JP2000286396A - 強誘電体メモリ及び強誘電体メモリの製造方法 - Google Patents

強誘電体メモリ及び強誘電体メモリの製造方法

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JP2000286396A
JP2000286396A JP11094383A JP9438399A JP2000286396A JP 2000286396 A JP2000286396 A JP 2000286396A JP 11094383 A JP11094383 A JP 11094383A JP 9438399 A JP9438399 A JP 9438399A JP 2000286396 A JP2000286396 A JP 2000286396A
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Kunio Hiyama
邦夫 樋山
Hideki Tsuboi
秀樹 坪井
Masuhiro Okada
升宏 岡田
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Original Assignee
Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残留分極値が高く、ヒステリシス曲線の角形
比が優れ、分極反転時のSN比が高く低電圧で駆動する
ことができると共に、低温度で低コストで製造すること
ができる強誘電体メモリ及び強誘電体メモリの製造方法
を提供する。 【解決手段】 PbxZr(1-y)Tiy3を含有する組成
を有する強誘電体膜を有し、強誘電体膜の結晶粒のう
ち、10%以上の結晶粒の分極軸が強誘電体膜に対して
垂直に配向されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不揮発性半導体装
置に好適な強誘電体メモリ及び強誘電体メモリの製造方
法に関し、特に、強誘電体膜の結晶面を配向させて高い
残留分極値及び高SN比が得られると共に、低電圧で駆
動することができる強誘電体メモリ及び強誘電体メモリ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、強誘電体をキャパシタ絶縁膜とし
て使用した強誘電体メモリ(FeRAM;Ferroelectri
c Random Access Memory)がある。図6は従来の第
1の強誘電体メモリの構成を示す断面図であり、図7は
従来の第2の強誘電体メモリを示す断面図であり、図8
は従来の第3の強誘電体メモリを示す断面図である。
【0003】従来の第1の強誘電体メモリは、図6に示
すように、Siからなる半導体基板100の上に膜厚が
5000ÅのSiO2膜101が形成されている。この
SiO2膜101の上に、スパッタリング等により膜厚
が1000Åの(111)面に主配向されたPt膜10
2が形成されている。このPt膜102の上に膜厚が2
000Åの(111)面に主配向されたPZT(Pb
(Zr、Ti)O3)膜103が形成されている。この
PZT膜103の上に膜厚が1000Åの(111)面
に主配向されたPt膜104が形成されている。
【0004】また、従来の第2の強誘電体メモリは、図
7に示すように、従来の第1の強誘電体メモリと比較し
て、Pt膜102、104の間に形成される膜が、SB
T(SrBi2Ta29)膜105である点で異なり、
それ以外は従来の第1の強誘電体メモリと同様の構成で
ある。
【0005】更に、従来の第3の強誘電体メモリは、図
8に示すように、MgOからなる表面が(100)面の
半導体基板100aの上に膜厚が1000Åの(10
0)に配向されたPt膜102aが形成されている。こ
のPt膜102aの上に、膜厚が2000Åの(00
1)面に配向されたPZT膜103aが形成されてい
る。このPZT膜103aの上には膜厚が1000Åで
(111)面に配向されたPt膜104aが形成されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の第1の
強誘電体メモリでは、Pt膜の自己配向性が強く、Pt
膜102を形成した場合、通常、表面が(111)面に
なりやすい。この(111)面に配向されたPt膜10
2上に形成されるPZT膜103は(111)面又は
(100)面に配向しやすく、分極軸を含む(001)
面には殆ど配向されない。このため、(001)面に配
向された単結晶のPZT膜と比較して、残留分極値Pr
が低い値になるという問題点がある。また、ヒステリシ
ス曲線の角形比が小さく、分極反転時のSN比が低くな
るという問題点がある。
【0007】更に、このヒステリシス曲線の電圧に対す
る飽和特性が悪く低電圧で駆動することが困難であると
いう問題点がある。
【0008】また、従来の第2の強誘電体メモリは、ヒ
ステリシス曲線の角形比が優れ、低電圧で飽和するヒス
テリシスを得ることができるものの、残留分極値Prが
PZT膜の1/2以下であるという問題点がある。
【0009】また、製造時のアニール温度がPZT膜よ
りも高くする必要があるという問題点がある。
【0010】更に、従来の第3の強誘電体メモリは、
(100)面の単結晶のPt膜102aの上には(00
1)面の単結晶のPZT膜103aを得ることができ
る。このため、理想的な(001)面の単結晶のPZT
膜103aの残留分極値Prを得ることができる。ま
た、ヒステリシス曲線の角形比が優れ、分極反転時のS
N比も高い。更に、ヒステリシス曲線の電圧に対する飽
和特性も良く低電圧で駆動することができる。しかし、
6インチウエハと同等の面積の基板をSi基板と同等の
コストでMgOからなる基板を製造することが困難であ
る。このため、工業的には使用することが困難であると
いう問題点がある。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、残留分極値が高く、ヒステリシス曲線の角
形比が優れ、分極反転時のSN比が高く低電圧で駆動す
ることができると共に、低温度で低コストで製造するこ
とができる強誘電体メモリ及び強誘電体メモリの製造方
法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る強誘電体メ
モリは、PbxZr(1-y)Tiy3を含有する組成を有す
る強誘電体膜を有し、前記強誘電体膜の結晶粒のうち、
10%以上の結晶粒の分極軸が前記強誘電体膜の表面に
対して垂直に配向されていることを特徴とする。分極軸
の配向の割合は、X線回折のピークの面積強度比により
算出されるものである。
【0013】この場合、xの値は0.9乃至1.3、y
の値は0.3乃至0.7であり、前記強誘電体膜の膜厚
は500乃至5000Åであることが好ましい。
【0014】本発明に係る他の強誘電体メモリは、Pb
xZr(1-y)Tiy3及びLiを含有する組成を有する強
誘電体膜を有し、前記強誘電体膜の結晶粒のうち、10
%以上の結晶粒の分極軸が前記強誘電体膜の表面に対し
て垂直に配向されていることを特徴とする。
【0015】この場合、xの値は0.9乃至1.3、y
の値は0.3乃至0.7であり、前記強誘電体膜の膜厚
は500乃至5000Åであると共に、Liの添加量は
0.2乃至20mol%であることが好ましい。
【0016】本発明においては、前記強誘電体膜の下面
側には下部電極が形成され、前記下部電極は格子定数が
3.9±0.4Å又は5.4±0.5Åである材料から
なり、前記下部電極の全体の結晶粒のうち、表面が格子
定数を含む面である結晶粒が10%以上であることが好
ましい。
【0017】例えば、前記下部電極はPt又はIrから
なると共に、膜厚が200乃至3000Åであり、前記
下部電極の全体の結晶粒のうち、(100)面に配向し
た結晶粒が10%以上であることが好ましい。
【0018】更に、前記下部電極の前記強誘電体膜が形
成されていない側には(001)面に配向されたバッフ
ァ層が形成されていることが好ましく、例えば、前記バ
ッファ層はCeO2である。
【0019】本発明に係る強誘電体メモリの製造方法
は、(001)面に配向させてバッファ層を形成する工
程と、前記バッファ層の上に下部電極の全体の結晶粒の
うち、(100)面に配向した結晶粒が10%以上であ
る下部電極を形成する工程と、前記下部電極の上に強誘
電体膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0020】この場合、前記強誘電体膜はLiを含有す
ることが好ましい。
【0021】本発明においては、強誘電体膜の結晶粒の
うち、10%以上の結晶粒の分極軸が強誘電体膜の表面
に対して垂直に配向することにより、自発分極量が増大
し、残留分極値が高くなる。このため、ヒステリシス曲
線の角形比が優れる、即ち、分極反転時のSN比が高く
なり低電圧で駆動することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係る強誘
電体メモリ及び強誘電体メモリの製造方法について添付
の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施
例に係る強誘電体メモリを示す断面図である。
【0023】本実施例においては、図1に示すように、
Siからなる半導体基板1の上にSiO2膜2が形成さ
れている。このSiO2膜2の上にはバッファ層3とし
て、表面が(001)面に配向されたCeO2膜が形成
されている。このバッファ層3の上には下部電極4とし
て表面が主に(111)面と(100)面とに配向さ
れ、下部電極4の結晶粒のうち、結晶粒の表面が(10
0)面で、この結晶粒が10%以上であるPt膜が形成
されている。この下部電極4の上にはPZT膜5が形成
されている。このPZT膜5はその表面が主に(00
1)面と(111)面とに配向され、これらの結晶面の
中で分極軸を含む(001)面が10%以上存在する。
即ち、PZT膜5の表面の結晶粒のうち、10%以上の
結晶粒の分極軸がPZT膜5に対して垂直に配向されて
いる。このPZT膜5の上には上部電極6として(11
1)面に主配向されたPt膜が形成されている。
【0024】次に、上述の構成の強誘電体メモリの動作
について図2を参照して説明する。図2は縦軸に分極
値、横軸に電界をとり、強誘電体メモリのヒステリシス
を示すグラフ図である。
【0025】図2に示すように、D点から電界を印加し
ていくと、図中の矢印に沿って分極量を増加させると、
F点で分極値が零になる。このF点を抗電界といい、分
極反転させる目安になる電界である。そして、電界がE
maxであるB点において分極値が殆ど増加しなくなる。
このB点の分極値を飽和分極値Pmaxという。その後、
マイナス側に電界を印加して電界を零まで戻す。このと
き、分極値は零にはならず、ある値をもつ。この値を残
留分極値Prという。更に、マイナス側に電界を印加す
るとマイナス側の飽和分極値を示すD点に到達する。こ
れによりヒステリシス曲線が形成される。また、この強
誘電体メモリにおいて、SN比は、図2に示すように下
記数式1で示すことができる。
【0026】
【数1】SN比=Pr/(Pmax−Pr)
【0027】従って、SN比を向上させるためには、残
留分極値Prの値を大きくする必要がある。
【0028】本実施例においては、PZT膜5の表面の
結晶粒のうち、10%以上の結晶粒の分極軸をPZT膜
5の表面に対して垂直に配向することにより、残留分極
値Prが高くなる。このため、分極反転時のSN比が高
くなる。また、残留分極値Prが高くなるので、ヒステ
リシス曲線の角形比が優れる。なお、この分極軸を含む
(001)面が10%以下では、残留分極値Prを十分
に高くすることができない。このため、PZT膜5の表
面の結晶粒のうち、(001)面を10%以上配向させ
る。即ち、PZT膜5の表面の結晶粒のうち、10%以
上の結晶粒の分極軸をPZT膜5に対して垂直に配向さ
せる。
【0029】なお、本実施例においては、PZT膜5に
Liを1乃至20mol%添加する構成とすることもで
きる。このLiを添加した場合には、リーク電流値を小
さくすることができる。
【0030】次に、本実施例に係る強誘電体メモリの製
造方法について図1を参照して詳細に説明する。先ず、
例えば、Siからなる半導体基板1の表面に膜厚が50
00ÅのSiO2膜2を形成する。次に、例えば、ター
ゲットとしてCeO2ターゲットを使用し、スパッタ装
置の真空チャンバを真空度が2.0×10-6Torrま
で真空排気した後、5mTorrのArガスが80%、
2ガスが20%の混合ガスを真空チャンバに導入す
る。RFスパッタ法により、半導体基板1の温度を10
0乃至700℃にして、このSiO2膜2の上にバッフ
ァ層3として、例えば、表面に(001)面を配向させ
た膜厚が1000ÅのCeO2膜を形成する。
【0031】次に、例えば、ターゲットとしてPtター
ゲットを使用し、スパッタ装置の真空チャンバを真空度
が2.0×10-6Torrまで真空排気した後、5mT
orrの100%のArガスを真空チャンバに導入す
る。RFスパッタ法により、半導体基板1の温度を70
0℃にして、このバッファ層3の上に下部電極4とし
て、例えば、膜厚が1000ÅのPt膜を形成する。こ
のとき、(001)面に配向させたCeO2膜の上には
Pt膜は自然に配向される。このため、Pt膜の表面の
結晶粒のうち、(100)面に配向する結晶粒を10%
以上得ることができる。
【0032】次に、所望の強誘電体の組成を有するゾル
ゲル液を10重量%の濃度の溶液にして下部電極4の上
に3000rpmの回転数で10秒間スピンコーティン
グする。そして、400℃で10分間プリベークする。
以降、スピンコーティング及びプリベークを4回繰り返
す。次に、例えば、600℃の温度で1時間のアニール
を行ない膜厚が2000ÅのPZT膜5を形成する。こ
のとき、PZT膜5はPt膜の(100)面に形成され
るため自然に配向される。このため、PZT膜5の表面
の結晶粒のうち、(001)面に配向する結晶粒を10
%以上得ることができる。
【0033】次に、このPZT膜5の上に上部電極6と
して、例えば、ターゲットとしてPtターゲットを使用
し、スパッタ装置の真空チャンバを真空度が2.0×1
-6Torrまで真空排気した後、5mTorrの10
0%のArガスを真空チャンバに導入する。RFスパッ
タ法により、半導体基板1の温度を700℃にして、こ
のPZT膜5の上に上部電極6として、例えば、膜厚が
1000ÅのPt膜を形成する。これにより、強誘電体
メモリを製造することができる。
【0034】本実施例においては、PZT膜5にLiを
0.2乃至20mol%添加することができる。なお、
このLiの添加量は0.2mol%未満ではアニール温
度が高くなる。一方、Liの添加量が20mol%を超
えると、SN比が低下し、リーク電流値が上昇する。こ
のため、Liの添加量は0.2乃至20mol%とす
る。
【0035】また、Liを添加することにより、PZT
膜5だけのものと比較してアニール温度が低下する。例
えば、本実施例においては650℃であったがLiを1
乃至20mol%添加したものでは550℃とすること
ができる。更に、アニール温度はSBT膜と比較しても
低温度行うことができため、製造時の熱による影響を抑
えることができる。
【0036】また、本実施例においては、(001)面
を配向させたCeO2膜からなるバッファ層3上に下部
電極4としてPt膜を形成することにより、形成された
Pt膜が自然に配向されて、Pt膜の表面の結晶粒のう
ち、(100)面に配向する結晶粒を10%以上得るこ
とができる。このため、下部電極4の上に形成されるP
ZT膜5の面も、Pt膜の(100)面に形成されるた
め自然に配向される。このことにより、PZT膜5の表
面の結晶粒のうち、X線回折のピークの面積強度比で
(001)面に配向された結晶粒を10%以上得ること
ができる。従って、高い残留分極値Prを得ることがで
きる。また、ヒステリシス曲線も角形比が優れ、分極時
のSN比も高くなる。更に、ヒステリシス曲線の電圧に
対する飽和特性が優れ低電圧で駆動することができる。
【0037】更に、本実施例においては、PZT膜5の
膜厚を2000Åとしたが、500乃至5000Åであ
ることが好ましく、更に好ましくは1000乃至300
0Åである。また、下部電極4はPt膜に限定されるも
のではなく、Ir膜とすることもできる。この下部電極
4の膜厚を1000Åとしたが、200乃至3000Å
が好ましく、更に好ましくは500乃至2000Åであ
る。いずれの下部電極4も(100)面が10%以上配
向していることが望ましい。更に、下部電極4の材料と
しては格子定数が3.9±0.4Å又は5.4±0.5
Åであれば上述の例に限定されるものではない。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図1に示す
実施例の構造の強誘電体メモリ及び図6乃至8に示す比
較例の構造の強誘電体メモリを作製し、両者の特性を比
較した結果について説明する。
【0039】第1実施例 本発明の実施例の方法によりPbZr0.52Ti0.48の組
成を有するPZT膜の強誘電体メモリを作製した。実施
例No.1として、(001)面が主配向されているPt
膜の上に膜厚が2000ÅのPZT膜を形成した。一
方、比較例No.20として、(111)面が主配向され
ているPt膜の上に膜厚が2000ÅのPZT膜を形成
した。この実施例No.1と比較例No.20とを夫々ヒステ
リシス曲線を調べた。この結果を図3に示す。図3は縦
軸に分極値(2Pr)、横軸に電界をとり、強誘電体メ
モリのヒステリシスを示すグラフ図である。図3中、実
線は実施例No.1を示し、破線は比較例No.20を示す。
【0040】図3に示すように、本発明の範囲に入る実
施例No.1は(001)面に主配向されているPt膜の
上にPZT膜を形成しているため、PZT膜は表面が
(001)面に配向されやすくなった。このため、角形
比が優れたヒステリシス曲線になった。また、SN比も
高くすることができた。一方、比較例No.20は(11
1)面が主配向されているPt膜の上にPZT膜を形成
しているため、PZT膜は(111)面に配向されやす
くなった。このため、分極が電界に対して有効に作用し
ないため、残留分極値Prが低く、角形比が小さいもの
となり、SN比が低いものになった。
【0041】第2実施例 本発明の実施例の方法によりPbZr0.52Ti0.48の組
成を有するPZT膜の表面の(001)面の配向率を変
えて強誘電体メモリを作製した。これらの強誘電体メモ
リについて、駆動電圧が±1.5Vにおける残留分極値
Pr、SN比及び飽和電圧を測定した。飽和電極は、駆
動電圧が±5Vにおける残留分極値Prの90%を得る
ことができる電圧とした。
【0042】なお、残留分極値Prの目標値は10μC
/cm2であり、SN比の目標値は5であり、飽和電圧
の目標値は1.5Vである。これらの結果を表1及び図
4にに示す。図4は縦軸に駆動電圧が±1.5Vにおけ
る残留分極値Pr、SN比及び飽和電圧、横軸にPZT
膜の(001)面の配向率をとり、PZT膜の(00
1)面の配向率と駆動電圧が±1.5Vにおける残留分
極値Pr、SN比及び飽和電圧との関係を示すグラフ図
である。図4中、◆はPr、■はSN比及び▲は飽和電
圧を示し、更に、◇はPrの目標値、□はSN比の目標
値及び△は飽和電圧の目標値を示す。
【0043】
【表1】
【0044】上記表1及び図4に示すように、実施例N
o.2乃至5は、駆動電圧が±1.5Vにおける残留分極
値Pr、SN比及び飽和電極が目標値を満足することが
できた。一方、比較例No.21乃至22は、PZT膜の
(001)面の配向率が本発明の範囲未満であるため、
駆動電圧が±1.5Vにおける残留分極値Pr、SN比
及び飽和電圧が目標値を満足することができなかった。
【0045】第3実施例 本発明の実施例の方法によりPbZr0.52Ti0.48の組
成を有するPZT膜にLiを0乃至25mol%添加し
て強誘電体メモリを作製した。これらの強誘電体メモリ
について、駆動電圧が±1.5VにおけるSN比及びリ
ーク電流値並びに駆動電圧が±5Vにおけるリーク電流
値及び最低アニール温度を測定した。
【0046】なお、SN比の目標値は5であり、駆動電
圧が±1.5V及び±5Vにおけるリーク電流値の目標
値は1μA/cm2である。これらの結果を表2及び図
5にに示す。図5は縦軸に駆動電圧が±1.5Vにおけ
るSN比及びリーク電流値並びに駆動電圧が±5Vにお
けるリーク電流値及び最低アニール温度、横軸にLiの
添加量をとり、Liの添加量と駆動電圧が±1.5Vに
おけるSN比及びリーク電流値並びに駆動電圧が±5V
におけるリーク電流値との関係を示すグラフ図である。
図5中、◆はSN比、○は±1.5Vにおけるリーク電
流値、●は±5Vにおけるリーク電流値及び■は最低ア
ニール温度を示し、更に、◇はSN比の目標値及び▲は
リーク電流値の目標値を示す。
【0047】
【表2】
【0048】上記表2及び図5に示すように、実施例N
o.6乃至8は駆動電圧が±1.5VにおけるSN比及び
リーク電流値並びに駆動電圧が±5Vにおけるリーク電
流値の目標値を満足するものであった。
【0049】一方、比較例No.23はLiの添加量が本
発明の範囲未満であるため、駆動電圧が±1.5Vにお
けるSN比及びリーク電流値並びに駆動電圧が±5Vに
おけるリーク電流値の目標値を満足するものの、最低ア
ニール温度が高くなってしまった。比較例No.24はL
iの添加量が本発明の範囲を超えているため、駆動電圧
が±1.5VにおけるSN比及びリーク電流値並びに駆
動電圧が±5Vにおけるリーク電流値の目標値を超えて
しまった。
【0050】第4実施例 本発明の実施例の方法により表3に示すスパッタリング
条件でスパッタを行ない表4乃至11に示す強誘電体メ
モリを作製した。なお、本実施例においては、比較例N
o.26を除いて板厚0.6mmのSi基板の上に膜厚が
5000ÅのSiO2膜の上に形成した。比較例No.26
は板厚が0.8mmで格子定数が4.2Åの表面が(1
00)面のMgO単結晶基板の上に形成した。
【0051】これらの表4乃至9に示す強誘電体メモリ
について残留分極値Pr、飽和電圧、SN比、生産性及
びリーク電流値を測定した。
【0052】残留分極値Prの測定は、±5、±3V及
び±1.5の駆動電圧を印加して行ない、基準値を10
μC/cm2とした。
【0053】飽和電圧は、±5Vの駆動電圧で得ること
ができる残留分極Prの90%の値とし、基準値を1.
5V以下とした。
【0054】SN比は、±5、±3V及び±1.5の駆
動電圧を印加して行ない、基準値を2とし、好ましくは
5以上とした。
【0055】生産性は、Si基板上での成膜状態を観察
した。基準は、成膜状態が良好なものを良とした。
【0056】リーク電流の測定は、±5、±3V及び±
1.5の駆動電圧を印加して行ない、基準値を10μA
/cm2とした。これらの結果を表10及び11に示
す。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】
【表8】
【0063】
【表9】
【0064】
【表10】
【0065】
【表11】
【0066】
【表12】
【0067】
【表13】
【0068】上記表12及び13に示すように、本発明
の範囲に入る実施例No.9乃至19は残留分極値Pr、
飽和電圧、SN比、生産性及びリーク電流値の全てにつ
いて基準値を満足することができ良好な結果を得ること
ができた。
【0069】一方、比較例No.25乃至29は残留分極
値Pr、飽和電圧、SN比、生産性及びリーク電流値に
ついて基準値を満足することができず良好な結果を得る
ことができなかった。
【0070】比較例No.25はPZT膜の配向面が(1
11)面が主であるため、駆動電圧が±1.5Vにおけ
る残留分極値Pr及びSN比が低かった。このため、こ
の駆動電圧では駆動が困難であった。また、飽和電圧及
びリーク電流値も基準値を満足することができなかっ
た。更に角形比も乏しくなった。
【0071】比較例No.26は強誘電体膜がPZT膜で
はなく、SBT膜であるため、アニール温度が高いと共
に、残留分極値Prが低くなった。
【0072】比較例No.27はMgO基板の上に形成さ
れているため、生産性が乏しくなった。このため、工業
的生産には適していない。
【0073】比較例No.28はPZT膜の(001)面
の配向率が5%であるため、駆動電圧が±1.5Vにお
ける残留分極値Pr及びSN比が低かった。このため、
この駆動電圧では駆動が困難であった。また、飽和電圧
及びリーク電流値も基準値を満足することができなかっ
た。更に角形比も乏しくなった。
【0074】比較例No.29はLiの添加量が25mo
l%であるため、駆動電圧が±1.5VにおけるSN比
が低かった。このため、ヒステリシス曲線のループも崩
れ、この駆動電圧では駆動が困難であった。また、飽和
電圧及びリーク電流値も基準値を満足することができな
かった。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように本発明においては、
10%以上の結晶粒の分極軸が強誘電体膜の表面に対し
て垂直に配向することにより、自発分極量が増大し、残
留分極値が高くなる。このため、ヒステリシス曲線の角
形比が優れる、即ち、分極反転時のSN比が高くなり低
電圧で駆動することができる。
【0076】また、(001)面を配向させたバッファ
層上に、(100)面を10%以上配向させて下部電極
を形成し、この上に強誘電体膜を形成することにより、
自然に配向されて強誘電体膜の結晶粒のうち、結晶粒の
分極軸が10%以上強誘電体膜の表面に対して垂直に配
向することができる。このため、高い残留分極値Prを
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る強誘電体メモリを示す
断面図である。
【図2】 縦軸に分極値、横軸に電界をとり、強誘電体
メモリのヒステリシスを示すグラフ図である。
【図3】 縦軸に分極値、横軸に電界をとり、強誘電体
メモリのヒステリシスを示すグラフ図である。
【図4】 縦軸に駆動電圧が±1.5Vにおける残留分
極値Pr、SN比及び飽和電圧、横軸にPZT膜の(0
01)面の配向率をとり、PZT膜の(001)面の配
向率と駆動電圧が±1.5Vにおける残留分極値Pr、
SN比及び飽和電圧との関係を示すグラフ図である。
【図5】 縦軸に駆動電圧が±1.5VにおけるSN比
及びリーク電流値並びに駆動電圧が±5Vにおけるリー
ク電流値及び最低アニール温度、横軸にLiの添加量を
とり、Liの添加量と駆動電圧が±1.5VにおけるS
N比及びリーク電流値並びに駆動電圧が±5Vにおける
リーク電流値との関係を示すグラフ図である。
【図6】 従来の第1の強誘電体メモリを示す断面図で
ある。
【図7】 従来の第2の強誘電体メモリを示す断面図で
ある。
【図8】 従来の第3の強誘電体メモリを示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1、100;半導体基板、 2、101;SiO2膜、
3;バッファ層、 4;下部電極、 5、103、1
03a;PZT膜、 6;上部電極、102、102
a、104、104a;Pt膜、 105;SBT膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/788 29/792 (72)発明者 岡田 升宏 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 Fターム(参考) 5F001 AA17 5F083 FR00 JA15 JA38 5G303 AA10 AB20 BA03 CA01 CB16 CB25 CB35 CB39 DA01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PbxZr(1-y)Tiy3を含有する組成
    を有する強誘電体膜を有し、前記強誘電体膜の結晶粒の
    うち、10%以上の結晶粒の分極軸が前記強誘電体膜の
    表面に対して垂直に配向されていることを特徴とする強
    誘電体メモリ。
  2. 【請求項2】 PbxZr(1-y)Tiy3及びLiを含有
    する組成を有する強誘電体膜を有し、前記強誘電体膜の
    結晶粒のうち、10%以上の結晶粒の分極軸が前記強誘
    電体膜の表面に対して垂直に配向されていることを特徴
    とする強誘電体メモリ。
  3. 【請求項3】 xの値は0.9乃至1.3、yの値は
    0.3乃至0.7であり、前記強誘電体膜の膜厚は50
    0乃至5000Åであることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の強誘電体メモリ。
  4. 【請求項4】 xの値は0.9乃至1.3、yの値は
    0.3乃至0.7であり、前記強誘電体膜の膜厚は50
    0乃至5000Åであると共に、Liの添加量は0.2
    乃至20mol%であることを特徴とする請求項2に記
    載の強誘電体メモリ。
  5. 【請求項5】 前記強誘電体膜の下面側には下部電極が
    形成され、前記下部電極は格子定数が3.9±0.4Å
    である材料からなり、前記下部電極の全体の結晶粒のう
    ち、表面が格子定数を含む面である結晶粒が10%以上
    であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項
    に記載の強誘電体メモリ。
  6. 【請求項6】 前記強誘電体膜の下面側には下部電極が
    形成され、前記下部電極は格子定数が5.4±0.5Å
    である材料からなり、前記下部電極の全体の結晶粒のう
    ち、表面が格子定数を含む面である結晶粒が10%以上
    であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項
    に記載の強誘電体メモリ。
  7. 【請求項7】 前記下部電極はPtからなると共に、膜
    厚が200乃至3000Åであり、前記下部電極の全体
    の結晶粒のうち、(100)面に配向した結晶粒が10
    %以上であることを特徴とする請求項6に記載の強誘電
    体メモリ。
  8. 【請求項8】 前記下部電極はIrからなると共に、膜
    厚が200乃至3000Åであり、前記下部電極の全体
    の結晶粒のうち、(100)面に配向した結晶粒が10
    %以上であることを特徴とする請求項6に記載の強誘電
    体メモリ。
  9. 【請求項9】 前記下部電極の前記強誘電体膜が形成さ
    れていない側には表面が(001)面に配向されたバッ
    ファ層が形成されていることを特徴とする請求項6乃至
    8のいずれか1項に記載の強誘電体メモリ。
  10. 【請求項10】 前記バッファ層はCeO2からなるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の強誘電体メモリ。
  11. 【請求項11】 (001)面に配向させてバッファ層
    を形成する工程と、前記バッファ層の上に下部電極の全
    体の結晶粒のうち、(100)面に配向した結晶粒が1
    0%以上である下部電極を形成する工程と、前記下部電
    極の上に強誘電体膜を形成する工程と、を有することを
    特徴とする強誘電体メモリの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記強誘電体膜はLiを含有すること
    を特徴とする請求項11に記載の強誘電体メモリの製造
    方法。
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