JP2000284082A - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

Info

Publication number
JP2000284082A
JP2000284082A JP11092420A JP9242099A JP2000284082A JP 2000284082 A JP2000284082 A JP 2000284082A JP 11092420 A JP11092420 A JP 11092420A JP 9242099 A JP9242099 A JP 9242099A JP 2000284082 A JP2000284082 A JP 2000284082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
uranium
oxide
granules
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11092420A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaomi Oguma
正臣 小熊
Motoyuki Miyata
素之 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP11092420A priority Critical patent/JP2000284082A/ja
Publication of JP2000284082A publication Critical patent/JP2000284082A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料顆粒を振動充填しても燃料棒内で酸素ゲッ
タが局所的に偏析することを低減する。 【解決手段】燃料棒10は、下端を端栓7で封じた金属
製の被覆管4内に粒径の異なる燃料顆粒5,6を振動充
填した後、押治具3装填し、被覆管4内をヘリウムガス
で置換してから被覆管4の上端に端栓1を溶接して製造
される。燃料顆粒5は、燃料顆粒6よりも粒径が大き
い。燃料顆粒5及び6は、酸化物燃料顆粒9の表面に酸
素ゲッタ材である金属ウラン8を被覆している。金属ウ
ラン8が酸化物燃料顆粒9の表面を被覆しているので、
燃料顆粒5及び6を被覆管4内に振動充填しても被覆管
4内で金属ウラン8が局所的に存在することを改善でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料集合体に係
り、特に軽水炉及び高速炉に使用される、燃料顆粒を被
覆管内に振動充填した燃料棒を有する燃料集合体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料棒として、ウラン酸化物,プルトニ
ウム酸化物,ウラン−プルトニウム混合酸化物(MO
X)などの酸化物燃料を顆粒状にした顆粒状燃料である
酸化物燃料顆粒を用いた燃料棒が知られている。この燃
料棒は、ジルカロイまたはステンレス鋼製の被覆管内に
酸化物燃料顆粒を振動装填し、その後、充填した酸化物
燃料顆粒の押え治具等の構造材の装填,ヘリウムガスの
充填を行い、最後に被覆管の端部を端栓で溶接,密封し
て製造される。
【0003】上述の酸化物燃料は、1回の核分裂当たり
2個の酸素を遊離する。遊離した酸素の多くは、核分裂
で生成した核分裂生成物と結合し酸化物を形成し安定化
する。しかし、一部の酸素は余剰自由酸素となる。この
余剰酸素は、酸化物燃料顆粒内では燃料の結晶格子間に
侵入する。このため、余剰酸素の増加は、燃料の結晶格
子を歪ませ、熱伝導率及びクリープ特性などの顆粒状燃
料の物性及び特性を一般に好ましくない方向に変化させ
る。酸化物燃料顆粒の外に出た余剰酸素は、被覆管と相
互作用を起こす。例えば、被覆管がジルコニウム合金で
あるジルカロイ製である場合には、余剰酸素は被覆管内
面の酸化腐食を発生させ、被覆管の熱伝導率の低下、及
び被覆管の強度の低下を招く可能性がある。また、被覆
管がステンレス鋼製である場合には、余剰酸素は被覆管
内部の酸素ポテンシャルを増加させ、セシウム,カドミ
ウムまたはテルルなどの腐食性核分裂生成物が被覆管の
腐食を加速させる。
【0004】このような余剰酸素に係わる問題を防ぐた
め、例えば、プルトニウム酸化物及びウラン−プルトニ
ウム混合酸化物等の酸化物燃料で作られた酸化物燃料顆
粒を充填した燃料棒では、酸化物燃料内の酸素原子
(O)と、金属ウラン及び金属プルトニウムなどの金属
原子(W)との比(O/W)を化学量論比以下(O/M
≦2.00 )にした酸化物燃料で作られた酸化物燃料顆
粒を用いたり、顆粒状の金属ウラン(U)を酸素ゲッタ
として酸化物燃料顆粒と混ぜて使用したりしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】酸化物燃料顆粒の製造
工程において焼結雰囲気制御により、酸化物燃料のO/
W比を化学量論比以下(O/W≦2.00 )にすること
は理論的には可能である。しかし、実用的な製造工程で
は、O/W比の減少にも限界がある。
【0006】例えばプルトニウム酸化物及びウラン−プ
ルトニウム混合酸化物等の酸化物燃料では実用的に製造
可能なO/W比の下限は1.94 程度である。これより
O/W比の低い酸化物燃料を製造するためには、燃料形
状を問わず複雑な工程を必要とする。そしてO/W比が
1.94 程度では、高燃焼度になると被覆管の腐食を完
全に防止することはできない。
【0007】顆粒状金属ウランを酸素ゲッタとして酸化
物燃料顆粒と混合し、これらを被覆管内に振動充填して
得られる燃料棒は、顆粒状金属ウランの添加量を適切に
設定することにより余剰酸素を理論上完全に除去でき
る。しかし、この燃料棒は以下のような問題を生じる。
【0008】その第1点は、粒径の異なる多成分系混合
粒体を容器内に振動充填した場合、一般に特定の粒径を
持つ粒子群が容器内で偏析する現象、すなわち粒子偏析
が起ることが知られている。振動充填燃料棒製造時に粒
子偏析が発生すると、顆粒状金属ウランが燃料棒内の局
部に集ってしまい、本来、燃料棒内で均一作用すると期
待されていた酸素ゲッタの効果が減少する恐れがある。
【0009】第2点は、顆粒状金属ウランの局在を防ぐ
方法として、顆粒状金属ウランを微細化してその分散性
を改善する方法が考えられる。この場合、顆粒状金属ウ
ランの粒径は1μm以下にする必要がある。このような
微細な顆粒状金属ウランを質量が大きく異なる酸化物燃
料顆粒と混合し、振動充填により均一な充填体を得るこ
とは非常に難しい。スムーズな燃料棒の製造を阻害する
ばかりでなく、金属微粉末は高い発火性を有するため、
特別な安全上の配慮が必要になる。
【0010】第3点は、顆粒状金属ウランと被覆管のス
テンレス鋼が反応し、被覆管の健全性を損なう恐れがあ
ることである。この反応は、被覆管の合金成分である鉄
と金属ウランが金属学的に反応する共晶反応と呼ばれる
ものであり、被覆管の温度が725℃以上にならなけれ
ば発生することはない。万が一その条件を満たす特殊な
環境下で共晶反応が発生した場合、金属ウランが従来の
ように顆粒状で充填される場合には、金属ウランの質量
が大きいため共晶反応が広範囲に進展する恐れがある。
【0011】本発明の目的は、振動充填による酸素ゲッ
タの被覆管内での局所的な偏析を低減できる燃料集合体
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する第1
発明の特徴は、ウラン酸化物,プルトニウム酸化物及び
ウラン−プルトニウム混合酸化物のうちの一種類を含む
顆粒状燃料を、被覆管内に充填した複数の燃料棒を備え
た燃料集合体において、前記顆粒状燃料が、酸素ゲッタ
材によって被覆されていることにある。
【0013】酸素ゲッタ材が顆粒状燃料の表面を被覆し
ているので、顆粒状燃料を振動充填しても燃料棒内で酸
素ゲッタが局所的に偏析することを低減できる。酸素ゲ
ッタは顆粒状燃料が充填される領域にほぼ一様に存在す
る。また、顆粒状燃料に含まれている核分裂性物質の核
分裂によって発生する余剰酸素は、顆粒状燃料内に存在
する。酸素ゲッタ材が顆粒状燃料の表面を覆っているの
で、余剰酸素が顆粒状燃料の外側に流出しようとしても
必ず酸素ゲッタ材によって吸収される。従って、酸素ゲ
ッタを通過して顆粒状燃料の外側に流出する余剰酸素の
量は、著しく低減できる。
【0014】酸素ゲッタは、好ましくはウラン,ジルコ
ニウム,バリウム,セリウム及びチタンのいずれかで構
成される。
【0015】上記目的を達成する第2発明の特徴は、ウ
ラン酸化物のみを用いた前記顆粒状燃料は、燃料物質1
モル当たり0.007 モル以上の酸素ゲッタ材である金
属ウランによって被覆されていることにある。
【0016】0.007 モル以上の金属ウランが燃料棒
内に存在すれば燃料集合体の使用期間中において、燃料
物質から放出される余剰酸素は全て金属ウランに吸収さ
れる。このため、被覆管の内面腐食を抑制できる。
【0017】上記目的を達成する第3発明の特徴は、プ
ルトニウム酸化物及びウラン−プルトニウム混合酸化物
のうちの一種類を含む顆粒状燃料を、被覆管内に充填し
た複数の燃料棒を備えた燃料集合体において、顆粒状燃
料が、酸素ゲッタ材である金属ウランによって被覆さ
れ、金属ウランが、燃料物質1モル当たり0.04 モル
以上であることにある。
【0018】プルトニウム酸化物またはウラン−プルト
ニウム混合酸化物を含む顆粒状燃料を充填した燃料棒を
有する燃料集合体は、軽水炉及び高速炉内で使用され
る。余剰酸素は到達燃焼度の高い高速炉の炉心に装荷し
た燃料集合体で多く発生する。プルトニウムの核分裂
は、ウランの核分裂に比べ、ルテニウム,テクネチウ
ム,ロディウム及びパラジウムなどの酸素と結合しにく
い貴金属の核分裂生成物を多く生成するため、プルトニ
ウム酸化物燃料及びウラン−プルトニウム混合酸化物燃
料では、核分裂により発生する余剰酸素がウラン酸化物
燃料に比べ多くなる。すなわち、プルトニウムを含む酸
化物燃料1モルから生成される余剰酸素の量は約0.0
84 モルである。この余剰酸素を吸収する金属ウラン
の量は、燃料物質1モル当たり約0.042 モルとな
る。
【0019】従って、0.04 モル以上の金属ウランが
燃料棒内に存在すれば燃料集合体の使用期間中に燃料物
質から放出される余剰酸素は全て金属ウランに吸収さ
れ、セシウム,カドミウム、あるいはテルルなどの腐食
性の核分裂生成物が被覆管に作用して腐食を加速させる
ことを抑制できる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の好適な一実施例である燃
料集合体を以下に説明する。本実施例の燃料集合体は、
沸騰水型原子炉の炉心に装荷される。本実施例の燃料集
合体は、下部タイプレート及び上部タイプレートを有
し、これらのタイプレートによって上下端部を保持され
る複数の燃料棒を備えている。燃料棒間には水ロッドが
配置される。水ロッドも上下端部が下部タイプレート及
び上部タイプレートに保持される。各燃料棒は、相互に
所定の間隔が形成されるように燃料スペーサによって保
持される。全ての燃料棒は、上部タイプレートの取り付
けられるチャンネルボックス内に配置される。
【0021】以上の構成を有する本実施例の燃料集合体
に用いられる燃料棒10を、図1及び図2により説明す
る。すなわち、燃料棒10は、下端を端栓7で封じた金
属製の被覆管4内に粒径の異なる燃料顆粒5,6を振動
充填した後、押治具3装填し、被覆管4内をヘリウムガ
スで置換してから被覆管4の上端に端栓1を溶接して製
造される。被覆管4は、ジルカロイ製(またはステンレ
ス鋼製)である。燃料顆粒5は、燃料顆粒6よりも粒径
が大きい。粒径の異なる燃料顆粒を用いる理由は、隣接
する粒径の大きな燃料顆粒が形成する空隙内に、粒径の
小さい燃料顆粒を入り込ませることにより、被覆管4内
における燃料物質の充填密度を高めるためである。本実
施例では、大小二種類の燃料顆粒5,6を用いている
が、三種類以上の粒径の異なる燃料顆粒を用いる場合も
ある。被覆管4内で押治具3の上方に形成されるガスプ
レナム2は、燃料顆粒に含まれる核分裂性物質の核分裂
によって生成され、燃料顆粒から放出される気体状核分
裂生成物を収容するガス溜である。本実施例はガスプレ
ナム2を燃料棒10の上部に設けているが、ガスプレナ
ム2は燃料棒10の下部に設けることも可能である。
【0022】燃料顆粒5は、図2に示すように酸化物燃
料顆粒9の表面に酸素ゲッタ材である金属ウラン8を被
覆している。金属ウラン8は酸化物燃料顆粒9の表面に
付着している。燃料顆粒6も燃料顆粒5と同じ構成であ
る。酸化物燃料顆粒9は、ウラン酸化物,プルトニウム
酸化物及びウラン−プルトニウム混合酸化物のいずれか
で製造される。金属ウラン8の替りに、燃料棒内の化学
的環境下で酸素ゲッタ効果のあるジルコニウム,バリウ
ム,セリウム及びチタンのいずれかを用いてもよい。
【0023】本実施例は、金属ウラン8が酸化物燃料顆
粒9の表面を被覆しているので、燃料顆粒5及び6を被
覆管4内に振動充填しても被覆管4内で金属ウラン8が
局所的に存在することを改善できる。金属ウラン8は、
燃料顆粒5及び6の表面に設けられるので、燃料顆粒5
及び6が充填される領域にほぼ一様に存在する。また、
燃料顆粒5及び6の酸化物燃料顆粒9に含まれている核
分裂性物質の核分裂によって発生する余剰酸素は、酸化
物燃料顆粒9内に存在する。金属ウラン8が酸化物燃料
顆粒9の表面前面を覆っているので、余剰酸素が燃料顆
粒5(または燃料顆粒6)の外側に流出しようとしても
必ず金属ウラン8によって吸収される。従って、金属ウ
ラン8を通過して燃料顆粒5(または燃料顆粒6)の外
側に流出する余剰酸素の量は、著しく低減できる。余剰
酸素に起因する被覆管4内面の腐食を抑制できる。
【0024】また、金属ウラン8は酸化物燃料顆粒9の
表面に数ミクロンの厚さで付着しているに過ぎないの
で、万が一、被覆管4との間で共晶反応が発生した場合
でも、その共晶反応にあずかる金属ウランの量は微量で
あるから、共晶反応が拡大することはない。
【0025】ウラン酸化物のみで製造された酸化物燃料
顆粒9を含む燃料顆粒5及び6が充填された燃料棒を備
えた燃料集合体は、主に軽水炉で使用される。この燃料
集合体の到達燃焼度は最大でも約100Gwd/tであ
る。ウラン酸化物燃料が燃焼度100Gwd/tで生成
する余剰酸素の量は、約0.014 モルである。この量
の余剰酸素を吸収するのに必要な金属ウランの量は、ウ
ラン酸化物燃料1モル当たり約0.007モルとなる。
従って、0.007モル以上の金属ウラン8が燃料棒1
0内に存在すれば燃料集合体の使用期間中に、ウラン酸
化物燃料から放出される余剰酸素は全て金属ウラン8に
吸収される。このため、軽水炉に装荷された燃料集合体
のジルカロイ製の被覆管4の内面腐食を防止できる。
【0026】酸化物燃料顆粒9がプルトニウム酸化物及
びウラン−プルトニウム混合酸化物のいずれかである場
合は、酸化物燃料顆粒9の表面に付着させる金属ウラン
の量が燃料物質1モル当たり0.04 モル以上にすると
よい。プルトニウム酸化物、及びウラン−プルトニウム
混合酸化物のいずれかで製造された酸化物燃料顆粒9を
含む燃料顆粒5及び6が充填された燃料棒を備えた燃料
集合体は、軽水炉あるいは高速炉で使用される。その燃
料集合体の使用期間中に生成される余剰酸素の量を求め
る場合には、到達燃焼度が高くなる、高速炉の炉心に装
荷した燃料集合体を想定すればよい。その場合の燃料集
合体の最高燃焼度は約300GWd/tである。
【0027】プルトニウムの核分裂は、ウランの核分裂
に比べ、ルテニウム,テクネチウム,ロディウム及びパ
ラジウムなどの酸素と結合しにくい貴金属の核分裂生成
物が約2倍多く生成する。プルトニウム酸化物及びウラ
ン−プルトニウム混合酸化物を用いた場合には、余剰酸
素の発生量がウラン酸化物を用いた場合に比べ多くな
る。プルトニウムを含む酸化物燃料から生成される余剰
酸素の量は約0.084モルとなり、この余剰酸素を吸
収する金属ウランの量は、燃料物質1モル当たり約0.
042モルとなる。従って、0.04モル以上の金属ウ
ラン8が燃料棒内に存在すれば燃料集合体の使用期間中
にプルトニウムの核分裂によって発生する余剰酸素は全
て金属ウラン8に吸収され、セシウム,カドミウム、あ
るいはテルルなどの腐食性の核分裂生成物が、被覆管に
作用して腐食を加速させることがなくなる。
【0028】燃料顆粒5及び6の製造方法について、図
3を用いて以下に説明する。本製造方法は、三酸化ウラ
ン(UO3 )を出発物質として金属ウランを燃料顆粒に
付着させるものである。すなわち、三酸化ウラン粉末が
電気炉に入れられ水素雰囲気中で600℃から700℃
の温度範囲で加熱され、これにより二酸化ウランが得ら
れる(ステップ12)。この二酸化ウラン粉末に対し
て、フッ化反応塔内で2段階フッ化処理が行われる(ス
テップ13)。フッ化処理の第1段階では、温度約29
0℃でフッ化水素を還流させながら温度約290℃で加
熱し、次いで第2段階でフッ化水素を還流させながら温
度約400℃で加熱して四フッ化ウラン(UF4 )を得
る。この四フッ化ウラン粉末,酸化物燃料顆粒及びマグ
ネシウム粉末(またはカルシウム粉末)が混合される
(ステップ14)。酸化物燃料顆粒は、ウラン酸化物,
プルトニウム酸化物及びウラン−プルトニウム混合酸化
物のうちの一種で構成されている。例えば、ウラン−プ
ルトニウム混合酸化物の燃料顆粒5を製造したい場合に
は、ウラン−プルトニウム混合酸化物で作られた酸化物
燃料顆粒が用いられる。ステップ14の混合工程で得ら
れた混合体を反応槽で温度約700℃で加熱する(ステ
ップ15の還元工程)。四フッ化ウランは還元工程(ス
テップ15)で次の還元反応により金属ウランを生成す
る。金属ウランの融点は1132℃で反応槽の加熱温度
700℃より低いが、(1)式の反応は UF4+2Mg→U+2MgF2(ΔH=83.5kcal) …(1) テルミット反応のため、金属ウランは生成時に溶融して
いる。その金属ウランは混合されていた酸化物燃料顆粒
の表面に直ちに付着して凝固する。このようにして、図
2に示す金属ウラン8で酸化物燃料顆粒9の表面を覆っ
た燃料顆粒が得られる。粒径が異なる燃料顆粒5及び6
は、それぞれの粒径と実質的に等しい粒径を有する各酸
化物燃料の顆粒に対して、別々に図3に示すステップ1
4及び15の工程を適用することにより製造される。
【0029】出発物質として三酸化ウランの替りに二酸
化ウランを用いた場合には、図3の製造工程におけるス
テップ13以降の工程を適用することによって、図2に
示す金属ウランで酸化物燃料顆粒の表面を覆った燃料顆
粒を得ることができる。
【0030】燃料顆粒5及び6の製造方法に関する他の
実施例について、図4を用いて以下に説明する。図4
は、出発物質として使用済燃料を用いた場合の製造方法
である。使用済燃料を切断し気体状核分裂生成物を除去
した後、核燃料物質を被覆管から取出す(ステップ1
6)。この核燃料物質は第一反応槽に搬送される。第一
反応槽内ではフッ化水素を還流させつつ約550℃で核
燃料物質を加熱し、四フッ化ウランを得る(ステップ1
7)。この後は、図3と同様にステップ14及び18の
工程を経て、図2に示す金属ウラン8で酸化物燃料顆粒
9の表面を覆った燃料顆粒を得ることができる。
【0031】燃料顆粒5及び6の製造方法に関する他の
実施例について、図5を用いて以下に説明する。図5
は、出発物質として二酸化ウランを用いた場合の製造方
法である。三酸化ウランを出発物質として用いた図3の
製造方法において、ステップ13以降の全工程を図5に
示す全工程に置き換えることも可能である。ステップ1
3で得られた四フッ化ウランと該当する種類の酸化物燃
料顆粒を混合する(ステップ14A)。これらの混合体
は、第一反応浴槽内で四フッ化ウランを酸化物燃料顆粒
と共に960℃以上に加熱し、溶融した四フッ化ウラン
を酸化物燃料顆粒の表面に含侵させる(ステップ1
9)。四フッ化ウランが表面に含侵された酸化物燃料と
マグネシウム粉末(またはカルシウム粉末)とを混合す
る(ステップ14B)。四フッ化ウランが表面に含侵さ
れた酸化物燃料とマグネシウム粉末との混合体は第二反
応槽内で700℃以上に加熱され、酸化物燃料顆粒表面
の四フッ化ウランを還元する(ステップ18)。以上の
工程により、図2に示す金属ウラン8で酸化物燃料顆粒
9の表面を覆った燃料顆粒が得られる。
【0032】燃料顆粒5及び6の製造方法に関する他の
実施例について、図6及び図7を用いて以下に説明す
る。本例の燃料顆粒の製造方法は、メカノフュージョン
装置を用いて金属ウラン,ジルコニウム,バリウム,セ
リウム及びチタンのいずれかを酸化物燃料顆粒の表面に
メカノケミカル的に付着させるものである。メカノフュ
ージョン装置の構成を図6及び図7により簡単に説明す
る。容器21内に回転軸20が挿入されている。インナ
ーピース22及びスクレバー23が、容器21内で回転
軸20に設置されている。インナーピース22とスクレ
バー23とは、回転方向においてずれた位置にある。
【0033】予め製造された約200gのウラン酸化物
燃料顆粒と酸素ゲッタとなる約5gのジルコニウム粉末
を秤量し、それらをメカノフュージョン装置の容器21
内に投入する。回転軸20を回転させてインナーピース
22及びスクレバー23も回転させる。この状態で約1
時間を運転することにより、ウラン酸化物燃料顆粒の表
面にジルコニウム粉末が付着し、ウラン酸化物燃料顆粒
の表面をジルコニウムで覆った燃料顆粒が得られる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、燃料顆粒を振動充填し
ても燃料棒内で酸素ゲッタが局所的に偏析することを低
減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である燃料集合体に用
いられる燃料棒の縦断面図である。
【図2】図1の燃料顆粒の横断面図である。
【図3】図1における燃料顆粒の製造方法の一例を示す
フロー図である。
【図4】図1における燃料顆粒の製造方法の他の例を示
すフロー図である。
【図5】図1における燃料顆粒の製造方法の他の例を示
すフロー図である。
【図6】燃料顆粒の製造方法の他の例に用いられるメカ
ノフュージョン装置の縦断面図である。
【図7】図6のメカノフュージョン装置の横断面図であ
る。
【符号の説明】
1…上部端栓、2…ガス溜(プレナム)、3…充填体押
え治具、4…被覆管、5…燃料顆粒(粗粒)、6…燃料
顆粒(細粒)、7…下部端栓、8…金属ウラン、9…酸
化物燃料顆粒、20…回転軸、21…回転容器、22…
インナーピース、23…スクレバー。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウラン酸化物,プルトニウム酸化物及びウ
    ラン−プルトニウム混合酸化物のうちの一種類を含む顆
    粒状燃料を、被覆管内に充填した複数の燃料棒を備えた
    燃料集合体において、前記顆粒状燃料が、酸素ゲッタ材
    によって被覆されていることを特徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】前記ウラン酸化物のみを用いた前記顆粒状
    燃料は、燃料物質1モル当たり0.007 モル以上の前記酸
    素ゲッタ材である金属ウランによって被覆されている請
    求項1の燃料集合体。
  3. 【請求項3】プルトニウム酸化物及びウラン−プルトニ
    ウム混合酸化物のうちの一種類を含む顆粒状燃料を、被
    覆管内に充填した複数の燃料棒を備えた燃料集合体にお
    いて、前記顆粒状燃料が、酸素ゲッタ材である金属ウラ
    ンによって被覆され、前記金属ウランが、燃料物質1モ
    ル当たり0.04モル以上である燃料集合体。
  4. 【請求項4】前記酸素ゲッタが、ウラン,ジルコニウ
    ム,バリウム,セリウム及びチタンのいずれかである請
    求項1の燃料集合体。
JP11092420A 1999-03-31 1999-03-31 燃料集合体 Pending JP2000284082A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11092420A JP2000284082A (ja) 1999-03-31 1999-03-31 燃料集合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11092420A JP2000284082A (ja) 1999-03-31 1999-03-31 燃料集合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000284082A true JP2000284082A (ja) 2000-10-13

Family

ID=14053938

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11092420A Pending JP2000284082A (ja) 1999-03-31 1999-03-31 燃料集合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000284082A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110883463A (zh) * 2014-05-19 2020-03-17 崔光述 焊接机的焊嘴供给装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110883463A (zh) * 2014-05-19 2020-03-17 崔光述 焊接机的焊嘴供给装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ekberg et al. Nitride fuel for Gen IV nuclear power systems
JP5905835B2 (ja) 核燃料、核燃料要素、核燃料アセンブリ、および核燃料製造方法
RU2389089C1 (ru) Тепловыделяющий элемент для ядерных реакторов (варианты) и способ его изготовления (варианты)
US10043595B2 (en) Uranium dioxide nuclear fuel pellet having ceramic microcells
US9653188B2 (en) Fabrication method of burnable absorber nuclear fuel pellets and burnable absorber nuclear fuel pellets fabricated by the same
Ustinov et al. Tritium in nitride fuel of fast reactors
JPS604437B2 (ja) 核燃料要素
JPH11202072A (ja) 原子炉用の核燃料粒子、核燃料ペレット及び核燃料要素
CN1033669C (zh) 核燃料元件中产生的裂变产物放射性吸收剂
JP2000284082A (ja) 燃料集合体
CN1266706C (zh) 用于核反应堆熔化衬层阱的氧化物材料
EP0676771B1 (en) Nuclear fuel cycle
US4097402A (en) Nuclear fuel assembly and process
Burkes et al. A US perspective on fast reactor fuel fabrication technology and experience. Part II: Ceramic fuels
Hunt et al. Fission-product release during accidents—an accident management perspective
US20200111584A1 (en) Composite fuel with enhanced oxidation resistance
CN109641272A (zh) 用于制备陶瓷和/或金属坯体的水性添加剂生产方法
KR20000068512A (ko) 연소도가 높은 원자로 연료체 및 제조 방법
JP4135976B2 (ja) Rim効果の発生を遅らせるための変性核燃料
JPH0119555B2 (ja)
JPH09503858A (ja) 核燃料焼結体、核燃料焼結体を有する原子炉燃料要素及び核燃料焼結体の製造方法
JPH01248092A (ja) 核燃料ペレットの製造法
JPH0469592A (ja) 核燃料要素
JPH1026683A (ja) 原子炉用金属燃料要素及びその製造方法
Bloomster et al. AN INCREMENTAL LOADING PROCESS TO CONTROL PLUTONIUM ENRICHMENT IN MECHANICALLY-MIXED OXIDE FUEL SYSTEMS