JP2000274231A - 蓄熱体を有する排気ガス浄化装置 - Google Patents

蓄熱体を有する排気ガス浄化装置

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JP2000274231A
JP2000274231A JP11079671A JP7967199A JP2000274231A JP 2000274231 A JP2000274231 A JP 2000274231A JP 11079671 A JP11079671 A JP 11079671A JP 7967199 A JP7967199 A JP 7967199A JP 2000274231 A JP2000274231 A JP 2000274231A
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exhaust gas
temperature
heat storage
heat
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Taiji Uekusa
泰治 植草
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】排気ガスを浄化するための触媒を有する触媒を
複数個設けて直列に配置し、これらの下流側の触媒に流
入する排気ガス温度をできるだけ活性温度領域内に維持
して、下流側の触媒を活性化し化学反応を促進して、浄
化対象ガスを効率良く清浄化できる蓄熱体を有する排気
ガス浄化装置を提供する。 【解決手段】エンジンEの排気ガスGが通過する排気通
路6に触媒71a,72aを直列に複数個配設すると共に、
上流側の前記触媒71aと下流側の前記触媒72aとの間に
蓄熱体71bを配設して蓄熱体を有する排気ガス浄化装置
7を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンなどの内燃機関の排気ガス等のガスに還元剤又は酸化
剤を添加して、触媒作用を利用して排気ガスを浄化する
と共に、蓄熱体を配設して触媒の温度を触媒活性温度領
域内の長く維持する蓄熱体を有する排気ガス浄化装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関や一部のガソリン機関等
の内燃機関の排気ガス中からNOxを還元除去するため
や、様々な燃焼ガスを浄化するための排気ガス浄化装置
について種々の研究や提案がなされている。
【0003】特に、自動車のディーゼルエンジンやガソ
リンエンジン一部等では、エンジンの排気通路に触媒構
造体(触媒コンバータ)を設けて、触媒作用を利用して
排気ガス中のNOx(窒素酸化物)、HC(炭化水
素)、CO(一酸化炭素)等を還元あるいは酸化除去し
て排気ガスを浄化している。
【0004】この触媒構造体は一般に触媒担持体(担
体)、活性成分(触媒成分)と助触媒や安定剤等の添加
成分とから構成されており、この活性成分としては、N
Oxの還元触媒の場合には、Cu−ゼオライト系や貴金
属系のPt(白金),Pd(パラジウム),Rh(ロジ
ウム),及びIr(イリジウム)を用い、それぞれの水
溶性塩を用いてAl2 3 等の触媒担持体に含浸し担持
した貴金属担持触媒が用いられている。また、3元触媒
の場合には、Pt−RhやPt−Pd−Rh系の混合物
が一般的に使用されている。
【0005】また、この活性成分を担持する触媒担持体
には、ペレット触媒とハニカム(モノリス)触媒の2種
類があるが、ハニカム触媒は、例えば、金属材料の平板
状帯板と波板状帯材とを相互に当接するように積層し、
これを巻回成形してハニカム形状に成形し、このメタル
製ハニカム体のセルと呼ばれるガス流通孔の内周面に、
触媒の活性成分をコーテングして触媒層を形成してい
る。
【0006】この触媒構造体を有する排気ガス浄化装置
により、排気ガス中のNOxを還元除去する場合には、
内燃機関の燃焼室から排出される未燃HC(炭化水素)
や、排気管中に噴射供給される燃料等の還元剤を、排気
ガス等の浄化対象ガス中に混入させて、この還元剤を含
む浄化対象ガスを触媒構造体の各セル内を通過させるこ
とにより、触媒層の活性成分に触れさせて、NOxと還
元剤との化学反応を促進し、NOxを還元してN2 に変
化させて排気ガスを浄化している。
【0007】しかしながら、これらの触媒の浄化率(転
化率)は、図9に示すように、触媒温度に対する依存性
が大きく、温度によって大きく変化する。即ち、浄化率
の良い温度ウインドと呼ばれる触媒活性温度領域は限定
され、この活性温度領域より低い温度でも、また、高い
温度でも浄化率が著しく低下し、この触媒活性温度領域
以外では還元剤を供給しても効果的な反応が起こらず、
排気ガスを浄化できない。
【0008】そのため、触媒が活性温度領域以外の時
は、化学反応の促進効率が悪く、排気ガス中に還元剤が
混入したまま排出されることになり、かえってガスの浄
化を妨げると共に、供給された還元剤は無駄となるので
燃費を悪化させるので、触媒が活性温度領域内にある時
に還元剤をタイミング良く供給することが重要になる。
【0009】しかも、図9に示すように、この触媒の温
度依存性は、触媒の種類によって異なるという性質があ
り、特に、希薄空燃比でCO、HC、NOxの排出量を
少なくするリーンバーン方式のエンジンにおいては、リ
ーンNOx還元触媒の触媒成分としてPtを使用して、
NOxを浄化しているが、このリーンNOx還元触媒の
場合は、170℃〜250℃の触媒温度範囲で、排気ガ
スを浄化する必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ンの始動時やアイドリング時や負荷の低い運転状態では
排気ガス温度が下がり、特にエンジン回転が高く負荷が
低い減速時等の状態では、多量の空気を吸い込むので排
気ガス温度は急激に下がり易く、また、一般的に高速高
負荷の運転状態では排気ガス温度は上昇する。即ち、エ
ンジンの運転状態により、排気ガス温度が変化してお
り、それに伴って、触媒も温度変化し、活性温度領域か
ら外れる状態が発生するという問題がある。
【0011】また、排気ガス温度の昇温時には、入口側
の触媒の温度より中心部の触媒温度は低く、逆にエンジ
ン出力の低下等で排気ガス温度が降温する場合には、入
口側の触媒の温度より中心部の触媒温度は高くなり、触
媒の主反応部分が同じ温度になるまでの時間遅れが生じ
る。
【0012】そのため、触媒に流入する排気ガス温度が
変動すると、触媒構成体の入口部分や中心部分や出口部
分などで、温度が異なり、触媒構成体自体も全体に渡っ
て均等な温度分布になることが難しく局所的に高温部分
と低温部分ができ、活性温度領域から外れる部分ができ
てしまい、全体的な浄化率が低下するという問題があ
る。
【0013】これらの、時間的な温度変化と局部的な温
度変化により、全体としての浄化率が低下すると、還元
剤が有効に消費されず、排気ガス成分として排出されて
しまうので、更に排気ガスの浄化効率が悪化するという
問題に発展する。そのため、この排気ガスの温度変化に
よる排気ガス浄化効率の低下は排気ガス対策上で重要な
問題となっている。
【0014】特に、メタル製ハニカム体を触媒の担持体
とする場合には、この担持体を構成する金属の比熱が小
さいために触媒構造体の熱容量が小さくなるので、排気
ガス温度の変化に伴って触媒構造体の温度変化も大きく
なる。
【0015】また、排気ガス温度を計測しながら、排気
ガス温度が触媒の活性温度領域内にある時に還元剤を触
媒に供給しても、上流側の触媒の化学反応に伴う吸熱及
び発熱により触媒と通過している最中に排気ガス温度が
変化するので、触媒を一か所に配置して集中的に酸化還
元反応を行なうと下流に位置する触媒における排気ガス
温度が活性温度領域外になってしまうという問題もあ
る。
【0016】本発明は、上述の問題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、排気ガスを浄化するた
めの触媒を有する触媒を複数個設けて直列に配置し、こ
れらの下流側の触媒に流入する排気ガス温度をできるだ
け活性温度領域内に維持して、下流側の触媒を活性化し
化学反応を促進して、浄化対象ガスを効率良く浄化でき
る蓄熱体を有する排気ガス浄化装置を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するための蓄熱体を有する排気ガス浄化装置は、次のよ
うに構成される。 1)エンジンの排気通路に触媒を直列に複数個配設する
と共に、上流側の前記触媒と下流側の前記触媒との間に
蓄熱体を配設して構成される。
【0018】この蓄熱体としては、熱容量が大きいもの
であれば、下流側(後段)の触媒に流入する排気ガス温
度の温度変化を緩和でき、物質の温度変化を利用して蓄
熱する顕熱蓄熱材、物質の融解や転移を利用して蓄熱す
る潜熱蓄熱材、熱を一度化学エネルギーに変換して貯蔵
する化学蓄熱材等を使用できる。
【0019】この構成の蓄熱体を有する排気ガス浄化装
置によれば、排気ガス温度が上昇する時や下降する時に
は、蓄熱体が熱を吸収又は放熱するので、上流側(前
段)の触媒を通過した後の排気ガスの温度変化が緩和
し、下流側の触媒の温度の変化も緩和される。
【0020】特に、触媒では化学反応により発熱及び吸
熱が起こり、触媒通過後の排気ガス温度は触媒通過前の
排気ガス温度と異なってくるので、この触媒による排気
ガス温度の変化が、触媒を分割配置することにより分散
するので、上流側の触媒の化学反応による温度変化が小
さくなり、活性温度領域内に維持される時間が長くな
る。
【0021】また、上流側の触媒通過で温度変化した排
気ガスを、蓄熱体を通過させることにより、下流側の触
媒に流入する前に、下流側の触媒の活性温度領域内の温
度に再度変化させるので、下流側の触媒においても、活
性温度領域内に維持される時間が長くなる。
【0022】また、触媒を複数個配置しているので、活
性温度領域の異なる触媒を組み合わせることにより、排
気ガス浄化装置全体として、より幅広い活性温度領域が
確保され、全体としての浄化効率が上昇する。この複数
個配置の触媒における上流側と下流側との量の比は、排
気ガスの量や含まれる有害成分の量にもよるが、上下流
で計2個の場合には、上流側の触媒量に対して下流側の
触媒の量を1.0〜4.0倍程度にするのが好ましい。
【0023】なお、上流側の触媒では、排気ガス温度に
合わせて上流側の触媒を選択し、排気ガス温度が所定の
触媒活性温度領域内に入った時に還元剤が供給されて排
気ガスを浄化するので、この上流側の触媒の前に蓄熱体
を設ける効果は少ない。 2)そして、前記触媒が、NOx還元触媒である場合に
は、触媒の温度を活性温度範囲に保つことが重要である
ので、この蓄熱体により、下流側の触媒に流入する排気
ガスの温度が活性温度範囲に保たれるので、特に有効で
ある。 3)また、前記蓄熱体を、前記上流側の前記触媒の後
部、又は、前記下流側の前記触媒の後部に接続して設け
ることにより、蓄熱体を触媒と別構造体にせずに一体物
に形成できるので、部品点数が減少し、製造や取付けが
容易となる。 4)前記蓄熱体が、前記触媒の活性温度領域内に、融点
を有する融点を有する潜熱蓄熱材を有して形成される
と、高い蓄熱密度が得られ、また、蓄熱及び放熱時に蓄
熱材の温度が変化しないので、排気ガス温度が触媒の活
性温度領域内に長時間維持される。
【0024】そして、この潜熱蓄熱体としては、下流側
の触媒の活性温度領域内において、溶融又は凝固して、
固体と液体との間を相変化するハンダ等のろう接合金属
や低融点金属(可融金属)等の金属材料を使用できる
が、この蓄熱体としての金属材料は、単体の金属または
合金であって、その時の融解熱又は凝固熱が大きいもの
が好ましい。 5)前記蓄熱材としては、前記触媒の活性温度領域内に
おいて、溶融するアルミニウム用ハンダが適している。
【0025】より詳細には、NOx還元触媒がイリジウ
ム(Ir)系及び金属酸化物(CuO,ZrO)系の触
媒には、融点(融解温度)419℃のZn=100%の
アルミニウム用ハンダ(アルミハンダ)が適しており、
また、白金(Pt)系触媒である場合には、融点266
℃のCd=82.5%、Zm=17.5%の高温ハンダ
が適している。
【0026】以上の構成の蓄熱体を有する排気ガス浄化
装置では、上流側の触媒を通過した排気ガスの温度が蓄
熱材の融点よりも上昇した時には、蓄熱材が溶融し、融
解熱の吸熱により、排気ガスの温度が低下し、また、排
気ガス温度が融点よりも下降した時には、蓄熱材からの
凝固熱の放熱により排気ガスの温度が高くなるので、下
流側の触媒に流入する排気ガスの温度変化が緩和され
る。
【0027】つまり、蓄熱材の相変化に伴う熱の出入り
により、上流側の触媒を通過した排気ガスの温度が、下
流側の触媒の活性温度領域内に長く維持されるので、下
流側の触媒の浄化効率が高い状態に維持され、排気ガス
の浄化が効率良く行われる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明に係る
蓄熱体を有する排気ガス浄化装置の実施の形態を説明す
る。なお、ここで説明する実施の形態では、触媒として
NOx還元触媒を例にして説明しているが、他の酸化触
媒や三元触媒等でも本発明を適用できるので、NOx還
元触媒に限定されることなく、触媒一般に適用できる。 〔エンジン〕本発明に係る蓄熱体を有する排気ガス浄化
装置は、図1に示すようなエンジンに使用される。この
エンジンにおいては、吸気通路2に過給機3のコンプレ
ッサ31とインタクーラー4と吸気量制御弁5が設けら
れ、エンジンEにコンプレッサ31で圧縮され、インター
クーラー4で冷却された吸気Aが、吸気量制御弁5で吸
気量をコントロールされながらエンジンEに供給され
る。
【0029】また、このエンジンEから排出された排気
ガスGは、排気通路6の過給機3のタービン32を駆動し
た後、上流側の触媒構造体71と下流側の触媒構造体72と
からなる蓄熱体を有する排気ガス浄化装置7を通過して
浄化され外部に排出される。
【0030】なお、排気ガスGの一部は、排気マニホー
ルド61からEGR弁81とEGRクーラー82を設けたEG
R通路8を経由して吸気マニホールド21に再循環され
る。
【0031】そして、吸気量制御弁5、EGR弁81や燃
料噴射や過給機3のコントロール等、エンジン系全体の
コントロールをエンジンコントロールユニット(EC
U)とよばれるコントローラ9で行なっている。
【0032】〔第1の実施の形態〕そして、本発明に係
る第1の実施の形態の蓄熱体を有する排気ガス浄化装置
7は、図1及び図2に示すように、上流側(前段)の触
媒構造体71をNOx還元触媒(上流側触媒)71aとこの
NOx還元触媒71aの後部に配設された蓄熱体71bとを
有して構成し、下流側(後段)の触媒構造体72はNOx
還元触媒(下流側触媒)72aを有して構成する。
【0033】〔第2の実施の形態〕また、第2の実施の
形態の蓄熱体を有する排気ガス浄化装置7Aは、図3に
示すように、上流側の触媒構造体71AをNOx還元触媒
(上流側触媒)71Aaを有して構成し、下流側の触媒構
造体72AはNOx還元触媒(下流側触媒)72Aaとこの
NOx還元触媒72Aaの前部に配設された蓄熱体72Ab
とを有して構成する。
【0034】〔第3の実施の形態〕更に、第3の実施の
形態の蓄熱体を有する排気ガス浄化装置7Bは、図4に
示すように、上流側の触媒構造体71BをNOx還元触媒
(上流側触媒)71Baを有して構成し、下流側の触媒構
造体72BはNOx還元触媒(下流側触媒)72Baを有し
て構成し、更に、この上流側の触媒構造体71Bと下流側
の触媒構造体72Bとの間に、蓄熱体73Bbを有する蓄熱
構造体73Bを配設して構成する。
【0035】〔触媒構成体〕これらの触媒構成体71,71
A,71B,72,72A,72B(以下、71,72とし、他の参
照番号のA,Bを有する番号もA,Bの無い番号で代表
する。)は、ステンレス材料等からなるハニカム形状に
成形した担持体構成部材のセルと呼ばれるガス流通孔の
内周面に、活性成分である触媒(触媒層)をコーテング
して形成されている。
【0036】そして、これらの触媒構造体71,72は、触
媒層を配設した時の流通圧損等を考慮しつつ、浄化対象
ガスGの流量に見合った触媒成分との接触面積が得られ
るように、その触媒構造体71,72の全体の径、長さ、数
及び流通孔(セル)の寸法と数とを設定して製造され
る。 〔蓄熱材〕この蓄熱体71b,72Ab,73Bbを構成する
蓄熱材は、金属単体や合金などの、下流側の触媒72aの
活性温度領域内において、溶融する金属材料の中から触
媒72aの活性温度領域に融点が入るより適当なものを選
んで構成する。
【0037】そして、NOx還元触媒72bに、イリジウ
ム(Ir)系及び金属酸化物(CuO,ZrO)系の触
媒を使用する場合には、融点419℃のZn=100%
のアルミニウム用ハンダ(アルミハンダ)を使用し、白
金(Pt)系触媒を使用する場合には、融点266℃の
Cd=82.5%、Zm=17.5%の高温ハンダを使
用する。
【0038】また、これらの金属材料だけではなく、下
流側の触媒72aの活性温度領域、即ち、浄化効率の良い
温度領域で固体と液体との間の相変化を行なうものであ
れば使用でき、また、金属材料以外でも、この触媒72a
の活性温度領域内で蓄熱効果を発揮できるものであれ
ば、無機材料でも、また、化学反応により蓄熱効果を有
する化学物質も使用できる。
【0039】〔蓄熱構造体〕次に、蓄熱体71b,72Ab
や蓄熱体73Bbを有する蓄熱構造体73の構造及び製造方
法について説明する。図5に示すように、蓄熱材17をス
テンレス板、低炭素鋼板、低クロム鋼板や低ニッケルの
耐熱鋼板等の耐熱鋼材層16a、16bで挟持して積層板20
を形成する。
【0040】つまり、図5に示す3層構造の積層板20
を、下側の耐熱鋼材層16bをプレス加工で製造し、蓄熱
材17を配置した後に上側の耐熱鋼材層16aで覆い、接合
部18をシーム溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接など
の連続溶接して、蓄熱材17を密閉して形成する。
【0041】そして、この積層板20から平板状帯板21
と、積層板20を波形状に成形した波板状帯材22とを作
り、図6に示すように、この平板状帯板21と波板状帯材
22を相互に当接部23を有するように積層し、一括渦巻き
状に巻回して、図7に示すようなハニカム体25を形成す
る。このハニカム体25は、前記巻回タイプの他に、積層
タイプ、S字状タイプ、放射状タイプ、Xラップタイプ
等があるが、どれでも採用できる。
【0042】そして、そのハニカム体25の全体の径、長
さ、数及び流通孔(セル)13の寸法と数とを、流通圧損
等を考慮しつつ、排気ガスGの流量に見合った接触面
積、即ち伝熱面積が得られるように設定してハニカム体
25を製造する。
【0043】このハニカム体25を触媒構成体71又は72A
のカバー体内において、NOx還元触媒71aの後部、又
は、NOx還元触媒72Aaの前部に配設して、触媒構成
体71又は72Aを形成する。
【0044】また、図7に示すように、このハニカム体
25をカバー体26に収容して蓄熱構造体73Bを形成する。
【0045】この蓄熱体71b,72Abや蓄熱体73Bbを
構成するハニカム体25は、排気ガスGの流量に対応して
形成するが、蓄熱体71b,72Ab,73Bb(以下71bで
代表する)の容積が上流側の触媒の容積の1/2〜1/
3にすると、浄化効率や装置レイアウトや費用対効果の
面からバランスが良くなるので、この値の範囲にするの
が好ましい。
【0046】〔効果〕そして、上記の蓄熱体を有する排
気ガス浄化装置7により排気ガスG中のNOxを還元除
去する場合には、排気ガス温度が触媒活性温度領域に近
い所定の温度になった時に、内燃機関の燃焼室から排出
される未燃HC(炭化水素)や、排気管中に噴射供給さ
れる燃料等の還元剤を排気ガス中に混入させ、上流側の
触媒構造体71と下流側の触媒構造体72の各セル内を通過
させて触媒71a,72aの活性成分に接触させて、NOx
と還元剤との化学反応を促進して、NOxをN2 に還元
して、排気ガスGを浄化する。
【0047】そして、以上の構成の蓄熱体を有する排気
ガス浄化装置7によれば、排気ガスGを浄化する触媒71
a,72aを直列に複数個配設し、触媒を分割配置してい
るので、この触媒における化学反応に伴う吸熱及び発熱
による排気ガス温度の変化が分散し、上流側の触媒の化
学反応による温度変化を小さくすることができ、活性温
度領域内に維持される時間を長くすることができる。
【0048】更に、上流側のNOx還元触媒71aと下流
側のNOx還元触媒72aとの間に蓄熱体71bを配設し、
この蓄熱体71bが溶融する蓄熱材17を包含しているの
で、エンジンEの運転状態の変化や上流側の触媒71aに
おける化学反応等により、変化する排気ガスGの温度
を、下流側の触媒72aの活性領域温度内にすることがで
きる。
【0049】つまり、排気ガスGの温度が上昇する時に
は、この蓄熱材17が溶融し、融解熱の吸熱により、排気
ガスGの温度を低下させ、また、排気ガスGの温度が下
降する時には、凝固熱の放熱により排気ガスGの温度を
上昇させることができる。
【0050】従って、下流側の触媒72aに流入する排気
ガスGの温度の変化を、蓄熱材17の相変化に伴う熱の出
入りにより緩和して、下流側の触媒72aの活性温度領域
内にある期間を長く維持することができるので、下流側
の触媒72aによる排気ガスの浄化率を向上できる。
【0051】その上、触媒を複数個配置しているので、
活性温度領域の異なる触媒を組み合わせることにより、
排気ガス浄化装置全体として、より幅広い活性温度領域
が確保され、全体としての浄化効率を上昇させることも
できる。
【0052】そのため、効率よく化学反応を促進でき、
浄化性能を向上させて、浄化対象ガスGの浄化を効率良
く行うことができる。その上、自動車の排気ガス処理の
場合においては、効率良く化学反応を促進でき、還元剤
としての燃料を効率よく利用することができるので燃費
を向上できる。
【0053】〔実験例〕この効果を示す一例として、図
8に、車速を変化させた時の図2の第1の実施の形態の
蓄熱体を有する排気ガス浄化装置7の実施例と、図10
に示す排気ガス浄化装置7Xの比較例の排気ガス温度の
時間変化を比較して示す。
【0054】この実施例としての蓄熱体を有する排気ガ
ス浄化装置7は、上記の第1の実施の形態の排ガス浄化
装置7に相当し、上流側の触媒構造体71のPt系の触媒
71aの容量が800cm3 で、メタルハニカムの蓄熱体
71bの容量が400cm3 で、下流側の触媒構造体72の
Pt系の触媒72aの容量が2,500cm3 である。
【0055】また、比較例は、図10に示す排気ガス浄
化装置7Xで、上流側の触媒構造体71Xの触媒71Xaや
下流側の触媒構造体72Xの触媒72Xaは、その種類と容
量が実施例と同じで、実施例との差は、蓄熱体71bを設
けていない点にある。
【0056】図8の実験結果によれば、下流側の触媒構
造体72と18の入口の排気ガス温度Ta,Tbにおいて、
実施例の排気ガス温度Taが、比較例の排気ガス温度T
bよりも、触媒の活性温度領域Z内にある時間が長くな
っていることが確認できる。
【0057】
【発明の効果】以上の説明したように、本発明に係る蓄
熱体を有する排気ガス浄化装置によれば、次のような効
果を奏することができる。
【0058】排気ガスを浄化する触媒を、エンジンの排
気通路に直列に複数個配設することにより、触媒におけ
る化学反応の発熱及び吸熱による排気ガスの温度変化を
分散して、上流側の触媒の化学反応による温度変化を小
さくして、活性温度領域内に維持することができ、しか
も、下流側の触媒の前に蓄熱体を配設しているので、上
流側の触媒を通過した、エンジンの運転状態や上流側の
触媒の化学反応で変化する排気ガスの温度の変化を緩和
でき、浄化に適した温度の排気ガスを下流側の触媒に流
入させることができる。
【0059】更に、この蓄熱体を潜熱蓄熱体で形成した
ので、排気ガスの温度は、蓄熱体の融解熱の吸熱及び、
凝固熱の放熱により、排気ガスの温度を潜熱蓄熱体の融
点付近に維持でき、しかも潜熱蓄熱体の融点が下流側の
触媒の活性温度領域にあるので、排気ガスの温度を下流
側の触媒の活性温度領域内に長く維持できる。
【0060】従って、上流側及び下流側の触媒の温度を
活性温度領域内に長く維持できるので、触媒を浄化効率
の良い状態に維持でき、効率よく化学反応を促進でき
る。そのため、排気ガスの浄化を効率良く行うことがで
きる。しかも、効率良く化学反応を促進できるので、還
元剤を有効に利用でき、燃費を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓄熱体を有する排気ガス浄化装置
を使用したエンジンの構成図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態の蓄熱体を有す
る排気ガス浄化装置を示す構成図である。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態の蓄熱体を有す
る排気ガス浄化装置を示す構成図である。
【図4】本発明に係る第1の実施の形態の蓄熱体を有す
る排気ガス浄化装置を示す構成図である。
【図5】本発明に係る蓄熱体を含む積層板の製造方法を
説明するための図で、(a)は平面図を、(b)はX−
X線断面図を示す。
【図6】本発明に係る蓄熱材を有するハニカム体の部分
断面図である。
【図7】本発明に係る蓄熱材を有する蓄熱構造体の斜視
図である。
【図8】蓄熱体を有する排気ガス浄化装置の効果を示す
ための、下流側の触媒の入口における排気ガス温度の時
間経過を示す図である。
【図9】触媒温度と浄化率との関係を示す図である。
【図10】比較例の蓄熱体を具備しない排気ガス浄化装
置を示す構成図である。
【符号の説明】
E エンジン 6 排気通路 7,7A,7B 蓄熱体を有する排気ガス浄化装置 17 蓄熱材(潜熱蓄熱材) 71a,71Aa,71Ba 上流側触媒 72a,72Aa,72Ba 下流側触媒 71b,72Ab,73Bb 蓄熱体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/08 F01N 3/28 301C 3/28 301 B01D 53/36 101A Fターム(参考) 3G091 AA17 AA18 AB04 BA04 BA14 CA10 GA06 GB01X GB05W GB06W GB10W HA08 4D048 AA06 AB02 BA08Y BA11Y BA30Y BA31Y BA33Y BA35Y BA41Y CA03 CA07 CC31 CC42 4G069 AA15 BC31A BC31B BC51A BC51B BC74A BC74B BC75A BC75B CA03 CA08 CA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの排気ガスが通過する排気通路
    に触媒を直列に複数個配設すると共に、上流側の前記触
    媒と下流側の前記触媒との間に蓄熱体を配設したことを
    特徴とする蓄熱体を有する排気ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記触媒が、NOx還元触媒であること
    を特徴とする請求項1記載の蓄熱体を有する排気ガス浄
    化装置。
  3. 【請求項3】 前記蓄熱体を、前記上流側の前記触媒の
    後部、又は、前記下流側の前記触媒の前部に設けたこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の蓄熱体を有する排
    気ガス浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記蓄熱体が、前記下流側の前記触媒の
    活性温度領域内に、融点を有する融点を有する潜熱蓄熱
    材を有して形成されることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の蓄熱体を有する排気ガス浄化装置。
  5. 【請求項5】 前記潜熱蓄熱材が、前記下流側の前記触
    媒の活性温度領域内において、溶融するアルミニウム用
    ハンダであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の蓄熱体を有する排気ガス浄化装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011106354A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Aisin Seiki Co Ltd 触媒暖機装置
DE102010040016A1 (de) * 2010-08-31 2012-03-01 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren und Vorrichtung zum Erhitzen eines in einer Fluidleitung, insbesondere in einer Abgasleitung einer Brennkraftmaschine, befindlichen Katalysators
JP2018204456A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 株式会社Subaru 排気ガス浄化装置
JP2019112948A (ja) * 2017-12-20 2019-07-11 株式会社豊田中央研究所 排気浄化装置

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