JP2000271712A - 連続鋳造プロセスにおける鋳片の表面欠陥評点判定方法 - Google Patents

連続鋳造プロセスにおける鋳片の表面欠陥評点判定方法

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JP2000271712A
JP2000271712A JP11082361A JP8236199A JP2000271712A JP 2000271712 A JP2000271712 A JP 2000271712A JP 11082361 A JP11082361 A JP 11082361A JP 8236199 A JP8236199 A JP 8236199A JP 2000271712 A JP2000271712 A JP 2000271712A
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Toshiyuki Taya
利之 田谷
Koichi Hirai
康一 平井
Hirofumi Nakajima
裕文 中島
Toshiya Komori
俊也 小森
Katsushi Kaneko
克志 金子
Hideki Yanagi
英樹 柳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オンラインでの鋳片の表面欠陥評点の判定に
より、生産性の低下、加熱原単位のロスを防止する。 【解決手段】 鋼の連続鋳造プロセスにおいて鋳造され
た鋳片の表面欠陥の評点を、鋳型以降の鋳片の温度履歴
指標値、溶鋼成分、さらに圧延時に受ける歪みからオン
ラインで判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、連続鋳造設備で
製造される鋳片の表面に発生する欠陥の評点を判定する
ための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造プロセスで鋳造され、その
後圧延加工を受けた鋳片表面欠陥の発生形態には、鋳片
幅方向中央部に発生する直径が数mm程度までの孔状の
疵、あるいは鋳造方向と平行、または垂直に発生する深
さ数mmの線状の疵などがある。これらの表面欠陥は、
鋳片の凝固過程での冷却、あるいは圧延前の加熱冷却等
により、相形成、組織形成が進む過程において、結晶粒
の粗大化、あるいは結晶粒界への析出物の形成等があっ
た場合、その後圧延加工時に鋳片が受ける歪みにより結
晶粒間の結合力が脆弱なところから破壊が生じて形成さ
れる。
【0003】このような表面に多数の欠陥が発生した鋳
片を厚み数mm以下の薄鋼板に圧延すると、表面欠陥は
消滅するどころかより大きな欠陥として残る。このため
鋳片段階で許容量以上の表面欠陥が発生した鋳片は薄鋼
板に圧延する前に、オフラインで鋳片表面溶削等により
表面欠陥を取り除く必要がある。しかし、製品の用途、
品質要求レベルによって表面欠陥の許容レベルが異な
り、それに応じて鋳片の処理(表面を溶削処理するか否
か、表面溶削量をどの程度にするか)を行う必要がある
ため、発生している表面欠陥の程度を把握する必要があ
る。このため従来から、連続鋳造設備で鋳造される鋳片
に発生する表面欠陥の程度(以下「評点」と称す)を把
握するため様々な方法、装置が提案されている。
【0004】この表面欠陥の評点を評価する方法とし
て、例えばオフラインの設備において人間の目で定量化
する目視判定がある。またCCDカメラから取り込んだ
信号をもとに画像処理を行うことにより定量的に行う方
法、超音波探傷や磁粉探傷の応用により表面欠陥の評価
を定量的に行う方法等が考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、数mm程度の
微細な表面欠陥の評価をオンラインで目視により行うこ
とは、ラインスピードが速いこと、鋳片表面が高温のた
め近接して目視できないこと、さらに鋳片表面にスケー
ルが形成されていることから難しい。従って、微細な欠
陥の評価が必要な高品質が要求される製品に充当する鋳
片は、欠陥の発生有無にかかわらず全て、一旦オフライ
ンにて鋳片の冷却と表面のスケール除去を行い、その後
目視検査により表面欠陥の定量評価を行っている。この
ため目視による表面欠陥の定量評価は、生産性の低下、
一旦冷却することによる加熱原単位のロス等の課題を有
する。
【0006】またCCDカメラから取り込んだ信号を基
に画像処理を行う方法も上記と同様で鋳片の表面スケー
ルにより精度よく判定することが難しい。さらに超音波
探傷や磁粉探傷の応用も考えられるが、オンラインでは
やはり鋳片温度が高いため要求される精度を満足するに
至っていない。本発明はオンラインで上記問題を有する
ことなく、精度良く評点を把握することを目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、その手段1は、鋼の
連続鋳造プロセスで鋳造する鋳片の表面欠陥を判定する
方法において、下記(1)により指標化したモールド以
降から加熱炉出側までの鋳片の温度履歴と溶鋼成分およ
び鋳片圧延時の表面温度及び圧延時の歪みから表面欠陥
を評点化することを特徴とする鋳片表面欠陥評点判定方
法である。手段2は前記温度履歴指標値Aの基準温度を
成分により決まる相変態が生じる温度及びその温度近傍
とすることを特徴とする前記手段1記載の鋳片表面欠陥
評点判定方法である。さらに手段3は前記指標値の基準
温度AをAr1点またはAr3点であることを特徴とす
る前記手段2記載の鋳片表面欠陥評点判定方法である。
【数2】
【0008】
【発明の実施の形態】鋳片に発生する表面欠陥は、例え
ば結晶の粒界に偏析した析出物に加工時の歪みが集中し
て割れる粒界割れのように、溶鋼の凝固過程での冷却、
あるいは圧延過程の加熱冷却といった、熱処理過程にお
ける結晶粒の粗大化、結晶粒界への不純物の析出、鋳片
に加わる歪み等が原因である。このため表面欠陥の評点
を判定するには、相形成、組織形成、相変態に係わる
鋳片の温度、溶鋼成分、さらに鋳片圧延時の鋳片に加
わる歪み及びその際の鋳片温度を把握することが重要で
ある。そこで高Al、N含有鋼を例に表面欠陥の評点を
判定する方法について以下に説明する。
【0009】前記に示したように物質の拡散、物質の
反応は鋳片の温度履歴により変化する。そこで、鋳片の
温度履歴と表面欠陥発生の関係について説明する。高A
l、N含有鋼は、鋳片凝固後の冷却過程においてAl−
N化合物が母相の結晶粒界に析出するため、圧延等の加
工により応力・歪みがくわわると、析出物を起点とする
脆性破壊が生じ、表面欠陥が発生する場合がある。
【0010】図2に、同一成分、同一圧延条件下にもか
かわらず欠陥が発生した鋳片と欠陥が発生しなかった鋳
片の連続鋳造機内(以下鋳機内と称す)における温度履
歴を示す。図2から、表面欠陥発生の有無により履歴の
曲線には差があることが判る。鋳片の表層部は鋳機内の
冷却帯(モールドの1次冷却およびモールド以降の2次
冷却)で温度が低下し、オーステナイト相からフェライ
ト相に一度相変態をする。冷却後の保温帯(鋳機内二次
冷却以降の非冷却部、さらに鋳機以降で後工程の圧延機
あるいは圧延機前の加熱炉前までの非冷却部)では鋳片
内部の持つ熱により一度冷却された表層部は復熱により
温度が再び上昇するため、表層部はフェライト相からオ
ーステナイト相に逆変態し、その過程で組織が微細化す
る。このためAl−N析出物も微細に分散するため、後
工程の圧延工程における鋳片圧延時の表面欠陥の発生が
抑制される。
【0011】一方、鋳機内における冷却が不十分な場合
はオーステナイトからフェライトへの変態率が低くなる
ため、保温帯での表層部の温度が上昇しても未変態の残
留オーステナイト結晶粒は微細化せずに逆に大きく成長
して結晶粒の粗大化が生じ、表面欠陥が発生しやすい条
件になる。従って図2に示すように、鋳片の温度履歴に
よって表面欠陥の発生に差が生じると考えられる。以上
のことから鋳片の温度履歴を把握することが表面欠陥の
評点を判定するには必要である。
【0012】次に鋳片温度履歴評価方法について示す。
鋳造中の鋳片温度は鋳造長手方向で連続して実測するこ
とが可能であるが、本発明では簡単に求めるために、鋳
造速度、冷却帯の水量、タンディッシュ(以下TD)で
の連続測温をはじめとする操業実績をもとに鋳片温度履
歴シミュレータを用いて計算により求めた。
【0013】鋳片温度履歴シミュレータは、鋳造方向と
垂直な断面の温度分布をモールド(以下MD)メニスカ
スから圧延工程前面にある加熱炉の出側までを連続して
計算する。計算は、TDでの溶鋼温度、溶鋼成分、鋳造
速度、冷却帯(MDでの一次冷却帯、及びMD以降の二
次冷却帯)における冷却水量を実績とし、鋳造方向に垂
直な断面において二次元非定常伝熱差分方程式を解くこ
とにより行っている。二次元非定常伝熱差分方程式を使
用しているのは、鋳片での熱の移動現象は、鋳造方向に
対して垂直な断面内の二次元方向が大半をしめること、
鋳造長手方向の距離、時間経過により温度計算における
境界条件が変化するためである。
【0014】温度履歴シミュレータの計算に用いた境界
条件は冷却帯(MDでの1次冷却帯、MD以降の二次冷
却帯)、保温帯、加熱炉のように熱的な環境により分類
した。各境界条件は、鋳片幅方向中央部の表面に熱伝対
を埋め込みMDから鋳機の機端までの鋳片温度履歴を実
測した試験結果と、保温帯の保温カバーに付帯であるオ
ンライン設備の温度計の計測値をもとに、シミュレータ
の計算結果をあわせ込むことで求めた。
【0015】温度履歴計算のロジックを図3と図4に示
す。TDの測温実績、成分測定結果をもとに計算点のM
Dでの初期溶鋼温度と溶鋼の凝固温度を計算し、温度か
ら含熱量、変換温度を算出する(図3中のブロック
)。つぎに、計算点が鋳造機内にあれば、鋳造速度、
各冷却帯の水量実績を読み込み、冷却帯、保温帯などの
各ゾーンの熱伝達率を計算する(図3中のブロック
)。読み込んでいる鋳造速度実績をもとに鋳造長を加
算する(図3中のブロック)。全計算点について、溶
鋼中C濃度により熱伝導率や、含熱量変換と温度変換を
行う際の変換係数を決め、境界条件をセットして差分計
算を行う。計算後、含熱量から温度への変換をおこない
算出される温度を保存し、そのタイミングでの鋳片断面
温度とする(図4中のブロック)。計算経過時間を加
算し、上記からまでの一連の流れを計算が終了する
まで繰り返し行う。
【0016】モールドから加熱炉温度までの全鋳造長に
おける計算結果により表面欠陥評点の判定は膨大なデー
タを必要とすることから、計算機の負荷増と解析対象デ
ータ増加につながる。そこで本発明では欠陥発生と因果
関係の強い鋳片の相変態の温度を基に評価することで負
荷軽減を図った。高Al、N含有鋼であれば例えばオー
ステナイト相からフェライト相に相変態に係わるAr1
あるいはAr3を基準に評価することが望ましく、Ar
1がより好ましい。
【0017】温度履歴は前記(1)式に示すようにAr
1点を基準温度(A)とし、この基準温度(A)以下の
温度領域に鋳片がいた時間でその温度を積分して指標値
化した。図5は基準温度(A)をAr1点とし、同一成
分条件下での鋳片温度履歴指標値と鋳片圧延時の表面温
度による鋳片表面欠陥発生状況との関係を示す。なお、
本発明の表面欠陥評点の評価は表1に示す基準により行
い、鋳片全表面に欠陥がない場合は表面欠陥評点0、発
生した表面欠陥のために表面積の1割未満を手入れした
鋳片は表面欠陥評点1、発生した表面欠陥のために表面
積の1割以上を手入れした鋳片は表面欠陥評点2として
いる。図5に示すように圧延時の鋳片温度が同じ条件で
あっても温度履歴指標値によって表面欠陥評点が異な
り、表面欠陥の発生状況に差があることが判る。即ち、
鋳片表面欠陥の評点判定には鋳片の温度履歴指標値が必
要である。
【0018】
【表1】
【0019】次に前記に示したように物質の拡散、物
質の反応は溶鋼成分(鋳片成分)により変化することか
ら、成分の表面欠陥の発生ついて図6を基に説明する。
図6は同一温度履歴でかつ同一圧延条件下である鋳片に
ついてAl、Nと鋳片表面欠陥発生状況の関係を示した
ものである。横軸はAlの濃度[×10-3wt%]、横
軸はNの濃度[ppm]を表す。なお、図中の表面欠陥
評点は前記表1記載と同じ基準である。高Al、N含有
鋼の場合、AlNの析出物が表面欠陥発生に影響が大き
いため、析出物が形成されやすい高Al、高Nの領域で
鋳片表面欠陥が発生しやすく、かつその評点も高くなる
傾向にある。
【0020】温度履歴条件、圧延条件が異なると、図6
で示される表面欠陥の評点境界位置は変化する。即ち冷
却が不十分、つまり温度履歴指標値が小さい場合は、図
6で示される表面欠陥評点1と表面欠陥評点2の境界は
AlとNの両成分とも低濃度側に移動し、表面欠陥が発
生する領域は拡大する。逆に鋳片が十分に冷却された場
合、つまり温度履歴指標値が大きな場合は表面欠陥が発
生する領域はAl、Nともに低濃度側に移動する。同様
のことが圧延条件にもいえ、圧延機による鋳片圧下率が
大きい場合は表面欠陥が発生する領域がAlとNの両成
分とも低濃度側へ拡大し、圧下率が小さい場合は表面欠
陥発生領域がAlとNの両成分とも高濃度側へ移動す
る。以上のように鋳片表面欠陥の評点判定には溶鋼成分
が必要である。
【0021】次に前記に示したように鋳片圧延時の鋳
片に加わる歪み及びその際の鋳片温度の表面欠陥に及ぼ
す影響について図7を基に説明する。なお、鋳片圧延時
の鋳片に加わる歪みは鋳片の圧下率と相関があることか
ら、表面欠陥に及ぼす影響は鋳片の圧下率を用いて評価
した。図7は同一成分でかつ同一温度履歴である鋳片に
ついて、圧延時の鋳片圧下率、鋳片表面温度と表面欠陥
発生状況の関係を示したものである。圧下率は下記
(2)式を用いたが、(2)式においては圧延ロール幅
の代わりに鋳片の実績幅を用いてもよい。図7に示すよ
うに表面欠陥が発生する駆動力となる圧下率が高く、鋼
の靭性が低下する低温部において、鋳片表面欠陥の発生
する危険性が高いことがわかる。 圧下率=(圧延ロール噛み込み前幅−圧延ロール噛み込み後幅)/(圧延ロー ル噛み込み前幅) ・・・・(2)
【0022】なお、圧延条件と表面欠陥発生の関係は上
記鋳片成分と表面欠陥評点の関係と同様、他の条件が異
なると変化する。温度履歴指標値が小さくなると、図7
で示される表面欠陥評点1、表面欠陥評点2の境界が、
圧下率については低い方へ、圧延時鋳片表面温度につい
ては高温側へ、つまり領域が拡大する方向へ移動する。
温度履歴指標値が大きくなると、表面欠陥発生領域は圧
下率については高い方へ、圧延時表面温度については低
温側へ移動する。同様に、Al、Nの成分が高くなる
と、表面欠陥発生領域は圧下率の低い方へ、圧延時表面
温度は低温側へ移動し、逆にAl、Nの成分が低くなる
と表面欠陥発生領域は圧下率は高い方へ、圧延時表面温
度は高温側へ移動する。以上のように鋳片表面欠陥の評
点判定には鋳片の圧下率と圧延温度が必要である。
【0023】以上から明らかなように、表面欠陥発生に
は鋳片の温度履歴、溶鋼成分、鋳片圧延時の圧下率(歪
み)と温度が関係し、それぞれの条件は互いに影響を及
ぼしあうため、重回帰等の線形解析による表面欠陥の評
点判定では十分な精度が得られない可能性がある。そこ
で上記要因から精度よく表面欠陥の発生を評価するた
め、本発明では非線形な事象を解析するのに適した汎用
ツールであるニューラルネットワークを使用した。図8
に本発明で用いたニューラルネットワークの概要図を示
す。実線で結合される入力項目[成分1(Al)、成分
2(N)、温度履歴シミュレータ出力指標値、最大圧下
率、圧延中鋳片表面温度]、中間層[中間層1〜3]と
表面欠陥評点は、今回対象とした高Al、N含有鋼で表
面欠陥評点判定に最低限必要な項目であり、さらに判定
精度を向上させるためには圧延前の加熱条件、成分とし
てC値、Mn値、S値を入力値として追加するのが望ま
しい。
【0024】判定方法にニューラルネットワークを使用
したのは、前記のように判定を行うための入力因子が従
属的であるためである。例えば鋳片温度履歴と表面欠陥
発生の関係は、溶鋼成分の変動で凝固温度を左右される
ことにより熱の移動現象が変動するため影響を受ける。
圧延時の圧下率と表面欠陥発生の関係においても、温度
履歴が相形成、組織形成という系の状態を決定するた
め、影響を与える。中間層の個数はMastersの法
則によると(入力層数×出力層数)1/2 =51/2 ≒2.
2であるが、本発明においては経験上3とした。
【0025】図9にオフラインでの目視による表面欠陥
の実績評点判定結果と本発明による判定評点との関係を
示す。実績評点は鋳片を冷却し鋳片表面のスケール除去
後に目視で判定したものであり、前記表1と同様な評価
方法である。図9に示すように実績の表面欠陥評点と本
発明による評点判定結果の相関係数は、0.90と高
く、本発明ではオンラインでの目視による表面欠陥評点
判定と同等の精度が得られることが判る。
【0026】本発明ではスラブ単位で実績(成分1、成
分2、温度履歴シミュレータ出力指標値、最大圧下率、
圧下中鋳片表面温度)により判定を行うモデルの入力項
目のうち、圧延前に実績のないもの(最大圧下率、圧下
中鋳片表面温度)については、圧延モデル(圧延スケジ
ュール)により概算を行い、表面欠陥の程度がひどい
(表面欠陥評点が2程度)のものについては巾圧下を行
わず、余材とすることにより表面疵発生を防ぐ。
【0027】
【実施例】本発明の効果を検証するために、MD厚28
2mm、垂直曲げ型連続鋳造設備において鋳造し、リバ
ースタイプの幅大圧下圧延機にて幅圧下および厚み圧下
を往復圧延により行った鋳片について表面欠陥の評点を
判定した。なお表面欠陥の評点は前記表1と同様な評価
方法である。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】1.表2に対象鋼種の成分示し、表3に鋳
造寸法と圧延寸法を示した。 2.表4に鋳片表面欠陥判定計算に用いた各データと表
面欠陥評点判定結果及び表面欠陥評点実績を示す。表中
Ar1温度とAr3温度は対象鋼の成分を基に計算した
値である。さらに積分時間及び温度履歴指標値は温度履
歴計算を基に前記(1)式の基準温度(A)をAr1及
びAr3温度として計算した。鋳片圧下率は前記(2)
を用いて計算し、圧延機の往復5回の圧延パスのうちも
っとも大きな圧下率の値を採用した。さらに圧延中鋳片
表面温度は圧延機付設の温度計の実測温度を用いた。な
お、表面欠陥の評点の実績は、鋳片を冷却し表面スケー
ル除去後に目視で実施した。 3.図10に対象鋼種の鋳機内における温度履歴を示
す。
【0031】
【表4】
【0032】表4の鋼種1〜3に示すように、本発明に
よる表面欠陥の評点判定は、従来の鋳片を冷却して表面
スケール除去後の目視判定と同等の精度を得ることがで
きる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、鋳片の冷却と表面スケ
ール除去作業等の工程を伴うことなく、表面冷却と表面
スケール除去後の目視判定と同等レベルの精度で表面欠
陥評点の判定を経済的に実施することが可能となり、こ
の種の産業分野にもたらす効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳片の鋳機内温度履歴指標化方法の概略図であ
る。
【図2】表面欠陥発生の有無と鋳機内温度履歴の関係を
示した図である。
【図3】鋳片温度履歴を計算するロジックを示した図で
ある。
【図4】図3の続きを示した図である。
【図5】温度履歴指標化値と鋳片表面欠陥評点の関係を
示した図である。
【図6】同一温度履歴指標化値、同一圧下率、同一圧延
温度の条件下で、Al、Nの成分と表面欠陥評点の関係
を示した図である。
【図7】同一成分、同一温度履歴指標化値の条件下で、
圧延時鋳片表面温度、圧下率と表面欠陥評点の関係を示
した図である。
【図8】本発明で用いた表面欠陥評点判定を行うニュー
ラルネットワークの概略図である。
【図9】上記ニューラルネットワークで評点を判定した
結果と、鋳片を冷却後、スケール除去作業後目視判定に
より評点判定を行った結果の関係を示す図である。
【図10】実施例の温度履歴計算結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 裕文 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 小森 俊也 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 金子 克志 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 柳 英樹 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 Fターム(参考) 4E004 MC22 MC24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼の連続鋳造プロセスで鋳造する鋳片の
    表面欠陥を判定する方法において、下記(1)式により
    指標化したモールド以降から加熱炉出側までの鋳片の温
    度履歴と、溶鋼成分、鋳片圧延時の表面温度及び圧延時
    の歪みから表面欠陥を評点化することを特徴とする鋳片
    表面欠陥評点判定方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 前記指標値の基準温度Aを成分により決
    まる相変態が生じる温度及びその温度近傍とすることを
    特徴とする請求項1記載の鋳片表面欠陥評点判定方法。
  3. 【請求項3】 前記指標値の基準温度AはAr1点また
    はAr3点であることを特徴とする請求項2記載の鋳片
    表面欠陥評点判定方法。
JP11082361A 1999-03-25 1999-03-25 連続鋳造プロセスにおける鋳片の表面欠陥評点判定方法 Withdrawn JP2000271712A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100836451B1 (ko) * 2001-12-18 2008-06-09 주식회사 포스코 열간압연공정에서 롤마크 표면결함 감소방법
JP2011195932A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Nippon Steel Corp 鋼片の加熱方法

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