JP2000283301A - フローティング式ポペット弁装置 - Google Patents

フローティング式ポペット弁装置

Info

Publication number
JP2000283301A
JP2000283301A JP11085736A JP8573699A JP2000283301A JP 2000283301 A JP2000283301 A JP 2000283301A JP 11085736 A JP11085736 A JP 11085736A JP 8573699 A JP8573699 A JP 8573699A JP 2000283301 A JP2000283301 A JP 2000283301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
poppet valve
valve
poppet
pressure
supply port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11085736A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3572221B2 (ja
Inventor
Toshiharu Fujita
敏晴 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP08573699A priority Critical patent/JP3572221B2/ja
Publication of JP2000283301A publication Critical patent/JP2000283301A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3572221B2 publication Critical patent/JP3572221B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lift Valve (AREA)
  • Fluid-Driven Valves (AREA)
  • Multiple-Way Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポペット弁の温度上昇を抑制して該ポペット
弁の摺動部にOリング等のシール部材の使用を可能と
し、該摺動部におけるガス漏れによる弁のスティックの
発生を防止するとともに、弁に作用する流体力を抑制し
て弁の拗れ及びこれに伴う作動不良の発生を防止する。
また、ポペット弁の開閉駆動力を増大して応答性、作動
性を向上する。 【解決手段】 シリンダ内の往復摺動自在に嵌合された
ポペット弁上下面が臨む2つの室の圧力差により、該ポ
ペット弁の先端シート部を弁座に着脱してガス通路を開
閉するように構成されたフローティング式ポペット弁装
置において、前記ポペット弁は耐熱複合材料からなり、
前記摺動部にはOリング等のシールリングが嵌装され、
さらにその軸心線に対称に、前記2つの室を連通しオリ
フィスを有する通孔が穿孔されてなる。また、アキュム
レータに収容されたガスをパイロット弁によってポペッ
ト弁の圧力室に給排する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロケットエンジン
のスラスタ装置における推力制御等に使用されるフロー
ティング式ポペット弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固体推進薬を使用するロケットエンジン
においては、燃焼室に通ずるノズルスロート部における
スロート面積を変化させることにより、ノズルスロート
部を通過する燃焼ガス流量を制御している。かかるノズ
ルスロート部のスロート面積を制御する技術として、特
公平6−58090号の発明が提供されている。この発
明においては、燃焼室チャンバの後端にピントルを固着
するノズルスカートを有して該ピントルとによりノズル
スロート部を形成するノズルホルダーを前記燃焼室チャ
ンバに軸方向移動可能に装着し、該ノズルホルダーを軸
方向に移動させてノズルスロート面積を連続的に変化さ
せるように構成している。かかる発明の場合は、ノズル
スカートを有するノズルホルダーを軸方向に移動するた
め、移動部分が大型になる。
【0003】そこで、上記のような問題点を有しないス
ロート面積を変化させる手段として、図5〜図6に示さ
れるフローティング式ポペット弁装置が提案されてい
る。図5〜図6は、かかるフローティング式ポペット弁
装置の概略構成を示し、図5はポペット弁の閉弁時、図
6は開弁時である。
【0004】図5〜図6において、1はハウジング、2
は該ハウジング1に形成されたシリンダであり、該シリ
ンダ2内にはフローティング式のポペット弁03が往復
摺動自在に嵌合されている。該ポペット弁03はタング
ステン等の耐熱金属によって構成されている。8は該ポ
ペット弁03の上面とシリンダ2とにより区画形成され
た圧力室で、該圧力室8にはパイロット弁6によって開
閉される作動流体供給口7が開口している。該パイロッ
ト弁6は、アクチュエータ(不図示)によって開閉作動
することにより、前記圧力室8の圧力を制御するように
なっている。
【0005】5は、前記ハウジング1内に形成された燃
焼ガスの入口室で、前記ポペット弁03の下部03bの
外周が臨んでいる。9は該入口室5への燃焼ガスの供給
口で、燃焼室(不図示)に接続されている。4は燃焼ガ
スを噴出させるためのノズルである。前記ポペット弁0
3は、その下端部03bの先端に円錐状のシート部03
aが形成され、ハウジング1に設けられた弁座1aと着
脱することにより、前記入口室5とノズル4との間を開
閉するようになっている。
【0006】また、前記ポペット弁03にはその外周寄
りの部位に前記圧力室8と燃焼ガスの入口室5とを連通
する通孔011が穿孔され、該通孔011の途中には通
路を絞ったポペットオリフィス010が設けられてい
る。
【0007】かかるフローティング式ポペット弁装置の
作動時において、燃焼室(不図示)にて生成された燃焼
ガスは供給口9から入口室5に導入される。一方、ポペ
ット弁03の閉時には、図5に示すように、パイロット
弁制御装置(不図示)によって、パイロット弁6が閉じ
られて圧力室8内の作動流体の圧力が高圧となり、該作
動流体の圧力による下向きの力が入口室5内の燃焼ガス
圧力による上向きの力よりも大きくなって、ポペット弁
03のシート部03aがハウジング1の弁座1aに押し
つけられ、燃焼ガスのノズル4への流出を遮断してい
る。
【0008】図6に示すように、前記パイロット弁制御
装置によってパイロット弁6が開弁されると、圧力室8
内の作動流体が排出され、入口室5内における燃焼ガス
による上向きの力が前記作動流体による下向きの力より
も大きくなってポペット03は上動し、前記シート部0
3aが弁座1aから離れてポペット弁は開弁する。該ポ
ペット弁03の開弁により、燃焼ガスが、図6の矢印に
示すように、入口室5からノズル4へと流れて外部に噴
出されることにより、推力を発生する。
【0009】一方、入口室5内の燃焼ガスの一部は、通
孔011に入り、ポペットオリフィス010にて絞られ
て圧力室8側へ流入した後、パイロット弁6を経て外部
に排出される。このポペットオリフィス010の絞り度
つまり通路面積を変化させることにより、ポペット03
の開弁速度及び閉弁速度を調整する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図5〜図6に示される
従来技術に係るフローティング式ポペット弁装置にあっ
ては、ポペット弁03は供給口9から入口室5に導入さ
れる燃焼ガスによって2000℃以上に加熱されるた
め、タングステン材等の耐熱金属から構成されている。
このタングステン材は熱伝導率が大きく、ポペット弁0
3全体が高温となる。このため、該ポペット弁03の外
周面とシリンダ2との摺動部にはゴム製のOリングの使
用は不可能となり、前記ポペット弁03の外周面とシリ
ンダ2との摺動部はOリング等のシール部材を有しない
金属接触部となることから隙間を大きく形成せざるを得
ず、該隙間を燃焼ガスが流れてポペット弁03の熱ステ
ィックの発生をみることが多い。
【0011】また、前記タングステン材は比重が19g
/cm3 程度と大きいため、ポペット弁03の重量が大
きく該ポペット弁03の応答性が低くなる。また、前記
タングステン材は加工性が悪いため、ポペット弁03に
複雑な形状の溝加工が困難であり、このためポペットオ
リフィス010を有する通孔011はポペット弁03の
外周寄りの肉薄の部位に穿孔されている。従って、前記
通孔011がポペット弁03の軸心03c上に無いた
め、該ポペット弁03の下部03b周りの燃焼ガスの流
れが軸心03cに対称な流れとならず、該軸心03cに
直角方向の流体力Tがポペット03に作用し、該ポペッ
ト弁03には、この流体力Tによって拗れが発生し、こ
れによりポペット弁03のスティックが引き起こされ
る。
【0012】また、図5〜図6に示される従来のポペッ
ト弁装置にあっては、ポペット弁03の開放(図6)か
ら閉鎖への動作時には圧力室8内の圧力Pvは入口室5
内の圧力即ちシステム圧力Ps以上には設定できないた
め、該ポペット弁03の開閉動作に必要な駆動力が制限
され、大きな駆動力を必要としない。
【0013】一方、前記従来技術にあっては、ポペット
弁03の閉鎖(図5)から開放(図6)への動作時に
は、圧力室8内の圧力Pvは、前記システム圧力Ps、
ポペットオリフィス010の面積Ah及びシート部03
aの面積Abとの間に次の(1)式の関係がある。 Pv=(Ah/Ab)×Ps …(1) 従って、前記ポペット弁03の閉→開動作時には、前記
圧力Pvは小さい方がポペット弁03の駆動力は増大す
るが、該圧力Pvは前記(1)式のように、値よりも小
さくできない。
【0014】本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、
ポペット弁の温度上昇を抑制して該ポペット弁とシリン
ダとの摺動部にOリング等のシール部材の使用を可能と
して、該摺動部における燃焼ガスの漏れによるポペット
弁の熱スティックの発生を防止すると共に、開閉時の応
答性を向上することを第1の目的とする。
【0015】また、本発明の第2の目的は、ポペット弁
の軸心に直角方向の流体力の発生を抑制して、ポペット
弁の拗れ及びこれに伴うポペット弁の作動不良の発生を
防止することにある。
【0016】また、第3の目的は、ポペット弁の閉動作
時により大きな駆動力を得るとともに、開動作時におけ
るポペット弁の抵抗を最小限にして、ポペット弁の開閉
を高い応答性で以ってなし得るとともに、作動性が向上
されたポペット弁装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するため、請求項1記載の発明として、シリンダ内に
往復摺動自在に嵌合されたポペット弁の上下面が臨む2
つの室の圧力差により、該ポペット弁の先端シート部を
弁座に着脱してガス通路を開閉するように構成されたフ
ローティング式ポペット弁装置において、前記ポペット
弁は耐熱複合材料からなり、前記摺動部にはOリング等
のシールリングが嵌装され、さらにその軸心線に対称
に、前記2つの室を連通し、オリフィスを有する通孔が
穿孔されてなることを特徴とするフローティング式ポペ
ット弁装置を提案する。
【0018】そして、好ましくは、請求項2記載のよう
に、前記耐熱複合材料として、セラミックス繊維の耐熱
複合材を用いる。
【0019】また、前記オリフィスを有する通孔は、ポ
ペット弁の軸心線上に1個所設けるのが好適であるが、
前記軸心線に対称に複数個設けても良い。
【0020】かかる発明によれば、ポペット弁の材料を
従来技術におけるタングステン材よりも熱伝導率が大幅
に小さい耐熱複合材で構成しているので、高温ガス上に
直接触れる下部から外周摺動部への熱伝導率が少なくな
り、該外周摺動部の温度上昇が抑制される。これにより
外周摺動部に耐熱、耐油ゴム製のシールリングの使用が
可能となり、外周摺動部のシール性が向上し、該部から
のガスの漏洩が回避され、該漏洩によるポペット弁の熱
スティックの発生が防止される。
【0021】また、ポペット弁はその軸心に対称にオリ
フィス付きの通孔を設けているので、ポペット弁に作用
するガスによる流体力がバランスし、従来技術のような
アンバランスな流体力の作用が回避される。これによ
り、かかるアンバランスな流体力による弁の拗れの発生
及びこれにより引き起こされるポペット弁の作動不良の
発生を防止することができ、ポペット弁を滑らかに作動
させることができる。
【0022】さらに、ポペット弁は従来技術に係るタン
グステン材よりも比重がはるかに小さい耐熱複合材で構
成されているので、軽量となり、弁開閉の応答性が向上
する。
【0023】また請求項3記載の発明は、シリンダ内に
往復摺動自在に嵌合されたポペット弁の上下面が臨む2
つの室の圧力差により、該ポペット弁の先端シート部を
弁座に着脱してガス通路を開閉するように構成されたフ
ローティング式ポペット弁装置において、前記2つの室
は、前記ポペット弁の上面が臨み、作動気体の供給口及
び吐出口が設けられた圧力室と、前記ポペット弁の下面
が臨み前記ガス通路の供給口に連通される入口室とより
なり、前記作動気体が封入されたアキュムレータを前記
圧力室の供給口に接続するとともに吐出口を大気に接続
し、前記供給口及び吐出口を開閉するパイロット弁を設
けたことを特徴とするフローティング式ポペット弁装置
にある。
【0024】そして好ましくは、前記パイロット弁は、
弁棒の両端に球状の弁体を固着してなり、一方側の弁体
が前記供給口又は吐出口の一方を閉止しているとき、他
方側の弁体が前記供給口又は吐出口の他方を開放するよ
うに構成されてなる。
【0025】また、前記作動気体は、前記入口室内のガ
ス圧力よりも高圧に加圧された不活性ガスを用いるのが
良い。
【0026】かかる発明によれば、パイロット弁は常時
アキュムレータからの低温の気体に触れているため、温
度上昇が抑制される。これにより、パイロット弁に耐熱
材料の使用することが不要となり、低コストの材料を使
用できるとともに、熱スティックの発生も完全に防止さ
れる。
【0027】また、ポペット弁の開弁→閉弁時に作用す
る圧力室内の圧力はアキュムレータ内のガス圧力をその
まま加えることとなるので、該圧力を高圧に設定するこ
とが可能となって、ポペット弁の駆動力を増大すること
ができる。これによって、ポペット弁の応答性及び作動
性が向上する。
【0028】一方、ポペット弁の閉弁→開弁時には、パ
イロット弁により供給口を閉、吐出口を開として圧力室
内を大気圧にすることができ、ポペット弁の開放に要す
る上向きの力、即ち開閉力が大きくなって、その応答
性、作動性が向上する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施
形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、そ
の相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、こ
の発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説
明例にすぎない。
【0030】図1〜図2は本発明の第1実施形態に係る
ロケットエンジン用フローティング式ポペット弁装置の
概略構成を示し、図1はポペット弁の閉弁時、図2は開
弁時を示す。
【0031】図1〜図2において、1はハウジング、2
は該ハウジング1に形成されたシリンダであり、該シリ
ンダ2内にはフローティング式のポペット弁3が往復摺
動自在に嵌合されている。8は該ポペット弁3の上面と
シリンダ2とにより区画形成された圧力室で、該圧力室
8にはパイロット弁6によって開閉される作動流体供給
口7が開口している。該パイロット弁6は、アクチュエ
ータ(不図示)によって開閉作動することにより、前記
圧力室8の圧力を制御するようになっている。
【0032】5は、前記ハウジング1内に形成された燃
焼ガスの入口室で、前記ポペット弁3の下部3bの外周
が臨んでいる。9は該入口室5への燃焼ガスの供給口
で、燃焼室(不図示)に接続されている。4は燃焼ガス
を噴出させるためのノズルである。前記ポペット弁3
は、その下端部3bの先端に円錐状のシート部3aが形
成され、ハウジング1に設けられた弁座1aと着脱する
ことにより、前記入口室5とノズル4との間を開閉する
ようになっている。
【0033】以上の構成は図5〜図6に示す従来技術と
同様である。本発明においてはポペット弁の材料及び内
部構造を改良している。
【0034】すなわち、図1〜図2において、ポペット
弁3は熱伝導率の小さいセラミックス繊維等の耐熱複合
材からなる。11は該ポペット弁3の内部に穿孔された
通孔である。該通孔11はポペット弁3の上面、つまり
前記圧力室8に臨む面に開口され、この上面からポペッ
ト弁3の軸心3cに沿って下方に延び、該ポペット弁3
の下部3bにおいて直角方向に分岐(11a)し、前記
入口室5に開口している。そして、該通孔11の途中に
は、図5〜図6に示す従来技術と同様に通路を絞ったポ
ペットオリフィス10が設けられている。尚、この実施
形態では、ポペットオリフィス10を有する通孔11を
1個、ポペット弁3の軸心3cに沿って設けているが、
該通孔11はポペット弁3の軸心3cに対称な位置であ
れば、2個以上に設けてもよい。
【0035】前記ポペット弁3の外周摺動部には、耐熱
耐油ゴム材からなるOリング12が、並びに該Oリング
12の上下に耐熱性及び摺動性の良好な金属からなるピ
ストンリング13,13が嵌装されている。
【0036】かかるフローティング式ポペット弁装置の
作動時において、燃焼室(不図示)にて生成された燃焼
ガスは、供給口9から入口室5に導入される。一方、ポ
ペット弁3の閉時には、図1に示すように、パイロット
弁制御装置(不図示)によって、パイロット弁6が閉じ
られて圧力室8内の作動流体の圧力が高圧となり、該作
動流体の圧力による下向きの力が入口室5内の燃焼ガス
圧力による上向きの力よりも大きくなって、ポペット弁
3のシート部3aがハウジング1の弁座1aに押し付け
られ、燃焼ガスのノズル4への流出を遮断している。
【0037】図2に示すように、前記パイロット弁制御
装置によってパイロット弁6が開弁されると、圧力室8
内の作動流体が排出され、入口室5内における燃焼ガス
による上向きの力が前記作動流体による下向きの力より
も大きくなって、ポペット弁3は上動し、前記シート部
3aが弁座1aから離れて、ポペット弁は開弁する。該
ポペット弁3の開弁により、燃焼ガスが、図2の矢印に
示すように、入口室5からノズル4へと流れて外部に噴
出されることにより、推力を発生する。
【0038】一方、入口室5内の燃焼ガスの一部は通孔
11に入り、ポペットオリフィス10にて絞られて圧力
室8側へ流入した後、パイロット弁6を経て外部に排出
される。このポペットオリフィス10の絞り度つまり通
路面積を変化させることにより、ポペット弁3の開弁速
度及び閉弁速度を調整する。
【0039】かかる実施形態において、ポペット弁3は
従来のタングステン材に比べて熱伝導率が充分に小さい
セラミックス繊維の耐熱複合材で構成されているため、
燃焼ガスに直接触れる下部3bが加熱されて高温となる
が、シリンダ2との摺動部への熱伝導量が少なくなり、
該摺動部の温度上昇が抑制される。これにより、該摺動
部に耐熱、耐油ゴムからなるOリング12を用いても、
これが焼損を起こすことは無く、また当然ながら金属製
のシールリング13,13を使用しても充分に高い耐熱
性を有する。
【0040】従って、ポペット弁3の外周摺動部のシー
ル性が金属面のシールである従来技術に比べて大幅に向
上する。これにより、外周摺動部からの燃焼ガスの漏洩
が回避され、該漏洩によるポペット弁の熱スティックの
発生が回避される。
【0041】また、該ポペット弁3は、その軸心3cに
対称にポペットオリフィス10付きの通孔11を設けて
いるので、該ポペット弁3に作用する燃焼ガスによる流
体力Tがバランスし、従来技術のようなアンバランス力
の発生が回避される。これにより、該アンバランス力に
よるポペット弁3の拗れの発生及びこれにより引き起こ
されるポペット弁3の作動不良の発生が防止され、ポペ
ット弁3は滑らかに作動可能となる。
【0042】更に、該ポペット弁3は、従来技術のタン
グステン材(比重=19g/cm3程度)に比べて比重
が小さいので、軽量となり、開閉時における応答性が良
好となる。
【0043】図3〜図4は、本発明の第2実施形態に係
るロケットエンジン用フローティング式ポペット弁装置
の概略構成を示し、図3はポペット弁の閉弁時、図4は
ポペット弁の開弁時を示す。
【0044】図3〜図4において、ハウジング1の上部
にはガス供給口23及び吐出口24が対向して設けられ
ている。21は窒素ガス等の不活性ガスが収容されたア
キュムレータ、該アキュムレータ21は供給管22を介
して前記供給口23に接続されている。
【0045】25はパイロット弁である。該パイロット
弁25は、球形状の供給弁体25a及び吐出弁体25b
が弁棒25cの両端に設けられて、前記ハウジング1の
弁支持部1bを往復動することによって前記供給口23
及び吐出口24を開閉するようになっている。26は弁
駆動アクチュエータ(不図示)に連結される駆動リン
ク、27は駆動レバーである。該駆動レバー27は支点
28にて前記ハウジング1に支持されており、一端側を
前記駆動リンク26に連結され、他端側を前記パイロッ
ト弁25の弁棒25cに連結されて、駆動リンク26に
付与されるパイロット弁駆動力をパイロット弁25に伝
達するようになっている。また、この実施形態では、前
記第1実施形態における通孔11及びポペットオリフィ
ス10を廃止している。
【0046】その他の構成は図1〜図2に示す第1実施
形態と同様であり、これと同一の部材は同一の符号にて
示す。
【0047】かかる第2実施形態において、燃焼室(不
図示)にて生成された燃焼ガスは、供給口9から入口室
5に導入され、該入口室5の圧力Psは燃焼ガス圧力に
保持されている。一方、ポペット弁3の閉時には、図3
に示されるように、弁駆動装置(不図示)から駆動リン
ク26及び駆動レバー27を介してパイロット弁25が
右動せしめられ、供給弁体25aが供給口23を開くと
ともに、吐出弁体25bが吐出口24を閉鎖する。
【0048】これにより、アキュムレータ21内の不活
性ガスが供給管22及び供給口23を経て圧力室8内に
導入され、該圧力室8内の圧力は、アキュムレータ21
の圧力と同レベルのPvとなる。そして、該圧力室8内
の圧力Pvによる下向きの力が前記入口室5の圧力Ps
による上向きの力に打ち勝つこととなり、ポペット弁3
はそのシート部3aが弁座1aに押し付けられて閉弁さ
れる。
【0049】また、前記ポペット弁3の開時には、図4
に示されるように、前記パイロット弁25が左動せしめ
られて供給弁体25aが供給口23を閉じるとともに吐
出弁体25bが吐出口24を開く。これにより圧力室8
内の不活性ガスは吐出口24から外部に排出されて該圧
力室8内の圧力は大気圧となり、入口室5内の燃焼ガス
の圧力Psによる上向きの力が前記圧力室8内の圧力P
vによる下向きの力よりも大きくなってポペット弁3は
上動され、シート部3aが弁座1aから離れて開弁し、
入口室5内の燃焼ガスはノズル4に流出して推力を発生
する。
【0050】かかる実施形態によれば、アキュムレータ
21内に収容された低温の不活性ガスを供給口23を通
して圧力室8に供給し、また吐出口24を通して外部に
排出するので、該供給口23及び吐出口24を開閉する
パイロット弁25の温度上昇が抑制される。これによ
り、パイロット弁25に耐熱材料の使用を不要として、
低コストの材料を使用でき、また該パイロット弁25の
熱スティックの発生も完全に回避できる。
【0051】また、前記アキュムレータ21内の圧力
は、高圧に設定可能であるため、該圧力を入口室5内の
圧力即ち、燃焼ガス圧力Psよりも充分に大きく採るこ
とができ、従来は前記燃焼ガス圧力Psが上限であった
圧力室8内の圧力Pvを前記アキュムレータ21内の圧
力まで上昇させることができる。これにより、ポペット
弁3の開→閉時の駆動力を従来技術に比べて増大するこ
とができ、該ポペット弁3の応答性及び作動性が向上す
る。
【0052】また、ポペット弁3の閉→開時には、パイ
ロット弁25により、供給口23を閉じるとともに、吐
出口24を開口することにより、アキュムレータ21か
ら圧力室8への不活性ガスの供給を遮断するとともに、
圧力室8内のガスを排出することにより、該圧力室8内
の圧力Pvを大気圧まで減圧可能となる。この結果、ポ
ペット弁3の閉→開時においても、該ポペット弁3の上
向きの駆動力即ち、開弁力が大きくなり、応答性及び作
動性が向上する。
【0053】
【発明の効果】以上記載のごとく、本発明によれば、ポ
ペット弁が、熱伝導率の小さい耐熱複合材からなるの
で、該弁の外周摺動部の温度上昇が抑制され、耐熱、耐
油ゴム製シールリングの使用が可能となり、該外周摺動
部におけるガスの漏洩を防止でき、該漏洩によるポペッ
ト弁の熱スティックの発生を防止することができる。
【0054】また、ポペット弁は、軸心に対称にオリフ
ィス付きの通孔を設けているので、ガスの流体力のアン
バランスの発生が回避され、これによって引き起こされ
るポペット弁の拗れの発生を防止でき、ポペット弁を滑
らかに作動させることができる。
【0055】さらに、前記のように、ポペット弁は従来
技術に係るタングステン材よりも比重が小さい耐熱複合
材からなるので、軽量となり、弁開閉の応答性が向上す
る。以上により、耐久性が高く、応答性が良好で、滑ら
かな作動がなされるポペット弁装置を得ることができ
る。
【0056】また、請求項3乃至4の発明によれば、ポ
ペット弁を開閉作動させる圧力室への作動気体にアキュ
ムレータに封入された低温気体を用いるので、パイロッ
ト弁の材料として低コストの材料の使用が可能となると
ともに、熱スティックの発生が防止される。また、かか
る発明によれば、ポペット弁の閉弁時の作動圧力をアキ
ュムレータ内の圧力まで上昇させることが容易にできる
ため、開弁駆動力が増大し、さらに、閉弁時には圧力室
を完全に大気圧に低下せしめることができるので、ポペ
ット弁の下面からの開弁力が大きくなる。これにより、
応答性が高く、かつ作動性が向上されたポペット弁装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るロケットエンジ
ン用フローティング式ポペット弁装置の構成を示す断面
図で、ポペット弁閉時を示す図である。
【図2】 前記実施形態におけるポペット弁開時を示す
図である。
【図3】 本発明の第2実施形態を示す図1対応図であ
る。
【図4】 上記第2実施形態における図2対応図であ
る。
【図5】 従来技術に係るフローティング式ポペット弁
装置の弁閉時を示す図1対応図である。
【図6】 従来技術に係るフローティング式ポペット弁
装置の弁開時を示す図2対応図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 1a 弁座 2 シリンダ 3 ポペット弁 3a シート部 3b 下部 4 ノズル 5 入口室 6 パイロット弁 7 作動流体供給口 8 圧力室 9 供給口 10 ポペットオリフィス 11 通孔 12 Oリング 13 ピストンリング 21 アキュムレータ 22 供給管 23 供給口 24 吐出口 25 パイロット弁 26 駆動リング 27 駆動レバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H052 AA01 BA02 BA31 CA04 CA16 CA19 DA01 EA16 3H056 AA01 BB41 BB46 BB47 CA02 CB02 CC06 CD03 EE03 GG03 GG11 3H067 AA02 AA32 BB02 BB12 CC54 CC59 DD05 DD12 DD47

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内に往復摺動自在に嵌合された
    ポペット弁の上下面が臨む2つの室の圧力差により、該
    ポペット弁の先端シート部を弁座に着脱してガス通路を
    開閉するように構成されたフローティング式ポペット弁
    装置において、 前記ポペット弁は耐熱複合材料からなり、前記摺動部に
    はOリング等のシールリングが嵌装され、さらにその軸
    心線に対称に、前記2つの室を連通し、オリフィスを有
    する通孔が穿孔されてなることを特徴とするフローティ
    ング式ポペット弁装置。
  2. 【請求項2】 前記耐熱複合材料として、セラミックス
    繊維の耐熱複合材を用いたことを特徴とする請求項1記
    載のフローティング式ポペット弁装置。
  3. 【請求項3】 シリンダ内に往復摺動自在に嵌合された
    ポペット弁の上下面が臨む2つの室の圧力差により、該
    ポペット弁の先端シート部を弁座に着脱してガス通路を
    開閉するように構成されたフローティング式ポペット弁
    装置において、 前記2つの室は、前記ポペット弁の上面が臨み、作動気
    体の供給口及び吐出口が設けられた圧力室と、前記ポペ
    ット弁の下面が臨み前記ガス通路の供給口に連通される
    入口室とよりなり、前記作動気体が封入されたアキュム
    レータを前記圧力室の供給口に接続するとともに吐出口
    を大気に接続し、 前記供給口及び吐出口を開閉するパイロット弁を設けた
    ことを特徴とするフローティング式ポペット弁装置。
  4. 【請求項4】 前記パイロット弁は、弁棒の両端に球状
    の弁体を固着してなり、一方側の弁体が前記供給口又は
    吐出口の一方を閉止しているとき、他方側の弁体が前記
    供給口又は吐出口の他方を開放するように構成されてな
    る請求項3記載のフローティング式ポペット弁装置。
JP08573699A 1999-03-29 1999-03-29 フローティング式ポペット弁装置 Expired - Fee Related JP3572221B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08573699A JP3572221B2 (ja) 1999-03-29 1999-03-29 フローティング式ポペット弁装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08573699A JP3572221B2 (ja) 1999-03-29 1999-03-29 フローティング式ポペット弁装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000283301A true JP2000283301A (ja) 2000-10-13
JP3572221B2 JP3572221B2 (ja) 2004-09-29

Family

ID=13867137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08573699A Expired - Fee Related JP3572221B2 (ja) 1999-03-29 1999-03-29 フローティング式ポペット弁装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3572221B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2851618A1 (fr) * 2003-02-19 2004-08-27 Kawasaki Heavy Ind Ltd Vanne de commande de poussee
JP2007532826A (ja) * 2004-04-13 2007-11-15 エアロジェット−ジェネラル・コーポレーション プラグノズル式ロケットエンジンのための推力ベクトル制御システム
JP2011053014A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Kobe Steel Ltd 衝撃試験装置
CN102792049A (zh) * 2010-03-10 2012-11-21 萱场工业株式会社 阻尼阀
WO2014098727A1 (en) * 2012-12-20 2014-06-26 Pmc Lubrication Ab Valve for controlling supply of grease
CN105599938A (zh) * 2016-01-08 2016-05-25 严修长 排渣装置
CN105736181A (zh) * 2014-12-09 2016-07-06 上海新力动力设备研究所 固体火箭发动机燃气流量调节装置环形多孔扰流结构
WO2022111252A1 (zh) * 2020-11-26 2022-06-02 江门市伊科迈特电子科技有限公司 一种复合密封的气体阀

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2851618A1 (fr) * 2003-02-19 2004-08-27 Kawasaki Heavy Ind Ltd Vanne de commande de poussee
US7117681B2 (en) 2003-02-19 2006-10-10 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Thrust control valve
JP2007532826A (ja) * 2004-04-13 2007-11-15 エアロジェット−ジェネラル・コーポレーション プラグノズル式ロケットエンジンのための推力ベクトル制御システム
JP2011053014A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Kobe Steel Ltd 衝撃試験装置
CN102792049A (zh) * 2010-03-10 2012-11-21 萱场工业株式会社 阻尼阀
WO2014098727A1 (en) * 2012-12-20 2014-06-26 Pmc Lubrication Ab Valve for controlling supply of grease
CN105736181A (zh) * 2014-12-09 2016-07-06 上海新力动力设备研究所 固体火箭发动机燃气流量调节装置环形多孔扰流结构
CN105599938A (zh) * 2016-01-08 2016-05-25 严修长 排渣装置
WO2022111252A1 (zh) * 2020-11-26 2022-06-02 江门市伊科迈特电子科技有限公司 一种复合密封的气体阀

Also Published As

Publication number Publication date
JP3572221B2 (ja) 2004-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4884102B2 (ja) ガスタービンエンジン用の弁組立体
US8066474B1 (en) Variable guide vane actuator
EP2146057B1 (en) Fluidically controlled valve for a gas turbine engine and for a combustor
US6233919B1 (en) Force driven hot gas proportional thruster valve
JP2006037949A (ja) 分割シュラウド型排気ノズル
JP3572221B2 (ja) フローティング式ポペット弁装置
JP2016520176A (ja) デュアルモードプラグノズル
JP2017122447A (ja) キャビティの中への冷却流量の受動流量変調
US6227247B1 (en) Position driven hot gas proportional thruster valve
US7093617B2 (en) Fluidic diverter valve with a non-spherical shuttle element
KR20200100295A (ko) 온도 반응 가변식 워터펌프 및 엔진 냉각 시스템
JPH0123657B2 (ja)
JP2008082327A (ja) ガスタービンエンジン用ノズルおよびガスタービンエンジンの運転方法
JP3652940B2 (ja) フローティング式ポペット弁装置
CN105408610A (zh) 用于火箭发动机的在喷嘴的固定部与移动部之间设置有密封装置的燃烧气体排放喷嘴
US7051512B2 (en) Fluidic diverter valve with a variable valve-bore clearance
JPH02500853A (ja) 過給内燃機関の補助燃焼チャンバの改良と、この補助チャンバを備えた内燃機関
US11098677B2 (en) Asymmetric load compensation system
US5157917A (en) Gas turbine engine cooling air flow
JP2001182850A (ja) 高温流体用切換弁
JPS58214603A (ja) 流体機械の翼端間隙調整装置
US6681560B2 (en) Nozzle throat area control apparatus and method
JP3382927B2 (ja) ロケットエンジンの燃焼ガス制御装置
JP2004301318A (ja) 高温・高圧ガス方向切換バルブ
JP3764608B2 (ja) ロケットエンジンの燃焼ガス制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040406

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040601

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040628

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees