JP2000282111A - 低Si溶銑の製造方法 - Google Patents

低Si溶銑の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、高炉で高塩基性物質、鉄スクラッ
プ、還元鉄等を多量に使用しても、確実に溶銑中Si濃
度を0.2重量%以下にでき、且つ安定した操業が可能
な低Si溶銑の製造方法を提供することを目的としてい
る。 【解決手段】鉱石とコークスとからなる原料のうち、少
なくとも鉱石を、炉頂に設けられた装入シュートを旋回
させつつ炉中心部から炉壁方向に傾動させて装入する高
炉での低Si溶銑の製造方法において、前記鉱石の1チ
ャージ分を2バッチ以上に分割し、分割された一つのバ
ッチを高CaO含有物質と混合したバッチとなし、該バ
ッチを、炉内を炉半径方向に炉中心部、炉壁部の2領域
に区分したうちの炉壁部へ装入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低Si溶銑の製造
方法に係わり、詳しくは、スクラップ、還元鉄、あるい
は高塩基性物質を高炉の炉壁側へ優先的に装入し、炉芯
部の通気性、通液性を阻害することなく安定して低Si
溶銑を製造する技術である。
【0002】
【従来の技術】図5に、高炉内の状態を模式的に示す。
高炉では、炉頂から鉄源の鉄鉱石(塊鉱石や焼結鉱、ペ
レット等)及び副原料の石灰石等からなる鉱石1と、コ
ークス2といった原料が交互に装入され、炉内に鉱石と
コークスの層状の充填層が形成される。この交互に装入
される鉱石1あるいはコークス2をそれぞれ1チャージ
分の鉱石あるいは1チャージ分のコークスと呼ぶ。各チ
ャージの鉱石は、それぞれ1回の装入で炉内へ装入され
る場合もあるし、また1チャージ分の鉱石を2回以上の
装入に分割して行う場合もある。この分割された鉱石の
装入をそれぞれバッチと呼ぶ。同様に1チャージ分の鉱
石あるいは1チャージ分のコークスも分割してバッチ分
けて装入されることもある。前記炉内に形成された充填
層へ炉の下方に設置した羽口10から高温の空気あるい
は酸素富化空気を吹き込むことで、コークスを燃焼して
高温の還元性ガスを生成させ、これが炉内の充填層中を
上昇する間に、鉱石の還元が溶融を行い、溶融した銑鉄
及びスラグが炉床8へ滴下し、これを炉床8に開口した
出銑口11から炉外へ出銑することで溶融銑鉄が製造さ
れる。
【0003】この高炉を安定に操業するには、炉内の高
温ガスの流れを適正に制御して、炉内の充填層の温度分
布を適正にし、昇温、還元、溶融を安定に行うことが必
要である。従来の研究では、炉壁部に比べて炉中心部の
ガス流れを多くすると、炉内の充填層を形成する原料が
安定して降下し、昇温、還元、溶融が安定に行われるこ
とが判っている。炉壁部側にガス流れが多くなると、円
周方向に不均一なガス流れとなり易く、その結果、円周
方向に2つないし4つ設けられる出銑口11から出銑さ
れる溶銑スラグの成分がばらつくといった不安定な操業
になり易い。
【0004】このような不安定な操業では、ガスの通気
性の比較的悪い場所においても十分な熱を供給して、溶
銑温度の低下といった品質悪化を防ぐ必要があるため、
高炉全体として炉内へ供給する熱量を増加しなければな
らない。その結果、高炉内においてSiO2の還元反応
が進み、溶銑中Siが上昇するといった問題が生じる。
溶銑中SiO2が高いと、後工程となる溶銑予備処理あ
るいは製錬処理におけるフラックスの添加量を増やす必
要があり、コスト的には不利である。従って、溶銑の品
質を安定して良好なものとするためにも、炉内ガス流分
布の安定による操業安定が必要である。
【0005】炉中心部にガス流を多くするような操業を
行う手段として最も基本的なものは、当炉内へ装入する
原料の粒径を制御し、炉中心部へ粗い原料を装入し、炉
壁部へ細かい原料を装入することで、炉中心部のガス通
気抵抗を炉壁部に比べて小さくするものである。つま
り、原料の炉内への装入時に炉内の充填層を形成する原
料の粒径分布を適正にすることが安定操業の重要な操作
手段となっている。
【0006】原料を装入する手段の一つに、炉頂に設置
したホッパ(図示せず)より装入シュート3を介して装
入するベルレス装入装置が知られている。これは、一回
の原料装入にあたり、装入シュート3を所定の旋回数だ
け旋回させて炉内へ装入しながら各旋回数における傾動
角を変更させて原料を炉内へ散布するものであり、装入
シュート3の鉛直下方とのなす角(傾動角θ)を順次変
更させながら装入することで、充填層の任意の位置に原
料を配置するものである。この傾動角の変更は、原理的
には、任意に変更できるものではあるが、数十トンの原
料を装入シュートの十数回の旋回中に装入するという規
模の設備であるので、旋回途中で傾動角をいきなり大き
くしたり、あるいは小さくしたり自在に変更すること
は、設備的にも負荷が大きいのみならず、傾動角を変更
中に装入される原料の炉内での着地地点が制御し難いと
言った問題がある。そのため、傾動角の変更は、経時的
に徐々に小さくする、あるいは大きくするといった一方
向で行うのが普通である。
【0007】前記した高炉での適正な原料粒径分布をこ
のベルレス装入装置で達成するためには、炉頂のホッパ
から排出される原料を経時的に粒径変化できることが好
ましい。一般に、ホッパへ上方から粉粒体を投入してい
くと、投入された原料の着地地点を頂上とする山を形成
するが、その山の頂上付近は粒径の細かいものが存在
し、ホッパ壁部の裾野の方には粒径の粗いものが存在す
る。従って、その後下方の排出口から排出させる時、そ
の山の粒径の細かいものから排出され、最後にホッパ壁
部の粒径の粗いものが排出されるという特性がある。従
来は、前記した装入シュートの傾動角を大きい角度から
徐々に小さい角度へ変更しながら旋回させるという所謂
「傾動方向」に装入シュートを動かしていた。また、同
時に炉内での原料堆積表面形状を炉壁部で高く炉中心部
で低いすり鉢形状とすることが行われており、これによ
り、炉内へ原料が着地した後に、比較的粗い原料は炉中
心部へ転がる効果を期待していた。また、このすり鉢形
状の原料堆積表面形状では、炉中心部の充填層の厚みが
炉壁部よりも薄くなるので、その点でも炉中心部のガス
流を多くする効果が期待できる。
【0008】ところで、高炉4で、低Si溶銑(溶銑中
のSi濃度が0.2重量%以下)を製造する技術に、高
塩基性物質を炉の炉壁側に優先的に装入して操業する方
法がある。例えば、特開平8−311511号公報は、
高炉装入物の塩基度分布を、炉の無次元半径0.7±
0.1より大きい領域(炉壁部)で高く、中心部で低く
し、且つ中心部へのコークス装入量を増加して炉芯の通
気性、通液性を高く維持して、安定的に低Si溶銑を製
造するものである。この技術は、図5に示す羽口13前
方の高温域で下記反応により生じたSiOガスが溶銑中
に移行するが、該高温域を通過する溶融物の塩基度を高
め、SiO2の活量を低下させ、SiOガスの発生を抑
制することに基づいている。
【0009】SiO2 +C(コークス中)→SiO(ガ
ス) +CO(ガス) SiO +C(溶銑中)→Si(溶銑中) +CO(ガ
ス) また、特開昭63−137110号公報は、鉄スクラッ
プ、還元鉄等のメタリック鉄を高炉装入物へ加え、該メ
タリック鉄の量を調整して低Si溶銑を製造する技術を
提案している。この技術は、高炉4内で、固体粒子とガ
スの熱容量の比である熱流比を高めて操業すると、図5
に示した融着帯6が羽口13レベルに向けて下がり、滴
下する溶銑とSiOガスとの接触機会が減ることに基づ
いている。
【0010】これら特開平8−311511号公報及び
特開昭63−137110号公報記載の技術を用いる
と、炉芯(デッド・マン9と称し、コークスがコーン状
に堆積している部分、図5参照)の不活性化(通気、通
液が悪い状態になる)がある程度防止でき、低Si溶銑
を製造できるようになった。しかしながら、低Si溶銑
を確実に製造するには、まだ操業に不安定な面もあり、
改良の余地があると考えられていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、高炉で高塩基性物質、鉄スクラップ、還元鉄等
を多量に使用しても、確実に溶銑中Si濃度を0.2重
量%以下にでき、且つ安定した操業が可能な低Si溶銑
の製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、前記従来の技術を鋭意見直した。その結
果、従来通常行われている装入シュートを順傾動方向へ
変更しながら装入する方法では、装入物が所定の領域に
確実に入らない場合があることが判った。すなわち、前
記したように、装入シュートを順傾動方向へ変更して炉
内の原料堆積面をすり鉢状に形成する方法では、炉内へ
原料が着地した後に比較的粗い原料は炉中心部へ転がる
効果で炉中心部の原料粒径を比較的大きいものとしてい
たが、これと同時に、炉壁部へ装入する高塩基度物質が
炉中心部へ流れ込む可能性を生じていたのであった。つ
まり、従来の装入方法では、装入物充填面が炉中心へ向
けて低くなっている(通常、安息角として30°程度の
勾配がつく)。そのため、特開平8−311511号公
報記載の技術では、周辺へ装入した高塩基度物質(Ca
O含有量の多い鉄鉱石、石灰石、ドロマイト等)の一部
は、その傾斜面を転がったり、あるいは流れ落ちて中心
部に充填され、高塩基性物質が炉の周辺部に堆積してお
らず、また、炉芯の通気性、通液性も良くならない。
【0013】一方、特開昭63−137110号公報記
載の技術では、炉の半径方向全体にわたって平均して融
着帯6の位置が低下するので、特に高温域における羽口
13レベルとの距離が予想したほど短くならず、その領
域における溶銑へのSi吸収が抑制されていないと考え
られた。そこで、発明者は、これら問題点の対策をさら
に研究し、その成果を本発明に具現化したのである。
【0014】すなわち、本発明は鉱石とコークスとから
なる原料のうち、少なくとも鉱石を、炉頂に設けられた
装入シュートを旋回させつつ炉中心部から炉壁方向に傾
動させて装入する高炉での低Si溶銑の製造方法におい
て、前記鉱石の1チャージ分を2バッチ以上に分割し、
分割された一つのバッチを高CaO含有物質と混合した
バッチとなし、該バッチを、炉内を炉半径方向に炉中心
部、炉壁部の2領域に区分したうちの炉壁部へ装入する
ことを特徴とする低Si溶銑の製造方法である。その
際、前記高塩基性物質を石灰石及び/又はドロマイトと
することが好ましい。
【0015】さらに、本発明は、鉱石とコークスとから
なる原料のうち、少なくとも鉱石を、炉頂に設けられた
装入シュートを旋回させつつ炉中心部から炉壁方向に傾
動させて装入する高炉での低Si溶銑の製造方法におい
て、前記鉱石の1チャージ分を2バッチ以上に分割し、
分割された一つのバッチの全量あるいは一部を金属鉄と
なし、該バッチを、炉内を炉半径方向に炉中心部、炉壁
部の2領域に区分したうちの炉壁部へ装入することを特
徴とする低Si溶銑の製造方法である。その際、前記メ
タリック鉄を鉄スクラップ及び/又は還元鉄とすること
が好ましく、さらに加えて、前記中心部を炉中心から無
次元半径で0.6±0.2の領域とするのが良い。
【0016】本発明では、ベルレス式装入装置を備えた
高炉4に、鉄鉱石1(鉄鉱石、焼結鉱、その他造滓用鉱
石を含む)及びコークス2を交互に装入するに際し、旋
回シュート3の傾斜を炉4の中心から周辺へ向かうよう
に変更しつつ旋回させるようにしたので、充填層面に従
来生じていた中心向けの勾配が解消された。その結果、
周辺部に装入された物質の1部が、あるいは表層が炉4
の中心部に入り込むのを完全に防止できるようになる。
また、羽口10前の高温域でのSiOガスの発生や、溶
銑への該ガスの吸収が従来より確実に抑制されるように
なり、低Si溶銑が安定して得られるようになった。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。
【0018】図1(a)は、従来の順傾動方向へ傾動角
を変更して鉱石1を装入したときの炉内鉱石の堆積状態
を模式的に示している。ここでは、装入シュート3の各
旋回毎の鉱石の堆積状況を示している。炉壁側から鉱石
の装入を行っているため、コークス2の堆積面の斜面上
に装入された鉱石が斜面に沿って炉中心部側へ流れ込
む。そこで、ある旋回数において装入された原料が落下
地点から炉中心部へ亘って広い範囲で堆積する。これに
対して、後述の本発明で行うように、逆傾動方向に鉱石
1の装入を行うと、図1(b)に示すように、先に装入
したコークスが堰となって次の旋回で装入されるコーク
スは落下地点に山を形成し、順傾動方向に装入するのに
比べて遥かに狭い場所に堆積する。これにより、装入物
の落下位置への原料装入が非常に精度よく行うことがで
きるのである。なお、図1においては、コークスは1チ
ャージ分の堆積形状をまとめて示している。
【0019】本発明では、この現象を利用して、鉱石チ
ャージを2つ以上のバッチに分割して、その一つのバッ
チを高CaO含有物質と混合したバッチとするか、ある
いは金属鉄と混合したバッチとし、このバッチを炉壁部
へ装入することにより、高CaO含有物質を炉壁部に集
中的に使用することが可能となる。
【0020】図2は、鉱石チャージを2バッチに分割
し、その一方の鉱石バッチ(混合バッチ)1aに高Ca
O含有物質あるいは金属鉄を混ぜた時の炉内堆積状況を
示す。高CaO含有物質あるいは金属鉄を混ぜない通常
の鉱石バッチ(非混合バッチ)1bを炉内の炉中心部へ
装入した後に、高CaO含有物質あるいは金属鉄を混ぜ
た鉱石バッチ1aを炉壁部へ装入している。このように
鉱石バッチを分けて高CaO物質あるいは金属鉄を装入
することで炉中心部へ装入する通常の鉱石バッチ1bに
高CaO含有物質あるいは金属鉄が混じることがなく、
また高CaO含有物質あるいは金属鉄を装入する鉱石を
装入する鉱石バッチ1aは炉壁部へ逆傾動方向に装入す
るので、炉中心部へ高CaO含有物質あるいは金属鉄が
流れ込むことがない。従って、小塊コークスの使用量を
増やしていっても、炉中心部へ高CaO含有物質が混入
し、炉中心部のガス流を抑制することがなくなり、また
羽口前の高温域でのSiOガスの発生や溶銑への該ガス
の吸収が抑制できる。
【0021】本発明では、鉄鉱石1に混合する高塩基性
物質には、石灰石、ドロマイト、CaO含有量の高い鉄
鉱石等を用いる。さらに、この場合、周辺部に装入され
た物の全体で塩基度が1.8〜3.0であることが好ま
しい。1.8未満では、SiOガスの発生量を低減させ
る効果が少なく、3.0超えでは後にスラグとなった
際、スラグの塩基度が高過ぎて、高炉4の安定操業に悪
影響を及ぼすからである。鉄スクラップを混合する場合
は、そのサイズをなるべく事前に調整し3〜200mm
程度にすることが好ましい。あまり大きいと、正常な充
填が難しくなるし、小さ過ぎると、通気性を悪化させる
からである。還元鉄としては、他の装置で鉄鉱石1を予
備還元したものが利用するのが良い。製鉄所内で得られ
る排ガスの利用で、安価に入手できるからである。その
他、市場に流通する鉄スクラップ、製鉄所内で発生する
鉄スクラップ等も好適に利用できる。
【0022】なお、上記した炉4の中心部、周辺部とい
う領域の大きさは、高炉4の容量によってそれぞれ異な
る。しかし、本発明の目的は、炉内のガス流れを中心に
多くして(中心流志向という)、安定操業を図ることに
あるので、中心部の無次元半径(中心からの距離/炉口
部半径)で0.6±0.2を好ましい範囲とする。0.
4未満では、明確なガスの中心流分布が得られず、0.
8を超えると周辺部に高塩基性物質、あるいは鉄スクラ
ップ等を優先的に装入した効果が十分に発揮できず、溶
銑中のSi濃度が安定して0.15重量%以下にならな
いからである。
【0023】
【実施例】(実施例1)ベルレス装入装置を備えた50
00m3級高炉の操業に、本発明に係る方法と従来の方
法とを期間を別にして適用した。その操業で製造した銑
鉄の出銑量は、9000t/d〜11000t/dであ
り、操業条件としては、送風量 6500Nm3/mi
n、炉頂圧力 260kPa、コークス比 450kg
/t、微粉炭比 70kg/tを基準とした。
【0024】また、装入物としては、コークス2が平均
粒径50mmに整粒した塊状の高炉コークスであり、鉄
鉱石1が、粒径15〜25mm程度の焼結鉱及び鉄鉱石
等である。高塩基性物質には、石灰石、ドロマイトを粒
径5〜20mmに調整したのものを用いた。1チャージ
あたりの装入量は、コークス2が35トン、鉄鉱石1が
110トンである。
【0025】鉄鉱石は、2バッチに分割し、先に装入す
るバッチ(O1バッチ)は65トン、後に装入するバッ
チ(O2バッチ)は45トンとした。O2バッチは、石
灰石とドロマイトを含み、O2バッチ中鉱石の塩基度
(CaO重量%/SiO2重量%)は2.0となるよう
に調整した。
【0026】最初に比較例1としてO1バッチ、O2バ
ッチ共に装入シュートを炉壁部から炉中心部方向へ変更
しながら装入して操業を行った。旋回速度は8rpmを
基準として適宜変更した。O1バッチは、炉半径方向で
ほぼ全面に堆積するように装入した。その後、O2バッ
チを傾動角を最初60°から1旋回毎に1度ずつ低減さ
せて炉半径方向で炉中心軸から無次元半径0.5〜1に
相当する位置へ着地するように装入した。
【0027】その後、本発明に係る装入を実施し、実施
例1の操業とした。O1、O2バッチの量、構成成分は
同一とし、装入シュートの傾動方向を炉中心部から炉壁
部へ変更した。O1バッチは、比較例1と同様に炉半径
方向でほぼ全面に堆積するように装入した。その後、O
2バッチを傾動角45°から1旋回毎に1°ずつ増加さ
せて、炉半径方向で炉中新宿から無次元半径0.5〜1
に相当する位置へ着地するように装入した。
【0028】これらの操業期間中に多数回の出銑が行わ
れたが、溶銑中のSi濃度は、図3に示すように、本発
明の適用時のほうが従来方法の適用時に比べて低くなっ
ている。また、本発明によれば、炉床でのスラグ・バラ
ンスの崩れが少なく、円滑な操業ができたのに対し、従
来の方法では、長い期間に渡り、送風量の低減を余儀な
くされる状況があった。図3の通気抵抗F2は、[(送
風圧力kg/cm22−(炉頂圧力kg/cm22]/
(炉のガス量Nm3/min)1.7で定義される指数であ
り、本発明の適用により、通気抵抗も低く安定してい
る。 (実施例2)実施例1と同様な操業条件で、鉄スクラッ
プ、還元鉄を、炉周辺部に装入する操業を行った。装入
物としては、コークス2が平均粒径50mmに整粒した
塊状の高炉コークスであり、鉄鉱石1が、粒径15〜2
5mm程度の焼結鉱及び鉄鉱石等である。鉄スクラップ
は、製鉄内で発生したもので、平均サイズが長さ50m
m、幅30mm,厚み20mm程度のものであり、還元
鉄は、粒径10〜25mmの還元ペレットを用いた。そ
れらの量は、鉄鉱石1トンあたり、それぞれ0.1ト
ン、0.1トンである。なお、1チャージあたりのコー
クス量は35トン、鉱石量は鉄スクラップ還元鉄を加え
て10トンである。
【0029】最初に、比較例2として、鉱石100トン
と鉄スクラップ10トン、還元鉄10トンを合わせた1
20トンの1チャージ分の鉱石を1回の装入で炉内へ装
入する操業を行った。装入シュートを炉壁部から炉中心
部方向へ変更しながら、炉半径方向でほぼ全面に堆積す
るように装入した。旋回速度は8rpmを基準として適
宜変更した。
【0030】その後、実施例1とは別形態の本発明に係
る操業を行い実施例2とした。実施例2では、鉄鉱石を
2バッチに分割し、先に装入するバッチ(O1バッチ)
は60トン、後に装入するバッチ(O2バッチ)は60
トンとした。O2バッチは、鉄スクラップ10トン及び
還元鉄10トンを含むバッチとした。
【0031】O2、O2バッチは、いずれも装入シュー
トの傾動方向を炉中心部から炉壁部方向へ変更した。O
1バッチは、炉半径方向でほぼ全面に堆積するように装
入した。その後、O2バッチを傾動角45°から1旋回
毎に1°ずつ増加させて炉半径方向で炉中心軸から無次
元半径0.5〜1に相当する位置へ着地するように装入
した。
【0032】これらの操業期間中に多数回の出銑が行わ
れたが、図4に示すように、溶銑中の平均Si濃度は、
本発明の適用時が0.20重量%、従来方法の適用時が
0.24重量%であった。つまり、本発明によれば、安
定して確実に溶銑中のSi濃度が低減できる。また、本
発明によれば、炉床でのスラグ・バランスの崩れが少な
く、円滑な操業ができたのに対し、従来の方法では、長
い期間に渡り、送風量の低減を余儀なくされる状況があ
った。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、高C
aO含有物質、金属鉄等の炉壁部装入が確実に行うこと
ができ、従来より安定した低Si溶銑が製造できるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉へコークスを装入した時の炉内充填層堆積
形状を示す模式図であり、(a)は、従来の順傾動方
式、(b)は、逆傾動方式の場合である。
【図2】本発明による炉内充填層表面堆積形状を示す図
である。
【図3】本発明の実施例1及び比較例1の方法による操
業で得た溶銑中Si濃度等の経時変化を示す図である。
【図4】本発明の実施例2及び比較例2の方法による操
業で得た溶銑中Si濃度等の経時変化を示す図である。
【図5】一般的な高炉の内部状況を示す図である。
【符号の説明】
1 鉄鉱石 1a 混合バッチ 1b 非混合バッチ 2 コークス(塊コークス) 3 旋回シュート 4 高炉(炉) 5 混合物(高塩基性物質を混合した鉄鉱石) 6 軟化帯(融着帯) 7 シャフト部 8 炉床 9 炉芯(デッド・マン) 10 羽口 11 出銑口 12 炉壁 13 高炉の中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌野 秀行 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 佐藤 健 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 野内 泰平 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 武田 幹治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K012 BA01 BA02 BA04 BA07 BA08 BC02 BC04 BC10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱石とコークスとからなる原料のうち、
    少なくとも鉱石を、炉頂に設けられた装入シュートを旋
    回させつつ炉中心部から炉壁方向に傾動させて装入する
    高炉での低Si溶銑の製造方法において、前記鉱石の1
    チャージ分を2バッチ以上に分割し、分割された一つの
    バッチを高CaO含有物質と混合したバッチとなし、該
    バッチを、炉内を炉半径方向に炉中心部、炉壁部の2領
    域に区分したうちの炉壁部へ装入することを特徴とする
    低Si溶銑の製造方法。
  2. 【請求項2】 鉱石とコークスとからなる原料のうち、
    少なくとも鉱石を、炉頂に設けられた装入シュートを旋
    回させつつ炉中心部から炉壁方向に傾動させて装入する
    高炉での低Si溶銑の製造方法において、前記鉱石の1
    チャージ分を2バッチ以上に分割し、分割された一つの
    バッチの全量あるいは一部を金属鉄となし、該バッチ
    を、炉内を炉半径方向に炉中心部、炉壁部の2領域に区
    分したうちの炉壁部へ装入することを特徴とする低Si
    溶銑の製造方法。
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JP6885528B1 (ja) * 2020-01-29 2021-06-16 Jfeスチール株式会社 高炉への原料装入方法

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