JP2000285048A - 情報ダウンロード機能付きサーバ及び端末並びに記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ネットワークを介してデータやプログラムを
配布する場合に、通常の通信トラフィックに影響を与え
ることなく、情報を配布することができる。 【解決手段】 端末から周期的なパケット３１を受信す
ると共に、当該パケットに対する応答パケット４１を端
末に返信する情報ダウンロード機能付きサーバであっ
て、端末にダウンロードすべき情報を格納する情報格納
手段１４と、情報格納手段に格納された何れかの情報に
ついてのダウンロード要求が周期的なパケットに含まれ
ている場合には、要求されたダウンロード情報を情報格
納手段から取り出すと共に、当該ダウンロード情報を複
数に分割し、複数回に渡る応答パケットに分割されたダ
ウンロード情報を含めるダウンロード応答手段１２とを
備えた情報ダウンロード機能付きサーバ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は情報ダウンロード
機能付きサーバ及び端末並びに記録媒体に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、計算機（ＰＣ，ＷＳ）の小型・軽
量化による電池駆動が実現し、またインターネットの発
達等に伴う通信インフラストラクチャの整備が進んでき
ている。これにより、例えばあるネットワーク（ホーム
ネットワーク）で使用する計算機（端末あるいはクライ
アント）を他のネットワークに移動させ、インターネッ
ト等を介してホームネットワークに接続して使用するこ
とも可能となっている。

【０００３】ここで、クライアントの接続場所が変更さ
れた場合でも、その移動後のクライアント（この場合を
移動クライアントという）があたかもホームネットワー
クに接続されているかのように、すなわち移動前と同様
な計算機環境でアクセスできるようにするために、移動
ＩＰプロトコルが開発されている。移動ＩＰプロトコル
が実現する環境下では、アクセス許可された範囲内で、
他の計算機からアクセスや、他の計算機に対するアクセ
スを移動前と同様に行える。

【０００４】この移動ＩＰプロトコルはＩＥＴＦに準拠
するものであり、移動ＩＰプロトコルを実現するシステ
ムを移動ＩＰシステムという。移動ＩＰシステムでは、
例えば移動クライアントの移動時にホームネットワーク
に流される通信相手からの移動クライアント宛パケット
を転送エージェントサーバ（ホームエージェントともい
う）が代理受信する。そして、このパケットが転送エー
ジェントから当該移動クライアントの移動先に転送され
ることで上記環境が実現されることになる。

【０００５】このように移動クライアントは、ホームネ
ットワークに接続されているとは限らず、常に移動して
いる可能性がある。したがって、移動クライアントに対
して常に最新のプログラムを提供し続けるのは、同一ネ
ットワークに常時接続されている端末（クライアント）
に対する場合よりも困難を生じる。

【０００６】したがって、移動クライアントに対して最
新のプログラムをインストールするには、従来から以下
のような方法で行われている。

【０００７】第１の方法は、移動クライアント保持者に
管理者が記録媒体に最新プログラムを格納して手渡すと
いうものである。保持者は受け取った記録媒体から移動
クライアントにプログラムを自分自身の手でインストー
ルする。

【０００８】第２の方法は、移動クライアント起動時等
の取り決めたタイミングで、プログラムを最新プログラ
ムを格納するサーバから一括ダウンロードし、その後、
移動クライアント保持者がインストール操作をするとい
うものである。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た第１の方法では、最新プログラムの管理（配布の有
無、記録媒体の準備など）が複雑で管理者の負担が大き
い。また、このような状況では手違いも生じやすくな
る。

【００１０】一方、上記第２の方法では、通信手段によ
り自動的に一括ダウンロードされるため、管理者の負担
は軽減される。しかし、ダウンロード中は移動クライア
ントの通信リソースが消費されるため、その間は移動ク
ライアントによる他の業務等を遂行することができな
い。

【００１１】なお、上記第２の方法に対応する問題は、
移動ＩＰシステムに固有のものではない。すなわち、こ
れは一般的なネットワークシステムにおいて、最新プロ
グラムを保持するサーバから各端末へ最新プログラムを
一括ダウンロードする際には、一般的に生じる問題であ
る。

【００１２】本発明は、このような実情を考慮してなさ
れたもので、ネットワークを介してデータやプログラム
を配布する場合に、通常の通信トラフィックに影響を与
えることなく、これらの情報を配布することができる情
報ダウンロード機能付きサーバ及び端末並びに記録媒体
を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】以下、上記課題を解決す
るためになされた発明について説明するが、これに先立
って、発明の骨子を述べる。

【００１４】本発明の骨子は、端末から確認等のパケッ
ト送信が定期的に行われる場合には、その応答パケット
にダウンロード対象の情報を分割して含ませ、多数回の
応答パケットにより少しづつダウンロードを行うことに
より、情報配布において通常の通信トラフィックに影響
を与えないようにするものである。

【００１５】次に、課題解決のための第１の発明は、端
末から周期的なパケットを受信すると共に、当該パケッ
トに対する応答パケットを端末に返信する情報ダウンロ
ード機能付きサーバについてなされたものである。

【００１６】このサーバにおいては、端末にダウンロー
ドすべき情報を格納する情報格納手段が設けられてい
る。

【００１７】ここで、情報格納手段に格納された何れか
の情報についてのダウンロード要求が周期的なパケット
に含まれている場合には、ダウンロード応答手段によっ
て、要求されたダウンロード情報が情報格納手段から取
り出される。さらに、当該ダウンロード情報が複数に分
割され、複数回に渡る応答パケットにこの分割されたダ
ウンロード情報を含められる。

【００１８】したがって、複数回の応答パケットでダウ
ンロード情報が送信され、通信トラフィックへの影響が
防止される。

【００１９】次に、課題解決のための第２の発明は、上
記第１の発明において、ダウンロード応答手段は、分割
されたダウンロード情報各々に対応してその属性情報を
作成すると共に、分割ダウンロード情報を含める応答パ
ケットに、対応する属性情報をも含める。

【００２０】したがって、端末側において分割されたダ
ウンロード情報の管理が容易になる。

【００２１】次に、課題解決のための第３の発明は、上
記第１の発明において、周期的なパケットは、移動ＩＰ
システムにおける動作確認パケットであって、その移動
ＩＰシステムの転送エージェントサーバに情報ダウンロ
ード機能が組み込まれる。

【００２２】したがって、請求項１の発明が移動ＩＰシ
ステムに適用される。

【００２３】次に、課題解決のための第４の発明は、サ
ーバに対して周期的なパケットを送信すると共に、当該
パケットに対する応答パケットをサーバから受信する情
報ダウンロード機能付き端末についてなされたものであ
る。

【００２４】この端末においては、ダウンロード要求手
段によって、必要な場合に、周期的なパケットに情報の
ダウンロード要求が含められる。

【００２５】また、ダウンロードされる情報を格納する
記憶手段が用意されている。応答パケットに分割された
ダウンロード情報が含まれているときには、ダウンロー
ド情報格納手段によってこれが取り出され、記憶手段に
格納される。

【００２６】したがって、情報ダウンロードを分割して
送信するようにサーバに促し、分割ダウンロード情報を
受信し格納できる。

【００２７】次に、課題解決のための第５の発明は、上
記第４の発明において、応答パケットに分割されたダウ
ンロード情報の他、分割されたダウンロード情報に対応
した属性情報が含まれている場合に、当該属性情報を用
いて分割されたダウンロード情報を組み立てる情報組立
手段が設けられている。

【００２８】したがって、分割されているダウンロード
情報を容易に組み立てることができる。

【００２９】次に、課題解決のための第６の発明は、上
記第４の発明において、周期的なパケットは、移動ＩＰ
システムにおける動作確認パケットであって、その移動
ＩＰシステムの移動クライアントに情報ダウンロード機
能が組み込まれる。

【００３０】したがって、請求項４の発明が移動ＩＰシ
ステムに適用される。

【００３１】次に、課題解決のための第７の発明は、上
記第１の発明をコンピュータに実現させるためのプログ
ラムを記録した記録媒体である。

【００３２】この記録媒体から読み出されたプログラム
により制御されるコンピュータは、上記第１の発明の情
報ダウンロード機能付きサーバとして機能する。

【００３３】次に、課題解決のための第８の発明は、上
記第４の発明をコンピュータに実現させるためのプログ
ラムを記録した記録媒体である。

【００３４】この記録媒体から読み出されたプログラム
により制御されるコンピュータは、上記第４発明の情報
ダウンロード機能付き端末として機能する。

【００３５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。

【００３６】（発明の第１の実施の形態）図１は本発明
の第１の実施形態に係る情報ダウンロード機能付きサー
バ及び端末を適用した移動ＩＰシステムの構成例を示す
ブロック図である。

【００３７】この移動ＩＰシステムにおいては、ホーム
ネットワーク１に転送エージェントサーバ２及び管理者
端末３が接続されると共に、同ホームネットワーク１に
多数の移動クライアント４が属している。また、移動ク
ライアント４は、図１に示すように、ホームネットワー
ク１以外の他のネットワーク（図示せず）に移動し、移
動後の移動クライアント４は電話網やインターネット等
の公衆ネット５を介して自己のホームネットワーク１に
接続するようになっている。

【００３８】ここでまず、転送エージェントサーバ３に
は、転送エージェントサーバ処理部１１と、状況監視処
理部１３とが設けられると共に、最新ダウンロードプロ
グラムファイル１４並びに同期ポイント管理ファイル１
５がその記憶装置に保持されている。

【００３９】転送エージェントサーバ処理部１１は、移
動ＩＰプロトコルに従ってホームネットワーク１上にお
ける転送エージェントとしての機能を実現するものであ
る。すなわち移動したクライアント４からの移動登録を
受け付け、移動クライアント４に対して移動元のホーム
ネットワーク１のパケットを転送等を行う。また、転送
エージェントサーバ処理部１１は、ダウンロード応答処
理部１２を備え、最新プログラムのダウンロードを行う
場合には、同応答処理部１２にそのダウンロード要求を
引き渡す。

【００４０】ダウンロード応答処理部１２は、転送エー
ジェントサーバ処理部１１を介する移動クライアント４
からのダウンロード要求を対応して同クライアント４へ
のプログラムダウンロードを実行する。すなわち、最新
ダウンロードプログラムファイル１４から要求されたプ
ログラムを呼び出すと共に、これを小分割する。さら
に、移動クライアント４からの移動登録要求や動作確認
パケットに対応して転送エージェントサーバ処理部１１
が出力する応答パケットに、小分割したプログラムを載
せるようになっている。また、分割プログラムの送信状
況を同期ポイント管理ファイル１５に記録する。

【００４１】最新ダウンロードプログラムファイル１４
は、移動クライアント４にダウンロードすべきプログラ
ム群のファイルである。ダウンロードすべきファイルは
複数存在してよい。

【００４２】同期ポイント管理ファイル１４は、転送エ
ージェントサーバ側の管理ファイルであり、移動クライ
アント毎に存在する。それぞれの移動クライアント４に
おいてダウンロードがどこまで進んだかの情報を記録す
る。これにより小分割されたダウンロードプログラムの
同期を図る。

【００４３】状況監視処理部１３は、同期ポイント管理
ファイル１５の情報から各移動クライアントのプログラ
ムのダウンロードがどこまで進んだかを管理者に伝え
る。

【００４４】管理者端末２は、ダウンロード状況を確認
するための管理者用の端末である。

【００４５】一方、移動クライアント４は、移動クライ
アント処理部２１と、ダウンロード状況通知処理部２２
と、プログラム組立・再起動処理部２３と、表示部２４
が設けられると共に、同期ポイント管理ファイル２５，
最新ダウンロードプログラムファイル２６並びに実行可
能プログラム格納部２７がその記憶装置に保持されてい
る。

【００４６】移動クライアント処理部２１は、移動ＩＰ
プロトコルに従って移動クライアントとしての機能を実
現するためのクライアントプログラムであって、ホーム
ネットワーク１から外出先に移動した場合に機能する。
また、移動クライアント処理部２１は、ダウンロード要
求処理部２８を備えている。

【００４７】ダウンロード要求処理部２８は、主にダウ
ンロード要求手段及びダウンロード情報格納手段として
構成される。すなわちダウンロード要求処理部２８は、
転送エージェントサーバ１１のダウンロード応答処理部
１２に問い合わせて、ダウンロードすべき最新モジュー
ル（プログラム）が登録されているかどうかを確認す
る。本実施形態ではこの処理が実質的にダウンロードの
要求になっている。なお、確認の結果、ダウンロードす
べきプログラムがあり、そのために後述する小分割プロ
グラムが送信されてきた場合には、以降、移動登録要求
パケットや動作確認パケットにダウンロード要求を添付
することでダウンロード応答処理部１２に当該プログラ
ムを要求する。

【００４８】ここで、移動ＩＰシステムでは移動クライ
アントの移動登録をする際に移動登録要求パケットを転
送エージェントに送出し、移動登録後も正常に登録状態
にあることを確認するための動作確認（キープアライ
ブ）パケットを定期的に移動クライアントから送出する
ようになっている。また、転送エージェントからはこの
動作確認パケットに対する応答パケットが送出されるよ
うになっている。なお、動作確認パケットは移動登録要
求パケットの一種であるともいえるので、以下、本明細
書では動作確認パケットも含めて移動登録要求パケット
と呼ぶこととする。

【００４９】本実施形態では、この移動登録要求パケッ
トや応答パケットのデータ構造を改良することで、少し
づつプログラムダウンロードを実行できるようになって
いる。

【００５０】図２は移動クライアントが送出する移動登
録要求パケットのデータ構造例を示す図である。

【００５１】同図に示すように、移動登録要求パケット
３１は、ヘッダ３２，認証情報３３，移動元アドレス３
４，移動先アドレス３５，アクセス認証フィールド３６
及びダウンロード状態フィールド３７から構成されてい
る。

【００５２】ここで、アクセス認証フィールド３６は、
ユーザ名とパスワードからなり、移動登録を行うときに
転送エージェントサーバ３にて確認のため用いられる。
動作確認パケットとして用いられる場合には、アクセス
認証フィールド３６の情報は特に必要ない。

【００５３】ダウンロード状態フィールド３７には、ダ
ウンロード要求を行うときに、その要求及び要求するプ
ログラムの種別が格納される。ダウンロード応答部１２
はこのダウンロード状態フィールドの要求情報に従い、
移動登録要求パケット３１を用いて移動クライアント４
へのダウンロードを実行する。

【００５４】図３は転送エージェントが移動登録要求パ
ケットに対する応答として送出する応答パケットのデー
タ構造例を示す図である。

【００５５】この応答パケット４１は、プログラムダウ
ンロード中か否かで２つの形態に分けられる。

【００５６】同図（ａ）は、ダウンロードプログラムが
ある場合であり、このとき、応答パケット４１は、ヘッ
ダ４２，認証情報４３，移動元アドレス４４，移動先ア
ドレス４５，ダウンロード状態フィールド４６及び分割
された小さなデータサイズのダウンロードプログラム４
７から構成されている。

【００５７】一方、図３（ｂ）は、ダウンロードプログ
ラムがない場合であり、このとき、応答パケット４１
は、ヘッダ４２，認証情報４３，移動元アドレス４４，
移動先アドレス４５及びダウンロード状態フィールド４
６から構成されている。

【００５８】図３（ａ）及び図３（ｂ）に示すダウンロ
ード状態フィールド４６には、ダウンロードされるプロ
グラムについての各種情報が格納される他、同パケット
４１にダウンロードプログラム４７が添付されているか
否かの情報が含められている。

【００５９】ダウンロード状態フィールド４６にてダウ
ンロードプログラム有りと示される場合には、図３
（ａ）に示すように、同期ポイントとダウンロードプロ
グラム本体からなるダウンロードプログラム４７がダウ
ンロード応答処理部１２により応答パケット４１に添付
される。

【００６０】ダウンロード要求処理部２８は、ダウンロ
ード状態フィールド４６を調べ、応答パケット４１にダ
ウンロードプログラムが添付されているときには、同期
ポイントを同期ポイント管理ファイル２５に格納し、分
割されているダウンロードプログラムを最新ダウンロー
ドプログラムファイル２６に格納する。

【００６１】次に、図１の移動クライアントにおいて、
ダウンロード状況通知処理部２２は、同期ポイント管理
ファイル２５の内容を調べ、転送エージェントサーバ３
からのプログラムダウンロードが完了したこと確認する
と、その旨を表示部２４を介して移動クライアント保持
者に通知する。なお、同状況通知処理部２２は、新たな
分割プログラムが受け入れられると、その旨の通知をダ
ウンロード要求処理部２８から受けるとともに、ダウン
ロードが完了した場合にはその旨をプログラム組立・再
起動処理部２３に通知する。

【００６２】同期ポイント管理ファイル２５は、小分割
されたダウンロードプログラムの同期を図るための同期
ポイントを格納するファイルである。また、この同期ポ
イントは、移動クライアント側において、ダウンロード
プログラムがどこまで転送されたかのダウンロード状況
を管理するのに用いられる。

【００６３】プログラム組立・再起動処理部２３は、情
報組立手段としても機能するものであり、移動クライア
ント４においてダウンロードがすべて完了した段階で、
小分割されたプログラムを実行可能なプログラムへと組
み立てて、移動クライアント保持者にプログラムを有効
にするための再起動を促す（インストール処理）。この
プログラム組立を行う際には、各小分割プログラムに対
応する同期ポイントを参照するようにしてもよい。

【００６４】最新ダウンロードプログラムファイル２６
は、小分割されたダウンロードプログラムを格納し、プ
ログラム組立・再起動処理部２３からこれらの小分割プ
ログラムが読み出されるようになっている。実行可能プ
ログラム格納部２７は、プログラム組立・再起動処理部
２３に組み立てられ実行可能となったプログラムを格納
する。

【００６５】次に、以上のように構成された本実施形態
における情報ダウンロード機能付きサーバ及び端末の動
作について説明する。ホームネットワーク１から外部に
持ち出された移動クライアント４を使ってホームネット
ワーク１にアクセスするときには、移動クライアント処
理部２１が起動される。

【００６６】通常、移動クライアント処理が起動された
ときには、転送エージェントサーバ３に移動登録要求が
発行され、さらに移動先の種々の情報が周期的に通知さ
れる。また、動作確認パケットが定期的に発行され、こ
れにより移動登録された移動クライアントが動作中であ
ることが周期的に通知される。これらのパケットが図２
に示す移動登録要求パケット３１である。

【００６７】一方、ホームネットワークにおいて、移動
処理システムの管理者は、最新プログラムを転送エージ
ェント配下のクライアント４のすべてにダウンロードす
るため、管理者端末２から最新プログラムを転送エージ
ェントサーバ３の最新ダウンロードプログラムファイル
１４に登録する。

【００６８】したがって、上記のように、他のネットワ
ークへ移動後の移動クライアント４の保持者が移動クラ
イアント処理部２１を起動すると、先の移動登録要求な
どが転送エージェントサーバ３に通知されることとな
る。この場合の移動クライアントにおける処理について
図４を用いて説明する。

【００６９】図４は本実施形態における転送エージェン
トサーバ及び移動クライアントの動作を示す流れ図であ
る。

【００７０】まず、移動クライアント処理部２１の起動
時にダウンロード要求処理部２８も起動され、移動登録
要求パケット３１のダウンロード状況フィールド３７に
ダウンロードすべき最新プログラムが存在するか否かの
確認要求が添付される（Ｓ１）。また、この処理では、
初回の確認要求でない場合には、次回分の分割プログラ
ムの要求が移動登録要求パケット３１に載せられる。

【００７１】この要求に対応して、ダウンロードすべき
プログラムがある場合には、転送エージェントのダウン
ロード応答部１２によって、最新ダウンロードプログラ
ムファイル１４から対応するプログラムが取り出され
る。この取り出されたプログラムは固定サイズに小分割
されるとともに、応答パケットに小分割プログラムがそ
の同期ポイント識別子と共に載せられる。この応答パケ
ットは、図３に示すような状態となって移動クライアン
ト４に送出される。また、小分割プログラムの送出のた
びにその送出プログラムについての同期ポイントが同期
ポイント管理ファイル１５に格納され、サーバ３側にお
いて、ダウンロード状況を管理するのに用いられる。

【００７２】以降、移動クライアント４では移動登録要
求や動作確認等の応答パケットが受信されるたびに、ダ
ウンロード要求処理部２８によって応答パケット４１に
添付される小分割ダウンロードプログラムがファイル２
６に格納され、同期ポイントがデータベース（同期ポイ
ント管理ファイル２５）に書き出される（Ｓ３）。

【００７３】また、ダウンロード状況通知処理部２２に
よって同期ポイントの内容が調べられ、受け取った応答
パケット４１の小分割プログラムが最終のものであるか
否か判断される（Ｓ４）。これにより最終分でないと判
断されると（Ｓ４）、ステップＳ１に戻る。

【００７４】一方、受け取った小分割プログラムが最終
ダウンロード分であると判断されると（Ｓ４）、プログ
ラム組立・再起動処理部２３により小分割プログラムが
組み立てられ、最新プログラムが再現される。さらに、
最新プログラムがダウンロードされた旨がダウンロード
状況通知処理部２２，表示部２４を介して移動クライア
ント保持者に通知される（Ｓ５）。

【００７５】この通知には、再起動処理を実施して組み
立てられたプログラムを実行可能状態にするか否かの問
合せも含まれており、移動クライアント保持者から再起
動要求が入力されると（Ｓ６）、プログラム組立・再起
動処理部２３により再起動処理が実行される（Ｓ７）。
これによってダウンロードされた最新プログラムが有効
なものとなる。

【００７６】また、転送エージェントサーバ３において
は、ダウンロード状況監視処理部１３によって同期ポイ
ントに基づくダウンロードの状況が監視される。したが
って、管理者によって移動クライアント毎のダウンロー
ド状況が把握されることとなる。

【００７７】上述したように、本発明の実施の形態に係
る情報ダウンロード機能付きサーバ及び端末は、移動ク
ライアントから定期的に発行する移動登録要求や動作確
認パケットの応答パケットを利用して、転送エージェン
トサーバ３から移動クライアント４に対して、固定サイ
ズに小分割されたダウンロードプログラム及び同期ポイ
ント情報を転送するようにしたので、移動クライアント
で通常の通信処理（トラフィック）に影響を与えずに最
新プログラムを自動的にダウンロードすることができ
る。また、移動クライアント４においても、プログラム
ダウンロード中に他の処理を行うことができる。

【００７８】また、転送エージェントサーバ側には状況
監視処理部１３を設け、同期ポイントに基づく状況通知
を管理者端末２に対して行うようにしたので、管理者は
各移動クライアントへのダウンロード状況や各プログラ
ムの配布状況を簡単に把握することができる。

【００７９】なお、上記した移動登録要求や動作確認パ
ケットの送出及びこれに対する応答は、モバイルＩＰ処
理においては元々実施すべき処理であるので、ダウンロ
ードに特化した通信処理リソースを用意しなくてよい。

【００８０】また、移動ＩＰシステムにおける移動登録
処理等は移動クライアントから転送エージェントサーバ
が正しいかどうかの認証や、暗号通信とを組み合わせて
行っているので、この応答パケットに添付される小分割
プログラムも安全にダウンロードさせることができる。

【００８１】また、本実施形態においては、最新モジュ
ール（プログラム）のダウンロードがすべて完了しない
うちに移動登録要求などが終了してしまった場合であっ
ても、転送エージェントサーバ３と移動クライアント４
の双方で同期ポイントを管理しているので、次回の移動
登録要求時にすでに完了している部分以降のダウンロー
ド処理を継続して行うことができる。

【００８２】さらに、転送エージェントサーバ管理者
は、各移動クライアント別のダウンロード進行状況が確
認できるため、場合によっては、移動クライアント保持
者に注意を促すことができる。

【００８３】なお、本実施形態では、ダウンロード応答
処理部１２は、転送エージェントサーバ処理部１１に設
けられる構成としたが、本発明はこのような構成に限ら
れるものではなく、例えばダウンロード応答処理部１２
を転送エージェントサーバ処理部１１と別途に設けるよ
うにしてもよい。

【００８４】（発明の第２の実施の形態）本実施形態で
は、第１の実施形態と同様な仕組みをＤＨＣＰ（Dynami
c Host Configuration Protocol）を用いたネットワー
クシステムに適用する場合を説明する。

【００８５】図５は本発明の第２の実施形態に係る情報
ダウンロード機能付きサーバ及び端末を適用したネット
ワークシステムの構成例を示すブロック図であり、図１
と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、ここで
は異なる部分についてのみ述べる。

【００８６】このネットワークシステムは、イーサネッ
ト等のＬＡＮ５１やさらにはＷＡＮ等からなり、そのデ
ータ伝送路に管理者端末２，ＤＨＣＰサーバ５３及ぶ端
末５４が少なくとも接続されて構成されている。

【００８７】ＤＨＣＰサーバ５３は、ＤＨＣＰサーバと
しての処理を実現するＤＨＣＰサーバ処理部５５が転送
エージェントサーバ処理部１１に代えて設けられる他、
第１の実施形態の転送エージェントサーバ３と同様に構
成されている。なお、本実施形態では、ダウンロード応
答処理部１２はＤＨＣＰサーバ処理部５５（転送エージ
ェントサーバ処理部１１）と別途に設けられている。

【００８８】ＤＨＣＰサーバ処理部５５は、ＤＨＣＰサ
ーバ５３におけるＤＨＣＰ処理を行うための実体であ
り、端末から確認パケットを受け取ると、同パケットに
含まれるダウンロード状態フィールド３７をダウンロー
ド応答処理部１２に引き渡すようになっている。また、
確認パケットに対する応答パケットに、ダウンロード応
答処理部１２から受け取ったダウンロード状態フィール
ド４６及びダウンロードプログラム４７、又は、ダウン
ロード状態フィールド４６を添付するようになってい
る。

【００８９】なお、本実施形態における確認パケット
は、第１の実施形態における移動登録要求パケット３１
に対応し、確認パケットの応答は、移動登録要求パケッ
トの応答に対応する。

【００９０】ダウンロード応答処理部１２は、必要な情
報をＤＨＣＰサーバ処理部５５と授受する形式になって
いる他、第１の実施形態と同様に構成されている。

【００９１】また、端末５４は、ＤＨＣＰサーバ５３に
ＩＰアドレスを要求するＩＰアドレス管理部５６が移動
クライアント処理部２１に代えて設けられる他、第１の
実施形態の移動クライアント４と同様に構成されてい
る。

【００９２】ＩＰアドレス管理部５６は、パソコンやワ
ークステーション等からなる端末５４の起動時に、ブロ
ードキャストを用いてＤＨＣＰサーバ５３にＩＰアドレ
スを要求する処理部であり、その結果受け取ったＩＰア
ドレスを管理する。

【００９３】このように構成されるネットワークシステ
ムの動作について図５を用いて説明する。まず、端末５
４の起動時に、ＩＰアドレス管理部５６によって、ブロ
ードキャストによるＩＰアドレス要求が出力される（ｔ
１）。

【００９４】次に、この要求パケットがＤＨＣＰサーバ
５３に取得され、ＤＨＣＰサーバ処理部５５の処理によ
り、要求元の端末５４にＩＰアドレスが割り振られる
（ｔ２）。この後、ＩＰアドレス管理部５６によって、
自己が保持するＩＰアドレスの使用継続確認のための確
認パケットが周期的にＤＨＣＰサーバ５３に送出される
（ｔ３）。

【００９５】これに対し、ＤＨＣＰサーバ処理部５５か
らは、この確認パケットに対する応答が出力される（ｔ
４）。

【００９６】この確認パケット及びその応答パケットに
図２，図３に示すダウンロード状態フィールド３７，４
６並びにダウンロードプログラム４７が組み込まれるこ
とになる。これらのデータの組み込み、及び組み込みデ
ータの利用等は、第１の実施形態と同様にして、主にダ
ウンロード応答処理部１２並びにダウンロード要求処理
部２８等によって実行され。これにより、第１の実施形
態と同様な自動的プログラムダウンロードが実現され
る。

【００９７】上述したように、本発明の実施の形態に係
る情報ダウンロード機能付きサーバ及び端末は、ネット
ワークシステムにおけるＤＨＣＰサーバ５３〜端末５４
間の定期的な確認及び応答パケットを利用して、小分割
プログラムをダウンロードするようにしたので、移動Ｉ
Ｐシステムに限らずこのようなネットワークシステムに
おいても、第１の実施形態と同様な効果を得ることがで
きる。

【００９８】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に
変形することが可能である。また、各実施形態は可能な
限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合
わされた効果が得られる。

【００９９】各実施形態ではプログラムをダウンロード
する場合を説明したが、本発明のダウンロード対象はプ
ログラムに限られるものでなく、各種データを含むもの
である。すなわち、各実施形態のサーバ及び端末は、一
般的な情報ダウンロード用のサーバ及び端末として機能
する。

【０１００】例えばネットワークシステムにおいて、ネ
ットワーク監視の目的でクライアントが電源オフになっ
ていないか等をチェックする各種の定期的なチェック用
の通信、例えばヘルスチェックやキープアライブ等のパ
ケット及びその応答を利用して本発明を実現させるよう
にしてもよい。

【０１０１】また例えば、第１実施形態では、モバイル
ＩＰにおけるクライアント−サーバモデルをベースに発
明を説明し、第２実施形態ではＤＨＣＰシステムをベー
スに発明を説明したが、本発明の適用範囲はこれらのク
ライアントサーバシステムに限られるものではない。例
えば冗長系処理、高可用性処理の動作確認処理（ハート
ビートなどともいう）を利用したプログラムのアップデ
ートにも利用することができる。

【０１０２】さらに、通信の回線速度や通信帯域を監視
して、動的にダウンロードパケットを増減させることに
より、より効率的なダウンロードを行うことができる。

【０１０３】また、実施形態に記載した手法は、計算機
（コンピュータ）に実行させることができるプログラム
（ソフトウエア手段）として、例えば磁気ディスク（フ
ロッピーディスク、ハードディスク等）、光ディスク
（ＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ等）、半導体メモリ等の記憶媒
体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布すること
もできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、
計算機に実行させるソフトウエア手段（実行プログラム
のみならずテーブルやデータ構造も含む）を計算機内に
構成させる設定プログラムをも含むものである。本装置
を実現する計算機は、記憶媒体に記録されたプログラム
を読み込み、また場合により設定プログラムによりソフ
トウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって
動作が制御されることにより上述した処理を実行する。

【０１０４】

【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、ネ
ットワークを介してデータやプログラムを配布する場合
に、通常の通信トラフィックに影響を与えることなく、
これらの情報を配布することができる情報ダウンロード
機能付きサーバ及び端末並びに記録媒体を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態に係る情報ダウンロー
ド機能付きサーバ及び端末を適用した移動ＩＰシステム
の構成例を示すブロック図。

【図２】移動クライアントが送出する移動登録要求パケ
ットのデータ構造例を示す図。

【図３】転送エージェントが移動登録要求パケットに対
する応答として送出する応答パケットのデータ構造例を
示す図。

【図４】同実施形態における転送エージェントサーバ及
び移動クライアントの動作を示す流れ図。

【図５】本発明の第２の実施形態に係る情報ダウンロー
ド機能付きサーバ及び端末を適用したネットワークシス
テムの構成例を示すブロック図。

【符号の説明】

１…ホームネットワーク ２…転送エージェントサーバ ３…管理者端末 ４…移動クライアント ５…公衆ネット １１…転送エージェントサーバ処理部 １２…ダウンロード応答処理部 １３…状況監視処理部 １４…最新ダウンロードプログラムファイル １５…同期ポイント管理ファイル ２１…移動クライアント処理部 ２２…ダウンロード状況通知処理部 ２３…プログラム組立・再起動処理部 ２４…表示部 ２５…同期ポイント管理ファイル ２６…最新ダウンロードプログラムファイル ２７…実行可能プログラム格納部 ３１…移動登録要求パケット ３２…ヘッダ ３３…認証情報 ３４…移動元アドレス ３５…移動先アドレス ３６…アクセス認証フィールド ３７…ダウンロード状態フィールド ４１…応答パケット ４２…ヘッダ ４３…認証情報 ４４…移動元アドレス ４５…移動先アドレス ４６…ダウンロード状態フィールド ４７…ダウンロードプログラム ５１…ＬＡＮ ５３…ＤＨＣＰサーバ ５４…端末 ５５…ＤＨＣＰサーバ処理部

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 端末から周期的なパケットを受信すると
   共に、当該パケットに対する応答パケットを前記端末に
   返信する情報ダウンロード機能付きサーバであって、 前記端末にダウンロードすべき情報を格納する情報格納
   手段と、 前記情報格納手段に格納された何れかの情報についての
   ダウンロード要求が前記周期的なパケットに含まれてい
   る場合には、要求されたダウンロード情報を前記情報格
   納手段から取り出すと共に、当該ダウンロード情報を複
   数に分割し、複数回に渡る応答パケットに分割されたダ
   ウンロード情報を含めるダウンロード応答手段とを備え
   たことを特徴とする情報ダウンロード機能付きサーバ。
2. 【請求項２】 前記ダウンロード応答手段は、分割され
   たダウンロード情報各々に対応してその属性情報を作成
   すると共に、分割ダウンロード情報を含める応答パケッ
   トに、対応する属性情報をも含めることを特徴とする請
   求項１記載の情報ダウンロード機能付きサーバ。
3. 【請求項３】 前記周期的なパケットは、移動ＩＰシス
   テムにおける動作確認パケットであって、その移動ＩＰ
   システムの転送エージェントサーバに情報ダウンロード
   機能が組み込まれることを特徴とする請求項１記載の情
   報ダウンロード機能付きサーバ。
4. 【請求項４】 サーバに対して周期的なパケットを送信
   すると共に、当該パケットに対する応答パケットを前記
   サーバから受信する情報ダウンロード機能付き端末であ
   って、 前記周期的なパケットに情報のダウンロード要求を含め
   るダウンロード要求手段と、 ダウンロードされる情報を格納する記憶手段と、 前記応答パケットに分割されたダウンロード情報が含ま
   れているときには、これを取り出し、前記記憶手段に格
   納するダウンロード情報格納手段とを備えたことを特徴
   とする情報ダウンロード機能付き端末。
5. 【請求項５】 前記応答パケットに分割されたダウンロ
   ード情報の他、分割されたダウンロード情報に対応した
   属性情報が含まれている場合に、当該属性情報を用いて
   分割されたダウンロード情報を組み立てる情報組立手段
   を備えたことを特徴とする請求項４記載の情報ダウンロ
   ード機能付き端末。
6. 【請求項６】 前記周期的なパケットは、移動ＩＰシス
   テムにおける動作確認パケットであって、その移動ＩＰ
   システムの移動クライアントに情報ダウンロード機能が
   組み込まれることを特徴とする請求項４記載の情報ダウ
   ンロード機能付き端末。
7. 【請求項７】 端末から周期的なパケットを受信すると
   共に、当該パケットに対する応答パケットを前記端末に
   返信する情報ダウンロード機能付きサーバを制御するプ
   ログラムであって、 前記端末にダウンロードすべき何れかの情報についての
   ダウンロード要求が前記パケットに含まれている場合に
   は、要求されたダウンロード情報を前記情報格納手段か
   ら取り出させると共に、当該ダウンロード情報を複数に
   分割させ、複数回に渡る応答パケットに分割されたダウ
   ンロード情報を含めさせるダウンロード応答手段として
   コンピュータを機能させるためのプログラムを記録した
   コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
8. 【請求項８】 サーバに対して周期的なパケットを送信
   すると共に、当該パケットに対する応答パケットを前記
   サーバから受信する情報ダウンロード機能付き端末を制
   御するプログラムであって、 前記周期的なパケットに情報のダウンロード要求を含め
   させるダウンロード要求手段と、 前記応答パケットに分割されたダウンロード情報が含ま
   れているときには、これを取り出させ、前記記憶手段に
   格納させるダウンロード情報格納手段としてコンピュー
   タを機能させるためのプログラムを記録したコンピュー
   タ読み取り可能な記録媒体。