界または前記電界を解除する
アクチュエータ操作手段(13,23)とを備えること
を特徴とする機能性流体を用いたアクチュエータによる
振動制御装置により、上述した課題を解決する。ここ
で、磁界または電界の解除には、完全に磁界または電界
を消滅させる場合も含まれるし、磁界または電界を減少
させる場合も含まれる。また、アクチュエータとは流体
のエネルギを用いて機械的な仕事をする機器をいい、例
えば、ダンパ、ブレーキ、バルブ等が含まれる。
び応答側(5)の少なくとも一方の振動信号を検出する
検出手段(7,8,21)と、該検出手段(7,8,2
1)の検出値に基づいて機能性流体に磁界または電界を
与え、一定時間後に前記磁界または前記電界を解除する
アクチュエータ操作手段(13,23)とを備えること
を特徴とする機能性流体を用いたアクチュエータによる
振動制御装置により、上述した課題を解決する。ここ
で、磁界または電界の解除には、完全に磁界または電界
を消滅させる場合も含まれるし、磁界または電界を減少
させる場合も含まれる。また、アクチュエータとは流体
のエネルギを用いて機械的な仕事をする機器をいい、例
えば、ダンパ、ブレーキ、バルブ等が含まれる。
【0014】機能性流体は、磁界または電界の解除直後
でも暫くはクラスタが崩壊しないために応答性が悪い。
本発明は応答性が悪いという問題を解決するために、こ
の現象を利用し、機能性流体に磁界または電界を与えた
一定時間後に強制的に磁界または電界を解除する。これ
により、残存しているクラスタを振動物体が有するエネ
ルギにより分解させて減衰を得る。
でも暫くはクラスタが崩壊しないために応答性が悪い。
本発明は応答性が悪いという問題を解決するために、こ
の現象を利用し、機能性流体に磁界または電界を与えた
一定時間後に強制的に磁界または電界を解除する。これ
により、残存しているクラスタを振動物体が有するエネ
ルギにより分解させて減衰を得る。
【0015】請求項2の発明は、振動入力側(3)およ
び応答側(5)の少なくとも一方の振動信号を検出する
検出手段(7,8,21)と、該検出手段(7,8,2
1)の検出値があらかじめ設定されたしきい値を超えて
いるか否かを判断する判断手段(10,22)と、該判
断手段(10,22)で前記検出値が前記しきい値を超
えていると判断された場合、機能性流体に磁界または電
界を与えるアクチュエータ操作手段(13,23)とを
備えることを特徴とする機能性流体を用いたアクチュエ
ータによる振動制御装置により、上述した課題を解決す
る。
び応答側(5)の少なくとも一方の振動信号を検出する
検出手段(7,8,21)と、該検出手段(7,8,2
1)の検出値があらかじめ設定されたしきい値を超えて
いるか否かを判断する判断手段(10,22)と、該判
断手段(10,22)で前記検出値が前記しきい値を超
えていると判断された場合、機能性流体に磁界または電
界を与えるアクチュエータ操作手段(13,23)とを
備えることを特徴とする機能性流体を用いたアクチュエ
ータによる振動制御装置により、上述した課題を解決す
る。
【0016】機能性流体を用いたアクチュエータは、粘
度を上昇させると剛性も上がってしまい、応答側の変位
が増加してしまう。この発明によれば、振動信号がある
しきい値を超えたときに機能性流体に磁界または電界が
与えられるので、アクチュエータはある時間遅れをもっ
て粘度が上昇することになる。このように、振動の入力
に対し、初めはアクチュエータの剛性を柔らかく、かつ
減衰を小さくし、振動の衝撃を和らげることで、振動に
よって最大となる応答側の変位ができるだけ抑えられ
る。その後、アクチュエータの粘度が上昇すると応答側
の振動が短時間で収縮する。
度を上昇させると剛性も上がってしまい、応答側の変位
が増加してしまう。この発明によれば、振動信号がある
しきい値を超えたときに機能性流体に磁界または電界が
与えられるので、アクチュエータはある時間遅れをもっ
て粘度が上昇することになる。このように、振動の入力
に対し、初めはアクチュエータの剛性を柔らかく、かつ
減衰を小さくし、振動の衝撃を和らげることで、振動に
よって最大となる応答側の変位ができるだけ抑えられ
る。その後、アクチュエータの粘度が上昇すると応答側
の振動が短時間で収縮する。
【0017】請求項3の発明は、振動入力側(3)およ
び応答側(5)の少なくとも一方の振動信号を検出する
検出手段(7,8,21)と、該検出手段(7,8,2
1)の検出値があらかじめ設定されたしきい値を超えて
いるか否かを判断する判断手段(10,22)と、該判
断手段(10,22)で前記検出値が前記しきい値を超
えていると判断された場合、機能性流体に磁界または電
界を与え、一定時間後に前記磁界または前記電界を解除
するアクチュエータ操作手段(13,23)とを備える
ことにより、上述した課題を解決する。
び応答側(5)の少なくとも一方の振動信号を検出する
検出手段(7,8,21)と、該検出手段(7,8,2
1)の検出値があらかじめ設定されたしきい値を超えて
いるか否かを判断する判断手段(10,22)と、該判
断手段(10,22)で前記検出値が前記しきい値を超
えていると判断された場合、機能性流体に磁界または電
界を与え、一定時間後に前記磁界または前記電界を解除
するアクチュエータ操作手段(13,23)とを備える
ことにより、上述した課題を解決する。
【0018】この発明によれば、振動信号があるしきい
値を超えた瞬間に機能性流体に磁界または電界が与えら
れ、一定時間後にこの磁界または電界が解除される。こ
のため、アクチュエータ内部に封入された能性流体は、
ある時間遅れをもって粘度が上昇し、また、粘度が下降
していく。
値を超えた瞬間に機能性流体に磁界または電界が与えら
れ、一定時間後にこの磁界または電界が解除される。こ
のため、アクチュエータ内部に封入された能性流体は、
ある時間遅れをもって粘度が上昇し、また、粘度が下降
していく。
【0019】振動の入力に対し、初めはアクチュエータ
の減衰を小さくしておき、振動の衝撃を和らげること
で、振動によって最大となる応答側の変位をできるだけ
抑える。その後、アクチュエータにより生ずる減衰を上
昇させ、応答側の振動を短時間で収縮させる。そして、
磁界または電界の解除直後でも暫くはクラスタが崩壊し
ない現象を考慮し、あるタイミングで強制的に磁界また
は電界を解除する。これにより、残存しているクラスタ
を振動物体が有する振動エネルギにより分解させて更な
る減衰を得る。
の減衰を小さくしておき、振動の衝撃を和らげること
で、振動によって最大となる応答側の変位をできるだけ
抑える。その後、アクチュエータにより生ずる減衰を上
昇させ、応答側の振動を短時間で収縮させる。そして、
磁界または電界の解除直後でも暫くはクラスタが崩壊し
ない現象を考慮し、あるタイミングで強制的に磁界また
は電界を解除する。これにより、残存しているクラスタ
を振動物体が有する振動エネルギにより分解させて更な
る減衰を得る。
【0020】請求項4の発明は、請求項1または3に記
載の機能性流体を用いたアクチュエータによる振動制御
装置において、前記一定時間を調整する時間調整手段
(10,24)を備えることを特徴とする。
載の機能性流体を用いたアクチュエータによる振動制御
装置において、前記一定時間を調整する時間調整手段
(10,24)を備えることを特徴とする。
【0021】この発明によれば、応答側の振動を効果的
に減衰させることができるよう磁界または電界を与える
時間を調整することができる。
に減衰させることができるよう磁界または電界を与える
時間を調整することができる。
【0022】請求項5の発明は、請求項2ないし4に記
載の機能性流体を用いたアクチュエータによる振動制御
装置において、前記しきい値は、前記振動信号のピーク
時に、前記磁界または前記電界による前記アクチュエー
タの粘度の上昇が、そのピークを向かえる前となるよう
に設定されていることを特徴とする。
載の機能性流体を用いたアクチュエータによる振動制御
装置において、前記しきい値は、前記振動信号のピーク
時に、前記磁界または前記電界による前記アクチュエー
タの粘度の上昇が、そのピークを向かえる前となるよう
に設定されていることを特徴とする。
【0023】本発明によれば、振動信号のピーク時に磁
界または電界によるアクチュエータ内部に封入された機
能性流体の粘度がそのピークを向かえる前となるよう
に、しきい値を設定することで、応答側の変位の増加を
効果的に防止することができる。
界または電界によるアクチュエータ内部に封入された機
能性流体の粘度がそのピークを向かえる前となるよう
に、しきい値を設定することで、応答側の変位の増加を
効果的に防止することができる。
【0024】請求項6の発明は、請求項1、3、4、5
のいずれかに記載の機能性流体を用いたアクチュエータ
による振動制御装置において、前記一定時間は、前記振
動信号の収縮時には、前記磁界または前記電界が解除さ
れるように設定されていることを特徴とする。
のいずれかに記載の機能性流体を用いたアクチュエータ
による振動制御装置において、前記一定時間は、前記振
動信号の収縮時には、前記磁界または前記電界が解除さ
れるように設定されていることを特徴とする。
【0025】この発明によれば、振動信号の収縮時に磁
界または電界を解除することで、収縮時の応答側の振動
エネルギが機能性流体のクラスタの破壊に使用され、応
答側の振動が効率的に減衰する。
界または電界を解除することで、収縮時の応答側の振動
エネルギが機能性流体のクラスタの破壊に使用され、応
答側の振動が効率的に減衰する。
【0026】請求項7の発明は、請求項1ないし6のい
ずれかに記載の機能性流体を用いたアクチュエータによ
る振動制御装置において、前記検出手段(6,8,2
1)で前記振動入力側(3)または前記応答側(5)い
ずれか一方の加速度信号を検出することを特徴とする。
ずれかに記載の機能性流体を用いたアクチュエータによ
る振動制御装置において、前記検出手段(6,8,2
1)で前記振動入力側(3)または前記応答側(5)い
ずれか一方の加速度信号を検出することを特徴とする。
【0027】スカイフック理論に基づき振動制御する場
合、振動入力側とばね上側(応答側)との相対変位、お
よびばね上側(応答側)の加速度を検出する必要があ
る。この発明によれば、振動入力側または応答側の加速
度信号を検出するだけで、応答側の振動を減衰させるよ
う制御できるので、制御装置の構成を簡単にすることが
できる。
合、振動入力側とばね上側(応答側)との相対変位、お
よびばね上側(応答側)の加速度を検出する必要があ
る。この発明によれば、振動入力側または応答側の加速
度信号を検出するだけで、応答側の振動を減衰させるよ
う制御できるので、制御装置の構成を簡単にすることが
できる。
【0028】請求項8の発明は、請求項1ないし7のい
ずれかに記載の機能性流体を用いたアクチュエータによ
る振動制御装置において、前記機能性流体にはMR流体
またはER流体が用いられ、前記アクチュエータ操作手
段(13,23)では、前記MR流体に前記磁界、また
は前記ER流体に前記電界を与えることを特徴とする。
ずれかに記載の機能性流体を用いたアクチュエータによ
る振動制御装置において、前記機能性流体にはMR流体
またはER流体が用いられ、前記アクチュエータ操作手
段(13,23)では、前記MR流体に前記磁界、また
は前記ER流体に前記電界を与えることを特徴とする。
【0029】この発明によれば、アクチュエータの作動
流体にMR流体またはER流体などの機能性流体を用い
ることで、機械的操作部を用いずに可変減衰アクチュエ
ータを実現することができる。
流体にMR流体またはER流体などの機能性流体を用い
ることで、機械的操作部を用いずに可変減衰アクチュエ
ータを実現することができる。
【0030】請求項9の発明は、請求項4に記載の機能
性流体を用いたアクチュエータによる振動制御装置にお
いて、前記判断手段には、しきい値判定フィルタ(2
2)が用いられ、前記時間調整手段には、タイマ(2
4)が用いられることを特徴とする。
性流体を用いたアクチュエータによる振動制御装置にお
いて、前記判断手段には、しきい値判定フィルタ(2
2)が用いられ、前記時間調整手段には、タイマ(2
4)が用いられることを特徴とする。
【0031】この発明によれば、コンピュータを用いる
ことなく、簡単なアナログ回路で制御装置を構成するこ
とができるので、実用的な振動制御装置が得られる。
ことなく、簡単なアナログ回路で制御装置を構成するこ
とができるので、実用的な振動制御装置が得られる。
【0032】請求項10の発明は、振動入力側および応
答側の少なくとも一方の振動信号を検出する検出工程
と、前記検出工程の検出値があらかじめ設定されたしき
い値を超えているか否かを判断する判断工程と、前記判
断工程で前記検出値が前記しきい値を超えていると判断
された場合、機能性流体に磁界または電界を与え、一定
時間後に前記磁界または前記電界を解除するアクチュエ
ータ操作工程とを備えることを特徴とする機能性流体を
用いたアクチュエータによる振動制御方法により、上述
した課題を解決する。
答側の少なくとも一方の振動信号を検出する検出工程
と、前記検出工程の検出値があらかじめ設定されたしき
い値を超えているか否かを判断する判断工程と、前記判
断工程で前記検出値が前記しきい値を超えていると判断
された場合、機能性流体に磁界または電界を与え、一定
時間後に前記磁界または前記電界を解除するアクチュエ
ータ操作工程とを備えることを特徴とする機能性流体を
用いたアクチュエータによる振動制御方法により、上述
した課題を解決する。
【0033】この発明によれば、振動信号があるしきい
値を超えた瞬間に機能性流体に磁界または電界が与えら
れ、一定時間後にこの磁界または電界が解除される。こ
のため、アクチュエータ内部に封入された機能性流体
は、ある時間遅れをもって粘度が上昇し、また、粘度が
下降していく。
値を超えた瞬間に機能性流体に磁界または電界が与えら
れ、一定時間後にこの磁界または電界が解除される。こ
のため、アクチュエータ内部に封入された機能性流体
は、ある時間遅れをもって粘度が上昇し、また、粘度が
下降していく。
【0034】振動の入力に対し、初めはアクチュエータ
を柔らかくしておき、振動の衝撃を和らげることで、振
動によって最大となる応答側の変位をできるだけ抑え
る。その後、アクチュエータの粘度を上昇させ、応答側
の振動を短時間で収縮させる。そして、磁界または電界
の解除直後でも暫くはクラスタが崩壊しない現象を考慮
し、あるタイミングで強制的に磁界または電界を解除す
る。これにより、残存しているクラスタを振動のエネル
ギにより分解させて更なる減衰を得る。
を柔らかくしておき、振動の衝撃を和らげることで、振
動によって最大となる応答側の変位をできるだけ抑え
る。その後、アクチュエータの粘度を上昇させ、応答側
の振動を短時間で収縮させる。そして、磁界または電界
の解除直後でも暫くはクラスタが崩壊しない現象を考慮
し、あるタイミングで強制的に磁界または電界を解除す
る。これにより、残存しているクラスタを振動のエネル
ギにより分解させて更なる減衰を得る。
【0035】
【発明の実施の形態】図4は、本発明の第1の実施形態
における機能性流体を用いたアクチュエータによる振動
制御装置を組み込んだ試験装置を示すものである。この
試験装置では、質量5、ばね6、減衰部を有する1自由
度系が構成されている。減衰部は、電磁式加振器3の上
部に配置され、MR流体を用いたアクチュエータとして
の小型マウント4からなる。ここで、例えば車載用CD
プレーヤの支持系の特性値を参考に、マウント4に負荷
させる質量5を加速度ピックアップ7の質量を含んで
0.06kg、また上部側のばね定数を196N/mとして
いる。
における機能性流体を用いたアクチュエータによる振動
制御装置を組み込んだ試験装置を示すものである。この
試験装置では、質量5、ばね6、減衰部を有する1自由
度系が構成されている。減衰部は、電磁式加振器3の上
部に配置され、MR流体を用いたアクチュエータとして
の小型マウント4からなる。ここで、例えば車載用CD
プレーヤの支持系の特性値を参考に、マウント4に負荷
させる質量5を加速度ピックアップ7の質量を含んで
0.06kg、また上部側のばね定数を196N/mとして
いる。
【0036】図5は、マウント4を示したものである。
このマウント4は、本体部8とコイル部9とから構成さ
れている。マウント4のケースには、例えば車載用CD
プレーヤの防振対策として用いられている液封式小型マ
ウント用ケースが使用されている。本体部8は、ポリプ
ロピレン等の合成樹脂製のケース8aに、ブチルゴム等
の弾性体8bを溶着したものある。弾性体8bは、経験
的に設計された形状を有している。本体部8の内部に
は、MR流体が例えば2cc封入されている。MR流体
には、粒径1〜10μm程度の高純度のα鉄の粒子をP
AOと呼ばれる合成潤滑油に分散させたものを用いてい
る。合成潤滑油の粘度は、例えば4.0[mPa]、粒子の
濃度は80[wt%]とし、成分としては他に耐摩耗剤と分
散剤とを含んでいる。コイル部9は、ボビンに導線を複
数回巻き付けたもので、例えば、アルミで作製したボビ
ンにS10Cの鉄芯を挿入し、0.3[mm]ポリイミド被
覆導線を300回巻き付けることで形成されている。
このマウント4は、本体部8とコイル部9とから構成さ
れている。マウント4のケースには、例えば車載用CD
プレーヤの防振対策として用いられている液封式小型マ
ウント用ケースが使用されている。本体部8は、ポリプ
ロピレン等の合成樹脂製のケース8aに、ブチルゴム等
の弾性体8bを溶着したものある。弾性体8bは、経験
的に設計された形状を有している。本体部8の内部に
は、MR流体が例えば2cc封入されている。MR流体
には、粒径1〜10μm程度の高純度のα鉄の粒子をP
AOと呼ばれる合成潤滑油に分散させたものを用いてい
る。合成潤滑油の粘度は、例えば4.0[mPa]、粒子の
濃度は80[wt%]とし、成分としては他に耐摩耗剤と分
散剤とを含んでいる。コイル部9は、ボビンに導線を複
数回巻き付けたもので、例えば、アルミで作製したボビ
ンにS10Cの鉄芯を挿入し、0.3[mm]ポリイミド被
覆導線を300回巻き付けることで形成されている。
【0037】図6は、コイル部9に流れる電流とコイル
部9から発生する磁束密度の関係を示したグラフであ
る。コイル部9に0.2[A]ずつ流す電流を変えて、コ
イル部9の上方0.5[mm]にて磁束密度を測定した。こ
の図に示すように、コイル部9に発生する磁束密度は電
流にほぼ線形であることがわかる。
部9から発生する磁束密度の関係を示したグラフであ
る。コイル部9に0.2[A]ずつ流す電流を変えて、コ
イル部9の上方0.5[mm]にて磁束密度を測定した。こ
の図に示すように、コイル部9に発生する磁束密度は電
流にほぼ線形であることがわかる。
【0038】図7は、電圧の印加による電流の時間変化
の指標となる自己インピーダンスを測定した結果を示し
たものである。この図に示すように、コイル部9の自己
インピーダンスが充分に小さいことから、この試作した
コイル部9は電圧の印加に対して瞬時に電流が流れるこ
とがわかる。
の指標となる自己インピーダンスを測定した結果を示し
たものである。この図に示すように、コイル部9の自己
インピーダンスが充分に小さいことから、この試作した
コイル部9は電圧の印加に対して瞬時に電流が流れるこ
とがわかる。
【0039】MR流体を用いたマウント4で制振するに
あたり、マウント4の基本特性を知るため、図1に示す
試験装置に、掃引正弦波を入力し、ボード線図の作成を
行った。ボード線図の作成にあたって、コイル部9に直
流電流を流し、ここで発生した磁場によりマウント4内
部のMR流体の特性を変化させて、マウント4の減衰特
性を変化させた。そして、加振器ベース側3および負荷
質量5側(応答側)に加速度ピックアップ7,8を取り
付け、両ピックアップ7,8の加速度および位相を測定
し、ボード線図に描いた。図8は、実験結果を示したも
のである。加振周波数を5〜20[Hz]、振幅0.3[m
m]、掃引速度を1[Hz/S]として加振を行っている。電流
を与えることで振幅比が約70%減少し、共振周波数が
10[Hz]から15[Hz]に上昇している。本実験では、磁
場を与えることで共振点が高くなっており、系全体での
等価な剛性が50%増したことがわかる。
あたり、マウント4の基本特性を知るため、図1に示す
試験装置に、掃引正弦波を入力し、ボード線図の作成を
行った。ボード線図の作成にあたって、コイル部9に直
流電流を流し、ここで発生した磁場によりマウント4内
部のMR流体の特性を変化させて、マウント4の減衰特
性を変化させた。そして、加振器ベース側3および負荷
質量5側(応答側)に加速度ピックアップ7,8を取り
付け、両ピックアップ7,8の加速度および位相を測定
し、ボード線図に描いた。図8は、実験結果を示したも
のである。加振周波数を5〜20[Hz]、振幅0.3[m
m]、掃引速度を1[Hz/S]として加振を行っている。電流
を与えることで振幅比が約70%減少し、共振周波数が
10[Hz]から15[Hz]に上昇している。本実験では、磁
場を与えることで共振点が高くなっており、系全体での
等価な剛性が50%増したことがわかる。
【0040】図9は、電流の入力に対するマウント4の
特性が変化する応答速度を調べたものである。マウント
4側を共振周披数にて振幅0.3[mm]の定常正弦波で強
制加振し、質量5側の加速度を応答として検出した。図
上部はコイル部9に負荷される電流を表し、下部はそれ
に対する質量5側加速度である。電流を流すタイミング
と加速度の応答とを比較すると、電流を流した直後から
最小の振幅に到達するまでに約0.24[S]、電流を遮
断してからもとの変位振幅に戻るまで約0.55[S]を
要している。時定数にすると電流を流した直後で0.1
[S]、電流遮断後については、0.19[S]であり、本マ
ウント4に関しては振動に同期した制御を行うにはかな
り応答速度が遅いことがわかる。
特性が変化する応答速度を調べたものである。マウント
4側を共振周披数にて振幅0.3[mm]の定常正弦波で強
制加振し、質量5側の加速度を応答として検出した。図
上部はコイル部9に負荷される電流を表し、下部はそれ
に対する質量5側加速度である。電流を流すタイミング
と加速度の応答とを比較すると、電流を流した直後から
最小の振幅に到達するまでに約0.24[S]、電流を遮
断してからもとの変位振幅に戻るまで約0.55[S]を
要している。時定数にすると電流を流した直後で0.1
[S]、電流遮断後については、0.19[S]であり、本マ
ウント4に関しては振動に同期した制御を行うにはかな
り応答速度が遅いことがわかる。
【0041】本発明の第1の実施形態における制御装置
は、コンピュータ10とリレー(図示せず)を導入して
MR流体に与える磁界を操作するもので、図1に示すよ
うに、応答側(質量5側)に取り付けられた検出手段と
しての加速度ピックアップ7と、この加速度ピックアッ
プ7の信号をデジタル信号に変換するA/Dボード11
と、加速度ピックアップ7の信号に基づき、マウント4
の操作用プログラムを実行する判断手段および時間調整
手段を備えるコンピュータ10と、コンピュータ10か
らの信号をアナログ信号に変換するD/Aボード12
と、MR流体に磁界を与えるアクチュエータ操作手段と
しての直流電源装置13とで構成される。応答側の加速
度信号をコンピュータ10に取り込む際しきい値を設
け、しきい値以上の値であれば、D/Aボード12に一
定時間信号を送るように、コンピュータ10のプログラ
ムは実行される。D/Aボードから出力された電圧によ
ってリレーが作動すると、直流電源装置13からマウン
ト4のコイル部9に電圧が付加され、MR流体に磁界が
与えられる。
は、コンピュータ10とリレー(図示せず)を導入して
MR流体に与える磁界を操作するもので、図1に示すよ
うに、応答側(質量5側)に取り付けられた検出手段と
しての加速度ピックアップ7と、この加速度ピックアッ
プ7の信号をデジタル信号に変換するA/Dボード11
と、加速度ピックアップ7の信号に基づき、マウント4
の操作用プログラムを実行する判断手段および時間調整
手段を備えるコンピュータ10と、コンピュータ10か
らの信号をアナログ信号に変換するD/Aボード12
と、MR流体に磁界を与えるアクチュエータ操作手段と
しての直流電源装置13とで構成される。応答側の加速
度信号をコンピュータ10に取り込む際しきい値を設
け、しきい値以上の値であれば、D/Aボード12に一
定時間信号を送るように、コンピュータ10のプログラ
ムは実行される。D/Aボードから出力された電圧によ
ってリレーが作動すると、直流電源装置13からマウン
ト4のコイル部9に電圧が付加され、MR流体に磁界が
与えられる。
【0042】図10は、応答側の加速度信号と、コイル
部9の磁界の変化、およびマウント4の減衰力の変化と
の関係を示したタイムチャートである。同図(a)は入
力側の加速度信号を示し、同図(b)はコイル部9の磁
界の変化を示し、同図(c)はマウント4の減衰力の変
化を示す。この図に示すように、応答側の加速度信号が
あるしきい値を超えた瞬間にコイル部9に電流を流し、
MR流体に磁界を与えている。そして、このMR流体に
与えた磁界は一定時間t1後、強制的に解除される。こ
のように磁界が変化すると、マウント4は、ある時間遅
れをもって、粘度が上昇し、また下降していく。
部9の磁界の変化、およびマウント4の減衰力の変化と
の関係を示したタイムチャートである。同図(a)は入
力側の加速度信号を示し、同図(b)はコイル部9の磁
界の変化を示し、同図(c)はマウント4の減衰力の変
化を示す。この図に示すように、応答側の加速度信号が
あるしきい値を超えた瞬間にコイル部9に電流を流し、
MR流体に磁界を与えている。そして、このMR流体に
与えた磁界は一定時間t1後、強制的に解除される。こ
のように磁界が変化すると、マウント4は、ある時間遅
れをもって、粘度が上昇し、また下降していく。
【0043】しきい値は、マッチングにより、加速度信
号のピーク時に、マウント4の粘度の上昇がそのピーク
を向かえる前となるように設定されている。特に望まし
いのは、加速度信号のピーク時に、マウント4の粘度が
上昇前とするのが望ましい。これは、マウント4の粘度
を上昇させるとマウント4の剛性も上がってしまうのを
考慮したものであり、加速度信号のピーク時に、マウン
ト4の剛性の上昇前とすることで、応答側の変位が増加
してしまうのを防止することができる。
号のピーク時に、マウント4の粘度の上昇がそのピーク
を向かえる前となるように設定されている。特に望まし
いのは、加速度信号のピーク時に、マウント4の粘度が
上昇前とするのが望ましい。これは、マウント4の粘度
を上昇させるとマウント4の剛性も上がってしまうのを
考慮したものであり、加速度信号のピーク時に、マウン
ト4の剛性の上昇前とすることで、応答側の変位が増加
してしまうのを防止することができる。
【0044】磁界を与える一定時間t1は、加速度信号
の収縮時には、磁界が解除されるように設定されてい
る。このように設定することで、応答側の振動エネルギ
が磁界によって形成されたMR流体のクラスタの破壊に
使用され、応答側の振動が減衰する。ここで、一定時間
t1は、例えば、応答側の制振対象となる固有周期の1
/5〜1/10程度の短時間に設定されるのが望ましい
が、クラスタを崩壊させるのに等しいエネルギを供給で
きる時間を算定して、振動のエネルギから換算すること
もできる。
の収縮時には、磁界が解除されるように設定されてい
る。このように設定することで、応答側の振動エネルギ
が磁界によって形成されたMR流体のクラスタの破壊に
使用され、応答側の振動が減衰する。ここで、一定時間
t1は、例えば、応答側の制振対象となる固有周期の1
/5〜1/10程度の短時間に設定されるのが望ましい
が、クラスタを崩壊させるのに等しいエネルギを供給で
きる時間を算定して、振動のエネルギから換算すること
もできる。
【0045】図11および図12に、上記第1の実施形
態の制御装置を適用した場合の振動入力側に対する質量
側の応答を示す。図11は、インパルス入力に対する応
答を示したものであり、図12は、1〜100[Hz]のバ
ンド幅を持つランダム波入力に対する応答を示したもの
である。ここでは、電磁式加振器3にインパルス波また
はランダム波を出力させ、加振器加速度と出力側加速度
をFFTアナライザに取り込み、ボード線図に描いてい
る。
態の制御装置を適用した場合の振動入力側に対する質量
側の応答を示す。図11は、インパルス入力に対する応
答を示したものであり、図12は、1〜100[Hz]のバ
ンド幅を持つランダム波入力に対する応答を示したもの
である。ここでは、電磁式加振器3にインパルス波また
はランダム波を出力させ、加振器加速度と出力側加速度
をFFTアナライザに取り込み、ボード線図に描いてい
る。
【0046】まず、インパルス入力に対する質量側の応
答について説明する。図11中(a)は入力波形、同図
(b)はコイルに電流を流さない場合の質量側応答、同
図(c)はコイルに電流を流した場合の応答、同図
(d)は電流について制御を行った場合の応答をそれぞ
れ表わしている。電流を流さない状態では、減衰して収
束するまでおよそ2.2[S]必要であることがわかる。
一方電流を流した状態では、収束するまでの時間は電流
を流さない場合の1/2以下に短縮されるが、マウント
の剛性が上昇しているために応答振幅の第1波が2倍に
まで増大してしまう。ここで、制御を取り入れた場合に
ついてみると、減衰して収束するまで時間は1/2以下
に短縮し、かつ振幅の増大は見られないという両者の長
所を採った特性をもつことがわかる。
答について説明する。図11中(a)は入力波形、同図
(b)はコイルに電流を流さない場合の質量側応答、同
図(c)はコイルに電流を流した場合の応答、同図
(d)は電流について制御を行った場合の応答をそれぞ
れ表わしている。電流を流さない状態では、減衰して収
束するまでおよそ2.2[S]必要であることがわかる。
一方電流を流した状態では、収束するまでの時間は電流
を流さない場合の1/2以下に短縮されるが、マウント
の剛性が上昇しているために応答振幅の第1波が2倍に
まで増大してしまう。ここで、制御を取り入れた場合に
ついてみると、減衰して収束するまで時間は1/2以下
に短縮し、かつ振幅の増大は見られないという両者の長
所を採った特性をもつことがわかる。
【0047】次に、ランダム波入力に対する応答につい
て説明する。図12中(a)は電流を流さない場合の質
量側応答、同図(b)はコイルに一定電流を流した場合
の質量側応答、同図(c−1)は電流に対し制御を行っ
た場合の質量側応答、同図(c−2)は制御時に実際に
流れた電流を表わす。一定電流を流した状態では、マウ
ントの剛性が上昇しているために応答振幅がところどこ
ろ増大してしまう。一方、制御を取り入れた場合につい
てみると、振幅の増大は見られないことがわかる。な
お、同図(d)に示すように、電流に対して制御を行っ
た場合、電流を一旦流した後、一定時間後強制的に電流
が解除されているが、その直後にしきい値以上の加速度
信号が検出されると、電流が再び流れている。
て説明する。図12中(a)は電流を流さない場合の質
量側応答、同図(b)はコイルに一定電流を流した場合
の質量側応答、同図(c−1)は電流に対し制御を行っ
た場合の質量側応答、同図(c−2)は制御時に実際に
流れた電流を表わす。一定電流を流した状態では、マウ
ントの剛性が上昇しているために応答振幅がところどこ
ろ増大してしまう。一方、制御を取り入れた場合につい
てみると、振幅の増大は見られないことがわかる。な
お、同図(d)に示すように、電流に対して制御を行っ
た場合、電流を一旦流した後、一定時間後強制的に電流
が解除されているが、その直後にしきい値以上の加速度
信号が検出されると、電流が再び流れている。
【0048】図13に、質量側と加振器ベース側の加速
度応答の比のスペクトル分布をみた結果を示す。同図
(a)はコイルに電流を流さない場合、同図(b)はコ
イルに一定の電流を流した場合、同図(c)は流す電流
に制御を行った場合を示す。電流が与えられていない状
態で、振幅比のピーク値が4程度あったものが、電流を
与えることによって減少する。しかし、同時にマウント
の剛性が増加しているため、曲線によって囲まれる面積
が増加しているのがわかる。制御を取り入れた場合につ
いてみると、ピーク値が50%減少するうえ、面積の増
加は抑えられた結果となっている。
度応答の比のスペクトル分布をみた結果を示す。同図
(a)はコイルに電流を流さない場合、同図(b)はコ
イルに一定の電流を流した場合、同図(c)は流す電流
に制御を行った場合を示す。電流が与えられていない状
態で、振幅比のピーク値が4程度あったものが、電流を
与えることによって減少する。しかし、同時にマウント
の剛性が増加しているため、曲線によって囲まれる面積
が増加しているのがわかる。制御を取り入れた場合につ
いてみると、ピーク値が50%減少するうえ、面積の増
加は抑えられた結果となっている。
【0049】以上の実験は,小型マウント4を静置して
ある程度の時間が経過した後、マウント4内で粒子の沈
殿が発生したと推定される場合でも、ほぼ同じ効果が得
られることを再実験により確認している。MR流体は、
比較的短時間のうちに分散粒子の沈降が生ずることが知
られているが、外部磁場を加える、もしくは外部から振
動を加えることで容易に再分散がはかられ、時間経過が
特性に及ばす影響が小さいものと推定される。
ある程度の時間が経過した後、マウント4内で粒子の沈
殿が発生したと推定される場合でも、ほぼ同じ効果が得
られることを再実験により確認している。MR流体は、
比較的短時間のうちに分散粒子の沈降が生ずることが知
られているが、外部磁場を加える、もしくは外部から振
動を加えることで容易に再分散がはかられ、時間経過が
特性に及ばす影響が小さいものと推定される。
【0050】図14は、本発明の第2の実施形態におけ
る機能性流体を用いた振動制御装置20の概略構成図を
示したものである。この振動制御装置20は、アナログ
回路でMR流体に与える磁界を操作するもので、振動入
力側に取り付けられた検出手段としての加速度ピックア
ップ21と、加速度ピックアップ21の加速度信号がし
きい値を超えていたらONとなる判断手段としてのしき
い値判定フィルタ22と、しきい値判定フィルタ22が
ONとなると電源回路23を一定時間ONにする時間調
整手段としてのタイマ24と、電磁コイルユニット25
に磁界を発生させる操作手段としての電源回路23から
構成される。このように振動制御装置20をアナログ回
路で構成することで、実用性の高い振動制御装置が得ら
れる。なお、この実施形態では加速度ピックアップ21
が入力側に設けられているが、出力側に設けてもよく、
また、振動信号として加速度を検出しているが、速度、
変位(相対変位を含む)いずれを検出してもよい。
る機能性流体を用いた振動制御装置20の概略構成図を
示したものである。この振動制御装置20は、アナログ
回路でMR流体に与える磁界を操作するもので、振動入
力側に取り付けられた検出手段としての加速度ピックア
ップ21と、加速度ピックアップ21の加速度信号がし
きい値を超えていたらONとなる判断手段としてのしき
い値判定フィルタ22と、しきい値判定フィルタ22が
ONとなると電源回路23を一定時間ONにする時間調
整手段としてのタイマ24と、電磁コイルユニット25
に磁界を発生させる操作手段としての電源回路23から
構成される。このように振動制御装置20をアナログ回
路で構成することで、実用性の高い振動制御装置が得ら
れる。なお、この実施形態では加速度ピックアップ21
が入力側に設けられているが、出力側に設けてもよく、
また、振動信号として加速度を検出しているが、速度、
変位(相対変位を含む)いずれを検出してもよい。
【0051】この振動制御装置20でも、振動信号があ
るしきい値を超えた瞬間にMR流体に磁界が与えられ、
一定時間後にこの磁界が解除される。このため、マウン
ト4は、ある時間遅れをもって粘度が上昇し、また、粘
度が下降していく。このように、振動の入力に対し、初
めはマウントを柔らかくしておき、振動の衝撃を和らげ
ることで、振動によって最大となる応答側の変位が抑え
られる。その後、マウント内部のMR流体の粘度が上昇
するので、応答側の振動が短時間で収縮する。そして、
磁界または電界の解除直後でも暫くはクラスタが崩壊し
ない現象を考慮し、ある一定時間後に強制的に磁界を解
除する。これにより、残存しているクラスタを振動のエ
ネルギにより分解させて更なる減衰を得る。
るしきい値を超えた瞬間にMR流体に磁界が与えられ、
一定時間後にこの磁界が解除される。このため、マウン
ト4は、ある時間遅れをもって粘度が上昇し、また、粘
度が下降していく。このように、振動の入力に対し、初
めはマウントを柔らかくしておき、振動の衝撃を和らげ
ることで、振動によって最大となる応答側の変位が抑え
られる。その後、マウント内部のMR流体の粘度が上昇
するので、応答側の振動が短時間で収縮する。そして、
磁界または電界の解除直後でも暫くはクラスタが崩壊し
ない現象を考慮し、ある一定時間後に強制的に磁界を解
除する。これにより、残存しているクラスタを振動のエ
ネルギにより分解させて更なる減衰を得る。
【0052】なお、上記の第1および第2の実施形態に
おいて、機能性流体としてMR流体を用いているが、高
分子液晶等のER流体を用いてもよいのはもちろんであ
る。ER流体を用いる場合は、ER流体には磁界ではな
く電界が与えられる。その場合、コイルを用いるのでは
なく、マウント内部に電極を設置する構造がとられる。
さらに、上記の制御装置では一定時間磁界を与えるする
ように操作しているが、加速度振動がしきい値以上の場
合は磁界を発生させ、しきい値以下の場合は磁界を解除
するようにON、OFF制御してもよい。また、MR流
体に加える磁界は一定の強さに設定されているが、振動
の形態に応じて種々変化させてもよい。
おいて、機能性流体としてMR流体を用いているが、高
分子液晶等のER流体を用いてもよいのはもちろんであ
る。ER流体を用いる場合は、ER流体には磁界ではな
く電界が与えられる。その場合、コイルを用いるのでは
なく、マウント内部に電極を設置する構造がとられる。
さらに、上記の制御装置では一定時間磁界を与えるする
ように操作しているが、加速度振動がしきい値以上の場
合は磁界を発生させ、しきい値以下の場合は磁界を解除
するようにON、OFF制御してもよい。また、MR流
体に加える磁界は一定の強さに設定されているが、振動
の形態に応じて種々変化させてもよい。
【0053】また、上記実施形態の振動制御装置は、エ
ンジンからの振動と、路面からの振動との複数の振動が
あり、単一の制振特性では効率よく制振することが困難
な自動車の車載用電子機器の振動制御装置に適している
が、精密機器の振動を制御するものであれば、いかなる
精密機器の振動制御装置に対しても適用することができ
る。また、車載用電子機器の振動制御装置に限らず、路
面からの振動を減衰させるサスペンションの振動制御装
置にも適用することができる。さらに、振動を制御する
ものであれば、自動車に限らず、建築物の免震用の振動
制御装置にも適用することができる。
ンジンからの振動と、路面からの振動との複数の振動が
あり、単一の制振特性では効率よく制振することが困難
な自動車の車載用電子機器の振動制御装置に適している
が、精密機器の振動を制御するものであれば、いかなる
精密機器の振動制御装置に対しても適用することができ
る。また、車載用電子機器の振動制御装置に限らず、路
面からの振動を減衰させるサスペンションの振動制御装
置にも適用することができる。さらに、振動を制御する
ものであれば、自動車に限らず、建築物の免震用の振動
制御装置にも適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
振動入力側および応答側の少なくとも一方の振動信号を
検出する検出手段と、該検出手段の検出値に基づいて機
能性流体に磁界または電界を与え、一定時間後に前記磁
界または前記電界を解除するアクチュエータ操作手段と
を備え、機能性流体に磁界または電界を与えた一定時間
後に強制的に磁界または電界を解除する。残存している
クラスタを振動のエネルギにより分解させて減衰を得る
ことで、MR流体またはER流体を用いたアクチュエー
タの応答性を向上させるとができる。
振動入力側および応答側の少なくとも一方の振動信号を
検出する検出手段と、該検出手段の検出値に基づいて機
能性流体に磁界または電界を与え、一定時間後に前記磁
界または前記電界を解除するアクチュエータ操作手段と
を備え、機能性流体に磁界または電界を与えた一定時間
後に強制的に磁界または電界を解除する。残存している
クラスタを振動のエネルギにより分解させて減衰を得る
ことで、MR流体またはER流体を用いたアクチュエー
タの応答性を向上させるとができる。
【図1】磁界の強さと粒子の動きを示した図(図中
(a)は磁界が0[mT]の場合、図中(b)は磁界が10
[mT]の場合、図中(c)は磁界が15[mT]の場合、図中
(d)は磁界が20[mT]の場合を示す)。
(a)は磁界が0[mT]の場合、図中(b)は磁界が10
[mT]の場合、図中(c)は磁界が15[mT]の場合、図中
(d)は磁界が20[mT]の場合を示す)。
【図2】Karnoppのスカイフック理論を示す模式図。
【図3】スカイフック理論に基づく制御則を示す模式
図。
図。
【図4】本発明の第1の実施形態における振動制御装置
を組み込んだ試験装置を示す装置構成概略図。
を組み込んだ試験装置を示す装置構成概略図。
【図5】マウントの構造を示す部分断面図。
【図6】発生磁束密度を示すグラフ。
【図7】コイル自己インピーダンスを示すグラフ。
【図8】位相曲線および共振曲線を示すグラフ。
【図9】応答曲線を示すグラフ。
【図10】加速度信号と、磁界およびマウントの減衰の
変化の関係を示すタイムチャート。
変化の関係を示すタイムチャート。
【図11】インパルス入力に対する応答を示すグラフ。
【図12】ランダム波入力に対する応答を示すグラフ。
【図13】ランダム波入力に対する振幅比によるボード
線図。
線図。
【図14】本名発明の第2の実施形態における振動制御
装置を示す概略構成図。
装置を示す概略構成図。
3 電磁式加振器(振動入力側) 5 負荷質量(応答側) 7,8,21 加速度ピックアップ(検出手段) 13,23 電源回路(アクチュエータ操作手段) 10 コンピュータ(判断手段、時間調整手段) 22 しきい値判定フィルタ(判断手段) 24 タイマ(時間調整手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D001 AA19 DA17 EA03 EB00 3J048 AB08 AB09 AB11 AC07 AC08 BE05 CB11 CB12 EA13 3J069 AA34 BB03 DD25 EE63 EE64
Claims (10)
- 【請求項1】 振動入力側および応答側の少なくとも一
方の振動信号を検出する検出手段と、該検出手段の検出
値に基づいて機能性流体に磁界または電界を与え、一定
時間後に前記磁界または前記電界を解除するアクチュエ
ータ操作手段とを備えることを特徴とする機能性流体を
用いたアクチュエータによる振動制御装置。 - 【請求項2】 振動入力側および応答側の少なくとも一
方の振動信号を検出する検出手段と、該検出手段の検出
値があらかじめ設定されたしきい値を超えているか否か
を判断する判断手段と、該判断手段で前記検出値が前記
しきい値を超えていると判断された場合、機能性流体に
磁界または電界を与えるアクチュエータ操作手段とを備
えることを特徴とする機能性流体を用いたアクチュエー
タによる振動制御装置。 - 【請求項3】 振動入力側および応答側の少なくとも一
方の振動信号を検出する検出手段と、該検出手段の検出
値があらかじめ設定されたしきい値を超えているか否か
を判断する判断手段と、該判断手段で前記検出値が前記
しきい値を超えていると判断された場合、機能性流体に
磁界または電界を与え、一定時間後に前記磁界または前
記電界を解除するアクチュエータ操作手段とを備えるこ
とを特徴とする機能性流体を用いたアクチュエータによ
る振動制御装置。 - 【請求項4】 前記一定時間を調整する時間調整手段を
備えることを特徴とする請求項1または3に記載の機能
性流体を用いたアクチュエータによる振動制御装置。 - 【請求項5】 前記しきい値は、前記振動信号のピーク
時に、前記磁界または前記電界による前記アクチュエー
タの粘度の上昇が、そのピークを向かえる前となるよう
に設定されていることを特徴とする請求項2ないし4の
いずれかに記載の機能性流体を用いたアクチュエータに
よる振動制御装置。 - 【請求項6】 前記一定時間は、前記振動信号の収縮時
には、前記磁界または前記電界が解除されるように設定
されていることを特徴とする請求項1、3、4、5のい
ずれかに記載の機能性流体を用いたアクチュエータによ
る振動制御装置。 - 【請求項7】 前記検出手段で前記振動入力側または前
記応答側いずれか一方の加速度信号を検出することを特
徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の機能性流
体を用いたアクチュエータによる振動制御装置。 - 【請求項8】 前記機能性流体にはMR流体またはER
流体が用いられ、前記アクチュエータ操作手段では、前
記MR流体に前記磁界、または前記ER流体に前記電界
を与えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
に記載の機能性流体を用いたアクチュエータによる振動
制御装置。 - 【請求項9】 前記判断手段には、しきい値判定フィル
タが用いられ、前記時間調整手段には、タイマが用いら
れることを特徴とする請求項4ないし8のいずれかに記
載の機能性流体を用いたアクチュエータによる振動制御
装置。 - 【請求項10】 振動入力側および応答側の少なくとも
一方の振動信号を検出する検出工程と、該検出工程の検
出値があらかじめ設定されたしきい値を超えているか否
かを判断する判断工程と、該判断工程で前記検出値が前
記しきい値を超えていると判断された場合、機能性流体
に磁界または電界を与え、一定時間後に前記磁界または
前記電界を解除するアクチュエータ操作工程とを備える
ことを特徴とする機能性流体を用いたアクチュエータに
よる振動制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10450099A JP2000291724A (ja) | 1999-04-12 | 1999-04-12 | 機能性流体を用いたアクチュエータによる振動制御装置および方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10450099A JP2000291724A (ja) | 1999-04-12 | 1999-04-12 | 機能性流体を用いたアクチュエータによる振動制御装置および方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000291724A true JP2000291724A (ja) | 2000-10-20 |
Family
ID=14382244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10450099A Pending JP2000291724A (ja) | 1999-04-12 | 1999-04-12 | 機能性流体を用いたアクチュエータによる振動制御装置および方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000291724A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100482882B1 (ko) * | 2002-10-08 | 2005-04-14 | 현대자동차주식회사 | 붐 노이즈 방지를 위한 다이내믹 배기계 설치 구조 |
JP2006273221A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Honda Motor Co Ltd | 可変減衰力ダンパーの制御装置 |
CN105546021A (zh) * | 2016-02-05 | 2016-05-04 | 合肥工业大学 | 基于状态观测的半主动吸振器控制系统 |
-
1999
- 1999-04-12 JP JP10450099A patent/JP2000291724A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100482882B1 (ko) * | 2002-10-08 | 2005-04-14 | 현대자동차주식회사 | 붐 노이즈 방지를 위한 다이내믹 배기계 설치 구조 |
JP2006273221A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Honda Motor Co Ltd | 可変減衰力ダンパーの制御装置 |
JP4690759B2 (ja) * | 2005-03-30 | 2011-06-01 | 本田技研工業株式会社 | 可変減衰力ダンパーの制御装置 |
CN105546021A (zh) * | 2016-02-05 | 2016-05-04 | 合肥工业大学 | 基于状态观测的半主动吸振器控制系统 |
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