JP2000282211A - 溶射材料とそれを皮膜形成した構造体 - Google Patents

溶射材料とそれを皮膜形成した構造体

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JP2000282211A JP11289491A JP28949199A JP2000282211A JP 2000282211 A JP2000282211 A JP 2000282211A JP 11289491 A JP11289491 A JP 11289491A JP 28949199 A JP28949199 A JP 28949199A JP 2000282211 A JP2000282211 A JP 2000282211A
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based alloy
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Kenji Miyai
研二 宮井
Seiya Kunioka
誠也 國岡
Masashi Takahashi
正志 高橋
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Suzuki Motor Corp
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    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
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    • F05C2201/04Heavy metals
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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダボアの内径溶射のような最適な溶射
条件が得られない状況においても、耐摩耗性および耐焼
付性に優れたアルミ合金製摺動部材を提供すること。 【解決手段】 本発明の溶射材料は、12〜30重量%
のSiと、0.5〜5.0重量%のCuもしくは0.2
〜3.0重量%のMgの一種もしくは二種と、Fe,M
nおよびNiのうち少なくとも一種を1〜15重量%を
含み、残余が不可避的不純物を含むAlである5〜30
重量%のAlSi系合金粉末、及び0.6〜2.0重量
%のCと、0.8〜5.0重量%のSiと、0.1〜
0.6重量%のMnとを含み、残余が不可避的不純物を
含む炭素鋼である95〜70重量%の炭素鋼粉末を混合
した。そして、上記溶射材料を、例えばピストンやシリ
ンダボア内の摺動部に溶射すると、耐摩耗性に優れた被
膜を形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミ合金製部品
に耐摩耗性を付与する溶射材料とそれを溶射した構造体
に関する。アルミ合金製部品には、シリンダボア(シリ
ンダ孔)、バルブリフタ、バルブシート又はピストン等
が上げられ、とりわけシリンダボア内面への適用に効果
がある。
【0002】
【従来の技術】アルミ合金製部品に耐摩耗性を付与する
溶射方法、特に内燃機関のシリンダボア摺動面に安価な
鉄系材料を適用することが昔から多く研究されてきた。
例えば、特公昭51−10183号、特公昭51−18
004号、特公昭57−13739号、特公昭57−3
4346号公報では、様々な炭素鋼をアルミシリンダに
適用することを開示している。しかし、アルミシリンダ
に炭素鋼皮膜を形成する方法では、基材と皮膜の熱膨張
差から、皮膜剥離の問題が生じた。
【0003】米国特許第3,077,659号明細書で
は、粉末化したアルミニウムと粉末化した鉄との混合溶
射が開示された。日本では、特公昭58−54189号
公報で16〜40%(なお、本明細書において特に記さ
ない場合は重量%である)のSiを含有したAlSi系
合金に5〜50%高炭素フェロクロム合金を混合して溶
射したシリンダが開示され、特開昭54−28239号
公報では、20〜40%のSiを含有したAlSi系合
金に50%以下の炭素鋼を混合溶射した後、T6処理す
る溶射方法が開示された。さらに、特開平7−6251
9号公報の実施例では、Al−15%Siに50%炭素
鋼(0.8%C)を混合溶射し、溶射層の融点未満の温
度で熱処理することが開示されている。
【0004】これらは、鉄系合金にアルミ合金粉末を混
合することで基材との熱膨張差を緩和するもので、後者
の3件は熱膨張差を緩和するためのAlSi系合金のS
iを15〜40%含有させることで熱膨張差緩和層の耐
摩耗性をも向上させたものである。しかし、シリンダに
適用する際の内径溶射では、溶射粒子の溶融に十分な溶
射距離が得られず、高炭素フェロクロム合金や通常の炭
素鋼および鋳鉄では、混合溶射皮膜内の粒子間結合力が
充分でなく、粒子の欠落や摩耗が生じる等の問題があっ
た。さらに、鉄系材料だけでなくアルミ系材料において
も、混合溶射皮膜内の粒子間結合力の向上や歩留まり向
上のため、改善が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、内径溶射のような最適な溶射条件
が得られない状況においても、耐摩耗性および耐焼付性
に優れ、かつエンジン内で繰り返し熱負荷がかかった場
合でもアルミニウム合金製基材との十分な密着強さと皮
膜内の十分な粒子間結合力を維持することができる低コ
ストの溶射材料とそれを溶射して被膜形成した構造体を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の溶射材料は、12〜30重量%のSiと、
0.5〜5.0重量%のCuもしくは0.2〜3.0重
量%のMgの一種もしくは二種と、Fe,MnおよびN
iのうち少なくとも一種を1〜15重量%含み、残余が
不可避的不純物を含むAlである5〜30重量%のAl
Si系合金粉末、及び0.6〜2.0重量%のCと、
0.8〜5.0重量%のSiと、0.1〜0.6重量%
のMnとを含み残余が不可避的不純物を含む炭素鋼であ
る95〜70重量%の炭素鋼粉末を混合して成る。ま
た、本発明の溶射材料を溶射した構造体は、12〜30
重量%のSiと、0.5〜5.0重量%のCuもしくは
0.2〜3.0重量%のMgの一種もしくは二種と、F
e,MnおよびNiのうち少なくとも一種を1〜15重
量%含み、残余が不可避的不純物を含むAlである5〜
30重量%のAlSi系合金粉末、及び0.6〜2.0
重量%のCと、0.8〜5.0重量%のSiと、0.1
〜0.6重量%のMnとを含み、残余が不可避的不純物
を含む炭素鋼である95〜70重量%の炭素鋼粉末を混
合し、これら混合物から成る溶射材料の皮膜を摺動部材
の摺動面に形成させた。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の溶射材料とそれを
溶着した構造体の実施の形態について説明する。本発明
では、溶射材料の成分を変化させることで溶射皮膜の耐
摩耗性、耐焼付性および耐凝着性を改善し、さらに形態
を調整することで皮膜形成時の粒子間結合力と材料の歩
留まりを向上させたAlSi系合金粉末と、成分を調整
することで内径溶射のような十分な溶射距離が得られな
い状況でも十分な流動性を持った溶滴が得られ粒子間結
合力を向上させた炭素鋼粉末とを混合し、これらの混合
物からなる溶射材料を、例えばエンジンの摺動部材に溶
射することで、耐摩耗性および耐焼付性に優れ、かつ熱
負荷が繰り返しかかった場合でも基材との十分な密着強
さと皮膜内の十分な粒子間結合力を維持することができ
る溶射皮膜を形成する。
【0008】以下、溶射材料の成分について詳細に説明
する。 (AlSi系合金粉末)AlSi系合金の各種成分組成
は、以下のように決定した。Siの含有量Siは、Al
Si系合金の重量に対する割合で12%未満では共晶点
を下回り耐摩耗性に寄与する初晶Siが得られないため
十分な耐摩耗性が得られない。また、30%を越えると
Siおよびその他の成分の固溶量が多くなりすぎてもろ
くなってしまう。Cu,Mg,Fe,MnそしてNi
は、AlSi系合金の高温強度に寄与する成分である。
0.5〜5.0%のCuもしくは0.2〜3.0%のM
gを一種もしくは二種を含むことで150℃までの高温
強度に優れ、さらにFe,MnおよびNiのうち少なく
とも一種を1〜15%含むことで250℃程度までの高
温強度に優れたAlSi系合金となる。溶射では、急熱
急冷して形成された皮膜も他の部分の皮膜形成時に15
0〜200℃程度に熱が加わるため、高温強度に優れる
これらの成分が必要となる。従って、各成分の下限値を
下回ると溶射皮膜の硬さが低下し、上限値を上回ると固
溶量が多すぎることによりもろくなってしまう。
【0009】粉末は、アトマイズにより急冷凝固された
粉末が成分的に均一なため溶射に適している。しかし、
AlSi系合金のアトマイズ粉末は細かい粉末が出来や
すく、溶射時の粉末供給に障害となったり、溶射ガン内
で詰まったりする問題が生じる。従って、篩による分級
が通常行われる。篩による分級では、問題となる細かい
粉末を取り除くために400メッシュ好ましくは325
メッシュで分級される。例えば、特開昭54−2823
9号公報では400メッシュ、特公昭58−54189
号公報では350メッシュで分級されている。これは、
篩の目詰まりによるもので工業的に安価に篩う限度とさ
れている。さらにアルミ粉末の微粉を取り扱う場合は、
粉塵爆発の危険性を伴うため、そういった意味からも4
00メッシュより細かい篩での分級は避けられている。
篩以外にも空飛分級法もあるが細かい粉末を含むアルミ
粉末では、粉塵爆発の危険性が高いため行われない。
【0010】AlSi系合金粉末と鉄系合金粉末の混合
内径溶射において、粉末供給や目詰まりの問題が生じな
い程度に細かい粉末を混合するほうが良い皮膜性状が得
られる。これは、細かい粉末であれば、十分な溶射距離
が得られなくても十分に溶融し、各々の皮膜内での分散
状態も細かく分散し、さらに緻密な皮膜が得られる。従
って、325や400メッシュよりも細かい粉末が粒子
に含まれていることが、皮膜性状の向上に必要となる。
また、アトマイズした粉末を分級することは、粉末の歩
留まりを悪くし、コスト上昇につながってしまう。
【0011】これらの問題を解決するために、本発明で
は有機バインダにより造粒したAlSi系合金造粒粉を
使用した。有機バインダには、エチレンビスステロアミ
ド,ポリビニルアルコール,ポリビニルアセテート,メ
チルセルロース,エチルセルロース等、すなわち溶射工
程で燃焼してしまうものが使用でき、溶射後の皮膜中に
は有機バインダは残存しない。溶射材料の供給時に問題
を起こす細かい粉末を造粒することで、溶射材料の供給
がスムーズになり、さらに有機バインダが付着すること
で粉末自身の流動性が向上する。造粒粉末は、溶射フレ
ームに入ると一瞬で有機バインダが燃焼し粒子が分散す
る。これにより、細かい溶融粒子も皮膜内に取り込ま
れ、緻密でAlSi系合金と炭素鋼が細かく分散した理
想的な混合皮膜が形成される。AlSi系合金粉末の造
粒時に、炭素鋼も一緒に造粒して複合造粒粉末とする方
法もあるが、複合化造粒粉末を作るためには、それぞれ
細かい粒子を作る必要があり、歩留まりの悪さ等からコ
ストが上昇する。加えて、反応性の高いAlとFeの微
粉を混合する工程は、危険が伴うため避けている。
【0012】(炭素鋼)炭素鋼は、Cの含有量により耐
摩耗性が変化することが知られている。本発明では、C
の含有量を本発明において用いられる炭素鋼の総重量に
対する割合で、0.6〜2.0%、好ましくは0.8〜
1.5%とした。Cが0.6%未満では皮膜硬さが低
く、十分な耐摩耗性が得られない。またCが2%を越え
ると、粉末がチル組織を持つようになり、次に示すSi
量を含有すると黒鉛が発生しやすく皮膜内の結合を阻害
してしまい、耐摩耗性が低下する。
【0013】次にSiの含有量を0.8〜3%とした。
通常Siは脱酸剤として添加され、上記C含有量の炭素
鋼(工具鋼)の場合Siは0.2〜0.4%で、特公昭
57−34346号公報で開示されている溶射用粉末で
も0.2〜0.8%の含有量であった。本発明では、S
iを脱酸剤として添加するだけでなく、溶湯の流れ性を
良くするために添加する。即ち0.8〜3%のSiを添
加することで、内径溶射のような十分な溶射距離が得ら
れない状況でも十分な流動性を持った溶滴が得られ、皮
膜形成時に基材もしくはすでに堆積している皮膜との濡
れ性が良くなることで、粒子間結合力を向上させてい
る。Siが0.8%未満では、溶滴の流動性が乏しく十
分な粒子間結合力が得られない。また、3%を越えると
皮膜自身がもろくなってしまい、耐摩耗性が低下する。
【0014】(配合比)AlSi系合金粉末と炭素鋼粉
末の配合重量比は、出来た溶射材料の総重量に対する割
合で、上述したAlSi系合金を5〜30%と同様に上
述した炭素鋼を70〜95%とした。炭素鋼が95%を
越えると、AlSi系合金を分散させる効果が少なく、
基材との密着強さに問題があるため皮膜剥離が生じたり
する。また、AlSi系合金を30%を越えて配合する
と、体積率では皮膜中の50容量%を超えるため、耐摩
耗性に問題が生じうる。
【0015】(溶射方法)本発明では、プラズマ溶射、
H.V.O.F(高速ガス炎溶射)、アーク溶射および
ガス溶射等溶射方法に限定はない。本発明の溶射材料
は、特に、内径溶射など不利な溶射方法において効果が
著しい。本発明の摺動部材の基材材質としては、シリン
ダボアやピストンなど内燃機関のエンジン部品に通常用
いられるアルミニウム合金鋳物または展伸材をあげるこ
とができる。適用される部位としては、シリンダボア、
バルブリフタ、バルブシートまたはピストンなどの摺動
部材である。シリンダボアに適用した場合には、鋳鉄ス
リーブシリンダに比較して、スリーブレス化による軽量
化、コンパクト化、そして熱伝導の良さから来る高性能
化を期待できる。以下、実施例と比較例を含むいくつか
のテスト例を用いて詳細に説明する。
【0016】[テスト例1]溶射材料として以下の組成
を有するものを用いた。以下における組成の簡略化した
表記においては、例えば試料についてみると、20重
量%のSi、3.3重量%のCu、1.3重量%のM
g、5重量%のFe、そして残余がAl及びAlと不可
避的不純物であることを示す。試料として、Al−2
0%Si−3.3%Cu−1.3%Mg−5%Fe、試
料として、Al−12%Si−3.4%Cu−1.2
%Mg−5%Fe、比較試料として、Al−12%S
iを用意した。上記3種類の試料をそれぞれ表1の条件
でアルミニウム基材(AC4C T6処理)に溶射し、
皮膜断面硬さHVを測定した。表2に測定結果を示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】測定結果は、全て10点測定の平均値であ
る。試料,は、本発明に基づいた成分の溶射材料を
溶射したもので、皮膜硬さ(ビッカース硬さ)が250
HV0.3以上あるのに対し、比較試料は皮膜硬さが
130HV0.3に満たない。これは、比較試料にC
u,Mg,Feなどの成分が含まれていないためで、C
u,Mg,Feなどが存在すると、溶射皮膜形成時の急
熱急冷によりCu,Mg,Feなどが皮膜マトリックス
に固溶し、マトリックスを硬くするのである。マトリッ
クスの硬さは、そのまま皮膜の耐摩耗性につながるた
め、Cu,Mg,Feを含むことで耐摩耗性が向上する
と言える。本実験ではFeを混ぜたが、Fe以外にNi
やMnにも同じ効果がある。
【0020】[テスト例2]溶射材料として以下の組成
を有するものを用いた。AlSi系合金として、Al−
20%Si−3.3%Cu−1.3%Mg−5%Feの
組成を有し粒度の違う3種類の粉末(AlSi系合金1
〜3、造粒していないもの)と、AlSi系合金造粒粉
として、Al−20%Si−3.3%Cu−1.3%M
g−5%Feの組成を有する粉末をエチレンビスステロ
アミドで造粒した粉末である。各粉末の粒度分布を表3
に示す。
【0021】
【表3】
【0022】AlSi系合金のアトマイズ条件を変えて
粒度の違う3種類の粉末を作製した。これらAlSi系
合金1〜3を表1の条件で溶射すると、試料作製中に全
ての粉末において溶射ガンの粉末吹き出し口で、AlS
i系合金粉末が溶融し詰まってしまった。これは、微粉
が含まれていることによる粉末の流動性が悪いために起
こる現象で、アトマイズ条件の変更では、対応しきれな
いことが分かる。従って、AlSi系合金を溶射するた
めには、分級や造粒等何らかの処理をしなくてはならな
い。しかし、分級処理では、45μmで分級したとして
も30%程度もの粉末を捨てることになり、粉末コスト
が大きく上昇してしまう。
【0023】AlSi系合金を有機系バインダーである
エチレンビスステロアミドで造粒すると、表3に示すよ
うに若干粒径が大きくなる方向にシフトする。この粉末
を表1の条件で溶射するとAlSi系合金1〜3で起き
た詰まりは発生せず、溶射被膜を作製できた。造粒粉
は、AlSi系合金2,3より小さい粒径を多く含む
が、有機系バインダーが全体を覆うため、流動性が改善
される。従って、造粒処理することにより、アトマイズ
した粉末全てを溶射に使用でき、更に細かい粉末を多く
含むことで、内径溶射のような十分な溶射距離が得られ
ないような状況でも、高い皮膜性能が得られる。また、
図1,図2にAlSi系合金造粒粉末およびこの粉末を
表1の溶射条件で溶射した皮膜のX線回折結果を示す。
図1に示す粉末の段階で存在した有機系バインダが図2
に示す溶射皮膜では存在しないことがわかる。すなわ
ち、図1のピークデータの欄に示す本発明のAlSi系
合金造粒粉末では、有機バインダ(C71133n
びC5105のピークがピークデータ欄の左側に現れて
いるが、図2に示す溶射後では、本溶射被膜を表すピー
クデータの欄の左側に示すように、有機バインダについ
ては消滅しているのが分かる。なお、図1中のピークデ
ータの欄の下に示されているAl3.21Si0.47のピーク
は、一般的なAlSi合金であり、その下段は、順にS
i、有機バインダの(C71133n 、同様に有機
バインダのC5105を示している。
【0024】[テスト例3]AlSi系合金粉末の粒度
による違いを調査するために以下の粉末を用いて試料
,比較試料を作製した。AlSi系合金1′とし
て、Al−20%Si−3.3%Cu−1.3%Mg−
5%Feの組成を有するものを45μm以上で分級した
粉末と、AlSi系合金造粒粉として、Al−20%S
i−3.3%Cu−1.3%Mg−5%Feの組成を有
するエチレンビスステロアミド造粒粉と、炭素鋼とし
て、Fe−1.0%C−1.18%Si−0.5%Mn
0.022%P−0.008%Sの組成を有するものを
用意し、試料として、20重量%のAlSi系合金造
粒粉及び80%炭素鋼混合粉末と、比較試料として、
20重量%のAlSi系合金1′及び80%炭素鋼混合
粉末とを準備し、試料、比較試料を表1の溶射条件
で皮膜を形成し、皮膜断面硬さ(HV1.0)を求め
た。その結果、試料は458HV1.0であったの
に、比較試料では389HV1.0と若干低くなっ
た。これは、比較試料に細かいAlSi粒子が含まれ
ていないからで、皮膜の緻密性および粒子間結合力が試
料比べて低いからである。
【0025】[テスト例4]鉄系材料の成分による違い
を調査するために以下の粉末を用いて試料,比較試料
,を作製した。炭素鋼1として、Fe−1.0%C
−1.18%Si−0.5%Mn−0.022%P−
0.008%S、炭素鋼2として、Fe−3.0%C−
2.73%Si−0.6%Mn、炭素鋼3として、Fe
−1.0%C−0.48%Si−0.6%Mn−0.0
5%P−0.007%S、AlSi系合金造粒粉とし
て、Al−20%Si−3.3%Cu−1.3%Mg−
5%Feのエチレンビスステロアミドにより造粒した粉
末を準備し、試料として、20%のAlSi系合金造
粒粉及び80%炭素鋼1混合粉末と、比較試料とし
て、20%のAlSi系合金造粒粉及び80%炭素鋼2
の混合粉末と、比較試料として、20%のAlSi系
合金造粒粉及び80%炭素鋼3の混合粉末を準備し、試
料,比較試料そして比較試料を表1の溶射条件で
皮膜を形成し、皮膜断面硬さ(HV1.0)を求めた。
その結果、試料は458HV1.0、比較試料は3
51HV1.0、比較試料は357HV1.0となっ
た。
【0026】試料は1.0kgfの荷重でも圧跡がき
れいなひし形を形成するのに対し、比較試料,は粒
子間で割れが生じ圧跡が大きくなった。これは、試料
の炭素鋼が、Cを1.0%含むことにより皮膜硬さを高
く保つこと、それからSiを1.18%含むことにより
溶滴の流動性が良くなり、既に形成した皮膜が良く濡れ
粒子間結合力が高くなったからである。それに対し、比
較試料は、Cを3.0%含むことでFe3 C(セメン
タイト)の生成が期待されるが、実際にはSiを2.7
3%と一緒に含むことで、黒鉛の生成が促進され粒子間
結合を弱くしてしまう。また、比較試料はSiが0.
48%と少なく、十分な溶滴の流動性が得られない。従
って、既に形成した皮膜と十分に濡れず、粒子間結合力
が弱くなってしまう。
【0027】[テスト例5]アルミニウム基材と溶射皮
膜との密着強さの炭素鋼配合比による違いを調査するた
めに、各種配合比の時の密着強さを測定した。実験では
以下の粉末を使用して、試料,と比較試料を作製
した。AlSi系合金造粒粉として、Al−20%Si
−3.3%Cu−1.3%Mg−5%Feの組成を有す
るエチレンビスステロアミド造粒粉末と、炭素鋼1とし
て、Fe−1.0%C−1.18%Si−0.5%Mn
−0.22%P−0.008%Sを準備し、試料とし
て、20%AlSi系合金造粒粉及び80%炭素鋼1の
混合溶射皮膜と、試料として、AlSi系合金造粒粉
及び90%炭素鋼1の混合溶射皮膜と、比較試料とし
て、炭素鋼1の溶射皮膜を準備した。各試料は、接着剤
の引き剥がし法により密着強さを測定し、その測定結果
を表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】表4より、炭素鋼の配合量が増えるにつれ
て密着強さが低下しており、炭素鋼だけの皮膜では3.
0kgf/mm2 を切ってしまった。
【0030】[テスト例6]本発明の効果を実証するた
めに2輪エンジンによるベンチテストを行った。エンジ
ンテストは、以下の組成を有する粉末を用いて溶射した
試料,と比較試料,により行った。AlSi系
合金造粒粉として、Al−20%Si−3.3%Cu−
1.3%Mg−5%Feのエチレンビスステロアミドの
造粒粉末と、AlSi系合金1′として、Al−20%
Si−3.3%Cu−1.3%Mg−5%Feを45μ
m以上で分級した粉末と、炭素鋼1として、Fe−1.
0%C−1.18%Si−0.5%Mn0.022%P
−0.008%Sと、炭素鋼4として、Fe−3.1%
C−0.52%Si−0.49%Mn−0.09%P−
0.11%Sを準備し、試料として、20%AlSi
系合金造粒粉及び80%炭素鋼1の混合粉末を溶射した
シリンダブロックと、試料として、10%AlSi系
合金造粒粉及び90%炭素鋼1の混合粉末を溶射したシ
リンダブロックと、比較試料として、20%AlSi
系合金1′及び80%炭素鋼2の混合粉末を溶射したシ
リンダブロックと、比較試料として、炭素鋼1の粉末
だけを溶射したシリンダブロックを用意した。
【0031】基材となるシリンダブロックは、アルミニ
ウム合金(AC4C T6処理)でできており、アルミ
ナグリッドによるブラスト処理後、溶射を行った。溶射
は、内径溶射ガンを用いて上記表1と同じ条件で溶射し
た。また、溶射終了後、ホーニング処理を行い各試料を
仕上げた。ここで、比較試料だけは、ホーニング時に
エッジ部で皮膜剥離が生じ、炭素鋼のみのアルミ基材に
対する密着強さの低さを露呈した。従って比較試料を
除いた試料についてベンチテストを行った。表5にベン
チテストに用いたエンジン諸元とテスト条件を示す。
【0032】
【表5】
【0033】[テストの結果]図3〜図5に、試料,
と比較試料を付着して試験を行った後の摺動部材で
あるシリンダボアの内面を示す。図3の試料及び図4
の試料が付着したシリンダ1の内壁2には、ホーニン
グ跡3が残っており径変化も3μm程度と良好な結果が
得られた。図5に示す比較試料が付着したシリンダ内
壁2は、粒子間結合力の低さからピストンの上下運動の
際に皮膜内の粒子が脱落し、その粒子がシリンダ内壁2
とピストンもしくはピストンリングの間に挟まれ摺動す
ることで、シリンダ内壁2に数多くの縦傷4が発生し
た。また、その脱落粒子は、リング溝にも入り込みテス
ト後のピストンリングの滑りを悪くしており、さらに長
いテストを行うとピストンリングの焼付きなどの不具合
を生じることが予測される。この結果からも、溶射皮膜
の場合粒子間結合力が重要な因子であることが分かる。
なお、図中の5はピストンの上死点におけるピストンリ
ングの上部摺動位置を示す。
【0034】上記したことから分かるように、本実施の
形態によれば、AlSi系合金と炭素鋼を混合して粉末
溶射材料として用い、炭素鋼にSi及びMnを加えるこ
とにより、生成した溶射被膜の粒子間結合を強くしてい
る。本実施形態では、特に内径溶射のような最適な溶射
条件が得られない状況においても、耐摩耗性および耐焼
付き性に優れ、かつエンジン内での繰り返し熱負荷がか
かった場合でも基材との十分な密着強さと皮膜内の十分
な粒子間結合力を維持することができる低コストなアル
ミ合金製の構造体を提供することができる。
【0035】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発
明の技術的思想に基いて種々の変形及び変更が可能であ
る。
【0036】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の溶射材料は、
12〜30%のSiを含むことにより、溶射皮膜の脆さ
を抑え、高い耐摩耗性を維持できる。また、0.5〜
5.0%のCuもしくは0.2〜3.0%のMgの一種
もしくは二種を含みさらにFe,MnおよびNiのうち
少なくとも一種を1〜15%含んだAlSi系合金粉末
を用い、これらの成分を固溶することで、溶射皮膜の硬
さが向上し、更に高温強度に優れた皮膜が形成できる。
さらに、0.6〜2%のCと0.8〜5%のSiそして
0.1〜0.6%のMnを含んだ炭素鋼粉末を用いるこ
とにより、皮膜形成時に黒鉛など粒子間結合力を低下さ
せる物質を形成せず、耐摩耗性の高い溶射皮膜が得られ
る。またさらに、AlSi系合金を5〜30%と炭素鋼
を95〜70%混合することにより、耐摩耗性があり、
かつ密着強さの強い皮膜を得ることができる。(炭素鋼
が70%未満では、十分な耐摩耗性が得られず、95%
を越えるとアルミ基材との密着強さに問題があった。)
【0037】本発明の請求項2に記載の溶射材料によれ
ば、AlSi系合金粉末が、アトマイズ粉末であると、
各粒子内の含有成分(Si,Feなど)量が一定で、し
かも各成分が微細に分散し、皮膜形成時に固溶しやすく
なる。また、有機バインダを用いると皮膜形成時にバイ
ンダが消失してくれる。さらに、造粒粉末はAlSi系
合金粉末の歩留まりを向上させ、更に細かい粒子を皮膜
形成に用いることができるため、緻密で分散状態の良い
理想的な皮膜が形成できる。
【0038】本発明の請求項3に記載の溶射材料を溶着
した摺動体によれば、請求項1に記載の溶射材料をその
摺動面に付着させているので、それと同様な効果を得る
ことができる。本発明の請求項4に記載の溶射材料を溶
着した摺動体によれば、上記請求項2に記載の溶射材料
をその摺動面に付着させているので、それと同様な効果
を得ることができる。
【0039】本発明の請求項5に記載の溶射材料を溶着
した摺動体によれば、上記混合物の皮膜を、上記摺動部
材が摺動する内燃機関のシリンダボア内面に使用してい
る。すなわち、十分な溶射距離が得られないシリンダボ
ア内面においても、流動性の高い溶滴が得られる材料で
構成されているため、基材や粒子同士の結合が良い皮膜
が得られ、エンジン燃焼による繰り返し熱負荷やピスト
ンリングの摺動に耐える、内燃機関のエンジンシリンダ
に適した摺動体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるAlSi系合金造粒粉末のX線
解析結果を示すグラフである。
【図2】本発明におけるAlSi系合金造粒粉末の溶射
被膜のX線回折結果を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例における試料をシリンダの内
壁に溶射し、ベンチテストをした後のシリンダ孔の状態
を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例における試料をシリンダの内
壁に溶射し、ベンチテストをした後のシリンダ孔の状態
を示す斜視図である。
【図5】本発明の比較例における比較試料をシリンダ
の内壁に溶射し、ベンチテストをした後のシリンダ孔の
状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 シリンダ内壁 3 ホーニング跡 4 縦傷 5 ピストンリングの上部位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 正志 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式 会社内 Fターム(参考) 3G024 AA14 AA15 AA22 FA06 FA13 FA14 GA19 HA07 4K031 AA02 AA08 AB08 CB03 CB24 CB28 CB29 CB37

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 12〜30重量%のSiと、0.5〜
    5.0重量%のCuもしくは0.2〜3.0重量%のM
    gの一種もしくは二種と、Fe,MnおよびNiのうち
    少なくとも一種を1〜15重量%含み、残余が不可避的
    不純物を含むAlである5〜30重量%のAlSi系合
    金粉末、及び0.6〜2.0重量%のCと、0.8〜
    5.0重量%のSiと、0.1〜0.6重量%のMnと
    を含み、残余が不可避的不純物を含む炭素鋼である95
    〜70重量%の炭素鋼粉末を混合して成ることを特徴と
    する溶射材料。
  2. 【請求項2】 上記AlSi系合金粉末が、アトマイズ
    粉末を有機バインダで造粒した造粒粉末であることを特
    徴とする請求項1に記載の溶射材料。
  3. 【請求項3】 12〜30重量%のSiと、0.5〜
    5.0重量%のCuもしくは0.2〜3.0重量%のM
    gの一種もしくは二種と、Fe,MnおよびNiのうち
    少なくとも一種を1〜15重量%含み、残余が不可避的
    不純物を含むAlである5〜30重量%のAlSi系合
    金粉末、及び0.6〜2.0重量%のCと、0.8〜
    5.0重量%のSiと、0.1〜0.6重量%のMnと
    を含み、残余が不可避的不純物を含む炭素鋼である95
    〜70重量%の炭素鋼粉末を混合し、これら混合物から
    成る溶射材料の皮膜を摺動部材の摺動面に形成したこと
    を特徴とする構造体。
  4. 【請求項4】 上記AlSi系合金粉末が、アトマイズ
    粉末を有機バインダで造粒した造粒粉末であることを特
    徴とする請求項3に記載の構造体。
  5. 【請求項5】 上記溶射材料の皮膜を、内燃機関のシリ
    ンダ孔の内面及び該シリンダ孔内を摺動するピストンの
    摺動面の少なくともいずれか一方に形成したことを特徴
    とする請求項3に記載の構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101319165B1 (ko) * 2005-06-15 2013-10-16 말레 인터내셔널 게엠베하 실린더 슬리브 코팅 방법

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