JP2000283509A - タンク及び加湿器 - Google Patents

タンク及び加湿器

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JP2000283509A
JP2000283509A JP11088679A JP8867999A JP2000283509A JP 2000283509 A JP2000283509 A JP 2000283509A JP 11088679 A JP11088679 A JP 11088679A JP 8867999 A JP8867999 A JP 8867999A JP 2000283509 A JP2000283509 A JP 2000283509A
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Japan
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tank
valve body
cap
opening
closed
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JP11088679A
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Haruki Ogata
春樹 尾形
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Abstract

(57)【要約】 【課題】上部注水型のタンク構造を採ったとき、タンク
の蓋体が完全に閉まっていない状態で、タンク底部から
外部へ水が流出することを防止できるようにする。 【解決手段】上部に開口部を有するタンク本体部601
と、開口部に着脱可能になされるキャップ61と、この
キャップ61によって開閉される上弁体62と、その上
弁体62の下流側で外部からの押圧によって開閉される
下弁体23とを有してタンク本体部601の下部に設け
られた弁機構60とを備え、キャップ61は開口部に取
り付けられたときに、第1の位置においてその開口部を
閉鎖し、第2の位置において上弁体62を開弁し、この
上弁体62はキャップ61が第1の位置から第2の位置
へ回転されることによって下弁体23とタンク本体部6
01とを連通し、キャップ61が開口部から離脱された
ときは、上弁体62を閉弁するようになされたものであ
る。この構成によって、タンク内部に大気圧が加わって
いる状態で上弁体62が開かれない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、タンク及び加湿
器に関する。詳しくは、上部から注水可能で閉蓋後は内
部が非大気圧状態になされるタンクの下部に、上弁体及
び下弁体を有した二重構造の弁機構を設けると共に、そ
の弁機構を動作させる蓋体を設け、タンク内部を非大気
圧状態にした後に、その上弁体を開くようにして、完全
に蓋体が閉まっていない状態で、タンク底部から外部へ
水が流出することを防止できるようになされたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、一般家庭や会社などにおいて、居
室内、応接室内や会議室内などの空気の乾燥を防ぐため
に加湿器が使用される場合が多くなってきた。加湿器は
水を超音波によって振動させて放出する超音波式及び水
を加熱して蒸気を放出する加熱式に分類される。
【0003】図53は、従来方式に係る加熱式の加湿器
1の構成例を示す概念図である。図53に示す加湿器1
はタンク収納容器2を有しており、注水口3Aを有した
タンク3が逆さに装着される。つまり、注水口3Aがタ
ンク収納容器2の底部に向けて装着されるので、タンク
装着後のタンク内部の水面Cには大気圧が加わらない状
態となる。この注水口3Aには図示しない弁体が取り付
けられ、タンク収納容器2にタンク3が装着されると弁
体が突起部4などによって開かれ、水5が流出可能な状
態となされる。
【0004】このタンク収納容器2には隣接して加熱部
6が設けられ、タンク3から供給される水5が加熱され
る。加熱部6は蒸発用の皿部6A及び熱源部6Bを有し
ている。熱源部6Bは蒸発用の皿部6Aの下部に取り付
けられ、所定の熱エネルギーが皿部6Aの水5に加えら
れる。そのために、タンク収納容器2と皿部6Aとを水
平方向で結ぶように管路7が設けられている。この種の
加湿器1では大気圧によって加熱部6の水位Aとタンク
収納容器2の水位Bとが同等になるが、タンク内の水位
(水面C)と加熱部6の水位Aとが異なった状態となる
(パスカルの原理)。
【0005】従って、加熱部6の水5が加熱され、その
熱湯水が蒸発して減ってくると、タンク3から加熱部6
へ水5が供給される。この給水原理は鳥用の給水器にほ
ぼ等しい。この加熱部6の上部には蒸気ガイド部材8が
取り付けられ、蒸気9が導かれて外部へ放出される。こ
の蒸気9によって、居室内、応接室内や会議室内などの
空気の乾燥を防ぐことができる。超音波式に比べて加熱
式によれば加湿器周辺を白く汚すことがない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来方
式の加熱式の加湿器によれば、次のような問題がある。 タンク3の注水口3Aをタンク収納容器2の底部側
に向けた状態で装着する構造なので、タンク3を装着し
たままで、タンク内に水5を補給することができない。
従って、タンク収納容器2からタンク3を抜き出した後
に、タンク内に水5を補給しなければならず、水補給時
の操作性が悪い。因みに、何らの工夫も無しに逆さ状態
のタンク3の上部に注水口3Aを設けた構造(以下上部
注水型のタンク構造という)を採ると、水補給中にタン
ク内に大気圧が加わることから、加熱部6の水位が上昇
し溢れてしまう。
【0007】 上部注水型のタンク構造を採ったとき
に、タイミング良く上弁体を開かないと、完全に蓋体が
閉まっていない状態で上弁体が開いてしまい、水がタン
ク底部から流出してしまう。
【0008】そこで、この発明はこのような従来の課題
を解決したものであって、上部から注水可能で閉蓋後は
内部が非大気圧状態になされるタンクの蓋体が完全に閉
まっていない状態で、タンク底部から外部へ水が流出す
ることを防止できるようにしたタンク及び加湿器を提案
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、この発明のタンクは、上部に開口部を有する液体貯
留部と、開口部に着脱可能になされる蓋体と、この蓋体
によって開閉される上弁体と、その上弁体の下流側で外
部からの押圧によって開閉される下弁体とを有して液体
貯留部の下部に設けられた弁機構とを備え、蓋体は、開
口部に取り付けられたときに、第1の位置において開口
部を閉鎖し、第2の位置において上弁体を開弁し、この
上弁体は蓋体が第1の位置から第2の位置へ回転される
ことによって下弁体と液体貯留部とを連通するようにな
されたことを特徴とするものである。
【0010】この発明のタンクによれば、蓋体が開口部
に取り付けられたときに、第1の位置において開口部が
閉鎖され、蓋体を第1の位置から第2の位置へ回転する
ことによって、弁機構により上弁体が開弁され、その下
弁体と液体貯留部とが連通される。つまり、タンク内部
に大気圧が加わっている状態(気密性が保たれていない
状態)では、弁機構が回転動作に移行されず、上弁体は
閉じたままである。従って、液体貯留部内が非大気状態
になっていない状態では上弁体が開かれないので、タン
ク底部から外部へ水が流出することが防止できる。これ
により、高信頼度のタンクを提供できる。しかも、当該
タンクを加湿器に十分応用することができる。
【0011】この発明の加湿器は、水を貯留するタンク
と、このタンクから水を供給され、該水を蒸発若しくは
噴散する加湿部とを有する加湿器であって、タンクは上
部に開口部を有する液体貯留部と、開口部に着脱可能に
なされる蓋体と、この蓋体によって開閉される上弁体
と、その上弁体の下流側で外部からの押圧力によって開
閉される下弁体とを有して液体貯留部の下部に設けられ
た弁機構とを備え、蓋体は、開口部に取り付けられたと
きに、第1の位置において開口部を閉鎖し、第2の位置
において上弁体を開弁し、この上弁体は蓋体が第1の位
置から第2の位置へ回転されることによって下弁体と液
体貯留部とを連通し、蓋体が開口部から離脱されたとき
は、上弁体を閉弁するようになされたことを特徴とする
ものである。
【0012】この発明に係る加湿器によれば、上述のタ
ンクが応用されるので、タンク内部に大気圧が加わって
いる状態(気密性が保たれていない状態)では、弁機構
が回転動作に移行されず、上弁体は閉じたままである。
従って、液体貯留部内が非大気状態になっていない状態
では上弁体が開かれないので、タンク底部から外部へ水
が流出することが防止できる。これにより、使用勝手の
極めて良好なタンクを備えた加熱式及び超音波式の加湿
器を提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】続いて、この発明に係るタンク及
び加湿器の一実施形態について、図面を参照しながら詳
細に説明をする。
【0014】(1)実施形態としての加湿器 図1は本発明の実施形態としての各タンクが適用される
加湿器100の構成例を示す斜視図である。この実施形
態では、上部注水型のタンク構造を採ったとき、タンク
の下部に上弁体及び下弁体を有した二重構造の弁機構を
設けると共に、その弁機構を動作させる蓋体を設け、タ
ンク内部を非大気圧状態にした後に、その上弁体を開く
ようにして、完全に蓋体が閉まっていない状態で、タン
ク底部から外部へ水が流出することが防止できるように
なされたものである。
【0015】この発明に係る加湿器100は、図1に示
す直方体状の筐体11を有している。筐体11の大きさ
は当該加湿器100の能力にもよるが、一般家庭用で幅
Wが20cm程度、長さLが30cm程度で、高さHが
25cm程度である。筐体11の前面左側には操作用の
スライドスイッチや発光ダイオード(LED)などの表
示部10が取り付けられる。筐体11の上部には蓋体1
2が取り付けられる。図1では筐体11の上部から取り
外した蓋体12を筐体11の前面に置いた状態を示して
いる。
【0016】この蓋体12の左上部側には蒸気噴出口1
2Aが形成されている。この例で筐体上部から蓋体12
を取り除くと、その筐体11の右側にはタンク収納容器
2が配置され、加湿用の水(図示せず)5が入れられた
液体貯留部としてのタンク200が装着される。この例
では上部注水型のタンク200が使用され、閉蓋後は内
部が非大気圧状態になされる。タンク200は、その上
部にキャップ(蓋体)21を有しており、そのキャップ
21が開閉自在になされる。
【0017】この筐体11には図1に示すタンク収納容
器2に隣接して部品取付スペース13及び有底状の蒸発
具取付部14が配されている。部品取付スペース13に
は制御ユニット90などが取り付けられ、蒸発具取付部
14には蒸発容器15及び蒸気ガイド部材8などが取付
られる。蒸発具取付部14は蓋体12の蒸気噴出口12
A下に位置しており、この部品取付スペース13及び蒸
発具取付部14はタンク収納容器2に対して水密性良く
仕切部材(断熱壁)14A、14Bによって仕切られて
いる。
【0018】この蒸発具取付部自体は水密性の良い1つ
の部屋を構成するが、万一水5が蒸発具取付部内に溜ま
った場合にはこれを抜くために、筐体11の裏面に水抜
き用の栓部材11Aが設けられる。図中では栓部材11
Aの蒸発具取付部側の排水口付近のみを示す。栓部材1
1Aは蒸発具取付部14の他に管路7又はタンク収納容
器2の最低部に設けてもよい。
【0019】この蒸発具取付部14のほぼ中央底部には
蒸発容器15が設けられ、タンク収納容器2からの水5
が貯留される。この例で蒸発容器15はタンク収納容器
2から水5を受けてそのタンク収納容器2の水位と同一
になされる。そのために蒸発容器15とタンク収納容器
2とは底部下で管路7によって結ばれている。つまり、
管路7はタンク収納容器2の底部から下方に延びた排水
口2Aと蒸発容器15の底部から下方に延びた給水口1
5Aとの間に接続され、タンク収納容器2から蒸発容器
15へ水5が補給される。管路7は合成樹脂又は硬質ゴ
ムを加工整形したものが使用される。
【0020】図2に示す蒸発容器15の外周領域には蒸
発エネルギー供給源として加熱部6が配置され、管路7
を通して補給される水5が加熱される。もちろん、水5
を超音波で振動させる方式を採る場合には蒸発エネルギ
ー供給源として超音波発生部を設けてもよい。この例で
は加熱式について説明する。加熱部6は熱源部6A及び
溝部6Bを有している。
【0021】この熱源部6Aは管路7よりも高い位置で
あって蒸発容器15に隣接して設けられる。これは暖ま
った熱湯水5’は上昇するが、下方には伝搬し難いとい
う性質を利用することにより、蒸発容器15から管路7
を通してタンク収納容器2に逃げる熱を少なくするため
である。この熱源部6Aは当該加湿器100の能力にも
よるが、200〜400W程度のニクロム線を使用した
電気ヒータ(バンドヒータ)から成る。熱源部6Aがバ
ンドヒータなどから成る場合には、予め加熱部6に設け
られた溝部6Bにバンドヒータなどが挿嵌されて取り付
けられる。加湿部は加熱部6、管路7、蒸発ガイド部材
8及び蒸発容器15などから構成される。
【0022】この例では図2に示すタンク200の下部
には二重構造の弁機構20が設けられる。この弁機構2
0は例えば上弁体22及び下弁体23を有しており、少
なくとも、キャップ21の開閉動作に基づき、その下弁
体23に独立して上弁体22を開閉するようになされ
る。つまり、下弁体23が開いている状態でキャップ2
1を開いた場合でも、タンク下部から水が流出しないよ
うな工夫が施されている。しかも、タンク200をその
タンク収納容器2などに装着した状態で、タンク上部か
ら水5を継ぎ足すことができる。タンク200の構造に
ついては図7〜図15において説明する。
【0023】図3は加湿器100の上面の構成例を示す
図である。この例で、タンク200の上部にはかすがい
状の取っ手16が設けられ、タンク収納容器2からタン
ク200を引き出せるようになされる。図3は取っ手1
6をタンク上面に倒した状態を示している。取っ手16
の両端には軸部16A,16Bが形成され、タンク上部
には軸受け部17A,17Bが形成されている。この取
っ手16の軸部16A,16Bがタンク上部の軸受け部
17A,17Bに可動自在に取り付けられる。
【0024】図4はタンク200の抜き取り時の構成例
を示す加湿器100の断面図である。この例でタンク収
納容器2からタンク200を引き出すときは、その上部
の取っ手16を角度90°だけ起こす。そして、そのま
ま取っ手16を把持して上部方向へ引き上げる。これに
より、タンク収納容器2からタンク200のみを引き出
すことができる。
【0025】図5はタンク200への注水例を示す斜視
図である。上述した加湿器100に装着可能なタンク2
00は図5に示す立方体状のタンク本体部201を有し
ている。タンク本体部201の大きさは加湿器100の
例で、幅w、長さl及び上下のキャップを含めた高さh
が共に18cm程度である。ここで有効高さをh’=1
4cmとすると、タンク容量は4.5リットル程度であ
る。
【0026】この例ではタンク収納容器2から引き抜い
たタンク200に注水するときは、まず、タンク上部か
らキャップ21を取り外す。その後、水道栓101の蛇
口下へタンク200を持って行き、タンク本体部201
上に形成された開口部202からタンク内部へ水5を入
れる。本発明によれば、従来方式のようにタンク本体部
201をひっくり返すことなく、タンク上部から注水す
ることができる。
【0027】続いて、加湿器100の制御ユニット90
について説明する。図6は加湿器100の回路構成例を
示すブロック図である。この例では制御ユニット90に
基づいて蒸発容器15内の水量に応じて熱源部6Aが自
動制御されるものである。この例の加湿器100は図6
に示す制御ユニット90を有しており、この制御ユニッ
ト90は電源スイッチSWに接続される。この電源スイ
ッチSWには電源回路91が接続され、商用電源が一部
が操作電源用の電圧に降圧される。熱源部6Aには商用
電源をそのまま供給する方法、商用電源を低電圧に降圧
して供給する方法及び商用電源を高電圧に昇圧して供給
する方法のいずれかが採られる。いずれの場合も、電気
用品取り締まり法に適合するように熱源部6Aを構成す
ればよい。
【0028】この電源回路91にはリレー回路92及び
AC−DCコンバータ93が接続される。リレー回路9
2では電源回路91で加工された最適な電圧を選択する
ようになされる。また、蒸発容器内の水量に応じて熱源
部6Aに供給する電圧をスイッチング制御するようにし
てもよい。このリレー回路92には熱源部6Aが接続さ
れ、バンドヒータなどに所定の電圧を供給することによ
り、所定の熱エネルギーが加熱部6から水5に与えられ
る。
【0029】一方、電源回路91に接続されたAC−D
Cコンバータ93では、操作電源用の電圧が直流電圧に
変換され、CPU(中央演算装置)94及び動作表示機
構の光源90Aなどに供給される。この加湿器100で
は、モータ制御回路95、ファン96及びモータ99が
設けられる。その際に、DC電圧がモータ制御回路95
及びモータ99に供給される。この例では従来方式と同
様にして筐体11内にファン96を設け、蒸気9を冷却
すると共に送風するようになされている。
【0030】このCPU94には表示部10を構成する
LEDやスライドスイッチが接続されると共に、フロー
トセンサ97及び湿度センサ98が接続される。この操
作用のスライドスイッチや発光ダイオード(LED)な
どの表示部10は筐体前面に取り付けられる。スライド
スイッチによって当該加湿器100の運転時間及び室内
の湿度の設定などができるように操作される。その設定
結果はLEDなどの表示部10に表示される。
【0031】フロートセンサ97はアナログ量を検出す
るものが好ましい。単一オン・オフ検出用のフロートセ
ンサでも、水位に基づいて熱源部6Aのオン・オフ制御
を行うことができる。この例では、蒸発容器15、管路
7又はタンク収納容器2の最低水位を与える位置にフロ
ートセンサ97が設けられ、これらの位置で水量を検出
し、水位検出信号S1がCPU94に出力される。
【0032】また、スライドスイッチによる湿度設定値
及び湿度センサ98から得られた室内の湿度検出信号S
2に応じて熱源部6Aが自動制御される。例えば、予め
設定された湿度設定値よりも湿度センサ98による室内
湿度値の方が多くなった場合には、湿度を低減するよう
に熱源部6Aの電圧供給値を例えば減らす方向で電圧制
御される。
【0033】反対に、予め設定された湿度設定値よりも
湿度センサ98による室内湿度値の方が少なくなった場
合には、湿度を増加すように熱源部6Aの電圧供給値を
例えば増加する方向で電圧制御される。これにより、蒸
発容器15に所定の水位の水5が供給されているとき
に、最適な蒸気9を室内に放出することができる。
【0034】上述した加湿器100には7つのタンク2
00〜800が適用される。以下、これらのタンクの構
造について説明をする。 (2)二重構造の弁機構を備えたタンク 図7は実施形態としてのタンク例(非装着/キャップ開
蓋時)を示す断面図である。この実施形態では、上部注
水型のタンク構造を採ったときに、タンク200の下部
に、上弁体22及び下弁体23を有した二重構造の弁機
構20が設けられ、その下弁体23が開いている状態で
キャップ21を開いたときに、その弁機構20によって
上弁体22を閉じるようにして、キャップ21を開いて
もタンク下部から水5が流出しないようにすると共に、
タンク200をそのタンク収納容器2などに装着した状
態で、タンク上部から水5を継ぎ足しできるようになさ
れたものである。
【0035】図7に示すタンク200はタンク本体部2
01を有している。タンク本体部201はABS樹脂な
どをブロアー成形することにより、角部が丸みを帯びた
立方体状に形成される。もちろん、金型成形装置によっ
て型出し成形してもよい。この例では、タンク本体部2
01の上部中央に開口部202が形成され、上部から自
由に水5が継ぎ足される。この開口部202には給水用
のキャップ21が開閉自在に係合され、キャップ21の
閉蓋後はタンク内部が非大気圧状態になされる。タンク
200の底部には開口部203が形成され、この開口部
203には二重構造の弁機構20が取り付けられる。
【0036】この弁機構20は上弁体22及び下弁体2
3を有しており、少なくとも、キャップ21の開閉動作
に基づき、その下弁体23に独立して上弁体22を開閉
するようになされる。特に、キャップ21を開いたとき
は、下弁体23の開閉状態に独立して上弁体22が閉じ
られる。なお、加湿器100にタンク200を装着した
後は、この下弁体23が、例えば、従来方式と同様にし
て突起部4に押されて開き、非大気圧状態のタンクから
タンク収納容器2へ水5が供給される。
【0037】図8は弁機構20の上弁体周辺の構成例を
示す部品組立斜視図である。図8に示す弁機構20はリ
ンク機構24を有している。リンク機構24はh字状の
支柱部211を有しており、その脚部はL字状に曲げら
れ、設置面積が広くなされている。支柱部211は耐食
性の金属又は強化プラスティック、例えば、ステンレス
鋼をh字状に加工して形成する。
【0038】この支柱部211の先端及び中央左側の各
々には係合用の孔部212、213が開口されている。
一方の孔部212には逆L字状の連接部材214が可動
自在に取り付けられる。連接部材214は中央から左側
に向けて3つの孔部215、216、217が開口され
ており、その1つの孔部215を使用しピン218など
によって支柱部211に係合され、支点部が形成され
る。連接部材214は耐食性の金属又は強化プラスティ
ックをL字状に加工して形成する。
【0039】また、リンク機構24はほぼタンク高さに
等しい長さの棒状の被押圧部219を有しており、その
一端が連接部材214の2番目の孔部216にピン22
1などによって可動自在に係合され、キャップ21の閉
蓋時の締め付け力をこの連接部材214に伝達するよう
になされる。ピン218、ピン221は図8に示す一点
鎖線に従って、組立てられ、各々の終端部位は図示しな
い割ピンやスナップリングなどの係止部材によって固定
される。
【0040】この連接部材214の3番目の孔部217
と支柱部211の先端の孔部213との間にはコイル状
のバネ体222が取り付けられる。このバネ体222は
上弁体22を常に閉じるような付勢力を有する。連接部
材214の他端には上弁体22が取り付けられる。上弁
体22は天然ゴムや合成ゴムなどが円錐体状に加工され
て成り、大口径側を下方に向けた状態でネジ223など
によって連接部材214に固定される。
【0041】図9は弁機構20の下弁体周辺の構成例を
示す部品組立斜視図である。図9に示す弁機構20はキ
ャップ状の支持体224を有しており、その中央上下に
同心円状の開口部を成す弁体ストップ用の筒状部155
及び弁体ガード用の筒状部156を有している。この弁
体ストップ用の筒状部155の上端エッジ部により上部
開口部が形成され、弁体ガード用の筒状部156の下端
エッジ部により下部開口部が形成される。この例で下弁
体23は外力に基づいて下部開口部を開くようになされ
る。
【0042】つまり、支持体224は二重枠構造の本体
部154を有している。例えば、本体部154の内側に
は弁体ストップ用の筒状部155が形成され、その筒状
部155の内側中央には排水口159が形成され、水5
が流出できるようになされている。この筒状部155の
内側に形成された弁体ガード用の筒状部156によっ
て、特に、タンク収納容器2からタンク200が抜き出
されたときに、下弁体23の形状が保護される。
【0043】この本体部154の内部には下弁体23、
被押圧片157及びスプリングバネ158が取り付けら
れる。この排水口159にはスプリングバネ158を装
着した一端異口径の棒状の被押圧片157が挿嵌され、
この被押圧片157の小口径側には下弁体23がネジ1
53などによって取り付けられる。下弁体23は吸盤状
の硬質ゴムから成る。スプリングバネ158は所定の付
勢力を有して被押圧片157の大口径側と排水口159
との間に挿嵌される。これにより、タンク運搬中の漏水
が皆無となされている。
【0044】この支持体224は図8に示したリンク機
構24を支持すると共に、タンク200の開口部203
に水密性良く固定される。その際の固定方法はパッキン
グ部材を介在させて開口部203に対し着脱可能に支持
体224を取り付けたり、部品組立て後に接着剤で開口
部203の外側と支持体224の内側とを貼合するよう
にしてもよい。
【0045】この構成によって、リンク機構24のバネ
体222の付勢力を越えるキャップ21の押圧力に基づ
いて支持体224の上部開口部を上弁体22によって開
くようになされる。また、弁機構20は開蓋動作に伴う
キャップ21の押圧力の解除と共に、リンク機構24の
バネ体222の付勢力によって上弁体22を閉じるよう
になされる。
【0046】図10はキャップ21及びタンク200の
開口部202の構成例を示す斜視図である。この例で
は、タンク本体部201の上部に筒状の開口部202が
設けられ、この開口部202に対してキャップ21が気
密性良く着脱自在に取り付けられる。そのため、開口部
202の外側には予め円周方向に沿って溝部225が形
成され、この溝部225にパッキング部材226が取り
付けられる。このパッキング部材226によってキャッ
プ21とタンク本体部201との気密性が保たれる。
【0047】また、キャップ21の内側には、例えば、
4個の突起部25A〜25Dが角度90°ピッチに設け
られると共に、上述の開口部202の溝部225に所定
距離だけ上部側に離れた円周方向にL字状の溝部(以下
アリ溝部という)26A〜26Dが形成されている。こ
の例では4個の突起部25A〜25Dに対応して同数の
アリ溝部26A〜26Dが角度90°ピッチに形成され
ている。このアリ溝部26A〜26Dに沿うようにキャ
ップ21の突起部25A〜25Dが係合される。アリ溝
部26A〜26Dの上部は斜面が施され、どの位置に突
起部25A〜25Dが位置合わせされた場合にも、各々
の突起部25A〜25Dを向かい入れ易くなされてい
る。
【0048】更に、開口部202の内側には突出部22
7が形成され、その突出部227の中央には所定口径の
開孔部228が形成されている。開孔部228には上述
したリンク機構24の被押圧部219が挿嵌される。こ
の被押圧部219はキャップ21の開蓋時にはその先端
部が外部に出るようになされ、キャップ21の閉蓋時に
はその先端部が押されて開孔部228の内部に引っ込む
ようになされる。
【0049】続いて、キャップ21の取扱例及び弁機構
20の動作例について説明をする。図11A及び図11
Bはキャップ21の閉蓋動作例(その1)を示す一部断
面を含む正面図であり、図12A及び図12Bはその閉
蓋動作例(その2)を示す一部断面を含む正面図であ
る。この例ではリンク機構24の被押圧部219の先端
部がタンク本体部201の開孔部228から外部へ出る
ようになされていることを前提とする。
【0050】図11Aにおいて、まず、キャップ21の
突起部25A〜25Dとタンク本体部201のアリ溝部
26A〜26Dとを位置合わせする。その後、図11B
において、キャップ21を垂直に降下させてその突起部
25A〜25Dをアリ溝部26A〜26Dに挿入する。
この挿入動作の完了直前に、リンク機構24の被押圧部
219に下向きの押圧力が加えられる。これと共に突起
部25A〜25Dが第1の位置としてのアリ溝部26A
〜26Dの屈曲部位(第1の位置)まで押し込まれる途
中で、パッキング部材226によってキャップ21とタ
ンク本体部201との気密性が保たれた状態となされ
る。
【0051】この例では被押圧部219には、キャップ
21とタンク本体部201との気密性が保たれた後に、
その押圧力を連接部材214に伝達するように、図12
Aに示す被押圧部219の先端部が突出長さαに設定さ
れる。これは、キャップ21とタンク本体部201との
気密性が保たれる前に、弁機構20を動作させると、タ
ンク下部から水が漏れるからである。
【0052】そして、図12Aに示すアリ溝部26A〜
26Dの屈曲部位まで各々の突起部25A〜25Dを押
し込んだら、図12Bに示す円周方向にキャップ21を
ほぼ角度90°(第2の位置としてのアリ溝部26A〜
26Dの終端部まで)回転させる。これにより、タンク
本体部201からキャップ21が抜け止めされ、キャッ
プ閉蓋動作が完了する。
【0053】図13はキャップ21の閉蓋時の弁機構2
0の構成例を示すタンク200の断面図である。この例
では下弁体23が閉まっている場合を前提とする。従っ
て、図12Aに示すタンク本体部201のアリ溝部26
A〜26Dの屈曲部位まで突起部25A〜25Dを押し
込んだ時点で、図13に示すリンク機構24の被押圧部
219が連接部材214を動作させて上弁体22が開か
れる。下弁体23が閉まっているので、タンク下部から
水5は漏れない。
【0054】図14はタンク装着及びキャップ開蓋時の
加湿器100の構成例を示す断面図であり、図15はそ
のキャップ閉蓋時の加湿器100の構成例を示す断面図
である。この例では、図14に示すタンク収納容器2の
底部の所定位置に凸状の突起部4が設けられ、タンク収
納容器2にタンク200を装着したことで、弁機構20
の下弁体23の被押圧片157がこの突起部4に当接さ
れる。これにより、被押圧片157がスプリングバネ1
58の付勢力に打ち勝って上方に移動するので、下弁体
23が開き、タンク内の水5がタンク収納容器2内に流
出する状態になされる。これを前提とする。
【0055】この状態でキャップ21を開く場合には、
図12Aに示すタンク本体部201のアリ溝部26A〜
26Dの屈曲部位まで突起部25A〜25Dを戻し、更
に、キャップ21を上部に抜くと、図14に示すリンク
機構24の被押圧部219がバネ体222によって上部
に引き上げられるので、連接部材214が動作して上弁
体22が閉じられる。従って、タンク200を加湿器1
00に装着したまま、タンク上部から注水することがで
きる。
【0056】また、注水が済んだら、図14に示したキ
ャップ21をタンク本体部201に装填すると、タンク
内部が非大気圧状態になされる。つまり、図12Aに示
したタンク本体部201のアリ溝部26A〜26Dの屈
曲部位まで突起部25A〜25Dを押し込んだ時点で、
図15に示すリンク機構24の被押圧部219が連接部
材214を動作させて上弁体22が開かれる。この時点
で既に下弁体23が開かれているので、タンク内部の圧
力に応じてタンク下部からタンク収納容器2へ水5を徐
々に供給することができる。
【0057】このようにして、本実施形態としてのタン
ク200の構造によれば、キャップ21を開いたとき
は、下弁体23の開閉状態に独立して、リンク機構24
による押圧力が解除されると共に、バネ体222の付勢
力によって上弁体22が閉じられる。このとき、大気圧
が水面に加わる状態となるので、タンク内に水5が存在
する場合にはその水5の重みも加わって上弁体22が支
持体224の上部開口部を覆うように閉じられる。
【0058】従って、下弁体23が開かれていた場合で
あっても、タンク下部から水5が流出しないので、従来
方式のように、いちいちタンク収納容器2からタンク2
00を取り出してそれをひっくり返すことなく、タンク
200を加湿器100に装着した状態で、キャップ21
を開けて上部からそのタンクに水5を継ぎ足すことがで
きる。これにより、当該タンク200を加湿器100に
十分応用することができ、使用勝手の極めて良好な加熱
式の加湿器100や超音波式の加湿器を提供できる。
【0059】続いて、タンクの躯体補強構造について説
明をする。図16は躯体補強部材を備えたタンク210
の構成例を示す断面図である。この例ではタンク内部の
上下間に柱状の躯体補強部材(以下補強フレーム204
という)が設けられ、タンクの剛性を高めて、被押圧部
219による押圧力を連接部材214に精度良く伝達す
るようになされたものである。
【0060】図16に示す補強フレーム204は上部に
円形環状体229を有し、その円形環状体229の内側
から下方向に4本の柱状部27A〜27Dが設けられて
成る。各々の柱状部27A〜27Dの下部には係合用の
雌ネジ28A〜28Dが形成されている。その円形環状
体229はタンク本体部201の開口部202のエッジ
部位に引っかかるようにして固定される。また、4本の
柱状部27A〜27Dの終端部位は他の円形環状体23
2に固定される。この円形環状体232はタンク本体部
201の下部に取り付けられた開口部203のエッジ部
位に引っかかるように固定される。この補強フレーム2
04によってタンク210の剛性を高めることができ
る。リンク機構24’は例えば柱状部27Aと柱状部2
7Cの間に設けられる。
【0061】図17は補強フレーム204及びリンク機
構24’の構成例を示す部品組立斜視図である。図17
に示す補強フレーム204は上部に円形環状体229を
有している。補強フレーム204は耐食性の金属又は強
化プラスティック、例えば、ステンレス鋼を所定の形状
に加工して形成する。円形環状体229の内側には突出
部233が形成され、その突出部233の中央には所定
口径の開孔部234が形成されている。開孔部234に
は上述した被押圧部219が挿嵌される。
【0062】この被押圧部219はキャップ21の開蓋
時にはその先端部が外部に出るようになされ、キャップ
21の閉蓋時にはその先端部が押されて開孔部234の
内部に引っ込むようになされる。4本の柱状部27A〜
27Dの中間部位には環状体235が形成され、4本の
柱状部27A〜27Dが撓まないように固定補強されて
いる。この環状体235の下部にはリンク機構24’が
設けられる。リンク機構24’はh字状の支柱部211
を有しており、その脚部は柱状部27Aと柱状部27C
に固定される。
【0063】この支柱部211には、リンク機構24と
同様にして逆L字状の連接部材214が取り付けられ、
その連接部材214には被押圧部219、コイル状のバ
ネ体222が取り付けられる。連接部材214の他端に
は上弁体22が取り付けられる。上弁体22、支柱部2
11及び連接部材214にはリンク機構24と同じ材質
のものが使用される。リンク機構24’の部品組立方法
はリンク機構24と同様であるのでその説明を省略す
る。
【0064】この例では図17に示す円形環状体232
は開口部236を有している。この円形環状体232の
所定の位置(開口部236に近い部分に4個、外周部に
近い位置に4個)に予め係合用の8個の孔部29A〜2
9Hが形成される。そして、部品組立後のリンク機構2
4’を取り付けた補強フレーム204をタンク本体部2
01の上部から内部へ差し込む。
【0065】その後、その開口部236に近い4個の孔
部29A〜29Dを使用して、タンク本体部201の下
部から4個のネジ19A〜19Dにより円形環状体23
2を4本の柱状部27A〜27Dに係合する。その後、
その外周部に近い4個の孔部29E〜29Hを使用し
て、図示しない4個のネジなどによりタンク本体部20
1の開口部203に円形環状体232を取り付ける。こ
れにより、リンク機構付きの補強フレーム204によっ
てタンク210を補強することができる。なお、図18
は補強フレーム204の上面の構成例を示すタンクの上
面図である。
【0066】この例では、図18に示すタンク210内
に水5が収容されたときに、補強フレーム204によっ
て、図16に示すタンク210の内部の上下間の所定距
離hをタンク内に水5が収容されないときの所定距離に
維持できるので、リンク機構24’の位置精度を高める
ことが可能となる。これにより、キャップ21からリン
ク機構24’に伝達される押圧力の損失を極めて少なく
することができる。従って、キャップ21の開閉動作に
基づいて上弁体22を信頼性く開閉することができる。
【0067】続いて、タンクの他の躯体補強構造につい
て説明をする。図19は他の躯体補強部材を備えたタン
ク220の構成例を示す断面図である。図20は上部モ
ールド成形容器205の構成例を示す斜視図であり、図
21は下部モールド成形容器206の構成例を示す斜視
図である。この例では、柱状の補強部材を設けた凹部状
の第1のタンク部材と、柱状の躯体補強部材を設けた凹
部状の第2のタンク部材とが予め形成され、その後、こ
の2つのタンク部材が向かい合わせに接合されて成るも
のである。
【0068】図19に示すタンク220は分割構造を有
しており、凹部状の第1のタンク部材としての上部モー
ルド成形容器205と、凹部状の第2のタンク部材とし
ての下部モールド成形容器206とが係合されて成る。
つまり、タンク220は上述したタンク200の内部に
柱状の躯体補強部材を設けた構造とほぼ同様な構造とな
されている。なお、タンク220のリンク機構24に関
しては、タンク200のリンク機構24をそのまま適用
できるので、その説明は省略する。
【0069】図20に示す上部モールド成形容器205
には柱状の補強部材として4個のボス18A〜18Dが
形成されている。ボス18A〜18Dの各々の一端には
係合穴付き凹部241〜244を有している。更に、上
部モールド成形容器205の外縁部位には外側に向けて
張り出した、図20に示す接合代245が形成される。
この接合代面をタンク220の分割面としたときに、各
々のボス18A〜18Dは分割面に至る長さを有してい
る。もちろん、上部モールド成形容器205には注水用
の開口部202が設けられる。
【0070】また、図21に示す下部モールド成形容器
206にも柱状の補強部材として4個のボス18E〜1
8Hが形成されている。このボス18E〜18Hの各々
の一端には、上部モールド成形容器205と対称的に爪
付きの凸部251〜254を有している。更に、下部モ
ールド成形容器206の外縁部位にも外側に向けて張り
出した、図21に示す接合代255が形成される。各々
のボス18E〜18Hは分割面に至る長さと爪付きの凸
部251〜254とを加算した長さを有している。もち
ろん、下部モールド成形容器206には排水用の開口部
203が設けられる。
【0071】この例では、爪付き凸部241、242、
243、244を係合穴付き凹部251、252、25
3、254に挿嵌するように、上部モールド成形容器2
05と下部モールド成形容器206とが向かい合わせに
されて係合される。上部モールド成形容器205は、下
部モールド成形容器206にリンク機構24を組み入れ
た後に、その上部モールド成形容器205の接合代24
5と下部モールド成形容器206の接合代255との間
に図示しないパッキング部材を挟んでネジ止めする方法
が採られる。又は、リンク機構24を組み入れた下部モ
ールド成形容器206の接合代245と上部モールド成
形容器205の接合代255とを水密性良く二液性の接
着剤などにより貼合してもよい。
【0072】図22はボス18A〜18Dの配置例を示
すタンク220の上面図である。この例ではタンク22
0の対角線上であって、上部モールド成形容器205の
開口部202の周囲に配置される。図示しないがボス1
8E〜18Hはボス18A〜18Dと対称的な位置であ
って、下部モールド成形容器206の開口部203の周
囲に配置される。このようにボス18A〜18D等の位
置を規定したのはタンク内部の水5の重みを均等に支え
るためである。これにより、タンク220の剛性を高め
ることができる。
【0073】しかも、図19に示す上部モールド成形容
器205及び下部モールド成形容器206の上下間の所
定距離hをタンク内に水5が収容されないときの所定距
離に維持できるので、リンク機構24の位置精度を高め
ることが可能となる。従って、キャップ21からリンク
機構24に伝達される押圧力の損失を極めて少なくする
ことができる。これにより、キャップ21の開閉動作に
基づいて上弁体22を信頼性く開閉することができる。
【0074】(3)重力式の弁機構を備えたタンク 図23は重力式の弁機構を備えた実施形態としてのタン
ク300の構成例を示す断面図である。この例では、上
部注水型のタンク構造を採ったときに、タンク300の
下部に二重構造の弁機構30を設け、その下弁体23が
開いている状態でキャップ21を開いたときに、その上
弁体32自身の自重によって閉じるようにして、キャッ
プ21を開いてもタンク下部から水5が流出しないよう
にすると共に、タンク300を装着した状態で、タンク
上部から水5を継ぎ足しできるようになされたものであ
る。
【0075】図23に示すタンク300はタンク本体部
201を有している。タンク本体部201は上述のタン
ク200と同様にして立方体状に形成される。このタン
ク300の下部にも図9に示した支持体224が取り付
けられる。更に、タンク本体部201の上部中央には開
口部202が形成され、上部から自由に水5が継ぎ足さ
れる。この開口部202には給水用のキャップ21が開
閉自在に係合され、キャップ21の閉蓋後はタンク内部
が非大気圧状態になされる。この例でも、キャップ21
は、その突起部25A〜25DがL字状のアリ溝部26
A〜26Dに沿うように開口部202に装着される(図
10参照)。タンク300の底部には開口部203が形
成され、この開口部203には二重構造の弁機構30が
取り付けられる。
【0076】この弁機構30はリンク機構34、上弁体
32及び下弁体23を有しており、少なくとも、キャッ
プ21の開閉動作に基づき、その下弁体23に独立して
リンク機構34により上弁体32を開閉するようになさ
れる。特に、キャップ21を開いたときは、下弁体23
の開閉状態に独立して上弁体32が閉じられる。
【0077】この上弁体32はリンク機構34に取り付
けられ、キャップ21の閉蓋時の押圧力が上弁体32に
伝達される。このリンク機構34は補強フレーム304
に保持されている。図23に示す補強フレーム304は
上部に円形環状体329を有し、その円形環状体329
の内側から下方向に4本の柱状部37A〜37Dが設け
られて成る。各々の柱状部37A〜37Dの下部には係
合用の雌ネジ38A〜38Dが形成されている。その円
形環状体329はタンク本体部301の開口部202の
エッジ部位に引っかかるようにして固定される。また、
4本の柱状部37A〜37Dの終端部位は他の円形環状
体332に固定される。この円形環状体332はタンク
本体部301の下部に取り付けられた開口部203のエ
ッジ部位に引っかかるように固定される。この補強フレ
ーム304によってタンク300の剛性を高めることが
できる。
【0078】図24はタンク300のリンク機構34の
構成例を示す部品組立斜視図である。図24に示す補強
フレーム304は上部に円形環状体329を有してい
る。補強フレーム304は上述の補強フレーム204と
同じ材質で所定の形状に加工して形成する。円形環状体
329の内側には突出部333が形成され、その突出部
333の中央には所定口径の開孔部334が形成されて
いる。開孔部334には被押圧部219よりも短い所定
長さの被押圧部319が挿嵌される。
【0079】この被押圧部319はキャップ21の開蓋
時にはその先端部が外部に出るようになされ、キャップ
21の閉蓋時にはその先端部が押されて開孔部334の
内部に引っ込むようになされる。4本の柱状部37A〜
37Dの中間部位には環状体335が形成され、4本の
柱状部37A〜37Dが撓まないように固定補強されて
いる。
【0080】この環状体335の上部にはΩ形状のリン
ク機構取付部337が設けられる。リンク機構取付部3
37の所定位置に係合用の孔部312、313が開口さ
れている。この孔部312、313には1組の直線状の
押圧力伝達部材35A、35Bがピン318などによっ
て可動自在に取り付けられる。このピン318が支点部
を形成する。ピン318の一端は割ピンやスナップリン
グなどの係止部材338によって固定される。その押圧
力伝達部材35A、35Bには被押圧部319及び弁体
操作部としての重り棒339が可動自在に取り付けられ
る。これらはネジやピン341、342によって係合さ
れる。
【0081】ピン318、ピン341、342は図24
に示す一点鎖線に従って、組立てられ、各々の終端部位
は割ピンやスナップリングなどの係止部材343、34
4によって固定される。重り棒339の他端には上弁体
32が取り付けられる。上弁体32にはカップ型のバル
ブが使用され、カップ部位を下方に向けた状態で重り棒
339の他端にネジ345などにより取り付けられる。
この例では、キャップ21の押圧力の解除に基づいて重
り棒339の重みにより上弁体32を降下させて、支持
体224の上部開口部が閉じられる。
【0082】この上弁体32及び押圧力伝達部材35
A、35Bにはリンク機構24と同じ材質のものが使用
される。上弁体32はリンク機構34によって上下動さ
れ、図23に示した支持体224の筒状部155を囲う
ように閉じられる。下弁体23はタンク200と同様に
して外力に基づいて支持体224の下部開口部を開くよ
うになされる。なお、タンク下部への支持体224の取
り付け方法はタンク200の場合と同様であるので、そ
の説明を省略する。リンク機構付きの補強フレーム30
4によってタンク300を補強することができる。
【0083】図25はキャップ21の閉蓋時の弁機構3
0の構成例を示すタンク300の断面図である。この例
では下弁体23が閉まっている場合を前提とする。従っ
て、図12Aに示したタンク本体部201のアリ溝部2
6A〜26Dの屈曲部位(第1の位置)まで突起部25
A〜25Dを押し込んだ時点で、図25に示すリンク機
構34の被押圧部319が押圧力伝達部材35A、35
Bを動作させて上弁体32が開かれる。下弁体23が閉
まっているので、タンク下部から水5は漏れない。
【0084】図26はタンク装着及びキャップ開蓋時の
加湿器100の構成例を示す断面図であり、図27はそ
のキャップ閉蓋時の加湿器100の構成例を示す断面図
である。この例では、図27に示すタンク収納容器2に
タンク300を装着したことで、弁機構30の下弁体2
3の被押圧片157が突起部4に当接される。これによ
り、被押圧片157がスプリングバネ158の付勢力に
打ち勝って上方に移動するので、下弁体23が開き、タ
ンク内の水5がタンク収納容器2内に流出する状態にな
される。これを前提とする。
【0085】この状態でキャップ21を開く場合には、
アリ溝終端部(第2の位置)から図12Aに示したタン
ク本体部201のアリ溝部26A〜26Dの屈曲部位ま
で突起部25A〜25Dを戻し、更に、キャップ21を
上部に抜くと、図27に示すリンク機構34の重り棒3
39が重力で下がると共に、押圧力伝達部材35A、3
5Bが動作して上弁体32が閉じられる。その際に被押
圧部319が上部に押し上げられる。従って、タンク3
00を加湿器100に装着したまま、タンク上部から注
水することができる。
【0086】また、注水が済んだら、図27に示すキャ
ップ21をタンク本体部201に装填すると、タンク内
部が非大気圧状態になされる。つまり、図12Aに示し
たタンク本体部201のアリ溝部26A〜26Dの屈曲
部位まで突起部25A〜25Dを押し込んだ時点で、図
27に示すようにリンク機構34の被押圧部319が押
圧力伝達部材35A、35Bを動作させて上弁体32が
開かれる。この時点で既に下弁体23が開かれているの
で、タンク内部の圧力に応じてタンク下部からタンク収
納容器2へ水5を徐々に供給することができる。
【0087】このようにして、本実施形態としてのタン
ク300の構造によれば、被押圧部319、押圧力伝達
部材35A、35B及び重り棒339の重みによって、
キャップ21の閉蓋時に上弁体32が開弁されると共
に、当該上弁体32自身の自重によって常に閉方向に付
勢されるので、キャップ21が開らかれたときは、下弁
体23の開閉状態に独立して、リンク機構34による押
圧力が解除されると共に、重り棒339自身の自重によ
って、上弁体32が閉じられる。
【0088】このとき、大気圧が水面に加わる状態とな
るので、タンク内に水5が存在する場合にはその水5の
重みも加わって上弁体32が支持体224の上部開口部
を覆うように閉じられる。従って、下弁体23によって
支持体224の下部開口部が開かれていた場合であって
も、タンク下部から水5が流出しないので、従来方式の
ように、いちいちタンク収納容器2からタンク300を
取り出してそれをひっくり返すことなく、タンク300
を装着した状態で、キャップ21を開けてその上部から
そのタンク300に水を継ぎ足すことができる。
【0089】これにより、当該タンクを加湿器100に
十分応用することができる。更に、上弁体32を閉じる
方向に常時付勢するようなバネ体が必要ない。このこと
で、使用勝手の極めて良好な加熱式の加湿器100や超
音波式の加湿器を提供できる。
【0090】(4)他のカップ型のバルブを備えたタン
ク 図28は、加湿器100に適用可能な実施形態としての
タンク400の構成例を示す断面図である。図29はそ
の構造変更後のタンク401の構成例を示す断面図であ
る。この実施形態では、上部注水型のタンク構造を採っ
たときに、タンク400の下部に二重構造の弁機構40
を設け、キャップ21が開らかれたときに、下弁体23
の開閉状態に独立して上弁体42がその下弁体23を包
囲する位置で閉じるようにして、キャップ21を開いて
もタンク下部から水5が流出しないようにする。これと
共に、タンク400をその収納容器2などに装着した状
態で、タンク上部から水5を継ぎ足しできるようにした
ものである。加えて、下弁体23の開口部まで有効に水
5を利用できるようにすると共に、タンク400の高さ
を低くできるようにしたものである。
【0091】図28に示すタンク400は、図7に示し
た弁機構20の上弁体22の代わりに、カップ型のバル
ブから成る上弁体42が弁機構40の連接部材214に
取り付けられる。しかも、弁機構40にはタンク200
のリンク機構24が使用される。なお、タンク200と
同じ符号のものは同じ機能を有するため、その説明を省
略する。
【0092】この弁機構40では、少なくとも、キャッ
プ21の開閉動作に基づき、その下弁体23を包囲する
位置でリンク機構24により上弁体42を開閉するよう
になされる。例えば、弁機構40はキャップ21の開蓋
動作に伴うそのキャップ21の押圧力の解除と共に、リ
ンク機構24のバネ体222の付勢力によって上弁体4
2が閉じられる。もちろん、リンク機構24は支持体2
24に保持されてタンク下部に固定される。
【0093】この例では、支持体224には2つの開口
部41、43が形成され、上部が大口径で下部が小口径
である。この例でも、リンク機構24のバネ体222の
付勢力を越えるキャップ21の押圧力に基づいて上弁体
42により大口径側の開口部41が開かれる。小口径側
の開口部43は外力に基づいて下弁体23により開閉さ
れる。ここで、大口径側の開口部41と上弁体42とが
接する面を第1の被閉鎖面(以下上弁体開閉面という)
とし、小口径側の開口部43と下弁体23とが接する面
を第2の被閉鎖面(以下下弁体開閉面という)したとき
に、上弁体開閉面と下弁体開閉面とがほぼ同一になるよ
うになされる。このように規定すると、下弁体23を包
囲するように上弁体42を開閉することができる。
【0094】更に、図28において、タンク下部から突
出する支持体224の長さをβとすると、この長さβが
タンク400の高さh0を左右するようになる。つま
り、この支持体224の長さβがタンク高さh0に対し
て多くを占めると、加湿器全体を高くしなくてはならな
い。そこで、図28の二点鎖線に示すように押圧力伝達
部材材214の支点部pを上方向にずらし、被押圧部2
19の長さ及び上弁体42のカップ部位の長さを短くす
るようにする。このように構成しても、リンク機構44
はリンク機構24と同様に動作する。なお、キャップ2
1の開閉時の動作はタンク200と同様であるので、そ
の説明を省略する。
【0095】このように上弁体開閉面と下弁体開閉面と
を同一にすると、図29に示すタンク401の支持体2
24’の長さβ’を図28に示した支持体224の長さ
βに比べて短くすることができ、タンク401の下部を
フラットにすることができる。図29において、被押圧
部219’は長さを詰めたものであり、上弁体42’は
カップ部位の長さを短くしたものである。弁機構40’
は上弁体42’及び下弁体23によって構成される。従
って、タンク401は他のタンク400に比しタンク容
量を減らすことなく、タンク401の高さを他のタンク
200〜400に比べて低くすることができる。
【0096】このようにして、本実施形態のタンク40
0の構造によれば、キャップ21が開らかれたときに、
リンク機構24による押圧力が解除されると共に、下弁
体23の開閉状態に独立して上弁体42がその下弁体2
3を包囲する位置で閉じられるので、タンク下部から水
5が流出しない。また、キャップ21の閉蓋に伴って上
弁体開閉面が上弁体42によって閉鎖され、その上弁体
23の下流側で外部からの押圧によって下弁体開閉面が
下弁体23によって閉鎖される。このとき、大気圧が水
面に加わる状態となるので、タンク内の水5の重みも加
わって上弁体42が支持体224の大口径側の開口部4
1を塞ぐように閉じられる。
【0097】従って、下弁体23によって支持体224
の小口径側の開口部43が開かれた場合であっても、タ
ンク下部から水5が流出しないので、タンク400を収
納容器2などに装着した状態で、キャップ21を開けて
上部からそのタンク400に水5を継ぎ足すことができ
る。しかも、上弁体開閉面が下弁体開閉面に対して同一
の高さに配置されるので、上弁体42が下弁体23を包
囲する位置で閉弁できる。
【0098】これにより、上弁体開閉面を下弁体開閉面
よりも高くする場合に比べて、タンク内部に残留する水
5の量(無効分)を減らすことができるばかりか、タン
ク400の高さを低く形成することができる。従って、
当該タンクを加湿器100に十分応用することができ、
使用勝手の極めて良好な加熱式の加湿器100や超音波
式の加湿器を提供できる。
【0099】(5)リンク動作遅延機構を備えたタンク 図30は加湿器100に適用可能な実施形態としてのタ
ンク500の構成例を示す断面図である。この実施形態
では、上部注水型のタンク構造を採ったときに、タンク
本体部501の下部に上弁体52及び下弁体23を有し
た二重構造の弁機構50を設けると共に、その弁機構5
0を動作させる回転操作機構59を有したキャップ51
を設け、タンク内部を非大気圧状態にした後に、弁機構
50の上弁体52を開くようにして、完全にキャップ5
1が閉まっていない状態で、タンク底部から外部へ水5
が流出することを防止できるようにしたものである。
【0100】図30に示すタンク500はタンク本体部
501を有している。タンク本体部501は上述のタン
ク200〜400と同様にして立方体状に形成される。
このタンク500の下部にも図9に示した支持体224
が取り付けられる。更に、タンク本体部501の上部中
央には開口部502が形成され、上部から自由に水5が
継ぎ足しされる。この開口部502には給水用のキャッ
プ51が開閉自在に係合され、キャップ51の閉蓋後は
タンク内部が非大気圧状態になされる。
【0101】この例のキャップ51は回転操作機構59
を有しており、タンク内部を非大気圧状態にした後に、
上弁体52を開くように動作する。この回転操作機構5
9には円筒部材としてキャップ51の内側に円筒状の突
出部53が設けられる。この突出部53の外周縁部には
切欠き部としてカム輪郭状部(以下単にカム部という)
55A〜55Dが形成されている。
【0102】タンク本体部501の底部には開口部50
3が形成され、この開口部503には二重構造の弁機構
50が取り付けられる。この弁機構50はリンク機構5
4、上弁体52及び下弁体23を有しており、少なくと
も、キャップ51の開閉動作に基づき、その下弁体23
に独立してリンク機構54により上弁体52を開閉する
ようになされる。特に、キャップ51を開いたときは、
下弁体23の開閉状態に独立して上弁体52が閉じら
れ、閉蓋動作に伴うキャップ51の回転力によって上弁
体52を開くようになされた。下弁体23は外力に基づ
いて支持体224の下部開口部を開閉するようになされ
る。
【0103】この上弁体52は所定の重さを有してお
り、キャップ51の押圧力の解除に基づいて、上弁体5
2の重みなどに基づいて支持体224の上部開口部を閉
じるようになされる。上弁体52はリンク機構54に取
り付けられる。このリンク機構54によって、キャップ
51の閉蓋時の回転力に基づくカム部55A等の位置変
位に伴う垂直方向への押圧力が上弁体52に伝達され
る。この押圧力はキャップ51の回転動作によって下弁
体52に伝達される。
【0104】図31はリンク機構54の構成例を示す部
品組立斜視図である。この例でリンク機構54は図31
に示す基台部511を有している。基台部511はその
上部が四角形のテーブル状を成し、その一部に四角状の
切欠き部553を有している。この切欠き部533はテ
ーブル上部を内側に折り曲げた形状を成し、その一辺に
沿った基台部511には雌ネジ551、552が形成さ
れている。切欠き部533の内側には係合用の孔部51
2が形成されている。
【0105】この基台部511の底部から下方向に4本
の柱状部57A〜57Dが設けられ、各々の柱状部57
A〜57Dの下部には係合用の雌ネジ58A〜58Dが
形成されている。この4本の柱状部57A〜57Dの終
端部位はタンク200で説明した円形環状体232によ
って固定される。この円形環状体232はタンク本体部
501の下部に取り付けられた開口部503のエッジ部
位に引っかかるように固定される。
【0106】この基台部511にはL字状の支持部50
4が取り付けられる。支持部504の一端には孔部51
3が形成され、その下方には孔部521、523が形成
されている。支持部504は雄ネジ547、548を使
用して基台部511の雌ネジ551、552に孔部52
1、523を通して係合される。支持部504には被押
圧部としてクランク状の可動片505が取り付けられ、
キャップ51のカム部55A、55B、55C又は55
Dをセンスすることにより押圧される。
【0107】この可動片505はピン542によって可
動自在に孔部513を通して支持部504に取り付けら
れ、第1の支点部を形成する。ピン542は一点鎖線に
従って組立てられ、その終端部位は割ピンやスナップリ
ングなどの係止部材544によって固定される。もちろ
ん、孔部513に雌ネジを形成した場合には係止部材5
44を省略できる。
【0108】この可動片505の端部には棒状の押圧力
伝達部材(以下単に連接部材という)519が可動自在
に取り付けられる。連接部材519の両端には孔部53
1、532が形成されている。連接部材519はその一
端でピン545を使用して孔部525、531を通して
係止部材546に係合される。
【0109】この連接部材519の他端には逆L字状の
弁体操作部514が可動自在に取り付けられる。弁体操
作部514は孔部515、517を有しており、基台部
511に可動自在に取り付けられる。例えば、ピン51
8を使用して孔部515、512を通して係合部材53
8に固定される。このピン518が第2の支点部を形成
する。弁体操作部514の一端は連接部材519に可動
自在に取り付けられる。例えば、ピン541を使用して
孔部532、517を通して係合部材543に固定され
る。各々の係止部材543等には割ピンやスナップリン
グなどが使用される。
【0110】この弁体操作部514の他端には上弁体5
2が取り付けられる。上弁体52には吸盤型のバルブが
使用され、吸盤部位を下方に向けた状態で弁体操作部5
14の他端にネジ545などにより取り付けられる。こ
の例では、キャップ51の押圧力の解除に基づいて弁体
操作部514の重みにより上弁体52を降下させて、支
持体224の上部開口部を閉じるようになされている
が、別途バネ等の付勢手段を設けてもよい。この上弁体
52及び弁体操作部514にはリンク機構20〜40と
同じ材質のものが使用される。なお、タンク下部への支
持体224の取り付け方法はタンク200〜400の場
合と同様であるので、その説明を省略する。
【0111】図32はキャップ51の回転操作機構59
の構成例を示す底面図である。図32に示す回転操作機
構59にはキャップ51の裏側に円筒状の突出部53が
設けられる。この突出部53の外周縁部には角度90°
毎にカム部55A〜55Dが形成されている。この例
で、1つのリンク機構54に対して角度90°置きに4
箇所にカム部55A〜55Dを設けたのは、キャップ5
1の突起部25A〜25Dとアリ溝部26A〜26Dの
位置合わせを容易にすると共に、どの突起部25A〜2
5Dがアリ溝部26A〜26Dに挿嵌された場合にも、
リンク機構54を動作させることができるようにして、
閉蓋時のキャップ51の操作性を良くするためである。
【0112】また、上述の可動片505がキャップ51
の回転によってカム部55A〜55Dのカム山頂上に乗
り上げる位置に設定され、そのカム山頂上で上弁体52
が最大開き角度となるようになされる。カムの底は上弁
体52が完全に閉じた位置に対して、可動片505がカ
ム部55A〜55Dに対して隙間(クリアランス)を持
つように設定される。
【0113】図33はキャップ51及びタンク500の
開口部502の構成例を示す斜視図である。図33に示
すタンク500でタンク本体部501の開口部502に
はタンク200で説明した突出部227が設けられてい
ない。これは上述した被押圧部219が連接部材519
に代わり、しかも、連接部材519が可動片505に取
り付けられたリンク機構54の構造を採るためである。
【0114】なお、キャップ51の突起部25A〜25
D及びアリ溝部26A〜26Dの配置に関してはキャッ
プ21で説明した通りである。パッキング部材226及
びその溝部225についても、上述した通りであるの
で、その説明を省略する。この例でも、突起部25A〜
25D及びL字状のアリ溝部26A〜26Dに沿うよう
にキャップ51が開口部502に装着される(図10参
照)。
【0115】図33に示す突出部53の内側には穴部5
06が形成され、キャップ51の重量を減らすようにな
される。この穴部506には空気が閉じ込められる状態
になる。そこで、カム部55A〜55Dの4箇所に対応
して吸排気口56A〜56Dが形成され、この穴部50
6と外側で空気が流通するようになされる。もちろん、
吸排気口56Aは一箇所でもよい。この吸排気口56A
によってタンク内部の圧力と穴部506の圧力とを同等
にすることができる。
【0116】続いて、キャップ51の閉蓋時の弁機構5
0の動作について説明をする。図34及び図35はキャ
ップ51の閉蓋時の弁機構50の動作例(その1、2)
を示すタンク500の断面図である。この例ではタンク
非装着時であって、タンク本体部501の開口部502
をキャップ51によって閉めるとき、その回転操作機構
59によって弁機構50を動作させる場合を想定する。
この例では、まず、第1段階で図33に示したタンク本
体部501のアリ溝部26Aの垂直方向にキャップ51
の突起部25Aを移動するように閉められる。そして、
キャップ51とタンク内部との間がパッキング部材22
6によって気密状態となされる。
【0117】この段階、つまり、図34に示すキャップ
51をタンク本体部501の開口部502に装着した段
階では、弁機構50の上弁体52は開蓋されない。この
状態は、リンク機構54の可動片505が回転操作機構
59のカム部55Aに触れていない状態、すなわち、可
動片505とカム部55Aとの間に隙間が生じている。
従って、回転操作機構59からリンク機構54への押圧
力が発生していない状態である。
【0118】その後、第2段階として図35に示すキャ
ップ51を所定の方向に回転させると、カム部55Aが
可動片505に接触するようになる。そのカム部55A
が可動片505を押すようになると、その可動片505
が連接部材519を押し下げるようになる。この連接部
材519の押圧力により弁体操作部514が上弁体52
を引き上げるので、支持体224の上部開口部が開蓋す
るようになる。
【0119】従って、タンク内部が非大気圧状態になさ
れた後であって、キャップ51の回転操作に遅れて上弁
体52を動作させることができる。なお、タンク装着時
の弁機構50の動作については、下弁体23が開かれた
状態が加わるのみであるので、その説明を省略する(図
26、27参照)。このように本実施形態としてのタン
ク500の構造によれば、タンク内部に大気圧が加わっ
ている状態(気密性が保たれていない状態)では、回転
操作機構59によってリンク動作に移行されず、弁機構
50の上弁体52は閉じたままである。
【0120】つまり、キャップ51が開口部502に取
り付けられたときに、そのキャップ51の突起部25A
〜25Dがアリ溝部26A〜26Dの屈曲部位(第1の
位置)に到達した時点でその開口部502が閉鎖される
と共に、その屈曲部位まで押し込まれる途中で、パッキ
ング部材226によってキャップ51とタンク本体部5
01との気密性が保たれた状態となされる。その後、こ
の屈曲部位から円周方向にキャップ51をほぼ角度90
°だけ回転すると、アリ溝部26A〜26Dの終端部
(第2の位置)まで回転操作する段階でリンク動作に移
行される。従って、完全にキャップ51が閉まっていな
い状態では、リンク機構54が非動作状態であって上弁
体52が開かれないので、タンク底部から外部へ水5が
流出することが防止できる。
【0121】このリンク機構54の可動片505と回転
操作機構59のカム部55Aとの間にクリアランス分が
タンク精度、その他のタンク500の剛性のばらつきを
吸収して上弁体52を安定に動作させるので、高信頼度
のタンクを提供できる。しかも、当該タンクを加湿器1
00に十分応用することができ、使用勝手の極めて良好
なタンク500を備えた加熱式の加湿器100や超音波
式の加湿器を提供できる。
【0122】(6)回転動作規制機構を備えたタンク 図36は加湿器100に適用可能な実施形態としてのタ
ンク600の構成例を示す断面図であり、キャップ61
の開蓋時のタンク構造を示している。この実施形態で
は、上部注水型のタンク構造を採ったときに、タンク6
00の下部に上弁体62及び下弁体23を有した二重構
造の弁機構60を設けると共に、その弁機構60を動作
させる回転操作機構69を有したキャップ61を設け、
タンク内部を非大気圧状態にした後に、弁機構60の上
弁体62を開くようにして、完全にキャップ61が閉ま
っていない状態で、タンク底部から外部へ水5が流出す
ることが防止できるようにしたものである。
【0123】図36に示すタンク600はタンク本体部
601を有している。外観はタンク200〜500と同
様にして立方体状に形成される。タンク本体部601は
上述のタンク200〜500に比べて、タンク下部の開
口部603が大きく形成され、しかも、その開口部60
3の中心がタンク600の中心からγだけ例えば右側に
ずれて形成されている。もちろん、開口部603を左側
にずらしてもよい。このタンク600の下部には支持体
224’が取り付けられる。支持体224’は上述した
支持体224において、下弁体23の取り付け位置がそ
の中央から右側にずれて形成されたものである。
【0124】更に、図36に示すタンク本体部601の
上部中央には開口部602が形成される。この開口部6
02には給水用のキャップ61が開閉自在に係合され、
キャップ61の閉蓋後はタンク内部が非大気圧状態にな
される。この例でも、キャップ61を外した状態で、上
部から自由に水5が継ぎ足しされる。このキャップ61
は回転操作機構69を有しており、タンク内部を非大気
圧状態にした後に、上弁体62を開くように動作する。
この回転操作機構69には突出部材としてキャップ61
の内側に円柱状の突出部63が設けられる。この突出部
63の裏側中央部には例えば四角形状の凹状の穴部61
4が形成されている。穴部614は三角形、五角形、六
角形でもよい。
【0125】また、タンク本体部601の下部の開口部
603には二重構造の弁機構60が取り付けられる。こ
の弁機構60は水栓機構部64、回転式の台錐状の上弁
体62、液体仕切部65及び吸盤型の下弁体23を有し
ている。上弁体62は一端に凸部605を有すると共
に、キャップ61の開閉時の回転力を受ける棒状体(以
下シャフトという)606を有している。この例では、
シャフト606の凸部605はキャップ61の回転操作
機構69の凹部614とほぼ同じ四角形状を有してい
る。
【0126】液体仕切部65はタンク本体部601の下
部を水密性良く区切るように形成され、上部開口部60
7及び下部開口部608を有している。液体仕切部65
では上弁体62により上部開口部607が開閉され、少
なくとも、キャップ61の開閉動作に基づき、その下弁
体23に独立して水栓機構部64により上弁体62を開
閉するようになされる。特に、キャップ61を開いたと
きは、下弁体23の開閉状態に独立して上弁体62が閉
じられ、閉蓋動作に伴うキャップ61の回転力によって
上弁体62を開くようになされる。この上弁体62は水
栓機構部64に取り付けられる。この水栓機構部64の
シャフト606の撓みなどによって、キャップ61の閉
蓋時の回転動作に対応して下弁体62が回転される。下
弁体23は外力に基づいて液体仕切部65の下部開口部
608を開閉するようになされる。
【0127】図37は水栓機構部64の構成例を示す部
品組立斜視図である。この例で水栓機構部64は図37
に示す円形状の基台部611を有している。基台部61
1の外径の大きさは支持体224’の内径とほぼ等し
い。基台部611にはその上面に台錐状の穴部612及
び円弧状の給水口(上部開口部607)が形成されてい
る。この穴部612は水路613によって上部開口部6
07と連通されている。
【0128】この基台部611の底部は開放されてお
り、支持体224’の内部に基台部611が取り付けら
れる。上述の液体仕切部65は基台部611の裏面と支
持体224’とが成す空間部により形成される。基台部
611にはL字状の支持部604が取り付けられる。支
持部604の先端部には孔部615が形成されている。
支持部604は図示しないネジなどを使用して基台部6
11に係合される。支持部604には一端に四角形状の
凸部605を有し、かつ、他端に台錐状の上弁体62を
有したシャフト606が通される。
【0129】この上弁体62には、上述の穴部612の
水路613に連通する挿通孔616が形成される。シャ
フト606は孔部615に挿嵌された後に、その上弁体
62の端部が基台部611の裏面からネジ617によっ
て、ワッシャ618及びバネ体619などを通して固定
される。このバネ体619は穴部612に下弁体62を
押し付けるための付勢力を有している。バルブとしての
水密性を良くするためである。これにより、上弁体62
はいわゆる回転式の水栓を構成する。この回転式の水栓
は図36に示した基台部611の穴部612の水路61
3と上弁体62の挿通孔616とが連通状態となったと
きに、上弁体62が「開」となされる。
【0130】この水栓機構部69には例えば樹脂を金型
成形したものが使用される。なお、支持体224’は上
述した支持体224の下弁体23の取り付け位置がその
中央から右側にずれて形成される点が異なるだけで、そ
の弁構造は支持体224と同じである。更に、タンク下
部への支持体224’の取り付け方法も、タンク200
〜500の場合と同様であるので、その説明を省略す
る。
【0131】図38はキャップ61の回転操作機構69
の構成例を示す底面図であり、図39はキャップ61の
構成例を示す斜視図である。図38に示す回転操作機構
69にはキャップ61の裏側に円柱状の突出部63が設
けられる。もちろん、この例でもキャップ61の内側に
は突起部25A〜25Dが設けられ、図示しないタンク
本体部601の開口部602の外周部にはアリ溝部26
A〜26Dが設けられる。この突出部63の内側には四
角形の凹部状の穴部614が形成されている。
【0132】この例で、図39に示す穴部614の入り
口は傾斜面状を成し、シャフト606の凸部605がそ
の穴部615に入り込み易くなされている。これは、キ
ャップ61の突出部63と水栓機構部69のシャフト6
06の凸部605の位置合わせを容易にして、閉蓋時の
キャップ61の操作性を良くするためである。なお、キ
ャップ61の突起部25A〜25D及びアリ溝部26A
〜26Dの配置に関してはキャップ21で説明した通り
である。パッキング部材226及びその溝部225につ
いても、上述した通りであるので、その説明を省略す
る。この例でも、突起部25A〜25D及びL字状のア
リ溝部26A〜26Dに沿うようにキャップ71が開口
部602に装着される(図10参照)。
【0133】続いて、キャップ61の閉蓋時の弁機構6
0の動作について説明をする。図40はキャップ61の
閉蓋時の弁機構60の動作例を示すタンク600の断面
図である。この例ではタンク非装着時であって、図36
に示したタンク本体部601の開口部602上のキャッ
プ61を位置合わせして、図40に示すキャップ61を
閉める場合であって、その回転操作機構69によって弁
機構60を動作させる場合を想定する。もちろん、図3
6に示した上弁体62は「閉」状態である。この状態は
基台部611の穴部612の水路613と上弁体62の
挿通孔616とがクロスした位置関係になされる。下弁
体23も閉じた状態である。
【0134】これを前提にして、まず、第1段階でタン
ク本体部601のアリ溝部26Aの垂直方向にキャップ
61の突起部26Aを移動するように閉められる(図3
3参照)。そして、キャップ61とタンク内部との間が
パッキング部材226によって気密状態となされる。こ
の段階、つまり、キャップ61をタンク本体部601の
開口部602に装着した段階では、弁機構60の上弁体
62は開蓋されない。これは水栓機構部64のシャフト
606の凸部605が回転操作機構69の突出部63の
凹状の穴部614とが位置合わせされた状態である。そ
の後、この凸部605と穴部614との位置合わせ状態
から凸部605が穴部614に挿嵌されるようになる。
【0135】つまり、シャフト606の四角形状の凸部
605が突出部63の四角形状の穴部614に一致した
ときには、その凸部605が穴部614に挿嵌するよう
になされる。従って、シャフト606の凸部605が突
出部63の穴部614に挿嵌された後は、キャップ51
を角度90°を回転すると、基台部611の穴部612
の水路613と上弁体62の挿通孔616のクロス状態
から、図40に示すこれらの水路613と挿通孔616
とが連通状態となるので、上弁体62が「開」となされ
る。従って、タンク内部が非大気圧状態になされた後で
あって、キャップ61の回転操作によって上弁体62を
動作させることができる。なお、タンク装着時の弁機構
60の動作については、下弁体23が開かれた状態が加
わるのみであるので、その説明を省略する(図26、2
7参照)。
【0136】このように、本実施形態のタンク600の
構造によれば、キャップ61が閉じられ、タンク内部を
非大気圧状態にした後に、その回転操作機構69によっ
て弁機構60の上弁体62が開かれる。つまり、キャッ
プ61の突起部25A〜25Dがアリ溝部26A〜26
Dの屈曲部位(第1の位置)に到達した時点でその開口
部602が閉鎖されると共に、その屈曲部位まで押し込
まれる途中で、パッキング部材226によってキャップ
61とタンク本体部601との気密性が保たれた状態と
なされる。
【0137】その後、この屈曲部位から円周方向にキャ
ップ61をほぼ角度90°だけ回転すると、アリ溝部2
6A〜26Dの終端部(第2の位置)まで回転操作する
段階で回転力が弁機構60に伝達され、その弁機構60
により上弁体62が開弁され、その下弁体23とタンク
本体部601とが連通される。従って、タンク内部に大
気圧が加わっている状態(気密性が保たれていない状
態)では、上弁体62が開かれないので、タンク底部か
ら外部へ水5が流出することが防止できる。
【0138】しかも、タンク600の左右方向の精度の
ばらつきは、この水栓機構部54のシャフト606のし
なりが吸収し、上下方向はシャフト606の凸部605
と回転操作機構69の突出部63の凹状の穴部614と
の間のクリアランス分が吸収するので、上弁体62を安
定に動作させることができる。これにより、タンク50
0と同様にして、高信頼度のタンクを提供できる。しか
も、当該タンクを加湿器100に十分応用することがで
き、使用勝手の極めて良好なタンク600を備えた加熱
式の加湿器100や超音波式の加湿器を提供できる。
【0139】(7)回転操作機構を備えたタンク 図41は加湿器100に適用可能な実施形態としてのタ
ンク700の構成例を示す断面図である。この実施形態
では、上部注水型のタンク構造を採ったときに、タンク
700の下部に複筒状の弁体72を有した弁機構70を
設けると共に、その弁機構70を操作するための回転操
作機構79を有したキャップ71を設け、タンク内部を
非大気圧状態にした後に、弁機構70の弁体72の
「閉」拘束状態を解除するようにして、完全にキャップ
71が閉まっていない状態で、タンク底部から外部へ水
5が流出することを防止できるようになされたものであ
る。
【0140】図41に示すタンク700はタンク本体部
701を有している。外観はタンク200〜600と同
様にして立方体状に形成される。図41に示すタンク本
体部701の上部中央には開口部702が形成される。
この開口部702には給水用のキャップ71が開閉自在
に係合され、キャップ71の閉蓋後はタンク内部が非大
気圧状態になされる。この例でも、キャップ71を外し
た状態で、上部から自由に水5が継ぎ足しされる。な
お、キャップ71の突起部25A〜25D及びアリ溝部
26A〜26Dの配置に関してはキャップ21で説明し
た通りである。パッキング部材226及びその溝部22
5についても、上述した通りであるので、その説明を省
略する。この例でも、キャップ71はその突起部25A
〜25DがL字状のアリ溝部26A〜26Dに沿うよう
に開口部701に装着される(図10参照)。
【0141】タンク本体部701の下部中央には開口部
703が形成され、この開口部703には支持体724
が取り付けられ、この支持体724には単一構造の弁機
構70が取り付けられる。この弁機構70は吸盤型で複
筒状の弁体72、回転伝達部としての水栓機構部74及
び液体仕切部75を有しており、キャップ71の開閉動
作に基づいてその弁体72の「閉」状態が拘束され、又
は、その弁体の「閉」拘束状態が解除される。この液体
仕切部75は支持体724に取り付けられると共に、タ
ンク本体部701の下部を水密性良く区切るように設け
られ、上部開口部707及び下部開口部708を有して
いる。
【0142】このキャップ71には回転操作機構79が
設けられ、タンク内部を非大気圧状態にした後に、弁機
構70の弁体の「閉」状態を解除するようになされる。
この回転操作機構79としてキャップ71の内側に円柱
状の突出部73が設けられる。この突出部73の裏側中
央部には例えば四角形状の凹状の穴部714が形成され
ている。穴部714は三角形、五角形、六角形でもよ
い。この回転操作機構79には、上述した回転操作機構
69の穴部614の深さが規定されるのみで、その回転
操作機構69をほぼそのまま代用することができる。
【0143】図42は弁機構70及び水栓機構部74の
構成例を示す部品組立斜視図である。この例で水栓機構
部74は図42に示すような円形状の基台部711を有
している。基台部711の外径の大きさは支持体724
の内径とほぼ等しい。基台部711にはその上面に給水
口として円形状の上部開口部707が形成されている。
この基台部711の底部は開放されており、支持体72
4の内部に基台部711が取り付けられる。上述の液体
仕切部75は基台部711の裏面と支持体724とが成
す空間部によって形成される。
【0144】この基台部711にはL字状の支持部70
4が取り付けられると共に、その基台部711の中央に
は雌ネジ712が形成される。支持部704の先端部に
は孔部715が形成されている。支持部704は図示し
ないネジなどを使用して基台部711に係合される。支
持部704の孔部715には棒状体(以下シャフトとい
う)706が通される。シャフト706は一端に凸部7
05を有すると共に、その下方の外周部にはスクリュー
状の雄ネジ713が形成される。この雄ネジ713は基
台部711の雌ネジ712に係合される。雌ねじ712
及び雄ネジ713はキャップ71を時計方向に回したと
きに、シャフト706が上昇し、キャップ71を反時計
方向に回したときに、シャフト706が降下するように
スクリュー状に形成される。
【0145】この凸部705はキャップ71の凹部71
4とほぼ同じ四角形状を有している。これはキャップ7
1の凹部714にシャフト706の凸部705を着脱自
在にするためである。このシャフト706は上述の支持
部704の孔部715に挿嵌されて振れ止めされる。シ
ャフト706は孔部715に挿嵌された後に、その基台
部711の中央の雌ネジ712に係合される。
【0146】シャフト706の下端部は弁体72の中央
上部に対向されると共に、キャップ71の開閉時の回転
力を受けるようになされる。例えば、キャップ71を開
いたときは、シャフト706が下がって弁体72を閉じ
た状態が拘束される。キャップ71を閉じたときは、シ
ャフト706が上がって弁体72の「閉」拘束状態が解
除される。なお、タンク下部への支持体724の取り付
け方法はタンク200〜500の場合と同様であるの
で、その説明を省略する。また、弁体72の「閉」拘束
状態の解除後は複筒状の弁機構70によって弁体72を
開くようになされる。
【0147】図43は弁機構70の複筒状の弁体72の
構成例を示す部品組立斜視図である。この例では弁機構
70は支持体724に取り付けられる。図43に示す支
持体724の中央部には同心円状に下部開口部708が
形成されている。下部開口部708は環状の突出壁71
6及び円形状の段差部717を有しており、複筒状の弁
体72によって開閉される。
【0148】弁体72は筒状体721、弁722、被押
圧部723、第1及び第2のバネ体725、726を有
している。バネ体725、726にはスプリングバネ
(コイルバネ)を使用する。筒状体721は先端に先細
状部727を有し、かつ、先細状部727の下方には溝
部728を有している、更に、側面にはスライド孔73
1を有し、終端にはつば状の抜け止め部729を有して
いる。先細状部727はシャフト706の終端部によっ
て押さえ込まれる。この例では下部開口部708の段差
部717の裏面と筒状体721の抜け止め部729との
間にスプリングバネ725が取り付けられる。このスプ
リングバネ725は下部開口部708に弁722を押し
付けるための付勢力を有している。バルブとしての水密
性を良くするためである。
【0149】筒状体721内部にはスプリングバネ72
6が装填されると共に、このスプリングバネ726を抜
け止めするように一端異口径の被押圧部723が可動自
在に装着される。被押圧部723の筒状部位には突起部
732が形成され、筒状体721のスライド孔731に
係合される。上述のスプリングバネ726の付勢力はス
プリングバネ725の付勢力よりも大きく設定される。
これは弁体72の「閉」拘束状態が解除され、被押圧部
723に外力が加わったときに、弁722を再現性良く
開くためである。弁722は孔部709を有している。
【0150】この例では被押圧部723、スプリングバ
ネ726、筒状体721及びスプリングバネ725の順
に部品を組立てた後に、これらの組立部品が下部開口部
708に裏面から組み入れられ、その組立部品が下部開
口部708の表面に出たところで、筒状体721に弁7
22が取り付けられる。弁722は大口径側を上方に向
けた状態で、筒状体721の溝部728にその孔部70
9が挿嵌されて固定される。弁722は天然ゴムや合成
ゴムなどが円錐体状に加工されて成る。また、支持体7
24を基台部11に取り付けると、弁体72上に水栓機
構部74が位置するようになる。そして、キャップ71
の開閉動作に基づき、水栓機構部74の回転に伴う上下
動によって弁体72の「閉」状態が拘束され、又は、そ
の弁体の「閉」拘束状態が解除される。この構成によっ
て、弁722が下部開口部708を開閉するようになさ
れる。
【0151】続いて、タンク700の弁機構70の動作
例について説明をする。図44はキャップ71の閉蓋時
の弁機構70の動作例を示すタンク700の断面図であ
る。この例ではタンク非装着時であって、図41に示し
たタンク本体部701の開口部702上のキャップ71
を位置合わせして、図44に示す位置にキャップ71を
閉めた場合であって、その回転操作機構79によって弁
機構70を動作させた場合である。もちろん、図41に
示した弁体72は「閉」状態である。この状態はシャフ
ト706によって弁体72上部が押さえ付けられ、弁7
22が開口部708を塞いだ状態である。
【0152】これを前提にして、まず、第1段階でタン
ク本体部701のアリ溝部26Aの垂直方向にキャップ
71の突起部26Aを移動するように閉められる(図4
1参照)。そして、キャップ71とタンク内部との間が
パッキング部材226によって気密状態となされる。こ
の段階、つまり、キャップ71をタンク本体部701の
開口部702に装着した段階では、弁機構70の弁体7
2は開弁されない。これは回転操作機構79から水栓機
構部74へ回転力が伝達されない状態である。
【0153】従って、キャップ71を角度90°を回転
すると、弁体72の上部から上方向へシャフト706が
離れて行く。図44に示すように弁体72の「閉」拘束
状態が解除、つまり、弁体72が「開」可能な状態とな
される。この時点で弁702が「閉」状態を保てるの
は、スプリングバネ725の付勢力によるためである。
このように、タンク内部が非大気圧状態になされた後で
あって、キャップ71の回転操作によって弁体72を動
作させることができる。
【0154】図45はタンク装着及びキャップ閉蓋時の
加湿器100の構成例を示す断面図であり、図46はそ
のキャップ開蓋時の加湿器100の構成例を示す断面図
である。この例では、図44に示したタンク700をタ
ンク収納容器2に装着したことで、弁機構70の弁体2
3の被押圧片723が突起部4に当接される。これによ
り、被押圧片723が上昇するとき、スプリングバネ7
26の付勢力がスプリングバネ725の付勢力より大き
いので、スプリングバネ725が収縮して筒状体721
が上方に移動する。従って、弁722が開き、タンク内
の水5がタンク収納容器2内に流出する状態になされ
る。
【0155】また、タンク700を加湿器100に装着
したまま注水をするときは、まず、図45に示すキャッ
プ71をタンク本体部701から外す。このとき、閉蓋
時と反対方向にキャップを71を回転することにより、
図46に示すシャフト706が降下するので、弁722
が開口部708に押し付けられ、弁体72が「閉」状態
に拘束される。従って、タンク700を加湿器100に
装着したまま、タンク上部から注水することができる。
【0156】このように本実施形態としてのタンク70
0の構造によれば、キャップ71が閉じられ、タンク内
部を非大気圧状態にした後に、その回転操作機構79に
よって弁機構70の複筒状の弁体72の「閉」拘束状態
が解除されるので、タンク内部に大気圧が加わっている
状態(気密性が保たれていない状態)では、弁機構70
によって弁体72の閉状態が拘束されたままになされ
る。
【0157】従って、完全にキャップ71が閉まってい
ない状態で、タンク底部から外部へ水5が流出すること
が防止できる。加えて、二重構造の弁機構20、30、
40、50、60に比べて弁体72を1つ減らすことが
できる。これにより、高信頼度のタンクを提供できる。
しかも、当該タンクを加湿器100に十分応用すること
ができ、使用勝手の極めて良好なタンク700を備えた
加熱式の加湿器100や超音波式の加湿器を提供でき
る。この実施形態では水栓機構部74の代わりに次に述
べるタンク800のリンク機構84を適用することもで
きる。
【0158】(8)差動式の弁機構を備えたタンク 図47は加湿器100に適用可能な実施形態としてのタ
ンク800の構成例を示す断面図である。この実施形態
では、上部注水型のタンク構造を採ったとき、タンク8
00に差動式の弁機構80を設け、キャップ81の開閉
動作及び外力に基づいてタンク下部の弁体82を開閉す
るようにして、タンク内部に大気圧が加わっている状態
では、その弁体82を閉じた状態を維持できるようにす
ると共に、完全にキャップ81が閉まっていない状態
で、タンク底部から外部へ水5が流出することを防止で
きるようになされたものである。
【0159】図47に示すタンク800はタンク本体部
801を有している。外観はタンク200〜700と同
様にして立方体状に形成される。タンク本体部801の
上部中央には開口部802が形成される。この開口部8
02には給水用のキャップ81が開閉自在に係合され、
キャップ81の閉蓋後はタンク内部が非大気圧状態にな
される。この例でも、キャップ81を外した状態で、上
部から自由に水5が継ぎ足しされる。
【0160】キャップ81には図10に示した構造のも
のを使用する。キャップ81の突起部25A〜25D及
びアリ溝部26A〜26Dの配置に関してはキャップ2
1で説明した通りである。パッキング部材226及びそ
の溝部225についても、上述した通りであるので、そ
の説明を省略する。この例でも、キャップ81はその突
起部25A〜25DがL字状のアリ溝部26A〜26D
に沿うように開口部801に装着される(図10参
照)。
【0161】この例ではタンク下部の形状が異なってお
り、タンク本体部801の下部中央にはタンク200〜
700に比して小口径の開口部803が形成される。こ
の開口部803に隣接して逃げ用の凹部83が形成され
る。この開口部803及び凹部83を跨ぐようにして、
1組の軸受け部85A、85Bが形成され、この軸受け
部85A、85Bに単一構造の弁機構80が可動自在に
取り付けられる。上述の開口部803は弁機構80によ
って開閉される。
【0162】この弁機構80は差動式の弁体82を有し
ている。弁機構80は唯一の弁体82を有しており、キ
ャップ81の開閉動作及び外力に基づいてその弁体82
が開閉される。この例で、キャップ81の開動作に基づ
いてその弁体82の「閉」状態が拘束され、又は、その
閉動作によって弁体82の「閉」拘束状態が解除され
る。この「閉」拘束状態の解除後は外力に基づいて弁体
82が開閉される。この例でもキャップ81はタンク内
部を非大気圧状態にした後に、弁機構80の弁体82の
「閉」状態を解除するようになされる。
【0163】この例ではタンク内部の上下間に柱状の補
強フレーム804が設けられ、タンクの剛性が高められ
る。補強フレーム804については図16に示した補強
フレーム204の構造が適用される。補強フレーム80
4の上部には円形環状体229が形成され、その円形環
状体229の内側から下方向に4本の柱状部27A〜2
7Dが設けられる。
【0164】各々の柱状部27A〜27Dの下部には係
合用の雌ネジ28A〜28Dが形成されている。その円
形環状体229はタンク本体部801の開口部802の
エッジ部位に引っかかるようにして固定される。また、
4本の柱状部27A〜27Dの終端部位はタンク本体部
801の底部に図示しないネジなどによって雌ネジ28
A〜28Dに固定される。これにより、タンク800の
剛性を高めることができる。
【0165】この例で弁機構80はリンク機構84を有
しており、キャップ81の押圧力により上下動するよう
になされる。リンク機構84は例えば柱状部27Aと柱
状部27Cの間に設けられる。リンク機構84はh字状
の支柱部811を有しており、その脚部は柱状部27A
と柱状部27Cに固定される。
【0166】この支柱部811には、ある程度の押圧面
積を有した押圧力伝達部材805が可動自在に取り付け
られ、支点部が形成される。その押圧力伝達部材805
には付勢手段としてコイル状のバネ体819が取り付け
られ、押圧力伝達部材805を一定方向(この例では下
方向へ)に付勢される。更に、押圧力伝達部材805に
は所定の長さの閉蓋伝達部806が取り付けられ、キャ
ップ81の押圧力が押圧力伝達部材805に伝達するよ
うになされる。なお、リンク機構84の部品組立方法は
リンク機構24とほぼ同様であるのでその説明を省略す
る(図17参照)。
【0167】上述の円形環状体229の内側には突出部
233が形成され、その突出部233の中央には所定口
径の開孔部234が形成されている。開孔部234には
上述した閉蓋伝達部806が挿嵌される。この閉蓋伝達
部806はキャップ81の開蓋時にはその先端部が外部
に出るようになされ、キャップ81の閉蓋時にはその先
端部が押されて開孔部234の内部に引っ込むようにな
される。4本の柱状部27A〜27Dの中間部位には環
状体235が形成され、4本の柱状部27A〜27Dが
撓まないように固定補強されている。閉蓋伝達部806
による押圧力を押圧力伝達部材805に精度良く伝達す
るためである。上述の弁体82はその上部がリンク機構
84の押圧力伝達部材805に対向するように配され
る。
【0168】図48は弁機構80の差動式の弁体82の
構成例を示す部品組立斜視図である。図49はその差動
式の弁体82の取付例を示す部品組立斜視図である。こ
の例で弁体82は図48に示すT字状の軸体812を有
している。この軸体812は長さが6〜7cm程度であ
り、口径5mm〜10mm程度の突出部813、短軸部
814及び長軸部815を有している。軸体812はス
テンレス鋼又は硬質樹脂などから成る。突出部813の
先端には円盤状の被押圧部816が設けられ、外力に基
づいて当該軸体812を所定角度だけ回転するようにな
される。
【0169】この軸体812の長軸部815には環状の
スプリングバネ817及びL字突起付きの筒状体818
が可動自在に挿嵌されて取り付けられる。この筒状体8
18はL字状の突起部821を有している。突起部82
1は例えば、クランク状に屈曲され、その先端に先細状
部823を有し、その先細状部823の下方には溝部8
24を有している。先細状部823はキャップ81の閉
蓋時に押圧力伝達部材805によって押さえ込まれる。
この溝部824には部品組立後に弁822が取り付けら
れる。弁822は大口径側を上方に向けた状態で、溝部
824にその孔部807が挿嵌されて固定される。弁8
22は天然ゴムや合成ゴムなどが円錐体状に加工されて
成る。
【0170】このスプリングバネ817は筒状体818
の外部に巻装され、これによって、筒状体818は常に
は軸体812に追従して動くが、軸体812を固定して
筒状体818のみを回転したり、反対に、筒状体818
を固定して軸体812のみを回転したりすることができ
るようになされている。この例で、スプリングバネ81
7の一端は軸体812の突出部813に係合され、か
つ、スプリングバネ817の他端は筒状体818の突起
部821に係合される。
【0171】この例では筒状体818及びスプリングバ
ネ817を軸体812に係合した後に、その長軸部81
5には回転係止部808が挿嵌され固定される。回転係
止部808は図48に示すピン状の回転ストッパ825
を有している。この回転ストッパ825は筒状体818
の突起部821を上部から押さえるように取り付けら
れ、スプリングバネ817の付勢力による筒状体818
の軸体812に対する回転範囲を規制するようになされ
る。
【0172】この例で、筒状体818を拘束した状態
で、被押圧部816を押し上げると、スプリングバネ8
17の付勢力に抗して軸体812が回転し回転係止部8
08から突起部821が離れるようにその軸体812の
みが回転する。反対に、被押圧部816を拘束した状態
で、先細状部823を押し下げると、スプリングバネ8
17の付勢力に抗して筒状体818が回転し回転係止部
808から突起部821が離れるようにその筒状体81
8のみが回転する。
【0173】もちろん、筒状体818及び軸体812が
何らの拘束されない状態では、被押圧部816を押し上
げると、スプリングバネ817の付勢力により回転スト
ッパ825が突起部821に密着した状態で、筒状体8
18及び軸体812が共に同一方向へ回転し、先細状部
823を押し下げると、スプリングバネ817の付勢力
により同様な状態で筒状体818及び軸体812が共に
反対方向へ回転する。これにより、弁822を除く図4
9に示す差動機構部品が組み上がる。
【0174】上述の差動機構部品は図49に示すタンク
下部で突起状に形成された1組の軸受け部85A、85
Bに可動自在に取り付けられる。軸体812の長軸部8
15が軸受け部85Aに挿嵌され、その短軸部814が
軸受け部85Bに挿嵌される。その際に差動機構部品の
突起部821は、その先細状部823が開口部803に
挿入される。弁822は機構部品をタンク下部に取り付
けた後に、タンク800の内側から突起部821の溝部
824に挿嵌され固定される。この弁822によってタ
ンク下部の開口部803が開閉される。タンク800の
底面には規制部として逃げ用の凹部83が設けられ、軸
体812の駆動範囲が規制される。これにより、図47
に示した差動式の弁機構80が完成し、弁822が開口
部803を開閉するようになされる。
【0175】続いて、タンク800の弁機構80の動作
例について説明をする。図50はキャップ81の閉蓋時
の弁機構80の動作例を示すタンク800の断面図であ
る。この例ではタンク非装着時であって、図47に示し
たタンク本体部801の開口部802上のキャップ81
を位置合わせして、図50に示すキャップ81を閉めて
いる場合を想定する。もちろん、図47に示した弁体8
2は「閉」状態である。この状態はリンク機構84によ
って弁体82上部が押さえ付けられ、弁822が開口部
803を塞いだ状態である。
【0176】これを前提にして、まず、タンク本体部8
01のアリ溝部26Aの垂直方向にキャップ81の突起
部26Aを移動するように閉められる(図47参照)。
そして、キャップ81とタンク内部との間がパッキング
部材226によって気密状態となされる。この気密状態
になった後に、リンク機構84の閉蓋伝達部806が下
方向へ押下されるので、押圧力伝達部材805の上部へ
の移動によって弁体82を「開」可能状態になされる。
この状態で依然として軸体812の被押圧部816に外
力が加わらなければ、タンク内部の水圧と軸体812、
回転係止部808及び被押圧部816などの回転モーメ
ントにより生ずる閉弁方向への付勢力によって弁体82
は閉じられたままである。
【0177】図51はタンク装着及びキャップ閉蓋時の
加湿器100の構成例を示す断面図である。図52はそ
のキャップ開蓋時の加湿器100の構成例を示す断面図
である。この例では、図50に示した弁体82が「開」
可能状態になされたタンク800をタンク収納容器2に
装着したことで、弁機構80の被押圧部816が突起部
4に当接される。この被押圧部816に外力が加えられ
ることにより、その外力に基づいて弁体82が開弁され
る。つまり、この弁体82の「開」可能状態から被押圧
部816に上方向に外力が加えられるので、スプリング
バネ817の付勢力により突起部821が回転ストッパ
825に密着した状態でT字状の軸体812及び筒状体
818が共に開弁方向へ回転し、これらが先細状部82
3を押し上げる方向に動くので、弁822を開くことが
できる。従って、タンク内の水5がタンク収納容器2内
に流出する状態になされる。
【0178】また、タンク800を加湿器100に装着
したまま注水をするときは、まず、図51に示したキャ
ップ81をタンク本体部801から外す。このとき、閉
蓋時と反対方向にキャップを81を回転することによ
り、図51に示す閉蓋伝達部806が上昇する。その結
果で、バネ体819によって押圧力伝達部材805が押
し下げられるので、弁822が開口部803に押し付け
られ、弁体82が「閉」状態に拘束される。つまり、弁
822を取り付けた筒状体818が拘束された状態なの
で、被押圧部816を押し上げても、スプリングバネ8
17の付勢力に抗して回転係止部808から突起部82
1が離れるように軸体812のみが回転するだけであ
る。
【0179】従って、タンク800を加湿器100に装
着したまま、タンク上部から注水することができる。ま
た、キャップ81を開けたまま、タンク収納部2からタ
ンク800を抜き取った場合には、被押圧部816に加
わっていた外力が除かれることにより、T字状の軸体8
12のみがスプリングバネ817と回転係止部808に
よって規制される位置に戻るだけなので、弁体82の閉
弁状態には何ら作用を及ぼすことなく、弁体82の閉弁
状態は依然拘束されたままである(図47参照)。
【0180】このように、本実施形態としてのタンク8
00の構造によれば、キャップ81が開いているとき
は、差動式の弁機構80によって、外力に関わらずタン
ク下部の弁体82を閉じた状態が維持される。キャップ
81が閉じられて、タンク内部が非大気圧状態になされ
ると、その弁体82を「開」可能な状態になされる。従
って、弁体82の「開」可能状態になった時点から外力
に基づいてその弁822を開くことができるので、完全
にキャップ81が閉まっていない状態で、タンク底部か
ら外部へ水5が流出することが防止できる。しかも、二
重構造の弁機構20、30、40、50、60に比べて
弁体82を1つにすることができる。
【0181】この実施形態では、弁体82の閉弁方向へ
の付勢力はタンク内部の水圧と差動機構部品の回転モー
メントを利用する場合について述べたが、これに限られ
ることはなく、その弁体82を閉弁方向、つまり、被押
圧部816を下方向へ強制的に付勢する付勢手段を別途
軸体812などに設けてもよい。また、この実施形態で
はリンク機構84の代わりにタンク700の水栓機構部
74を適用することができる。これにより、高信頼度の
タンクを提供できる。しかも、当該タンクを加湿器10
0に十分応用することができ、使用勝手の極めて良好な
タンク800を備えた加熱式の加湿器100や超音波式
の加湿器を提供できる。
【0182】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のタンクに
よれば、上部に開口部を有する液体貯留部に対して着脱
可能になされる蓋体によって動作する弁機構を備え、蓋
体は開口部に取り付けられたときに、第1の位置におい
て開口部を閉鎖し、第2の位置において上弁体を開弁
し、この上弁体は蓋体が第1の位置から第2の位置へ回
転されることによって下弁体と液体貯留部とを連通する
ようになされたものである。
【0183】この構成によって、タンク内部に大気圧が
加わっている状態では、弁機構の回転動作に移行されな
いので、その上弁体が閉じた状態を維持できる。従っ
て、完全に蓋体が閉まっていない状態では、上弁体が開
かれないので、タンク底部から外部へ水が流出すること
が防止できる。これにより、高信頼度のタンクを提供で
きる。しかも、当該タンクを加湿器に十分応用すること
ができる。
【0184】本発明の加湿器によれば、上述のタンクが
応用されるので、蓋体によって、タンク内部を非大気圧
状態にした後に弁機構を介して上弁体を開くようになさ
れる。
【0185】この構成によって、タンク内部に大気圧が
加わっている状態では、上弁体が開かれないので、完全
に蓋体が閉まっていない状態で、タンク底部から外部へ
水が流出することが防止できる。
【0186】この発明はタンク上部から注水が可能な超
音波式及び加熱式の加湿器に適用して極めて好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各タンクが適用される実施形態として
の加湿器100の構成例を示す斜視図である。
【図2】加湿器100の断面の構成例を示す図である。
【図3】加湿器100の上面の構成例を示す図である。
【図4】タンク200の抜き取り時の構成例を示す加湿
器100の断面図である。
【図5】タンク200への注水例を示す斜視図である。
【図6】加湿器100の回路構成例を示すブロック図で
ある。
【図7】実施形態としてのタンク構造例(非装着/キャ
ップ開蓋時)を示す断面図である。
【図8】弁機構20の上弁体周辺の構成例を示す部品組
立斜視図である。
【図9】弁機構20の下弁体周辺の構成例を示す部品組
立斜視図である。
【図10】キャップ21及びタンク200の開口部20
2の構成例を示す斜視図である。
【図11】A及びBはキャップ21の閉蓋動作例(その
1)を示す一部断面を含む正面図である。
【図12】A及びBはキャップ21の閉蓋動作例(その
2)を示す一部断面を含む正面図である。
【図13】キャップ21の閉蓋時の弁機構20の構成例
を示すタンク200の断面図である。
【図14】タンク装着及びキャップ開蓋時の加湿器10
0の構成例を示す断面図である。
【図15】タンク装着及びキャップ閉蓋時の加湿器10
0の構成例を示す断面図である。
【図16】躯体補強部材を備えたタンク210の構成例
を示す断面図である。
【図17】補強フレーム204及びリンク機構24’の
構成例を示す部品組立斜視図である。
【図18】補強フレーム204の上面の構成例を示すタ
ンクの上面図である。
【図19】他の躯体補強部材を備えたタンク220の構
成例を示す断面図である。
【図20】上部モールド成形容器205の構成例を示す
斜視図である。
【図21】下部モールド成形容器206の構成例を示す
斜視図である。
【図22】ボス18A〜18Dの配置例を示すタンク2
20の上面図である。
【図23】実施形態としてのタンク300の構成例を示
す断面図である。
【図24】タンク300のリンク機構34の構成例を示
す部品組立斜視図である。
【図25】キャップ21の閉蓋時の弁機構30の構成例
を示すタンク300の断面図である。
【図26】タンク装着及びキャップ開蓋時の加湿器10
0の構成例を示す断面図である。
【図27】タンク装着及びキャップ閉蓋時の加湿器10
0の構成例を示す断面図である。
【図28】加湿器100に適用可能な実施形態としての
タンク400の構成例を示す断面図である。
【図29】タンク400の構造変更後のタンク401の
構成例を示す断面図である。
【図30】加湿器100に適用可能な実施形態としての
タンク500の構成例を示す断面図である。
【図31】リンク機構54の構成例を示す部品組立斜視
図である。
【図32】キャップ51の回転操作機構59の構成例を
示す底面図である。
【図33】キャップ51及びタンク500の開口部50
2の構成例を示す斜視図である。
【図34】キャップ51の閉蓋時の弁機構50の動作例
(その1)を示すタンク500の断面図である。
【図35】キャップ51の閉蓋時の弁機構50の動作例
(その2)を示すタンク500の断面図である。
【図36】加湿器100に適用可能な実施形態としての
タンク600の構成例を示す断面図である。
【図37】タンク本体部601の下部に取り付けられる
弁機構60及び水栓機構部64の構成例を示す部品組立
斜視図である。
【図38】キャップ61の回転操作機構69の構成例を
示す底面図である。
【図39】キャップ61の構成例を示す斜視図である。
【図40】キャップ61の閉蓋時の弁機構60の動作例
を示すタンク600の断面図である。
【図41】加湿器100に適用可能な実施形態としての
タンク700の構成例を示す断面図である。
【図42】その弁機構70及び水栓機構部74の構成例
を示す部品組立斜視図である。
【図43】その弁機構70の複筒状の弁体72の構成例
を示す部品組立斜視図である。
【図44】キャップ71の閉蓋時の弁機構70の動作例
を示すタンク700の断面図である。
【図45】タンク装着及びキャップ閉蓋時の加湿器10
0の構成例を示す断面図である。
【図46】タンク装着及びキャップ開蓋時の加湿器10
0の構成例を示す断面図である。
【図47】加湿器100に適用可能な実施形態としての
タンク800の構成例を示す断面図である。
【図48】弁機構80の差動式の弁体82の構成例を示
す部品組立斜視図である。
【図49】その差動式の弁体82の取付例を示す部品組
立斜視図である。
【図50】キャップ81の閉蓋時の弁機構80の動作例
を示すタンク800の断面図である。
【図51】タンク装着及びキャップ閉蓋時の加湿器10
0の構成例を示す断面図である。
【図52】タンク装着及びキャップ開蓋時の加湿器10
0の構成例を示す断面図である。
【図53】従来方式に係る加湿器1の構成例を示す概念
図である。
【符号の説明】
15 蒸発容器(蒸気発生用の容器) 20,30,40,50,60,70,80 弁機構 21,51,61,71,81 キャップ(蓋体) 22,32,42,52,62 上弁体 23,33 下弁体 24,24’,34,44,54,84 リンク機構 59,69,79 回転操作機構 64,74 水栓機構部 72 弁体 100 加湿器 200〜800 タンク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に開口部を有する液体貯留部と、 前記開口部に着脱可能になされる蓋体と、 前記蓋体によって開閉される上弁体と、該上弁体の下流
    側で外部からの押圧によって開閉される下弁体とを有し
    て前記液体貯留部の下部に設けられた弁機構とを備え、 前記蓋体は、 前記開口部に取り付けられたときに、 第1の位置において前記開口部を閉鎖し、 第2の位置において前記上弁体を開弁し、 前記上弁体は、 前記蓋体が前記第1の位置から第2の位置へ回転される
    ことによって前記下弁体と前記液体貯留部とを連通する
    ようになされたことを特徴とするタンク。
  2. 【請求項2】 前記上弁体は挿通孔を有し、 前記蓋体が第2の位置にあるときに、 前記挿通孔は前記液体貯留部と前記下弁体とを連通する
    ことを特徴とする請求項1に記載のタンク。
  3. 【請求項3】 水を貯留するタンクと、 前記タンクから水を供給され、該水を蒸発若しくは噴散
    する加湿部とを有する加湿器であって、 前記タンクは、 上部に開口部を有する液体貯留部と、 前記開口部に着脱可能になされる蓋体と、 前記蓋体によって開閉される上弁体と、該上弁体の下流
    側で外部からの押圧によって開閉される下弁体とを有し
    て前記液体貯留部の下部に設けられた弁機構とを備え、 前記蓋体は、 前記開口部に取り付けられたときに、 第1の位置において前記開口部を閉鎖し、 第2の位置において前記上弁体を開弁し、 前記上弁体は、 前記蓋体が前記第1の位置から第2の位置へ回転される
    ことによって前記下弁体と前記液体貯留部とを連通し、 前記蓋体が開口部から離脱されたときは、 前記上弁体を閉弁するようになされたことを特徴とする
    加湿器。
  4. 【請求項4】 前記上弁体は挿通孔を有し、 前記蓋体が第2の位置にあるときに、 前記挿通孔は前記液体貯留部と前記下弁体とを連通する
    ことを特徴とする請求項3に記載の加湿器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1916485A1 (en) * 2006-10-18 2008-04-30 Kaz, Incorporated Dual inlet water tank for a humidifier
KR100947512B1 (ko) * 2008-01-11 2010-03-12 주식회사 세일사 가습기

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EP1916485A1 (en) * 2006-10-18 2008-04-30 Kaz, Incorporated Dual inlet water tank for a humidifier
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