JP2000290370A - 吸水性材料 - Google Patents

吸水性材料

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JP2000290370A
JP2000290370A JP9991699A JP9991699A JP2000290370A JP 2000290370 A JP2000290370 A JP 2000290370A JP 9991699 A JP9991699 A JP 9991699A JP 9991699 A JP9991699 A JP 9991699A JP 2000290370 A JP2000290370 A JP 2000290370A
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Yoshiki Hasegawa
義起 長谷川
Hideyuki Ishizu
秀行 石津
Chikaya Kato
哉也 加藤
Shigeki Ideguchi
茂樹 井手口
Hisakazu Tanaka
寿計 田中
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使い捨ての衛材製品や家庭用品、止水剤、土壌
改良材、結露防止剤、農園芸用保水剤などの吸水性材料
の樹脂として利用可能な吸水特性を有し、且つ生分解性
を有する樹脂を複雑な工程を経ることなく安価に提供す
る。 【解決手段】 ポリアミノ酸類と多糖類と架橋剤とを反
応させて得られる樹脂からなる吸水性材料に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】ポリアミノ酸類と多糖類と架
橋剤とを反応させて得られる樹脂からなる吸水性材料に
関する。詳しくは、吸水機能と生分解性を有し、吸水性
樹脂および吸水性・保水性を有する成形体として利用す
ることが可能な吸水性材料に関するものである。本発明
の樹脂は使い捨ての衛材製品や家庭用品、止水剤、土壌
改良材、結露防止剤、農園芸用保水剤、ヘドロ固化剤な
どの吸水性材料として利用可能である。
【0002】
【従来の技術】吸水性能を有する樹脂としては、従来、
ポリアクリル酸塩部分架橋物、デンプンアクリル酸共重
合体の加水分解物、ポリエチレンオキシド部分架橋物、
ビニルアルコール−アクリル酸共重合体などが知られて
いる。しかし吸水能としては優れるものの材料が容易に
低分子へ分解できないので、廃棄後の環境保全を考える
と問題である。またポリエチレンオキシド部分架橋物は
吸水能力そのものが小さい。また吸水性と生分解性を併
せ持つ樹脂としては、多糖類などの天然系樹脂、および
ポリアミノ酸系樹脂などが知られている。多糖類などの
天然系樹脂としては、ヒアルロン酸、およびアルカリゲ
ネス族に属する微生物より産出される多糖類が高吸水性
を有することが知られている(特開平4−200389
号公報)が、充分な機能を有するものの現在の製造法で
は安価に、且つ大量に入手することが困難である。ま
た、安価なセルロース、デンプンを原料とする多糖類系
の吸水性樹脂としては、多糖類をアミノ酸類により架橋
して得られる吸水性樹脂が知られている(特開平8−8
9796号公報)が、吸水能力が不十分である。ポリア
ミノ酸系樹脂についてはポリアスパラギン酸のポリアミ
ンによる部分架橋物を加水分解して得られる吸水性樹脂
(特開平7−309943号公報、特開平9−1698
40号公報)が開示されている。しかし易分解性である
ものの、十分な吸水特性を得るためには、ポリアスパラ
ギン酸の分子量を高めることが不可欠であり、触媒とし
てのプロトン酸の存在下、有機溶媒中、懸濁重合または
塊状重合で反応させたり(特開平10−72524)、
あるいは分子量を伸長させるため、ジオキサゾリン化合
物、ジシクロヘキシルカルボジイミド(特開平10−1
47644)などで処理するなど、複雑な製造工程を必
要とする欠点があった。またポリアミン化合物がリジ
ン、オルニチン、シスチン、シスタミンなどのアミノ酸
である吸水性樹脂(特開平7−224163号公報)、
架橋剤がエチレングリコールグリシジルエーテルなどの
ジエポキシ化合物である吸水性樹脂(Polym.Mater.Sci.
Eng.,79,232,1998)が知られている。また、ポリアスパ
ラギン酸(特開平9−202825号公報)、ポリグル
タミン酸(特開平6−322358号公報)、ポリリジ
ン(特開平8−175901号公報)、およびポリグル
タミン酸とポリリジンの混合溶液(J.Appl.Polym.Sci.,
58,807,1995)にγ−放射線を照射してポリアミノ酸架
橋体を得る方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、吸水量、耐
塩性、低水可溶性、吸水速度、ゲル強度などの諸特性に
優れ、高度な生分解性を有し、且つ複雑な工程を経るこ
となく安価に得られる樹脂からなる吸水性材料を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述したような従来技術における種々の欠点の存在に鑑
み、鋭意検討を重ねた結果、ポリアミノ酸類と多糖類と
架橋剤とを反応させて得られる樹脂からなる吸水性材料
が、上記の課題を解決することを見出すに及んで本発明
を完成するに至った。すなわち[I]本発明は、ポリア
ミノ酸類と多糖類と架橋剤とを反応させて得られる樹脂
からなる吸水性材料を提供するものであり、また[II]
本発明は、ポリアミノ酸類が、ポリアスパラギン酸およ
び/またはポリアスパラギン酸塩である上記[I]記載
の吸水性材料を提供するものであり、[III]本発明
は、架橋剤が、ポリアミノ酸類と多糖類との総計100
重量部に対し、0.05〜20重量部である上記[I]
または[II]記載の吸水性材料を提供するものであり、
さらに[IV]本発明は、生理食塩水の吸収倍率が10g
/g以上である上記[I]〜[III]のいずれかに記載
の吸水性材料を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるポリアミノ酸
類としては、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、
ポリアスパラギン酸塩、ポリグルタミン酸塩、および、
それらのコポリマー、誘導体が挙げられる。これらのう
ち、製法の簡便さ、吸水性能、価格の点でポリアスパラ
ギン酸、ポリアスパラギン酸塩が好ましい。ポリアミノ
酸類の重量平均分子量は、3000以上であることが好
ましく、5000以上であることがより好ましい。本発
明のポリアミノ酸類は、ポリアミノ酸誘導体を部分架橋
したものも含まれる。この場合、ポリアスパラギン酸、
ポリアスパラギン酸塩の部分架橋物が好ましい。
【0006】上記ポリアミノ酸類の製造方法については
特に限定されない。ポリアスパラギン酸および/または
アスパラギン酸塩の製造方法について例に挙げると、
(a)D/L−アスパラギン酸を加熱脱水縮合した後、
加水分解することにより製造する方法、(b)D/L−
アスパラギン酸を燐酸などの触媒の存在下加熱脱水縮合
した後、加水分解することにより製造する方法、(c)
適当な溶媒中で、D/L−アスパラギン酸を燐酸などの
触媒の存在下加熱脱水縮合した後、加水分解することに
より製造する方法、(d)無水マレイン酸、フマル酸、
リンゴ酸などとアンモニアを加熱反応させマレイミド、
マレアミド、マレアミド酸、もしくはマレイン酸アンモ
ニウムを経て製造する方法、(e)無水マレイン酸、フ
マル酸、リンゴ酸などとアンモニアを加熱反応させマレ
イミド、マレアミド、もしくはマレイン酸アンモニウム
を生産し、燐酸などの触媒の存在下、製造する方法等が
ある。またポリ−γ−グルタミン酸ソーダに関しては、
L−グルタミン酸を含む培地中でポリ−γ−グルタミン
酸生産菌を培養することによりポリ−γ−グルタミン酸
を製造する方法等がある。これらの反応をアスパラギン
酸について示せば下式の通りである。
【0007】
【化1】
【0008】またポリアミノ酸類の架橋物はポリアミノ
酸類の官能基と反応性を有する化合物を用いることによ
って得ることが出来る。その際、化合物の使用量を調整
することによって、架橋密度の低い部分架橋物を得るこ
とが出来る。ポリアミノ酸類の部分架橋物の製造方法に
ついては特に限定されない。ポリアスパラギン酸塩の部
分架橋物を例に採ると、ポリこはく酸イミドをポリアミ
ンにより部分的に架橋させた後、加水分解することによ
って得ることが出来る。その際、ポリアミンの具体例と
しては、例えば、ヒドラジン、エチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン等の脂肪族ポリアミン、ノルボルネンジ
アミン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン、フ
ェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジア
ミン等の芳香族ポリアミン、リジン、オルニチンに代表
されるような側鎖にアミノ基を有するアミノ酸類および
その誘導体、シスチン、シスタミン等に代表されるよう
な、モノアミノ化合物がジスルフィド結合により結合し
たもの、およびその誘導体、アミノ基を側鎖として2個
以上有するタンパク質、分子量100以上のペプチド類
等が挙げられる。
【0009】本発明における加水分解反応は、ポリアス
パラギン酸塩の場合を例に挙げるとポリこはく酸イミド
にアルカリ水溶液を滴下するか、アルカリ水溶液中に加
え、0〜100℃、好ましくは20〜50℃で、0.5
〜24時間反応させることにより行われる。アルカリ水
溶液にはアルカリ金属化合物、および/またはアルカリ
土類金属化合物が使用される。アルカリ金属化合物、お
よび/またはアルカリ土類金属化合物としては、反応性
の点で水酸化物または炭酸塩が好ましく、これらの化合
物を例示すれば、LiOH、NaOH、KOH、Mg
(OH)2 Ca(OH)2 Li2CO3、Na2CO3、K
2CO3、MgCO3 CaCO3等が挙げられる。アルカ
リ水溶液は、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム
の0.1〜40重量%水溶液を用いるのが一般的であ
る。加えるアルカリ化合物の量は反応生成物のイミド環
基1molに対し0.2〜2.0molを用いることが
好ましい。
【0010】加水分解反応が終了した後、反応生成物を
多量のメタノール、エタノール、アセトンなどに投入
し、樹脂を沈殿させることにより単離するか、またはイ
オン交換水を蒸発乾固することによりポリアミノ酸塩を
得る。本発明に使用される多糖類としては、特に限定さ
れるものではないが、多糖類や、多糖類の誘導体、およ
びこれらの塩類、部分架橋した多糖類等が挙げられる。
多糖類としては、具体的には、例えば、デンプン、メチ
ルデンプン、エチルデンプン、メチルエチルデンプン、
セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、メ
チルエチルセルロース、ヘミセルロース、寒天、カラギ
ーナン、アルギン酸、ペクチン酸、グアガム、タマリン
ドガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、コン
ニャクマンナン、デキストラン、ザンサンガム、プルラ
ン、ゲランガム、キチン、キトサン、水溶性キチン、キ
トオリゴ糖、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ゲル化デ
ンプン、アミロース、アラビアガム、アルギン酸ソー
ダ、カードラン、ヒアルロン酸、グリコーゲン、ペプチ
ドグリカン、ムレイン等が挙げられる。多糖類誘導体と
しては、多糖類をカルボキシアルキル化、もしくはヒド
ロキシアルキル化した化合物が挙げられる。多糖類の誘
導体としては、具体的には、例えば、カルボキシアルキ
ルデンプン、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキ
シアルキルデンプン、ヒドロキシアルキルセルロース、
デンプングリコール酸、寒天誘導体、カラギーナン誘導
体等が挙げられる。これら多糖類のうち、高反応性の官
能基を有する点で、カルボキシアルキルデンプン、カル
ボキシアルキルセルロース、およびこれらの塩類やヒド
ロキシアルキルデンプン、ヒドロキシアルキルセルロー
スが好ましい。上記塩類としては、ナトリウム塩やカリ
ウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。部分架橋した多
糖類の架橋の方法としては、特に限定されるものではな
いが、たとえば熱による自己架橋や放射線の利用や架橋
剤を用いる方法等が挙げられる。カルボキシル化物を架
橋する際に使用することができる架橋剤としては、エポ
キシ架橋剤、ポリアミン架橋剤、オキサゾリン架橋剤、
アジリジン架橋剤、およびカルボジイミド架橋剤等が例
示されるが、生分解性の点からアミノ酸、またはその塩
類が好ましい。この場合、アミノ酸としては、具体的に
は、例えば、リジン、グリシン、アラニン、バリン、ロ
イシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、
セリン、トレオニン、チロシン、シスチン、メチオニ
ン、トリプトファン、アルギニン、ヒスチジン、アスパ
ラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。これら多糖類
は、単独で使用してもよく、また二種類以上を適宜混合
して使用してもよい。本発明において、ポリアミノ酸類
と多糖類とを反応させる際には、両者を均一にかつ十分
に混合することが望ましい。混合方法については特に限
定されるものではなく、例えば1)両者を固体同士で混
合する方法、2)両者を溶液状態もしくは懸濁状態で混
合する方法、3)いずれか一方を溶液状態もしくは懸濁
状態とし、これに他方を添加し混合する方法等種々の方
法を採用することが出来る。これらの混合方法のうち、
均一混合のし易さの点で両者を溶液状態もしくは懸濁状
態で混合する方法2)が好ましい。
【0011】上記の混合方法において、溶媒は必要に応
じて使用される。溶媒としては、特に制限されないが、
ポリアミノ酸類、および多糖類を溶解し、もしくは懸濁
する必要があるので、水を用いることが最も好ましい。
溶剤として水を用いた場合、ポリアミノ酸類と多糖類の
水懸濁液もしく水溶液の液濃度は0.1重量%〜50重
量%の範囲内であることが好ましい。液濃度が0.1重
量%未満の場合には、水を除去するために長時間加熱し
なければならないので、製造効率が低下する。また、液
濃度が50重量%を越える場合には、該液濃度の粘度が
高くなり、ポリアミノ酸類と多糖類を均一に混合するこ
とが困難となるため、好ましくない。ポリアミノ酸類と
多糖類を反応させる際、架橋剤が使用される。
【0012】架橋剤としては、一分子中にポリアミノ酸
類と多糖類中の官能基と反応しうる反応性基を有する化
合物であれば、特に制限なく用いることができる。その
ような架橋剤としては、例えばエポキシ架橋剤、ポリア
ミン架橋剤、オキサゾリン架橋剤、アジリジン架橋剤、
カルボジイミド架橋剤、多価アルコール類、およびイソ
シアネート架橋剤が例示される。これらのうち、エポキ
シ架橋剤としては、具体的にはエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジル
エーテル、グリセリン−1,3ジグリシジルエーテル、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフ
ェノールA−エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂が例示
される。
【0013】ポリアミン架橋剤としては、たとえばエチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレン
ヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルポ
リアミンなどの鎖状脂肪族ポリアミン、メンセンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン3,9−ビス(3−アミノプロピル)−
2,4,8,10−テトラオキサンピロ[5,5]ウンデ
カンなどの環状脂肪族ポリアミン、m−キシレンジアミ
ン、p−キシレンジアミン等の芳香族ポリアミン、ダイ
マー酸と脂肪族ポリアミンとから得られるポリアミド
類、及びリジンなどの塩基性アミノ酸が挙げられる。
【0014】オキサゾリン架橋剤としては、たとえば
2,2‘−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス
(3−メチル−2−オキサゾリン)、1,4−ビス(2
−(4−メチル−5−フェニルオキサゾリン))ベンゼ
ン、2,2’−(1,4−フェニレン)−ビス(2−オ
キサゾリン)、2,2’−(1,3−フェニレン)−ビ
ス(2−オキサゾリン)が挙げられる。
【0015】アジリジン架橋剤としては、たとえば2,
2−ビスヒドキシメチルブタノール−トリス[3−(1
−アジリジニル)プロピネ−ト]、ジフェニルメタン−
ビス−4,4−N,N’−エチレンウレア、ヘキサメチ
レン−ビス−ω,ω−N,N’−エチレンウレア、テト
ラメチレン−ビス−N,N’−エチレンウレア、トリフ
ェニルメタン−4,4’,4”−テトラメチレン−ビス
−N,N’−エチレンウレア、p−フェニレンビスエチ
レンウレア、m−トルイレン−ビス−N,N’−エチレ
ンウレア、カルボニルビスアジリジンおよびこれらのメ
チル誘導体、2−(1−アジリジニル)エチル−メタク
リレートおよびその共重合体などが挙げられる。
【0016】カルボジイミド化合物としては、たとえば
ジシクロヘキシルカルボジミド、ジフェニルカルボジミ
ドまたはジ−(ジイソプロピル)フェニルカルボジミド
などをはじめ、さらには、次の一般式で示されるよう
な、いわゆるイソシアネート基含有のカルボジミド化合
物(A)
【0017】
【化2】
【0018】(ただし、式中のR5は芳香族または脂肪
族の2価連結基を表わすものとする。)あるいは此等の
化合物(A)より誘導される、いわゆるイソシアネート
基不含の、次の一般式
【0019】
【化3】
【0020】(ただし、式中のR5は芳香族または脂肪
族の2価連結基を、また、R6はアルキル基、アラルキ
ル基またはオキシアルキレン基を表わすものとする。)
で示されるような、親水性基不含または親水性基含有カ
ルボジミド化合物(B)などのカルボジミド化合物が挙
げられる。
【0021】多価アルコール類としては、たとえばエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレン
グリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオキシプロ
ピレンブロック共重合体、ペンタエリストロール、ソル
ビトールがあげられる。
【0022】さらにイソシアネート架橋剤としては、た
とえばトリレンジイソシアネート(TDI)、フェニレ
ンジイソシアネート(PPDI)、ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリック
MDI、トリジンジイソシアネート(TODI)、ヘキ
サメチレンジイソシアネート(HDI)、イソフォロン
ジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシア
ネート(XDI)、リジンジイソシアネート(LD
I)、テトラメチレンキシレンジイソシアネート(TM
XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ト
リス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、
ウンデカントリイソシアネート、リジンエステルトリイ
ソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシ
アネートメチルオクタン、ビシクロヘプタントリイソシ
アネート、およびそれらのウレタン変性体、アロファネ
ート変性体、ビューレット変性体、イソシアヌレート変
性体、カルボジイミド変性体、ブロックイソシアネー
ト、それらの混合物等が挙げられる。
【0023】また、架橋剤として、塩化アルミニウム、
塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウ
ム、硫酸マグネシウム等の多価金属塩類も使用できる。
【0024】さらに、エポキシ基、アミノ基、カルボキ
シル基、水酸基等を有するシランカップリング剤もしく
はそれらのチタンカップリング剤等も架橋剤として使用
できる。これらは1種、もしくは2種以上混合して用い
ても良い。
【0025】これら架橋剤の使用量は、ポリアミノ酸類
と多糖類からなる組成物に対して、0.05〜20重量
%、好ましくは0.075〜15重量%、より好ましく
は0.1〜10重量%である。架橋剤の使用量が0.0
5重量%に達しない場合は、樹脂が吸水時に水溶解性を
示す場合がある。20重量%を超えて使用した場合、架
橋剤の使用量に見合った効果は得られず、吸水倍率が著
しく小さくなる場合がある。本発明においては、ポリア
ミノ酸類と多糖類との混合物、または、ポリアミノ酸類
と多糖類との架橋体を、水中で溶解もしくは懸濁させ放
射線を照射することにより架橋するか、又は架橋体の表
面近傍をさらに架橋しても良い。放射線としてはα線、
β線、γ線、電子線、中性子線、X線、荷電子線が挙げ
られ、好ましくはγ線が用いられる。γ線吸収量は、好
ましくは1〜500KGyであり、通常室温、常圧下で
架橋が進行する。また、窒素、アルゴンなどの不活性ガ
ス中であるのがより好ましい。ポリアミノ酸類に対する
多糖類の割合は、ポリアミノ酸類100重量部に対し、
0.1〜1000重量部、好ましくは1.0〜300重
量%である。0.1重量%未満の場合には吸水効果が現
れず、また1000重量%を超えて使用しても多糖類の
使用量に見合った吸水効果は得られず、却って吸水倍率
が著しく小さくなる場合がある。
【0026】本発明による樹脂は、吸水性および生分解
性の両方に優れている。吸水性能は日本工業規格に規定
されている高吸水性樹脂の吸水量試験方法(JIS K
−7223)によるティーバック法による吸水量の試験
により測定ができる。ティーバック法で評価した場合、
本発明による樹脂は、イオン交換水に対し50倍以上、
生理食塩水(0.9重量%生理食塩水)に対して10倍
以上の吸水能を有する。さらに、本発明による樹脂は土
中の細菌や微生物などにより分解可能な生分解性を有し
ているので、土中に埋めるだけで分解される。このた
め、廃棄処分が簡単であり、かつ安全性に優れ、環境汚
染などの環境衛生問題を引き起こすこともない。従っ
て、樹脂は従来から知られている吸水性樹脂の全ての用
途に適用可能である。例えば、オムツや生理用品などの
衛生用品等の衛生分野、ハ゛ッフ゜剤用途などでの医療分
野、廃泥ゲル化剤などとしての土木・建築分野、食品分
野、工業分野、土壌改質剤、および保水剤などとしての
農業・園芸分野など多種多様な分野に利用することがで
きる。
【0027】
【実施例】以下実施例によって本発明をより具体的に説
明する。なお、の諸性質は以下の方法で測定した。 吸水倍率:例中、樹脂の吸水能は日本工業規格、JIS
K−7223に記載されている高吸水性樹脂の吸水量
試験方法に基づき行った。すなわち、乾燥樹脂0.20
g(0.9%塩化ナトリウムに対しては1.00g)を
255メッシュナイロンシャー製のティーバッグ(20
0mm×100mm)に入れ、1000mlのイオン交
換水、または0.9%塩化ナトリウム水溶液に浸漬して
該樹脂を一定時間膨潤させた後、ティーバッグを引き上
げて10分間水切りを行い、重量を測定した。同様の操
作をティ−バッグのみで行った場合の重量をブランクと
して測定を行った。吸水倍率W(g/g)は、試料の質
量a(g)、試料を入れたティ−バッグを所定時間浸漬
し、水切り後の質量b(g)、試料を入れないティ−バ
ッグを所定時間浸漬し、水切り後の質量の平均値c
(g)から、次式に従って算出した。
【0028】
【数1】
【0029】(b)生分解率:生分解性試験は、修正M
ITI試験に従って実施した。即ち基礎培養液200m
lに、試験物質としての高分子組成物を100ppmと
なるように添加すると共に、活性汚泥を30ppmとな
るように添加した。その後、この基礎培養液を暗所下で
25℃に保ち、振とうしながら28日間培養した。上記
期間中、活性汚泥により消費された酸素量を定期的に測
定し、生物化学的酸素要求量(BOD)曲線を求めた。
生分解率(%)は、上記BOD曲線から得られる試験物
質(高分子組成物)の生物化学的酸素要求量A(mg)
と、BOD曲線から得られるブランク、つまり、基礎培
養液の酸素要求量B(mg)と、試験物質を完全酸化さ
せる場合に必要な全酸素要求量(TOD)C(mg)と
から、次式
【0030】
【数2】
【0031】に従って算出した。
【0032】[参考例1]1Lの金属製セパラブルフラス
コにL−アスパラギン酸100gおよび85%燐酸50
gを仕込み、浴温180℃、減圧度600Paで、攪拌
しながら3.5時間反応させた。反応終了後、フラスコ
中にDMF400mlを添加し反応生成物を均一に溶解
させた。得られた溶液をイオン交換水1.5Lに滴下し
生成樹脂を再沈させた後、スラリーをミキサーで粉砕し
減圧濾過を行った。ろ過後、イオン交換水のpHが中性
になるまで洗浄を行い、得られたケーキを150℃で2
4時間熱風乾燥して、白色粉末状のポリこはく酸イミド
72.5gを得た。得られた樹脂をGPCで測定した結
果、重量平均分子量は125,000であった。
【0033】この白色粉末30gを200gのイオン交
換水に水酸化ナトリウム12.3gを溶解した液を添加
して室温で3時間攪拌し加水分解させ、粘ちょうな液を
得た。この液にメタノール1000mlを添加し、生成
した沈殿液を減圧濾過後、メタノールで洗浄し、60℃
で12時間減圧乾燥して白色粉末状の樹脂26.4gを
得た。
【0034】[参考例2]98gの粒状無水マレイン
酸、25%アンモニア水溶液70gを1Lの金属製セパ
ラブルフラスコに入れ、反応温度85℃、減圧度600
Paで、攪拌しながら3時間反応させた。次に、85%
燐酸65gを添加し反応温度180℃、減圧度600P
aで、攪拌しながら5時間反応させた。参考例1と同様
の操作により白色粉末状のポリこはく酸イミド88.7
gを得た。得られた樹脂をGPCで測定した結果、重量
平均分子量は6,000であった。
【0035】この白色粉末30gを200gのイオン交
換水に水酸化ナトリウム12.3gを溶解した液を添加
して室温で3時間攪拌し加水分解させ、粘ちょうな液を
得た。この液にメタノール1000mlを添加し、生成
した沈殿液を減圧濾過後、メタノールで洗浄し、60℃
で12時間減圧乾燥して白色粉末状の樹脂25.1gを
得た。
【0036】[実施例1]参考例1で得たポリアスパラギ
ン酸のナトリウム塩10gをpH6.0の水溶液50g
に溶解させた。これにカルボキシメチルセルロースの4
gをイオン交換水96gに懸濁した液、およびエチレン
グリコールジグリシジルエーテル1gを添加した。添加
後、得られた混合溶液を、乾燥機を用いて180℃で3
0分間乾燥して白色粉末状の樹脂13.2gを得た。樹
脂の吸水倍率、および生分解率を表1に記載した。
【0037】[実施例2]実施例1において、エチレング
リコールグリシジルエーテルをリジンに代えた他は実施
例1と同様にして、樹脂12.4gを得た。得られた樹
脂の吸水倍率、および生分解率を表1に記載した。
【0038】[実施例3]実施例1において、エチレング
リコールグリシジルエーテル量を0.2gに代えた他は
実施例1と同様にして、樹脂12.6gを得た。得られ
た樹脂の吸水倍率、および生分解率を表1に記載した。
[実施例4]実施例1において、参考例1のポリアスパラ
ギン酸ナトリウムを参考例2のポリアスパラギン酸ナト
リウムに代えた他は実施例1と同様にして、樹脂12.
1gを得た。得られた樹脂の吸水倍率、吸水速度、およ
び生分解率を表1に記載した。
【0039】[比較例1]参考例1で得たポリアスパラギ
ン酸のナトリウム塩10gをpH6.0の水溶液50g
に溶解させた。これにエチレングリコールジグリシジル
エーテル1gを添加した。添加後、得られた混合溶液
を、乾燥機を用いて180℃で30分間乾燥して白色粉
末状の樹脂10.2gを得た。樹脂の吸水倍率、および
生分解率を表1に記載した。
【0040】[比較例2]カルボキシメチルセルロースの
10gをイオン交換水96gに懸濁した液、およびエチ
レングリコールジグリシジルエーテル1gを添加した。
添加後、得られた混合溶液を、乾燥機を用いて180℃
で30分間乾燥して白色粉末状の樹脂9.8gを得た。
得られた樹脂の吸水倍率、および生分解率を表1に記載
した。
【0041】[比較例3]参考例1で得たポリアスパラギ
ン酸のナトリウム塩10gをpH6.0の水溶液50g
に溶解させた。これにカルボキシメチルセルロースの4
gをイオン交換水96gに懸濁した液を添加した。添加
後、得られた混合溶液を、乾燥機を用いて180℃で3
0分間乾燥して白色粉末状の樹脂12.7gを得た。樹
脂の吸水倍率、および生分解率を表1に記載した。
【0042】
【表1】
【0043】
【0044】
【発明の効果】本発明の樹脂は、吸水量、耐塩性、およ
び吸水速度に優れ、高度な生分解性を有し、且つ複雑な
工程を経ることなく安価に提供できるという効果を奏す
る。また土中の細菌や微生物などにより分解可能な生分
解性を有しているので、土中に埋めるだけで分解され
る。このため、廃棄処分が簡単であり、かつ安全性に優
れ、環境汚染などの環境衛生問題を引き起こすこともな
い。従って、オムツや生理用品などの衛生用品等の衛生
分野、医療分野、土木・建築分野、食品分野、工業分
野、農園芸分野など多種多様な分野に利用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井手口 茂樹 大阪府泉大津市条南町4−17 (72)発明者 田中 寿計 大阪府泉大津市条南町4−17 Fターム(参考) 4F070 AA01 AA02 AA57 AC45 AC87 AE08 4J001 DA01 DB02 DB09 DC11 EA33 EA36 EE25B EE38B EE43B EE55B EE57B FA03 FB01 FC01 GE11 JA01 JB17 JB50 JC01 4J043 PA02 QB06 RA34 SA05 SA62 SB01 TA12 TA53 TB01 YA30 YB02 YB15 YB29 YB31 YB32 YB33 YB35 YB40 ZA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミノ酸類と多糖類と架橋剤とを反
    応させて得られる樹脂からなる吸水性材料。
  2. 【請求項2】 ポリアミノ酸類が、ポリアスパラギン酸
    および/またはポリアスパラギン酸塩である請求項1記
    載の吸水性材料。
  3. 【請求項3】 架橋剤が、ポリアミノ酸類と多糖類との
    総計100重量部に対し、0.05〜20重量部である
    請求項1または2記載の吸水性材料。
  4. 【請求項4】 生理食塩水の吸収倍率が10g/g以上
    である請求項1〜3のいずれか1項記載の吸水性材料。
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