JP2000270894A - D−ルシフェリン−O−β−D−グルクロニド誘導体、その製造方法、その誘導体を有効成分とするβ−グルクロニダーゼの活性測定方法、及び大腸菌の検出方法 - Google Patents

D−ルシフェリン−O−β−D−グルクロニド誘導体、その製造方法、その誘導体を有効成分とするβ−グルクロニダーゼの活性測定方法、及び大腸菌の検出方法

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JP2000270894A
JP2000270894A JP11077286A JP7728699A JP2000270894A JP 2000270894 A JP2000270894 A JP 2000270894A JP 11077286 A JP11077286 A JP 11077286A JP 7728699 A JP7728699 A JP 7728699A JP 2000270894 A JP2000270894 A JP 2000270894A
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Atsushi Sano
敦志 佐野
Koichi Kasai
浩一 葛西
Hiroki Tatsumi
宏樹 辰巳
Ikuko Masuda
郁子 増田
Shoichi Tokutake
昌一 徳武
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規D−ルシフェリン−O−β−D−グルクロ
ニド誘導体、その製造方法、その誘導体を基質として用
いる迅速かつ高感度なβ−グルクロニダーゼの活性測定
方法、更に、大腸菌の検出方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で示されるD−ルシフ
ェリン−O−β−D−グルクロニド誘導体及びその塩、
その製造方法、その誘導体及びその塩を有効成分として
含むβ−グルクロニダーゼ活性測定用試薬、該新規化合
物を発光基質として用いて、簡便で迅速でしかも高感度
にβ−グルクロニダーゼの活性を測定する方法、さらに
は、該測定用試薬とβ−ガラクトシダーゼ活性測定用試
薬とからなる大腸菌検出用試薬、並びに該β−グルクロ
ニダーゼ活性測定方法とβ−ガラクトシダーゼ活性測定
方法とを組み合わせた大腸菌検出方法。 【化1】 (式中、Rは水素原子、有機アンモニウム基またはアル
カリ金属原子を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、D−ルシフェリン
−O−β−D−グルクロニド誘導体、その製造方法、そ
の誘導体を発光基質として用いる迅速かつ高感度なβ−
グルクロニダーゼの活性測定方法、更に、大腸菌の検出
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】β−グルクロニダ−ゼは、β−D−グル
クロニドを加水分解して、D−グルクロン酸を遊離する
反応を触媒する酵素で、動植物組織や細菌などに広く分
布する。この酵素は、哺乳動物では、ほとんどあらゆる
組織や体液中に存在し、特に肝、腎、脾、内分泌臓器な
どに多量に存在する。また、細胞内では一般に細胞質に
その存在が認められ、特に細胞質顆粒(リソゾームやミ
クロゾームなど)中に多量に存在する。健常細胞では、
その酵素は、大部分が顆粒中に存在する。しかし、肝臓
や腎臓などの疾患により、細胞質顆粒が損傷を受ける
と、その中に含まれるβ−グルクロニダ−ゼが体液中に
漏出し、血液や尿中の該酵素活性が上昇する(C.deDuve
ら.Biochem.J.,60,604頁(1955)参照)。すなわち、臨床
検査分野において、肝、腎、脾、内分泌臓器などの疾患
の診断および経過観察の一助として、体液中のβ−グル
クロニダーゼの活性が測定されている。
【0003】また、食品衛生分野において、大腸菌群
は、汚れの指標と考えられている。一方、大腸菌は大腸
菌群に比較して人及び動物の糞便に存在する確立が高
く、しかも自然界では死滅しやすいので、食品中の存在
は、直接又は間接的に比較的新しい糞便汚染を示すもの
と考えられている。したがって、大腸菌が検出された食
品は、大腸菌群が検出された場合よりも一層不潔な取り
扱いを受けたものと推測され、腸管系病原菌に汚染され
ている可能性が高い。
【0004】大腸菌群の簡易検出方法としては、グラム
陰性菌を選択培養し、生育した菌のβ−ガラクトシダー
ゼ活性を測定する検出方法が広く用いられている。
【0005】一方、大腸菌の95%以上に認められるβ
−グルクロニダーゼは、100種類に及ぶ他の腸内細菌
菌種の中では Shigella 及び Salmonella を除いてはご
く例外的にしか認められず、大腸菌の存在を示す指標と
されている(食品衛生検査指針追補II、28〜34頁
(1996)参照)。現在、大腸菌群(便宜的にはβ−
ガラクトシダーゼ活性を有するグラム陰性菌)の中でβ
−グルクロニダーゼ活性を有するものを大腸菌とする迅
速検出方法が広く実施されている。
【0006】これまで、β−グルクロニダーゼの活性測
定には、主に発色基質を用いて、酵素反応の結果遊離す
る発色物質を比色測定する方法が用いられている。例え
ば発色基質としてp−ニトロフェニルグルクロニドを用
いた比色測定法(臨床酵素学、赤堀四郎、沖中重雄監
修、朝倉書店、397−398頁参照)が挙げられる。
そのほかにも、フェノールフタレイン、フェニル、p−
ヒドロキシビフェニル、p−クロルフェニル、8−ヒド
ロキシキノリン、1− O−ヒドロキシフェニル−アゾナ
フトール、6−ブロム−2−ナフチルなどの発色基を有
するグルクロニドが発色基質として用いられている。ま
た、蛍光測定方法として、4−メチルウンベリフェリル
−β−D−グルクロニドを蛍光基質に用いる方法などが
挙げられる(Glaser,Janet H.ら J.Biol.Chem.,254(1
4),6588-6597頁,(1979)参照)。
【0007】しかし、p−ニトロフェニルグルクロニド
を基質に用いてβ−グルクロニダーゼの活性を測定する
方法は、酵素反応により生成するp−ニトロフェノール
を測定する波長が約400nm付近であるため、測定試
料中に含まれる有色物質によりブランク値が上昇し、測
定精度が低下するなどの欠点がある。また、4−メチル
ウンベリフェリル−β−D−グルクロニドを基質に用い
る蛍光測定方法は、同様に測定試料中に含まれる蛍光物
質による影響を受け、さらに、蛍光光度計などの特殊な
機器を必要とするなどの欠点を有している。更に、これ
らの測定方法を用いる大腸菌の検出には約18時間以上
を必要とするため、より短時間の検出を必要とする食品
業界では、より迅速かつ高感度な検出方法が望まれてい
る。
【0008】近年、迅速かつ高感度な測定方法として、
ルシフェリン−ルシフェラ−ゼ発光反応を利用する測定
方法が注目されてきた。食品衛生分野においても、この
発光反応を利用した、食品や製造環境の微生物の汚染状
況を迅速かつ簡便に測定する方法が広く用いられてきて
おり、それに伴って、軽量かつ安価で、簡単に操作でき
る発光光度計(ルミノメ−タ−)が広く普及してきた。
【0009】本発明者らは、既にβ−ガラクトシダーゼ
の発光基質としてD−ルシフェリン−O−β−D−ガラ
クトシドを用いる、上記発光反応を利用した迅速な大腸
菌群の検出方法を提案した(特願平10−98233号
参照)。
【本発明が解決しようとする課題】 本発明の課題は、
前記したβ−グルクロニダーゼの活性測定及び大腸菌検
出における従来の技術が有する欠点を克服し得る、有効
な新規化合物を提供すること、その新規化合物を有効成
分として含むβ−グルクロニダーゼ活性測定用試薬、該
新規化合物を発光基質として用いて、簡便で迅速でしか
も高感度にβ−グルクロニダーゼの活性を測定する方
法、さらには、該測定用試薬とβ−ガラクトシダーゼ活
性測定用試薬からなる大腸菌検出用試薬及び該β−グル
クロニダーゼ測定方法を利用した大腸菌検出方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
解決のために鋭意研究を重ねた結果、新規な化合物、D
−ルシフェリン−O−β−D−グルクロニド誘導体及び
その合成方法を見出だし、その誘導体を含む反応液に、
測定試料を加えて反応させ、生成するルシフェリンをル
シフェラ−ゼを用いて発光させ、その発光量を測定する
ことにより、β−グルクロニダーゼの活性を迅速かつ高
感度に測定できること、さらにこのβ−グルクロニダー
ゼ活性の測定方法を利用すると、大腸菌の検出に極めて
有効であることなどを見出し、これらの知見に基づき本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明の新規D−
ルシフェリン−O−β−D−グルクロニド誘導体は、一
般式(1):
【0011】
【化4】 〔式中、Rは水素原子、有機アンモニウム基またはアル
カリ金属原子を示す〕で表されるD−ルシフェリン−O
−β−D−グルクロニド又はその塩であり、さらに、本
発明は、一般式(2):
【0012】
【化5】 〔式中、R1はアシル基、R2はアルキル基、Yはハロゲ
ン原子を示す〕で表される1−ハロゲノグルクロン酸誘
導体に、2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール
誘導体を作用させ、次いでまたは同時に、D−システイ
ン誘導体を反応させて一般式(3):
【0013】
【化6】 〔式中、Rは水素原子、有機アンモニウム基またはアル
カリ金属原子、R1 はアシル基、R2 はアルキル基を示
す〕で表される化合物を得、次いで水酸基保護基及びカ
ルボン酸保護基を除去して得られる一般式(1)で表さ
れるD−ルシフェリン−O−β−D−グルクロニド又は
その塩の製造方法を提供する。
【0014】さらに、本発明は、一般式(1)で表され
るD−ルシフェリン−O−β−D−グルクロニド又はそ
の塩、及びルシフェラーゼを有効成分として含むβ−グ
ルクロニダーゼ活性測定用試薬であり、さらに該D−ル
シフェリン−O−β−D−グルクロニド又はその塩を含
む反応液に、測定試料を加えて反応させ、生成するルシ
フェリンをルシフェラーゼを用いて発光させ、その発光
量を測定することによりβ−グルクロニダーゼ活性を測
定する方法である。
【0015】さらに本発明は、上記β−グルクロニダー
ゼ活性測定用試薬を含む大腸菌検出用試薬であり、さら
に、該β−グルクロニダーゼ活性測定用試薬とD−ルシ
フェリン−O−β−D−ガラクトシド又はその塩及びル
シフェラーゼを有効成分として含むβ−ガラクトシダー
ゼの活性測定用試薬とからなる大腸菌検出用試薬であ
る。
【0016】さらに上記β−グルクロニダーゼ活性の測
定方法を用いて検出する大腸菌の検出方法であり、該β
−グルクロニダーゼ活性の測定方法とD−ルシフェリン
−O−β−D−ガラクトシド又はその塩を含む反応液
に、測定試料を加えて反応させ、生成するルシフェリン
をルシフェラーゼを用いて発光させ、その発光量を測定
することにより、β−ガラクトシダーゼ活性を測定する
方法とを組み合わせた大腸菌の検出方法である。さら
に、測定試料が、大腸菌を含む試料を選択培養した試料
であり、その選択培養がグラム陰性菌の選択培地を用い
て行なう大腸菌の検出方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のD−ルシフェリン−O−β−D−グルクロニド
誘導体(以下、本発明誘導体と言う)は、下記一般式
(1):
【0018】
【化7】 で表されるβ−D−グルクロン酸若しくはその塩とD−
ルシフェリン若しくはその塩がエステル結合してなる化
合物で、式中、Rは水素原子、アンモニウム基、トリエ
チルアミン基などの有機アンモニウム基又はナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属原子である。
【0019】本発明誘導体は、如何なる方法で製造して
もよいが、例えば、以下の製造方法により製造すること
ができる。本発明誘導体は、次に示す一般式(2):
【0020】
【化8】 〔式中、R1はアシル基、R2はアルキル基、Yはハロゲ
ン原子を示す〕で表される1−ハロゲノグルクロン酸誘
導体(以下、化合物(I)と言う)に、2−シアノ−6
−ヒドロキシベンゾチアゾールを作用させ、次いでまた
は同時に、D−システインと反応させて一般式(3):
【0021】
【化9】 〔式中、Rは水素原子、有機アンモニウム基またはアル
カリ金属原子、R1はアシル基、R2 はアルキル基を示
す〕で表される化合物(以下、化合物(II)と言う)
とした後、水酸基保護基やカルボン酸保護基を通常の方
法で除去することにより製造することができる。
【0022】この製造方法の好適な実施態様について説
明すると、先ず、前記化合物(I)は、市販のD−グル
クロノラクトンから3段階を経て製造することがきる。
すなわち、第1段階で、D−グルクロノラクトンに、例
えば、塩化水素などの酸または、水酸化ナトリウムなど
のアルカリの存在下、例えば、メタノールなどのアルコ
ールを作用させることにより、次に示す一般式(4):
【0023】
【化10】 〔式中、R2 はアルキル基を示す〕で表されるD−グル
クロン酸アルキルエステルを得る。第2段階では、これ
を、例えば、無水酢酸とピリジン中で、通常0℃〜室温
の範囲の温度で、1〜48時間程度攪拌させる方法でO
−アシル化する。第3段階で、得られたO−アシル化物
を、例えば、ジクロロメタンに溶解し、1〜20当量の
臭化水素酢酸溶液を添加し、通常0℃〜室温の範囲の温
度で、1〜48時間程度攪拌させる方法で、 1−ハロゲ
ノ体とすることにより化合物(I)を製造することがで
きる。
【0024】前記化合物(I)の具体例としては、1−
ブロモ−1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−アセチ
ル−D−グルクロン酸メチルエステル、1−ブロモ−1
−デオキシ−2,3,4−トリ−O−アセチル−D−グ
ルクロン酸エチルエステル、1−クロロ−1−デオキシ
−2,3,4−トリ−O−アセチル−D−グルクロン酸
メチルエステル、1−ブロモ−1−デオキシ−2,3,
4−トリ−O−アセチル−D−グルクロン酸トリクロロ
エチルエステルなどが好適なものとして挙げられる。
【0025】前記化合物(II)は、例えば、以下に示
す方法により製造することができる。先ず、Bull. Che
m. Soc.Jpn.,65(1992)392-395頁に記載の方法に従っ
て、市販の2−シアノ−6−メトキシベンゾチアゾール
を脱メチル化して得られる2−シアノ−6−ヒドロキシ
ベンゾチアゾールと、化合物(I)とを、例えば、アセ
トニトリルに溶解し、1〜3当量の酸化銀[I]を添加
し、通常0℃〜50℃の範囲の温度で、1〜48時間程
度攪拌させ、次に示す一般式(5):
【0026】
【化11】 〔式中、R1はアシル基、R2はアルキル基を示す〕で表
される、例えば、2−シアノベンゾチアゾール−6−O
−(2,3,4−トリ−O−アセチル)−β−D−グル
クロニドメチルエステルを得ることができる。次いで、
又は、同時に、得られたこのグルクロニドを、例えば、
ジクロロメタン−メタノール−水(容量比=1:1:
1)に溶解し、1〜3当量のD−システイン誘導体及び
1〜3当量の炭酸ナトリウムを添加し、通常0℃〜50
℃の範囲の温度で、0.5〜48時間程度攪拌し、化合
物(II)を製造することができる。D−システイン誘
導体としては例えばD−システイン塩酸塩などが挙げら
れるる。化合物(II)の具体例としては、D−ルシフ
ェリン−O−(2,3,4−トリ−O−アセチル)−β
−D−グルクロニドメチルエステル、D−ルシフェリン
−O−(2,3,4−トリ−O−アセチル)−β−D−
グルクロニドエチルエステル、D−ルシフェリン−O−
(2,3,4−トリ−O−トリクロロアセチル)−β−
D−グルクロニドトリクロロエチルエステルなどが好適
なものとして挙げられる。
【0027】本発明誘導体は、化合物(II)に塩基を
作用させて、O−アシル基及びカルボン酸アルコキシ基
を同時に脱離する方法、例えば、化合物(II)をメタ
ノールに溶解し、1〜10当量の水酸化ナトリウム水溶
液を添加して通常0℃〜50℃の範囲の温度で、0.5
〜48時間程度攪拌する方法、または、化合物(II)
に塩基を作用させ、O−アシル基を脱離する方法とエス
テラーゼなどの酵素を作用させカルボン酸アルコキシ基
を脱離する方法とを組み合わせる方法、例えば、化合物
(II)をメタノールに溶解し、触媒量のナトリウムメ
トキシドを添加して、通常0℃〜50℃の範囲の温度
で、1〜48時間程度攪拌し、次いで、溶媒を留去した
後、得られた生成物を水に溶解し、エステラーゼを添加
して通常0℃〜50℃の範囲の温度で0.5〜48時間
程度攪拌する方法などにより製造することができる。塩
基としては、例えば KOH、K2CO3、NaOH、N
2C03 などのアルカリ金属塩、例えばナトリウムメ
トキシド、ナトリウムフェノキシドなどのアルカリ金属
のアルコキシド、及びアンモニアなどが挙げられるが、
収率を考慮すると、ナトリウムメトキシドが好ましい。
酵素としては、例えばエステラーゼやリパーゼなどが挙
げられるが、収率を考慮すると、エステラーゼが特に好
ましい。本発明誘導体の具体例としては、例えば、D−
ルシフェリン−O−β−D−グルクロニド、D−ルシフ
ェリン−O−β−D−グルクロニド1ナトリウム塩、D
−ルシフェリン−O−β−D−グルクロニド2ナトリウ
ム塩、D−ルシフェリン−O−β−D−グルクロニド1
カリウム塩、D−ルシフェリン−O−β−D−グルクロ
ニド2カリウム塩などが好適なものとして挙げられる。
【0028】この様にして得られた本発明誘導体に、β
−グルクロニダーゼを反応させると、D−グルクロン酸
とルシフェリンを生成する。生成したルシフェリンをル
シフェラーゼを用いて発光させ、その発光量を測定する
ことにより、迅速でしかも高感度にβ−グルクロニダー
ゼ活性を測定することができることから、本発明誘導体
はβ−グルクロニダーゼ活性の測定の際の発光基質とし
て好適に用いることができる。
【0029】次に、本発明誘導体を用いるβ−グルクロ
ニダーゼの活性測定方法(以下、本発明測定方法と言
う)について説明する。本発明測定方法によりβ−グル
クロニダーゼの活性を測定するためには、上記発光基質
(本発明誘導体)、ルシフェラーゼ、ATP、金属イオ
ン及び必要に応じてその他の添加物を含んだβ−グルク
ロニダーゼ測定用試薬に、測定試料を添加し、反応さ
せ、生成したルシフェリンをルシフェラ−ゼにより発光
させ、その発光量を市販のルミノメーターなどの測定器
を用いて測定することによりβ−グルクロニダーゼ活性
を測定することができる。
【0030】本発明測定方法のβ−グルクロニダーゼ活
性測定用試薬は、以下に述べる各種成分を含む。該測定
試薬に用いる発光基質の濃度は、基質の純度、測定条件
等により異なるが、発光感度が大きく、測定時間短縮の
ための好適な濃度が適宜選択される。
【0031】前記したルシフェラーゼは、特に限定され
ないが、ゲンジボタル、ヘイケボタル、北米ボタル、ツ
チボタル、ヒカリコメツキムシなどを由来とするものを
用いることができる。ルシフェラ−ゼは上記生物の発光
組織から精製した天然型ルシフェラ−ゼや遺伝子工学的
手法により調製した天然型ルシフェラ−ゼ、さらには天
然型ルシフェラ−ゼのアミノ酸配列中の1又は複数のア
ミノ酸に付加、欠失、置換等の変異を導入した変異型ル
シフェラ−ゼも使用することができる。
【0032】前記したATPは、そのもの又は種々のそ
の塩を用いることができる。その濃度は、発光反応に必
要な量以上であればよい。また、前記した金属イオンと
してはマグネシウム、カルシウム、鉄、銅などが挙げら
れるが、目的に応じて、適した金属イオンを塩として適
量用いることができる。
【0033】そして、前記したその他の添加物として
は、例えば、pH調整や試薬の保存性向上に関与する物
質が挙げられ、具体的には、蛋白質(例えば、牛血清ア
ルブミン)、シュークロースなどの糖類、キレ−ト剤
(例えば、EDTA・2Na)、還元剤(例えば、ジチ
オスレイト−ル、2−メルカプトエタノ−ルなど)、硫
酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0034】反応のpHは、測定するβ−グルクロニダ
−ゼ及び発光反応に用いられる酵素の至適pHなどを考
慮して、活性測定に適したpHとなるように調整するの
が好ましいが、測定可能なpHであればこれに限定され
るものではない。pHの調整方法は特に限定されない
が、緩衝剤としては、 N−[トリス(ヒドロキシメチ
ル)メチル]グリシン、りん酸塩、酢酸塩、炭酸塩、ト
リス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、ほう酸
塩、クエン酸塩、ジメチルグルタミン酸塩、トリシン、
HEPESなどにより調整することが好ましい。緩衝剤
の濃度は酵素反応を阻害せず、かつ試料によりpHが変
化しない濃度であればよい。
【0035】調製されたβ−グルクロニダーゼ測定用試
薬は、必要により、バックグラウンドを低下せしめた
後、以下に述べる、β−グルクロニダーゼ活性の測定に
用いられる。
【0036】次に、本発明測定方法について説明する。
先ず、上記β−グルクロニダーゼ測定用試薬に測定試料
を加えて反応させ、生成したルシフェリンをルシフェラ
ーゼを用いて発光させる。
【0037】本発明に供される測定試料としては、ヒト
の体液、例えば、血液、血清、尿などや細胞破砕液、例
えば、食品などに存在する大腸菌を破砕した液などが挙
げられる。
【0038】反応に用いる温度は、測定試料中に含まれ
るβ−グルクロニダ−ゼ及びルシフェラーゼなどの酵素
の至適作用温度などを考慮して、活性測定に適した温度
を選択することができる。反応時間は、特に限定され
ず、反応条件などにより適宜選択できる。反応開始後、
直ちに発光量を測定しても良いし、一定時間反応後、発
光量を測定しても良い。発光量は一定時間の発光量の積
算値(RLU)として測定される。例えば、1秒以上の
時間を適宜選択し、好ましくは5秒〜2分間の発光量を
積算する。
【0039】次に、発光量を市販の汎用性ルミノメ−タ
−、例えば、ルミテスタ−C−100(キッコ−マン社
製)を用いて測定する。得られた発光量から、例えば、
検量線などによりβ−グルクロニダ−ゼ活性を測定する
ことができる。
【0040】次に、本発明の測定方法の好適な実施態様
を説明する。
【0041】本発明誘導体 1μg〜5mg/ml、好
ましくは2μg〜1mg/ml、ルシフェラ−ゼ 10
μg〜10mg/ml、好ましくは20μg〜1mg/
ml、ATP 0.05〜50mM,好ましくは0.2
〜5mM、EDTA 0.1〜50mM,好ましくは
0.4〜10mM、酢酸マグネシウム 1〜100m
M、好ましくは5〜50mM、ジチオスレイト−ル
0.1〜10mM、好ましくは0.5〜5mM、牛血清
アルブミン 0.02〜2%、好ましくは0.1〜1
%、トリシン 5〜500mM、好ましくは10〜20
0mMからなるpH4〜10、好ましくはpH6〜8.
5のβ−グルクロニダーゼ測定用試薬を調製し、例え
ば、必要により、室温にて10分以上、好ましくは30
分〜5時間放置し、バックグラウンドを低下せしめる。
【0042】上記β−グルクロニダーゼ測定用試薬に測
定試料を加えて、温度20〜45℃、好ましくは25〜
40℃で、1秒〜1時間、好ましくは1〜30分間反応
させた後、ルミテスターC−100(キッコーマン社
製)を用いて、1秒以上、好ましくは5秒〜2分間の発
光量(RLU)を測定する。得られた発光量をあらかじ
め測定した標品β−グルクロニダ−ゼ液の発光量と対比
させることにより測定試料中のβ−グルクロニダ−ゼ活
性を算出することができる。
【0043】次に、上記本発明測定方法を用いる大腸菌
の検出方法について説明する。
【0044】大腸菌の検出には、大腸菌が生産するβ−
グルクロニダーゼのみを前記の本発明測定方法によって
検出することもできるが、大腸菌群に属する菌(大腸菌
を含む)が生産するβ−ガラクトシダーゼを公知の方法
で測定する方法とを組み合わせて行なうことにより、更
に精度よく大腸菌を検出することができる。
【0045】先ず、検査すべき大腸菌を含む試料とは、
例えば、大腸菌を含む食品、食品より、例えばストマッ
カーなどを用いて抽出した大腸菌を含む抽出液、調理器
具などに付着する大腸菌を生理食塩水又は緩衝液などを
しみ込ませた綿棒を用いて拭き取ったものなどが挙げら
れる。
【0046】これらの大腸菌を含む試料をそのまま破砕
し、大腸菌菌体中に含まれるβ−グルクロニダーゼ及び
β−ガラクトシダーゼを溶出せしめた後、その破砕液を
大腸菌の検出のための測定試料として用いてもよいが、
好ましくは、上記大腸菌を含む試料を選択培地に移し、
選択培養し、得られた培養菌液を破砕し、その破砕液を
測定試料とする。
【0047】選択培養とは、大腸菌を含む試料を培養す
るとき、特に大腸菌やグラム陰性菌などの生育を可能と
する選択培地を用いることにより、大腸菌やグラム陰性
菌などを選択的に培養し、増殖せしめることを言う。選
択培地としては、大腸菌やグラム陰性菌などを選択的に
増殖させ得るものであれば如何なるものでもよく、例え
ば、普通ブイヨンに0.01%前後のラウリル硫酸ナト
リウム又は0.1%前後のデオキシコ−ル酸ナトリウム
を加えたものなどが挙げられる。さらに、上記選択培地
に任意の糖類を適量添加することにより、微生物のβ−
ガラクトシダーゼやβ−グルクロニダーゼの生産量を増
加せしめることもできる。例えば、β−ガラクトシダー
ゼの生産量を増加せしめるためには、選択培地に0.0
2mM〜10mMの isopropyl-β-thiogalactoside
(以下、IPTGと言う)、または0.1〜10%の乳
糖を添加することができる。選択培養は、通気しても、
密閉してもよく、又必要により振盪してもよい。
【0048】破砕は、大腸菌の生産するβ−グルクロニ
ダーゼやβ−ガラクドシダーゼなどの酵素活性を損なわ
なければ、如何なる方法でもよく、例えば、超音波処
理、溶菌酵素または溶菌剤による処理、フレンチプレス
などの方法により行なうことができる。
【0049】次に、大腸菌を破砕して得られた測定試料
中のβ−グルクロニダーゼ活性及びβ−ガラクトシダー
ゼ活性を測定する。β−グルクロニダーゼ活性は、先に
述べたβ−グルクロニダーゼ活性測定用試薬及び本発明
測定方法を用いて測定することができる。一方、本発明
に用いるβ−ガラクトシダーゼ活性の測定は、既知の何
れの測定方法でも用いることができ、発光基質として、
例えばD−ルシフェリン−O−β−D−ガラクトシドを
用いる測定方法(特願平10−98233号参照)が特
に好ましい。すなわち、上記発光基質、ルシフェラ−
ゼ、ATP,金属イオン及び必要に応じてその他の添加
物を含んだβ−ガラクトシダーゼ測定用試薬に、測定試
料を添加し、反応させ、生成したルシフェリンをルシフ
ェラーゼにより発光させ、その発光量を市販のルミノメ
ーターなどの測定器を用いて測定することによりβ−ガ
ラクトシダーゼ活性を測定することができる。この測定
方法に用いるルシフェラーゼ、ATP、金属イオン、そ
の他の添加物、種々の反応条件、測定条件等の具体的な
態様は、用いる発光基質が異なることを除けば、先にβ
−グルクロニダーゼ活性の測定で述べたのと同様の測定
用試薬、測定条件等を用いることができる。
【0050】以上の測定の結果、測定試料にβ−グルク
ロニダ−ゼ活性、又は両酵素活性が認められた場合、そ
の測定試料をサンプリングしたもとの食品や調理器具な
どに大腸菌が検出されたものと判定する。
【0051】次に、本発明の検出方法の好適な実施態様
を説明する。
【0052】先ず、大腸菌が汚染している恐れのある食
品の一部をサンプリングし、大腸菌を含む試料とする。
その試料を、予め試験管に分注し滅菌した選択培地に接
種する。選択培地として、市販の普通ブイヨンに0.0
01〜1%、好ましくは0.02〜0.5%のデオキシ
コール酸ナトリウムを加えたものを用いる。上記試験管
を15〜45℃、好ましくは30〜40℃で3〜48時
間、好ましくは4〜24時間静置して選択培養する。得
られた培養菌液を超音波処理し、菌体を破砕して測定試
料とする。測定試料中に含まれるβ−グルクロニダーゼ
活性の測定は、本発明測定方法の好適な実施態様におい
て述べたとおりである。
【0053】次に、β−ガラクトシダーゼ活性の測定は
以下の方法による。D−ルシフェリン−O−β−D−ガ
ラクトシド 1μg〜5mg/ml、好ましくは2μg
〜1mg/ml、ルシフェラ−ゼ 10μg〜10mg
/ml、好ましくは20μg〜1mg/ml、ATP
0.05〜50mM,好ましくは0.2〜5mM、ED
TA 0.1〜50mM,好ましくは0.4〜10m
M、酢酸マグネシウム 1〜100mM、好ましくは5
〜50mM、ジチオスレイト−ル0.1〜10mM、好
ましくは0.5〜5mM、牛血清アルブミン 0.02
〜2%、好ましくは0.1〜1%、トリシン 5〜50
0mM、好ましくは10〜200mMからなるpH4〜
10、好ましくはpH6〜8.5のβ−ガラクトシダー
ゼ測定用試薬を調製し、例えば、必要により、室温にて
10分以上、好ましくは30分〜5時間放置し、バック
グラウンドを低下せしめる。
【0054】上記測定用試薬に、測定試料を加えて、温
度20〜45℃、好ましくは25〜40℃で、1秒〜1
時間、好ましくは1〜30分間反応させた後、ルミテス
ターC−100(キッコーマン社製)などのルミノメー
タ−を用いて、1秒以上、好ましくは5秒〜2分間の発
光量(RLU)を測定する。得られた発光量より、測定
試料中に含まれるβ−ガラクトシダーゼ活性を測定す
る。β−グルクロニダ−ゼ活性又は両酵素活性が認めら
れた場合、測定試料をサンプリングした食品などに大腸
菌が存在するものと判定する。
【0055】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明する。但し、本発明の技術的範囲は、これら実施例
により、何ら限定されるものではない。
【0056】実施例1 D−ルシフェリン−O−β−D
−グルクロニドナトリウム塩の製造 グルクロノラクトン 25g(0.14mol)をメタ
ノ−ル 150mlに懸濁し、これに水酸化ナトリウム
1.1g(28mmol)を加え、40℃で10時間
攪拌した。次いで過剰量のメタノールを留去した後、水
・メタノールから再結晶し、グルクロン酸メチルエステ
ルを得た。得られたグルクロン酸メチルエステルを50
℃のピリジン 200mlに溶解し、次いで氷浴で0℃
とした後、無水酢酸 200mlを静かに加え、10時
間室温にて攪拌した後、氷水とジクロロメタンにて抽出
し、ジエチルエーテルから再結晶し、1,2,3,4−
テトラ−O−アセチルグルクロン酸メチルエステル 2
3g(通算収率44%)を得た。
【0057】融点:177〜179℃ 赤外線吸収スペクトル(KBr):3486、295
5、2414、2095、1764、1443、137
7cm-1 核磁気共鳴スペクトル(500MHz)(DMSO−d
6) δ(ppm):6.28(1H,brd,J=8.
1Hz), 5.52(1H,t,J=9.5Hz),
5.04−4.96(2H,m),4.68(1H,
d,J=9.9Hz),3.64(3H,s),2.0
9(3H,s),2.01(3H,s),2.00(3
H,s),1.98(3H,s) 次に、得られた1,2,3,4−テトラ−O−アセチル
グルクロン酸メチルエステル 23g(62mmol)
をジクロロメタン 200mlに溶解し、三臭化りん
5.9ml(62mmol)を加え、次いで水 2.5
mlを加え、室温にて3日間攪拌した後、無水炭酸ナト
リウム 30g(280mmol)を加え、更に1時間
攪拌の後、生成した不溶物をろ別し、1−α−ブロモ−
1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−アセチルグルク
ロン酸メチルエステル 21gを得た。次いで、2−シ
アノ−6−メトキシベンゾチアゾールの脱メチル化によ
って得られた2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾ
ール 1.9g(11mmol)と1−α−ブロモ−1
−デオキシ−2,3,4−トリ−O−アセチルグルクロ
ン酸メチルエステル 8.4g(21mmol)をアセ
トニトリル 200mlに溶解し、酸化銀[I] 4.
3g(19mmol)を加え、室温にて15時間攪拌し
た。次いで酸化銀[I]をろ別し、アセトニトリルを留
去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(酢酸エチル/n−ヘキサン)により精製し、2−シア
ノベンゾチアゾール−6−O−(2,3,4−トリ−O
−アセチル)−β−D−グルクロニドメチルエステル
4.6g(収率99%)を得た。 融点:157〜159℃ 赤外線吸収スペクトル(KBr):3483、295
8、2232、1758、1603、1479、137
6、1225cm-1 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)(DMSO−d
6) δ(ppm):8.23(1H,d,J=9.0H
z), 8.00(1H,d,J=2.5Hz),7.3
8(1H,dd,J=9.0Hz,2.5Hz),5.
76(1H,d,J=7.6Hz),5.54−4.9
2(3H,m),4.73(1H,d,J=10H
z),3.64(3H,s),2.03(3H,s),
2.02(3H,s),2.00(3H,s) 得られた2−シアノベンゾチアゾール−6−O−(2,
3,4−トリ−O−アセチル)−β−D−グルロニドメ
チルエステル 3.0g(7.0mmol)をジクロロ
メタン−メタノール混液(容積比1:1) 60mlに
溶解した後、無水炭酸ナトリウム 0.80g(7.7
mmol)とD−システイン塩酸塩 1.4g(8.0
mmol)を水 30mlに溶解した水溶液を更に加
え、室温で2時間攪拌しながら反応させた。次いで2N
HClにて反応溶液のpHを3.0〜3.5とした
後、ジクロロメタンと水で抽出し、溶媒を留去した。得
られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製
し、D−ルシフェリン−O−(2,3,4−トリ−O−
アセチル)−β−D−グルクロニドメチルエステル
3.8g(収率:91%)を得た。
【0058】融点:158〜159℃ 赤外線吸収スペクトル(KBr):3484、295
7、2094、1753、1592、1492、137
6、1222cm-1 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)(DMSO−d
6) δ(ppm):8.11(1H,d,J=8.8H
z), 7.86(1H,d,J=2.2Hz),7.2
7(1H,dd,J=8.8Hz,2.2Hz),5.
76(1H,d,J=7.3Hz),5.52−5.0
6(3H,m),5.19−5.06(1H,m),
4.73(1H,d,J=10Hz),3.84−3.
73(2H,m),3.74(3H,s),2.03
(3H,s),2.02(3H,s),2.01(3
H,s) 得られたD−ルシフェリン−O−(2,3,4−トリ−
O−アセチル)−β−D−グルクロニドメチルエステル
1.0g(1.7mmol)をジクロロメタン 10
mlに溶解させ、メタノール 100mlを加え、さら
に、0.1Nナトリウムメトキシド 19ml(1.9
mmol)を加えて、室温にて15時間反応させた後、
水 19mlを加えてさらに5時間攪拌した。次いで、
0.1N HClにて中和(pH7)した後、溶媒を留
去し、得られた残渣をODSクロマトグラフィーにより
精製し、水で溶出し、目的区分を濃縮して、D−ルシフ
ェリン−O−β−D−グルクロニドナトリウム塩 36
0mg(0.73mmol、収率43%)を得た。
【0059】融点:235〜237℃(分解) 赤外線吸収スペクトル(KBr):3392、236
3、1603、1491、1400、1255、121
1cm-1 核磁気共鳴スペクトル(500MHz)(D2O)δ
(ppm): 7.85(1H,d,J=8.9H
z),7.64(1H,m),7.23(1H,m),
5.12−5.15(1H,m),5.05−5.07
(1H,m),3.82(1H,d,J=9.0H
z),3.72(1H,t,11Hz),3.48−
3.55(4H,m) 参考例1 D−ルシフェリン−O−β−D−ガラクトシ
ドナトリウム塩の製造 特願平10−98233号に記載の方法により製造する
ことができる。すなわち、2−シアノ−6−メトキシベ
ンゾチアゾール(和光純薬工業社製) 4.4g(23
mmol)を Bull.Chem.Soc.Jpn.,65,392-395頁(1992)
の方法に従って脱メチル化を行い、2−シアノ−6−ヒ
ドロキシベンゾチアゾールを2.8g(収率69%)を
得た。次に、Carbohydrate Research,205,225-233頁(19
90) の方法に従って、2−シアノ−6−ヒドロキシベン
ゾチアゾール 2.8g(16mmol)と、2,3,
4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラ
ノシルブロマイド(シグマ社製) 10.6g(28m
mol)とからグリコシル化によって2−シアノ−6−
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシルオキシ)ベンゾチアゾール 2.6g
(5mmol,収率44%)を得た。さらに、得られた
物質とD−システイン塩酸塩とを縮合させた後、脱アセ
チル化を行い、D−ルシフェリン−β−D−ガラクトシ
ドナトリウム塩 1.0g(収率42%)を得た。
【0060】実施例2 β−グルクロニダーゼ活性の測
定方法−1 本発明測定方法と発色基質を用いる従来の測定方法につ
いて比較した。 1)β−グルクロニダーゼ測定用試薬の調製 以下の組成を含むβ−グルクロニダーゼ測定用試薬を調
製した。0.44mg/ml D−ルシフェリン−O−
β−D−グルクロニドナトリウム塩、25mMトリシン
(pH7.8)、6mM EDTA、15mM 酢酸マ
グネシウム、0.2mM ジチオスレイトール、0.2
% 牛血清アルブミン、0.37%シュクロース、0.
331mg/ml ATP、0.311mg/ml ル
シフェラーゼ(キッコーマン社製)。調製後、そのβ−
グルクロニダーゼ測定用試薬を、25℃にて24時間放
置して、10秒間の発光量を1,000RLU以下(キ
ッコーマン社製ルミテスターK−100を使用)に低下
させてから使用した。 2)標品β−グルクロニダーゼ液の調製 大腸菌由来β−グルクロニダーゼ(シグマ社製)をトリ
シン緩衝液(25mMトリシン、0.2% 牛血清アル
ブミン、pH7.8)を用いて数種類の濃度に希釈して
標品β−グルクロニダーゼ液(測定試料)とした。な
お、1Uは、フェノールフタレイングルクロニドを基質
として用いるとき、37℃、pH6.8において30分
間に1.0μgのフェノールフタレインを遊離させる酵
素量である。 3)本発明測定方法及び従来の測定方法による検量線の
作製 予め、37℃で1分間加温したβ−グルクロニダーゼ測
定用試薬 200μlに、各濃度の標品β−グルクロニ
ダーゼ液 40μlを加え、37℃で3分間保温した
後、10秒間の発光量をルミテスターK−100(キッ
コーマン社製)で測定した。なお、0U/mlの標品酵
素液を添加した場合の発光量(RLU)に対して、1.
1倍以上の値が出た場合に酵素活性プラスと判定した。
その結果、6×10-4U/mlから3×10-1U/ml
までの標品酵素液(9点)では酵素活性と発光量(RL
U)との間に比例関係が得られたが、3×10-4U/m
lでの発光量(RLU)はブランク値の1.1倍未満で
あったため、β−グルクロニダーゼの検出感度は1×1
-4U/測定であった。酵素活性(U/測定)と発光量
(RLU)より、図1に示す検量線を得た。得られた検
量線の式は、y1= 3.948×10-7×x1−2.328×10-4
(y1:酵素活性 U/測定、x1:発光量RLU)とな
った。
【0061】対照実験として、従来の測定方法(臨床酵
素学、赤堀四郎、沖中重雄監修、朝倉書店、397−398頁
参照)に従い、発色基質、 p−ニトロフェニル−β−グ
ルクロニドを用いて、標品酵素液のβ−グルクロニダー
ゼ活性(U/測定)を測定し、前記と同様に図2に示す
検量線を得た。その結果、2×10-4U/mlから2×
101 U/mlまでの各標品酵素液(9点)では酵素活
性と吸光度との間に比例関係(直線性)が得られたが、
2×10-3U/mlの標品酵素液ではマイナス値となっ
たため、β−グルクロニダーゼの検出感度は2×10-2
U/測定であった。検量線の式は、y2=8.691×x2
8.719×10-2(y2:酵素活性U/測定、x2:吸光度の
変化量 OD)となった。
【0062】その結果、本発明測定方法を用いた場合及
び従来の測定方法を用いた場合のβ−グルクロニダーゼ
の検出感度は、それぞれ1×10-4及び2×10-2U/
測定であった。すなわち、発光基質であるD−ルシフェ
リン−O−β−D−グルクロニドを用いた本発明測定方
法は、発色基質である p−ニトロフェニル−β−グルク
ロニドを用いた従来の測定方法に比べ、約200倍感度
が高いことが判明した。また、従来の測定方法は、測定
に約50分間必要であるのに比べ、本発明測定方法は、
約5分間で結果が判明した。すなわち、本発明測定方法
は、従来の測定方法に比べて迅速、かつ、高感度な測定
方法であることがわかった。 4)測定試料の測定 菌濃度を2.5×107 CFU(コロニーフォーミング
ユニット)/mlに調製した大腸菌(IAM12119)液を超
音波処理にて破砕し、測定試料とした。先に調製したβ
−グルクロニダーゼ測定用試薬 200μlを37℃で
1分間加温した後、測定試料 40μlを加え、37℃
で3分間保温し、ルミテスターK−100(キッコーマ
ン社製)で10秒間の発光量(RLU)を測定した。得
られた発光量(6575 RLU)の値と前記3)で作
成した検量線(図1)から、この測定試料のβ−グルク
ロニダーゼの酵素活性は、1.6×10-2U/測定と算
出された。
【0063】実施例3 β−グルクロニダーゼ活性の測
定方法−2 ここでは、本発明測定方法と、対照として蛍光基質を用
いる従来の測定方法について比較した。以下に記載の組
成よりなるβ−グルクロニダーゼ測定用試薬を調製し
た。1.25mM ATP、62.5mM トリシン、
1.25mM EDTA、12.5mM 酢酸マグネシ
ウム、0.25% 牛血清アルブミン、160μg/m
l ルシフェラーゼ(キッコーマン社製)、8.75μ
g/mlD−ルシフェリン−O−β−D−グルクロニ
ド、pH7.8。調製後、β−グルクロニダーゼ測定用
試薬を、25℃にて1時間放置して、試薬自身の発光量
を低下させて使用した。大腸菌由来β−グルクロニダー
ゼ(シグマ社製)を酵素希釈液 [50mM トリシン、
1mM EDTA、1mM DTT、0.2% 牛血清
アルブミン、pH7.8]にて希釈し、0.1×1
-3、3×10-3、1×10-2、3×10-2、1×10
-2、3×10-1、1×100 U/mlの標品β−グルク
ロニダーゼ液(測定試料)を作製した。夫々の濃度の標
品酵素液 40μlを200μlのβ−グルクロニダー
ゼ測定用試薬に添加し、室温にて10分間放置後、ルミ
テスターK−200(キッコーマン社製)で10秒間の
発光量(RLU)を測定し、表1に示した。なお、0U
/mlの標品酵素液を添加した場合の値に対して1.1
倍以上の値が出た場合に酵素活性プラスと判定した。そ
の結果、β−グルクロニダーゼの検出感度は4×10-4
U/測定であった。
【0064】一方、対照として、市販の蛍光基質、4−
メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド(以
下、4−MU−Gluと言う。和光純薬(株)製)を用
いて、以下の方法にてβ−グルクロニダーゼ活性を測定
した。上述の夫々の濃度の標品β−グルクロニダーゼ液
40μlを2mlのβ−グルクロニダーゼ蛍光測定試
薬(34μg/ml 4−MU−Glu、100mM
NaCl、1mM MgCl2、0.1% NaN3
0.1% 牛血清アルブミン、10mM リン酸ナトリ
ウム、pH7.0)に添加し、37℃にて60分間反応
後、1mlの反応停止緩衝液(1M グリシン、pH1
0.3)を添加した。分光蛍光光度計RF−5000
(島津社製)にて、励起波長360nm、蛍光波長45
0nmにおける蛍光強度(FI)を測定し、表1に示し
た。なお、0U/mlの標品酵素液を添加した場合の値
に対して1.1倍以上の値が出た場合に酵素活性プラス
と判定した。
【0065】
【表1】 その結果、β−グルクロニダーゼの検出感度は4×10
-3U/測定であった。すなわち、本発明の測定方法は、
従来の4−MU−Gluを用いた蛍光測定方法に比べ、
測定当たりの検出感度が10倍高いことが判明した。
【0066】実施例4 大腸菌の検出方法 大腸菌 IAM12119 を普通ブイヨン(オキソイド社製)に
て一夜培養した後、ペプトン加生理食塩水(0.85%
NaCl、0.1% バクトペプトン( Difco)、p
H7.0)にて10-6に希釈し、500μlを0.1%
のデオキシコール酸ナトリウムと1mM IPTG(和
光純薬社製)を含む10mlの普通ブイヨン(オキソイ
ド社製)に植菌した。密閉状態で37℃にて静置して、
選択培養し、培養開始後5時間目より1時間毎に8時間
目まで2mlづつ経時的にサンプリングし、大腸菌を含
む試料とした。さらに各試料を超音波処理し、試料中の
菌体を破砕し、測定試料とした。また、大腸菌を含む各
試料の一部をペプトン加生理食塩水で適当に希釈した
後、標準寒天培地上に塗布し、37℃にて24時間培養
し、出現したコロニー数を数え、試料中のCFU(コロ
ニーフォーミングユニット)を算出した。
【0067】得られた測定試料について、β−グルクロ
ニダーゼ活性は実施例3に記載した、本発明方法及び4
−MU−Gluを用いる従来の蛍光測定方法(従来法)
により測定した。また、β−ガラクトシダーゼ活性は以
下に述べる、発光基質として、D−ルシフェリン−O−
β−D−ガラクトシドを用いる測定方法(特願平10−
98233号参照)により測定した。なお、上記何れの
方法を用いた場合も、培地のみを添加した場合の測定値
に対して1.1倍以上の値が出た場合に、それぞれ酵素
活性が認められたもの(プラス)と判定した。
【0068】β−ガラクトシダーゼ活性は以下のとおり
測定した。
【0069】β−ガラクトシダーゼ測定用試薬[1.2
5mM ATP、62.5mM トリシン、1.25m
M EDTA、12.5mM 酢酸マグネシウム、0.
25% 牛血清アルブミン、160μg/ml ルシフ
ェラーゼ(キッコーマン社製)、8.75μg/ml
D−ルシフェリン−O−β−D−ガラクトシド、pH
7.8]を調製した。β−ガラクトシダーゼ測定用試薬
は、調製後、25℃にて1時間放置して、試薬自身の発
光量を低下させて使用した。40μlの測定試料を20
0μlのβ−ガラクトシダーゼ測定用試薬に添加し、室
温にて10分間放置後、ルミテスターK−200(キッ
コーマン社製)で10秒間の発光量(RLU)を測定し
た。結果を表2に示す。
【0070】
【表2】 β−ガラクトシダーゼ活性は、5時間培養の大腸菌液
(2.0×105 CFU/ml)より検出が可能であっ
た。一方、β−グルクロニダーゼ活性は本発明測定方法
では6時間培養の大腸菌液(1.2×106 CFU/m
l)から検出できたのに対し、従来の蛍光測定方法では
7時間培養の大腸菌液(1.1×107 CFU/ml)
からしか検出できなかった。すなわち、大腸菌を検出す
る場合において、本発明測定方法は、4−MU−Glu
を用いる従来の蛍光測定方法に比べ、短時間の培養で検
出できる(すなわち感度が高い)ことが明らかになっ
た。
【0071】実施例5 菌株の特異性 本発明の大腸菌の検出方法による菌株の特異性について
検討した。4株の大腸菌(IAM12119, ATCC9637, ATCC259
22, ATCC35218)、7株の大腸菌群に属する細菌、Escher
ichia hermannii (JCM1473), Citrobacter freundii (J
CM 1657), Klebsiella pneumoniae (ATCC 13883), Serr
atia marcescens (ATCC13880), Serratia liquefaciens
(IFO12979), Enterobacter cloacae (IAM12349), Ente
robactersakazakii (IAM12660)、5株の大腸菌群以外の
グラム陰性菌、 Salmonella Typhimurium (ATCC 2962
9), Morganella morganii (ATCC 25830), Proteus mira
bilis (ATCC 25933), Pseudomonas aeruginosa (ATCC 2
7853), Pseudomonas diminuta (IFO12697)、6株のグラ
ム陽性菌、Micrococcus luteus (ATCC 4698), Enteroco
ccus faecalis (ATCC29212), Streptococcus agalactia
e (ATCC 13813), Corynebacterium renale (ATCC 1941
2), Bacillus subtilis (ATCC 6051),Staphylococcus a
ureus (ATCC 12600)、を検討菌株として用いた。これら
の菌株を0.1%のデオキシコール酸ナトリウムと1m
M IPTGを含む普通ブイヨン(オキソイド社製)に
て16時間、選択培養した。得られた各培養菌体を超音
波処理にて破砕し、それぞれを測定試料とした。得られ
た測定試料について、実施例4に記載の方法でβ−ガラ
クトシダーゼ活性を、そして実施例3記載の本発明測定
方法を用いてβ−グルクロニダーゼ活性を測定した。な
お、16時間目の培養液を用いたため、発光量の測定に
おいて若干量のノイズが観察される場合があり、酵素活
性の有無(プラス、マイナス)の判定は、培地のみを添
加した場合の値の1.5倍以上の値を示すものをプラ
ス、1.5倍未満の値を示すものをマイナスと判定し
た。
【0072】その結果,4株の大腸菌はすべてβ−ガラ
クトシダーゼプラス、β−グルクロニダーゼプラスとな
り、大腸菌と判定された。大腸菌以外の大腸菌群はすべ
てβ−ガラクトシダーゼプラス、β−グルクロニダーゼ
マイナスとなり、非大腸菌と判定された。また、大腸菌
群以外の細菌はすべてβ−ガラクトシダーゼマイナス、
β−グルクロニダーゼマイナスとなり、非大腸菌群と判
定された。すなわち、本発明の検出方法を用いることに
より、用いた22株すべてについて、大腸菌もしくは非
大腸菌の判定が正確に行なえることが判明した。
【0073】
【発明の効果】本発明の新規D−ルシフェリン−O−β
−D−グルクロニド及びその塩を有効成分として含むβ
−グルクロニダーゼ活性測定用試薬、該新規化合物を発
光基質として用いて、簡便で迅速でしかも高感度にβ−
グルクロニダーゼの活性を測定する方法、さらには、該
測定用試薬とβ−ガラクトシダーゼ活性測定用試薬から
なる大腸菌検出用試薬及び該β−グルクロニダーゼ活性
測定方法とβ−ガラクトシダーゼ活性測定方法とを組み
合わせた大腸菌検出方法を提供する。これらの試薬及び
方法は、臨床医学や食品衛生分野において好適に使用で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2における本発明測定方法により作成
したβ−グルクロニダーゼ活性(U/測定)と発光量
(RLU)の関係(検量線)を示す図。
【図2】 実施例2における従来の測定方法により作成
したβ−グルクロニダーゼ活性(U/測定)と吸光度の
変化量(OD)の関係(検量線)を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 郁子 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内 (72)発明者 徳武 昌一 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内 Fターム(参考) 4B063 QA01 QQ03 QQ06 QQ15 QQ16 QQ35 QR02 QR43 QR58 QR69 QS02 QX02 4C057 AA18 BB02 DD03 EE03 KK30

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 〔式中、Rは水素原子、有機アンモニウム基またはアル
    カリ金属原子を示す〕で表される、D−ルシフェリン−
    O−β−D−グルクロニド又はその塩。
  2. 【請求項2】 一般式(2): 【化2】 〔式中、R1はアシル基、R2はアルキル基、Yはハロゲ
    ン原子を示す〕で表される1−ハロゲノグルクロン酸誘
    導体に、2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール
    誘導体を作用させ、次いでまたは同時に、D−システイ
    ン誘導体を反応させて一般式(3): 【化3】 〔式中、Rは水素原子、有機アンモニウム基またはアル
    カリ金属原子、R1 はアシル基、R2 はアルキル基を示
    す〕で表される化合物を得、次いで水酸基保護基及びカ
    ルボン酸保護基を除去して得られる、請求項1記載のD
    −ルシフェリン−O−β−D−グルクロニド又はその塩
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のD−ルシフェリン−O−
    β−D−グルクロニド又はその塩及びルシフェラ−ゼを
    有効成分として含む、β−グルクロニダーゼ活性測定用
    試薬。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のD−ルシフェリン−O−
    β−D−グルクロニド又はその塩を含む反応液に、測定
    試料を加えて反応させ、生成するルシフェリンをルシフ
    ェラ−ゼを用いて発光させ、その発光量を測定すること
    を特徴とする、β−グルクロニダーゼ活性の測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のD−ルシフェリン−O−
    β−D−グルクロニド又はその塩及びルシフェラ−ゼを
    有効成分として含むβ−グルクロニダーゼ活性測定用試
    薬を含む、大腸菌検出用試薬。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のD−ルシフェリン−O−
    β−D−グルクロニド又はその塩及びルシフェラ−ゼを
    有効成分として含む、β−グルクロニダーゼ活性測定用
    試薬とβ−ガラクトシダ−ゼ活性測定用試薬とからな
    る、大腸菌検出用試薬。
  7. 【請求項7】 β−ガラクトシダーゼ活性測定用試薬
    が、D−ルシフェリン−O−β−D−ガラクトシド又は
    その塩及びルシフェラ−ゼを有効成分として含む試薬で
    ある、請求項6記載の大腸菌検出用試薬。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のD−ルシフェリン−O−
    β−D−グルクロニド又はその塩を含む反応液に、測定
    試料を加えて反応させ、生成するルシフェリンをルシフ
    ェラ−ゼを用いて発光させ、その発光量を測定する、β
    −グルクロニダーゼ活性の測定方法を用いて検出するこ
    とを特徴とする、大腸菌の検出方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のD−ルシフェリン−O−
    β−D−グルクロニド又はその塩を含む反応液に、測定
    試料を加えて反応させ、生成するルシフェリンをルシフ
    ェラ−ゼを用いて発光させ、その発光量を測定する、β
    −グルクロニダーゼ活性の測定方法と、D−ルシフェリ
    ン−O−β−D−ガラクトシド又はその塩を含む反応液
    に、測定試料を加えて反応させ、生成したルシフェリン
    をルシフェラーゼを用いて発光させ、その発光量を測定
    する、β−ガラクトシダーゼ活性の測定方法とを組み合
    わせて検出することを特徴とする、大腸菌の検出方法。
  10. 【請求項10】 測定試料が、大腸菌を含む試料を選択
    培養した試料である、請求項8又は請求項9記載の大腸
    菌の検出方法。
  11. 【請求項11】 選択培養がグラム陰性菌の選択培地を
    用いて行なう選択培養である、請求項10記載の大腸菌
    の検出方法。
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