JP2000286485A - 半導体励起固体レーザ - Google Patents

半導体励起固体レーザ

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JP2000286485A
JP2000286485A JP2000079541A JP2000079541A JP2000286485A JP 2000286485 A JP2000286485 A JP 2000286485A JP 2000079541 A JP2000079541 A JP 2000079541A JP 2000079541 A JP2000079541 A JP 2000079541A JP 2000286485 A JP2000286485 A JP 2000286485A
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JP
Japan
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solid
semiconductor
laser
state laser
laser medium
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JP2000079541A
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English (en)
Inventor
Akira Ishimori
彰 石森
Toyohiro Uchiumi
豊博 内海
Shigenori Yagi
重典 八木
Taku Yamamoto
卓 山本
Mayumi Fujimura
まゆみ 藤村
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の構成による半導体励起固体レーザ装置
では、励起光とレーザ光との位置関係等に起因して、総
合的な共振器損失の増大やエネルギー効率が小さく、基
本モードのビームを得ることが困難であった。 【解決手段】 固体レーザ媒質の端面あるいは側面に近
接して半導体レーザを配置して、半導体レーザからの励
起光を効率よく固体レーザ媒質に入射させるとともに、
レーザ光の光軸と一致する方向、またはそれと直交する
方向から励起光を入射することにより、効率のよい、ビ
ーム品質の良好な半導体励起固体レーザを実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体レーザを
励起源とする固体レーザに関し、特にその発振効率、ビ
ームモードを向上できる半導体励起固体レーザに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図24は、例えば特開平1−12218
0号公報に示された従来の半導体励起固体レーザ装置を
示す図であり、図24(a)はその全体構成図、図24
(b)は図24(a)中のB−B断面図である。これら
図において、1は励起光を出射する半導体レーザ、10
2はヒートシンク、103は線状のレンズ、3は例えば
YAGの結晶からなる固体レーザ媒質、205は選択性
反射膜、106は透過膜、70は全反射ミラー、7は部
分透過ミラー、2は励起光、6はレーザ光である。
【0003】なお、以下の説明では区別を明確にするた
め、半導体レーザから出射される光は単に励起光と呼
び、半導体励起固体レーザから出射される光をレーザ光
と呼ぶ。
【0004】次に動作について説明する。半導体レーザ
1によって出射された励起光2は線状のレンズ103に
よって発散角を狭くされ、固体レーザ媒質3に入射す
る。半導体レーザの出射光の発散角を狭くすることは励
起の密度を低下させず、結果として高いレーザ発振効率
を得る上で重要である。選択性反射膜205は励起光2
に対して透過、レーザ光6に対して全反射の反射選択性
をもたせてあり、全反射ミラー70、部分反射ミラー7
に挟まれた共振器空間に、その光軸を固体レーザ媒質3
中でジグザグに構成することにより、レーザ光6を得
る。
【0005】また、図23は例えば三菱電機技報63
巻、4号、(1989)p287−290に示された、
従来の半導体励起固体レーザの概略構成を示すものであ
る。
【0006】図において、1は半導体レーザ、2は半導
体レーザ1から出射されるレーザビームで以下励起光と
呼ぶ。9、10はレンズ、3は固体レーザ媒質、6は固
体レーザ媒質3から出力されるレーザ光、7は部分反射
ミラー、固体レーザ媒質3の端面にはレーザ光6に対し
て全反射性のコーティング32と無反射性のコーティン
グ33が施され、全反射性のコーティング32と部分反
射ミラー7の間でレーザ共振器が構成されている。
【0007】次に動作について説明する。半導体レーザ
1によって出射された励起光2はレンズ9によって平行
化され、レンズ10によって固体レーザ媒質3に集光入
射される。励起光2は固体レーザ媒質3の中で広がりな
がら吸収され、固体レーザ媒質3を励起する。吸収され
た励起光2のエネルギーの一部はレーザ光6として外部
に出力される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体励起固体
レーザは以上のように構成されており、以下のような問
題点があった。
【0009】即ち、まず図24の半導体励起固体レーザ
装置では、励起光の発散角が大きいとレーザ光に寄与し
ない無効励起光が増えることとなり、励起効率が低下す
ることとなるが、励起光の固体レーザ媒質内の発散角は
半導体レーザ、線状のレンズ、およびレーザ媒質の相互
位置関係で大きく変化し、これを安定に小さく設定する
のが困難である。
【0010】また、この半導体励起固体レーザでは、レ
ーザ光の光軸と励起光の位置は選択性反射膜上で正確に
合致させる必要があるが、励起光の増大とともに固体レ
ーザ媒質内に熱的な分布、およびそれによる屈折率の分
布が生じ、これによりレーザ光軸が変化して励起光入射
位置とのずれが生ずる。
【0011】また、選択性反射膜での光損失は一般に大
きく、総合的な共振器損失が光軸の折り返し回数ととも
に増大するなど、半導体レーザを多数並列配置して高出
力化を図ることが困難であるという問題点があった。
【0012】また、図23の半導体励起固体レーザ装置
では、励起光2の固体レーザ媒質3の中での広がりが大
きく、実質的に励起の断面積を小さくすることが困難で
あった。そのため、レーザ発振のしきい値が大きくなっ
てレーザ発振のエネルギー効率が小さいという問題点、
レーザ光6は次数の高いモードが立ち集束性のよい基本
モードのビームを得ることが困難であるなどの問題点が
あった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体励起
固体レーザは、励起光を出射する半導体レーザと、その
側面に近接して複数配置された前記半導体レーザから出
射される前記励起光により励起され、当該励起光が内側
面で反射する程度の厚みを有する板状の固体レーザ媒質
を含み、その光軸が前記励起光の光軸に交差する不安定
型共振器構造とを有する。
【0014】また、不安定型共振器構造が、負枝不安定
共振器構造であることを特徴とする。
【0015】本発明に係る半導体励起固体レーザは、励
起光を出射する半導体レーザと、その側面に近接して複
数配置された前記半導体レーザから出射される前記励起
光により励起され、当該励起光が内側面で反射する程度
の厚みを有する板状の固体レーザ媒質を含み、前記固体
レーザ媒質の厚さ方向に平行な面内には安定型共振器お
よび前記固体レーザ媒質の厚さ方向に垂直な面内には不
安定型共振器である共振器構造とを有する。
【0016】本発明に係る半導体励起固体レーザは、励
起光を出射する半導体レーザと、その側面に近接して複
数配置された前記半導体レーザから出射される前記励起
光により励起され、当該励起光が内側面で反射する程度
の厚みを有する板状の固体レーザ媒質を含み、当該レー
ザ媒質より生ずるレーザ光が前記励起光の出射される方
向と交差する方向に前記レーザ媒質内を往復する共振器
構造とを有する。
【0017】本発明に係る半導体励起固体レーザは、励
起光を出射する半導体レーザと、該半導体レーザから出
射される前記励起光が内側面で反射する程度の厚みを有
する板状の固体レーザ媒質と、該固体レーザ媒質より生
じるレーザ光が往復する方向の前記固体レーザ媒質の長
さよりも短い長さを有する面上に前記固体レーザ媒質が
接着剤によって接着される支持体とを備える。
【0018】また、接着剤が、固体レーザ媒質の屈折率
よりも小なる屈折率を有することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1を図1について説明する。図1は本発明の実
施の形態1による半導体励起固体レーザを示す図であ
り、図1(a)は上視図、(b)は横断面図である。こ
れら図において、第24図と同一符号は同一または相当
部分である。50は選択性反射膜であり、部分反射ミラ
ー7とで安定型共振器を構成している。41は基台、4
2は反射膜である。
【0020】半導体レーザ1から出射される励起光2
は、一般にその発散角が、例えば全角で活性層の垂直方
向60°、水平方向20°と非常に大きく、かつ異方性
を持つ。ここでは発散角の大きい方向が固体レーザ媒質
の厚み方向になるよう配置している。
【0021】次に動作について説明する。半導体レーザ
1の励起光2は近接配置されたレーザ媒質3に入射し、
屈折率の差に応じた発散角で伝搬しながら吸収される
が、励起光2のうち広がった部分は反射膜42で反射さ
れ、再び固体レーザ媒質3内に閉じこめられ、有効に吸
収される。
【0022】固体レーザ媒質3の厚さは、励起光2が固
体レーザ媒質3の内側面で反射する程度に薄く形成して
あり、励起領域がレーザ光6の領域に比べて著しく大き
くなるのを防いでいる。このため、レーザ発振のエネル
ギー効率は高い。
【0023】実測値として、図1の装置によって発振実
験を行ったところ、半導体レーザ出力730mWでYA
G出力200mWを得ることができ、レンズ集光型の従
来のものにおいてYAG出力200mWを得るために必
要とする半導体レーザ出力1Wに対し、発振効率の向上
を図ることができた。
【0024】なお、本実施の形態ではレーザ光軸の通過
領域が媒質全体に拡がっているので、励起光2とレーザ
ビーム6との位置関係は厳密に合う必要がなく、半導体
レーザ1の配置は基台41の上に固体レーザ媒質3と半
導体レーザ1とを機械精度の範囲で合致させる程度でよ
い。
【0025】また、上記実施の形態1ではレーザ媒質4
の下面のみに反射膜42を設けているが、必要に応じ、
上面にも反射膜を設けてもよい。なお、励起光2の発散
角があまり大きくない場合はレーザ媒質3と外部との屈
折率差がさほど大きくなくとも励起光2は媒質側面で全
反射されるので、反射膜42を省略することができる。
【0026】また、固体レーザ媒質3の入射端面にレン
ズ体を密着させ、これにより励起光2をさらによく固体
レーザ媒質3内に閉じこめ吸収させることも可能であ
る。
【0027】実施の形態2.図2は本発明の実施の形態
2を示す図であり、図において、43は高誘電率ガイド
で、例えば金属を用い、固体レーザ媒質3を挟んでい
る。このため選択性反射膜50と全反射ミラー7の間に
は固体レーザ媒質3の厚み方向平面内に導波路共振器が
形成される。
【0028】実施の形態3.図3は本発明の実施の形態
3を示す図であり、固体レーザ媒質3は幅方向も厚みと
同様に薄く形成され、励起光2がより狭い領域に閉じこ
められる構造となっている。この場合、固体レーザ媒質
の形状は矩形、多角形、円形いずれでもよく、ほぼ同様
の効果を発揮する。
【0029】実施の形態4.図4は本発明の実施の形態
4による半導体励起固体レーザを示す概略構成図であ
り、図5は図4中のI−II断面拡大図である。これら
図において、41は基台、42、45は反射膜である。
70、71は全反射ミラー、7は部分反射ミラーであ
り、全反射ミラー70、71、および部分反射ミラー7
で安定型共振器が構成されている。
【0030】次に動作について説明する。半導体レーザ
1の励起光2は上述のように、例えば、活性層に対し垂
直方向の広がりの全角が60°水平方向に20°と大き
な発散角と異方性を持つ。従って励起光2は近接配置さ
れたレーザ媒質3に入射し、屈折率の差に応じた大きな
発散角で伝搬しながら吸収されるが、励起光2のうち広
がった部分は反射膜42で反射され、再びレーザ媒質3
内に閉じこめられ、有効に吸収される。
【0031】固体レーザ媒質3の厚さは励起光2の固体
レーザ媒質3内の広がり幅に比べて薄く形成してあり、
かつレーザビーム6が固体レーザ媒質4断面のほぼ全域
を満たしており、励起領域がレーザビーム領域に比べて
著しく大きくなるのを防いでいる。
【0032】このため、レーザ発振のエネルギー効率は
高い。また、励起光2とレーザビーム6との位置関係は
厳密に合う必要がなく、半導体レーザ1の多数並列配置
は基台41の上に固体レーザ媒質3と半導体レーザ1と
を機械精度の範囲で合致させる程度でよい。
【0033】なお、上記実施の形態4では固体レーザ媒
質3の上面、下面に反射膜42を設けているが、励起光
2の発散角があまり大きくない場合はレーザ媒質3と外
部との屈折率差がさほど大きくなくとも励起光2は媒質
側面で全反射されるので、反射膜42を省略することが
できる。
【0034】実施の形態5.図6は本発明の実施の形態
5を示す断面拡大図である。この変形例は固体レーザ媒
質3にレンズ体43を密着させたもので、これにより励
起光2はさらによく固体レーザ媒質3内に閉じこめら
れ、吸収される。
【0035】実施の形態6.図7は本発明の実施の形態
6を示す図であり、図において、72は直接固体レーザ
媒質4の端面にコーティングされた全反射膜である。本
実施の形態ではこのように全反射膜72を直接固体レー
ザ媒質3の端面にコーティングして設けることにより、
全反射ミラー71を省略でき、共振器の簡単化を図るこ
とができる。
【0036】実施の形態7.図8は本発明の実施の形態
7を示す図であり、図において、170はコリメートミ
ラー、180は拡大ミラーであり、本実施の形態では、
レーザ共振器として、平板状の固体レーザ媒質3の表面
に平行な面内ではコリメートミラー170、拡大ミラー
180で構成される一次元不安定型共振器、これと直交
する面内では安定型共振器、または導波路型共振器が形
成されるようにしたものである。
【0037】実施の形態8.次に本発明の実施の形態8
について説明する。図9(a)、(b)は各々この発明
の実施の形態8による半導体励起固体レーザを示す縦断
面構成図及び横断面構成図である。
【0038】各図において、1は励起光を発生する半導
体レーザ、2は励起光、3は励起光の広がり幅よりも薄
い厚みと幅を持つ固体レーザ媒質で、たとえば、長さ1
0mm、一辺0.3mmの正方形断面のNd:YAG
(Y3-XNdXAl512)結晶で、側面は励起光2に対
して反射コーティング31がなされている。
【0039】4は接着剤、105は例えばガラス、もし
くはYAG結晶でできた保持体であり、例えば、長さ1
0mm、直径3mmである。32は固体レーザ媒質3の
端面に形成された第1のコーティングであり、これは励
起光2に対しては無反射、レーザ光6に対しては全反射
である。33は固体レーザ媒質3の端面に形成された第
2のコーティングであり、これは励起光2に対しては高
反射、レーザ光6に対しては無反射である。
【0040】また、7は部分反射ミラーである。なお、
固体レーザ媒質3と保持体105は接着剤4によって一
体化され、加工に適した状態になっているので、端面を
光学研磨し、コーティングするなどによって容易に精度
よく製作することができ、レーザ共振器を構成する光学
部材として使用できる。
【0041】ここで、半導体レーザ1より出射される励
起光2は一般に広がりが大きく、たとえば、発散角(全
角)は半導体レーザ1の活性層の垂直方向に60°、平
行方向に20°と非常に大きく、かつ異方性があるが、
本実施の形態では半導体レーザ1と固体レーザ媒質3を
近接配置し、励起光2のビーム径が最小となる点の近傍
に固体レーザ媒質3の端面が配置されるようにすること
によって、励起光2を有効に固体レーザ媒質3に入射さ
せている。
【0042】製作方法についてさらに説明する。一般に
YAG結晶のような硬い材料を小さい断面積を持つ棒状
のものにした場合、端面にレーザ共振器として必要な曲
率を形成することはきわめて難しいが、本実施の形態で
は、YAG結晶を角形の長い棒として切り出し、これを
保持体105の中に埋め込み接着しており、保持体10
5ごと一定の長さに切断して、端面を研磨して、さらに
必要に応じて端面にコーティング32を施している。こ
のため、固体レーザ媒質3の加工が容易にしかも精度よ
く行うことができる。
【0043】次に動作について説明する。励起光2は、
コーティング32が施された固体レーザ媒質3端面より
入射し、固体レーザ媒質3の側面31で内部反射を繰り
返し、固体レーザ媒質3内に閉じ込められたまま吸収さ
れ、有効にこれを励起する。
【0044】本実施の形態では、固体レーザ媒質3の断
面は励起光2の自然な広がりに対して小さく形成されて
おり、励起領域がレーザ光6の領域に対して著しく大き
くなるのを防いでいる。
【0045】図9の固体レーザにおいては、レーザ媒質
3のコーティング32と部分反射ミラー7との間で安定
形共振器が構成されており、例えばコーティング32と
部分反射ミラー7の曲率半径を400mm、共振器長を
10mmとした場合、基本モード(ガウスモード)のビ
ーム直径は約0.3mmとなる。
【0046】このためレーザの基本モード断面積と、励
起光2が閉じ込められる断面積とがほぼ一致し、品質の
よいガウス状のビームを高効率で出力することができ
る。なお、固体レーザ媒質3の側面の反射コーティング
31は場合によっては省略できる。
【0047】実施の形態9.また、上記実施の形態8で
は半導体レーザ1は固体レーザ媒質3に近接配置され、
直接励起光2を入射する構成としたが、これは図10に
示す本発明の実施の形態9のように、レンズ系8、9で
励起光2の発散角を修正して固体レーザ媒質3に入射す
るようにしてもよい。
【0048】また、上述のように固体レーザ媒質3を保
持体105の中に埋め込み接着して保持体105ごと加
工することにより、固体レーザ媒質3の端面の曲面が正
確に形成できるため、図9の実施の形態8における部分
反射ミラーを固体レーザ媒質3の端面に形成することも
初めて可能になる。
【0049】実施の形態10.図11は部分反射ミラー
を固体レーザ媒質3の端面に形成した、本発明の実施の
形態10を示す図である。図において、34は固体レー
ザ媒質3の端面に施された、レーザ光6に対して部分反
射性をもつコーティングである。
【0050】この実施の形態では、固体レーザ媒質3の
両端面でレーザ共振器が構成されており、きわめて簡
潔、かつ堅牢な共振器を得ることができる。
【0051】また、実施の形態8乃至10において、保
持体105と固体レーザ媒質3の形状は上述のものに限
ることなく、共振器構成などによって種々の変形が可能
である。
【0052】実施の形態11.図12は本発明の実施の
形態11による固体レーザの断面構造を示す図であり、
本実施の形態では、励起光2の固体レーザ媒質内の広が
り幅よりも細い直径の円形の固体レーザ媒質3が円形の
穴を有する保持体105に納められ、接着固定されてい
る。
【0053】実施の形態12.また、図13は本発明の
実施の形態12による固体レーザの断面構造を示す図で
あり、本実施の形態は励起光2の固体レーザ媒質内の広
がり幅よりも薄い厚みを持つ、断面が長方形の、板状の
固体レーザ媒質3を用いたものである。
【0054】本実施の形態では、半導体レーザ1による
励起光2の広がりの大きな方向と固体レーザ媒質3の厚
み方向即ち長方形の短辺方向とを一致させるように配置
することにより、図9の実施の形態8とほぼ同様の効果
を奏する。
【0055】実施の形態13.また、図14は本発明の
実施の形態13による固体レーザの断面構造を示す図で
あり、本実施の形態は励起光2の固体レーザ媒質内の広
がり幅よりも薄い厚みと幅を持つ、断面が矩形の、棒状
の固体レーザ媒質3を、矩形の穴を有する保持体105
に納め接着固定したものである。
【0056】一般に矩形の穴を精度よく形成することは
困難であるが、例えば図15(a)〜(d)に示す手順
によれば、容易に精度よく、図14と同等の保持体10
5を作成できる。即ち、まず、図15(a)に示すよう
に2つの保持材51、52と固体レーザ媒質3を接着剤
4により接着する。
【0057】そして、側面55を固体レーザ媒質3と共
に研磨した後、図15(b)に示すように接着剤4によ
り保持材53と接着し、さらに側面56を固体レーザ媒
質3と共に研磨した後、図15(c)に示すように接着
剤4により保持材54と接着して、図15(d)に示す
形状を得る。
【0058】実施の形態14.図16は本発明の実施の
形態14を示す図であり、本実施の形態はレーザ共振器
の光軸と励起光2が直交するものである。図16
(a)、(b)は縦断面、図16(c)は横断面を示
す。
【0059】図において、保持体105は金属又は熱伝
導性のよい非金属で構成され、固体レーザ媒質3と一体
になって一次元不安定形共振器(実施の形態では負枝・
共焦点不安定形)を構成するべく光学研磨され、端面に
は全反射性のコーティング35と無反射性のコーティン
グ36が施されている。
【0060】本実施の形態においても、固体レーザ媒質
3の両端面でレーザ共振器が構成されており、上記図1
1の実施の形態10と同様、きわめて簡潔、かつ堅牢な
共振器を得ることができる。
【0061】実施の形態15.次に実施の形態15につ
いて説明する。図17は本発明の実施の形態15による
半導体励起固体レーザの概略構成を示す図であり、図に
おいて、1は励起光を発生する半導体レーザ、2は励起
光、3は固体レーザ媒質で、例えば、長さ5mm、幅2
mm、厚さ0.5mmの矩形断面のNd:YAG(Y
3-XNdXAl512)結晶である。
【0062】4は光学接着剤、5は金属ブロックで、例
えば長さ5mm、幅4mm、厚さ3mmの直方体の金メ
ッキを施した銅ブロックである。32は固体レーザ媒質
3の端面に形成されたコーティングで励起光2に対して
は無反射、レーザ光6に対しては全反射である。33は
固体レーザ媒質3の端面に形成された光学薄膜で励起光
2に対しては高反射、レーザ光6に対しては無反射であ
る。7は部分反射ミラー、8は筐体である。
【0063】半導体レーザ1より出射される励起光2は
一般に広がりが大きく、例えば発散角(全角)は半導体
レーザ1の活性層の垂直方向(以下、単に垂直方向と呼
ぶ)に60°、平行方向(以下、単に平行方向と呼ぶ)
に20°(いずれも全角)と非常に大きく、かつ異方性
があるが、半導体レーザ1と固体レーザ媒質3を近接配
置することによって励起光2を有効に固体レーザ媒質3
に入射させている。
【0064】次に動作について説明する。励起光2はコ
ーティング32を施された固体レーザ媒質3端面から入
射する。固体レーザ媒質3の屈折率が例えばNd:YA
Gの場合約1.83であり、光学接着剤4として屈折率
が1.5前後のものを採用すれば(例えば、ダウ・コー
ニング社のsilpot.No.184)、上記励起光2に対して、
固体レーザ媒質3と光学接着剤4の間で全反射条件を作
り出すことができる。
【0065】一方、固体レーザ媒質3の非接着面、即ち
上面では固体レーザ媒質3と空気との間で、さらに広い
入射角度に対し全反射条件を作り出すことができる。し
たがって入射した励起光は固体レーザ媒質3の上下面3
1で内部反射を繰り返し、固体レーザ媒質3内に閉じ込
められたまま吸収され、有効にこれを励起する。固体レ
ーザ媒質3内の光励起領域は、垂直方向および平行方向
ともに0.5mm程度にすることができる。
【0066】固体レーザ媒質3で発生した熱は金属ブロ
ック5、筐体8を介して効率よく放熱される。
【0067】本実施の形態ではコーティング32と部分
反射ミラー7の間で安定形共振器が構成され、例えばコ
ーティング32では平面、部分反射ミラー7の曲率半径
2500mm、共振器長10mmの場合、基本モード
(ガウスモード)のビーム直径は約0.35mmであ
る。このためレーザの基本モード断面積と、励起光2の
閉じ込められる断面積とがほぼ一致し、品質のよいガウ
ス状のビームを高効率で出力することができる。
【0068】実施の形態16.図18は金属ブロック5
の固体レーザ媒質3端面に隣接する部分の角を落とした
本発明の実施の形態16を示す図である。このような形
状にすることによって接着の際光学接着剤4が固体レー
ザ媒質3の端面に付着するのを防止することができる。
【0069】実施の形態17.図19は金属ブロック5
の長さを固体レーザ媒質3の長さよりわずかに短くした
本発明の実施の形態17を示す図であり、このような形
状によっても接着の際光学接着剤4が固体レーザ媒質3
の端面に付着するのを防止することができる。
【0070】実施の形態18.図20は金属ブロック5
に段差を設けた本発明の実施の形態18を示す図であ
る。本実施の形態では、接着の際光学接着剤4が固体レ
ーザ媒質3の端面に付着するのを防止するとともに、半
導体レーザ1、部分反射ミラー7との一体化が容易とな
り堅牢な共振器を得ることができる。
【0071】実施の形態19.また、上記実施の形態1
5〜18では固体レーザ媒質3の片面にのみ金属ブロッ
ク5を接着したが、図21に示す本発明の実施の形態1
9のように固体レーザ媒質3の両面に金属ブロック5
1、52を接着してもよい。この構成により、固体レー
ザ媒質3の冷却がよりよく行われる効果がある。
【0072】実施の形態20.さらに上記実施の形態で
はコーティング32と部分反射ミラー7の間で安定形共
振器を構成したが、図22に示す本発明の実施の形態2
0のように、部分反射ミラーを固体レーザ媒質3の端面
に形成してもよい。図において、34はレーザ光6に対
して部分反射性のコーティングである。この場合、固体
レーザ媒質の両端面でレーザ共振器が構成されており、
きわめて簡潔、堅牢な共振器となる利点がある。
【0073】以上実施の形態15〜20では半導体レー
ザ1の励起光2とレーザ光6の光軸が一致しているいわ
ゆる端面励起型の半導体励起固体レーザについて示した
が、励起光2とレーザ光6の光軸が直交している側面励
起型の半導体励起固体レーザにおいても、光学接着剤に
より金属ブロックに固着する構成とすることができ、レ
ーザ媒質の冷却効果に優れ、半導体レーザ、出力ミラー
等の他の部品の実装が容易な固体レーザを実現できる。
【0074】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。
【0075】本発明に係る半導体励起固体レーザは、励
起光を出射する半導体レーザと、その側面に近接して複
数配置された前記半導体レーザから出射される前記励起
光により励起され、当該励起光が内側面で反射する程度
の厚みを有する板状の固体レーザ媒質を含み、その光軸
が前記励起光の光軸に交差する不安定型共振器構造とを
有するので、高出力に適合したものを得ることができ
る。
【0076】また、不安定型共振器構造が、負枝不安定
共振器構造であることを特徴とするので、高出力に適合
したものを得ることができ、安定で堅牢なものを得るこ
とができる。
【0077】本発明に係る半導体励起固体レーザは、励
起光を出射する半導体レーザと、その側面に近接して複
数配置された前記半導体レーザから出射される前記励起
光により励起され、当該励起光が内側面で反射する程度
の厚みを有する板状の固体レーザ媒質を含み、前記固体
レーザ媒質の厚さ方向に平行な面内には安定型共振器お
よび前記固体レーザ媒質の厚さ方向に垂直な面内には不
安定型共振器である共振器構造とを有するので、レーザ
発振のエネルギー効率が高く、高出力に適合したものを
得ることができる。
【0078】本発明に係る半導体励起固体レーザは、励
起光を出射する半導体レーザと、その側面に近接して複
数配置された前記半導体レーザから出射される前記励起
光により励起され、当該励起光が内側面で反射する程度
の厚みを有する板状の固体レーザ媒質を含み、当該レー
ザ媒質より生ずるレーザ光が前記励起光の出射される方
向と交差する方向に前記レーザ媒質内を往復する共振器
構造とを有する。
【0079】本発明に係る半導体励起固体レーザは、励
起光を出射する半導体レーザと、該半導体レーザから出
射される前記励起光が内側面で反射する程度の厚みを有
する板状の固体レーザ媒質と、該固体レーザ媒質より生
じるレーザ光が往復する方向の前記固体レーザ媒質の長
さよりも短い長さを有する面上に前記固体レーザ媒質が
接着剤によって接着される支持体とを備えるので、固体
レーザ媒質の端面への接着材の付着を防ぐことができ
る。
【0080】また、接着剤が、固体レーザ媒質の屈折率
よりも小なる屈折率を有するので内側面における励起光
の反射において全反射条件を満足することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による半導体励起固体レーザを
示す図である。
【図2】 実施の形態2による半導体励起固体レーザを
示す図である。
【図3】 実施の形態3による半導体励起固体レーザを
示す図である。
【図4】 実施の形態4による半導体励起固体レーザを
示す図である。
【図5】 図4のI−II断面図である。
【図6】 実施の形態5による半導体励起固体レーザを
示す断面図である。
【図7】 実施の形態6による半導体励起固体レーザを
示す図である。
【図8】 実施の形態7による半導体励起固体レーザを
示す図である。
【図9】 実施の形態8による半導体励起固体レーザを
示す縦断面構成図及び横断面構成図である。
【図10】 実施の形態9による半導体励起固体レーザ
を示す縦断面構成図である。
【図11】 実施の形態10による半導体励起固体レー
ザを示す縦断面構成図である。
【図12】 実施の形態11による半導体励起固体レー
ザを示す横断面構成図である。
【図13】 実施の形態12による半導体励起固体レー
ザを示す横断面構成図である。
【図14】 実施の形態13による半導体励起固体レー
ザを示す横断面構成図である。
【図15】 図13に示す保持体の製作手順を示す図で
ある。
【図16】 実施の形態14による半導体励起固体レー
ザを示す図である。
【図17】 実施の形態15による半導体励起固体レー
ザを示す図である。
【図18】 実施の形態16による半導体励起固体レー
ザを示す図である。
【図19】 実施の形態17による半導体励起固体レー
ザを示す図である。
【図20】 実施の形態18による半導体励起固体レー
ザを示す図である。
【図21】 実施の形態19による半導体励起固体レー
ザを示す図である。
【図22】 実施の形態20による半導体励起固体レー
ザを示す図である。
【図23】 従来の半導体励起固体レーザの構成を示す
図である。
【図24】 従来の他の半導体励起固体レーザの構成を
示す図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ、2 励起光、3 固体レーザ媒質、
4 接着剤、5 金属ブロック、6 レーザ光、7 部
分反射ミラー、32,34 コーティング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 重典 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社中央研究所内 (72)発明者 山本 卓 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社中央研究所内 (72)発明者 藤村 まゆみ 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起光を出射する半導体レーザと、 その側面に近接して複数配置された前記半導体レーザか
    ら出射される前記励起光により励起され、当該励起光が
    内側面で反射する程度の厚みを有する板状の固体レーザ
    媒質を含み、その光軸が前記励起光の光軸に交差する不
    安定型共振器構造とを有する半導体励起固体レーザ。
  2. 【請求項2】 不安定型共振器構造が、負枝不安定共振
    器構造である請求項1に記載の半導体励起固体レーザ。
  3. 【請求項3】 励起光を出射する半導体レーザと、 その側面に近接して複数配置された前記半導体レーザか
    ら出射される前記励起光により励起され、当該励起光が
    内側面で反射する程度の厚みを有する板状の固体レーザ
    媒質を含み、前記固体レーザ媒質の厚さ方向に平行な面
    内には安定型共振器および前記固体レーザ媒質の厚さ方
    向に垂直な面内には不安定型共振器である共振器構造と
    を有する半導体励起固体レーザ。
  4. 【請求項4】 励起光を出射する半導体レーザと、 その側面に近接して複数配置された前記半導体レーザか
    ら出射される前記励起光により励起され、当該励起光が
    内側面で反射する程度の厚みを有する板状の固体レーザ
    媒質を含み、当該レーザ媒質より生ずるレーザ光が前記
    励起光の出射される方向と交差する方向に前記レーザ媒
    質内を往復する共振器構造とを有する半導体励起固体レ
    ーザ。
  5. 【請求項5】 励起光を出射する半導体レーザと、 該半導体レーザから出射される前記励起光が内側面で反
    射する程度の厚みを有する板状の固体レーザ媒質と、 該固体レーザ媒質より生じるレーザ光が往復する方向の
    前記固体レーザ媒質の長さよりも短い長さを有する面上
    に前記固体レーザ媒質が接着剤によって接着される支持
    体とを備える半導体励起固体レーザ。
  6. 【請求項6】 接着剤が、固体レーザ媒質の屈折率より
    も小なる屈折率を有する請求項5に記載の半導体励起固
    体レーザ。
JP2000079541A 1990-01-19 2000-03-22 半導体励起固体レーザ Pending JP2000286485A (ja)

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