JP2000287951A - 磁気共鳴画像診断装置 - Google Patents

磁気共鳴画像診断装置

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JP2000287951A
JP2000287951A JP11104564A JP10456499A JP2000287951A JP 2000287951 A JP2000287951 A JP 2000287951A JP 11104564 A JP11104564 A JP 11104564A JP 10456499 A JP10456499 A JP 10456499A JP 2000287951 A JP2000287951 A JP 2000287951A
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JP11104564A
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Hiromichi Shimizu
博道 清水
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】EPI法の画質を改善する。 【解決手段】本撮影に加えて組織毎のT2値を別途計測
し,このT2データを用いてk空間における計測信号を補
正してから再構成を行う。また,同一視野の画像を多数
計測する場合は,1回のT2分布計測データを共通に利
用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は,磁気共鳴診断装置
(MRI装置)に関し,特にエコープレーナーイメージン
グ法(EPI法)によって得られる画像の画質補正に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年,MRI装置は組織描出能に優れた画
像診断装置として,X線CT装置と並んで疾病の重要な診
断手段となっている。MRI装置では近年撮影の短時間
化,多機能化が達成されてきているが,高画質を短時間
で得るにはまだ十分とは言えない。例えば呼吸運動を行
っている腹部を撮影すると,被検体の呼吸動による体動
アーチファクトが発生する。これは位相エンコード毎に
位置がずれた被写体を計測し,フーリエ変換によって1
枚の画像を合成したためである。
【0003】体動の影響を受けない撮影法として,超高
速撮像法のEPI法がある。これは50〜100ms程度の時間で
1枚の画像を計測するので,この程度の短時間であれば
被写体は事実上静止しているとみなすことができる。し
かし,EPI法の画像はアーチファクトや歪みが多く,現
状では,一般の臨床撮像法を置き換えるまでには至って
いない。
【0004】EPI法は1回の磁化の励起で1枚の画像生
成が可能である反面,1枚の画像分のデータ取得完了ま
での時間が長いため,静磁場不均一の影響が時間的に累
積し,歪みや偽像を生じがちである。
【0005】画像から静磁場不均一の影響を取り除く方
法として,静磁場分布データを用いてk空間(計測デー
タを配置する空間)のデータを補正してから再構成する
方法が最近提案された(Y.M.Kadah and X. Hu, "Si
mulated Phase EvolutionRewinding(SPHERE) : A
Technique for Reducing Bo InhomogeneityEffects
in MR Images", Magnetic Resonance in Medec
ine, vol.38,615-627(1997))。
【0006】静磁場不均一が存在するとき,計測された
k空間データD(k)は式1となる。ただし,T2減衰の効果
は省略している。
【数1】 ここで,f(r)は核スピン密度分布,Δν(r)は静磁場不
均一による共鳴周波数のずれ,t(k)はスピンが静磁場不
均一を感受する時間,rは空間座標,γは磁気回転比,j
は虚数単位である。静磁場強度をB(r)とすると,Δν
(r)=γΔB(r)である。
【0007】式1は傾斜磁場による空間座標のエンコー
ドに加えて,静磁場不均一による位相回転がスピン密度
分布関数に加わることを示す。ここで,式2
【数2】 が成り立つ場合,すなわちk空間を充填するためにデー
タを計測する時間が,静磁不均一によってスピンが分散
する時間よりも十分短ければ,式1は次の式3へ近似で
きる。
【数3】
【0008】式3のD(k)をkについてフーリエ変換する
と[ ]内の被積分関数が得られる。この関数は本来の
スピン分布関数f(r)がΔν(r)による位相回転を受けた
ものである。診断のための画像は,通常フーリエ変換後
絶対値を取ったものがディスプレイの輝度変調に用いら
れるので位相因子は取り除かれ,スピン密度分布f(r)が
表示される。式2が成立しない場合は,式2の再構成画
像には歪みとぼけが生じる。
【0009】 Kadahらの方法は,式1のDをそのまま再
構成する代わりに,次の式4により補正されたDを計算
しこれを再構成する方法である。
【数4】 ここで,記号に( ’)を付けたものは推定値を表す
(以下、同様とする。)。
【0010】式4では推定値f'(r)は静磁場不均一によ
る位相回転を含むものと仮定し,これを逆符号の位相項
で相殺している。このようなf'(r)は式1の元のD(k)を
再構成して得た画像f(r)で近似することができる。静
磁場分布Δν(r)の推定値はエコー時間をずらせて計測
した2枚の画像の位相差をアンラップ処理した後,磁場
強度へ換算して得る。式4の右辺のrに関する積分を実
行し,Dの推定値を得,これを改めて再構成して最終画
像を得る。
【0011】式3の近似が成り立たないのは,信号計測
窓が長い撮影シーケンスの場合である。このようなシー
ケンスとしてシングルショットEPI法がある(図2)。
シングルショットEPIでは一回の励起(図2の21)で1
枚の画像形成に必要な全ての位相エンコード分のデータ
を取得する。リードアウト傾斜磁場26の反転周期は装置
的な限界から3ms程度であり,64エコーを取得するとす
ると,エコー列27の全長は3ms×64/2=96msになる。デー
タ計測窓(29)はこれをカバーする必要から約100msに
及ぶものとなる。静磁場強度が1.5Tで静磁場場不均一が
1 ppm,信号計測窓が100msとすると,Δν=64 MHz×1
0-6=64 Hz,max(t)-min(t)=100msより式3の左辺は64×
0.1=6.4となり,式3の条件が大きく破れる。これに対
して従来形SEでは計測窓は3〜30ms程度である。
【0012】 以上を要約すると,シングルショットEP
I法では,静磁場不均一による位相回転の影響が従来の
シーケンスに比べて大きく出る。それを低減するために
静磁場分布を別途計測し,これに基づいてk空間データ
を補正してから再構成する方法が提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ここで,T2減衰を考
える。一般にMRI装置における計測信号は式5で表され
ている。
【数5】
【0014】しかし,実際にはT2は組織依存性があ
り,脂肪では約40ms,組織内外の水では50ms〜2000msで
ある。これを考慮すると,式5は正確には式6となる。
【数6】
【0015】式6によるとT2(r)によって,f(r)の振幅
が空間周波数成分kに応じて異なった度合いで変調され
る。この変調は,T2に対して信号計測窓が小さい場
合,すなわち次の式7が成立する条件下では無視でき
る。
【数7】
【0016】この場合,t(k)≒0と近似でき,式6は次
の式8へ変換できる。ここでt0はエコーの中心時刻であ
る。
【数8】
【0017】式8は,D(k)をkについてフーリエ変換す
れば,f(r)をT2(r)減衰によって重み付けした画像が得
られることを示す。この画像では空間周波数成分によら
ないT2強調が得られる。
【0018】例えばコンベンショナルSE法(SE法:スピ
ンエコー法)で信号計測窓を10msとし,T2が最小の画
素で50msとすると,10ms/50ms=0.2となり,式7はぼぼ
満たされる。このような場合にはプロトン密度f(r)をT
2で重み付けする,診断上有用な効果が得られる。例え
ば長いTEにより脂肪などの短T2成分が抑制され,自由
水が強調された画像が得られる。
【0019】これに対して1回の励起に伴うk空間走査
時間(以下,信号計測窓と記す)が長いシーケンスで
は,f(r)の振幅が空間周波数成分に応じて異なった度合
いで変調され,厳密には空間分布が不正確になる。この
代表はシングルショットEPI法である。前述のようにシ
ングルショットEPI法ではmax(t)-min(t)は100ms程度の
長さがあり,式7の左辺は100ms/50ms=2となる。また,
EPI法ではk空間の軌跡がジグザグであるため,空間分布
の不正確さは増幅される。さらに,最近登場したシング
ルショットFSE法(FSE法:高速スピンエコー法)(図
3)では,エコー毎にπパルス(32,33,34....)を印
加するため,エコー間隔が広くなり,その結果信号計測
窓は数百msに及ぶためやはり空間分布が不正確なT2強調
画像となる。ここで,FSE法の信号計測窓は個々のエコ
ーのA/Dの時間ではなく,位相エンコードデータが全て
収集されるのに必要なエコー1,エコー2,...の全エコ
ーの計測時間である。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は,静磁場,傾斜磁場及びRF(高周波)磁場発生
手段と,磁気共鳴信号検出手段と,画像再構成手段と,
画像表示手段及びこれらの制御手段を備える磁気共鳴画
像診断装置において,本撮影の対象とする視野における
T2分布を予備計測として計測し,該T2分布データを保
存する手段と,本撮影を実施し計測データを再構成処理
し画像データを得,これを保存する手段と,上記T2分
布データと本撮影画像データとからT2分布を補正したk
空間の計測データを生成し,該補正されたk空間計測デ
ータを再構成することによって最終画像を得る手段とを
備えたことを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。図4は本発明の核磁気共鳴診断装置
の概略構成図である。同図において402は被検体内部に
一様な静磁場B0を発生させるための電磁石または永久磁
石から成る静磁場発生装置,401は被検体,414aは高周
波磁場を発生する高周波コイル(送信コイル),414bは
被検体から生じる核磁気共鳴信号を検出するための高周
波コイル(検出コイル),409は直交するx,yおよびzの
3方向に強度が線形に変化する傾斜磁場Gx,Gy,Gzを発生
する傾斜磁場コイル,410は傾斜磁場コイルに電流を供
給するための傾斜磁場電源である。また,408はコンピ
ュータ,406は信号処理系,421は操作部である。
【0022】次に,MRI装置の動作の概要を上記各構成
の詳細を含めて説明する。シンセサイザ411により発生
させた高周波を変調器412で振幅または位相変調し電力
増幅器413で増幅し,送信コイル414aに供給することに
より被検体401の内部に高周波磁場を発生させ,核スピ
ンを励起させる。通常は1Hを対象とするが,31P,12C
等,核スピンを有する他の原子核を対象とすることもあ
る。
【0023】励起核スピンのエネルギー緩和に伴い被検
体401から放出される核磁気共鳴信号は,検出コイル414
bにより受信され,増幅器415で増幅された後,検波器41
6で直交位相検波され,A/D変換器417を経てコンピュー
タ408へ入力される。コイル414は送受信両用でもよく,
別々でもよい。コンピュータ408は信号処理後,前記核
スピンの密度分布,緩和時定数でコントラストを付与し
た密度分布,スペクトル分布等に対応する画像をディス
プレイ428に表示する。424と425は計算途中のデータあ
るいは最終データを収納するメモリである。傾斜磁場発
生系403,送信系404,検出系405は全てシーケンサ407に
よって制御され,このシーケンサ407はコンピュータ408
によって制御される。コンピュータ408は操作部421から
の指令により制御される。
【0024】このような装置における本発明の実施例を
以下詳細に説明する。先ず,本発明の原理を説明する。
本発明では,k空間のデータに対して,T2分布の補正を
されたD(k)を次の式9により計算し,これを再構成して
画像を得る。
【数9】
【0025】ここで,推定値f'(r)には式6のDを再構成
した画像を当てることができる。推定値T2'(r)は信号
計測窓が短いシーケンスで計測する。例えば180度パル
スを2回印加するSE法シーケンス(図8参照。以下ダブ
ルエコーSE法と記す)で,実効TEを異ならせた2枚の画
像の信号強度比から計算できる。近似式8を用いると,
第一エコーと第二エコーはそれぞれ式10,式11とな
る。
【数10】
【数11】
【0026】再構成後の画像をそれぞれG1(r),G2(r)と
すると,信号強度比は,
【数12】 となり,式12を画素毎にT2について解くことにより
推定値T2'(r)が得られる。
【0027】以上のT2補正の処理を図1に示す。図中1
1は予備計測としてのダブルエコーSE法シーケンスによ
るT2分布計測,13はシングルショットEPI法による本計
測である。
【0028】シングルショットEPI法でT2強調画像を得
るには,真のプロトン密度分布f(r)と推定値T2'(r)か
ら計算画像を式13により作成する。
【数13】
【0029】さて,本撮影のシングルショットEPI法が
短時間で終了するのに対して,予備撮影としてのSE法に
よるT2分布画像計測は長時間を要するものとなる。そ
こで,視野内で静止した被写体を連続撮影する場合に
は,一度計測したT2分布画像データを多くの本撮影に
対して適用する。本発明ではこのような応用が実用上重
要になる。このような応用例としては,ダイナミックな
変化を追跡する脳機能計測や,拡散感受性傾斜磁場の強
度や方向を変えて多数の計測を行う拡散異方性計測があ
る。
【0030】上記T2分布データは,基本的には実効TE
が異なる2枚の画像データが得られるSE型撮影法であれ
ばどのような撮影法からも得られる。コンベンショナル
SE,FSE,SE型EPIなどを用いることができる。また,実
効TEを変えて撮影を2回反復する代わりに,180度パル
スをはさんで同じ位相エンコードを実行し,2画像分の
画像データを得るダブルエコー法を用いることもでき
る。信号計測窓の長さから,シングルショットFSE法は
T2分布の影響が最も大きく,SE法は最も小さい。シン
グルショットEPI法はシングルショットFSE法よりも計測
窓は小さいが静磁場不均一による歪みは大きい。撮影時
間と歪みの兼ね合いから,マルチショットFSE法または
マルチショットEPI法が有効である。
【0031】本発明は組織毎のT2値を計測し,このデ
ータを用いて計測信号を補正してから再構成を行うの
で,シングルショットEPI法やシングルショットFSE法な
どの信号計測窓が長いシーケンスにおいてT2分布に由
来する偽像を低減できる。また,正確な密度分布画像お
よびT2画像が作成できる。T2分布計測の分だけ患者の
全検査時間は延長されるが,脳機能計測や拡散異方性計
測などのように同一視野の画像を多数計測する場合は,
1回のT2分布計測データを共通に利用することによ
り,全検査時間の延長を抑えることができる。
【0032】図6(a)にT2分布を計測するためのマルチ
ショットFSE法の基本形を示す。このシーケンスは短時
間で静磁場不均一の影響がないT2分布を計測できる。
π/2パルス61で磁化を励起した後,πパルス62,63,.6
4,....によるRFエコー生成を反復する。位相オフセッ
トパルス602によりk空間の位相オフセットを指定する。
位相エンコードパルス603によりπパルス毎に異なる位
相エンコードを信号に付与する。また,位相リワインド
パルス604によりπパルス毎に位相エンコードのリセッ
トを行う。実効TEは位相オフセットと位相エンコードを
零に設定したπパルスのサイクルで決まる。磁化の励起
後の信号のT2減衰を曲線610で示す。RFエコー608,609
の中心の信号強度は曲線610に乗る。画像のT2減衰は実
効TEによってほぼ決定される。
【0033】図6(a)のシーケンスを,実効TEを変化さ
せて2回実施することにより,式10,式11のデータ
を収集し再構成し,式12をT2(r)について解くことに
よりT2分布を得る。実効TEを短く設定する必要がある
ときはk空間の低位相エンコードから順番に計測し,位
相方向に対して公知のハーフフーリエ再構成法を適用す
る。マルチショットFSE法のショット数は,信号計測窓
が式7を満たす条件下で,撮影時間が最短になるように
設定する。その結果ショット数が多く取れず,TRの待ち
時間に余裕がある場合は,図6(b)のように,πパルス
によるリフォーカスをはさんで同じk空間領域のマルチ
ショトFSE法(m-FSE1とm-FSE2)を繰り返すことにより
データ収集効率を2倍に高めることができる。図6(b)
では信号計測窓はm-FSE1またはm-FSE2内の信号計測時間
となる。
【0034】最も正確なT2分布を得るには,信号計測
窓を小さく設定したSE法が適する。この例を図7に示
す。同図のTEを二通りに変化させた計測を行い,式1
0,式11のデータを収集する。信号計測窓はA/D701の
時間となる。これはリードアウト傾斜磁場77を大きくと
ることにより小さくできる。リードアウト傾斜磁場77を
例えばシングルショットEPI法と同一の25mT/mに設定す
れば,信号計測窓をシングルショットEPI法の1/64〜1/1
28程度に短縮でき,式7の条件を十分に満たすことがで
きる。また,全ての位相エンコードが同じt(k)を持つの
で,この点からも空間周波数成分によるT2分布の歪み
が少なくなる。SE法の欠点は撮影時間が最も長くなる点
である。図8はダブルエコー法として,データ収集効率
を2倍に改善した例である。エコー802を計測後,πパ
ルス83によって同一エンコードでTEが異なるエコー803
を発生させる。エコー802からTE1のデータを,エコー80
3からTE2のデータを得る。信号計測窓は個々のエコーの
A/D時間805または806となり,シングルエコー法の場合
と変わらない。
【0035】図5はマルチショットEPI法によるT2分布
計測の例である。エコー列503を計測後,πパルス53に
より磁化を反転させ,第2のエコー列504を計測する。
両者について位相オフセット57は共通とする。信号計測
窓はそれぞれのエコー列のA/D時間506または507とな
る。マルチショットFSE法との比較では,撮影時間はよ
り短いが,静磁場分布の影響によってT2分布画像に歪
みが出やすい欠点がある。T2分布はメモリへセーブす
る。
【0036】本撮影としてEPI法またはFSE法撮影を行
う。計測データを一旦再構成し(図1の14),これを式
9の推定値f'(r)とする。推定値f'(r)と上記のT2分
布を用い,式9の右辺の空間座標rに関する積分を実効
し,計測データの推定値D'(k)を得る(図1の15)。式
9において,磁化励起後の時刻tはkをパラメータとして
記述され,k空間の軌跡に依存したものになる。式9の
計算は厳密には変数kの離散値毎に必要になるが,EPI法
では近似的にリードアウト方向は同一とし,位相方向の
ライン毎にまとめて行うことができる(前掲Kadahらの
論文を参照)。具体的には同一ライン上のt(k1),t(k
2),t(k3),.....をt(kn)で代表させ,これらについて
のD'(k)を共通とする。この点はFSE法についても同様で
ある。
【0037】最後にD'(k)をフーリエ変換し(図1の1
6),T2補正された画像f(r)を得る。この画像はT2の
効果が相殺されており,純粋なプロトン密度画像とな
る。一方,診断では通常プロトン密度像よりもT2強調
像が用いられる。プロトン密度像からT2強調画像への
変換は,既に得たT2分布と真の密度分布f(r)とから,
式13によって容易に行うことができる。
【0038】以上,EPI法とFSE法をベースにして説明し
てきたが,本発明はスパイラルスキャン,バースト等種
々の公知の長い計測窓を有するシーケンスへ適用するこ
とができる。
【0039】本発明では予備撮像としてT2分布計測が
必要になるため,その分だけ全検査時間は延長される。
従って本撮影が1回のみの場合は,時間的にはメリット
が小さい。これに対して,同一視野の画像を多数計測す
る場合は,1回のT2分布計測データを画像間で共通に
利用でき,全検査時間の延長を抑えることができる。例
えば脳機能計測では,刺激印加の時間パターンを変化さ
せて数十〜数百のシングルショットEPI法パルスシーケ
ンスで連続撮影する。また拡散異方性計測では2回の対
称な拡散テンソルの6個の独立成分を計測するため,基
準計測を含めて7回のシングルショットEPI法パルスシ
ーケンスやシングルショットFSE法パルスシーケンスの
実行が必要になる。これらの計測データの補正に本発明
は特に有効である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によればシ
ングルショットEPI法やシングルショットFSE法などの信
号計測窓が長いシーケンスにおいて,T2分布に由来す
る偽像を低減できる。また,正確なプロトン密度像また
は,T2強調像が作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ処理の流れを示す図。
【図2】本発明の対象であるシングルショットEPIを示
す図。
【図3】本発明の対象であるシングルショットFSEを示
す図。
【図4】磁気共鳴画像診断装置の全体の構成を示す図。
【図5】マルチショットEPIによるT2分布計測法を示す
図。
【図6】マルチショットFSEによるT2分布計測法を示す
図。
【図7】コンベンショナルSEによるT2分布計測法を示す
図。
【図8】ダブルエコーSEによるT2分布計測法を示す図で
ある。
【符号の説明】
21.....励起90°RFパルス 22.....反転180°RFパルス 23,24.....スライス選択傾斜磁場パルス 25....位相エンコード傾斜磁場パルス 26.....リードアウト傾斜磁場パルス 27.....エコー 28.....T2減衰曲線 29.....信号計測窓 302.....位相エンコード傾斜磁場パルス 303.....位相リワインド傾斜磁場パルス 304.....リードアウトオフセット傾斜磁場パルス 305,306......リードアウト傾斜磁場パルス 401......被写体 413.....RFアンプ 414a......送信RFコイル 414b....検出RFコイル 415.....プリアンプ 417......A-D変換器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場,傾斜磁場及びRF(高周波)磁場
    発生手段と,磁気共鳴信号検出手段と,画像再構成手段
    と,画像表示手段及びこれらの制御手段を備える磁気共
    鳴画像診断装置において,本撮影の対象とする視野にお
    けるT2分布を予備計測として計測し,該T2分布データ
    を保存する手段と,本撮影を実施し計測データを再構成
    処理し画像データを得,これを保存する手段と,上記T
    2分布データと本撮影画像データとからT2分布を補正し
    たk空間の計測データを生成し,該補正されたk空間計測
    データを再構成することによって最終画像を得る手段と
    を有することを特徴とする磁気共鳴画像診断装置。
JP11104564A 1999-04-12 1999-04-12 磁気共鳴画像診断装置 Pending JP2000287951A (ja)

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