JP2000286856A - 無線lanシステム - Google Patents

無線lanシステム

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JP2000286856A
JP2000286856A JP8868599A JP8868599A JP2000286856A JP 2000286856 A JP2000286856 A JP 2000286856A JP 8868599 A JP8868599 A JP 8868599A JP 8868599 A JP8868599 A JP 8868599A JP 2000286856 A JP2000286856 A JP 2000286856A
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master station
slave station
master
scramble
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JP8868599A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Sugino
弘幸 杉野
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Kokusai Electric Corp
Original Assignee
Kokusai Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線LANシステムでローミングを行うのに
有効な技術を提供する。 【解決手段】 親局装置1はスクランブルパターン通知
手段によりスクランブル処理に用いるスクランブルパタ
ーンに関する情報を子局装置2に対して無線送信し、子
局装置2は親局装置1から受信した情報により特定され
るスクランブルパターンを用いてスクランブル処理手段
21により親局装置1との通信情報をスクランブル処理
する。また、他の発明として、複数の親局装置は互いに
異なる周波数を用いて報知信号を無線送信し、子局装置
は複数の親局装置の通信可能領域を移動して親局装置と
無線通信するに際して、親局装置から受信した報知信号
により確立した同期が外れた状態が所定の期間継続した
ことに応じて受信周波数を切替えて報知信号の受信状態
を確立する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親局装置と子局装
置とが無線通信する無線LANシステムや当該システム
の子局装置に関し、特に、無線LANシステムにおいて
ローミングを行うのに有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のLAN(Local Area Network)シ
ステムとしては、有線接続を用いたシステム(有線LA
Nシステム)が大半を占めており、無線接続を用いたシ
ステム(無線LANシステム)の需要はほとんど無かっ
た。しかしながら、有線LANシステムを用いた場合に
は、例えば社内等に配置されたLANのレイアウトを変
更するに際してLANケーブルの配置位置を変更しなけ
ればならないといった煩わしさがある。このため、近年
では、このような煩わしさを解消することができる利点
が注目されて、無線LANシステムが一般に普及しつつ
ある。
【0003】ここで、図5には、実施が検討等されてい
る無線LANシステムの一例を示してあり、この無線L
ANシステムには、親局装置(CM:Cont rol Modul
e)51と、親局装置51と無線通信する複数の子局装
置(UM:User Module)52a〜52cと、親局装置
51と接続されるLANのバックボーンネットワーク5
3と、各子局装置52a〜52cと接続されるデータ処
理装置P1〜P3とが設けられている。
【0004】なお、各データ処理装置P1〜P3はノー
トPC(ノートサイズのパーソナルコンピュータ)等と
いったパーソナルコンピュータ(PC)から構成されて
おり、例えば各データ処理装置P1〜P3に設けられた
PCカードスロットを用いて各データ処理装置P1〜P
3と各子局装置52a〜52cとがPCカードスロット
インタフェースF1〜F3を介して接続されている。
【0005】上記図5に示した無線LANシステムで
は、各データ処理装置P1〜P3が各子局装置52a〜
52cを介して親局装置51との間で情報を通信するこ
とが行われ、これにより、各データ処理装置P1〜P3
は親局装置51を介して他のデータ処理装置P1〜P3
と情報を通信することができる。また、親局装置51と
子局装置52a〜52cとの無線通信では例えば通信フ
レームが用いられる。
【0006】図6には、上記した親局装置51と子局装
置52a〜52cとの無線通信で用いられる通信フレー
ムのフォーマットの一例を概略的に示してあり、親局装
置51と子局装置52a〜52cとは当該通信フレーム
を用いて例えばTDD(TimeDivision Duplex)通信を
行う。
【0007】同図には、通信フレームの1フレーム分の
構成例を示してあり、この1フレームは、報知信号を送
信する1個の報知信号スロットBと、受信確認信号を送
信するm(例えばmは複数)個の受信確認信号スロット
Aと、要求信号を送信するn(例えばnは複数)個の要
求信号スロットRと、許可信号を送信するm個の許可信
号スロットGと、データ信号を送信するm個のデータ信
号スロットDとが例えば記載順に並べられて構成されて
いる。
【0008】ここで、報知信号は親局装置51から子局
装置52a〜52cに対して送信される信号であり、親
局装置51と子局装置52a〜52cとの同期を確立す
るための信号である。また、要求信号は子局装置52a
〜52cから親局装置51に対して送信される信号であ
り、親局装置51へのデータ送信を要求するための信号
である。
【0009】また、許可信号は親局装置51から子局装
置52a〜52cに対して送信される信号であり、上記
した要求信号に応じて子局装置52a〜52cからのデ
ータ送信を許可することを通知することや、子局装置5
2a〜52cへのデータ送信を通知することを行うため
の信号である。
【0010】また、データ信号は親局装置51から子局
装置52a〜52cに対して、或いは子局装置52a〜
52cから親局装置51に対して送信される信号であ
り、これらの装置の間でデータを通信するための信号で
ある。また、受信確認信号は子局装置52a〜52cか
ら親局装置51に対して、或いは親局装置51から子局
装置52a〜52cに対して送信される信号であり、上
記したデータ信号の受信状況を相手の装置に通知するた
めの信号である。
【0011】上記図6では図示を省略したが、通信フレ
ーム中の各スロットの先頭にはガードビットやバースト
ヘッダが付加されており、これらの一例を図7に示す。
同図には、上記図6に示したフレームの一部の詳細な構
成例を示してあり、同図に示されるように、各スロット
(例えば同図に示した報知信号スロットBや受信確認信
号スロットA1等)の先頭にはガードビット61a、6
1b、61cやバーストヘッダ62a、62b、62c
が付加されている。また、同図に示されるように、各バ
ーストヘッダ62a〜62cは、ビット同期信号63
や、フレーム同期信号64や、識別信号65から構成さ
れている。
【0012】ここで、ガードビット61a〜61cは例
えば各スロットの通信方向を切替える時間を確保するた
めの信号であり、一例として、“1”値を数十ビット並
べたパターンから構成される。なお、ここでは、例えば
親局装置51が指向性を有する複数のアンテナを切替え
て子局装置52a〜52cと無線通信することとしてお
り、上記した「各スロットの通信方向を切替える」と
は、例えば各スロット毎に通信に用いるアンテナを切り
替えることを言っている。
【0013】また、ビット同期信号63はビット同期を
確保するための信号であり、一例として、“1”値を数
十ビット並べたパターンから構成される。また、フレー
ム同期信号64はフレーム同期を確保するための信号で
あり、一例として、“0”値と“1”値とから成る数十
ビットのユニークパターンから構成される。また、識別
信号65は信号の送信元の装置(すなわち、親局装置5
1或いは子局装置52a〜52c)に割り当てられた識
別子(ID)の情報を含んだ信号であり、一例として、
当該装置のMACアドレスを特定する数十ビットのパタ
ーンから構成される。
【0014】また、図8には、上記した各スロットに格
納されて送信される信号の構成例を示してある。同図に
示されるように、各スロットには種別情報71や送信先
識別子情報72やその他のデータ等73の信号が格納さ
れて送信される。
【0015】ここで、種別情報71はスロットの種別を
示す情報であり、例えば“0001”という値であれば
報知信号スロットを示し、“0010”という値であれ
ば受信確認信号用スロットを示し、“0100”という
値であれば要求信号スロットを示す等といったようにス
ロットの種別を示す。また、送信先識別子情報72は信
号の送信先の装置(すなわち、子局装置52a〜52c
或いは親局装置51)に割り当てられた識別子の情報で
あり、上記と同様に例えば当該装置のMACアドレスが
用いられる。
【0016】また、上記した報知信号を用いて子局装置
52a〜52cが親局装置51との同期を確立する仕方
の一例を示す。すなわち、親局装置51は各フレーム毎
に通信可能領域の子局装置52a〜52cに対して報知
信号を無線送信し、子局装置52a〜52cは例えば電
源が投入されて起動されるときに、親局装置51からの
信号を連続的に受信する。
【0017】そして、子局装置52a〜52cは上記図
7に示したフレーム同期信号64の受信を検出した時点
で親局装置51との仮同期を確立し、更に、受信信号を
解析することで報知信号の受信を検出した時点で仮同期
の状態から本同期の状態へ移行して親局装置51との同
期を確立する。このように同期が確立した後に、親局装
置51と子局装置52a〜52cとは各スロットにより
各種の信号を無線通信する。
【0018】ところで、近年では、例えば上記したデー
タ処理装置P1〜P3として用いることが可能な携帯型
のノートPC等が広く普及してきたことに伴って、この
ような周辺機器装置のモバイル性が強く要求されてい
る。なお、子局装置にデータ処理装置を接続する構成で
はなく、例えば子局装置が単体で親局装置と無線通信す
る構成とすることも可能であるが、このような構成にお
いても、子局装置のモバイル性は強く要求される。
【0019】しかしながら、現在普及しつつある無線L
ANシステムは、主として屋内に配線するLANケーブ
ルを削減することを目的としたものであり、モバイル性
を考慮して構築されたシステムではないため、ローミン
グ機能を有していない。このようにローミング機能を有
した無線LANシステムは現在では存在しないため、上
記のようなモバイル性を実現するには無線LANシステ
ムにおけるローミングの構成を開発することが必要とな
る。
【0020】ここで、例えば携帯電話システム等で用い
られているローミングの方法を無線LANシステムに適
用することができるかを考えてみる。携帯電話システム
等では、子局装置が一定時間おきに親局装置から受信す
る信号の受信電界強度(RSSI)を測定しており、当
該測定値が所定の閾値以下となった場合に子局装置が他
の親局装置の通信可能領域へ移動したものとみなして、
子局装置と親局装置との間で通信を行ってローミング処
理を行う。
【0021】しかしながら、上記のような携帯電話シス
テム等のローミング方法を無線LANシステムに適用し
た場合には、幾つかの不具合が生じてしまう。例えば、
無線LANシステムでは、一般に、大容量のデータを無
線で高速に通信することを実現するためにミリ波帯や準
ミリ波帯等といった高帯域の周波数を用いて無線通信が
行われるが、ミリ波や準ミリ波等は直進性が強いため、
無線通信の品質が障害物の有無に応じて大きく変動して
しまうといった不具合がある。
【0022】すなわち、親局装置と子局装置との間で行
われる無線通信の品質が障害物の有無に応じて大きく変
動してしまうため、子局装置では正確なRSSIを測定
することが困難であり、ローミング処理を正確に行うこ
とができないといった不具合がある。また、RSSIを
測定するための部品を子局装置に備えることを省略して
部品のコストを削減したいといった要求もある。以上の
ようなことから、無線LANシステムでは、例えばRS
SIを測定しなくともローミング処理を行うことができ
る子局装置の開発が望まれている。
【0023】また、無線LANシステムでは、例えば親
局装置と子局装置とがスクランブル処理した情報を通信
する構成が用いられることが多い。ここで、本明細書で
言うスクランブル処理とは、例えば送信対象のデータ系
列をスクランブルパターンによりランダムなデータ系列
へ変換(スクランブル)する処理や、或いは、このよう
にして変換されたランダムなデータ系列をスクランブル
パターンにより元のデータ系列へ再変換(デスクランブ
ル)する処理のことを示し、このような処理によりベー
スバンド送信信号のゼロ抑圧や、データの秘匿性の確保
を実現することができることが一般に知られている。
【0024】上記のようなスクランブル処理を行う場合
には、親局装置と子局装置とが同じスクランブルパター
ンを用いてスクランブル処理を行うことが必須の要件と
なり、親局装置と子局装置とが異なるスクランブルパタ
ーンを用いるとこれらの装置では正常な受信処理を行う
ことができない。このため、従来の無線LANシステム
では、システムを構築する際や子局装置を増設するに際
して、親局装置に設定されているスクランブルパターン
の初期値と同じパターンをシステム運用前にユーザがデ
ータ処理装置等を用いて子局装置に設定することが行わ
れている。
【0025】なお、ここで言うスクランブルパターンの
初期値とは、例えば親局装置や子局装置がスクランブル
パターンとしてPN(Pseudorandom Noise)系列を複数
ビットのシフトレジスタを用いて発生させるような場合
において当該シフトレジスタに設定される初期値のこと
である。この初期値が同じ値に設定されると、発生する
スクランブルパターンが同じになる。
【0026】しかしながら、例えば無線LANシステム
でローミング処理を行うようにすると、子局装置では他
の親局装置の通信可能領域へ移動するに際して、当該親
局装置が用いるスクランブルパターンと同じパターンを
用いるように設定を変更することが必要となる。このた
め、例えば無線LANシステムでローミング処理を行う
ようにする場合には、親局装置が用いるスクランブルパ
ターンと子局装置が用いるスクランブルパターンとを一
致させる構成を開発することが要求される。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例で示したよ
うに、従来の無線LANシステムでは、例えば無線LA
Nシステムでローミング処理を行うことを実現するため
に、RSSIを測定しなくともローミング処理を行うこ
とができる子局装置の開発が望まれていた。また、同様
に、従来の無線LANシステムでは、例えば無線LAN
システムでローミング処理を行うことを実現するため
に、親局装置が用いるスクランブルパターンと子局装置
が用いるスクランブルパターンとを一致させる構成を開
発することが要求されていた。
【0028】本発明は、このような従来の課題を解決す
るためになされたもので、親局装置と子局装置とがスク
ランブル処理した情報を無線通信するに際して、親局装
置が用いるスクランブルパターンと子局装置が用いるス
クランブルパターンとを一致させることができる無線L
ANシステムを提供することを目的とする。また、本発
明は、例えばRSSIを測定しなくともローミング処理
を行うことができる無線LANシステムの子局装置を提
供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る無線LANシステムでは、次のように
して、親局装置と子局装置とがスクランブル処理した情
報を無線通信する。すなわち、親局装置はスクランブル
パターン通知手段によりスクランブル処理に用いるスク
ランブルパターンに関する情報を子局装置に対して無線
送信する一方、子局装置はスクランブル処理手段により
親局装置から受信した情報により特定されるスクランブ
ルパターンを用いて親局装置との通信情報をスクランブ
ル処理する。
【0030】従って、親局装置から子局装置に対してス
クランブルパターンに関する情報を送信することによ
り、子局装置では親局装置が用いるスクランブルパター
ンと同じパターンを設定することができるため、親局装
置が用いるスクランブルパターンと子局装置が用いるス
クランブルパターンとを一致させることができる。この
ため、例えば親局装置と子局装置とがスクランブル処理
した情報を無線通信する無線LANシステムでローミン
グ処理を行うことを実現することができる。なお、この
ようなローミング処理を行わない構成であっても、本発
明を適用すると、ユーザによって子局装置にスクランブ
ルパターンの初期値等を設定する作業を省略することが
できる。
【0031】また、本発明に係る子局装置では、複数の
親局装置が互いに異なる周波数を用いて報知信号を無線
送信する無線LANシステムに設けられ、複数の親局装
置の通信可能領域を移動して親局装置と無線通信するに
際して、次のようにしてローミング処理を行う。すなわ
ち、受信手段が親局装置から送信される報知信号を受信
し、同期確立手段が受信した報知信号により親局装置と
の同期を確立し、切替手段が確立した同期が外れた状態
が所定の期間継続したことに応じて受信手段の受信周波
数を切替えて報知信号の受信状態を確立する。
【0032】従って、例えば子局装置が一の親局装置の
通信可能領域から他の親局装置の通信可能領域へ移動し
た場合には、子局装置では当該一の親局装置との同期外
れの状態が所定の期間継続したことに応じて当該他の親
局装置から送信される報知信号を受信して当該他の親局
装置との同期を確立することが行われるため、例えばR
SSIを測定しなくともローミング処理を行うことがで
きる。また、RSSIを測定するための部品を子局装置
に備えることを省略することが可能であるため、このよ
うな部品のコストを削減することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施例として、本発
明に係る無線LANシステムの一実施例を図面を参照し
て説明する。ここで、本例の無線LANシステムの概略
的な構成は、例えば上記図5に示したものと同様である
が、本例では、例えば複数の親局装置が設けられてお
り、子局装置は複数の親局装置の通信可能領域を移動し
て親局装置と無線通信する。
【0034】なお、子局装置に接続されるデータ処理装
置としてはどのようなものが用いられてもよい。また、
本発明では、例えば子局装置とデータ処理装置とが必ず
しも別体で構成されなくともよく、例えば子局装置が単
体で親局装置と無線通信する構成を用いることもでき
る。また、本例では、バックボーンネットワークは例え
ばイーサネット(登録商標)のケーブルから構成される
が、例えばバックボーンネットワークが無線通信を用い
たネットワークから構成されてもよい。
【0035】また、本例の無線LANシステムでは、例
えば上記図6や図7に示したものと同様な構成の通信フ
レームを用いて親局装置と子局装置とがTDD通信する
が、図2を用いて後述するように、報知信号スロットに
格納されて送信される信号の構成が上記図8に示したも
のと異なっている。
【0036】図1には、本例の親局装置1や子局装置2
の概略的な構成例を示してある。なお、親局装置1や子
局装置2には、例えばアンテナ等を備えたアンテナ部
や、送受信の切替等を行うRF部や、送受信する信号の
変復調を行うIF部や、送信信号や受信信号に各種の処
理を施すベースバンド処理部や、CPUが制御プログラ
ムを実行することにより各処理部を制御等する制御部が
備えられているが、本例では、これら各処理部の詳細に
ついては説明を省略する。
【0037】同図に示した親局装置1には、情報をスク
ランブル処理するスクランブル処理部11が例えばベー
スバンド処理部に備えられている。また、スクランブル
処理部11には、例えばスクランブルパターンの初期値
に応じてスクランブルパターンとしてPN系列を発生さ
せるPN回路(例えばL段のシフトレジスタ)12や、
当該PN回路12により発生させたPN系列と子局装置
2との通信情報(本例では、送信データや受信データ)
を乗算する乗算器13が備えられている。
【0038】具体的には、上記した親局装置1のスクラ
ンブル処理部11では、例えば子局装置2に対して送信
する情報(送信データ)と発生させたPN系列とを乗算
することにより、当該送信情報をスクランブル処理す
る。そして、親局装置1はスクランブル処理した情報を
アンテナT1から子局装置2に対して無線送信する。ま
た、親局装置1が子局装置2から無線送信された情報を
アンテナT1により受信すると、受信した情報(受信デ
ータ)はスクランブル処理部11でデスクランブルされ
る。すなわち、スクランブル処理部11では、受信情報
と発生させたPN系列とを乗算することにより、当該受
信情報をスクランブル処理(デスクランブル)する。
【0039】また、本例の親局装置1には、上記したス
クランブル処理部11によるスクランブル処理で用いる
スクランブルパターン(本例ではPN系列)の初期値を
子局装置2に対して無線送信する機能が備えられてお
り、本例では、このような機能により、本発明に言うス
クランブル処理に用いるスクランブルパターンに関する
情報を子局装置に対して無線送信するスクランブルパタ
ーン通知手段が構成されている。なお、スクランブルパ
ターンに関する情報としては、必ずしもスクランブルパ
ターンそのもの(本例では初期値そのもの)でなくとも
よく、図3を用いて後述するように、スクランブルパタ
ーンを特定することができるものであれば、どのような
情報であってもよい。
【0040】ここで、本例の親局装置1から子局装置2
に対してスクランブルパターンの初期値を無線送信する
仕方の一例を示す。本例の親局装置1は、上記図6に示
した報知信号スロットBにスクランブルパターンの初期
値を格納して各フレーム毎に当該初期値を子局装置2に
対して無線送信する。
【0041】図2には、本例の報知信号スロットBに格
納されて親局装置1から送信される信号の一例を示して
あり、同図に示されるように、報知信号スロットBに
は、スクランブルパターンの初期値31や、種別情報3
2や、送信先識別子情報33や、その他のデータ等34
の信号が格納されて送信される。なお、同図では、図3
を用いて後述する初期値番号31についてもカッコ書き
で示してあるが、ここでは関係がない。
【0042】ここで、スクランブルパターンの初期値3
1としては、例えば“1”値と“0”値とから構成され
るLビットのパターンが用いられる。また、種別情報3
2や送信先識別子情報33やその他のデータ等34とし
ては、例えば上記図8に示したものと同様な情報が用い
られる。
【0043】また、本例では、上記した報知信号スロッ
トB中の送信先識別子情報33やその他のデータ等34
についてはスクランブル処理が施されて送信される一
方、スクランブルパターンの初期値31や種別情報32
についてはスクランブル処理が施されずに送信される。
このようにすることで、後述するように子局装置2は、
親局装置1で用いられるスクランブルパターンの初期値
を把握していなくとも、スクランブルパターンの初期値
31や種別情報32を正常に受信処理することができ
る。
【0044】一方、上記図1に示した子局装置2には、
例えば上記した親局装置1と同様に、情報をスクランブ
ル処理するスクランブル処理部21が例えばベースバン
ド処理部に備えられている。また、スクランブル処理部
21には、例えば上記した親局装置1と同様に、PN回
路(例えばL段のシフトレジスタ)22や、乗算器23
が備えられている。
【0045】具体的には、上記した子局装置2のスクラ
ンブル処理部21では、例えば親局装置1に対して送信
する情報(送信データ)と発生させたPN系列とを乗算
することにより、当該送信情報をスクランブル処理す
る。そして、子局装置2はスクランブル処理した情報を
アンテナT2から親局装置1に対して無線送信する。ま
た、子局装置2が親局装置1から無線送信された情報を
アンテナT2により受信すると、受信した情報(受信デ
ータ)はスクランブル処理部21でデスクランブルされ
る。すなわち、スクランブル処理部21では、受信情報
と発生させたPN系列とを乗算することにより、当該受
信情報をスクランブル処理(デスクランブル)する。な
お、上記のように、スクランブルパターンの初期値31
及び種別情報32については子局装置2でデスクランブ
ルする必要はない。
【0046】また、本例の子局装置2には、親局装置1
から無線送信される報知信号によりスクランブルパター
ンの初期値31を受信したことに応じて、受信した初期
値をスクランブル処理部21のPN回路22に設定する
ことで、当該初期値に応じたスクランブルパターン(本
例ではPN系列)を用いて親局装置1との通信情報をス
クランブル処理する機能が備えられており、本例では、
このような機能により、本発明に言う親局装置から受信
した情報により特定されるスクランブルパターンを用い
て親局装置との通信情報をスクランブル処理するスクラ
ンブル処理手段が構成されている。
【0047】本例の子局装置2は、例えば上記従来例で
示したように、電源が投入されて起動されるときに親局
装置1からの信号を連続的に受信し、フレーム同期信号
64の受信を検出した時点で親局装置1との仮同期を確
立し、更に、受信信号を解析することで報知信号の受信
を検出した時点で(種別情報32が報知信号であると判
断された場合)仮同期の状態から本同期の状態へ移行し
て親局装置1との同期を確立する。本例の子局装置2
は、このようにして報知信号により親局装置1との同期
を確立するに際して、同時に、報知信号スロットBの先
頭に格納されているスクランブルパターンの初期値31
を受信してPN回路22に設定する。
【0048】また、上記では、親局装置1から子局装置
2に対してスクランブルパターンの初期値そのものを送
信する構成を示したが、例えば各種のスクランブルパタ
ーンの初期値に対して予め固有の初期値番号(すなわ
ち、識別子)を対応させておき、このような初期値番号
を親局装置1から子局装置2に対して送信する構成とす
ることもできる。
【0049】図3には、このような構成を用いる場合に
子局装置2のメモリに格納されるスクランブル初期値テ
ーブルの一例を示してあり、このスクランブル初期値テ
ーブルには、上記した初期値番号とスクランブルパター
ンの初期値とが対応付けられて格納されている。なお、
同図では、初期値番号が3ビットから構成され、スクラ
ンブルパターンの初期値が8ビットから構成される場合
の例を示してある。
【0050】このような構成が用いられる場合には、親
局装置1は、例えば上記図2にカッコ書きで示したよう
に、スクランブル処理部11で用いられるスクランブル
パターンの初期値と対応した初期値番号31を報知信号
スロットBに格納して子局装置2に対して無線送信す
る。一方、子局装置2は報知信号により親局装置1との
同期を確立するに際して、同時に、報知信号スロットB
の先頭に格納されている初期値番号31を受信し、スク
ランブル初期値テーブルを参照して、受信した初期値番
号31に対応したスクランブルパターンの初期値をPN
回路22に設定する。
【0051】以上のように、本例の無線LANシステム
では、親局装置1から子局装置2に対してスクランブル
パターンに関する情報を送信することにより、子局装置
2では親局装置1が用いるスクランブルパターンと同じ
パターンを設定することができるため、親局装置1が用
いるスクランブルパターンと子局装置2が用いるスクラ
ンブルパターンとを一致させることができる。
【0052】従って、本例の無線LANシステムでは、
例えば親局装置1と子局装置2とがスクランブル処理し
た情報を無線通信する場合であっても、ローミング処理
を行うことを実現することができる。すなわち、複数の
親局装置1が異なるスクランブルパターンを用いてスク
ランブル処理を行う場合であっても、子局装置2は一の
親局装置1の通信可能領域から他の親局装置1の通信可
能領域へ移動するに際して、当該他の親局装置1から送
信されるスクランブルパターンに関する情報を受信し
て、当該他の親局装置1と同じスクランブルパターンを
用いたスクランブル処理に切替えることができる。
【0053】また、上記のようなローミング処理を行わ
ない構成であっても、本例に係る無線LANシステムを
用いれば、例えばシステムを構築する際や子局装置を増
設するに際して、ユーザによって子局装置2にスクラン
ブルパターンの初期値等を設定する作業を省略すること
ができる。一例として、例えば1つの親局装置が複数の
スクランブルパターンを切替えてスクランブル処理を行
う場合であっても、本例のように親局装置から子局装置
に対してスクランブルパターンに関する情報を送信する
ようにすることで、親局装置が用いるスクランブルパタ
ーンと子局装置が用いるスクランブルパターンとを一致
させることができる。
【0054】ここで、本発明に係る親局装置や子局装置
によるスクランブル処理で用いられるスクランブルパタ
ーンとしてはどのようなものであってもよい。一例とし
て、例えばCDMA(Code Division Multiple Acces
s)方式を無線LANシステムに適用する場合には、C
DMA方式において用いられる拡散符号をスクランブル
パターンとみなしてスクランブルパターンとして用いる
こともでき、親局装置から各子局装置に対して当該子局
装置との通信で用いる拡散符号(すなわち、ここではス
クランブルパターン)を通知する構成とすることも可能
である。
【0055】なお、CDMA方式を無線LANシステム
に適用する場合であっても、必ずしもCDMA方式にお
いて用いられる拡散符号をスクランブルパターンとみな
さなくともよく、例えばスクランブルパターンとは別個
なものとしてCDMA方式を無線LANシステムに適用
することも可能である。また、本発明の無線LANシス
テムで用いられる通信方式としては特に限定はなく、必
ずしも上記したCDMA方式が用いられなくともよい。
【0056】また、上記実施例では、親局装置や子局装
置が送信情報と受信情報とを同じスクランブルパターン
を用いてスクランブル処理する構成を示したが、例えば
親局装置から子局装置へ送信される情報をスクランブル
処理するのに用いられるスクランブルパターンと子局装
置から親局装置へ送信される情報をスクランブル処理す
るのに用いられるスクランブルパターンとが異なった構
成とすることも可能である。このような構成では、これ
ら2種類のスクランブルパターンの一方のみを親局装置
から子局装置に対して通知する態様や、両方を通知する
態様のいずれを用いることもでき、本発明に係る無線L
ANシステムは、これらいずれの態様をも包含するもの
である。
【0057】また、本発明に係る無線LANシステムの
構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、
要は、親局装置から子局装置に対してスクランブルパタ
ーンに関する情報を送信し、子局装置が当該情報により
特定されるスクランブルパターンを用いてスクランブル
処理を行うようなものであれば、種々な構成を用いるこ
とができる。
【0058】一例として、上記実施例に示した親局装置
や子局装置では、例えばCPUやメモリ等を備えたハー
ドウエア資源においてCPUが制御プログラムを実行す
ることにより、本発明に言うスクランブルパターン通知
手段やスクランブル処理手段を構成したが、本発明では
これら各機能手段を独立したハードウエア回路として構
成することもできる。
【0059】次に、本発明の第2実施例として、本発明
に係る子局装置の一実施例を図面を参照して説明する。
ここで、本例の子局装置が設けられる無線LANシステ
ムの概略的な構成は、例えば上記図5に示したものと同
様であるが、本例では、例えば互いに異なる周波数を用
いて報知信号を無線送信する複数の親局装置が設けられ
ており、子局装置は複数の親局装置の通信可能領域を移
動して親局装置と無線通信する。
【0060】なお、子局装置に接続されるデータ処理装
置としてはどのようなものが用いられてもよい。また、
本発明では、例えば子局装置とデータ処理装置とが必ず
しも別体で構成されなくともよく、例えば子局装置が単
体で親局装置と無線通信する構成を用いることもでき
る。また、本例では、バックボーンネットワークは例え
ばイーサネットのケーブルから構成されるが、例えばバ
ックボーンネットワークが無線通信を用いたネットワー
クから構成されてもよい。また、本例の無線LANシス
テムでは、例えば上記図6や図7や図2に示したものと
同様な構成の通信フレームを用いて親局装置と子局装置
とがTDD通信する。
【0061】図4には、本例の無線LANシステムに設
けられた複数の親局装置41、42や、子局装置43
a、43bや、複数の親局装置41、42と接続された
バックボーンネットワーク44の一例を示してある。ま
た、同図には、各親局装置41、42の通信可能領域4
5、46の一例を点線で示してある。なお、同図に点線
で示した子局装置43bは実線で示した子局装置43a
が移動したものであり、これらは同じ子局装置を示して
いる。
【0062】まず、本例の子局装置43aが親局装置4
1、42との同期を確立する仕方の一例を示す。すなわ
ち、上記図4に示した一方の親局装置41は例えば周波
数f1を用いて各フレーム毎に報知信号を無線送信し、
隣接する他方の親局装置42は例えば異なる周波数f2
を用いて各フレーム毎に報知信号を無線送信する。一
方、本例の子局装置43aは、例えば電源が投入されて
起動されるときに、複数の周波数の中から1つの周波数
を選択し、選択した周波数により親局装置41、42か
らの信号を連続的に受信する。
【0063】そして、子局装置43aは、フレーム同期
信号64の受信を検出した時点で親局装置41、42と
の仮同期を確立し、更に、受信信号を解析することで報
知信号の受信を検出した時点で仮同期の状態から本同期
の状態へ移行して親局装置41、42との同期を確立す
る。ここで、子局装置43aが上記した連続受信をする
に際して例えば所定の期間内に親局装置41、42との
同期を確立することができなかった場合には、子局装置
43aは受信周波数を順次切替えて上記と同様に親局装
置41、42との同期を確立することを試みる(周波数
サーチ処理)。
【0064】上記の処理により子局装置43aといずれ
かの親局装置41、42との同期が確立されると、子局
装置43aは同期を確立した親局装置41、42との間
で各スロットにより各種の信号を無線通信する。なお、
本例では、複数の親局装置41、42が互いに異なる周
波数f1、f2を用いて子局装置43aと無線通信する
ことと対応して、子局装置43aには複数の周波数を切
替えて親局装置41、42と無線通信する機能が備えら
れている。また、子局装置43aが親局装置41、42
との同期確立を試みるに際して周波数を切替える(サー
チする)順序としては、任意であってもよく、一例とし
て、この順序は予め設定されている。
【0065】また、本例の無線LANシステムのよう
に、互いに隣接した通信可能領域45、46を有する親
局装置41、42が互いに異なる周波数f1、f2を用
いて報知信号等を無線通信することとしている理由は、
これら複数の親局装置41、42から無線送信される報
知信号等が互いに干渉してしまうのを防止するためであ
る。このような目的から、これらの親局装置41、42
には、例えば互いに干渉を与えない程度の間隔を有した
異なる周波数f1、f2が設定されている。
【0066】本例では、上記のようにして子局装置43
aが親局装置41、42から無線送信される報知信号を
アンテナを用いて受信することにより、本発明に言う親
局装置から送信される報知信号を受信する受信手段が構
成されている。また、本例では、上記のようにして子局
装置43aが親局装置41、42から受信した報知信号
により親局装置41、42との同期を確立することによ
り、本発明に言う受信した報知信号により親局装置との
同期を確立する同期確立手段が構成されている。
【0067】次に、本例の子局装置43aが或る親局装
置41の通信可能領域45から他の親局装置42の通信
可能領域46へ移動する場合を例として、本例の子局装
置43aの要部の構成例や動作例を示す。例えば、子局
装置43aが親局装置41との同期を確立した後に、障
害物等の影響により子局装置43aと親局装置41との
無線通信の品質が劣化すると、子局装置43aでは同期
外れが発生する。ここで言う同期外れとは、親局装置4
1との間で確立した同期が外れてしまうことであり、本
例の子局装置43aは例えば親局装置41からの信号を
正常なタイミングで受信することができなくなった場合
に同期外れを検出する。
【0068】このような同期外れに対して、例えば子局
装置43aが1度の同期外れを検出したことに応じて直
ちに再同期処理、すなわち受信周波数を切替えて親局装
置41、42からの報知信号の受信及び親局装置41、
42との同期確立を試みる処理を行うことも可能ではあ
る。しかしながら、このような構成とすると、例えば障
害物等の影響で頻繁に同期外れが発生してしまうような
場合には、子局装置43aが実際には同一の親局装置4
1の通信可能領域45から出ていないにもかかわらず、
子局装置43aにより何度も再同期処理が行われてしま
うため、無駄な通信不能時間の増大化を招いてしまうこ
とにもなりかねない。
【0069】そこで、本例の子局装置43aには、例え
ば上記した同期外れの状態がP(Pは整数)フレーム分
の期間以上継続したことに応じて再同期処理を行う機能
が備えられている。本例の子局装置43aでは、このよ
うな機能(前方保護機能)を備えることで、親局装置4
1、42との通信不能時間が無駄に増大化してしまうの
を防止している。なお、本例の子局装置43aは、同期
外れを検出したことに応じてカウントを開始するととも
に再び同期を確立することができたことに応じて当該カ
ウントをクリア(すなわち、カウント値を0に戻す)カ
ウント機能を有しており、このカウント値がPフレーム
分の期間を経過したことに応じて上記した再同期処理を
行う。
【0070】このような構成により、本例の子局装置4
3aでは、例えば親局装置41との間で確立した同期が
外れてしまった場合であっても、同期外れが生じてから
Pフレーム分の期間が経過する前に親局装置41との同
期を再び確立することができた場合には、当該親局装置
41との無線通信を再開する。
【0071】本例では、上記のように子局装置43aが
或る親局装置41、42との同期を確立した後に、確立
した同期が外れた状態がPフレーム分の期間継続したこ
とに応じて受信周波数を切替えて報知信号の受信を試み
ることで報知信号の受信状態を確立する機能により、本
発明に言う確立した同期が外れた状態が所定の期間継続
したことに応じて受信手段の受信周波数を切替えて報知
信号の受信状態を確立する切替手段が構成されている。
なお、本発明に言う所定の期間として、本例ではPフレ
ーム分の期間を用いたが、所定の期間としては特に限定
はなく、例えば装置の使用状況等に応じて任意に設定さ
れてもよい。
【0072】また、本例の子局装置43aが或る親局装
置41の通信可能領域45から他の親局装置42の通信
可能領域46へ移動するに際して、子局装置43aによ
り行われるローミング処理の具体例を示す。例えば、子
局装置43aが親局装置41との同期を確立して当該親
局装置41と無線通信しているときに、子局装置41が
上記図4に示すように他の親局装置42の通信可能領域
46へ(同図に示した子局装置43bの位置へ)次第に
移動していく場合を考える。
【0073】この場合、例えば子局装置43aが親局装
置41の通信可能領域45の端付近へ移動すると、子局
装置43aでは親局装置41から受信する信号のレベル
が小さくなるため、当該親局装置41からの信号を正常
に受信することができずに同期外れが生じる場合が多く
なる。このため、子局装置43aでは上記したカウント
値のカウント開始及びカウント値クリアの処理が頻繁に
繰り返されるようになる。
【0074】更に、例えば子局装置43aが親局装置4
1の通信可能領域45から出て、他の親局装置42の通
信可能領域46へ移動した場合には、子局装置43aで
は親局装置41との間で確立した同期が外れた状態が継
続し、当該同期外れの状態が上記したPフレーム分の期
間継続したことに応じて上記した再同期処理が行われ
る。
【0075】すなわち、子局装置43aは受信周波数を
周波数f1から他の周波数に切替えて報知信号の受信を
試み、受信周波数を例えば周波数f2に切替えた場合
に、移動先の親局装置42から当該周波数f2を用いて
無線送信される報知信号を受信する。そして、このよう
にして報知信号の受信状態を確立すると、子局装置43
aは上記したようにして移動先の親局装置42からの報
知信号により当該親局装置42との同期を確立し、当該
親局装置42との無線通信を開始する。このようにし
て、本例の子局装置43aはローミングを実現すること
ができる。
【0076】以上のように、本例の子局装置43aで
は、例えば一の親局装置41の通信可能領域45から他
の親局装置42の通信可能領域46へ移動するに際し
て、当該一の親局装置41との同期外れの状態が所定の
期間継続したことに応じて当該他の親局装置42から送
信される報知信号を受信するようにしたため、当該他の
親局装置42との同期を確立することができる。
【0077】従って、本例の子局装置43aでは、例え
ばRSSIを測定しなくともローミング処理を行うこと
ができる。また、本例の子局装置43aでは、RSSI
を測定するための部品を備えることを省略することが可
能であるため、このような部品のコストを削減すること
ができる。
【0078】ここで、本発明に係る子局装置の構成とし
ては、必ずしも上記実施例に示したものに限られず、要
は、親局装置との間で確立した同期が外れた状態が所定
の期間継続したことに応じて受信周波数を切替えて報知
信号の受信状態を確立するようなものであれば、種々な
構成を用いることができる。
【0079】一例として、上記実施例に示した子局装置
では、例えばCPUやメモリ等を備えたハードウエア資
源においてCPUが制御プログラムを実行することによ
り、本発明に言う受信手段や同期確立手段や切替手段を
構成したが、本発明ではこれら各機能手段を独立したハ
ードウエア回路として構成することもできる。
【0080】また、本発明に係る子局装置が設けられる
無線LANシステムの構成としても、種々な構成が用い
られてもよく、例えば、無線LANシステムに設けられ
る親局装置の数や、無線通信で用いられる周波数や通信
方式等として、種々な構成を用いることができる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る無線
LANシステムによると、親局装置と子局装置とがスク
ランブル処理した情報を無線通信するに際して、親局装
置がスクランブル処理に用いるスクランブルパターンに
関する情報を子局装置に対して無線送信する一方、子局
装置が親局装置から受信した情報により特定されるスク
ランブルパターンを用いて親局装置との通信情報をスク
ランブル処理するようにしたため、例えばローミングを
行う場合に、親局装置が用いるスクランブルパターンと
子局装置が用いるスクランブルパターンとを一致させる
ことができる。
【0082】また、本発明に係る子局装置によると、複
数の親局装置が互いに異なる周波数を用いて報知信号を
無線送信する無線LANシステムに設けられ、複数の親
局装置の通信可能領域を移動して親局装置と無線通信す
るに際して、親局装置から受信した報知信号により親局
装置との同期を確立した場合に、確立した同期が外れた
状態が所定の期間継続したことに応じて受信周波数を切
替えて報知信号の受信状態を確立するようにしたため、
例えばRSSIを測定しなくともローミング処理を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る親局装置と子局装置
の構成例を示す図である。
【図2】報知信号の一例を示す図である。
【図3】スクランブル初期値テーブルの一例を示す図で
ある。
【図4】本発明の第2実施例に係る子局装置を説明する
ための図である。
【図5】無線LANシステムの一例を示す図である。
【図6】通信フレームのフォーマットの一例を示す図で
ある。
【図7】ガードビット及びバーストヘッダの一例を示す
図である。
【図8】スロットに格納される信号の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1、41、 42、51・・親局装置、2、43a、4
3b、52a〜52c・・子局装置、11、21・・ス
クランブル処理部、 12、22・・PN回路、13、
23・・乗算器、 T1、T2・・アンテナ、31・・
スクランブルパターンの初期値(或いは、初期値番
号)、44、53・・バックボーンネットワーク、 4
5、46・・通信可能領域、P1〜P3・・データ処理
装置、F1〜F3・・PCカードスロットインタフェー
ス、B・・報知信号スロット、 A・・受信確認信号ス
ロット、R・・要求信号スロット、 G・・許可信号ス
ロット、D・・データ信号スロット、

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親局装置と子局装置とがスクランブル処
    理した情報を無線通信する無線LANシステムにおい
    て、 親局装置は、スクランブル処理に用いるスクランブルパ
    ターンに関する情報を子局装置に対して無線送信するス
    クランブルパターン通知手段を備える一方、 子局装置は、親局装置から受信した情報により特定され
    るスクランブルパターンを用いて親局装置との通信情報
    をスクランブル処理するスクランブル処理手段を備えた
    ことを特徴とする無線LANシステム。
  2. 【請求項2】 複数の親局装置が互いに異なる周波数を
    用いて報知信号を無線送信する無線LANシステムに設
    けられ、複数の親局装置の通信可能領域を移動して親局
    装置と無線通信する子局装置であって、 親局装置から送信される報知信号を受信する受信手段
    と、 受信した報知信号により親局装置との同期を確立する同
    期確立手段と、 確立した同期が外れた状態が所定の期間継続したことに
    応じて受信手段の受信周波数を切替えて報知信号の受信
    状態を確立する切替手段と、 を備えたことを特徴とする子局装置。
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