JP2000273114A - オレフィン重合用触媒およびそれを用いたエチレン重合体/エチレン系共重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒およびそれを用いたエチレン重合体/エチレン系共重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2000273114A
JP2000273114A JP11079434A JP7943499A JP2000273114A JP 2000273114 A JP2000273114 A JP 2000273114A JP 11079434 A JP11079434 A JP 11079434A JP 7943499 A JP7943499 A JP 7943499A JP 2000273114 A JP2000273114 A JP 2000273114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
catalyst
polymerization
ethylene
hydrocarbon group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11079434A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Sone
誠 曽根
Osamu Yoshida
統 吉田
Morihiko Sato
守彦 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP11079434A priority Critical patent/JP2000273114A/ja
Publication of JP2000273114A publication Critical patent/JP2000273114A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子量で、組成分布が狭く、粒子形状に優
れ、加工特性が良好なエチレン重合体/エチレン系共重
合体を経済的に製造する。 【解決手段】 (A)特定の複素環配位子を有する有機
遷移金属化合物、(B)有機アルミニウム化合物および
(C)粘土または粘土鉱物からなるオレフィン重合用触
媒を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合用
触媒およびそれを用いたエチレン重合体/エチレン系共
重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィンの重合は、これまで工業的に
は、塩化チタンやクロム酸化物を主触媒とする不均一系
のチーグラー触媒が主流であった。
【0003】カミンスキーらにより、メタロセン化合物
とアルミノオキサンの組み合わせによる可溶性のオレフ
ィン重合用触媒が、特開昭58−19309号公報とし
て報告された。
【0004】このメタロセン触媒は、分子量分布、組成
分布が狭いという、これまでのチーグラー触媒では得ら
れない新しいエチレン系の重合体を与えることで注目を
集めている。しかし、その特徴により、メタロセン触媒
で得られる樹脂単独では加工性に劣る面があり、その改
良が望まれていた。また、メタロセン触媒を気相法ある
いはスラリー法に適用する際には、シリカゲル等の無機
酸化物担体等に担持する複雑な操作が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的
は、多岐にわたるオレフィンの重合技術分野において従
来見いだされていない新しいオレフィン重合用触媒を提
供し、それを用いてより加工性に優れ、プロセス上取り
扱いの容易なエチレン重合体/エチレン系共重合体を製
造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)下記一般式(1)で示される複素環配位子を有す
る有機遷移金属化合物
【0007】
【化2】
【0008】(ここで、Mは周期表3,4,5または6
族の遷移金属、Eは窒素またはリンであり、R1,R2
3およびR4は同じでも異なっていてもよく、水素、炭
化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、または炭化水素
基もしくはヘテロ原子含有炭化水素基を有するシリル基
であり、R5はシクロペンタジエニル誘導体であり、
1,R2,R3,R4およびR5は、それらを形成してい
る原子を介して環を形成していてもよく、Xは互いに同
じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン、炭化
水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、置換アミノ基また
は置換アルコキシ基である。式中、aは1または2であ
り、bは0または1であり、cは1〜5である。)、
(B)有機アルミニウム化合物および(C)粘土または
粘土鉱物からなることを特徴とするオレフィン重合用触
媒、(A)有機遷移金属化合物、(B)有機アルミニウ
ム化合物、(C)粘土または粘土鉱物および(D)有機
金属化合物からなることを特徴とするオレフィン重合用
触媒、または上記触媒成分の(C)粘土または粘土鉱物
が有機化合物で処理され、有機陽イオン成分を含有する
有機変性粘土あるいは有機変性粘土鉱物であるオレフィ
ン重合用触媒、および上記オレフィン重合用触媒を用い
てエチレンの重合あるいはエチレンおよび炭素数3〜2
0のオレフィンの共重合を行うことを特徴とするエチレ
ン重合体/エチレン系共重合体の製造方法に関する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明において用いられる(A)有機遷移
金属化合物は、周期表3,4,5または6族の遷移金属
と複素環配位子を構成成分とし、一般式(1)で表され
る。
【0011】一般式(1)のR1,R2,R3およびR4
同じでも異なっていてもよく、水素、炭化水素基、ヘテ
ロ原子含有炭化水素基、または炭化水素基もしくはヘテ
ロ原子含有炭化水素基を置換基として有するシリル基で
あるか、それらを形成している原子を介して環を形成し
ている。炭化水素基およびヘテロ原子含有炭化水素基の
例として、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−
プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブ
チル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリメ
チルシリルメチル基、ジメチルフェニルシリルメチル基
等のアルキル基、ベンジル基、メトキシベンジル基、ジ
メチルアミノベンジル基等のアラルキル基、フェニル
基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、o−
エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エチル
フェニル基、o−イソプロピルフェニル基、m−イソプ
ロピルフェニル基、p−イソプロピルフェニル基、o−
ブチルフェニル基、m−ブチルフェニル基、p−ブチル
フェニル基、o−(t−ブチル)フェニル基、m−(t
−ブチル)フェニル基、p−(t−ブチル)フェニル
基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル
基、p−メトキシフェニル基、o−ジメチルアミノフェ
ニル基、m−ジメチルアミノフェニル基、p−ジメチル
アミノフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,
6−ジエチルフェニル基、2,6−ジプロピルフェニル
基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジ
(n−ブチル)フェニル基、2,6−ジ(t−ブチル)
フェニル基、2,6−ジ(sec−ブチル)フェニル
基、2,6−ジフェニルフェニル基、2,6−ジメトキ
シフェニル基、2,6−ビス(ジメチルアミノ)フェニ
ル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,4,6−ト
リメチルフェニル基、2,4,6−トリエチルフェニル
基、2,4,6−トリプロピルフェニル基、2,4,6
−トリ(イソプロピル)フェニル基、2,4,6−トリ
(n−ブチル)フェニル基、2,4,6−トリ(t−ブ
チル)フェニル基、2,4,6−トリ(sec−ブチ
ル)フェニル基、2,4,6−トリフェニルフェニル
基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、2,4,6
−トリ(ジメチルアミノ)フェニル基、2,4,6−ト
リフルオロフェニル基等のアリール基を挙げることがで
き、炭化水素基もしくはヘテロ原子含有炭化水素基を置
換基として有するシリル基の例としては、トリメチルシ
リル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル
基、トリブチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメ
チルメトキシシリル基、ジメチルフェニルシリル基等を
挙げることができる。また、上述した置換基以外に、R
1,R2,R3およびR4が、それぞれが環を形成し、ホス
ファインデニル基あるいはホスファフルオレニル基に示
されるようなベンゾ環骨格等を形成してもよい。また、
1,R2,R3およびR4とR5とが、それらを形成する
原子により結合していてもよい。一般式(1)における
5の好ましい例として、シクロペンタジエニル基、メ
チルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジ
エニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラ
メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジ
エニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、n−
ブチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペ
ンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニ
ル基、インデニル基、メチルインデニル基、ベンゾイン
デニル基、t−ブチルインデニル基、トリメチルシリル
インデニル基、ジメチルアミノインデニル基、メトキシ
インデニル基、メチルフルオレニル基、2,7−ジメチ
ルフルオレニル基、2,7−ジ(t−ブチル)フルオレ
ニル基、2−メトキシフルオレニル基、4−メトキシフ
ルオレニル基、2,7−ジメトキシフルオレニル基、2
−ジメチルアミノフルオレニル基、4−ジメチルアミノ
フルオレニル基、2,7−ジメチルアミノフルオレニル
基等を挙げることができる。
【0012】Mは周期表3,4,5または6族の遷移金
属であり、具体的にはスカンジウム原子、チタン原子、
ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、
ニオブ原子、タンタル原子、クロム原子、モリブデン原
子またはタングステン原子であり、好ましくはチタン原
子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子である。X
は互いに同じでも異なっていてもよく、水素、ハロゲ
ン、炭化水素、ヘテロ原子含有炭化水素、または炭化水
素もしくはヘテロ原子含有炭化水素基を有する置換アル
コキシ基もしくは置換アミノ基であり、炭化水素基およ
びヘテロ原子含有炭化水素基の例として、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、トリメチルシリルメチル基、ジ
メチルフェニルシリルメチル基等のアルキル基、ベンジ
ル基、メトキシベンジル基、ジメチルアミノベンジル基
等のアラルキル基、フェニル基、o−トリル基、m−ト
リル基、p−トリル基、o−エチルフェニル基、m−エ
チルフェニル基、p−エチルフェニル基、o−イソプロ
ピルフェニル基、m−イソプロピルフェニル基、p−イ
ソプロピルフェニル基、o−ブチルフェニル基、m−ブ
チルフェニル基、p−ブチルフェニル基、o−(t−ブ
チル)フェニル基、m−(t−ブチル)フェニル基、p
−(t−ブチル)フェニル基、o−メトキシフェニル
基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル
基、o−ジメチルアミノフェニル基、m−ジメチルアミ
ノフェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基、2,6
−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、
2,6−ジプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピ
ルフェニル基、2,6−ジ(n−ブチル)フェニル基、
2,6−ジ(t−ブチル)フェニル基、2,6−ジ(s
ec−ブチル)フェニル基、2,6−ジフェニルフェニ
ル基、2,6−ジメトキシフェニル基、2,6−ビス
(ジメチルアミノ)フェニル基、2,6−ジフルオロフ
ェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,
4,6−トリエチルフェニル基、2,4,6−トリプロ
ピルフェニル基、2,4,6−トリ(イソプロピル)フ
ェニル基、2,4,6−トリ(n−ブチル)フェニル
基、2,4,6−トリ(t−ブチル)フェニル基、2,
4,6−トリ(sec−ブチル)フェニル基、2,4,
6−トリフェニルフェニル基、2,4,6−トリメトキ
シフェニル基、2,4,6−トリ(ジメチルアミノ)フ
ェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基等のア
リール基を挙げることができ、また、置換アルコキシ
基、置換アミノ基としては、上述した炭化水素基または
ヘテロ原子含有炭化水素基を置換基として有するものを
挙げることができる。
【0013】具体的な有機遷移金属化合物の例として、
(3,4−ジメチルホスホリル)ジルコニウムトリクロ
ライド、(テトラメチルホスホリル)ジルコニウムトリ
クロライド、(2,5−ジプロピルホスホリル)ジルコ
ニウムトリクロライド、(2,5-ジブチルホスホリ
ル)ジルコニウムトリクロライド、(2,5−ビス(ト
リメチルシリル)ホスホリル)ジルコニウムトリクロラ
イド、(2,5−ジフェニルホスホリル)ジルコニウム
トリクロライド、(シクロペンタジエニル)(3,4−
ジメチルホスホリル)ジルコニウムジクロライド、(シ
クロペンタジエニル)(テトラメチルホスホリル)ジル
コニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)
(2,5−ジプロピルホスホリル)ジルコニウムジクロ
ライド、(シクロペンタジエニル)(2,5-ジブチル
ホスホリル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペン
タジエニル)(2,5−ビス(トリメチルシリル)ホス
ホリル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジ
エニル)(2,5−ジフェニルホスホリル)ジルコニウ
ムジクロライド、(インデニル)(3,4−ジメチルホ
スホリル)ジルコニウムジクロライド、(インデニル)
(テトラメチルホスホリル)ジルコニウムジクロライ
ド、(インデニル)(2,5−ジプロピルホスホリル)
ジルコニウムジクロライド、(インデニル)(2,5-
ジブチルホスホリル)ジルコニウムジクロライド、(イ
ンデニル)(2,5−ビス(トリメチルシリル)ホスホ
リル)ジルコニウムジクロライド、(インデニル)
(2,5−ジフェニルホスホリル)ジルコニウムジクロ
ライド、ビス(3,4−ジメチルホスホリル)ジルコニ
ウムジクロライド、ビス(テトラメチルホスホリル)ジ
ルコニウムジクロライド、ビス(2,5−ジプロピルホ
スホリル)ジルコニウムジクロライド、ビス(2,5-
ジブチルホスホリル)ジルコニウムジクロライド、ビス
(2,5−ビス(トリメチルシリル)ホスホリル)ジル
コニウムジクロライド、ビス(2,5−ジフェニルホス
ホリル)ジルコニウムジクロライドまたは上述の錯体の
ジルコニウムをチタン、ハフニウムに置換したもの、塩
素基をメチル基、フッ素に置換したもの、上述した複数
個の錯体がクラスターを形成したものを挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。
【0014】本発明で用いられる(B)有機アルミニウ
ム化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物
を挙げることができる。
【0015】(R63Al (2) (式中、R6は互いに同じでも異なっていてもよく、水
素原子、ハロゲン、炭化水素基、アミノ基、アルコキシ
基、または炭化水素基で置換されたアミノ基もしくはア
ルコキシ基を示し、そのうち少なくとも1つは炭化水素
基である。)このような化合物としては、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエ
チルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチ
ルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウム
ジクロライド等を挙げることができる。
【0016】本発明で使用される(C)粘土または粘土
鉱物は、天然の粘土鉱物および人工合成により得られる
カチオン交換能を有する粘土鉱物の全てが使用可能であ
り、また、その層間にイオン性の物質あるいは化合物を
導入することによって化学処理された粘土鉱物も使用可
能である。具体的な粘土鉱物としては、天然に存在する
カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト等のカオリ
ン系鉱物;モンモリロナイト、ヘクトライト、バイデラ
イト、サポナイト、テニオライト、ソーコナイト等のス
メクタイト系鉱物;白雲母、パラゴナイト、イライト等
の雲母系鉱物;バーミキュライト系鉱物;マーガライ
ト、クリントナイト等の脆雲母系鉱物;ドンバサイト、
クッケアイト、クリノクロア等の縁泥石系鉱物;セピオ
ライト・パリゴルスカイトなどや人工合成された粘土鉱
物を挙げることができ、好ましくはバーミキュライト系
鉱物、スメクタイト系鉱物あるいは雲母系鉱物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。化学処理に
用いられる酸としては塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等のブレ
ンステッド酸が例示され、アルカリとしては水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムが好ましく
用いられる。塩類処理において用いられる化合物として
は塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化
マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化アンモ
ニウム等のイオン性ハロゲン化物;硫酸ナトリウム、硫
酸カリウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム等の
硫酸塩;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウ
ム等の炭酸塩;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リ
ン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム等のリン酸塩な
どの無機塩、および酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、シ
ュウ酸カリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウ
ム等の有機酸塩などを挙げることができる。
【0017】本発明においてより好ましく用いられる有
機変性された(C)粘土または粘土鉱物は、粘土鉱物中
に存在する交換性カチオンである金属イオンを特定の有
機陽イオン成分と部分的に、あるいは全て交換した粘土
鉱物−有機陽イオン複合体である。
【0018】有機変性により(C)粘土または粘土鉱物
に含有される有機陽イオンとして、具体的にはブチルア
ンモニウム、ブチルメチルアンモニウム、ジブチルアン
モニウム、ジメチルブチルアンモニウム、トリブチルア
ンモニウム、ヘキシルアンモニウム、ヘキシルメチルア
ンモニウム、ジヘキシルアンモニウム、ジメチルヘキシ
ルアンモニウム、トリヘキシルアンモニウム、オクチル
アンモニウム、オクチルメチルアンモニウム、ジオクチ
ルアンモニウム、ジメチルオクチルアンモニウム、トリ
オクチルアンモニウム、オクタデシルアンモニウム、オ
クタデシルメチルアンモニウム、ジオクタデシルアンモ
ニウム、ジオクタデシルメチルアンモニウム、オレイル
アンモニウム、オレイルメチルアンモニウム、オレイル
ジメチルアンモニウム、ジオレイルアンモニウム、ジオ
レイルメチルアンモニウム等の脂肪族アンモニウムカチ
オン、アニリニウム、N−メチルアニリニウム、N,N
−ジメチルアニリニウム、N−エチルアニリニウム、
N,N−ジエチルアニリニウム、ベンジルアンモニウ
ム、トルイジニウム、ジベンジルアンモニウム、トリベ
ンジルアンモニウム、N,N,2,4,6−ペンタメチ
ルアニリニウム等の芳香族アンモニウムカチオン、ある
いはジメチルオキソニウム、ジエチルオキソニウム等の
オキソニウムイオンなどが例示されるが、これらに限定
されるものではない。
【0019】本発明のオレフィン重合用触媒では(D)
有機金属化合物をさらに用いることができる。その例と
して特に限定するものではないが、少なくとも1つの炭
化水素基を有する周期表1,2,13族の金属原子、S
n原子またはZn原子を有するものであり、例えば、下
記一般式(3)または(4)で表される化合物を挙げる
ことができる。
【0020】(R72Mg (3) (式中、R7は互いに同じでも異なっていてもよく、水
素原子、ハロゲン、炭化水素基、アミノ基、アルコキシ
基、または炭化水素基で置換されたアミノ基もしくはア
ルコキシ基を示し、そのうち少なくとも1つは炭化水素
基である。) このような化合物の例として、好ましくはジメチルマグ
ネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウ
ム、エチルブチルマグネシウム、メチルマグネシウムク
ロライド、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグ
ネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、
イソプロピルマグネシウムクロライド、イソプロピルマ
グネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムクロライ
ド、ブチルマグネシウムブロマイド等を挙げることがで
きる。
【0021】R8Li (4) (式中、R8は互いに同じでも異なっていてもよく、水
素原子または炭化水素基である。) このような化合物として、好ましくはメチルリチウム、
エチルリチウム、ブチルリチウム等を挙げることができ
る。
【0022】触媒調製の際における(A)有機遷移金属
化合物および(B)有機アルミニウム化合物の量比は特
に制限はないが、(A)有機遷移金属化合物と(B)有
機アルミニウム化合物の金属原子当たりのモル比で(A
成分):(B成分)=100:1〜1:100000の
範囲が好ましく用いられ、特に好ましくは1:1〜1:
10000の範囲で用いられる。(B)有機アルミニウ
ム化合物の使用量が10000倍モルを超えると脱灰の
工程を考慮する必要がある。触媒安定性および触媒毒の
除去の観点を考えあわせると(B)有機アルミニウム化
合物を(A成分):(B成分)=1:1〜1:2000
のモル比で使用することが特に好ましい。
【0023】(A)有機遷移金属化合物に対する(C)
粘土または粘土鉱物の量は、(A)有機遷移金属化合物
が反応するのに十分な量の粘土鉱物であれば特に制限は
ないが、(A)有機遷移金属化合物1モルに対する粘土
または粘土鉱物の使用量は0.01〜10000kgが
好ましく、さらに好ましくは1モルに対して0.1〜1
000kgである。
【0024】触媒を使用する際に、必要に応じて(D)
有機金属化合物を用いることができる。ここで(A)有
機遷移金属化合物および(D)有機金属化合物の量比は
特に制限はないが、(A)有機遷移金属化合物と(D)
有機金属化合物の金属原子当たりのモル比で(A成
分):(D成分)=100:1〜1:100000の範
囲が好ましく用いられ、特に好ましくは1:1〜1:1
0000の範囲で用いられる。(D)有機金属化合物の
使用量が10000倍モルを超えると脱灰の工程を考慮
する必要がある。触媒安定性および触媒毒の除去の観点
を考えあわせると(D)有機金属化合物を(A成分):
(D成分)=1:1〜1:2000のモル比で使用する
ことが特に好ましい。
【0025】本発明において、触媒を調合する方法につ
いては特に制限はなく、調整方法として、各成分に対し
て不活性な溶媒またはモノマーを溶媒として用いて混合
する方法が挙げられる。また、上述した触媒成分を反応
させる順番においても特に制限はなく、この処理を行う
温度、処理時間も特に制限はない。本触媒の調製方法の
例としては、粘土鉱物を水溶液中で塩酸有機アンモニウ
ム塩と反応させ、粘土鉱物中の無機カチオンを有機カチ
オンで置換して有機変性された粘土鉱物を調製し、よく
乾燥させる。次に、不活性ガス雰囲気下において、まず
脱水精製されたトルエンあるいはヘキサン等の有機溶剤
を媒体として、先に調製した粘土鉱物と有機アルミニウ
ム(トリイソブチルアルミニウムあるいはトリエチルア
ルミニウム等)を接触させる。さらに、別の容器内にて
必要量の有機遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物
を脱水精製されたトルエンあるいはヘキサンを媒体とし
て接触反応させる。これらの反応溶液を常温にて混合
し、得られた懸濁液を用いる方法を挙げることができる
が、これに限定されるものではない。
【0026】本発明のオレフィン重合用触媒は、通常の
重合方法、すなわちスラリー重合、気相重合、高圧重
合、溶液重合、塊状重合等のいずれにも使用することが
できる。
【0027】本明細書において、重合は単独重合のみな
らず共重合をも包含した意味で用いられ、これらの重合
により製造されるポリオレフィンは単独重合体のみなら
ず共重合体をも包含している。
【0028】さらに本発明においては、上記記載の触媒
系を用いて実質的なポリマー粒子の形成下に、ポリオレ
フィンを安定的に生産する方法を示すことができる。
【0029】本発明のオレフィン重合用触媒を用いて、
通常の方法に従ってオレフィンを予備重合させてなるオ
レフィン重合用触媒の存在下にポリオレフィンを製造す
ると、得られるポリオレフィンは高い嵩密度を有し、反
応器壁面への付着などが起こらず、特に気相重合やスラ
リー重合で安定な製造が実現される。
【0030】以上の(A)有機遷移金属化合物、(B)
有機アルミニウム化合物および(C)粘土または粘土鉱
物、必要に応じて(D)有機金属化合物は、固体状担体
に担持させ、オレフィン重合用固体触媒として使用する
ことができる。オレフィン重合用固体触媒の構成成分と
して用いられる固体状担体は、無機あるいは有機の化合
物であり、無機化合物の具体的な例としては、無機酸化
物と無機ハロゲン化物が挙げられる。さらに詳しくは、
無機酸化物の例として、アルミナ、シリカおよびマグネ
シア等の典型元素の酸化物、チタニアおよびジルコニア
等の遷移金属酸化物、シリカ−アルミナ、シリカ−マグ
ネシア等の複合酸化物等が挙げられる。無機ハロゲン化
物の例として、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等
が挙げられる。これらの化合物には通常不純物として、
炭酸カリウム、硫酸バリウム等のアルカリ金属やアルカ
リ土金属の炭酸塩や硫酸塩等の塩類が含まれ、無機ハロ
ゲン化物には水酸化物や酸化物が含まれる。上記の無機
酸化物または無機ハロゲン化物は、これらの不純物を含
んだ形でも使用できるが、予めこれらの不純物を除去ま
たは低減する操作を施して使用することが好ましい。ま
た有機担体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメ
タクリル酸エチル、ポリエステル、ポリイミドなどの極
性ポリマー、およびポリオレフィンと極性ポリマーの混
合物が挙げられる。また、オレフィンと極性モノマーの
共重合体であるエチレン−酢酸ビニル共重合体などのよ
うに有機担体が共重合組成を有していてもよい。
【0031】本発明に用いられる固体状担体の形状に制
限はないが、触媒が高い活性を示し、プロセス上取り扱
いが容易な範囲を考えると、粒子径が0.1〜1000
μm、細孔径は1〜1000nmの顆粒状または微粒子
状であることが好ましい。
【0032】本発明のオレフィン重合用触媒は予備重合
して用いることもでき、ここでいう予備重合に用いるオ
レフィン類は特に制限はないが、炭素数2〜16のα−
オレフィンまたは環状オレフィンが好ましく、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレン等のα−オ
レフィン;ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、
4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,
6−オクタジエン等の共役および非共役ジエン;シクロ
ブテン、シクロペンテン等の環状オレフィン等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上の混合
成分として用いてもよい。2種以上のオレフィンを用い
て予備重合を行う場合には、逐次あるいは同時に反応系
中に添加し、予備重合を行うこともできる。
【0033】本発明のオレフィン重合用触媒を用いて予
備重合を行う方法に関しては、オレフィン重合用触媒と
上記オレフィンが重合しうる条件であれば特に限定はさ
れないが、反応温度は−50〜100℃、好ましくは−
20〜60℃、より好ましくは−10〜40℃の温度範
囲で、反応圧力は常圧下または加圧下にて実施すること
ができる。反応を気相中で実施する場合には流動条件下
で、液相中で実施する場合には撹拌条件下で十分接触さ
せることが好ましい。
【0034】本発明において重合に用いられるオレフィ
ンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレ
ン等のα−オレフィン;ブタジエン、1,4−ヘキサジ
エン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペ
ンタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−
メチル−1,6−オクタジエン等の共役および非共役ジ
エン;シクロブテン、シクロペンテン等の環状オレフィ
ン等が挙げられ、エチレンとプロピレン、エチレンと1
−ブテンのように2種の成分、あるいはエチレンとプロ
ピレンとスチレン、エチレンと1−ヘキセンとスチレ
ン、エチレンとプロピレンとエチリデンノルボルネンの
ように3種以上の成分を混合して重合することもでき
る。
【0035】本発明においては、(A)有機遷移金属化
合物を2種類以上用いて重合を行うことも可能である。
特に、分子量分布や組成分布を広げる場合には、複数の
(A)有機遷移金属化合物を使用することができる。
【0036】本発明において、オレフィンの重合は気相
でも液相でも実施することができ、特に、気相にて行う
場合には粒子形状の整ったオレフィン重合体を効率よ
く、安定的に生産することができる。また、重合を液相
で行う場合、用いる溶媒は一般に用いられる有機溶媒で
あればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエ
ン、キシレン、プロパン、イソブタン、ペンタン、ヘプ
タン、シクロヘキサン、ガソリン等が挙げられ、プロピ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの
オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0037】本発明による方法を用いてオレフィン重合
体を製造する上で、重合温度、重合時間、重合圧力、モ
ノマー濃度などの重合条件について特に制限はないが、
重合温度は−100〜300℃、生産性を考慮すると2
0〜300℃、特にエチレン系共重合体を高圧法で製造
する場合は120〜300℃が好ましく、溶液重合では
−10〜260℃、スラリー重合や気相重合の場合には
60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。重合時間
は各プロセスによって異なるが、10秒〜20時間の範
囲で通常行われ、重合圧力も各プロセスによって異なる
が、常圧〜3000kg/cm2Gの範囲で行うことが
できる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節
を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、
連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合
条件を変えて2段以上に分けて行うことも可能である。
また、ポリオレフィンは、重合終了後に従来既知の方法
により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることが
できる。
【0038】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0039】反応は、すべて乾燥、精製した窒素あるい
はアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行い、反応に用い
た溶媒は、すべてPergamon社発行の「Puri
fication of Laboratory Ch
emicals 2nd Edition」等に記載の
公知の方法により、精製、乾燥または脱酸素を行った。
【0040】有機遷移金属化合物の同定は、NMR(日
本電子社製 GPX−400型 NMR測定装置)を用
いて行った。
【0041】MI,HLMIは、ASTM D−123
8に従って測定し、MIは2.16kg荷重、HLMI
は21.6kg荷重で行った。また、N値は、HLMI
/MIの比を表す。
【0042】実施例1 (変性粘土鉱物の調製)脱イオン水20lに、合成ヘク
トライト(日本シリカ工業社製、商品名ラポナイトR
D)600gを加え、コロイド分散液を調製した。ここ
に1mol/lのジメチルアニリン塩酸塩(Me2Ph
NHCl)水溶液1.8lを加え、有機変性された粘土
鉱物を析出させた。反応終了後、反応溶液をろ過し、さ
らにケーキをエタノールで洗浄した。次に、ケーキを6
時間減圧乾燥した後、ジェット粉砕器で粉砕し、平均粒
径8.8μmの変性粘土鉱物570gを得た。この変性
粘土鉱物の底面積間隔は15.0オングストローム、ま
た有機陽イオン導入量は0.68mmol/gであっ
た。
【0043】(触媒の調製)窒素雰囲気下、シュレンク
管に(シクロペンタジエニル)(2,5−ジフェニルホ
スホリル)ジルコニウムジクロライドを(4.62m
g,10μmol)分取した。これを乾燥したトルエン
(10ml)で希釈し、トリイソブチルアルミニウムの
トルエン溶液(TIBAL,0.8mol/lトルエン
溶液,1.25ml,1mmol,ジルコニウム原子当
たり100当量)を加え、1時間攪拌した。
【0044】別のシュレンク管に、上記方法で得た変性
粘土鉱物(50mg)を分取し、乾燥したトルエン(1
0ml)に懸濁させた。これにTIBAL(0.8mo
l/lトルエン溶液,0.63ml,0.5mmol)
を加え、1時間攪拌した。
【0045】次に、変性粘土とTIBALの混合液に、
先に調製したジルコニウム成分の溶液を1.1ml(ジ
ルコニウム1μmol相当)加え、2時間攪拌すること
で触媒成分(1)を得た。
【0046】(重合評価)窒素雰囲気下、2lのステン
レス製オートクレーブに、乾燥ヘキサン1000mlを
導入し、80℃に昇温した。次に、オートクレーブにエ
チレンを導入し、エチレン分圧が0.6MPaとなるよ
うに設定した。ここに先に調製した触媒溶液(1)を全
量圧入し、重合を開始した。重合温度を80℃に保持
し、60分間重合を行い、オートクレーブにエタノール
100mlを圧入し、重合を停止した。この際、重合容
器の器壁には壁ポリマーの生成は見られなかった。重合
の結果、嵩密度(BD)が0.16g/ccの粉体状の
ポリエチレン(70g)を得た。このポリマーのMIは
0.01g/10分であり、N値は149であった。以
下に示す比較例1で得られたポリマーのN値が17と非
常に低い数値であるのに比べ、本系では149と大きな
N値を示していることから、加工性が非常に向上してい
ることが判る。
【0047】比較例1 (触媒の調製)実施例1の錯体をビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロライド(3.92mg、10μmo
l)に変更した以外、実施例1と同様に触媒の調製を行
い、触媒成分(2)を得た。
【0048】(重合評価)窒素雰囲気下、2lのステン
レス製オートクレーブに、乾燥ヘキサン1000mlを
導入し、80℃に昇温した。次に、オートクレーブにエ
チレンを導入し、エチレン分圧が0.6MPaとなるよ
うに設定した。ここに先に調製した触媒溶液(2)を全
量圧入し、重合を開始した。重合温度を80℃に保持
し、60分間重合を行い、オートクレーブにエタノール
100mlを圧入し、重合を停止した。その結果、嵩密
度(BD)が0.16g/ccのポリエチレン(58
g)を得た。このポリマーのMIは0.12g/10分
であり、N値は17であった。
【0049】比較例2 (触媒の調製)窒素雰囲気下、シュレンク管に(シクロ
ペンタジエニル)(2,5−ジフェニルホスホリル)ジ
ルコニウムジクロライドを(4.62mg,10μmo
l)分取した。これを乾燥したトルエン(10ml)で
希釈した。別の容器に、メチルアルミノオキサン(東ソ
ーアクゾ製,MMAO−type4,3.7mol/l
トルエン溶液,2.7ml,10mmol)を分取し、
そこへ上記のジルコニウム成分を1.3ml(ジルコニ
ウム1μmol相当)を加え、2時間攪拌することで触
媒の調製を行い、触媒成分(3)を得た。
【0050】(エチレンの重合)窒素雰囲気下、2lの
ステンレス製オートクレーブに、乾燥トルエン1000
mlを導入し、80℃に昇温した。次に、オートクレー
ブにエチレンを導入し、エチレン分圧が0.6MPaと
なるように設定した。ここに先に調製した触媒溶液
(3)を全量圧入し、重合を開始した。重合温度を80
℃に保持し、60分間重合を行い、オートクレーブにエ
タノール100mlを圧入し、重合を停止した。その結
果、ゼラチン状で乾燥させると塊状となるポリエチレン
(26g)を得た。このポリマーのMIは0.03g/
10分であり、N値は19であった。ここで得られたポ
リマーのN値は比較例1の17とほぼ同等の数値であ
り、実施例1と比較して加工性に劣ることが判る。
【0051】比較例3 (触媒の調製)比較例2の錯体をビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロライド(3.92mg、10μmo
l)に変更した以外、比較例2と同様に触媒の調製を行
い、触媒成分(4)を得た。
【0052】(重合評価)窒素雰囲気下、2lのステン
レス製オートクレーブに、乾燥トルエン1000mlを
導入し、80℃に昇温した。次に、オートクレーブにエ
チレンを導入し、エチレン分圧が0.6MPaとなるよ
うに設定した。ここに先に調製した触媒溶液(4)を全
量圧入し、重合を開始した。重合温度を80℃に保持
し、60分間重合を行い、オートクレーブにエタノール
100mlを圧入し、重合を停止した。その結果、ゼラ
チン状で乾燥させると塊状となるポリエチレン(62
g)を得た。このポリマーのMIは0.11g/10分
であり、N値は18であった。
【0053】
【発明の効果】本発明のオレフィン重合用触媒を用いる
ことにより、高分子量で、組成分布の狭いエチレン重合
体/エチレン系共重合体を経済的に製造することがで
き、ここで得られるポリマーは粒子形状に優れ、加工特
性が良好なものを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB01A AC01A AC08A AC10A AC18A AC20A AC26A AC28A AC37A AC39A AC41A AC42A AC44A BA00A BA01B BB00A BB01B BC15B BC16B BC17B CA30C EB02 EB04 EB05 EB09 EB10 EB13 EB15 EB16 EB17 EB18 EB21 EB26 EC01 EC02 FA02 FA04 FA07 GA05 4J100 AA02P AA03Q AA04Q AA16Q AA17Q AA19Q AB02Q AR03Q AR22Q AS02Q AS11Q AU21Q CA01 CA04 FA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(1)で示される複素環
    配位子を有する有機遷移金属化合物 【化1】 (ここで、Mは周期表3,4,5または6族の遷移金
    属、Eは窒素またはリンであり、R1,R2,R3および
    4は同じでも異なっていてもよく、水素、炭化水素
    基、ヘテロ原子含有炭化水素基、または炭化水素基もし
    くはヘテロ原子含有炭化水素基を有するシリル基であ
    り、R5はシクロペンタジエニル誘導体であり、R1,R
    2,R3,R4およびR5は、それらを形成している原子を
    介して環を形成していてもよく、Xは互いに同じでも異
    なっていてもよく、水素原子、ハロゲン、炭化水素基、
    ヘテロ原子含有炭化水素基、置換アミノ基または置換ア
    ルコキシ基である。式中、aは1または2であり、bは
    0または1であり、cは1〜5である。) (B)有機アルミニウム化合物および (C)粘土または粘土鉱物 からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の(A)有機遷移金属化合
    物、(B)有機アルミニウム化合物、(C)粘土または
    粘土鉱物および(D)有機金属化合物からなることを特
    徴とするオレフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】(C)粘土または粘土鉱物が、有機化合物
    で処理され、有機陽イオン成分を含有する有機変性粘土
    あるいは有機変性粘土鉱物であることを特徴とする請求
    項1または2に記載のオレフィン重合用触媒。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3に記載のオレフィン重合
    用触媒を用いて、エチレンの重合あるいはエチレンおよ
    び炭素数3〜20のオレフィンの共重合を行うことを特
    徴とするエチレン重合体/エチレン系共重合体の製造方
    法。
JP11079434A 1999-03-24 1999-03-24 オレフィン重合用触媒およびそれを用いたエチレン重合体/エチレン系共重合体の製造方法 Pending JP2000273114A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11079434A JP2000273114A (ja) 1999-03-24 1999-03-24 オレフィン重合用触媒およびそれを用いたエチレン重合体/エチレン系共重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11079434A JP2000273114A (ja) 1999-03-24 1999-03-24 オレフィン重合用触媒およびそれを用いたエチレン重合体/エチレン系共重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000273114A true JP2000273114A (ja) 2000-10-03

Family

ID=13689785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11079434A Pending JP2000273114A (ja) 1999-03-24 1999-03-24 オレフィン重合用触媒およびそれを用いたエチレン重合体/エチレン系共重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000273114A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1238989A2 (en) * 2001-02-21 2002-09-11 Mitsui Chemicals, Inc. Olefin polymerization catalyst and process for producing olefin polymer with the catalyst

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1238989A2 (en) * 2001-02-21 2002-09-11 Mitsui Chemicals, Inc. Olefin polymerization catalyst and process for producing olefin polymer with the catalyst
EP1238989A3 (en) * 2001-02-21 2004-01-02 Mitsui Chemicals, Inc. Olefin polymerization catalyst and process for producing olefin polymer with the catalyst
US6897176B2 (en) 2001-02-21 2005-05-24 Mitsui Chemicals, Inc. Olefin polymerization catalyst and process for producing olefin polymer with the catalyst

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5753577A (en) Olefin polymerization catalyst based on organometallic complexes and process for production of polyolefins using the catalyst
EP0507876B1 (en) Supported ionic metallocene catalysts for olefin polymerization
US6005061A (en) Organo-aluminoxy product and use
US6683016B1 (en) Supported metallocene catalyst, its preparation method and olefin polymerization therewith
EP0726271B1 (en) Organoaluminoxy product, catalyst systems, preparation, and use
JP2000159829A (ja) オレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法
KR20000071523A (ko) 공여체-수용체 상호작용을 가진 지지 촉매
US20020002256A1 (en) Catalyst composition for the polymerization of olefins
JP2000273114A (ja) オレフィン重合用触媒およびそれを用いたエチレン重合体/エチレン系共重合体の製造方法
EP0816394B1 (en) Process for polymerising ethylene in the gas phase
US6255245B1 (en) Process for the preparation of supported polymerization catalyst systems and use thereof in the homo-and co-polymerization of unsaturated monomers
EP1608690B1 (en) Preparation of polyolefins having high molecular weights in the presence of an organic transition metal compound in a gas-phase fluidized-bed reactor
US20030207757A1 (en) Catalyst composition comprising metallocene compound having bulky cycloalkyl-substituted cyclopentadienyl ligand, and process for olefin polymerization using the same
JP3458636B2 (ja) 有機金属錯体を用いたオレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法
JP3858372B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法
KR20120076159A (ko) 전이 금속 촉매 조성물 및 이를 이용한 폴리 올레핀의 제조 방법
EP1569968B1 (en) Preparation of catalyst compositions having improved activity
JP3588665B2 (ja) 遷移金属錯体を用いたオレフィン重合触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造法
JP3975230B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法
KR100533888B1 (ko) 벌키 싸이클로알킬로 치환된 싸이클로펜타디에닐 리간드를포함하는 메탈로센 촉매 조성물 및 이를 이용한 올레핀의중합 방법
JP2000230011A (ja) 遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法
JP4009765B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法
JP2004161760A (ja) 新規な遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒およびポリオレフィンの製造方法
JP2001106719A (ja) オレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法
JPH1160628A (ja) 有機金属錯体を用いたオレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法